JPH10242506A - 光学レンズ機能付き半導体デバイス - Google Patents

光学レンズ機能付き半導体デバイス

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JPH10242506A
JPH10242506A JP5401197A JP5401197A JPH10242506A JP H10242506 A JPH10242506 A JP H10242506A JP 5401197 A JP5401197 A JP 5401197A JP 5401197 A JP5401197 A JP 5401197A JP H10242506 A JPH10242506 A JP H10242506A
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lens
light emitting
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semiconductor device
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    • H01L2924/1017Shape being a sphere

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  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Led Devices (AREA)
  • Photo Coupler, Interrupter, Optical-To-Optical Conversion Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ機能付きの発光ダイオードにおけるレ
ンズ部は発光させた光に作用するだけであり、従来のレ
ンズ機能付きの半導体デバイスは、2種類の光を発光す
る機能、受発光する機能、2種類の光を受光する機能が
ない。 【解決手段】 半球状レンズ2とnp接合4と光路8を
有するフォトダイオードPD1 とpn接合77を有するフ
ォトダイオードPD4 とを同心状に組合わせて複合化した
複合形フォトダイオードPD3 においては、フォトダイオ
ードPD1 により0.32〜1.10μmの波長の光を光電変換
し、フォトダイオードPD4 により0.90〜1.65μmの波長
を光を光電変換するので、複合形フォトダイオードPD3
により0.32〜1.65μmの波長の光を光電変換することが
できる。半球状レンズ2の集光作用によりフォトダイオ
ードPD4 の光電変換効率や感度を高めることができる。
同様に、2種類の光を発光する複合形発光ダイオード、
受発光機能のある複合形ダイオードも実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、光学レンズ機能
付き半導体デバイスに関し、特に受光部や発光部を透過
する光の光路を設けてその光路にレンズ機能を付与した
もの、レンズ機能を有し2種類の光を受光可能なもの、
レンズ機能を有し2種類の光を発光可能なもの、レンズ
機能を有し発光と受光の両機能を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、受光デバイスあるいは発光デバ
イスのごとき光半導体デバイスは、光通信、光センサ
ー、分光分析、光計測など広範囲に利用されている。光
通信や光センサーなどの用途によっては入射光や出射光
を集光したり平行光化する光学レンズを半導体デバイス
の光路に設けることが多い。また、この光学レンズを光
半導体デバイスに直接取りつける例も多い。例えば、細
い光ファイバのコアと光半導体デバイスとの光結合性を
良くする為に両者の間に光を集光する光学レンズが設け
られる。
【0003】一方、2種類の光のピーク波長を検出する
為、シリコンに受光表面から深さの異なるpn接合を形
成し、入射光に対する波長感度が深さによって変わる原
理を利用したフォトダイオードを2個積層した半導体カ
ラーセンサーが公知である。また、透過型シリコンフォ
トダイオードと赤外線検出素子をサンドウイッチ構造に
した複合光デバイスが公知である。他方、ドーム形チッ
プを用いた発光ダイオードも公知である。このドーム形
チップは、半球状の半導体チップの中心部に点光源とな
るpn接合を設け、そこから出射する光はどの角度でも
チップと空気界面に対して垂直に当たることができるの
で、屈折率の違いによる内部への反射が少なくなり、光
の取り出し効率が改善されるという特長がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 前記のように、細い
光ファイバのコアとの間に光を集光する光学レンズが設
ける場合、光学レンズは光を屈折により曲げる光学的機
能しかなく、受光機能や発光機能を備えていない。この
ため、光のピーク波長を2種類にした多重通信や計測や
センサー類では、光学レンズとは別に各波長に対応する
2種類の光半導体デバイスを用いなければならない。
【0005】前記のように、フォトダイオードを2個積
層した半導体カラーセンサーでは、両方のスペクトルに
対して光感度があるため、各フォトダイオードの光出力
電流比を測定し分離して色を識別する必要があり、その
為の特殊な回路が必要である。また、透過型シリコンフ
ォトダイオードと赤外線検出素子をサンドウイッチ構造
にした複合光デバイスでは、透過型シリコンフォトダイ
オードにレンズとしての機能を付加していないので、入
射光は集光されず赤外線検出素子表面の入射エネルギー
密度は低く、光電変換効率を高めるのに限界がある。前
記ドーム形チップを用いた発光ダイオードには、他の入
射光を透過させる光路が設けられていないので、発光ダ
イオードとしての機能しかない。
【0006】本発明の目的は、光学系と電子系とが融合
した新規な応用領域を可能にする半導体デバイス、受光
や発光の機能と外来光に対するレンズ機能を有する半導
