JPH10241585A - 平板型マグネトロン - Google Patents
平板型マグネトロンInfo
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- JPH10241585A JPH10241585A JP9046532A JP4653297A JPH10241585A JP H10241585 A JPH10241585 A JP H10241585A JP 9046532 A JP9046532 A JP 9046532A JP 4653297 A JP4653297 A JP 4653297A JP H10241585 A JPH10241585 A JP H10241585A
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- magnetron
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J23/00—Details of transit-time tubes of the types covered by group H01J25/00
- H01J23/02—Electrodes; Magnetic control means; Screens
- H01J23/10—Magnet systems for directing or deflecting the discharge along a desired path, e.g. a spiral path
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01J23/00—Details of transit-time tubes of the types covered by group H01J25/00
- H01J23/02—Electrodes; Magnetic control means; Screens
- H01J23/04—Cathodes
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J25/00—Transit-time tubes, e.g. klystrons, travelling-wave tubes, magnetrons
- H01J25/50—Magnetrons, i.e. tubes with a magnet system producing an H-field crossing the E-field
- H01J25/60—Magnetrons, i.e. tubes with a magnet system producing an H-field crossing the E-field with an electron space having a shape that prevents any electron from moving completely around the cathode or guide electrode; Linear magnetrons
Abstract
(57)【要約】
【課題】所望の出力及び周波数を持つマイクロ波を効率
良く取り出すことができる汎用性の高い平板型マグネト
ロンを提供すること。 【解決手段】電子を発生する陰極12と、複数のベイン
を同一ピッチで設けた陽極11とで作用空間を形成し、
該作用空間の両端に伸縮自在な蛇腹のポールピース13
と可動できる磁石部15を配置し、ヨーク17の操作に
よって磁石間距離を変化させてマイクロ波の周波数を変
化させ、エンドハット16の電位を変えることによって
マイクロ波の出力を変化させる。
良く取り出すことができる汎用性の高い平板型マグネト
ロンを提供すること。 【解決手段】電子を発生する陰極12と、複数のベイン
を同一ピッチで設けた陽極11とで作用空間を形成し、
該作用空間の両端に伸縮自在な蛇腹のポールピース13
と可動できる磁石部15を配置し、ヨーク17の操作に
よって磁石間距離を変化させてマイクロ波の周波数を変
化させ、エンドハット16の電位を変えることによって
マイクロ波の出力を変化させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジ等の高
周波加熱機器に用いられる平板型マグネトロンに関し、
特に、所望の出力及び周波数を持つマイクロ波を効率良
く取り出すことができる汎用的な平板型マグネトロンに
関する。
周波加熱機器に用いられる平板型マグネトロンに関し、
特に、所望の出力及び周波数を持つマイクロ波を効率良
く取り出すことができる汎用的な平板型マグネトロンに
関する。
