JPH10242895A - 衛星通信システムの地球局装置及びその移動端末局装置 - Google Patents

衛星通信システムの地球局装置及びその移動端末局装置

Info

Publication number
JPH10242895A
JPH10242895A JP9042641A JP4264197A JPH10242895A JP H10242895 A JPH10242895 A JP H10242895A JP 9042641 A JP9042641 A JP 9042641A JP 4264197 A JP4264197 A JP 4264197A JP H10242895 A JPH10242895 A JP H10242895A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
satellite
polarization
antenna
pilot signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9042641A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadayoshi Kato
忠義 加藤
Yasuto Funyu
康人 舟生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP9042641A priority Critical patent/JPH10242895A/ja
Publication of JPH10242895A publication Critical patent/JPH10242895A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radio Relay Systems (AREA)
  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 衛星通信システムの地球局装置及びその移動
端末局装置に関し、移動局に常に良好な衛星受信を可能
とすることを課題とする。 【解決手段】 地球局と複数の移動端末局とが静止衛星
を介する直交偏波を利用して通信を行う衛星通信システ
ムの地球局において、衛星中継器における同一周波数の
V,H偏波につき所定帯域幅を占有すると共に、該帯域
内に移動端末局が衛星の認識、追尾又はアンテナ受信偏
波面の傾き検出に利用可能な所定のパイロット信号を送
信する。移動端末局は、衛星からのV,H偏波信号につ
きアンテナの直交偏波面でV,H偏波の直交信号成分を
受信すると共に、該受信信号より抽出したパイロット信
号の直交信号成分に基づき移動端末局の姿勢に起因する
アンテナ受信偏波面の回転角を検出し、かつ前記受信信
号より抽出した通信チャネル信号の直交信号成分を前記
検出された回転角で電気的に補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衛星通信システムの
地球局装置及びその移動端末局装置に関し、更に詳しく
は地球局装置と複数の移動端末局装置とが静止衛星を介
する直交偏波を利用して通信を行う衛星通信システムの
地球局装置及びその移動端末局装置に関する。
【0002】今日、通信衛星を用いて映像を一般加入者
に放送する衛星放送システムが普及しつつある。日本で
はNHKの開発したBS放送が先行したが、最近ではC
S(通信衛星)を使用したディジタル衛星放送がその多
チャンネル性を理由に加入者数を増大させつつある。本
発明は特にCS放送を移動端末局装置で受信する場合に
好適なるものである。
【0003】
【従来の技術】図15は従来技術を説明する図で、従来
のBS衛星放送用移動体受信装置の概略構成を示してい
る。図において、1はBS受信用のアンテネナユニッ
ト、10はBSアンテナ、2はBSアンテネナ10を水
平方向に回転駆動するための回転機構部、3はBS受信
電波の前置処理部、4はBS衛星の追尾制御部、50は
BS選局のためのチューナ装置、60はTVモニタであ
る。なお、同図(a)にアンテネナユニット1の平面
図、同図(b)に図(a)のアンテネナユニット1を矢
印b方向に見た側面図を夫々示す。
【0004】地上のBS放送局(不図示)より送られた
電波はBS衛星を介してサービスエリア(日本国中)に
照射される。この場合に、BS放送では円偏波を利用し
ており、BS用に割り当てられた周波数を用いている。
アンテネナユニット1において、BSアンテネナ10は
平面基板上に円偏波を受信するためのクロススロットア
ンテナ素子10aを多数配列したアレーアンテナよりな
る。このBSアンテネナ1は、その仰角方向θv には比
較的広めの指向性を有し、これにより自動車が通常程度
に傾いてもBS衛星を十分にカバーできる。また水平方
向θh には狭い指向性を有し、これにより十分な利得を
得ている。従って、水平方向にのみ追尾を行う。回転機
構部2はBSアンテナ10に固定したプーリ2aとモー
タ2dの回転軸に固定したプーリ2bとの間にベルト2
cを架け渡した構造を備えており、追尾制御部4の制御
に従うモータ2dの回転によりBSアンテナ10を水平
方向(Z軸の回り)に360°回転可能となっている。
【0005】前置処理部3はBS−RF信号を増幅する
低雑音増幅器と、BS−RF信号をBS−IF信号に変
換する周波数変換器等を備える。そして、追尾制御部4
はBS−IF信号(FM変調波信号)のキャリア信号成
分を監視すると共にその受信電力が最大となる方向にモ
ータ2dを回転させてBSアンテナ10のビーム(y
軸)を常にBS衛星に指向させる。
【0006】なお、好ましくは上記BSアンテネナ10
から追尾制御部4までを、上部にド−ム1aを有する様
なアンテネナユニット1に収容し、これを自動車のルー
フ70上にマウントする。一方、車内にはチューナ装置
50とTVモニタ60とを備えており、加入者はチュー
ナ装置50で所望のBS−IF信号を選択復調し、得ら
れた映像信号(音声信号を含む)をTVモニタ60に表
示(出力)する。従って、BS放送の加入者は自動車で
移動しながら日本国中の何処でもBS放送を楽しめる。
【0007】今日、この様なBS衛星は日本の上空に1
機だけ存在しており、従って、どのBS衛星を受信する
かを捕捉(識別)する必要は無い。またBS放送では円
偏波を使用するため、自動車が向きを変えたり通常程度
傾いても方位角(水平方向)の追尾だけで十分な受信特
性を維持できる。またBS放送ではFM変調方式を使用
するため衛星の追尾制御も単に同調周波数(放送チャネ
ル)の受信レベルが最大となるように制御するだけの簡
単なもので良い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方、自動車等でCS
放送を受信するには以下の問題がある。CS衛星は赤道
上空の静止軌道上で4°置きに多数配置されると共に、
夫々が略同一の周波数帯域を使用するため、まずどのC
S衛星を受信するかを捕捉(識別)し、これを維持する
必要がある。
【0009】また、CS放送では同一周波数のV,H偏
波で異なる番組を放送しており、V,H放送間の混信を
避けるためには、自動車の円い地球上の位置(緯度)や
姿勢等に応じてアンテナの受信偏波面z,xを衛星電波
の偏波面V,Hに連続的に合わせていく必要がある。ま
た、CS放送はディジタル変調方式を使用するため、キ
ャリア成分が存在せず、よって従来の様に放送チャネル
の受信電力を最大とするような追尾方式は利用し難い。
【0010】本発明は上記従来技術に鑑み成されたもの
であって、その目的とする所は、移動端末局装置に常に
良好な衛星受信を可能とする地球局装置及びその移動端
末局装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題は例えば図1
(A)の構成により解決される。即ち、本発明(1)の
地球局装置は、地球局装置と複数の移動端末局装置とが
静止衛星を介する直交偏波を利用して通信を行う衛星通
信システムの前記地球局装置において、静止衛星の中継
器(トランスポンダ)における同一周波数の垂直及び水
平偏波V,Hにつき所定帯域幅Bp を占有すると共に、
該帯域内に移動端末局装置が静止衛星の認識、追尾又は
アンテナ受信偏波面の傾き検出に利用可能な所定のパイ
ロット信号PSを送信するものである。
【0012】本発明(1)によれば、地球局装置は通常
の通信(放送)チャネル信号とは別個に所定のパイロッ
ト信号PSを送信するので、移動端末局装置は該パイロ
ット信号PSを当該静止衛星の認識、追尾又はアンテナ
受信偏波面の傾き検出等に有効に利用できる。好ましく
