JPH1024471A - 成形機用シリンダ - Google Patents

成形機用シリンダ

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JPH1024471A
JPH1024471A JP8201118A JP20111896A JPH1024471A JP H1024471 A JPH1024471 A JP H1024471A JP 8201118 A JP8201118 A JP 8201118A JP 20111896 A JP20111896 A JP 20111896A JP H1024471 A JPH1024471 A JP H1024471A
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molding machine
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Shiro Takada
志郎 高田
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工工数を削減し、焼嵌作業を容易化でき、
内層部材出口側端部付近の破壊を防止できると共に外筒
の割れの発生を防止できる成型機用シリンダを提供す
る。 【解決手段】 本発明の成形機用シリンダは、外径の焼
嵌率を変化させるため焼嵌率に相応する焼嵌代の段差を
有する内層部材2を金属で被覆し、この内層部材2を内
面がストレート形状のシリンダ外筒1にシリンダ全長に
わたって焼嵌してなる成形機用シリンダである。前記金
属は内層部材よりも被削性のよい材料であるため、焼嵌
面の仕上げ加工が耐摩耗耐食性合金からなる内層部材を
仕上げ加工するよりも容易となり、内層部材の外層の円
筒度及び真直度を高精度に仕上げ加工する手間が省け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐摩耗耐食性合金か
らなる内層部材がシリンダ外筒の内周へ焼嵌固着されて
ばる成形機用シリンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平2−17216には、図3に示す
ような成形機用複合シリンダが開示されている。この複
合シリンダは、熱間等方圧加圧(以下「HIP」と略記
する)処理によって耐食耐摩耗合金の内表面層3が固着
された内層部材2を焼嵌によりシリンダ外筒1に嵌入し
たものである。このシリンダは、内層部材2を外筒1内
に焼嵌により嵌入させているため、内層部材2には周方
向に圧縮残留応力が生じている。この圧縮残留応力は、
射出又は押出成形機の成形時にシリンダ内に内圧力がか
かって内表面層と内層部材に加わる引張応力を打ち消す
ため、内表面層と内層部材との接合部に無理な力が生じ
ることなく、シリンダ全体の耐久性が高まる。また、H
IP処理する部材は内層部材と内表面層のみであるた
め、外筒ごとHIP処理する場合に比べ、多数本の部材
を1回のHIP処理で得ることができ、コストの低減化
を図ることができる。しかしながら、上記従来の成形機
用シリンダには以下のような問題がある。 一般に成形機用シリンダの形状は極めて細長い。例え
ば内径30mmの射出成形機用シリンダの全長は約600mm、
内径90mmの射出成形機用シリンダの全長は約1800mmであ
る。このような細長いシリンダを焼嵌るには、シリンダ
全長にわたって、外筒の内径や内層部材の外径を寸法公
差、円筒度及び真直度について高精度に仕上げ加工する
ことが必要となる。しかし、この仕上げ加工は実際上非
常に難しく、多大な加工工数を要するという問題があ
る。鋼製外筒に焼嵌る場合、成形時に必要な強度を外筒
に確保させると共に、外筒の内面に参加スケール膜が生
成しないように外筒を500〜600℃に加熱する。こ
のとき嵌入される内層部材が例えばNi基合金の内径30m
m、外径40mmのものであると、熱膨張した外筒の内径と
