JPH10242760A - 電圧制御型高周波発振装置 - Google Patents

電圧制御型高周波発振装置

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JPH10242760A
JPH10242760A JP9044286A JP4428697A JPH10242760A JP H10242760 A JPH10242760 A JP H10242760A JP 9044286 A JP9044286 A JP 9044286A JP 4428697 A JP4428697 A JP 4428697A JP H10242760 A JPH10242760 A JP H10242760A
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JP
Japan
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frequency
oscillation
circuit
voltage
switching
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JP9044286A
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Tsutomu Adachi
勉 安達
Hiroki Uemura
浩樹 植村
Takeshi Hasegawa
健 長谷川
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)
  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 C/N特性に優れ、且つ周波数シフト量が大
きい複数の発振信号を安定して出力する電圧制御型高周
波発振装置を提供する。 【解決手段】制御電圧vt、切換電圧Vsに対応して所
定共振周波数fで動作を行う共振回路部A1 、負性抵抗
回路部A2 、増幅回路部A3 とから成り、一次発振信号
xを出力する増幅回路路部Aと、該発振回路部Aの出力
信号xの周波数を逓倍化する周波数逓倍化回路部Bと、
該周波数逓倍化回路部Bで逓倍化した所定周波数成分の
抽出するフィルタ回路部Cとから構成される電圧制御型
高周波発振装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの発振出力信
号を導出するデュアルモード型の電圧制御型高周波発振
回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、移動体通信装置やその他の通
信装置の送信用発振器、受信部の局部発振器に用いられ
る電圧制御型高周波発振装置が知られている。
【0003】最近、携帯電話、自動車電話等の様々な移
動体通信機器が普及しているが、一部の通信シテスムで
は、チャンネル数の不足が深刻化している。これらの問
題を解決するための新しいシステムが運用される様にな
るが、この普及段階においては、従来のシステムと新し
いシステムの併用が可能なデュアルバンド対応の通信機
が必要となる。また、同一地域で異なる通信システムが
併用されている場合においても、デュアルバンド対応の
通信機が必要となる。
【0004】デュアルバンド対応の通信機は、所定発振
周波数の2つの発振出力信号を用いる必要があり、通
常、発振周波数帯域が異なる2つの発振器を用いてい
た。
【0005】上述のように、例えば1つの移動体通信機
器中に2つの発振器を用いると当然、通信機器が大型化
してしまい、特に、移動体通信機の小型化とは逆行して
しまう。
【0006】従来の電圧制御型発振器は、例えば、共振
回路部のストリップ線路、コンデンサなどから成る共振
手段に、バリキャップダイオードなどを接続し、バリキ
ャップダイオードに供給する制御電圧によって、共振回
路部のL−C回路定数を制御して共振周波数を可変制御
していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにバリキャップダイオードの容量値で、発振周波数
を可変制御するにあたり、例えば、1つの発振出力信号