は、本発明(2)においては、上記本発明(1)におい
て、例えば図4(B)に示す如く、パイロット信号は、
垂直偏波、水平偏波又は同一周波数の垂直及び水平偏波
で送信されるシングルキャリア信号である。
【0013】シングルキャリアを使用すれば、パイロッ
トキャリアの周波数配置により複数の静止衛星を容易に
識別できる。またパイロットキャリアの受信電力を最大
とする様な方向に静止衛星を容易に追尾できる。またパ
イロットキャリアの直交受信信号z,xの振幅を利用し
てアンテナ受信偏波面の回転角を容易に検出できる。な
お、詳細は実施の形態の説明により明らかとなる。
【0014】また好ましくは、本発明(3)において
は、上記本発明(1)において、例えば図4(C)に示
す如く、パイロット信号は、垂直偏波、水平偏波又は同
一周波数の垂直及び水平偏波で送信される同一情報信号
で変調されたディジタル変調信号である。ディジタル変
調信号を使用すれば、複数の静止衛星が同一周波数のパ
イロットキャリアを使用してもその復調データの相違に
より各静止衛星(更には各地球局装置や各放送事業者
等)を容易に識別できる。一方、移動端末局装置の側で
はディジタル変調波受信信号の平均電力をV,Hの夫々
につき測定することで、アンテナ受信偏波面の回転角θ
に対応する値(sinθ,cosθ)に比例する出力を
得ることができる。
【0015】この場合に、地球局装置は、好ましくはこ
のディジタル変調を間欠的(周期的)に行うことで、移
動端末局装置は無変調キャリアの部分の受信電力を静止
衛星の追尾制御に容易に利用できる。また無変調キャリ
アの直交受信振幅z,xをアンテナ受信偏波面の回転角
θの検出に利用できる。一方、ディジタル変調されたパ
イロット信号の部分は上記静止衛星等の識別のみなら
ず、地球局装置より所定のデータやプログラム等を移動
端末局装置にダウンロードすること等にも利用できる。
また必要ならパイロット信号を暗号化し、加入者以外の
ものが無断で衛星を認識したり、無断でデータやプログ
ラム等を受け取るのを防止する。
【0016】また好ましくは、本発明(4)において
は、上記本発明(1)において、例えば図4(C)に示
す如く、パイロット信号は、垂直偏波、水平偏波又は同
一周波数の垂直及び水平偏波で送信されるコード拡散さ
れたスペクトラム拡散信号である。コード拡散(DS)
信号を使用すれば、複数の静止衛星が同一帯域Bp を使
用してもコード(PN系列やGold符号)の相違{即
ち、逆拡散復調(同期確立)の成否}により各静止衛星
を容易に識別できる。またその逆拡散復調信号がシング
ルキャリアであれば、その受信電力を最大とする様な方
向に静止衛星を容易に追尾できる。またアンテナ受信偏
波面の回転角も容易に検出できる。またその逆拡散復調
信号がディジタル変調信号であれば、上記本発明(3)
と同様に処理できる。
【0017】また好ましくは、本発明(5)において
は、上記本発明(1)において、例えば図4(D)に示
す如く、パイロット信号は、垂直偏波、水平偏波又は同
一周波数の垂直及び水平偏波で送信される周波数ホッピ
ングされたスペクトラム拡散信号である。周波数ホッピ
ングによるスペクトラム拡散信号を使用すれば、複数の
静止衛星が同一帯域Bp を使用してもホッピングシーケ
ンス(PN系列やGold符号に基づく)の相違{即
ち、逆拡散復調(同期確立)の成否}により各静止衛星
を容易に識別できる。またその逆拡散復調信号がシング
ルキャリアであれば、その受信電力を最大とする様な方
向に静止衛星を容易に追尾できる。またアンテナ受信偏
波面の回転角も容易に検出できる。また、その逆拡散復
調信号がディジタル変調信号であれば、上記本発明
(3)と同様に処理できる。
【0018】また上記の課題は例えば図1(B)の構成
により解決される。即ち、本発明(6)の移動端末局装
置は、地球局装置と複数の移動端末局装置とが静止衛星
を介する直交偏波を利用して通信を行う衛星通信システ
ムの前記移動端末局装置において、静止衛星からの垂直
及び水平偏波の各信号V,Hにつき空間的に直交する受
信偏波面z,xを有するアンテナを介して前記各信号
V,Hの直交信号成分V Z ,VX ,Hz x を受信する
受信部と、該受信部の受信信号より抽出した所定のパイ
ロット信号PSの直交信号成分に基づき移動端末局装置
の姿勢に起因するアンテナ受信偏波面z,xの回転角θ
を検出する回転検出部と、前記受信部の受信信号より抽
出した通信チャネル信号GSの直交信号成分を前記検出
された回転角θで電気的に補正する回転補正部とを備え
るものである。
【0019】図1(B)において、アンテナの受信偏波
面z,xが静止衛星からの偏波面V,Hより角度−θだ
け傾いているとすると、受信部の出力にはパイロット信
号PSのV偏波につき受信直交信号成分VPz ,V
Pxが、またH偏波につき受信直交信号成分HPz,HPx
夫々表れる。一方、通信チャネル(映像)信号GSにつ
いてもV偏波につき受信直交信号成分VGz ,VGxが、
またH偏波につき受信直交信号成分HGz,HGxが夫々表
れる。従って、このままでは映像信号GSの受信直交信
号成分Gz ,Gx につき夫々に(VGz−HGz),(VGx
+HGx)の混信が生じてしまう。
【0020】そこで、回転検出部は、パイロット信号P
SのV偏波の受信直交信号成分(V Pz,VPx)及び又は
H偏波の受信直交信号成分(HPz,HPx)に基づきアン
テナ受信偏波面z,xの回転角−θを検出する。一方、
回転補正部は、通信チャネル信号GSのV偏波の受信直
交信号成分(VGz ,VGx)及びH偏波の受信直交信号
成分(HGz,HGx)を前記検出された回転角−θにより
電気的に補正(即ち、受信信号ベクトルを−θだけ回転
補正)する。これにより、通信チャネル信号GSにおけ
るV偏波の受信直交信号成分(VGz ,VGx)は静止衛
星からのV偏波の信号と等しく、またH偏波の受信直交
信号成分(HGz,HGx)は静止衛星からのH偏波の信号
と等しくなるように夫々分離される。従って、アンテナ
の傾きによるV,H放送間の混信が、可動部分を必要と
せずに、電気的かつ連続的に有効に解消される。
【0021】好ましくは、本発明(7)においては、上
記本発明(6)において、回転検出部は、受信したパイ
ロット信号PSの垂直及び水平信号成分の各振幅に基づ
きアンテナ受信偏波面の回転角を検出する。例えば図6
(A)に示す如く、V偏波のみによるパイロット信号V
p の受信直交信号成分をRivz ,Rivx とする場合に、
アンテナ受信偏波面の回転角θを、θ=tan-1(R
ivz /Rivx )により求める。
【0022】また好ましくは、本発明(8)において
は、上記本発明(6)において、例えば図8に示す如
く、回転検出部は、受信したパイロット信号PSの垂直
信号成分Rivz (又は水平信号成分Rivx でも良い)に
位相同期した再生キャリア信号VCOを生成すると共
に、該再生キャリア信号VCO又はこれと所定位相にあ
るキャリア信号VCO90で前記パイロット信号の垂直及
び水平信号成分Rivz ,Riv x を夫々同期検波し、得ら
れた各検波出力に基づきアンテナ受信偏波面の回転角θ
に対応するsinθ,cosθに夫々比例する各信号
(例えば、Vp sinθ,Vp cosθ)を生成する。
【0023】従って、上記本発明(7)の説明で一例を
示したアンテナ受信偏波面の回転角θ=tan-1(R
ivz /Rivx )を求めるまでも無く、後の回転補正演算
で必要となる動的補正パラメータsinθ,cosθの
各値を直接的に生成できる。また好ましくは、本発明
(9)においては、上記本発明(6)において、例えば
図11に示す如く、回転検出部は、静止衛星から送られ
るパイロット信号PSの垂直及び水平偏波Vp ,Hp
各振幅をA(=rsinα),B(=rcosα)とす
る場合に、受信したパイロット信号の垂直及び水平信号
成分の各振幅R iz,Rixに基づきアンテナ受信偏波面の
回転角θに対応するsinθ,cosθの各値を、 sinθ=A・Rix−B・Riz cosθ=B・Rix+A・Riz により求める。
【0024】なお、図11はVp =Hp (即ち、A=
B)の場合の一例を示しており、この場合の静止衛星よ
り送られる合成ベクトルのパイロット信号PSは水平
(H偏波)よりα=45°回転した直線偏波(Vp +H
p )となる。ところで、このA,Bの値は実際上衛星シ
ステム(通常は地球局装置)により任意に設定できるか
ら、この回転検出部は、静止衛星よりどのような傾きの
直線偏波が送られても、既知のA,Bに基づき直線偏波
(Vp +Hp )に対するアンテナの傾きθ(即ち、si
nθ,cosθ)を容易に生成できる。
【0025】また好ましくは、本発明(10)において