体デバイス、2種類の光を受光する機能又は発光する機
能とレンズ機能を有する複合化した半導体デバイス、受
光機能と発光機能とレンズ機能を有する複合化した半導
体デバイス等の半導体デバイスを提供すること、光通
信、光情報処理、分光分析、光センサーなどに有用の半
導体デバイスを提供すること、分光感度波長範囲や発光
スペクトルを拡大可能な半導体デバイスを提供するこ
と、等である。
【0007】
【課題を解決するための手段】 請求項1のレンズ機能
付き半導体デバイスは、入射光を光電変換する受光部を
備えた半導体デバイスおいて、受光部を光透過可能な半
導体で構成し、受光部の少なくとも一部を構成する半導
体に光を透過させる光路を形成し、この光路にレンズ機
能を付与したものである。前記受光部としては種々のフ
ォトダイオードの構成を適宜採用できる。前記レンズ機
能を得るレンズとしては、球状、半球、ロッド形、シリ
ンダ形、丸ドラム形、凸形等、屈折作用で光の進行方向
を目的とする方向へ変換するものであればよい。
【0008】この受光部の少なくとも一部を構成する半
導体に、光を透過させる光路を形成し、この光路にレン
ズ機能を付与したので、入射光のうちの一部の光を受光
部で光電変換し、入射光のうちの別の一部の光は受光部
と光路を透過させ、レンズ機能により集光したり平行光
化したりして外部へ出射させることができる。そして、
その透過光を別の受光デバイスで高感度に効率的に検出
するように構成することが可能になる。また、入射光の
うちの一部の光を受光部で光電変換する一方、別の発光
デバイスで発光させた光を光路を透過させ、レンズ機能
により集光したり平行光化して外部へ出射することがで
きる。
【0009】このように、受光部の少なくとも一部を構
成する半導体を有効活用してレンズ機能を得るので、小
型化でき、構成を簡単化でき、半導体材料を節減でき、
製作コストを低減できる。しかも、外部の受光デバイス
と複合化することで、2種類の入射光を夫々独立に光電
変換可能になり、エネルギー密度を高めた光を受光デバ
イスにより効率良く高感度で光電変換できる。また外部
の発光デバイスと複合化することで、入射光の一部を受
光して光電変換し且つ発光させた光を出射可能になる。
【0010】請求項2のレンズ機能付き半導体デバイス
は、電気エネルギーを光に電光変換する発光部を備えた
半導体デバイスにおいて、発光部を光透過可能な半導体
で構成し、発光部の少なくとも一部を構成する半導体に
光を透過させる光路を形成し、この光路にレンズ機能を
付与したものである。前記発光部としては種々の発光ダ
イオードの構成を適宜採用でき、レンズ機能を得るレン
ズについては請求項1と同様である。発光部を設けたの
で発光させた光を出射することができる。この発光部の
少なくとも一部を構成する半導体に光を透過させる光路
を形成し、この光路にレンズ機能を持たせたので、外部
の発光デバイスで発光させた光を光路を透過させレンズ
機能で集光したり平行光化したりして外部へ出射するこ
とが可能になる。また入射光のうち発光部と光路を透過
させた透過光を外部の受光デバイスで受光して光電変換
することも可能になる。
【0011】このように、発光部の少なくとも一部を構
成する半導体を有効活用してレンズ機能を得るので、小
型化でき、構成を簡単化でき、半導体材料を節減でき、
製作コストを低減できる。しかも、別の発光デバイスと
複合化することで、2種類の光を夫々独立に発生させて
出射するように構成することが可能になる。また、別の
受光デバイスと複合化することで、レンズ機能によりエ
ネルギー密度を高めた光を受光デバイスに供給して高感
度で光電変換できるように構成することが可能になる。
【0012】請求項3のレンズ機能付き半導体デバイス
は、請求項1の発明において、入射光を光電変換する第
2受光部を一体的に組み込み、前記光路を透過した入射
光を第2受光部で受光するように構成したことを特徴と
するものである。この第2受光部としては、前記受光部
と同様に、種々のフォトダイオードの構成を適宜採用で
きる。レンズ機能については請求項1と同様である。但
し、波長が短かい光は半導体中に吸収され易いので、前
記受光部で受光する光の波長よりも、第2受光部で受光
する光の波長の方が大きく設定される。前記受光部と第
2受光部とで、波長の異なる2種類の入射光を独立に受
光して光電変換できるので、光通信、光情報処理、分光
分析、光センサー等の分野で有用な半導体デバイスを提
供でき、またレンズ機能により第2受光部での受光感度
を高めることができる。
【0013】請求項4のレンズ機能付き半導体デバイス
は、請求項1の発明において、電気エネルギーを光に電
光変換する発光部を一体的に組み込み、この発光部から
出る光が前記光路を透過して出射されるように構成した
ことを特徴とするものである。この発光部としては、種
々の発光ダイオードの構成を適宜採用できる。レンズ機
能については請求項1と同様である。但し、発光部から
出る光は、前記光路を透過可能な波長の光である。前記
受光部で入射光を光電変換でき、また発光部から出る光
を前記光路を透過させて集光したり平行光化したりして
外部へ出射することができる。この場合、受光部で受光
する光の波長よりも長い波長の光を発光部から発生させ
ればよいので、例えば、異なる波長の光を受発光するこ
とも可能で、その場合双方向光通信に適用可能な発光デ
バイスを提供することができ、また受光機能と発光機能
を兼備した光センサー用の半導体デバイスを提供でき
る。
【0014】請求項5のレンズ機能付き半導体デバイス
は、請求項2の発明において、電気エネルギーを光に電
光変換する第2発光部を一体的に組み込み、この第2発
光部から出る光が前記光路を透過して出射されるように
構成したことを特徴とするものである。第2発光部とし
ては、種々の発光ダイオードの構成を適宜採用できる。
レンズ機能については請求項1と同様である。但し、第
2発光部から出る光は、前記光路を透過可能な波長の光
である。前記発光部で1種類の光を発光して出射でき、
第2発光部で異なる種類の光を発光して出射できる。発