【0002】
【従来の技術】マグネトロンは、電子管の中で作用空間
に互いに直角な直流磁界と直流電界が存在するクロスト
・フィールド・デバイスの一つであり、この発振モード
には、A型発振及びB型発振がある。
に互いに直角な直流磁界と直流電界が存在するクロスト
・フィールド・デバイスの一つであり、この発振モード
には、A型発振及びB型発振がある。
【0003】A型発振とは、磁界強度のみに依存し、磁
界による電子の周期的な回転運動により生ずる。また、
その発振波長は、後述するB型発振モードと異なり、外
部回路である空胴共振器にはあまり影響されないため、
発振波長は磁界のみで決まり、次式の関係が成立する。 λ=α/H なお、λは発振波長、Hは磁界強度、αは2πmc/e
となる。ここで、mは電子の質量を示し、またeは電子
の電荷を示すため、かかる定数αは理論的には1065
0となるが、実験的には、10000〜13000の値
となる。また、このA型発振には、交流電界からエネル
ギーを奪う電子の軌道と、交流電界にエネルギーを与え
る電子の軌道が存在し、前者を軌道上から除くことが必
要となる。
界による電子の周期的な回転運動により生ずる。また、
その発振波長は、後述するB型発振モードと異なり、外
部回路である空胴共振器にはあまり影響されないため、
発振波長は磁界のみで決まり、次式の関係が成立する。 λ=α/H なお、λは発振波長、Hは磁界強度、αは2πmc/e
となる。ここで、mは電子の質量を示し、またeは電子
の電荷を示すため、かかる定数αは理論的には1065
0となるが、実験的には、10000〜13000の値
となる。また、このA型発振には、交流電界からエネル
ギーを奪う電子の軌道と、交流電界にエネルギーを与え
る電子の軌道が存在し、前者を軌道上から除くことが必
要となる。
【0004】次に、B型発振について図2を用いて説明
する。図2は、従来の円筒型マグネトロンの構成を示す
図である。同図に示すように、円筒状の陽極21には複
数のベイン22が放射状に中心に向かって形成されてお
り、これが空胴共振器を構成する。陰極23は、円筒状
陽極の中心軸状に配置され、この陰極23とベイン22
の間が作用空間となる。
する。図2は、従来の円筒型マグネトロンの構成を示す
図である。同図に示すように、円筒状の陽極21には複
数のベイン22が放射状に中心に向かって形成されてお
り、これが空胴共振器を構成する。陰極23は、円筒状
陽極の中心軸状に配置され、この陰極23とベイン22
の間が作用空間となる。
【0005】陽極21の上下両端には、かかる作用空間
に均一磁界を形成するためのポールピース24がヨーク
25を有するマグネット26に密着して取り付けられ、
また陽極21とヨーク25との間には陽極損により発生
する熱を逃がすための放熱版27が配置されている。な
お、この陽極損は、陰極23から放出され陽極電圧で加
速された電子が陽極21に衝突する際に発生する。
に均一磁界を形成するためのポールピース24がヨーク
25を有するマグネット26に密着して取り付けられ、
また陽極21とヨーク25との間には陽極損により発生
する熱を逃がすための放熱版27が配置されている。な
お、この陽極損は、陰極23から放出され陽極電圧で加
速された電子が陽極21に衝突する際に発生する。
【0006】また、この作用空間をはさんで磁界方向に
垂直に電極(エンドハット)30が存在し、このエンド
ハット30に負の電位を印加することにより、該作用空
間に電子を閉じこめている。
垂直に電極(エンドハット)30が存在し、このエンド
ハット30に負の電位を印加することにより、該作用空
間に電子を閉じこめている。
【0007】かかる構成において、陽極21内を真空に
し、マグネット26によって作用空間に磁界を印加する
とともに、電源入力部28を用いて陰極23−ベイン2
2間に高電圧を印加すると、陰極23からベイン22に
向かって電子が飛び出す。そして、飛び出した電子はマ
グネット26から受ける磁界により作用空間上を螺旋を
描きながらベイン22に向かって進むサイクロイド運動
を行う。その結果、かかるこの電子が空胴共振器に対し
てエネルギーを付与することとなり、高周波電界が発生
し、これをマイクロ波としてマイクロ波出力部29から
取り出す。
し、マグネット26によって作用空間に磁界を印加する
とともに、電源入力部28を用いて陰極23−ベイン2
2間に高電圧を印加すると、陰極23からベイン22に
向かって電子が飛び出す。そして、飛び出した電子はマ
グネット26から受ける磁界により作用空間上を螺旋を
描きながらベイン22に向かって進むサイクロイド運動
を行う。その結果、かかるこの電子が空胴共振器に対し
てエネルギーを付与することとなり、高周波電界が発生