は、上記本発明(6)〜(9)において、例えば図6
(B)に示す如く、回転補正部は、アンテナの水平、垂
直受信偏波面をx,z、通信チャネルの受信直交信号成
分をRix,Riz、かつ回転検出部で検出されたアンテナ
受信偏波面の回転角を−θとする場合に、補正後の受信
直交信号成分Rox,Rozを、 Rox=Rixcosθ−Rizsinθ Roz=Rixsinθ+Rizcosθ により求める。
【0026】これは、衛星からの直交偏波面V,Hよ
り、アンテナのy軸の回りに角度−θ(y軸の矢印に向
かって右回りにθ)だけ傾いたアンテナの受信直交偏波
面x,zにより受けた受信信号ベクトルRix,Rizを、
同アンテナのy軸の回りに電気的に角度−θだけ回転補
正する処理である。従って、アンテナの傾きによるV,
H放送間の混信が、何らの可動部分をも必要とせずに、
電気的かつ連続的に有効に解消される。
【0027】また好ましくは、本発明(11)において
は、上記本発明(10)において、回転補正部は、通信
チャネルの受信直交信号成分を無線周波帯RF、中間周
波帯IF又はベースバンド信号帯BSSで回転補正す
る。即ち、受信装置の設計や通信チャネルのデータ変調
方式等に応じて受信装置のどの段階で回転補正を行って
も良い。
【0028】また好ましくは、本発明(12)において
は、上記本発明(6)において、例えば図4に示す如
く、パイロット信号は、垂直偏波、水平偏波又は同一周
波数の垂直及び水平偏波で送信されるところの、シング
ルキャリア信号、情報変調されたディジタル変調信号、
又はコード拡散されたスペクトラム拡散信号又は周波数
ホッピングされたスペクトラム拡散信号である。
【0029】従って、この様なパイロット信号を上記本
発明(2)〜(5)で述べたと同様に処理かつ利用でき
る。また好ましくは、本発明(13)においては、上記
本発明(6)において、パイロット信号は、地球局装置
又は静止衛星で発生されるものである。この様なパイロ
ット信号は、通常は地球局装置より十分な電力で送信さ
れるものを利用するが、静止衛星が他の目的等で独自に
発生する様な何らかの直線偏波(直交偏波)をパイロッ
ト信号として利用することも可能である。
【0030】また好ましくは、本発明(14)において
は、上記本発明(6)において、例えば図5に示す如
く、静止衛星を識別するための衛星識別部を更に備え、
該衛星識別部は、受信したパイロット信号の周波数配
置、ディジタル変調されたパイロット信号の復調デー
タ、所定のコードによりスペクトラム直接拡散されたパ
イロット信号への同期確立又は所定のホッピングシーケ
ンスにより周波数ホッピングされたパイロット信号への
同期確立により自己の通信する静止衛星を識別する。
【0031】この様なパイロット信号の利用により、多
数の静止衛星の中の特定の静止衛星を容易かつ確実に識
別できる。また、ディジタル変調されたパイロット信号
は、衛星(更には地球局装置や通信事業者等)の識別の
みならず、地球局装置より所定のデータやプログラム等
を移動端末局装置にダウンロードすること等にも利用で
きる。
【0032】また好ましくは、本発明(15)において
は、上記本発明(6)において、例えば図5に示す如
く、静止衛星を追尾するための追尾制御部を更に備え、
該追尾制御部は、受信したパイロット信号の信号電力が
最大となる様に少なくともアンテナを水平方向に駆動制
御する。好ましくはパイロット信号の無変調キャリア部
分を利用することにより、アンテナをその受信電力が最
大となる方向(水平方向)に回転駆動するだけの簡単な
追尾制御を実現できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
好適なる複数の実施の形態を詳細に説明する。なお、全
図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとす
る。図2は実施の形態によるCS衛星放送システムの概
要を説明する図である。赤道上空には静止衛星CSa
CSc 等が4°置きに位置しており、本放送システムで
使用する静止衛星はCSb とする。地上の放送局からの
直交偏波V,Hは衛星CSb で中継され、日本の全土に
照射される。北海道及び九州における各移動局MSa
MSb は夫々自己のCSアンテナの水平方向(y軸)の
向きを静止衛星CSb に合わせる。各CSアンテナは、
その仰角方向θv には比較的広めの指向性を有するの
で、自動車が坂道等により通常程度傾いてもCS衛星を
十分にカバーできる。一方、CSアンテナの水平方向θ
h には狭い指向性を有するので、十分なアンテナ利得が
得られると共に、移動局MSa /MSb が走行中に向き
を変えた場合は、CSアンテナのz軸を回転させて衛星
CSb を追尾することにより他の衛星CSa ,CSc
らの電波を受信する心配は無い。
【0034】ところで、この様なCS放送ではCSアン
テナの受信偏波面の傾きが問題となる。具体的に言う
と、衛星CSb からの直交偏波V,Hは日本中のどこで
も一定の方向を向いている。しかるに、地球は円いた
め、仮に自動車が平らな道を走行していたとしても、赤
道より遠い北海道の移動局MSa ではCSアンテナのV
偏波面(即ち、z軸)がCSb のV偏波から例えばθa
だけ傾く。同時にCSアンテナのH偏波面(即ち、x
軸)も同じだけ傾く。一方、赤道に近い九州の移動局M
b ではCSアンテナのV偏波面(z軸)がCSb のV
偏波からθb (<θa)だけ傾く。同時にCSアンテナ
のH偏波面(x軸)も同じだけ傾く。勿論、自動車が坂
道を走行すればCSアンテナの受信偏波面z,xはダイ
ナミックに変動する。
【0035】この様にCSアンテナの受信偏波面z,x
が傾くと、CS放送では同一周波数の偏波V,Hで夫々
に異なる番組を放送している為、受信偏波V,H間で放
送の混信が生じる不都合がある。そこで、地上局Aより
衛星CSb に向けて、通常のCS放送番組とは別途に所
定のパイロット信号を送信すると共に、移動局MSa
MSb の側ではこのパイロット信号をCSアンテナ受信
偏波面z,xの傾きの電気的な補正に利用する。また同
時にこのパイロット信号を衛星CSb の識別、及び追尾
にも利用する。
【0036】図3はCS衛星の一例のトランスポンダ周
波数配列を説明する図である。このCS方式では12G
Z 帯における一部帯域をV偏波とH偏波とに分けて使
用することにより周波数の利用効率(即ち、多チャンネ
ル性)を高めている。具体的に言うと、V偏波ではJD
1〜JD15に夫々30MHZ の帯域、かつJD17〜
JD27に夫々40MHZ の帯域を割り当て、またH偏
波ではJD2〜JD16に夫々30MHZ の帯域、かつ
JD18〜JD28に夫々40MHZ の帯域を割り当て
ている。この状態で、例えばV偏波のJD1はH偏波の
JD28とJD2の両帯域に跨がって(オーバラップし
て)おり、各帯域は夫々異なる目的の通信(番組放送)
に使用される。
【0037】ところで、通常はCS衛星のトランスポン
ダが全て放送用に使用されているわけでは無く、一部の
帯域は通信用に貸し出されている。そこで、本実施の形
態によるCS衛星放送システムでは放送事業者がトラン
スポンダの一部の帯域を借り受け、通常の衛星放送番組
とは別途に、所定のパイロット信号を地上の放送局より
必要十分な信号電力で送信する。
【0038】図4は実施の形態によるパイロット信号の
使用態様を説明する図である。図4(A)はCS放送の
事業者bによるパイロット信号用帯域確保の態様を示し
ている。図示の如くCS放送の事業者bは衛星CSb
トランスポンダの空いている一部帯域Bp につきV偏波
及びH偏波を共に借り受ける。図4(B)はCS放送の
地上局bがパイロット信号としてシングルキャリア(単
一周波数の無変調キャリア)を送信する場合を示してい
る。
【0039】このシングルキャリアの送信方法には3つ
の態様が考えられる。同図(a)ではV偏波の帯域Bp
の一部(好ましくは中央)にシングルキャリアを一つ送
信し、H偏波には何も送信しない。同図(b)では逆に
H偏波の帯域Bp の一部(好ましくは中央)にシングル
キャリアを一つ送信し、V偏波には何も送信しない。ま
た同図(c)では帯域Bp の一部(好ましくは中央)に
V偏波及びH偏波の各シングルキャリアを共に一つ送信
する。なお、この図(c)のV,H偏波の各シングルキ
ャリアは同一振幅(更には同一時間位相)を有するよう
に示してあるが、必ずしも振幅や時間位相が同一である
必要は無い。その理由は後述する。
【0040】この様なシングルキャリアを利用すること
で、移動局MSによる衛星CSb の識別、追尾及びCS
アンテナ偏波面の傾き検出・補正等が容易に行えること