の発振周波数F1 が800MHz帯付近の発振周波数
が、別の発振出力信号の発振周波数F2 が1.9GHz
帯付近の発振周波数と、全く異なる周波数帯域(周波数
バンド)に属するものが要求される場合、即ち、発振周
波数F1 −F2 のシフト量ΔFが大き過ぎ、バリキャッ
プダイオードの容量可変範囲では対応できない。
【0008】また、発振周波数F1 −F2 のシフト量Δ
Fが大き過ぎる場合には、発振器のC/N特性差の変動
が大きく、通信機器に使用できないという問題もあっ
た。
【0009】また、発振出力信号の発振周波数F1 とF
2 の関係が整数倍の関係であれば、逓倍回路や分周回路
を用いて対応できるが、実際の要求され発振周波数
1 、F2 は上述のように、両発振周波数は算術的に関
係にはないため、少なくとも2つの発振出力信号を同一
の電圧制御型高周波発振装置で出力することができなか
った。
【0010】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、2つの発振出力信号の発振周
波数F1 、F2 の周波数バンドが相違していても、ま
た、算術的な関係がなくとも、実用に適した安定した2
つの発振出力信号が得られる電圧制御型高周波発振装置
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、発振周波数を
制御する制御電圧と、発振周波数を異なる周波数バンド
に切り換える切換電圧とが供給され、両電圧によって所
定共振周波数で動作を行う共振回路部を含み、基本発振
信号を導出する発振回路部と、前記発振回路部の基本発
振信号を周波数逓倍化処理を行う周波数逓倍化回路部
と、前記周波数逓倍化回路部で逓倍化された所定周波数
成分を抽出するフィルタ回路部と、前記切換電圧の供給
に伴い、周波数逓倍化回路部の周波数逓倍化処理を制御
するスイッチ回路部とから成り、前記発振回路部の基本
発振信号及び/又は前記フィルタ回路部を通過する逓倍
化された出力信号を、発振出力信号として外部に出力す
る特徴とする電圧制御型高周波発振装置である。
【0012】
【作用】以上のように、本発明の電圧制御型高周波発振
装置は、共振回路部の共振動作は、切換電圧によって離
散的に制御される。即ち、所定電圧の切換電圧の供給に
よって、発振回路部Aの出力である基本発振信号の周波
数fを、少なくとも2種類の周波数f1 、f2 に切り換
えることができる。
【0013】この発振回路部の基本発振信号は、電圧制
御型高周波発振装置の発振出力信号として導出される。
【0014】また、例えば周波数f1 の基本発振信号
は、周波数逓倍化回路部で逓倍処理(F=k×f1 :k
=2、3、・・)され、この逓倍した周波数Fを抽出す
るフィルタ回路部を介して、その信号が電圧制御型高周
波発振装置の発振出力信号として導出される。
【0015】従って、本発明の電圧制御型高周波発振装
置では、基本発振信号の周波数帯の発振出力信号と基本
発振信号の周波数を逓倍化した高い周波数帯の発振出力
信号の異なる周波数バンドでの出力が可能となる。
【0016】しかも、基本発振信号の発振周波数は、離
散的に制御されるため、周波数f1、f2 のいずれかを
発振出力信号とすることができ、また、この基本発振信
号が逓倍されるため、周波数F1 (F1 =k×f1 )、
2 (F2 =k×f2 )のいずれかを発振出力信号とす
ることができる。
【0017】特に、本発明では、共振回路部で共振動作
を制御して、基本発振信号の周波数を離散的に制御する
切換電圧が、周波数逓倍化回路部の動作を制御するスイ
ッチ回路部に供給されることから、基本発振信号の周波
数帯の発振出力信号と、基本発振信号の周波数を逓倍化
した高い周波数帯の発振出力信号との組み合わせ(例え
ば2×2=4通り)が、切換電圧のH/Lによって制約
される。
【0018】これは、フィルタ回路の構成が簡略した
り、また、発振周波数の誤った選択を回避できるなど非
常に実用的な実用に適したものとなる。しかも、周波数
逓倍化回路部の動作が不要な時には、周波数逓倍化回路
部を停止させることができるため、消費電流が少なくな
る。
【0019】また、逓倍化処理された一方の発振周波数
の発振出力信号であっても、C/N特性は逓倍化処理前