し、これをマイクロ波としてマイクロ波出力部29から
取り出す。
【0008】現在、電子レンジ等の高周波加熱機器に用
いられているマグネトロンは、円筒型が主流であるが、
その他に平板型マグネトロンがある。図3、図4は、そ
れぞれ平板型マグネトロンの断面図及び斜視図である。
図3に示す平板型の陽極41には、複数のベイン42
が、陰極43及びソール部51に垂直に形成されてお
り、これが空胴共振器を構成する。また、陰極43は、
該陽極41の左端下部に配置され、ソール51−ベイン
42間が作用空間となる。陽極41の両側面には、作用
空間に均一磁界を形成するためのポールピースがヨーク
のマグネットに密着して取り付けられており、また、こ
のヨークには、陽極損により発生する熱を逃がすための
放熱板47が配置されている。
いられているマグネトロンは、円筒型が主流であるが、
その他に平板型マグネトロンがある。図3、図4は、そ
れぞれ平板型マグネトロンの断面図及び斜視図である。
図3に示す平板型の陽極41には、複数のベイン42
が、陰極43及びソール部51に垂直に形成されてお
り、これが空胴共振器を構成する。また、陰極43は、
該陽極41の左端下部に配置され、ソール51−ベイン
42間が作用空間となる。陽極41の両側面には、作用
空間に均一磁界を形成するためのポールピースがヨーク
のマグネットに密着して取り付けられており、また、こ
のヨークには、陽極損により発生する熱を逃がすための
放熱板47が配置されている。
【0009】かかる構成において、陽極41内を真空に
し、マグネット46によって作用空間に磁界を印加し、
陽極41、ソール51−ベイン42間に電源入力部より
電圧を印加すると、陰極43からベイン42に向かって
電子が飛び出す。
し、マグネット46によって作用空間に磁界を印加し、
陽極41、ソール51−ベイン42間に電源入力部より
電圧を印加すると、陰極43からベイン42に向かって
電子が飛び出す。
【0010】そして、飛び出した電子は、マグネット4
6から受ける磁界により円筒型マグネトロンと同様に作
用空間をサイクロイド運動をしながら図3の右方向に進
み、かかる電子から、空胴共振器にエネルギーが付与さ
れ、高周波電界が発生し、マイクロ波としてマイクロ波
出力部49から取り出される。
6から受ける磁界により円筒型マグネトロンと同様に作
用空間をサイクロイド運動をしながら図3の右方向に進
み、かかる電子から、空胴共振器にエネルギーが付与さ
れ、高周波電界が発生し、マイクロ波としてマイクロ波
出力部49から取り出される。
【0011】また、分割陽極を用いたマグネトロンの場
合には、その分割数によって様々なモードでの発振が起
こすことができるが、B型発振において主に用いられる
モードは、隣接共振器間の位相推移がπラジアンに等し
く最も相互作用が強いπモードと呼ばれるものである。
合には、その分割数によって様々なモードでの発振が起
こすことができるが、B型発振において主に用いられる
モードは、隣接共振器間の位相推移がπラジアンに等し
く最も相互作用が強いπモードと呼ばれるものである。
【0012】しかし、マグネトロンの発振では、このπ
モードと他のモードとの発振周波数が近接していると、
動作条件のわずかな変化に応答してπモードから他のモ
ードへの飛躍(mode−jumping)が起こる。
その結果、発振周波数や出力が急変するため、共振器間
の結合を密にして各モードの共振周波数を可能な限り離
す必要がある。
モードと他のモードとの発振周波数が近接していると、
動作条件のわずかな変化に応答してπモードから他のモ
ードへの飛躍(mode−jumping)が起こる。
その結果、発振周波数や出力が急変するため、共振器間
の結合を密にして各モードの共振周波数を可能な限り離
す必要がある。
【0013】従来のマグネトロンでは、陽極及びベイン
を一つおきに導体で接続した均圧環を用いてかかるモー
ドの分離を行っている。すなわち、この均圧環によっ
て、一つおきの陽極の電位は同じ位相で振動するように
強制されるため、振動可能なモードをπモード及び0モ
ード(全ての陽極及びベインが同一位相で振動する)に
限定することができる。
を一つおきに導体で接続した均圧環を用いてかかるモー
ドの分離を行っている。すなわち、この均圧環によっ
て、一つおきの陽極の電位は同じ位相で振動するように
強制されるため、振動可能なモードをπモード及び0モ
ード(全ての陽極及びベインが同一位相で振動する)に
限定することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のマ
グネトロンは、ヨークに接合したマグネットにより作用