内層部材の外径との隙間は約0.25〜0.30mmとわ
ずかである。このため両部材が全長にわたって高精度に
仕上げ加工されていないと、その分さらに隙間が小さく
なり、焼嵌作業が一層困難になる。 外筒を加熱炉から取り出して垂直にセットした後、内
層部材を焼嵌る。そこで外筒の温度が下がり過ぎて焼嵌
に必要な隙間が得られなくならないように、両部材の位
置決めを短時間に行うことが必要となる。しかし、外筒
は高温であるためにセットに手間取りやすいこと、また
内層部材の位置決めは精度がいることにより、両部材の
位置決めを短時間に行うことは容易ではない。また、外
筒の熱影響により内層部材が熱膨張して外筒内に接触す
ることを極力抑えるため、嵌入も瞬時に行わなければな
らない。しかし、実作業上、外筒のわずかな加熱むら
や、位置決め精度の不良により、内層部材を外筒内に接
触しないようにスムーズに嵌入させることは難しく、と
もすれば内層部材が外筒内にひっかかって中途で焼嵌ら
れてしまう。 例えばプラスチックを射出成形する場合、シリンダの
外周に成形材料を溶かすための加熱ヒータを取り付けて
行う。このため、ヒータを取り付けた成形材料の投入口
より出口側の端部付近まで(シリンダ全長の約2/3以
下)の領域で温度が高くなり、反対側の端部付近はほと
んど温度上昇しない。そこで、成形作業による温度上昇
と作業休止による冷却を繰り返しているうちに、外筒と
内層部材とがシリンダ軸方向に相対的に位置ずれを起こ
す可能性が大きい。すなわち、焼嵌に際して外筒は加熱
されて膨張した状態で嵌合されているので、完成品にお
いてはシリンダ軸方向に引張残留応力が内在している。
しかし、前述の温度上昇と冷却によりこの応力が次第に
緩和されて、内層部材と外筒との熱膨張差により、外筒
は温度上昇のほとんどない成形材料の投入口側に引っ張
られて収縮しやすくなる。一方、シリンダ軸方向に圧縮
残留応力が内在していた内層部材は出口側に膨張しやす
くなる。結果として、内層部材の出口側端面が外筒の出
口側端面より突出して、シリンダの出口側に締結されて
いるノズル部端面との接触圧力を内層部材の端面のみで
支承することになり、内層部材の出口側端部付近が破壊
されやすくなる。 寿命の尽きた内層部材を交換するため、外筒を加熱し
て内層部材を抜き取ろうとする場合、互に熱膨張係数が
近い外筒と内層部材とがシリンダ全長にわたって焼嵌さ
れているので、抜き取りはほとんど不可能である。
【0003】一方、図4に示すように昭60−2212
23には、セラミックス製内層部材2の外周面に金属薄
膜を付着し、その内層部材2をシリンダ外筒1に焼嵌固
着してなる複合シリンダが開示されている。セラミック
ス製内層部材の外周に付着する金属薄膜は軟質で、熱膨
張係数の大きいものが好ましく、溶射又はメッキにより
内層部材外周に付着する。この複合シリンダによると、
セラミックスよりも熱膨張係数の高い金属薄膜を被覆す
るために、熱膨張係数が低いセラミックス製内層部材に
起因するシリンダ使用時の焼嵌応力の弛緩を防止でき
る。その結果、使用時の外筒と内層部材とのシリンダ軸
方向への相対的な位置ずれやの内層部材の割れを防止で
きる。すなわち、セラミックス製内層部材に金属を被覆
することにより、脆弱で熱膨張係数が低いセラミックス
製内層部材の欠点を補填できるということである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するために、下記の成形機用シリンダを提供す
ることを目的とする。 シリンダ全長にわたって、外筒の内径や内層部材の外
径を寸法公差、円筒度及び真直度について高精度に仕上
げ加工する手間を少なくすることにより、加工工数を削
減できる成形機用シリンダ。 内層部材の位置決めに高精度を必要とせず、しかも嵌
入のとき内層部材が外筒内面に接触熱膨張する可能性を
少なくすることにより、焼嵌作業を容易化できる成形機
用シリンダ。 使用時の温度上昇と冷却に伴う内層部材の出口側への
位置ずれによる突出をなくすことにより、内層部材出口