の基本発振信号のレベルに依存される。従って、この基
本発振信号の周波数は、基本発振信号をそのまま導出し
た他方の基本発振信号と周波数が近接しているため、C
/N特性の差が抑えられるため、通信機器の安定した動
作が維持できる。また、両方の発振周波数の制御は、互
いに近接する周波数の基本発振信号レベルで行えるた
め、制御電圧による周波数の制御が簡略することにな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電圧制御型高周波
発振装置を図面に基づいて説明する。
【0021】図1は、第1の発明の電圧制御型高周波発
振装置を構成するブロック回路図であり、図2その回路
図である。
【0022】本発明の電圧制御型高周波発振装置は、発
振回路部Aと、周波数逓倍化回路部B、逓倍化された所
定周波数を抽出するフィルタ回路部Cとから構成されて
いる。
【0023】発振回路部Aは、共振回路A10、切換回路
11とから成る共振回路部A1 、負性抵抗回路部A2
増幅回路部A3 とから構成されている。この共振回路部
1には、制御電圧Vtが供給される制御電圧端子VT
と、基本発振信号xの周波数を切り換える切換電圧Vs
が供給される切換電圧端子VSを具備している。
【0024】共振回路部A1 は、実質的にL−C共振回
路を構成する共振回路A10によって、その共振周波数が
決定される。また、切換回路A11は、切換電圧Vsの供
給(H/L)によって、上述のL−C共振回路の回路定
数を変化させて、共振周波数を離散的に制御、即ち、周
波数のシフトアップ、シフトダウンを行うものである。
【0025】負性抵抗回路部A2 は、トランジスタ、抵
抗などを備え、共振回路部A1 との発振条件を満たした
周波数を安定して出力するための回路である。
【0026】増幅回路部A3 は、主にトランジスタ、抵
抗などを備え、負性抵抗回路部A2のトランジスタと共
動して、負性抵抗回路部A2 からの信号を増幅する回路
である。この増幅回路部A3 には、バイアス電源端子V
cc、基本発振信号xを出力する端子Xが具備されてい
る。
【0027】結局、発振回路部Aは、共振回路部A1
所定共振周波数で動作を行い、負性抵抗回路部A2 、増
幅回路部A3 とにより、制御電圧Vt及び切換電圧Vs
に応じた周波数の基本発振信号xを出力する。この基本
発振信号xは、発振回路部A内のフィルタ回路を介し
て、第1の出力端子OUT1 に出力される。また、同時
に、周波数逓倍化回路部Bに供給される。
【0028】特に、切換電圧Vsの供給(H/L)によ
り、切換回路A11が機能して、基本発振信号xの周波数
をf1 からf2 に切り換え制御をしている。
【0029】制御電圧Vtは、この電圧電圧制御型高周
波発振装置の外部に接続されたPLL回路部Dから供給
される。PLL回路部Dは、発振回路部Aから出力され
ている基本発振信号xの発振周波数f1 またはf2 と所
定基準周波数とを比較して、周波数のズレを補正するた
めの制御電圧Vsを作成して、制御電圧端子VTに供給
している。また、通信システムの選択されたチャンネル
に対応した周波数に変化させるための制御電圧を作成し
て、制御電圧端子VTに供給している。このPLL回路
Dは、基準信号発振源である温度補償型水晶発振器、P
LL−IC、所定電圧値を変換するローパスフィルタか
ら構成されている。
【0030】上述の発振回路部Aには、周波数逓倍化回
路部Bが接続され、さらに、該周波数逓倍化回路部Bに
は、フィルタ回路部Cが接続されている。
【0031】周波数逓倍化回路部Bは、主に逓倍処理す
るためのトランジスタから成り、同時に、このトランジ
スタを動作を制御するスイッチング素子B1Oが接続され
ている。このスイッチング素子B1Oには、上述の切換電
圧Vsが供給され、基本発振信号xの周波数のシフト制
御と連動する。
【0032】周波数逓倍化回路部Bの逓倍化処理は、ト
ランジスタの動作領域を厳密に制御することによって達
成できる。例えばバイアスポイントの設定によって、ベ
ース電流の基本周波数成分に対してk倍の高調波成分の
みの出力レベルを向上させることが容易に制御できる。
例えば、2倍の周波数逓倍化処理を行うには、基本発振
信号の発振周波数fの2倍の周波数成分(2×f)を、