となる。具体的に言うと、例えば複数のCS衛星間の識
別は衛星毎にパイロット信号の周波数(好ましくは帯域
p )を異ならせることで行う。また、例えば衛星CS
b の識別後は、シングルキャリアの最大受信電力を検出
する簡単な方法により衛星CSb を容易に追尾できる。
また、CSアンテナ傾き角は、該CSアンテナの傾きに
よりその受信直交偏波面z,xに表れた各受信直交信号
成分Riz,Rixの各振幅に基づき容易に求められる。詳
細は後述する。
【0041】図4(C)はCS放送の地上局bが上記パ
イロット信号のシングルキャリアを所定のデータ情報で
ディジタル変調(QPSK等)し、或いは前記シングル
キャリア又はデータ情報で1次変調された変調キャリア
を衛星CSb (更には事業者b)に固有のコード(PN
系列,Gold符号等)により2次変調(スペクトラム
拡散変調)して送信する場合を示している。
【0042】この場合の送信方法にも3つの態様が考え
られ、同図(a)ではV偏波にのみデータ変調(及び又
はコード拡散)されたパイロット信号を送信し、H偏波
には何も送信しない。同図(b)ではH偏波にのみデー
タ変調(及び又はコード拡散)されたパイロット信号を
送信し、V偏波には何も送信しない。同図(c)ではV
偏波及びH偏波の両方にデータ変調(及び又はコード拡
散)されたパイロット信号を送信する。
【0043】シングルキャリアを衛星CSb (更には事
業者b)に固有のデータでディジタル変調すれば、キャ
リア周波数のみならずデータ情報により衛星CSb (更
には事業者b)を厳密に特定できるので、移動局の衛星
CSb に対する識別力が更に向上する。また同一事業者
b(又は異なる事業者でも良い)による同一周波数のパ
イロット信号を使用する複数の衛星CSb1,CSb2等で
あっても、これらをデータ情報に基づき厳密に識別でき
る。また各固有のデータ情報を秘密(暗号化)とし、か
つ必要なら固有のデータ情報を適宜に変更することで、
他の衛星通信システムと契約するような移動局(部外
者)が衛星CSb を受信したり追尾したりすることを有
効に防止できる。
【0044】また、複数の地上局より送られる無変調パ
イロットキャリア又はデータによる1次変調キャリアを
各事業者等に固有の拡散コードにより夫々に直接コード
拡散すれば、複数の事業者等が使用する同一帯域Bp
の各コード拡散パイロット信号でも各移動局がこれらを
適正に逆拡散復調できるか否かにより、確実に識別でき
る。
【0045】なお、コード拡散されたパイロット信号は
同一のPN系列により同期逆拡散することで無変調のシ
ングルキャリア又はデータによる1次変調キャリアに戻
る。シングルキャリアはそのままCS衛星の追尾と、C
Sアンテナ偏波面の回転検出等に簡単に利用できる。一
方、QPSK等による1次変調キャリアはそのままでは
CS衛星の追尾やCSアンテナ受信偏波面の回転検出等
に利用しにくい場合が考えられる。そこで、地球局bの
データ情報による1次変調は、これを間欠的(周期的)
に行うことが考えられる。この場合の移動局側における
1次変調キャリアの部分は専らデータ情報の復調再生
(CS衛星の識別等)に利用され、また残りの部分の無
変調キャリアはCS衛星の追尾及びCSアンテナ受信偏
波面の回転検出・補正等に利用される。
【0046】図4(D)は事業者bがパイロット信号と
してのシングルキャリアを衛星CS b (更には事業者
b)に固有のホッピングシーケンスにより周波数ホッピ
ングし、又はデータ情報によりディジタル変調(QPS
K等)された変調キャリアを周波数ホッピングして送信
する場合を示している。この場合の送信方法にも3つの
態様が考えられ、同図(a)ではV偏波にのみ周波数ホ
ッピング(更にはデータ変調)されたパイロット信号を
送信し、H偏波には何も送信しない。同図(b)ではH
偏波にのみ周波数ホッピング(更にはデータ変調)され
たパイロット信号を送信し、V偏波には何も送信しな
い。同図(c)ではV,Hの両偏波につき同一に周波数
ホッピング(更にはデータ変調)されたパイロット信号
を送信する。受信側では受信パイロット信号を同じホッ
ピングシーケンスで同期逆拡散することにより、無変調
のシングルキャリア又はデータによる1次変調キャリア
が得られる。従って、これを上記コード拡散で述べたと
同様に処理・利用できる。
【0047】図5は実施の形態による移動体受信装置の
概略構成を示す図で、図において、1はCS受信用のア
ンテネナユニット、20はCSアンテナ、2はCSアン
テネナ20を水平方向に回転駆動するための回転機構
部、3はCS受信電波の前置処理部、4はCS衛星の追
尾制御部、5はCS衛星の衛星識別部、30はCS放送
(音声を含む)の映像信号処理部、6はCSアンテナ2
0の受信偏波面の傾きを検出する回転検出部、7はCS
放送のチャネル(番組周波数)を選択するチューナ部、
8はCSアンテナ受信偏波面の傾きによるCS受信映像
信号の歪み(V,H放送間の混信)を回転補正する回転
補正部、9はCS放送のチャネル(V/H偏波)を選択
する偏波選択部、60は映像信号(音声信号を含む)の
復調部を有するTVモニタである。
【0048】同図(a),(b)において、このアンテ
ネナユニット1の機械的構造は図15(a),(b)の
ものと略同様で良い。但し、このCSアンテネナ20
(即ち、各スロットアンテナ素子20a)は静止衛星か
らの直交偏波(V及び又はH等)を空間的に直交した仮
想のアンテナ軸z,xにより受信直交信号成分Riz,R
ixに分離できるものを用いる。更に、このCSアンテネ
ナ20は、その仰角方向θv には比較的広めの指向性を
有し、これにより自動車が坂道等の走行により通常程度
に傾いてもCS衛星を十分にカバーできる。一方、CS
アンテネナ20の水平方向θh には狭い指向性を有し、
これにより十分な利得を得ている。従って、自動車が向
きを変えた場合等におけるCS衛星の追尾制御は水平方
向(z軸の回り)にのみ行えば良いことになる。勿論、
仰角方向にも追尾を行うアンテナを用いても本発明を適
用できる。
【0049】回転機構部2は、CSアンテナ20に固定
したプーリ2aとモータ2dの回転軸に固定したプーリ
2bとの間にベルト2cを架け渡した構造を備えてお
り、モータ2dの回転によりCSアンテナ20を水平方
向(z軸の回り)に360°回転可能になっている。前
置処理部3は、CSアンテナ20で受信したz,x偏波
面の各CS−RF信号を夫々増幅する低雑音増幅器と、
増幅後の各CS−RF信号を同z,x偏波面の各CS−
IF信号(μ波信号)に夫々変換する周波数変換器等を
備える。
【0050】衛星識別部5と追尾制御部4とは協動して
衛星CSb の識別及び追尾を行う。今、例えば衛星CS
b の方向が全く分からない状態からスタートすると、先
ず衛星識別部5は衛星CSb のサーチモードとなる。こ
れにより追尾制御部4はモータ2dを一定方向に回転さ
せることにりCSアンテナ20のy軸を順次全方位に向
ける。また同時に、衛星識別部5では衛星CSb からの
パイロット信号PSを監視しており、例えばトランスポ
ンダの特定の帯域Wp 内にV偏波のシングルキャリアV
p のみが存在すること(即ち、実際には受信信号Riz
受信電力が所定以上であること)を検出すると、その時
の受信衛星をCSb と識別する。その後、衛星識別部5
は追尾モードに移行する。一方、追尾制御部4でも衛星
CSb からのパイロット信号PSを監視しており、上記
衛星識別部5が追尾モードになると、その後は、例えば
既にBSで実用化されているステップトラック方式等に
より、当該パイロット信号PS(即ち、受信信号Riz
の受信電力が最大となる方向にモータ2dを回転させて
CSアンテナ20のビーム(y軸)を常に衛星CS b
方向に指向させる。
【0051】なお、磁気コンパス等の他のセンサとの組
み合わせを用いることにより、予めCSアンテナ20の
ビームを衛星CSb が存在するであろう既知の方位に大
まかにセットし、そこから初期サーチを開始しても良
い。また、衛星CSb からのパイロット信号PSが暗号
化(データ変調等)されている場合には、該データ信号
を受信・解読すると共に、無変調時のパイロットキャリ
ア周波数又は前記解読されたデータが衛星CSb からの
ものであることにより、追尾モードに移行する。
【0052】映像信号処理部30は、CS放送の映像信
号(音声信号を含む)を処理する部分である。回転検出
部6はパイロット信号PSの受信直交信号成分Riz,R
ixの各振幅に基づきCSアンテナ受信偏波面の傾き(回
転角)を表す信号(sinθ,cosθ等)を生成す
る。チューナ部7は視聴者の番組選択によるTVモニタ
60からの周波数選択信号CHSLに従い入力の映像信