側端部付近の破壊を防止できる成形機用シリンダ。 嵌合された内層部材の抜き取りを容易化することによ
り、寿命のつきたシリンダにおいて外筒を流用したまま
内層部材を交換してシリンダの再生ができる成形機用シ
リンダ。 低コストで製造できる成形機用シリンダ。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の成形機用シリン
ダは、内層部材の外周を金属により被覆するとともに、
その内層部材をシリンダ外筒の内周へ焼嵌固着してなる
ことを特徴とする。前記金属は内層部材およりも被削性
のよい材料からなり、さらに前記金属の外周及び/又は
シリンダ外筒の内周に、金属又は無機質の粒子を付着さ
せて、焼嵌固着されてなる。なお、この金属又は無機質
の粒子は粒度100〜360メッシュであるのが好まし
い。また、前記内層部材は耐摩耗耐食性合金の単一材質
又は耐摩耗耐食性合金の内表面層を鋼製中空円筒の内周
に金属結合して形成した複合材質からなる。
【0006】また、本発明の成形機用シリンダは シリ
ンダ全長にわたって焼嵌率を変化させて焼嵌固着されて
なる。この場合、成形機用シリンダにおける焼嵌率は、
3/1000以下であるのが好ましく、さらに成形材料の投入
口から出口側の領域の焼嵌率を他側領域よりも大きくし
て焼嵌固着されてなる。成形材料の投入口から出口側の
領域で設定できる焼嵌率は3/1000以下、他側領域で設定
できる焼嵌率は1.5/1000以下である。また、本発明の成
形機用シリンダは、成形材料投入口から出口側の領域の
みで焼嵌固着されてなる。このシリンダは、成形時にシ
リンダの半径方向に加わる内圧力が特に大きい領域のみ
で焼嵌固着されてなり、焼嵌率は3/1000以下が好まし
い。
【0007】また、前記耐摩耗耐食性合金はCo基合金又
はNi基合金からなる。さらに、前記耐摩耗耐食性合金
はFe基合金からなり、好ましくは耐摩耗耐食性鉄鋼材
料、ステンレス鋼、高クロム耐熱鋼等を用いる。
【0008】また、本発明の内層部材は遠心鋳造法又は
熱間等方圧加圧(HIP)焼結法により製造される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の成形機用シリンダの一実
施態様は、図1に示すように、外径の焼嵌率を変化させ
るため焼嵌率に相応する焼嵌代の段差を有する内層部材
2を金属で被覆し、この内層部材2を内面がストレート
形状のシリンダ外筒1にシリンダ全長にわたって焼嵌し
てなる成形機用シリンダである。また、他の実施態様
は、図2に示すように段差を有する内層部材2の成形材
料投入口から出口側のみに金属を被覆し、シリンダ外筒
1に内層部材2をこの内層部材2を内面がストレート形
状のシリンダ外筒1に成形材料投入口から出口側のみで
焼嵌固着してなる成形機用シリンダである。前記金属は
内層部材よりも被削性のよい材料であるため、焼嵌面の
仕上げ加工が耐摩耗耐食性合金からなる内層部材を仕上
げ加工するよりも容易となり、内層部材の外層の円筒度
及び真直度を高精度に仕上げ加工する手間が省ける。さ
らに、前記金属は熱膨張係数が大きく、熱伝導率の大き
いものが好ましい。
【0010】内層部材の外層に金属を被覆後、その金属
の外周及び/又はシリンダ外筒の内周に金属又は無機質
の粒子を付着させてもよい。このように粒子を付着させ
ると、内層部材の外面及びシリンダ外筒の内面の摩擦抵
抗力が小さくなるために内層部材をシリンダ外筒へ嵌入
する作業が容易になる。さらに、焼嵌完了後は焼嵌面に
おいて各粒子が内層部材と外筒の焼嵌面に食い込んでく
さびの役割を果たし、その結果、高温高内圧力のかかる
成形時においてもシリンダ外筒と内層部材がずれること
がない。この粒子の粒度は100メッシュから360メ
ッシュがよい。100メッシュ未満であると、粒子の直
径が焼嵌面の隙間より大きいので焼嵌が不可能となり成
形機用シリンダにおける実用性がなくなる。また360
メッシュを越えると、細かくなりすぎて焼嵌面への喰い