空間に対して一定の磁界を印加することにより、一定の
周波数及び一定の出力を有するマイクロ波を取得するも
のであった。従って、マグネトロンから取得すべき出力
及び周波数は、使用目的に応じて変えることができなか
った。
グネトロンは、ヨークに接合したマグネットにより作用
空間に対して一定の磁界を印加することにより、一定の
周波数及び一定の出力を有するマイクロ波を取得するも
のであった。従って、マグネトロンから取得すべき出力
及び周波数は、使用目的に応じて変えることができなか
った。
【0015】特に、このマグネトロンには、発振効率が
極めて高く、安価に大出力を取得できるという極めて有
用な特性があるため、電子レンジだけでなく広範な技術
分野への応用が望まれている。したがって、通信、レー
ダー及び電子機器等の各種分野へ広範に適用できる汎用
性のあるマグネトロンをいかに実現するかが重要な課題
となっていた。
極めて高く、安価に大出力を取得できるという極めて有
用な特性があるため、電子レンジだけでなく広範な技術
分野への応用が望まれている。したがって、通信、レー
ダー及び電子機器等の各種分野へ広範に適用できる汎用
性のあるマグネトロンをいかに実現するかが重要な課題
となっていた。
【0016】そこで、本発明は、上記課題を解決して、
所望の出力及び周波数を持つマイクロ波を効率良く取り
出すことができる汎用性の高い平板型マグネトロンを提
供することを目的とする。
所望の出力及び周波数を持つマイクロ波を効率良く取り
出すことができる汎用性の高い平板型マグネトロンを提
供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、電子を発生する陰極と、複数のベイ
ンを同一ピッチで設けた陽極と、前記陰極と前記陽極に
挟まれた作用空間に均一磁界を形成する磁石部と、前記
作用空間の両側に相対向して前記均一磁界の方向に垂直
に配置された電極とを有する平板型マグネトロンにおい
て、前記磁石部は前記作用空間に形成する磁界強度を可
変することを特徴とする。
め、第1の発明は、電子を発生する陰極と、複数のベイ
ンを同一ピッチで設けた陽極と、前記陰極と前記陽極に
挟まれた作用空間に均一磁界を形成する磁石部と、前記
作用空間の両側に相対向して前記均一磁界の方向に垂直
に配置された電極とを有する平板型マグネトロンにおい
て、前記磁石部は前記作用空間に形成する磁界強度を可
変することを特徴とする。
【0018】また、第2の発明は、前記磁石部が、前記
作用空間の両側に相対向して配置されたポールピース
と、該ポールピースとヨークに密着され磁気的に結合し
ている磁石とを備え、前記磁石は、移動できることを特
徴とする。
作用空間の両側に相対向して配置されたポールピース
と、該ポールピースとヨークに密着され磁気的に結合し
ている磁石とを備え、前記磁石は、移動できることを特
徴とする。
【0019】また、第3の発明は、前記ポールピース
が、その長さを変えることができることを特徴とする。
が、その長さを変えることができることを特徴とする。
【0020】また、第4の発明は、前記ヨークが、その
長さを変えることができることを特徴とする。
長さを変えることができることを特徴とする。
【0021】また、第5の発明は、前記電極には、正及
び負の電位を選択的に印加できることを特徴とする平板
型マグネトロン。
び負の電位を選択的に印加できることを特徴とする平板
型マグネトロン。
【0022】このため、電極の電位の変化に応じて出力
を可変にし、また磁石間距離の変化に応じて周波数を可
変にすることができ、さらに電極に正の電位を印加する
ことで発振の妨げとなる電子を作用空間から除外するこ
とができる。
を可変にし、また磁石間距離の変化に応じて周波数を可
変にすることができ、さらに電極に正の電位を印加する
ことで発振の妨げとなる電子を作用空間から除外するこ
とができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明に係わる平
板型マグネトロンの断面図である。図1に示すように、
この平板型マグネトロンは、陽極11、ベイン12、陰
極13、ポールピース14、ヨーク15、磁石16及び
エンドハット20からなる。垂直方向に配置された該陽
極11及び陰極12で挟まれる空間が作用空間18とな
る。作用空間18の水平方向の両側端には、正、負の電
位を与える電極すなわちエンドハット16を相対向して
配置し、両エンドハット16のさらに側方に、作用空間
18に必要な磁界を発生させるポールピース13を相対
向して配置する。このホールピース13のさらに側方に
磁石16を配置する。磁石16はヨーク15を備え、ヨ
ーク15は陽極11と接している。作用空間18に磁界