号GSより所望周波数の受信直交映像信号成分Riz,R
ixを抽出する。回転補正部8は回転検出部6の出力信号
sinθ,cosθにより上記傾いたCSアンテナ20
により受信された映像信号GSの受信直交映像信号成分
iz,Rixを電気的に逆回転補正して衛星からの直交偏
波信号V,Hに相当する歪み(混信)の無い受信直交信
号V,Hを生成する。そして、偏波選択部9は視聴者の
番組選択によるTVモニタ60からの偏波選択信号CH
SLに従いV偏波又はH偏波を選択する。
【0053】なお、回転検出部6の出力信号sinθ,
cosθを追尾制御部4や衛星識別部5で利用しても良
い。追尾制御部4では入力のパイロット信号PSをsi
nθ,cosθで逆回転補正することにより、CSアン
テナ20の傾きによらず常に良好なパイロット信号PS
が得られ、衛星追尾の信頼性が向上する。また衛星識別
部5でも入力のパイロット信号PSを逆回転補正するこ
とにより、CSアンテナ20の傾きによらず常に良好な
パイロット信号PSが得られ、衛星識別の信頼性が向上
する。
【0054】図6は実施の形態によるCSアンテナの回
転検出及び映像信号補正の原理を説明する図である。な
お、この例では地上局bはパイロット信号PSとしてV
偏波のシングルキャリアVp のみを送信するものとす
る。図6(A)はCSアンテナ20の回転角の検出方法
を示している。衛星CSb より垂直偏波Vp が入力する
場合に、もしCSアンテナ20の受信偏波面x,zがy
軸の回りに−θだけ回転していたとすると、アンテナの
z軸に平行な受信信号成分Rivz (=Vp cosθ)と
x軸に平行な受信信号成分Riv x (=Vp sinθ)と
が得られる。従って、垂直偏波Vp の回転角θは、 θ=tan-1(Rivx /Rivz ) により得られる。
【0055】図6(B)は映像信号GSの逆回転補正方
法を示している。衛星CSb より映像信号GSの垂直偏
波Vg 及び水平偏波Hg が入力すると、アンテナのx軸
に平行な受信信号成分Rix及びz軸に平行な受信信号成
分Rizは夫々(1)式となる。
【0056】
【数1】
【0057】回転補正部8は受信直交信号成分Rix,R
izに(2)式のベクトル回転演算を行い補正後の受信直
交信号成分Rox,Rozを求める。
【0058】
【数2】
【0059】上記(2)式はx,z平面上にある入力の
直交偏波ベクトルHg ,Vg をy軸の回りに角度−θ
(即ち、y軸の矢印に向かって右回りにθ)だけ回転さ
せると等価な処理であり、その結果、回転補正部8の出
力には上記入力の直交偏波ベクトルHg ,Vg と等しい
受信直交信号成分Rox,Rozが夫々得られる。なお、こ
れはアンテナの受信偏波面x,zをy軸の回りに角度θ
(即ち、y軸の矢印に向かって左回りにθ)だけ回転さ
せる処理と等価である。そして、因みに、上記(2)式
のRiz,Rixに(1)式の関係を代入すると、出力の受
信直交信号成分R ox,Rozは(3)式の関係となる。
【0060】
【数3】
【0061】即ち、Rox=Hg ,Roz=Vg となり、C
Sアンテナ20の傾きによるV,H間の混信は消滅して
いる。CSアンテナ20の受信偏波面x,zがy軸の回
りに+θだけ回転した場合も同様である。従って、CS
アンテナ20の傾きによらず所望周波数のV又はH偏波
による放送を常に高品質で受信できる。図7は第1の実
施の形態による移動体受信装置の回路構成を示す図で、
CSアンテナ20で受信した映像信号x,zをIF帯
(又はRF帯)で回転補正する場合を示している。
【0062】上記図5の概略構成に対応して主要部の回
路構成が示されている。CSアンテナ20からのRF帯
の受信信号x,zは低雑音アンプLNAで夫々増幅さ
れ、かつ後段のローカル発振器LOとミキサ(×印)と
からなる周波数変換器により夫々第1のIF帯(μ波)
の受信信号x,zに変換される。回転検出部6におい
て、61は電圧制御発振器(VCO)、62は直交ハイ
ブリッド(H)、63は乗算(ミキサ)型の位相比較器
(×)、64はループフィルタ(LPF)であり、これ
らはPLLループを構成する。更に、65,66はミキ
サ(×)、67,68はローパスフィルタ(LPF)、
BPFはパイロット信号帯域のバンドパスフィルタであ
る。
【0063】回転検出部6の入力信号x,zから各BP
Fによりパイロット信号PS(即ち、シングルキャリア
p )の成分を抽出する。通常、CSアンテナ20の傾
きは±25°以内と考えられる為、シングルキャリアV
p の大部分は受信信号zの側に表れる。そこで、PLL
ループによりVCO61を入力信号zの側にロックさせ
る。
【0064】図8は実施の形態による回転検出部6の動
作タイミングチャートである。z面の入力信号成分R
ivz をZsin(ωt+φ)の形で表すと、PLLによ
りロックしたVCOの信号はcos(ωt+φ)で表さ
れる。更に直交ハイブリッド62により、VCOの出力
と直交した信号VCO90=sin(ωt+φ)を生成
し、これをミキサ66で上記入力信号Zsin(ωt+
φ)に掛け合わせると、ミキサ66の出力には(4)式
の信号が得られる。
【0065】
【数4】
【0066】これをローパスフィルタ68に通し、2倍
波成分{−(Z/2)cos(2ωt+2φ)}を取り
除くと、z面の出力信号成分(入力振幅の最大値に比例
する値)が得られる。同様にして、x面の入力信号成分
ivx についてはミキサ65の出力に(5)式の信号が
得られる。
【0067】
【数5】
【0068】これをローパスフィルタ67に通し、2倍
波成分{−(X/2)cos(2ωt+2φ)}を取り
除くと、x面の出力信号成分(入力振幅の最大値に比例
する値)が得られる。ところで、図6(A)の関係にお
いては、上記得られたx面,z面の各出力信号成分は夫
々sinθ,cosθに比例するので、これらの出力信
号を上記(2)式の動的補正パラメータsinθ,co
sθの値として利用できる。
【0069】この場合に、ローパスフィルタ67,68
の各出力は、比例定数をMとする場合に、一般にはMs
inθ,Mcosθの形となるが、これらを上記(2)
式に代入すると、補正後の出力信号Roz=M・Vg ,R
ox=M・Hg となる。そこで、必要なら、M=1とする
ためにVCOの振幅を調整したり、又は出力信号のMs
inθ,Mcosθに夫々1/Mを掛けることが可能で
ある。
【0070】なお、動的補正パラメータsinθ,co
sθの求め方は他にも様々に考えられる。例えば入力の
iVx (=Vp sinθ),RiVZ (=Vp cosθ)
の各振幅を包絡線検波したり、ピーク検出すること等が
考えられる。図7に戻り、チューナ部7では前段のバン
ドパスフィルタBPFにより映像信号帯域の放送信号
x,zが抽出され、該信号x,zは次段の周波数シンセ
サイザSYNとミキサ(×印)とからなる可変周波数変
換器によりTVモニタ60からのチャネル選択信号CH
SLに従い所定の第2のIF帯の受信直交信号成分x,
zに変換される。更に後段のバンドパスフィルタBPF
により所要帯域幅の映像信号Rix,Rizが抽出される。
【0071】上記図6(B)に示した如く、CSアンテ
ナ20が角度−θだけ傾いていることにより、この受信
信号Rixには映像信号Vg とHg の各x成分が含まれ、
また受信信号Rizには映像信号Vg とHg の各z成分が
含まれている。そこで、各信号Rix,Rizを次段の回転
補正部8に入力し、該信号Rix,Rizに対して上記
(2)式の演算により角度−θ分の回転補正を加える。
【0072】回転補正部8において、Hはハイブリッ
ド、81〜84は乗算器(×)、85,86は加算器
(+)である。入力の信号Rix,Rizを夫々ハイブリッ
ドHで2分配し、上記(2)式の回転演算を行う。この
回路における出力信号Rox,Rozは夫々(6)式で得ら
れる。
【0073】
【数6】
【0074】図9は一例の乗算器を説明する図である。
図7の乗算器81〜84としては市販のものを使用でき
る。ここにはアナログ・デバイセズ社の汎用のアナログ
乗除算器AD734を示した。図9(A)に乗算器の場
合の結線を示す。端子XにVx を入力し、かつ端子Yに
y を入力すると、出力端子OUTに信号Eo =(Vx
・Vy )/10が得られる。負の信号の乗算も可能であ
るが、本実施の形態では行わず、代わりに加算器85で
減算を行っている。なお、図9(B)に除算器の場合の
結線、図9(C)に平方根を求める場合の結線を夫々示
す。
【0075】図10は第2の実施の形態による移動体受
信装置の回路構成を示す図で、CSアンテナ20で受信
した映像信号x,zをベースバンド帯域でディジタル的
に信号処理(回転演算)を行う場合を示している。上記