他の周波数成分に比較して出力レベル向上させるように
バイアスポイントを決定すればよい。
【0033】フィルタ回路部Cは、主にコンデンサ、リ
アクタンス素子から成り、周波数逓倍化回路部Bからの
特定周波数、例えば2倍の周波数成分付近を通過・抽出
するものである。
【0034】図1のブロック回路の実際の回路図の一例
を図2に示す。
【0035】図2において、発振回路部Aを構成する共
振回路A1Oは、主にストリップ線路L2 、コンデンサC
3 、C4 、C3O、可変容量素子DVから構成され、切換
回路部A11は主にコンデンサC31、ダイオードDi、抵
抗R31から構成されている。
【0036】そして、切換回路A11は、ストリップ線路
2 の接地端側に接続されている。従って、切換回路A
11が動作すると、ストリップ線路L2 の電気長は実質的
に短くなることになり、共振周波数が高くなる。負性抵
抗回路部A2 は主にトランジスタQ2 を中心に、増幅回
路部A3 は主にトランジスタQ1 を中心に構成されてい
る。尚、トランジスタQ1 の出力には、基本発振信号x
の発振周波数fを通過させるコイルL3 、L4 コンデン
サC1O、C11から成るフィルタ回路が接続されている。
即ち、発振回路部Aの基本発振信号xは、第1の発振出
力信号として第1の出力端子OUT1 に出力されるとと
もに、コンデンサC14を介して周波数逓倍化回路部Bに
出力される。
【0037】周波数逓倍回路Bは、主に逓倍処理を行う
トランジスタQ4 を中心に構成されている。また、スイ
ッチ回路部B1Oは、主にトランジスタQ3 により構成さ
られている。即ち、スイッチ手段のトランジスタQ3
ベースに所定電圧以上の切換電圧Vsが供給されると、
トランジスタQ3 がONとなり、コレクタ−エミッタ間
に電流が流れ、これにより、トランジスタQ4 がエミッ
タ接地状態なるため、トランジスタQ4 が動作する。
尚、周波数逓倍回路Bで逓倍処理された信号は、トラン
ジスタQ4 のコレクタからフィルタ回路部Cに出力され
る。
【0038】フィルタ回路部Cは、主にコイルL5 、L
6 、コンデンサC16〜C2 O から構成されている。そし
て、周波数逓倍化回路部Bで逓倍化された周波数成分の
信号が、フィルタ回路部Cを通過して、第2の発振出力
信号として、第2の出力端子OUT2 に導出されること
になる。
【0039】次に、図2の回路における動作を表1の動
作表を用いて説明する。尚、周波数逓倍化回路部Bで
は、2倍の周波数逓倍化処理されるものとすし、制御電
圧は一定であるとする。
【0040】
【表1】
【0041】以上のように、図2の回路においては、切
換電圧Vsが一定電圧以下(供給をしない)のLレベル
では、切換回路A11のダイオードDiはOFF状態とな
り、基本発振信号xが、共振回路部A1 で設定された初
期状態の共振周波数に基づく発振周波数f1 となる。そ
して、この基本発振信号xは、そのまま、第1の出力端
子OUT1 から導出されることになる。
【0042】しかも、周波数逓倍化回路部Bのスイッチ
回路B1OのトランジスタQ3 は、ベース電圧である切換
電圧VsがLレベルであるため、OFF状態となり、同
時に逓倍処理を行うトランジスタQ4 が動作しない。そ
の結果、第2の出力端子OUT2 からは何にも出力され
ない。
【0043】切換電圧Vsが一定電圧以上のHレベルで
は、切換回路A11のダイオードDiはON状態となり、
基本発振信号xが、共振回路部A1 のストリップ線路L
2 の電気長が短くなることから、共振周波数が高くな
り、これに基づく発振周波数がf2 (f2 >f1 )とな
る。そして、この基本発振信号xは、そのまま、第1の
出力端子OUT1 から導出されることになる。
【0044】また、同時に、周波数逓倍化回路部Bのス
イッチ回路B1OのトランジスタQ3は、ベース電圧であ
る切換電圧VsがHレベルであるため、ON状態とな
り、同時に逓倍処理を行うトランジスタQ4 が動作す
る。周波数f2 の基本発振信号xが逓倍化処理され、周
波数F2 =2×f2 の周波数成分のみがフィルタ回路部
Cで抽出されて、その結果、第2の出力端子OUT2
ら発振周波数F2 の発振出力信号が導出されることにな
る。
【0045】図2に示す回路を具備する電圧制御型高周
