JPH10244670A - インクジェットプリンタにおけるインク吐出制御方法及びその装置 - Google Patents
インクジェットプリンタにおけるインク吐出制御方法及びその装置Info
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Abstract
ンク吐出時のクロストーク現象の影響によるムラが生じ
難くすることができるインクジェットプリンタのインク
吐出制御方法及びその装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 本発明のプリンタには、通電経路83へ
直列にインダクタ64が挿入されている。駆動電圧の立
ち上がり時及び立ち下がり時に、駆動電流には、インダ
クタ64により圧電素子の駆動数に比例して大きくなる
アンダーシュート及びオーバーシュートが発生する。そ
の影響で、駆動電圧も圧電素子の駆動数に比例して大き
くなる。この結果、圧電素子の駆動数を増やしていく
と、圧電素子の駆動電圧が大きくなり、インクにかかる
圧力が強くなることで、クロストーク現象の影響による
インクの吐出速度の低下が起こらず、記録紙に形成され
る画像にムラが生じ難くなるという効果を奏する。
Description
ンタのインク吐出制御方法及びその装置に関するもので
ある。
載されるヘッドのアクチュエータとして、アクチュエー
タ内に形成されたインク貯留室の容積を、電圧印加に伴
い膨張・収縮する圧電素子で変化させることにより、イ
ンク貯留室内のインクを加圧して、アクチュエータから
外部へ吐出させるものが知られている。
ドのアクチュエータ40として、例えば、図8のような
ものが知られている。アクチュエータ40は、ベース4
1と、圧電素子部材42と、ダイヤフラム43と、キャ
ビティプレート44と、ノズルプレート45とを備えて
いる。
28個)のインク吐出孔45aを2列に配した平板であ
る。キャビティプレート44は、二組のL字型のインク
流路44aと、インク流路44aから直角に分岐し、イ
ンク吐出孔45aの数だけ形成されたインク貯留室44
bとを備えるもので、インク貯留室44bの各々は、そ
れぞれ対応したインク吐出孔45aの一つに通じてい
る。
の各々を個別に膨張・収縮させることができるように、
多数(例えば、128個)の圧電素子42aを備えたも
のである。ダイヤフラム43は、圧電素子部材42及び
キャビティプレート44の間を隔てるもので、弾性を有
する。
各部を支持するものである。なお、ベース41、圧電素
子42及びダイヤフラム43には、図示しないインクタ
ンクとインク流路44aとにおいて、インクを循環させ
るための往路41a及び復路41bが二箇所ずつ貫通し
ている。
断面拡大図である図9(a)を用いて説明する。キャビ
ティプレート44に形成されたインク貯留室44bは、
インク流路44aに連通路44cを通じて連結されてお
り、下部には、インク吐出孔45aに通じるオリフィス
44dが形成されている。
されると、矢印V方向に膨張し、インク貯留室44bの
容積を点線Yに示すように、収縮させるようになってお
り、圧電素子42aは印加された駆動電圧が開放される
と収縮し、初期の状態に戻るようになっている。
0からインクを吐出させる動作について説明する。イン
クは、図示しないインクタンクから一対の往路41aを
通して一対のインク流路44aに圧送され、インク流路
44aを満たす。そして、圧電素子42aの駆動電圧を
開放することで、圧電素子42aを収縮させて、インク
をインク流路44aから連通路44cを通してインク貯
留室44bに引き込み、インクをインク貯留室44bに
充填させる。
て、インク貯留室44bの容積を収縮させることで、イ
ンクをオリフィス44dを通して、外部へ吐出させる。
このようなアクチュエータ40のインク吐出動作によっ
てインクは、アクチュエータ40から吐出される。
させる間に、各圧電素子42aを、所望の印字データに
基づいて、膨張・収縮させることで、各インク吐出孔4
5aからインクを吐出させ、被記録媒体へ所望の画像を
形成することができる。