光部と第2発光部とで、波長の異なる2種類の光を独立
に発光できるので、光通信、光情報処理、分光分析、光
センサー等の分野で有用な半導体デバイスを提供でき
る。
【0015】請求項6のレンズ機能付き半導体デバイス
は、請求項2の発明において、入射光を光電変換する受
光部を一体的に組み込み、前記光路を透過した入射光を
受光部で受光するように構成したことを特徴とするもの
である。前記受光部としては、種々のフォトダイオード
の構成を適宜採用できる。レンズ機能については請求項
1と同様である。発光部で発光させた光を外部へ出射で
き、入射光のうち前記光路を透過した入射光を受光部で
受光して光電変換できる。請求項3と同様に、双方向光
通信適用可能な発光デバイスを提供できる。また受光機
能と発光機能を兼備した光センサー用の半導体デバイス
を提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の種々の実施の形態
について図面を参照して説明する。 実施形態1:「半球状レンズ付きシリコンフォトダイオ
ード」 本実施形態に係る光学レンズ機能付き半導体デバイス
は、図1、図2に示す構造の半球状レンズ付きシリコン
フォトダイオードPD1 であり、このシリコンフォトダイ
オードPD1 の構造とその製作方法について説明する。
【0017】この半球状レンズ付きシリコンフォトダイ
オードPD1 においては、厚さ約2.0〜4.0 mm程度の光
透過可能なp形シリコン結晶からなるシリコン基板1の
表面側の中央部に半径が0.2 〜2.0 mm程度の半球状レ
ンズ2が形成され、この半球状レンズ2の表面部にリン
などのn形不純物を拡散させたn+ 拡散層3が形成され
て半球面状のn+ p接合4(このn+ p接合4とその近
傍部が、入射光を受光して光電変換する受光部PAに相当
する)が形成され、SiO2の絶縁膜5を介してシリコン基
板1に絶縁され且つn+ 拡散層3に電気的に接続された
陰極6が形成され、半球状レンズ2の表面には、適当な
厚みのSiO2の反射防止膜7が形成されている。
【0018】シリコン基板1には、n+ p接合4を貫い
て入射光を上方から下方へ又はその反対向きに透過させ
る光路8が形成され、この光路8に半球状レンズ2が形
成され、シリコン基板1の裏面側には、光路8を透過す
る光を上方から下方へ又はその反対向きに透過させる光
透過窓9であって半球状レンズ2の光軸と同心の円形の
光透過窓9が形成され、この光透過窓9にはSiO2の反射
防止膜10が形成され、シリコン基板1に電気的に接続
された陽極11が形成されている。
【0019】この半球状レンズ付きシリコンフォトダイ
オードPD1 を製作する際には、p形シリコン結晶のシリ
コン基板1の表面と裏面とをシリコン酸化膜で被覆した
後、表面をエッチング処理して上方に凸の半球状レンズ
2を形成する。レンズ2のある側の表面をシリコン酸化
膜で被覆した後、半球面とその周囲の一部のシリコン酸
化膜をエッチング処理で除去して、半球面とその周囲近
傍部に公知の技法によりリンなどのn形不純物を拡散し
てn+ 拡散層3を形成しドーム状のn+ p接合4を形成
する。
【0020】一旦シリコン酸化膜を全部エッチングで除
去した後、シリコン基板1の表面とレンズ2の全表面お
よびシリコン基板1の裏面に、再度CVDなどの方法で
シリコン酸化膜を被覆する。公知のフォトエッチングの
技法によりn+ 拡散層3の端部表面とその周囲にシリコ
ン酸化膜5を残し、シリコン基板1の裏面にレンズ2の
光軸と同心の円形のシリコン酸化膜10を残し、蒸着法
により陰極6と陽極11とを夫々図示のごとくn形面、
p形面にオーミック接触するように設ける。半球状レン
ズ2の表面には適当な膜厚のSiO2の反射防止膜7を公知
のCVDなどの方法で形成する。光透過窓9においては
円形のシリコン酸化膜10が反射防止膜となる。尚、こ
れら反射防止膜は、透過する光に応じてSiO2以外の適当
な材質で適当な膜厚に形成してもよい。こうして作った
シリコンフォトダイオードPD1 のチップは、適当な支持
部材に取付けられ、陽極11と陰極6とはワイヤボンデ
ィング等により夫々外部の電気回路に接続される。
【0021】シリコンは常温では、約1.1 μm以下の波
長の光を吸収するが、それ以上の波長の光は吸収せず透
過する特性を有する。このため、半球状レンズ2の表面
側から入射した1.1 μm以上の波長の入射光は半球状レ
ンズ2で屈折を受けて光透過窓9を通って下方へ進み光
軸上に集光する。この位置に、この波長の光を吸収でき
る他のフォトダイオードを設ければ、入射光のエネルギ
ー密度が高まり、高効率に光電変換が可能になり、光フ
ァイバーを設ければ少ない光結合損失で光ファイバーの
先端に光を導入することも可能となる。フィルターされ
る1.1 μm以下の波長の光でシリコンフォトダイオード
PD1 のn+ p接合4とその近傍で吸収される光は光電変
換され、陽極11と陰極6から電気信号あるいは電気エ
ネルギーとして外部に取り出すことができる。
【0022】一方、シリコン基板1の裏面の光透過窓9
に下方から入射した1.1 μm以上の波長の光は半球状レ
ンズ2で屈折を受けてレンズ表面から広がって出射され
る。このように、光透過窓9を備えているため、光の波
長に応じて光電変換するフォトダイオードの機能と光路
26を上方から下方へ又は下方から上方へ通る光を集光
したり拡散したりする光学レンズの両機能を得ることが
できる。しかも、受光部の少なくとも一部を構成する半
導体を有効活用してレンズ機能を得るので、小型化で
き、構成を簡単化でき、半導体材料を節減でき、製作コ
ストを低減できる。しかも、光通信、光情報処理、分光
分析、光センサー等の分野において有用な半導体デバイ
スを実現することができる。
【0023】以上の実施形態において、半球状レンズ2
の表面部にn+ p接合4を形成する代わりに、n+ p接
合を下面の光透過窓9の上側近傍位置に円形に平面状に
形成し、n+ 拡散層、p形シリコン基板とオーミック接
触するように夫々リング状の陰極と陽極を設けてもよ
い。この場合、受光する入射光が集まる焦点の位置にn