波発振装置は、例えばアメリカ仕様の移動体通信システ
ム(AMPS方式、PCS方式)の受信回路における第
1周波用のデュアルモード型発振器に適している。尚、
実際に用いられる発振周波数は、実際のキャリア周波数
と若干相違しているが、ここでは便宜的にキャリア周波
数を要求される発振周波数として説明する。例えば、A
MPS方式に対応させるためには、発振周波数は880
MHzが必要であり、PCS方式に対応させるためには
発振周波数が1.9GHzが必要である。
【0046】この場合、上述の表1における切換電圧V
sがLレベルの基本発振信号xの発振周波数f1 を88
0MHzに、切換電圧VsがHレベルの基本発振信号x
の発振周波数f2 を950MHzになるように、共振回
路A10を設定し、1.9GHz付近の周波数が通過され
るようにフィルタ回路部Cを設定する。
【0047】これにより、切換電圧VsがLレベルの時
には第1の出力端子OUT1 から880MHzの発振出
力信号が得られ、切換電圧VsがHレベルの時には第2
の出力端子OUT2 から1.9GHzの発振出力信号が
得られることになる。
【0048】これは、AMPSとPCSという全く異な
る周波数バンドの発振出力信号を1つの制御電圧型高周
波発振装置から導出でき、デュアルモード型発振装置と
して実用性が高いものとなる。
【0049】しかも、このように実際に使用される2種
類の発振周波数880MHzと1.9GHzとの関係に
算術的な特別な関係がなくとも、必要とされる2つの発
振周波数を簡単に得ることができる。これは、1.9G
Hzと高い周波数の発振周波数は、内部的には880M
Hzの発振周波数の基本発振信号からシフトアップした
950MHzに基づいて、逓倍処理を行って作成したた
めである。
【0050】また、周波数逓倍化回路部Bにスイッチ回
路B10を具備しているため、第2の出力端子OUT2
らは、1.9GHzの信号しか導出されない。従って、
この電圧制御型高周波発振装置を通信機器に用いる場合
には、第2の出力端子からはPCS方式に対応する発振
周波数しか出力されないことから、誤った周波数の選択
がなくなる。
【0051】さらに、回路的には、1.9GHzの発振
出力信号を必要とする時だけ、周波数逓倍化回路部Bが
動作することになるため、消費電流の低減が可能とな
る。
【0052】また、C/N特性からすれば、同一の発振
装置で、これほどの周波数差ではC/N特性差が大きく
なり、実質的に実用が不可能であるものの、このC/N
特性を発振回路部Aで殆ど決定されること、実際の発振
回路部Aにおいては、基本発振信号xの発振周波数を8
80MHzと950MHzという非常に小さい周波数の
変化であることから、880MHzと950MHzとい
う発振周波数では、C/N特性差の変動は実質的に発生
しないことから、非常に安定した動作が可能な電圧制御
型高周波発振装置となる。
【0053】また、実際のチャンネルに対応した周波
数、微小の変化を制御するために制御電圧Vtを作成す
るPLL回路部Dにおいても、基本発振信号xの発振周
波数を880MHzと950MHzという非常に小さい
周波数の範囲での制御となるため、PLL回路部Dが一
系統で済み、その結果、通信機器の小型化、周辺の制御
回路の共用化、小型化が可能となる。
【0054】上述の図2の回路では、切換電圧Vs、切
換回路A11によってシフトアップされた基本発振信号に
対して逓倍化処理が行われ、高い周波数バンドの発振出
力信号を導出する動作であるが、図3には、シフトアッ
プされる前の基本発振信号に対して逓倍化処理が行わ
れ、高い周波数バンドの発振出力信号を導出する動作の
回路を示す。
【0055】図2との相違点は、周波数逓倍化回路部B
のスイッチグ回路B10の構成及びその接続箇所である。
即ち、スイッチグ回路B10のトランジスタQ3 にPNP
形を用いていること、さらに、このスイッチングトラン
ジスタQ3 が逓倍動作を行うトランジスタQ4 のコレク
タベース間に接続されていることである。
【0056】次に、図3の回路における動作を表2の動
作表を用いて説明する。尚、周波数逓倍化回路部Bで
は、2倍の周波数逓倍化処理されるものとし、制御電圧
は一定であるとする。
【0057】