40からインクを吐出させるには、圧電素子42aを膨
張・収縮させることで行っているが、一度に多数の圧電
素子42aを膨張・収縮させると、インクの吐出速度が
遅くなると同時に吐出量が減少するクロストーク現象を
起こすことがある。
9(b)を参照しながら説明する。なお、図9(b)は
キャビティプレート44を上方から見たところを示す模
式図である。また、キャビティプレート44内には既に
インクが満たされているものとする。
ト44の剛性の不足により発生するものと、インク内の
圧力波の変化により発生するものとがある。まず、前者
のキャビティプレート44の剛性の不足により発生する
ものについて説明する。
させたとき、例えば、全ての圧電素子42aを収縮させ
て、インク貯留室44bにインクを満たすときは、矢印
Oに示すように、インクがインク流路44aからインク
貯留室44bへ流れ込む。そして、全ての圧電素子42
aを膨張させて、インクに圧力を与えることで、インク
をインク吐出孔45aから吐出させると、一度に沢山の
インクの圧力がキャビティプレート44に掛かり、キャ
ビティプレート44をインクの圧力印加方向へ反らせ
る。そのため、インクの圧力の幾分かが、キャビティプ
レート44に伝搬して吸収され、インクに加わる圧力が
減衰し、インク吐出孔45aから吐出するインクの吐出
速度を落としてしまうと同時に吐出量も減少する。
り発生するものについて説明する。上記のように、全て
の圧電素子42aを収縮させると、インク貯留室44b
の内部の圧力が大きく低下するので、インクはインク貯
留室44bの内部へ素早く流れ込む。すると、インク貯
留室44bの内部のインクは、圧力が大きくなり過ぎ
る。そして、液体のインクは圧力状態を平衡にしようと
する性質があるから、インク貯留室44bからインク流
路44aに逆流する。こうして、インクはインク流路4
4aとインク貯留室44bとを交互に出入りし、インク
内に圧力波を生じさせる。そして、この圧力波は、イン
ク貯留室44b毎に発生し、それらがインク流路44a
で干渉する。さらに、干渉した圧力波は、インクに加わ
る圧力にも干渉し、その圧力を減衰させる。
素子42aの膨張による圧力がインクに伝わり難くなる
ので、インクの吐出速度は低下すると同時に吐出量も減
少する。そして、クロストーク現象によりインクの吐出
速度が低下すると、インクは、ヘッドを被記録媒体に対
して走査させる間に、アクチュエータ40から吐出され
るから、被記録媒体上の予定の場所とは異なる場所に付
着する。また、駆動される圧電素子の数の多少により、
インク吐出量が変化してしまう。この結果、被記録媒体
に形成される画像にムラを生じることとなり、画像のシ
ャープさが失われる。
画像に、インク吐出時のクロストーク現象の影響による
ムラが生じ難くすることができるインクジェットプリン
タのインク吐出制御方法及びその装置を提供することを
目的とする。
明の効果】上記の目的を達成するためになされた本発明
の請求項1記載の発明は、インク流路、該インク流路か
ら分岐し、インク吐出孔が設けられた多数のインク貯留
室、及び、該各インク貯留室の容積をそれぞれ膨張・収
縮させる多数の圧電素子を備えたインク吐出手段と、前
記圧電素子の各々を変形させることで、前記インク吐出
孔からインクを吐出させる駆動電圧を発生する電圧発生
手段と、該電圧発生手段から前記各圧電素子への各通電
経路をそれぞれ開・閉する多数のスイッチ手段と、印字
データに応じて、前記各スイッチ手段のON・OFF状
態を切り替え、その後に、前記電圧発生手段から前記駆
動電圧を発生させる制御手段とを備えるインクジェット
プリンタにおけるインク吐出制御方法であって、前記制
御手段が前記スイッチ手段をONにする数の増加に比例
するように、前記電圧発生手段が発生する駆動電圧を大
きくすることを特徴とする。
プリンタにおけるインク吐出制御方法によれば、スイッ
チ手段をONする数、換言すれば、圧電素子の駆動数、
に比例して、駆動電圧を大きくするので、圧電素子の駆
動数が多いほど各圧電素子の変形が大きくなり、インク
貯留室の容積を強く膨張・収縮させる。従って、前述の