+ p接合を設ければ入射光のエネルギー密度を大きくで
き、小さいn+ p接合に形成しても確実に光電変換する
ことができる。尚、n+ 形半導体をp+ 形半導体に置換
したり、p形シリコン結晶のシリコン基板1をn形半導
体結晶基板に置換したり、シリコン半導体結晶を他の半
導体結晶に置換したりして、同様の構造のフォトダイオ
ードとしてもよいことは勿論である。尚、前記半球状レ
ンズの形状は一例を示すものに過ぎず、レンズとして
は、球状、半球、ロッド形、シリンダ形、丸ドラム形、
凸形等、屈折作用で光の進行方向を目的とする方向へ変
換するものであればよい。
【0024】実施形態2:「半球状レンズ付きシリコン
フォトダイオード」 この実施形態に係る光学レンズ機能付き半導体デバイス
は、図3、図4に示す半球状レンズ付きシリコンフォト
ダイオードPD2 であり、このシリコンフォトダイオード
PD2 は、実施形態1のシリコンフォトダイオードPD1 と
ほぼ同様のものであるので、簡単に説明すると、p形シ
リコン結晶からなるシリコン基板21の表面には、上方
へ凸の半球状レンズ22が形成され、シリコン基板21
とレンズ22の表面にはSiO2の反射防止膜23が形成さ
れている。シリコン基板21の裏面の中央部にリンなど
のn形不純物を拡散したn+ 拡散層24とn+ p接合2
5(このn+ p接合25とその近傍部が入射光を光電変
換する受光部PAに相当する)とが平面状に形成されてい
る。
【0025】シリコン基板21には、n+ p接合24を
貫いて入射光を上方から下方へ又はその反対向きに透過
させる光路26が形成され、この光路26に半球状レン
ズ22が形成され、シリコン基板21の裏面側には、光
路26を透過する光を上方から下方へ又はその反対向き
に透過させる光透過窓27であって半球状レンズ22の
光軸と同心の円形の光透過窓27が形成され、この光透
過窓27にはSiO2の反射防止膜28が形成されている。
シリコン基板21の裏面のうち光透過窓27の周囲の部
分には、SiO2の絶縁膜28が形成され、シリコン基板2
1の裏面側に形成された陽極29と陰極30は図示のよ
うに同一平面において夫々p形シリコン基板21、n+
拡散層24に電気的に接続されている。
【0026】半球状レンズ22側から入射した光は光路
26を透過しn+ p接合24側のレンズ焦点に向かって
集光される。それ故、n+ p接合24で受ける光は集光
されエネルギー密度が増すことになり、光電変換効率を
高める作用が得られる。フォトダイオードPD2 の製作方
法およびその他の作用・効果については、実施形態1の
ものとほぼ同様である。尚、レンズとしては、球状、半
球、ロッド形、シリンダ形、丸ドラム形、凸形等、屈折
作用で光の進行方向を目的とする方向へ変換するもので
あればよい。
【0027】実施形態3:「半球状レンズ付き発光ダイ
オード」(図5、図6参照) 本実施形態に係る光学レンズ機能付き半導体デバイス
は、図5、図6に示す半球状レンズ付き発光ダイオード
LED1であり、この発光ダイオードLED1は、実施形態2の
シリコンフォトダイオードPD2 と同様に半球状レンズ4
2を有するものであり、この発光ダイオードLED1の製作
方法とその構造について説明する。Al(アルミニウ
ム)の混晶比が0.10〜0.15であるn形のGaAlAsの厚さ約
0.5mmの単結晶基板41を準備し、結晶基板41の裏
面に約0.01mmのn形のGaAs結晶からなるGaAs層43と
Alの混晶比が0.10〜0.15である厚さ約0.1 mmのn形
のGaAlAs結晶からなるGaAlAs層44とを公知の液相エピ
タキシャル成長方法で順次成長させる。
【0028】次に、シリコン窒化膜(図示略)を被着
し、そのシリコン窒化膜に円形の光透過窓45(この光
透過窓45の中心は半球状レンズ42の光軸とほぼ一致
している)に対応する円形穴を開け、シリコン窒化膜を
マスクとして図示のようにn形のGaAlAs層44を貫通し
てn形のGaAs層43までZnを熱拡散して円形のp形拡
散層46を形成する。これにより、GaAsの円形のpn接
合47(このpn接合47とその近傍部とが、電気エネ
ルギーを光に電光変換する発光部PBに相当する)を形成
する。エピタキシャル成長面上の酸化膜を除去して反射
防止膜を兼ねるシリコン窒化絶縁膜48を被着した後、
p形拡散層46の表面をリング状にエッチングで除去し
てGaAlAs層44の表面を露出させ、Au-Zn の合金膜を蒸
着し陽極49とする。また、n形のGaAlAs層44上のシ
リコン窒化絶縁膜とAu-Zn の合金膜をエッチング除去
し、Au-Ge-Niの合金膜を蒸着し陰極50とする。陽極4
9と陰極50と共にリング状に形成される。
【0029】次に、全外面をマスクして結晶基板41の
表面側をエッチング加工して円形の且つp形拡散層46
と同心の半径0.10〜0.25mm程度のドーム形の半球状レ
ンズ42を図示のように形成し、半球状レンズ42の表
面とその周囲の表面とを適当な材料(例えば、SiO2)か
らな反射防止膜57を形成する。結晶基板41内には、
円形のpn接合47を貫いて光を透過させる光路51が
形成され、この光路51に半球状レンズ42が形成され
ている。以上のようにして製作したLEDチップ40
を、円形の貫通穴53を有するシリコンサブマウント5
2上に固着する。正方形のシリコンサブマウント52
は、シリコン酸化絶縁膜54で全外面が覆われ、その表
面にはリング状でかつ貫通穴53から裏面に連なるNi-A
u からなる陽極接続膜55およびシリコンサブマウント
52の表面側にリングの周囲を一定間隔を開けて取り巻
く同様の陰極接続膜56が設けられている。
【0030】LEDチップ40は、図示のように半球状
レンズ42と貫通穴53の中心を揃えてシリコンサブマ
ウント52上に固着し、陽極49と陽極接続膜55、陰
極50と陰極接続膜56が夫々適当なハンダ材でもって
電気的に接続し固着される。このシリコンサブマウント
52付きの半球状レンズ付き発光ダイオードLED1のチッ
プを図示外の支持部材に取付け、両電極49,50間に