【表2】
【0058】以上のように、図3の回路においては、切
換電圧Vsが一定電圧以下(供給をしない)のLレベル
では、切換回路A11のダイオードDiはOFF状態とな
り、基本発振信号xが、共振回路部A1 で設定された初
期状態の共振周波数に基づく発振周波数f1 となる。そ
して、この基本発振信号xは、そのまま、第1の出力端
子OUT1 から導出されることになる。
【0059】しかも、周波数逓倍化回路部Bのスイッチ
回路B1OのPNP形トランジスタQ3 は、ベース電圧で
ある切換電圧VsがLレベルであるため、ON状態とな
り、同時に逓倍処理を行うトランジスタQ4 が動作す
る。周波数f1 の基本発振信号xが逓倍化処理され、周
波数F1 =2×f1 の周波数成分のみがフィルタ回路部
Cで抽出されて、その結果、第2の出力端子OUT2
ら発振周波数F1 の発振出力信号が導出されることにな
る。
【0060】切換電圧Vsが一定電圧以上のHレベルで
は、切換回路A11のダイオードDiはON状態となり、
基本発振信号xが、共振回路部A1 のストリップ線路L
2 の電気長が短くなることになり、共振周波数が高くな
り、これに基づく発振周波数がf2 (f2 >f1 )とな
る。そして、この基本発振信号xは、そのまま、第1の
出力端子OUT1 から導出されることになる。
【0061】また、周波数逓倍化回路部Bのスイッチ回
路B1OのPNP形トランジスタQ3は、ベース電圧であ
る切換電圧VsがHレベルであるため、OFF状態とな
り、逓倍処理を行うトランジスタQ4 が動作しない。そ
のため、第2の出力端子OUT2 からは何も出力されな
いことになる。
【0062】図3に示す回路を具備する電圧制御型高周
波発振装置は、例えばヨーロッパ仕様の移動体通信シス
テム(GSM方式、DCS方式)の受信回路における第
1周波用のデュアルモード型発振器に適している。尚、
実際に用いられる発振周波数は、実際のキャリア周波数
と若干相違しているが、ここでは便宜的にキャリア周波
数を要求される発振周波数として説明する。例えば、G
SM方式に対応させるためには、発振周波数は950M
Hzが必要であり、DCS方式に対応させるためには発
振周波数が1.8GHzが必要である。
【0063】この場合、上述の表2における切換電圧V
sがLレベルの基本発振信号xの発振周波数f1 を90
0MHzに、切換電圧VsがHレベルの基本発振信号x
の発振周波数f2 を950MHzになるように、共振回
路A10、フィルタ回路部Cを設定する。発振周波数f2
を950MHzになるように、共振回路A10を設定し、
1.8GHz付近の周波数が通過されるようにフィルタ
回路部Cを設定する。
【0064】これにより、切換電圧VsがLレベルの時
には第2の出力端子OUT2 からはDCS方式に対応し
た1.8GHzの発振出力信号が得られ、切換電圧Vs
がHレベルの時には第1の出力端子OUT1 からはGS
M方式に対応した950MHzの発振出力信号が得られ
ることになる。
【0065】この実施例では、実際に使用される2種類
の発振周波数950Hzと1.8GHzとの関係に算術
的な特別な関係がなくとも、必要とされる2つの発振周
波数を簡単に得ることができる。特に、図2の回路で
は、切換電圧Vs、切換回路A11によってシフトアップ
された基本発振信号(周波数950MHz)に対して逓
倍化処理が行われ、高い周波数バンド(周波数1.9G
Hz)の発振出力信号を導出する動作であるが、図3に
は、シフトアップされる前の基本発振信号(周波数90
0MHz)に対して逓倍化処理が行われ、高い周波数バ
ンド(周波数1.8GHz)の発振出力信号を導出する
動作ものであり、切換回路部A11の動作によるシフトア
ップされた発振周波数950MHzをそのまま出力して
いる。
【0066】さて、上述の図2、図3では、ストリップ
線路L2 を中心に共振回路A10を構成しており、切換回
路A11はこのストリップ線路L2 の途中に接続されて構
成されている。共振回路A10は、ストリップ線路L2
外にも、マイクロストリップ線路や誘電体同軸共振子な
どの共振素子を用いて構成することができる。
【0067】周波数のシフトアップさせるための切換回
路A11の別の構成としては、図4に示すように、ストリ