クロストーク現象によるインク貯留室内の圧力の低下
を、インク吐出時の圧電素子の変形量を大きくさせるこ
とによって補うことができる。
ロストーク現象によるムラが生じ難くして、鮮明な画像
を形成できるようになる効果を奏する。請求項2記載の
発明は、インク流路、該インク流路から分岐し、インク
吐出孔が設けられた多数のインク貯留室、及び、該各イ
ンク貯留室の容積をそれぞれ膨張・収縮させる多数の圧
電素子を備えたインク吐出手段と、前記圧電素子の各々
を変形させることで、前記インク吐出孔からインクを吐
出させる駆動電圧を発生する電圧発生手段と、該電圧発
生手段から前記各圧電素子への各通電経路をそれぞれ開
・閉する多数のスイッチ手段と、印字データに応じて、
前記各スイッチ手段のON・OFF状態を切り替え、そ
の後に、前記電圧発生手段から前記駆動電圧を発生させ
る制御手段とを備えるインクジェットプリンタにおける
インク吐出制御装置であって、前記電圧発生手段から前
記各圧電素子への前記通電経路にインダクタを挿入した
ことを特徴とする。
プリンタにおけるインク吐出制御装置によれば、請求項
1記載の発明方法を、一つのインダクタを用いて極めて
簡単に実現でき、上記と同様な効果を得ることができ
る。つまり、本発明装置のように、電圧発生手段から各
圧電素子へ駆動電圧を印加する通電経路にインダクタを
設けると、駆動電圧の立ち上がり時及び立ち下がり時
に、通電経路に流れる駆動電流がオーバーシュート又は
アンダーシュートする。また、このオーバーシュート又
はアンダーシュートは、駆動電流に比例することから、
圧電素子の駆動数が多くなるほど大きくなる。従って、
インク吐出時に各圧電素子に印加される駆動電圧を、駆
動電流のオーバーシュート及びアンダーシュートによっ
て、圧電素子の駆動数が多くなるほど大きくなるように
できるので、請求項1の制御方法をインダクタ1つで簡
単に実現できる。
プリンタ(単にプリンタと呼ぶこともある)1のインク
吐出制御装置について説明する。なお、図1は、プリン
タ1の内部を示す斜視図である。
タ6により駆動され、被記録媒体としての記録紙Pをプ
リンタ1上方へ搬送する搬送ローラ5を備え、記録紙P
の搬送経路には、キャリッジ7に支承されたヘッド20
が設けられている。また、キャリッジ7は、筐体3に固
定された支持部材9に、記録紙Pの搬送方向に対して矢
印Aに示すような直交方向に揺動自在に支持されると共
に、キャリッジモータ10により駆動されるタイミング
ベルト11に固定され、矢印Aに示すように往復自在に
なっている。
マゼンタ、シアン、ブラック)毎に設けられたインクタ
ンク21と、各色毎に備えられ、インクを吐出するアク
チュエータ40と、各インクタンク21から各アクチュ
エータ40へインクを搬送するためのフロントパネル2
3とを少なくとも備えたものである。
に、従来の技術で説明したアクチュエータと同様に構成
されたものである。なお、インク吐出孔45aには、説
明の便宜上、#1から#128までの番号を付すことと
する。具体的には、図に向かって、左列Dを奇数、右列
Eを偶数、下方から上方へ向かって増加するように番号
を付し、例えば、左列Dの最下段が#1、左列Dの最上
段が#127、右列Eの最下段が#2、右列Eの最上段
が#128とする。また、圧電素子42aを膨張・収縮
させることが、請求項にいう圧電素子を変形させること
に相当する。
を行う制御装置30について、図2のブロック図を参照
しながら説明する。制御装置30は、各種演算を行うC
PU91aと、プリンタ1を制御に必要なプログラムや
パラメータを記憶しておくためのROM91b及びRA
M91cと、プリンタ1及び図示しないパーソナルコン
ピュータの間で印字に必要なデータをやり取りするため
のインタフェース92と、キャリッジモータ10及び搬
送モータ6をCPU91aからの制御信号に基づいて駆
動させる駆動回路32と、圧電素子部材42の各圧電素
子42aを膨張・収縮させて、アクチュエータ40から
インクを吐出させる制御を行うインク吐出制御部34を
備えている。
に、圧電素子部材42の各圧電素子42aへVsorc