を形成するのは、磁石16、ポールピース14及びヨー
ク15であり、これらは磁気的に結合しており、これら
をまとめて磁石部とする。
て図面を参照して説明する。図1は、本発明に係わる平
板型マグネトロンの断面図である。図1に示すように、
この平板型マグネトロンは、陽極11、ベイン12、陰
極13、ポールピース14、ヨーク15、磁石16及び
エンドハット20からなる。垂直方向に配置された該陽
極11及び陰極12で挟まれる空間が作用空間18とな
る。作用空間18の水平方向の両側端には、正、負の電
位を与える電極すなわちエンドハット16を相対向して
配置し、両エンドハット16のさらに側方に、作用空間
18に必要な磁界を発生させるポールピース13を相対
向して配置する。このホールピース13のさらに側方に
磁石16を配置する。磁石16はヨーク15を備え、ヨ
ーク15は陽極11と接している。作用空間18に磁界
を形成するのは、磁石16、ポールピース14及びヨー
ク15であり、これらは磁気的に結合しており、これら
をまとめて磁石部とする。
【0024】ここで、磁石16はハウジングの側面に張
り付けられ、フェライト磁石からなる。ヨーク14は、
陽極損により発生する熱を逃がす放熱板の役割を兼ねて
いるため、亜鉛メッキを行った鉄を材料とする。また、
この平板型マグネトロンは、作用空間18の磁界強度に
影響を与える磁石部の隙間(磁石部間距離)を可動とす
べく、ポールピースト14及びヨーク15を蛇腹状にし
て、磁石部間距離を20mmの範囲で可変する。磁石1
6もそれに合わせて可動できるようにしている。なお、
陽極11は、特願平7−181367号に示す平板型マ
グネトロン用陽極の製造方法を用いて作成したものであ
る。
り付けられ、フェライト磁石からなる。ヨーク14は、
陽極損により発生する熱を逃がす放熱板の役割を兼ねて
いるため、亜鉛メッキを行った鉄を材料とする。また、
この平板型マグネトロンは、作用空間18の磁界強度に
影響を与える磁石部の隙間(磁石部間距離)を可動とす
べく、ポールピースト14及びヨーク15を蛇腹状にし
て、磁石部間距離を20mmの範囲で可変する。磁石1
6もそれに合わせて可動できるようにしている。なお、
陽極11は、特願平7−181367号に示す平板型マ
グネトロン用陽極の製造方法を用いて作成したものであ
る。
【0025】次に、この平板型マグネトロンの動作概要
について説明する。まず最初に、ポールピース13及び
ヨーク14の蛇腹を操作して所望の磁石部間距離に設定
すると、作用空間18上に所望の磁界が形成される。こ
こで、エンドハット20に電圧を印加すると、陰極13
から電子が飛び出す。
について説明する。まず最初に、ポールピース13及び
ヨーク14の蛇腹を操作して所望の磁石部間距離に設定
すると、作用空間18上に所望の磁界が形成される。こ
こで、エンドハット20に電圧を印加すると、陰極13
から電子が飛び出す。
【0026】そして、飛び出した電子は、この磁界の影
響を受けて作用空間18をサイクロイド運動をしながら
進み、かかる電子から、空胴共振器にエネルギーが付与
され、高周波電界が発生する。このため、磁石間距離す
なわちポールピース14及びヨーク15の操作量に対応
する周波数及び出力を持つマイクロ波が取り出されるこ
とになる。
響を受けて作用空間18をサイクロイド運動をしながら
進み、かかる電子から、空胴共振器にエネルギーが付与
され、高周波電界が発生する。このため、磁石間距離す
なわちポールピース14及びヨーク15の操作量に対応
する周波数及び出力を持つマイクロ波が取り出されるこ
とになる。
【0027】図1に示す平板型マグネトロンは、エンド
ハット20に正及び負の電位を選択的に印加できるよう
にし、また、磁石16を可動にするとともに、ヨーク長
及びポールピース長を可変にして、所望の出力及び周波
数を得ることができるよう構成している。すなわち、こ
の平板型マグネトロンは、エンドハット20に正の電位
を印加して発振の妨げとなる電子を作用空間から除去す
るとともに、かかる電位を変化させることによって出力
を操作している。
ハット20に正及び負の電位を選択的に印加できるよう
にし、また、磁石16を可動にするとともに、ヨーク長
及びポールピース長を可変にして、所望の出力及び周波
数を得ることができるよう構成している。すなわち、こ
の平板型マグネトロンは、エンドハット20に正の電位
を印加して発振の妨げとなる電子を作用空間から除去す
るとともに、かかる電位を変化させることによって出力
を操作している。
【0028】また、磁石15を可動にするとともに、蛇
腹状のポールピース14及びヨーク15を用いてヨーク
長及びポールピース長を可変にすることにより、磁石部