ップ線路L2 に直接接続させなくとも、同様の動作を行
う切換回路A11を構成することができる。
【0068】図4に示す切換回路A11の付加したストリ
ップ線路Lsは、切換電圧Vsの供給前では浮いた状態
で動作しないものの、切換電圧Vsの供給により、一端
が接地されて、ストリップ線路L2 ともに共動し、全体
のインダクタスLの電気長を短くなる。このため、切換
電圧Vsの供給に伴い基本発振信号の高周波化(周波数
のシフトアップ)が達成される。
【0069】この図4に示す切換回路A11は、ストリッ
プ線路L2 に直接接続しないで構成されていることから
共振回路A10にマイクロストリップ線路や誘電体同軸共
振器などの共振素子を用いた時にシフトアップ切換回路
として有用である。
【0070】上述の切換回路A11は、基本発振信号を周
波数f1 からf2 (f2 >f1 )にシフトアップする動
作を行うが、例えば、基本発振信号を周波数f1 からf
2 (f1 >f2 )にシフトダウンする動作を行うように
しても構わない。
【0071】図5、図6は、新たにコンデンサCsを付
加して基本発振信号の周波数シフトダウンを行う切換回
路A11の例である。
【0072】図5、図6ともに、切換電圧Vsが供給さ
れることにより、ダイオードDiがON状態となり、共
振回路A10のL−C共振回路の合成容量成分が大きくな
るため、基本発振信号の発振周波数を、切換電圧Vsを
供給していな時の発振周波数に比較して低くなる。
【0073】図1〜図3では、切換電圧Vs及び切換回
路A11、スイッチ回路B10によって、基本発振信号xの
離散的な制御(シフト制御)と周波数逓倍化回路部Bの
逓倍化処理動作とを連動させてた例を示しているが、何
れの場合には、出力端子数が2端子となっている。実
際、1つの通信機器で、同時に異なる通信システムを利
用することはできないから、出力端子数を1つ、出力を
1系統にしても構わない。
【0074】例えば図7に示すように、出力端子OUT
を1つとして、また、切換電圧Vsによって動作するス
イッチ回路部Eで、周波数逓倍化回路部Bの逓倍化処理
の制御及び出力すべき発振出力信号の選択制御を行って
いる。
【0075】図中、点線で示すスイッチ回路部Eは、主
に、周波数逓倍化回路部Bの動作を制御するトランジス
タQ3 と、発振回路部Aからの基本発振信号の出力を制
御するダイオードD2 とから構成されている。トランジ
スタQ3 とダイオードD3 は常に逆動作となる。
【0076】図7の回路では、表3の動作表に示すよう
に動作する。切換電圧VsがLレベルでは、トランジス
タQ3 がON状態となり、トランジスタQ4 にバイアス
がかかり、周波数逓倍化回路部BのトランジスタQ4
作する。これによって、発振回路部Aの周波数f1 の基
本発振信号xは、逓倍化処理(k×f1 )され、トラン
ジスタQ4 のコレクタから出力されることになる。
【0077】同時に、切換電圧VsがLレベルでは、ダ
イオードD2 はOFF状態となり、ダイオードD3 はO
N状態となる。従って、発振回路部Aの基本発振信号は
ダイオードD2 で遮断されることになる。そして、周波
数逓倍化回路部Bで逓倍化された信号は、コイルL5
3 (図3参照)、コンデンサC1O、C16、C17のフィ
ルタ回路を周波数F1 成分のみ通過して出力端子OUT
に導出される。
【0078】また、切換電圧VsがHレベルでは、トラ
ンジスタQ3 がOFF状態となる。
【0079】そして、トランジスタQ3 の出力は、トラ
ンジスタQ4 のベース電圧となっているため、周波数逓
倍化回路部Bの逓倍処理動作はされない。従って、トラ
ンジスタQ4 の出力(コレクタ)には何ら高周波信号は
発振しない。同時に、切換電圧VsはダイオードD2
も供給されており、このダイオードD2 はON状態とな
り、ダイオードD3 はOFF状態となる。発振回路部A
の周波数f2 の基本発振信号xは、主にL4 、L3 (図
3参照)、コンデンサC1O、C21のフィルタ回路を通過
して出力端子OUTに導出される。
【0080】
【表3】
【0081】図7では、発振回路部Aを省略している
が、切換電圧Vsは、上述のように基本発振信号の離散
的な制御を行うものであり、図7の動作のように周波数