順電流を流すと、pn接合47から上下方向に光を放射
するが、光路51を透過し半球状レンズ42を透過する
光は、内部反射が少なく広がって放射する。
【0031】この発光波長のピークは約0.8 μmであ
り、GaAlAsの結晶基板41はこの波長の光を殆ど吸収す
ることなく透過させる。GaAsの基礎吸収端(常温で波長
0.9 μm)より長い波長の外部からの入射光が半球状レ
ンズ42側から入射すると、光はLEDチップ40の中
央部の光路51を透過し集光され光透過窓45を通って
下方に焦点を結ぶ。従って、この位置にこの光を受ける
光ファイバーあるいは受光素子を設けることにより光信
号を高いエネルギー密度で受け取ることが可能になる。
また、光透過窓45と貫通穴53とを設けてあるので、
上方からの入射光の一部を貫通穴53の方へ透過させた
り、下方からの入射光を半球状レンズ42の方へ透過さ
せたりすることが可能になる。実施形態1で説明したの
と同様に、小型化でき、構成を簡単化でき、半導体材料
を節減でき、製作コストを低減でき、光通信、光情報処
理、分光分析、光センサー等の分野において有用な半導
体デバイスを実現することができる。
【0032】この実施形態において、結晶基板41の代
わりにGaP など発光ダイオードとして利用する他の半導
体結晶を用いて図5、図6と同様のレンズ形状を持つ発
光ダイオードを製作することも可能である。更に、pn
接合47を半球状レンズ42の表面に沿ってドーム状に
形成してもよい。尚、図5、図6と同様の構造で設計パ
ラメータを適宜変更してフォトダイオードを作り、レン
ズ機能とフィルター機能を有する受光デバイスとするこ
とも可能である。尚、レンズとしては、球状、半球、ロ
ッド形、シリンダ形、丸ドラム形、凸形等、屈折作用で
光の進行方向を目的とする方向へ変換するものであれば
よい。
【0033】実施形態4:「球状発光ダイオード」(図
7〜図9参照) 本実施形態に係る光学レンズ機能付き半導体デバイス
は、図7〜図9に示す球状発光ダイオードLED2であり、
この発光ダイオードLED2においては、光透過可能な半導
体であるp形GaP 結晶61の片面側に形成したn形GaP
結晶層62(これも、光透過可能な半導体である)とが
全体として球状レンズ60に形成され、p形GaP 結晶6
1とn形GaP 結晶層62との境界部に球状レンズ60の
中心から偏って位置するpn接合63(このpn接合6
3とその近傍部が電気エネルギーを光に電光変換する発
光部PBに相当する)が形成され、このpn接合63を挟
んで両側に位置する球状レンズ60の両側頂部に陽極6
4と陰極65が形成され、陽極64と陰極65を結ぶ球
状レンズ60の軸線はpn接合63と直交している。こ
の球状レンズ60は、種々の方向の入射光B1,B2,B3,B4
に対して光学レンズ機能のある光路66であってpn接
合63とその近傍部からなる発光部を貫いて透過する光
を透過させる光路66を形成している。
【0034】この球状発光ダイオードLED2を製作する場
合、p形のGaP 結晶基板61に液相エピタキシャル成長
方法などによりN(窒素)をドープしたn形のGaP 結晶
層62を形成した後、両面に夫々オーミック接触するA
uを主成分とする陽極64と陰極65を複数組設け、こ
れを直方体状にカットし、ボールミルなどにより直径が
0.3 〜0.6 mm程度の球形に荒加工する。さらに球表面
を化学的機械的研磨法により鏡面に仕上げる。
【0035】陽極64と陰極65を図示しない適当な支
持部材に固定し、陽極64と陰極65を夫々外部の電気
回路に接続し、pn接合63に順方向電流を流すとpn
接合63を含むその近傍からピーク波長0.56μmの黄緑
色の光が外部の全方向に放射される。これ自体は発光ダ
イオード(LED)としての機能であるが、球状レンズ
60を構成するGaP 結晶で吸収されない波長の光に対し
ては、光学的球状レンズとして機能させることができ
る。即ち、入射光B1,B2,B3,B4 の何れかのように、光を
入射させると球状レンズ60により光が屈折を受け、入
射する平行光は球状レンズ60の光軸上の焦点に集光す
る。また、球状レンズ60を透過可能な波長の光を発生
させる光源を焦点の位置に置けば発光ダイオードLED2を
通過した光は平行光となって進行する。また、実施形態
1で説明したのと同様に、小型化でき、構成を簡単化で
き、半導体材料を節減でき、製作コストを低減でき、光
通信、光情報処理、分光分析、光センサー等の分野にお
いて有用な半導体デバイスを実現することができる。
【0036】尚、GaP 結晶の代わりに発光ダイオードに
利用できる他の半導体結晶を用いて球状レンズ60を作
り、発光機能と、その波長よりも長い波長の光に対する
レンズ機能とを兼備させることが可能である。尚、図7
〜図9の球状のGaP 発光ダイオードLED2は、0.19〜0.55
μmの波長の光を吸収するフォトダイオードとして利用
することもできる。この場合には、0.55μm以下のスペ
クトルがカットされ、それ以上のスペクトルの光は球状
レンズ60により集光される。尚、レンズとしては、球
状、半球、ロッド形、シリンダ形、丸ドラム形、凸形
等、屈折作用で光の進行方向を目的とする方向へ変換す
るものであればよい。
【0037】実施形態5:「複合形フォトダイオード」
(図10、図11参照) 本実施形態に係る光学レンズ機能付き半導体デバイス
は、図10、図11に示す複合形フォトダイオードPD3
であり、この複合形フォトダイオードPD3 は、実施形態
1(図1、図2)のシリコンフォトダイオードPD1 を、
InGaAs/InP フォトダイオードPD4 のチップの上に重ね
合わせて一体的に複合化したものである。シリコンフォ
トダイオードPD1 の構造と製作方法については実施形態
1において説明したとおりであるので、同一の要素に同
一符号を付して説明を省略し、InGaAs/InP フォトダイ
オードPD4 の製作方法と構造について説明する。
【0038】n+ -InPの結晶からなる結晶基板71上に
n−InP 結晶からなるバッファ層72、Inの混晶比が0.