間距離を変化させ、もって周波数を操作する。
腹状のポールピース14及びヨーク15を用いてヨーク
長及びポールピース長を可変にすることにより、磁石部
間距離を変化させ、もって周波数を操作する。
【0029】具体的には、陽極電圧を100V、陽極−
ソール間の距離を0.5mm、磁界強度を1360Ga
uss(磁石間距離30mm)、エンドハット電位を−
10V、エミッション電流を2.1Aとした場合には、
発振出力160W(2.5GHz)を得ることができ
る。
ソール間の距離を0.5mm、磁界強度を1360Ga
uss(磁石間距離30mm)、エンドハット電位を−
10V、エミッション電流を2.1Aとした場合には、
発振出力160W(2.5GHz)を得ることができ
る。
【0030】そして、この磁界強度を1090Gaus
sに変化させると、3.1GHz〜5.1GHzの周波
数で3W〜7Wの発振出力が得られる。また、エンドハ
ット部16に+10Vの電位をかけると、3.1GHz
〜5.1GHzの周波数で10W〜20Wと前者に比較
して3倍の発振出力が得られる。
sに変化させると、3.1GHz〜5.1GHzの周波
数で3W〜7Wの発振出力が得られる。また、エンドハ
ット部16に+10Vの電位をかけると、3.1GHz
〜5.1GHzの周波数で10W〜20Wと前者に比較
して3倍の発振出力が得られる。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1〜4の
発明は、前記磁石部は前記作用空間に形成する磁界強度
を可変することができるように構成するので、磁界強度
の可変によって発振周波数を可変できる。特に、磁石、
ポールピース長あるいはヨーク長を可変して、磁石部間
の距離の変化に応じて磁界強度を可変し、周波数を可変
にすることができる。
発明は、前記磁石部は前記作用空間に形成する磁界強度
を可変することができるように構成するので、磁界強度
の可変によって発振周波数を可変できる。特に、磁石、
ポールピース長あるいはヨーク長を可変して、磁石部間
の距離の変化に応じて磁界強度を可変し、周波数を可変
にすることができる。
【0032】また、第5の発明は、電極に正及び負の電
位を印加するよう構成したので、該電極に正の電位を印
加することで発振の妨げとなる電子を作用空間から除外
することが可能となる。
位を印加するよう構成したので、該電極に正の電位を印
加することで発振の妨げとなる電子を作用空間から除外
することが可能となる。
【図1】本発明に係わる平板型マグネトロンの断面図で
ある。
ある。
【図2】従来の円筒型マグネトロンの構成図である。
【図3】従来の平板型マグネトロンの断面図である。
【図4】従来の平板型マグネトロンの斜視図である。
11 陽極 12 ベイン 13 陰極 14 ポールピース 15 ヨーク 16 磁石 20 エンドハット
Claims (5)
- 【請求項1】 電子を発生する陰極と、複数のベインを
同一ピッチで設けた陽極と、前記陰極と前記陽極に挟ま
れた作用空間に均一磁界を形成する磁石部と、前記作用
空間の両側に相対向して前記均一磁界の方向に垂直に配
置された電極とを有する平板型マグネトロンにおいて、 前記磁石部は前記作用空間に形成する磁界強度を可変す
ることを特徴とする平板型マグネトロン。 - 【請求項2】 前記磁石部は、前記作用空間の両側に相
対向して配置されたポールピースと、該ポールピースと
ヨークに密着され磁気的に結合している磁石とを備え、 前記磁石は、移動できることを特徴とする請求項1記載
の平板型マグネトロン。 - 【請求項3】 前記磁石部は、前記作用空間の両側に相
対向して配置されたポールピースと、該ポールピースと
ヨークに密着され磁気的に結合している磁石とを備え、 前記ポールピースは、その長さを変えることができるこ
とを特徴とする請求項1記載の平板型マグネトロン。 - 【請求項4】 前記磁石部は、前記作用空間の両側に相
対向して配置されたポールピースと、該ポールピースと
ヨークに密着され磁気的に結合している磁石とを備え、 前記ヨークは、その長さを変えることができることを特
徴とする請求項1記載の平板型マグネトロン。 - 【請求項5】 電子を発生する陰極と、複数のベインを
同一ピッチで設けた陽極と、前記陰極と前記陽極に挟ま
れた作用空間に均一磁界を形成する磁石部と、前記作用
空間の両側に相対向して前記均一磁界の方向に垂直に配
置された電極とを有する平板型マグネトロンにおいて、 前記電極には、正及び負の電位を選択的に印加できるこ
とを特徴とする平板型マグネトロン。
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