e電圧を供給するためのパルスアンプ52と、Vsor
ce電圧の各圧電素子42aへの通電経路87dをそれ
ぞれ開・閉することが可能なドライバIC70とを備え
ている。さらに、パルスアンプ52とドライバIC70
との間の通電経路83には、本発明のインク吐出制御装
置としてのインダクタ64が直列に挿入されている。
駆動電流に、インダクタンスによる遅れを発生させるも
ので、その結果として、通電経路83を流れる駆動電流
が立上がりまたは立下がりの変化を生じたときに、オー
バシュートまたはアンダーシュートさせるものである。
対し、圧電素子42aの膨張・収縮用の駆動電圧とし
て、所定の+V電圧あるいは0VのVsorce電圧を
供給するためのものである。そして、パルスアンプ52
は、圧電素子部材42に出力するVsorce電圧を所
定の+V電圧にするか否か定めるスイッチ回路54と、
圧電素子に出力するVsorce電圧を0Vにするか否
か定めるスイッチ回路56とを備えている。
ス81aを通じてHighのFire0C信号を送られる
と、Vsorce電圧として所定の+V電圧を出力する
ものである。スイッチ回路56は、CPU91aからバ
ス81bを通じてHighのFire0D信号を送られる
と、Vsorce電圧を0Vにするものである。
と、ラッチ74と、ORゲート76と、アナログスイッ
チ78とを備えるものである。シフトレジスタ72は、
CPU91aからバス85aを通じてデジタルのシリア
ルデータとして送られてきた128個のアナログスイッ
チ78の開・閉を定めるSin信号を、CPU91aか
らバス85bを通じて送られてきたCLK信号(シリア
ルデータの転送速度に応じた周期のパルス状のクロック
信号)に合わせてシフトし、そのパラレル出力をD0〜
D127信号としてそれぞれの信号を128本のパラレ
ルバス87aを通じてラッチ74へ出力する。
ラレルバス87aを通じて出力されたD0〜D127信
号を蓄えておき、CPU91aからバス85fを通じて
入力されたSTRB信号(ストローブ信号)により、O
Rゲート76へパラレルバス87bを通じてD0〜D1
27信号を一斉に出力するものである。
ルバス87bを通じてD0〜D127信号が送られてき
た場合には、そのままD0〜D127信号をアナログス
イッチ78へパラレルバス87cを通じて送り、また、
CPU91aからバス85eを通じてBLNK信号が送
られてきた場合には、全てのアナログスイッチ78へ通
じている全てのパラレルバス87cにHighのD0〜D1
27信号を出力するものである。
ら分岐したVsorce電圧を各圧電素子42aに送る
128本の通電経路87dをそれぞれ開・閉するもの
で、ORゲート76からパラレルバス87cを通じて送
られてきたD0〜D127信号に基づき、例えば、D0
信号がHighであるなら、D0信号に対応した通電経路8
7dを閉じ、次のD1信号がLow であるなら、D1信号
に対応した通電経路87dを開く、といったように、D
0〜D127信号の各々に対応した通電経路87dをそ
れぞれ開・閉する。
らインクを吐出させるインク吐出制御方法を図4のタイ
ムチャートを参照しながら説明する。なお、初期状態と
して、BLNK信号及びFire0C信号は、Highの状
態とされることで、全ての圧電素子42aに所定の+V
電圧のVsorce電圧を加え、各圧電素子42aを膨
張させてあるものとする。また、キャビティプレート4
4のインク流路44a内にインクが満たされているもの
とする。
度に吐出できるだけのデータ、本実施例においては12
8個の印字データをSin信号として、バス85aに送
信する。なお、印字データは、パーソナルコンピュータ
上での所望の画像データ(例えば、ビットマップデー
タ)を、プリンタ1の解像度(dpi)に合わせて、イ
エロー、マゼンタ、シアン及びブラックのドットで所望
の画像を形成できるように変換したドットの集合データ
を意味する。
したCLK信号、本実施例では、128個のパルス状の
CLK信号、を送信する。なお、図4において、Sin
信号は、128個の印字データの中で最後の部分のみ