58であるn−InGaAs結晶からなる光吸収層73、n+ -I
nP結晶からなる窓層74を図示のように順次公知の技法
であるMOCVD法で成長させる。窓層74の表面にシ
リコン窒化膜75を被着した後、後の工程でチップ状に
カットされる結晶基板71の中心部に対応するシリコン
窒化膜(図示略)(シリコン窒化膜75と同様の膜)の
部分にフォトエッチングによって直径が0.08〜0.30mm
程度の円形の窓を開け、その窓の周囲のシリコン窒化膜
75をマスクとしてp形不純物であるZnを熱拡散して
+ -InPの窓層74とn−InGaAsの光吸収層73とにp
形拡散層76を形成し光吸収層73にpn接合77を形
成する。
【0039】シリコン窒化膜のマスクを除去後、p形拡
散層76と窓層74の表面に再度所定の厚さのシリコン
窒化膜75をCVDより被着し、光透過窓9の外面を覆
う光反射防止膜75aおよびpn接合77を保護する保
護膜75bを形成する。そして、p形拡散層76にオー
ミック接触する陽極78を設ける為、フォトエッチング
によって円形のp形拡散層76上のシリコン窒化膜75
にリング状の窓を開け、Au-Zn 合金膜を蒸着して陽極7
8を形成する。さらに、p形拡散層76と接する反射防
止膜75a上のAu-Zn 合金の蒸着膜を除去し、受光面を
露出させる。尚、このAu-Zn 合金の蒸着膜を除去するに
当たっては公知のリフトオフ法を適用できる。結晶基板
71の裏面には、これとオーミック接触する陰極79を
設ける為、Au-Ge-Ni合金膜を蒸着により全面に蒸着し陰
極79を形成する。このInGaAs/InP フォトダイオード
PD4 は、常温において0.90〜1.65μmの波長の光を吸収
し光電変換する。
【0040】こうして作ったInGaAs/InP フォトダイオ
ードPD4 の上面に、実施形態1で説明したシリコンフォ
トダイオードPD1 のチップを図示のように半球状レンズ
2の光軸がp形拡散層76の中心に一致するように積み
重ね、シリコンフォトダイオードPD1 の陽極11とInGa
As/InP フォトダイオードPD4 の陽極78とを図示して
ないハンダ材等により固着して電気的に接続すると、複
合形フォトダイオードPD3 のチップができる。図示して
ないが、この複合形フォトダイオードPD3 のチップを適
当なケースなどの支持部材に取付け、共通の陽極11,
78と、両フォトダイオードPD1 ,PD4 の陰極6,79
とを有する3端子の複合形フォトダイオードPD3 ができ
上がる。
【0041】この複合形フォトダイオードPD3 のうちの
シリコンフォトダイオードPD1 は、pn接合4の表面か
ら、位置により短波長側の感度は変わるが、常温で約0.
32〜1.10μmの波長の光を吸収し、InGaAs/InP フォト
ダイオードPD4 は0.90〜1.65μmの波長の光を吸収する
ので、複合形フォトダイオードPD3 は、約0.32〜1.65μ
mの波長の光を検出することができる。このように、1
つのデバイスで光感度が高く、検出波長範囲が広い特性
が得られる。但し、陽極78の表面に絶縁膜を介して陽
極11を固着することもでき、この場合、フォトダイオ
ードPD1 ,PD4は相互に独立の受光機能を奏するものと
なり、2種類の入射光を独立に光電変換できるものとな
る。尚、レンズとしては、球状、半球、ロッド形、シリ
ンダ形、丸ドラム形、凸形等、屈折作用で光の進行方向
を目的とする方向へ変換するものであればよい。その他
実施形態1で説明したのと同様に、小型化でき、構成を
簡単化でき、半導体材料を節減でき、製作コストを低減
でき、光通信、光情報処理、分光分析、光センサー等の
分野において有用な半導体デバイスを実現できる。
【0042】ここで、実施形態1のシリコンフォトダイ
オードPD1 の代わりに、実施形態2のシリコンフォトダ
イオードPD2 を用いて複合形フォトダイオードを構成し
てもよい。この場合、InGaAs/InP フォトダイオードPD
4 の陽極78がシリコンフォトダイオードPD2 の陽極2
9とだけ接するように構成し、同一平面上でシリコンフ
ォトダイオードPD2 の陰極30と接する引出し電極を独
立に設ける。
【0043】また、InGaAs/InP フォトダイオードPD4
の代わりに、シリコンフォトダイオードPD1 を透過する
波長の光を吸収できる他の半導体からなる受光デバイス
を組み合わせてもよい。例えばゲルマニウムフォトダイ
オード、Ga-In-As-Sb /Ga-Al-As-Sb ヘテロ構造フォト
ダイオード、In-As-Sb-P/InAsヘテロ構造フォトダイオ
ードなどのフォトダイオードをシリコンフォトダイオー
ドに複合化してもよい。これらのフォトダイオードは、
感度カットオフ10%として、夫々1.55μm、2.4 μ
m、3.8 μmまで受光感度があり、シリコンフォトダイ
オードと組み合わせて広範囲な光感度特性が得られる。
【0044】実施形態6:「複合形発光ダイオード」
(図12、図13参照) 本実施形態に係る光学レンズ機能付き半導体デバイス
は、図12、図13に示す複合形発光ダイオードLED3で
あり、この複合形発光ダイオードLED3は、実施形態4
(図7〜図9)で説明したGaP の発光ダイオードLED2
を、GaAlAsの赤外発光ダイオードLED4に複合化したもの
であるので、発光ダイオードLED2については実施形態4
のものと同一要素に同一符号を付して説明を省略する。
【0045】GaAlAsの赤外発光ダイオードLED4の製作方
法と構造について説明すると、この赤外発光ダイオード
LED4は、n形GaAsの結晶基板81を用いて公知の技法に
より製作することができる。最初にn+ -GaAs 結晶から
なる結晶基板81上に液相エピタキシャル法によってn
形でAlの混晶比が0.3 のGaAlAs結晶からなるクラッド
層82、p形でAlの混晶比が0.03のGaAlAs結晶からな
る活性層83、n形でAlの混晶比が0.15のGaAlAs結晶
からなるキャップ層84を順次エピタキシャル成長によ
り図示のように積層する。
【0046】実施形態5で説明したのと同様にキャップ
層84の表面に形成したシリコン窒化膜(図示略)(シ
リコン窒化膜87にほぼ対応する膜)の中央部に円形の