込み効果がなくなる。
【0011】本発明において、焼嵌率が3/1000を越える
と、外筒1は焼嵌による引張残留応力が過剰となり、成
形時に発生するシリンダ内圧力に耐えられなくなり、割
れが発生する。従って、外筒1と内層部材2との焼嵌率
は3/1000以下とする。また、成形材料投入口から出口側
の焼嵌率を3/1000以下とし他側領域の焼嵌率を1.5/1000
以下とするが、他側領域の焼嵌率が1.5/1000を越えると
焼嵌作業時における隙間が小さくなったり、焼嵌締付力
が大きくなったりして、前記本発明の目的が期待できな
くなる。
【0012】
【実施例】
(実施例1)HIP処理によりNi基耐摩耗耐食性合金の
内表面層を鋼製中空円筒の内周に金属結合して形成した
複合材質からなる内層部材を有する本発明の射出成形機
用シリンダ(図1)について説明する。その製造工程
は、まず、日本工業規格(JIS G 4105)に規定されるSC
M440相当のCr-Mo鋼を用いて外径80mm、内径35±
0.05mm、長さ800mmの中空円筒状の外筒1を製作
した。次に重量比で、Cr14.8%、B2.9%、Si3.6%、C0.6
%、Fe2.9%を含み、残部がNi及び不可避的不純物からな
る内表面層用の耐摩耗耐食性合金の粉末を準備した。次
ぎに鋼性中空円筒4内に芯金を挿入し、鋼性中空円筒4
と芯金との隙間に次に鋼製中空円筒4内に芯金を挿入
し、鋼製中空円筒4と芯金との隙間に前記耐摩耗耐食性
合金の粉末を充填し、蓋を溶接した後、脱気処理を施し
た。次ぎにHIP処理装置内に前記粉末を装填した鋼性
中空円筒4を装入し、温度980℃、圧力1,000atm、ア
ルゴンガス雰囲気中で5時間保持の条件でHIP処理し
た。処理後、蓋、芯金を除去することにより鋼製中空円
筒4の内周に耐摩耗耐食性合金の内表面層3を金属結合
した複合材質からなる内層部材用素材を得た。この内層
部材用素材の内径25mmに仕上げ加工した。外径は、ま
ず、全長にわたって33.0±0.1mmに加工した。次
ぎにこの素材の外周に片肉1.5mmの厚みでアルミニウ
ム合金を溶射法により被覆した後、成形材料投入口より
出口側の長さ200mmのAゾーンにおいて、前記外筒の内
径を実測し、その内径の値に焼嵌率が0.7/1000に該当す
る量、すなわち0.025mmの焼嵌代を付加した値を内層部
材の外径として仕上げ加工した。また、Aゾーン以外の
部分600mmにおいては、外径が35.011mm±0.005mm、すな
わち焼嵌率が0.3/1000となるように加工した。このよう
に内層部材用素材を加工することにより内層部材2を得
た。最後に、得られた内層部材2を焼嵌温度500℃で
外筒1内に焼嵌て本発明の成形機用シリンダを完成させ
た。
【0013】(実施例2)遠心鋳造により製造したCo基
耐摩耗耐食性合金単一材質からなる内層部材を有する本
発明の射出成形機用シリンダ(図2)について説明す
る。その製造工程はまず、実施例1と同様に、日本工業
規格(JISG4105)に規定されるSCM440相
当のCr−Mo鋼を用いて、外径80mm、長さ800mm
のシリンダ外筒1を製作した。内径は成形材料投入口よ
り出口側の長さ200mmのAゾーンにおいては40.0
±0.005mm、Aゾーン以外の部分においては、4
0.1±0.1mmに加工した。次に重量比で、Cr28.4
%、B3.2%、Si3.8%、W10.3%、C2.2%、Fe1.7%を含み、残
部がCo及び不可避的不純物元素からなる内層部材用耐摩
耗耐食性合金を溶解した後、加熱炉にて900℃に加熱し
た円筒状の鋳型内にこの内層部材用合金を鋳込温度1450
℃で注入し、遠心力鋳造機により、鋳型を高速回転して
内層部材用素材を製造した。次に、この内層部材用素材
を内径25mmに仕上げ加工した。外径は、まず、800mm
の全長にわたって39.8±0.1mmに加工した。その
後、この素材の成形材料投入口より出口側の長さ200mm
のAゾーンの外周にメッキ法により片肉0.6mmの銅の