図5の概略構成に対応して主要部の回路構成が示されて
いる。前置処理部3、回転検出部6、チューナ部7の構
成は図7と同様で良い。
【0076】直交検波部11において、入力の映像信号
ix,Rizを夫々ハイブリッドHで2分配する。一方、
QPSKの復調部DEMに位相同期したVCOの出力信
号を直交ハイブリッドHでπ/2位相の異なる各再生キ
ャリア信号となし、これらで前記入力の映像信号Rix
izを夫々直交検波する。得られた各信号の高域成分を
ローパスフィルタLPFで除去し、更にA/D変換器に
よりA/D変換して直交ベースバンド信号(Ix
x ),(Iz ,Qz )を生成する。一方、回転検出部
6の出力信号sinθ,cosθはA/D変換器により
A/D変換される。
【0077】回転補正部8において、回転演算部87,
88は(7)式の演算を行う。
【0078】
【数7】
【0079】この様な回転演算部87,88はディジタ
ル・シグナル・プロセッサDSP又は信号(Ix
z )又は信号(Qx ,Qz )と、自動車の移動により
時々刻々と変化する動的補正パラメータsinθ,co
sθとをアドレス入力として予め(7)式により演算さ
れたデータ信号(Ih ,Iv )又は(Qh ,Qv )を読
み出す様なROMテーブルで構成される。
【0080】回転補正部8の出力信号(Ih ,Qh ),
(Iv ,Qv )はベースバンド復調部DEMで復調さ
れ、映像信号Gh ,Gv となる。ところで、以上は、地
上局bがパイロット信号PSとしてV偏波のシングルキ
ャリアVp のみを送信する場合を述べたが、H偏波のシ
ングルキャリアHp のみを送信する場合も同様に考えら
れる。更に、V及びH偏波に同時にシングルキャリアV
p ,Hp を送ることも可能であり、この場合の移動端末
局装置における信号処理は以下のようになる。
【0081】図11は実施の形態によるCSアンテナの
他の回転検出の原理を説明する図である。衛星CSb
りパイロットキャリア偏波Vp ,Hp (この例ではVp
=Hp )が入力している。これは合成ベクトル(Vp
p )からなる直線偏波と考えて良い。なお、説明の簡
単のため、r=1とする。一方、CSアンテナ20の受
信偏波面x,zがy軸の回りに−θだけ回転していたと
すると、アンテナのx軸に平行な受信信号成分Rix及び
z軸に平行な受信信号成分Rizは夫々(8)式で表され
る。
【0082】
【数8】
【0083】ここで、A=sinα,B=cosαであ
る。ところで、この場合もCSアンテナ20の傾き角θ
に応じた動的補正パラメータsinθ,cosθを直接
に得たい。そこで、上記(8)式のRixにAを掛け、か
つRizにBを掛けて両式の差をとると、(9)式のsi
nθが得られる。
【0084】
【数9】
【0085】但し、A2 +B2 =sin2 α+cos2
α=1である。また、上記(8)式のRixにBを掛け、
かつRizにAを掛けて両式の和をとると、(10)式の
cosθが得られる。
【0086】
【数10】
【0087】従って、上記得られた動的補正パラメータ
sinθ,cosθを回転補正部8で利用できる。な
お、この例ではVp =Hp (即ち、A=B)としたが、
これに限らない。V p ≠Hp とすることで様々な角度α
の直線偏波が得られる。このうち、Hp =0とすればV
p のみが得られ、またVp =0とすればHp のみが得ら
れる。そして、Vp =Hp の時にパイロット信号PSの
最大電力が得られ、パイロット信号PSとしての能力が
強化される。また、直線偏波の角度αを衛星毎に異なら
しめることで、静止衛星の識別にも有効に利用できる。
【0088】図12は第3の実施の形態による移動体受
信装置の回路構成を示す図で、パイロット信号PSとし
てV,H偏波が共に送られる場合を示している。図にお
いて、6はこの例の回転検出部で有り、その他の構成は
図10と同様である。また回転検出部6において、69
は回転角演算部であり、上記(9)式,(10)式の演
算を行う。即ち、受信パイロットキャリアの振幅を
ix、Rizとし、かつ衛星からのV,H偏波の振幅を既
知のA,Bとする場合に、動的補正パラメータsin
θ,cosθの値を、 sinθ=A・Rix−B・Riz cosθ=B・Rix+A・Riz により求める。この様な回転角演算部69はDSPやR
OMテーブルで構成できる。
【0089】図13は実施の形態による地球局装置の一
部構成を示す図で、パイロット信号生成部の構成を示し
ている。図において、OSC1はパイロットキャリアf
1の発振器、13は情報変調部、14は拡散変調部、M
IXはミキサ(乗算器)、CGはPN符号やGold符
号のコード発生部、OSC2はスペクトラム拡散周波数
f2(>>f1))の発振器である。
【0090】パイロットキャリア信号a(t)は、必要
なら情報変調部13で情報によるディジタル1次変調を
受け、データ変調キャリアb(t)となって拡散変調部
14に入力する。拡散変調部14では入力のデータ変調
キャリアb(t)にコード発生部CGからの拡散コード
Cに対応するPN系列c(t)を掛け合わせ、コード拡
散された2次変調信号s(t)を出力する。なお、デー
タ変調は好ましくは間欠的(バースト的)に行う。2次
変調信号s(t)は他の映像信号等と周波数分割合成さ
れ、衛星CSb に向けて送信される。
【0091】なお、上記コード拡散による拡散変調部1
4に代えて、公知の周波数ホッピング方式による拡散変
調部14を備えても良い。図14は第4の実施の形態に
よる移動体受信装置の回路構成を示す図で、コード拡散
された受信パイロット信号PSを逆拡散復調する場合を
示している。図において、BPFはパイロット信号帯域
幅のバンドパスフィルタ、MIXはミキサ(乗算器)、
15は拡散復調部、CGはコード発生部、DLLは遅延
ロックループ(Delay Locked Loop) 、MFは整合フィル
タ(マッチトフィルタ)である。
【0092】整合フィルタMFは、受信信号Pz の符号
系列s(t)と拡散コードCに対応する逆拡散符号レプ
リカc(t)との相関を検出し、相関ピークが得られた
タイミングにトリガ信号TGを出力する。遅延ロックル
ープDLLは、整合フィルタMFのトリガ信号TGに同
期して受信信号Pz の符号系列s(t)とコードCに対
応する逆拡散符号レプリカc(t)との間のタイミング
誤差を1/2チップ周期以内に捕捉し、かつそのタイミ
ング誤差を0とするように同期維持する。またこの遅延
ロックループDLLは各コード周期にコードタイミング
信号CTを出力する。そして、コード発生部CGは、こ
のコードタイミング信号CTに同期してコードCに対応
する逆拡散符号レプリカc(t)を発生する。こうして
入力の受信信号Pz {=s(t)}はミキサMIXで同
期逆拡散され、シングルキャリアa(t)又はデータ変
調キャリアb(t)に拡散復調される。同時に受信信号
x も拡散復調される。こうして拡散復調されたパイロ
ット信号PSの以後の処理は上記したと同様である。
【0093】なお、上記コード拡散による拡散復調部1
5に代えて、公知の周波数ホッピング方式による拡散復
調部15を備えても良い。また、上記各実施の形態では
地上の放送局より所定のパイロット信号PSを送信した
が、移動端末局装置は衛星独自が発生する所定の電波を
パイロット信号PSとして利用するように構成しても良
い。
【0094】また、上記実施の形態で一例のCSアンテ
ナの構造を述べたが、CSアンテナは他にもパラボラ方
式等、様々に構成できる。また、上記本発明に好適なる
複数の実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない
範囲内で、各部の構成、制御、演算処理及びこれらの組
合せの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
【0095】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、衛星放
送の地球局装置は映像信号とは別個に所定のパイロット
信号を送信することにより、該衛星放送を受信する移動
局装置は該パイロット信号を静止衛星の識別、追尾、更
には自己のアンテナ受信偏波面の傾きの検出及び受信映
像信号の歪み(混信)補正に有効に利用できる。
【0096】また衛星放送の移動端末局は自己のアンテ
ナ受信偏波面の傾きの検出及び該検出角による衛星受信
映像信号の歪み(混信)補正を電気的に行うことによ
り、自動車等の傾きによらず、簡単な構成により常に良
好な受信状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の原理を説明する図である。