窓を開け、この窓の周囲のシリコン窒化膜をマスクにし
てZnを中心部に拡散させることにより、直径約0.20m
mの円形のp形拡散層85をキャップ層84を貫通して
活性層83と接するように形成し、円形のpn接合86
(このpn接合86とその近傍部とが電気エネルギーを
光に電光変換する発光部に相当する)を形成する。次
に、シリコン窒化膜を除去後、p形拡散層85とキャッ
プ層84の表面全面に再度シリコン窒化膜87を形成
し、p形拡散層85の表面上にリング状に接触する陽極
88を設ける為にシリコン窒化膜87をリング状に除去
し、Au-Zn-Auを蒸着し、p形拡散層85の表面側の蒸着
層及びシリコン窒化膜87をエッチングで除去して光透
過窓89と陽極88を形成する。
【0047】次に、光透過窓89と陽極88の表面に所
定の厚さのポリイミド樹脂製の絶縁層90を形成し、そ
の絶縁層90の表面にAu-Ge-Niを蒸着し、その蒸着層を
所定のパターンにマスクした状態でフォトエッチングす
ることで、発光ダイオードLED2の下端部を収容する為の
開口窓91(これは光透過窓89の上側に対応する)を
絶縁層90に形成するとともに、図13に示すような陽
極引出し電極92及び陰極引出し電極93を形成する。
次に、結晶基板81の裏面側にAu-Ge-Niを蒸着して陰極
94を形成する。
【0048】この赤外発光ダイオードLED4の開口窓91
に実施形態4で説明した発光ダイオードLED2の下端部を
嵌め、透明な合成樹脂95で固着する。その後、発光ダ
イオードLED2の陽極64と陰極65を銀ペースト96,
97により夫々陽極引出し電極92と陰極引出し電極9
3に電気的に接着し接続する。前記赤外発光ダイオード
LED4の陽極88と陰極94は夫々外部の電気回路に接続
され、発光ダイオードLED2の陽極引出し電極92と陰極
引出し電極93も同様に夫々外部の電気回路に接続され
る。この複合形発光ダイオードLED3は、例えば陰極94
を適当なケースまたは支持部材に固定した状態で使用さ
れる。尚、両発光ダイオードLED2,LED4を同時作動させ
て使用する場合は、陽極88を陽極引出し電極92に接
続して共通の陽極に構成してもよい。
【0049】赤外発光ダイオードLED4の陽極88と陰極
94間に順方向電流を流すとpn接合86のある活性層
83よりピーク波長が約0.85μmの赤外光が発生し、光
透過窓89と発光ダイオードLED2の球状レンズ60内の
光路66とを透過して外部へ出射する。赤外発光ダイオ
ードLED4の光透過窓89を小さくして点状光源に近づ
け、GaP 発光ダイオードLED2の球状レンズ60の焦点の
位置に配置すれば、赤外光はGaP 発光ダイオードLED2の
上方に平行光線となって放射する。一方、GaP 発光ダイ
オードLED2に順電流を流すと、pn接合63の部分から
ピーク波長が約0.56μmの黄緑色光を放射する。つま
り、両発光ダイオードLED2,LED4に夫々順電流を流すと
同じ光軸で波長の異なる2種類の光が出射することにな
る。2種類の波長の光を同一光軸で夫々独立して放射す
ることが可能であり、2種類の波長の光通信、光計測、
光分光に利用できる。また、目に見えない赤外光のガイ
ドとしてGaP 発光ダイオードLED2から放射する光を利用
できる。その他、実施形態1で説明したのと同様に、小
型化でき、構成を簡単化でき、半導体材料を節減でき、
製作コストを低減でき、光通信、光情報処理、分光分
析、光センサー等の分野において有用な半導体デバイス
を実現できる。
【0050】図12、図13のGaAlAsの赤外発光ダイオ
ードLED4の代わりにInGaAsP /InPを用いた1μm帯の
赤外発光ダイオードを用いたり、また、GaP 発光ダイオ
ードLED2の代わりに球状のGaAlAs赤外発光ダイオードと
InGaAsP /InP を用いた1μm帯の赤外発光ダイオード
を組み合わせた複合発光ダイオードを作り、2種類の波
長の複合形発光ダイオードを作ることも可能である。
【0051】実施形態7:「受発光複合ダイオード」 実施形態5のInGaAs/InP フォトダイオードPD4 の代わ
りにInGaAsP /InP を用いたピーク波長1.55μmの赤外
発光ダイオードを適用した受発光複合形ダイオードを作
る。この受発光複合形ダイオードによれば、約1.1 μm
以下の外部光信号をシリコンフォトダイオードPD1 で検
出し、反対にピーク波長1.55μmの赤外光信号を外部に
出射することができる。それ故、この受発光複合形ダイ
オードは、波長の異なる2種類の光を用いる双方向光通
信に利用することができる。尚、レンズとしては、球
状、半球、ロッド形、シリンダ形、丸ドラム形、凸形
等、屈折作用で光の進行方向を目的とする方向へ変換す
るものであればよい。
【0052】実施形態8:「受発光複合ダイオード」 実施形態6のGaAlAs赤外発光ダイオードLED4の代わりに
InGaAs/InP フォトダイオードを組み込んだ受発光複合
ダイオードを作ることもできる。GaP 発光ダイオードの
ような相対的に波長が短い光を吸収すると相対的に波長
の長い赤外光に波長変換して反射してくる物質をマーク
としておき、これを受発光複合形ダイオードで光照射す
れば、その反射光がInGaAs/InP フォトダイオードによ
って検出できマークセンサーとして利用できる。
【0053】以上説明した本発明の実施形態を参考とし
て、既存の技術に基づいて、受発光光デバイスを種々組
み合わせて本発明と同様の機能を奏する受発光複合ダイ
オードを製作できることは勿論である。尚、前記実施形
態において、レンズ機能の有無によらずに受光デバイス
としては、フォトダイオード以外に、フォトトランジス
タやPbS 、PbSe、CdS のごとき光導電特性を有するバル
ク構造光導電素子を含めて本発明を実施可能である。
【0054】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、前述のよう
に、受光部の少なくとも一部を構成する半導体を有効活
用してレンズ機能を得るので、小型化でき、構成を簡単
化でき、半導体材料を節減でき、製作コストを低減でき
る。しかも、外部の受光デバイスと複合化することで、
2種類の入射光を夫々独立に光電変換可能になり、エネ