を、CLK信号は、128個のパルスの中で最後の部分
のみを示すものとする。
に基づき、シリアルデータであるSin信号をシフトし
て行くと共にパラレル出力から、パラレルバス87aに
順次D0信号からD127信号までを出力する。次に、
ラッチ74は、パラレルバス87aを通じてD0〜D1
27信号が入力されて行き、D0〜D127信号を保持
する。
最後のパルスの立上がりから所定の時間T1後に、バス
85fを通じてSTRB信号をラッチ74へ出力する。
そして、ラッチ74は、STRB信号を入力されると、
保持しているD0〜D127信号を一斉にパラレルバス
87bへ出力する。
下がりに合わせて、バス85eにLow のBLNK信号を
出力する。次に、ORゲート76は、バス85eを通じ
てLow のBLNK信号を入力されるので、ORゲート7
6の出力であるパラレルバス87cは、パラレルバス8
7bから入力されるD0〜D127信号にのみ依存した
出力状態とする。
バス87cを通じてD0〜D127信号を入力される
と、D0〜D127信号の内、Highである場合は、その
信号に対応する通電経路87dを閉じたままにしてお
き、また、Low である場合は、その信号に対応する通電
経路87dを開くことを行う。
w 出力してから所定の時間T2の経過後に、バス81a
へLow のFire0C信号を出力する。さらに、CPU
91aは、Fire0C信号をLow 出力してから所定の
時間T3の経過後に、バス81bへHighのFire0D
信号を出力する。すると、Fire0D信号の立上がり
によりVsorce電圧は、所定の+V電圧から0Vに
なる。この際に、アナログスイッチ78の通電経路87
dの内、閉じている通電経路87dに対応した圧電素子
42aの駆動電圧は0Vになる。また、開いている通電
経路87dに対応した圧電素子42aは、所定の+V電
圧を保持する。
になったものは、収縮するので、キャビティプレート4
4のインク貯留室44bの容積を膨張させ、インク流路
44aからインク貯留室44bへインクを流れ込ませ
る。次に、CPU91aは、バス81bへLow のFir
e0D信号を出力し、さらに、所定の時間T4の経過後
に、バス81aへHighのFire0C信号を出力する。
すると、Fire0C信号の立上がりによりVsorc
e電圧は、0Vから所定の+V電圧になる。従って、閉
じている通電経路87dに接続された圧電素子42aに
は、駆動電圧として所定の+V電圧が充電される。
圧が充電されると、膨張するので、インク貯留室44b
の容積を収縮させて、インクをインク吐出孔45aから
吐出する。次に、CPU91aは、バス85eを通じて
HighのBLNK信号を出力する。そして、全ての通電経
路87dを閉じることで、全ての圧電素子42aに所定
の+V電圧のVsorce電圧を加えた状態とする。
てRST信号を出力することで、シフトレジスタ72及
びラッチ74をリセットする。以上がインク吐出制御方
法である。ここで、上記のインク吐出制御方法における
圧電素子42aを駆動させる駆動電流I及び駆動電圧V
の変化について図5を参照しながら説明する。
場合について説明する。なお、全ての圧電素子42aに
は、駆動電圧VとしてVsorce電圧、すなわち所定
の+V電圧がかかっているものとした上で、アナログス
イッチ78のパラレルバス87dのD0〜D127信号
のどれか一つだけ例えば、D0信号をHighにし、残りを
Low にしたものとする。
パルスアンプ52へLow のFire0C信号と、Highの
Fire0D信号が送られることで、Vsorce電圧
は、所定の+V電圧から0Vとなる。一方、D0信号に
対応する圧電素子42aは、所定の+V電圧になってい
る駆動電圧Vに対してVsorce電圧が0Vになるた
め、電荷を放出し、駆動電流Iが流れる。なお、図5に
おいて、駆動電流Iは、通電経路83に流れるものを示
し、また、駆動電流Iの向きは、電荷を放出する際を正
としている。
各圧電素子42aは収縮し始めるので、インク貯留室4
4bの容積を膨張させ、インクを流入し始める。そし