【図2】図2は実施の形態によるCS衛星放送システム
の概要を説明する図である。
【図3】図3はCS衛星の一例のトランスポンダ周波数
配列を説明する図である。
【図4】図4は実施の形態によるパイロット信号の使用
態様を説明する図である。
【図5】図5は実施の形態による移動体受信装置の概略
構成を示す図である。
【図6】図6は実施の形態によるCSアンテナの回転検
出及び映像信号補正の原理を説明する図である。
【図7】図7は第1の実施の形態による移動体受信装置
の回路構成を示す図である。
【図8】図8は実施の形態による回転検出部6の動作タ
イミングチャートである。
【図9】図9は一例の乗算器を説明する図である。
【図10】図10は第2の実施の形態による移動体受信
装置の回路構成を示す図である。
【図11】図11は実施の形態によるCSアンテナの他
の回転検出の原理を説明する図である。
【図12】図12は第3の実施の形態による移動体受信
装置の回路構成を示す図である。
【図13】図13は実施の形態による地球局装置の一部
構成を示す図である。
【図14】図14は第4の実施の形態による移動体受信
装置の回路構成を示す図である。
【図15】図15は従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
1 アンテネナユニット 2 回転機構部 3 前置処理部 4 追尾制御部 5 衛星識別部 6 回転検出部 7 チューナ部 8 回転補正部 9 偏波選択部 10 BSアンテナ 11 直交検波部 13 情報変調部 14 拡散変調部 15 拡散復調部 20 CSアンテナ 30 映像信号処理部 50 チューナ装置 60 TVモニタ 61 電圧制御発振器(VCO) 62 直交ハイブリッド(H) 63 位相比較器(×) 64 ループフィルタ(LPF) 65,66 ミキサ(×) 67,68 ローパスフィルタ(LPF) 69 回転角演算部 70 ルーフ 81〜84 乗算器(×) 85,86 加算器(+) 87,88 回転演算部 BPF バンドパスフィルタ CG コード発生部 DLL 遅延ロックループ H ハイブリッド MF 整合フィルタ MIX ミキサ(乗算器) OSC 発振器 SYN 周波数シンセサイザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 7/20 H04J 13/00 F

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地球局装置と複数の移動端末局装置とが
    静止衛星を介する直交偏波を利用して通信を行う衛星通
    信システムの前記地球局装置において、 静止衛星の中継器における同一周波数の垂直及び水平偏
    波につき所定帯域幅を占有すると共に、該帯域内に移動
    端末局装置が静止衛星の認識、追尾又はアンテナ受信偏
    波面の傾き検出に利用可能な所定のパイロット信号を送
    信することを特徴とする衛星通信システムの地球局装
    置。
  2. 【請求項2】 パイロット信号は、垂直偏波、水平偏波
    又は同一周波数の垂直及び水平偏波で送信されるシング
    ルキャリア信号であることを特徴とする請求項1に記載
    の衛星通信システムの地球局装置。
  3. 【請求項3】 パイロット信号は、垂直偏波、水平偏波
    又は同一周波数の垂直及び水平偏波で送信される同一情
    報信号で変調されたディジタル変調信号であることを特
    徴とする請求項1に記載の衛星通信システムの地球局装
    置。
  4. 【請求項4】 パイロット信号は、垂直偏波、水平偏波
    又は同一周波数の垂直及び水平偏波で送信されるコード
    拡散されたスペクトラム拡散信号であることを特徴とす
    る請求項1に記載の衛星通信システムの地球局装置。
  5. 【請求項5】 パイロット信号は、垂直偏波、水平偏波
    又は同一周波数の垂直及び水平偏波で送信される周波数
    ホッピングされたスペクトラム拡散信号であることを特
    徴とする請求項1に記載の衛星通信システムの地球局装
    置。
  6. 【請求項6】 地球局装置と複数の移動端末局装置とが
    静止衛星を介する直交偏波を利用して通信を行う衛星通
    信システムの前記移動端末局装置において、 静止衛星からの垂直及び水平偏波の各信号につき空間的
    に直交する受信偏波面を有するアンテナを介して前記各
    信号の直交信号成分を受信する受信部と、 該受信部の受信信号より抽出した所定のパイロット信号
    の直交信号成分に基づき移動端末局装置の姿勢に起因す
    るアンテナ受信偏波面の回転角を検出する回転検出部
    と、 前記受信部の受信信号より抽出した通信チャネル信号の
    直交信号成分を前記検出された回転角で電気的に補正す
    る回転補正部とを備えることを特徴とする衛星通信シス
    テムの移動端末局装置。
  7. 【請求項7】 回転検出部は、受信したパイロット信号
    の垂直及び水平信号成分の各振幅に基づきアンテナ受信
    偏波面の回転角を検出することを特徴とする請求項6に
    記載の衛星通信システムの移動端末局装置。
  8. 【請求項8】 回転検出部は、受信したパイロット信号
    の垂直又は水平信号成分に位相同期した再生キャリア信
    号を生成すると共に、該再生キャリア信号又はこれと所
    定位相にあるキャリア信号で前記パイロット信号の垂直
    及び水平信号成分を夫々同期検波し、得られた各検波出
    力に基づきアンテナ受信偏波面の回転角θに対応するs
    inθ,cosθに夫々比例する各信号を生成すること
    を特徴とする請求項6に記載の衛星通信システムの移動
    端末局装置。
  9. 【請求項9】 回転検出部は、静止衛星から送られるパ
    イロット信号の垂直及び水平偏波の各振幅をA,Bとす
    る場合に、受信したパイロット信号の垂直及び水平信号
    成分の各振幅Riz,Rixに基づきアンテナ受信偏波面の
    回転角θに対応するsinθ,cosθの各値を、 sinθ=A・Rix−B・Riz cosθ=B・Rix+A・Riz により求めることを特徴とする請求項6に記載の衛星通
    信システムの移動端末局装置。
  10. 【請求項10】 回転補正部は、アンテナの水平、垂直
    受信偏波面をx,z、通信チャネルの受信直交信号成分
    をRix,Riz、かつ回転検出部で検出されたアンテナ受
    信偏波面の回転角を−θとする場合に、補正後の受信直
    交信号成分R ox,Rozを、 Rox=Rixcosθ−Rizsinθ Roz=Rixsinθ+Rizcosθ により求めることを特徴とする請求項6乃至9の何れか
    1に記載の衛星通信システムの移動端末局装置。
  11. 【請求項11】 回転補正部は、通信チャネルの受信直
    交信号成分を無線周波帯、中間周波帯又はベースバンド
    信号帯で回転補正することを特徴とする請求項10に記
    載の衛星通信システムの移動端末局装置。
  12. 【請求項12】 パイロット信号は、垂直偏波、水平偏
    波又は同一周波数の垂直及び水平偏波で送信されるとこ
    ろの、シングルキャリア信号、情報変調されたディジタ
    ル変調信号、又はコード拡散されたスペクトラム拡散信
    号又は周波数ホッピングされたスペクトラム拡散信号で
    あることを特徴とする請求項6に記載の衛星通信システ
    ムの移動端末局装置。
  13. 【請求項13】 パイロット信号は、地球局装置又は静
    止衛星で発生されるものであることを特徴とする請求項
    6に記載の衛星通信システムの移動端末局装置。
  14. 【請求項14】 静止衛星を識別するための衛星識別部
    を更に備え、該衛星識別部は、受信したパイロット信号
    の周波数配置、ディジタル変調されたパイロット信号の
    復調データ、所定のコードによりスペクトラム直接拡散
    されたパイロット信号への同期確立又は所定のホッピン
    グシーケンスにより周波数ホッピングされたパイロット
    信号への同期確立により自己の通信する静止衛星を識別
    することを特徴とする請求項6に記載の衛星通信システ
    ムの移動端末局装置。
  15. 【請求項15】 静止衛星を追尾するための追尾制御部
    を更に備え、該追尾制御部は、受信したパイロット信号
    の信号電力が最大となる様に少なくともアンテナを水平
    方向に駆動制御することを特徴とする請求項6に記載の
    衛星通信システムの移動端末局装置。