逓倍化回路部Bの動作を制御、基本発振信号の出力端子
の出力の選択もが連動して動作できるようになる。
【0082】特に、出力端子数が1つで済むため、電圧
制御型高周波発振装置に接続される種々の回路の共用、
簡素化が可能となり、実用性が非常に優れた電圧制御型
高周波発振装置となる。
【0083】尚、本発明者らが切換電圧Vs及び切換回
路A11によって変動する発振回路部Aから出力される基
本発振信号xの周波数のシフト量Δfを種々検討した結
果、切換回路A11のOFF時の周波数fOFF (f1 に相
当)とON時の周波数fON、(f2 に相当)の周波数シ
フト量Δfは、周波数fOFF に対して、±10%以内で
あることが望ましい。基本発振信号xでC/N特性差の
変動を小さくするためである。例えば、周波数シフト量
Δfを周波数fOFF に対して、±10%を越えてしまう
と、周波数fOFF においてはC/N特性差が2〜3dB
であったのが、周波数fONにおいては5〜6dBとな
り、実用上、困難な電圧制御型高周波発振装置となって
しまう。
【0084】
【発明の効果】本発明の電圧制御型高周波発振装置は、
発振回路部の基本発振信号の周波数帯の発振出力信号と
基本発振信号の周波数を逓倍化した高い周波数帯の発振
出力信号の異なる周波数バンドでの出力が可能となる。
しかも、両発振周波数との関係にとらわれることが一切
ない。
【0085】特に、共振回路部で共振動作を制御して、
基本発振信号の周波数を離散的に制御する切換電圧が、
周波数逓倍化回路部の動作を制御するスイッチ回路部に
供給されることから、基本発振信号の周波数帯の発振出
力信号と、基本発振信号の周波数を逓倍化した高い周波
数帯の発振出力信号との組み合わせが、切換電圧のH/
Lによって制約されるため、フィルタ回路の構成が簡略
したり、また、発振周波数の誤った選択を回避できるな
ど非常に実用的な実用に適したものとなる。
【0086】同時に、逓倍化処理を行う時のみに、周波
数逓倍化回路部が動作することになるため、消費電流が
少ない電圧制御型高周波発振装置となり、移動体通信機
器にとって極めて有用となる。
【0087】また、周波数バンドが異なる2つの発振出
力信号であっても、C/N特性の差が抑えられるため、
通信機器の安定した動作が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電圧制御型高周波発振装置のブロック
図である。
【図2】本発明の電圧制御型高周波発振装置の回路図で
ある。
【図3】本発明の電圧制御型高周波発振装置の他の回路
図である。
【図4】切換回路の別の一例示す部分的な回路図であ
る。
【図5】切換回路の別の一例示す部分的な回路図であ
る。
【図6】切換回路の別の一例示す部分的な回路図であ
る。
【図7】本発明の電圧制御型高周波発振装置の他の実施
例を示す周波数逓倍化回路部、フィルタ回路部の回路図
である。
【符号の説明】
A・・・・発振回路部 A1 ・・・共振回路部 A1O・・・共振回路 A11・・・切換回路 A2 ・・・負性抵抗回路部 A3 ・・・増幅回路部 B・・・・周波数逓倍化回路部 B1O・・・スイッチ回路 C・・・・フィルタ回路部 x・・・基本発振信号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振周波数を制御する制御電圧と、発振
    周波数を異なる周波数バンドに切り換える切換電圧とが
    供給され、両電圧によって所定共振周波数で動作を行う
    共振回路部を含み、基本発振信号を導出する発振回路部
    と、 前記発振回路部の基本発振信号を周波数逓倍化処理を行
    う周波数逓倍化回路部と、 前記周波数逓倍化回路部で逓倍化された所定周波数成分
    を抽出するフィルタ回路部と、 前記切換電圧の供給に伴い、周波数逓倍化回路部の周波
    数逓倍化処理を制御するスイッチ回路部とから成り、 前記発振回路部の基本発振信号及び/又は前記フィルタ
    回路部を通過する逓倍化された出力信号を、発振出力信
    号として外部に出力する特徴とする電圧制御型高周波発
    振装置。
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