ルギー密度を高めた光を受光デバイスにより高感度に光
電変換可能になる。また、外部の発光デバイスと複合化
することで、入射光を受光して光電変換可能になり、発
光させた光を出射可能になる。
【0055】請求項2の発明によれば、前述のように、
発光部の少なくとも一部を構成する半導体を有効活用し
てレンズ機能を得るので、小型化でき、構成を簡単化で
き、半導体材料を節減でき、製作コストを低減できる。
しかも、外部の発光デバイスと複合化することで、2種
類の光を夫々独立に発生させて出射可能になる。また、
外部の受光デバイスと複合化することで、レンズ機能に
よりエネルギー密度を高めた光を受光デバイスに受光さ
せて高感度に光電変換可能になる。
【0056】請求項3の発明によれば、前述のように、
前記受光部と第2受光部とで、波長の異なる2種類の入
射光を独立に受光して光電変換できるので、光通信、光
情報処理、分光分析、光センサー等の分野で有用な半導
体デバイスを提供することができる。その他、請求項1
と同様に、小型化でき、構成を簡単化でき、半導体材料
を節減でき、製作コストを低減できる。
【0057】請求項4の発明によれば、前述のように、
例えば、波長の異なる2種類の光のうちの短い波長の光
を受光し長い波長の光を発光するように構成する場合に
は双方向光通信に適用可能な発光デバイスを提供できる
し、受光と発光の両機能を兼備した光センサー用の半導
体デバイスを提供することもできる。その他、請求項1
と同様に、小型化でき、構成を簡単化でき、半導体材料
を節減でき、製作コストを低減できる。請求項3と同様
に、光通信、光情報処理、分光分析、光センサー等の分
野で有用な半導体デバイスを提供することができる。
【0058】請求項5の発明によれば、前述のように、
前記発光部と第2発光部とで、波長の異なる2種類の光
を独立に発光できるので、光通信、光情報処理、分光分
析、光センサー等の分野で有用な半導体デバイスを提供
することができる。その他、請求項1と同様に、小型化
でき、構成を簡単化でき、半導体材料を節減でき、製作
コストを低減できる。
【0059】請求項6の発明によれば、前述のように、
請求項3と同様に、双方向光通信適用可能な発光デバイ
スを提供することができる。また、受光機能と発光機能
を兼備した光センサー用の半導体デバイスを提供するこ
ともできる。その他、請求項1と同様に、小型化でき、
構成を簡単化でき、半導体材料を節減でき、製作コスト
を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のシリコンフォトダイオー
ドの断面図である。
【図2】図1のシリコンフォトダイオードの底面図であ
る。
【図3】実施形態2のシリコンフォトダイオードの断面
図である。
【図4】図3のシリコンフォトダイオードの底面図であ
る。
【図5】実施形態3の発光ダイオードの断面図である。
【図6】図5の発光ダイオードの平面図である。
【図7】実施形態4の発光ダイオードの断面図である。
【図8】図7の発光ダイオードの平面図である。
【図9】図7の発光ダイオードの側面図である。
【図10】実施形態5の複合形フォトダイオードの断面
図である。
【図11】図10の複合形フォトダイオードの平面図で
ある。
【図12】実施形態6の複合形フォトダイオードの断面
図である。
【図13】図12の複合形フォトダイオードの平面図で
ある。
【符号の説明】
PD1 半球状レンズ付きシリコンフォトダイオー
ド 1 シリコン基板 2 半球状レンズ 4 n+ p接合(受光部) 8 光路 PD2 半球状レンズ付きシリコンフォトダイオー
ド 21 シリコン基板 22 半球状レンズ 25 n+ p接合(受光部) 26 光路 LED1 半球状レンズ付き発光ダイオード 41 結晶基板 42 半球状レンズ 47 pn接合(発光部) 51 光路 LED2 球状発光ダイオード 61 p形GaP 結晶 63 pn接合(発光部) 66 光路 PD3 複合形フォトダイオード PD4 InGaAs/InP フォトダイオード 71 結晶基板 77 pn接合(受光部) LED3 複合形発光ダイオード LED4 赤外発光ダイオード 81 結晶基板 86 pn接合(発光部)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を光電変換する受光部を備えた半
    導体デバイスおいて、受光部を光透過可能な半導体で構
    成し、受光部の少なくとも一部を構成する半導体に光を
    透過させる光路を形成し、この光路にレンズ機能を付与
    したことを特徴とする光学レンズ機能付き半導体デバイ
    ス。
  2. 【請求項2】 電気エネルギーを光に電光変換する発光
    部を備えた半導体デバイスにおいて、発光部を光透過可
    能な半導体で構成し、発光部の少なくとも一部を構成す
    る半導体に光を透過させる光路を形成し、この光路にレ
    ンズ機能を付与したことを特徴とする光学レンズ機能付
    き半導体デバイス。
  3. 【請求項3】 入射光を光電変換する第2受光部を一体
    的に組み込み、前記光路を透過した入射光を第2受光部
    で受光するように構成したことを特徴とする請求項1に
    記載の光学レンズ機能付き半導体デバイス。
  4. 【請求項4】 電気エネルギーを光に電光変換する発光
    部を一体的に組み込み、この発光部から出る光が前記光
    路を透過して出射されるように構成したことを特徴とす
    る請求項1に記載の光学レンズ機能付き半導体デバイ
    ス。
  5. 【請求項5】 電気エネルギーを光に電光変換する第2
    発光部を一体的に組み込み、この第2発光部から出る光
    が前記光路を透過して出射されるように構成したことを
    特徴とする請求項2に記載の光学レンズ機能付き半導体
    デバイス。
  6. 【請求項6】 入射光を光電変換する受光部を一体的に
    組み込み、前記光路を透過した入射光を受光部で受光す
    るように構成したことを特徴とする請求項2に記載の光
    学レンズ機能付き半導体デバイス。
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