被覆層を設け、その被覆層部の外径については、前記外
筒の内径を実測し、その内径の値に焼嵌率が0.7/1000に
該当する量、すなわち0.025mmの焼嵌代を付加した
値を内層部材の外径として加工した。また、Aゾーン以
外の部分600mmにおいては銅の被覆層がなく、最初の外
径39.8±0.1mmのままであり、外筒1との間に隙
間ができるようになっている。このように内層部材用素
材を加工することにより内層部材2を得た。次ぎに、内
層部材の銅被覆層の外周に粘結剤として用いる塗料と混
合した120メッシュの炭化珪素粒子を散布付着させ
た。最後に、得られた内層部材2を焼嵌温度500℃で
外筒1内に焼嵌て本発明の成形機用シリンダを完成させ
た。
【0014】実施例1及び実施例2のシリンダにおいて
は、内層部材の外径の加工が容易であり、加工工数がの
点では大幅に削減できた。また、焼嵌嵌入のとき、内層
部材が外筒内にひっかかることなく円滑に完了した。実
施例1及び実施例2のシリンダをPPS+GF40%樹
脂系プラスチック射出成形機に装着し、実成形作業に連
続18カ月間使用した結果、外筒又は内層部材の割れが
発生せず、外筒と内層部材との相対的移動もなく、耐摩
耗耐食性も良好であった。実施例は射出成形機用シリン
ダについて述べたが、本発明はこれに拘るものではな
く、例えば押出成形機用シリンダ等に適用してもよい。
【0015】
【発明の効果】本発明の成形機用シリンダによると、内
層部材の焼嵌面に被削性のよい金属を被覆するために、
外筒の内径や内層部材の外径を寸法公差、円筒度及び真
直度について高精度に仕上げ加工する手間が少なくなり
加工工数を削減できる。また、焼嵌率を変化させるため
に内層部材の位置決めに高精度を必要とせず、しかも、
嵌入のとき内層部材が熱膨張して外筒内に接触する可能
性が少なくなるため焼嵌作業時間を短縮できる。また、
シリンダ全長にわたって焼嵌率を変化させるために、使
用時の温度上昇と冷却に伴う内層部材の出口側への位置
ずれによる突出がなくなるため内層部材の出口側端部付
近の破壊を防止できる。また、成形材料投入口の出口側
のみで焼嵌率を大きくするために、嵌合された内層部材
の抜き取りが可能となり、寿命のつきたシリンダにおい
て外筒を流用したまま内層部材を交換してシリンダの再
生ができる。上記の効果により、全体的に製造コストを
軽減することができ低コストなシリンダを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形機用シリンダの断面図である。
【図2】本発明の他の態様の成形機用シリンダの断面図
である。
【図3】従来の成形機用シリンダの断面図である。
【図4】従来の成形機用シリンダの断面図である。
【符号の説明】
1・・・シリンダ外筒、2・・・・内層部材、3・・・・内表面
層、4・・・中空円筒、Aゾーン・・・成形材料投入口から出
口側であって内圧力の高い部分。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層部材の外周を金属により被覆すると
    共に、シリンダ外筒の内周へ前記内層部材を焼嵌固着さ
    れてなることを特徴とする成形機用シリンダ。
  2. 【請求項2】 内層部材の外周を被覆する前記金属は被
    削性が内層部材よりも良い材料からなることを特徴とす
    る請求項1に記載の成形機用シリンダ。
  3. 【請求項3】 内層部材の外周を被覆した前記金属の外
    周及び/又はシリンダ外筒の内周に、金属又は無機質の
    粒子を付着させて、焼嵌固着されてなることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載のの成形機用シリンダ。
  4. 【請求項4】 金属又は無機質の粒子は粒度が100〜
    360メッシュであることを特徴とする請求項3に記載
    の成形機用シリンダ。
  5. 【請求項5】 前記内層部材が耐摩耗耐食性合金の単一