て、駆動電流Iの流れは、飽和しつつも、時点Kに示す
ように、駆動電圧Vが0Vになるまで流れ続ける。そし
て、インク貯留室44bの容積は、駆動電圧Vが0Vに
なるまで膨張し続けて、インクが満たされる。
された時点Lにおいて、CPU81aからパルスアンプ
52へHighのFire0C信号と、Low のFire0D
信号が送られることで、Vsorce電圧は、所定の+
V電圧になる。一方、D0信号に対応した圧電素子42
aは、駆動電圧Vが0Vになっているから、所定の+V
電圧になるまで、駆動電流Iが流れ、電荷が充電され
る。そして、D0信号に対応した圧電素子42aは、駆
動電圧Vが所定の+V電圧になるまで膨張し、インク貯
留室44bの容積を収縮させるので、インクをインク吐
出孔45aから吐出する。
の+V電圧になると、駆動電流Iは流れなくなる。そし
て、D0信号に対応した圧電素子42aは膨張を停止す
るので、インク吐出孔45aからのインクの吐出を停止
する。以上が一つの圧電素子42aを駆動させた場合の
駆動電圧V及び駆動電流I変化である。
場合について説明する。なお、アナログスイッチ78の
パラレルバス87dのD0〜D127信号が全てHighに
なっており、また、全ての圧電素子42aには、駆動電
圧Vとして所定の+V電圧のVsorce電圧がかかっ
ているものとする。
パルスアンプ52へLow のFire0C信号と、Highの
Fire0D信号が送られることで、Vsorce電圧
は、所定の+V電圧から0Vになる。一方、各圧電素子
42aは、所定の+V電圧になっている駆動電圧Vに対
してVsorce電圧が0Vになるため、電荷を放出
し、駆動電流Iが流れる。
各圧電素子42aは収縮し始めるので、インク貯留室4
4bには、インクが流入する。そして、駆動電流Iの流
れは、飽和しつつも流れるのであるが、インダクタ64
の影響により、オーバーシュートを起こす。
の駆動電圧Vが0Vになると、駆動電流Iは、流れなく
なる。この際に、駆動電圧Vは、駆動電流Iのオーバー
シュートの影響を受けて、アンダーシュートを起こす。
よって、全ての圧電素子42aを駆動させると、一つの
圧電素子42aを駆動させたときに比べて、駆動電圧V
がアンダーシュートの分だけ大きくなるので、圧電素子
42aの収縮が強く起こり、その結果、インク貯留室4
4bには、インクをより多く流入させることができる。
された時点Lにおいて、CPU81aからパルスアンプ
52へHighのFire0C信号と、HighのFire0D
信号が送られることで、Vsorce電圧は、所定の+
V電圧になる。一方、各圧電素子42aは、駆動電圧V
が0Vになっているから、所定の+V電圧になるまで、
駆動電流Iが流れ、電荷が充電されるので、各圧電素子
42aは膨張し始め、各インク貯留室44bの容積を収
縮させ、インクを各インク吐出孔45aから吐出させ
る。そして、駆動電流Iの流れは、飽和しつつも流れる
のであるが、インダクタ64の影響により、アンダーシ
ュートを起こす。
の駆動電圧Vが所定の+V電圧になると、駆動電流I
は、流れなくなるのであるが、この際に、駆動電圧V
は、駆動電流Iのアンダーシュートの影響を受けて、オ
ーバーシュートを起こす。よって、全ての圧電素子42
aを駆動させている際には、一つの圧電素子42aを駆
動させたときに比べて、駆動電圧Vがオーバーシュート
の分だけ大きくなるので、圧電素子42aの膨張が強く
起こり、その結果、圧電素子42aからインクにかける
圧力をより強くすることができる。
場合の駆動電圧V及び駆動電流Iの変化である。このよ
うに、プリンタ1の圧電素子42aの駆動数の違いによ
る駆動電圧Vの大きさの変化は、図6に示すように、駆
動数が増えるほど比例して大きくなる。従って、圧電素
子42aの駆動数を多くしてゆくと、インダクタ64に
よる駆動電圧Vのアンダーシュート及びオーバーシュー
トが大きくなってゆき、駆動電圧Vが大きくなるので、
インク貯留室44bにインクをより多く流入させること
ができ、さらに、インクにかける圧力をより強くするこ
ともできる。
ば、次に説明する効果を奏する。図7に示すように、従