JP9042641A 1997-02-26 1997-02-26 衛星通信システムの地球局装置及びその移動端末局装置 Withdrawn JPH10242895A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9042641A JPH10242895A (ja) 1997-02-26 1997-02-26 衛星通信システムの地球局装置及びその移動端末局装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9042641A JPH10242895A (ja) 1997-02-26 1997-02-26 衛星通信システムの地球局装置及びその移動端末局装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10242895A true JPH10242895A (ja) 1998-09-11

Family

ID=12641652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9042641A Withdrawn JPH10242895A (ja) 1997-02-26 1997-02-26 衛星通信システムの地球局装置及びその移動端末局装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10242895A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001358695A (ja) * 2000-04-18 2001-12-26 Lucent Technol Inc 直交周波数分割多重ベースのスペクトル拡散多重アクセスシステムにおけるパイロット使用
JP2009516403A (ja) * 2005-09-30 2009-04-16 テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) ユーザ装置における偏波修正の方法および装置
US8351405B2 (en) 2006-07-14 2013-01-08 Qualcomm Incorporated Method and apparatus for signaling beacons in a communication system
JP2018500810A (ja) * 2014-11-25 2018-01-11 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated ワイヤレスデバイスの回転を取得するための技法
CN113346941A (zh) * 2021-06-02 2021-09-03 天津(滨海)人工智能军民融合创新中心 基于系统模型的频轨数据库预先储备编制方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001358695A (ja) * 2000-04-18 2001-12-26 Lucent Technol Inc 直交周波数分割多重ベースのスペクトル拡散多重アクセスシステムにおけるパイロット使用
JP2009516403A (ja) * 2005-09-30 2009-04-16 テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) ユーザ装置における偏波修正の方法および装置
US8351405B2 (en) 2006-07-14 2013-01-08 Qualcomm Incorporated Method and apparatus for signaling beacons in a communication system
JP2018500810A (ja) * 2014-11-25 2018-01-11 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated ワイヤレスデバイスの回転を取得するための技法
TWI643403B (zh) * 2014-11-25 2018-12-01 高通公司 用於獲得無線設備的旋轉的技術
CN113346941A (zh) * 2021-06-02 2021-09-03 天津(滨海)人工智能军民融合创新中心 基于系统模型的频轨数据库预先储备编制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5319673A (en) Radio frequency broadcasting systems and methods using two low-cost geosynchronous satellites
US5872540A (en) Digital interference suppression system for radio frequency interference cancellation
AU724049B2 (en) Satellite broadcasting system
US20040087294A1 (en) Phases array communication system utilizing variable frequency oscillator and delay line network for phase shift compensation
EP0442341B1 (en) GPS receiver
US6222658B1 (en) Method and apparatus for a free space optical non-processing satellite transponder
US20080305736A1 (en) Systems and methods of utilizing multiple satellite transponders for data distribution
JP2001053640A (ja) 無線通信装置および無線通信方法
JP2002511706A (ja) ディジタル放送システムにおいて衛星信号および地上信号を受信するデュアルモード受信機
EP0808529A1 (fr) Procede et dispositif de reduction du brouillage de transmission hertzienne et son utilisation dans un reseau tv interactif
JPH10242895A (ja) 衛星通信システムの地球局装置及びその移動端末局装置
CA2211093A1 (en) Method and apparatus for generating plural quadrature modulated carriers
US20100136902A1 (en) Signal Power Summation Using Satellite Transponders Having Orthogonal Polarizations
US5604746A (en) Digital data receiver
US20090262787A1 (en) Method and Apparatus for Providing Satellite Television and Other Data to Mobile Antennas
JP2004040678A (ja) 復調装置
JP3139936B2 (ja) 直交周波数分割多重伝送方式とその送信装置および受信装置
US4293945A (en) Multichannel correlation receiver for determining depolarization of signals along signal propagation paths
CN1110913C (zh) 正交频分多路复用信号的分集接收装置
JP2000299655A (ja) Cs通信システム,cs追尾方法,cs受信装置
US20100183050A1 (en) Method and Apparatus for Providing Satellite Television and Other Data to Mobile Antennas
JPH0644731B2 (ja) 放送形式のデータ通信におけるダイバーシチ送受信方法
JP4366847B2 (ja) 半導体装置および携帯端末装置
JPH1138112A (ja) 追尾装置
CA2383655C (en) Satellite broadcasting system

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040511