    材質、又は耐摩耗耐食性合金の内表面層を鋼製中空円筒
    の内周に金属結合して形成した複合材質からなる請求項
    1ないし請求項4のいずれか一に記載の成形機用シリン
    ダ。
  6. 【請求項6】 シリンダ全長にわたって焼嵌率を変化さ
    せて焼嵌固着されてなることを特徴とする請求項1ない
    し請求項5のいずれか一に記載の成形機用シリンダ。
  7. 【請求項7】 焼嵌率が3/1000以下であることを特徴と
    する請求項6に記載の成形機用シリンダ。
  8. 【請求項8】 成形材料の投入口から出口側の領域の焼
    嵌率を他側領域よりも大きくして焼嵌固着されてなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一に
    記載の成形機用シリンダ。
  9. 【請求項9】 成形材料の投入口から出口側の領域の焼
    嵌率を3/1000以下、他側領域の焼嵌率を1.5/1000以下に
    して焼嵌固着されてなることを特徴とする請求項8に記
    載の成形機用シリンダ。
  10. 【請求項10】 成形材料投入口から出口側の領域のみ
    で焼嵌固着されてなることを特徴とする請求項1ないし
    請求項5のいずれか一に記載の成形機用シリンダ。
  11. 【請求項11】 成形時にシリンダの半径方向に加わる
    内圧力が特に大きい領域のみで焼嵌固着されてなる請求
    項10に記載の成形機用シリンダ。
  12. 【請求項12】 前記内層部材とシリンダ外筒の焼嵌率
    が0.01/1000〜3/1000であることを特徴とする請求項1
    0又は請求項11に記載の成形機用シリンダ。
  13. 【請求項13】 前記耐摩耗耐食性合金がCo基合金から
    なる請求項1ないし請求項12のいずれか一に記載の成
    形機用シリンダ。
  14. 【請求項14】 前記耐摩耗耐食性合金がNi基合金から
    なる請求項1ないし請求項12のいずれか一に記載の成
    形機用シリンダ。
  15. 【請求項15】 前記耐摩耗耐食性合金がFe基合金から
    なる請求項1ないし請求項12のいずれか一に記載の成
    形機用シリンダ。
  16. 【請求項16】 前記耐摩耗耐食性合金が耐摩耗耐食性
    鉄鋼材料からなる請求項1ないし請求項12、又は請求
    項15のいずれか一に記載の成形機用シリンダ。
  17. 【請求項17】 前記耐摩耗耐食性合金がステンレス鋼
    からなる請求項1ないし請求項12、又は請求項15、
    又は請求項16のいずれか一に記載の成形機用シリン
    ダ。
  18. 【請求項18】 前記耐摩耗耐食性合金が高クロム耐熱
    鋼からなる請求項1ないし請求項12、又は請求項1
    5、又は請求項16のいずれか一に記載の成形機用シリ
    ンダ。
  19. 【請求項19】 前記内層部材が遠心鋳造法により製造
    されてなる請求項1ないし請求項18のいずれか一に記
    載の成形機用シリンダ。
  20. 【請求項20】 前記内層部材が熱間等方圧加圧焼結法
    により製造されてなる請求項1ないし請求項18のいず
    れか一に記載の成形機用シリンダ。
JP8201118A 1996-07-11 1996-07-11 成形機用シリンダ Pending JPH1024471A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001200931A (ja) * 1999-11-30 2001-07-27 Tony U Otani 複合合金スリーブを含むプラスチック成型用加熱シリンダ
JP2010133429A (ja) * 2006-01-16 2010-06-17 Lg Electronics Inc リニア圧縮機

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