来装置においては、全ての圧電素子42aを駆動させ、
全てのインク吐出孔45aからインクを吐出させる全吐
出時のインクの吐出速度は、圧電素子42aの一つだけ
を駆動させ、その圧電素子42aに対応したインク吐出
孔45aからインクを吐出させる単吐出時のインクの吐
出速度に比べて、上述のクロストーク現象の影響により
全体的に低下する。
5の端に設けられたインク吐出孔45a、例えば、#
1、#2、#127、#128のインクの吐出速度が、
単吐出時の吐出速度に対してほぼ1割程度低下する。そ
して、特に全吐出時のノズルプレート45の中程に設け
られたインク吐出孔45a、例えば#64付近では、吐
出速度の低下が著しく、単吐出時の#64付近に対して
ほぼ3割程度も低下する。
吐出まで、圧電素子42aの駆動数を増やし、アクチュ
エータ40からインクを吐出させる数を増やしていく
と、クロストーク現象の影響でインクの吐出速度が低下
してしまっていた。これに対し、本実施例のプリンタ1
においては、単吐出時のインクの吐出速度は、従来装置
と同様のインク吐出速度となり、全吐出時のインクの吐
出速度は、単吐出時のインクの吐出速度とほぼ同等か若
しくはそれ以上の吐出速度となる。
5の端に設けられたインク吐出孔45a、例えば、#
1、#2、#127、#128のインク吐出速度が、単
吐出時の吐出速度と比べて、ほぼ1割強程度上昇する。
そして、全吐出時のノズルプレート45の中程に設けら
れたインク吐出孔45a、例えば#64付近のインクの
吐出速度は、単吐出時のインクの吐出速度とほぼ同一の
吐出速度を保つことができる。
電経路83へ直列に挿入されたインダクタ64によって
発生する駆動電流Iのアンダーシュート及びオーバーシ
ュートがインク吐出数に比例して大きくなるので、その
駆動電流Iの影響で駆動電圧Vがインクを吐出させる数
に比例するように大きくなり、インク貯留室44bにイ
ンクをより多く流入させることができ、さらに、インク
貯留室44b内のインクにかける圧力をより強くするこ
とができる。
を吐出させる数を増やしていっても、インク貯留室44
bにインクをより多く流入させ、インクにかける圧力を
より強くできるから、クロストーク現象の影響によるイ
ンクの吐出速度の低下が起こらないので、記録紙Pに形
成される画像にムラが生じ難くし、鮮明な画像を形成で
きるという効果を奏する。
てまとめると、アクチュエータ40がインク吐出手段
に、パルスアンプ52が電圧発生手段に、ドライバIC
70がスイッチ手段に、CPU91aが制御手段に、そ
れぞれ対応する。以上、本発明の実施例を説明したが、
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、さら
に種々なる態様にて実施してもよいことは勿論である。
る。
ク図である。
のブロック図である。
タイムチャートである。
流Iを示すグラフである。
数に対する駆動電圧Vを示すグラフである。
それぞれの吐出速度を示すグラフである。
す分解斜視図である。
し、(a)は、縦断面を示す縦断面図、(b)は、キャ
ビティプレート44を上方からみたところを示す模式図
である。
装置、34・・・インク吐出制御部、40・・・アクチ
ュエータ、41・・・ベース、42・・・圧電素子部
材、43・・・ダイヤフラム、44・・・キャビティプ
レート、45・・・ノズルプレート、52・・・パルス
アンプ、64・・・インダクタ、70・・・ドライバI
C
Claims (2)
- 【請求項1】 インク流路、該インク流路から分岐し、
インク吐出孔が設けられた多数のインク貯留室、及び、
該各インク貯留室の容積をそれぞれ膨張・収縮させる多
数の圧電素子を備えたインク吐出手段と、 前記圧電素子の各々を変形させることで、前記インク吐
出孔からインクを吐出させる駆動電圧を発生する電圧発
生手段と、 該電圧発生手段から前記各圧電素子への各通電経路をそ
れぞれ開・閉する多数のスイッチ手段と、 印字データに応じて、前記各スイッチ手段のON・OF
F状態を切り替え、その後に、前記電圧発生手段から前
記駆動電圧を発生させる制御手段と を備えるインクジェットプリンタにおけるインク吐出制
御方法であって、 前記制御手段が前記スイッチ手段をONにする数の増加
に比例するように、前記電圧発生手段が発生する駆動電
圧を大きくすることを特徴とするインクジェットプリン
タにおけるインク吐出制御方法。 - 【請求項2】 インク流路、該インク流路から分岐し、
インク吐出孔が設けられた多数のインク貯留室、及び、
該各インク貯留室の容積をそれぞれ膨張・収縮させる多
数の圧電素子を備えたインク吐出手段と、 前記圧電素子の各々を変形させることで、前記インク吐
出孔からインクを吐出させる駆動電圧を発生する電圧発
生手段と、 該電圧発生手段から前記各圧電素子への各通電経路をそ
れぞれ開・閉する多数のスイッチ手段と、 印字データに応じて、前記各スイッチ手段のON・OF
F状態を切り替え、その後に、前記電圧発生手段から前
記駆動電圧を発生させる制御手段と を備えるインクジェットプリンタにおけるインク吐出制
御装置であって、 前記電圧発生手段から前記各圧電素子への前記通電経路
にインダクタを挿入したことを特徴とするインクジェッ
トプリンタにおけるインク吐出制御装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05056497A JP3777705B2 (ja) | 1997-03-05 | 1997-03-05 | インクジェットプリンタにおけるインク吐出制御装置 |
US09/033,861 US6089689A (en) | 1997-03-05 | 1998-03-03 | Ink ejection control method and apparatus for use with ink jet printer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05056497A JP3777705B2 (ja) | 1997-03-05 | 1997-03-05 | インクジェットプリンタにおけるインク吐出制御装置 |
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JPH10244670A true JPH10244670A (ja) | 1998-09-14 |
JP3777705B2 JP3777705B2 (ja) | 2006-05-24 |
Family
ID=12862509
Family Applications (1)
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JP05056497A Expired - Lifetime JP3777705B2 (ja) | 1997-03-05 | 1997-03-05 | インクジェットプリンタにおけるインク吐出制御装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
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Cited By (3)
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1997
- 1997-03-05 JP JP05056497A patent/JP3777705B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1998
- 1998-03-03 US US09/033,861 patent/US6089689A/en not_active Expired - Lifetime
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Also Published As
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US6089689A (en) | 2000-07-18 |
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