JPH10241479A - 封入接点材料および前記材料を電極に用いた封入接点 - Google Patents

封入接点材料および前記材料を電極に用いた封入接点

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JPH10241479A
JPH10241479A JP9042080A JP4208097A JPH10241479A JP H10241479 A JPH10241479 A JP H10241479A JP 9042080 A JP9042080 A JP 9042080A JP 4208097 A JP4208097 A JP 4208097A JP H10241479 A JPH10241479 A JP H10241479A
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JP
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JP9042080A
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Kiyoshi Yamamoto
潔 山本
Takeshi Hirasawa
壮史 平澤
Yasukazu Ohashi
泰和 大橋
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触抵抗が小さく、開閉動作寿命が長く、高
価なRhやRuなどを用いない低コストの封入接点材料
を提供する。 【解決手段】 接点基材上に被覆層が形成されており、
前記被覆層が、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、ま
たはWのうちの少なくとも1元素からなる母相にCまた
はSiのうちの少なくとも1元素が1〜40at%の濃度
で含まれ構成されている封入接点材料。 【効果】 CまたはSi元素の作用によりアーク放電で
被覆層が膜状に剥離し、接点面が凹凸のない状態で消耗
する。従って接点面間が噛合ったり、偶発的接触不良が
起きたりせず開閉動作寿命が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非酸化性雰囲気中
で開閉を行う封入型のリードスイッチ、リレーなどの電
極に適した、電極の開閉が長期間安定して行われ、かつ
安価な封入接点材料、および前記材料を電極に用いた封
入接点に関する。
【0002】
【従来の技術】封入接点は、非酸化性雰囲気としたガラ
スやプラスチック製の密閉容器内で開閉を行うスイッチ
であり、その接点部となる電極には、従来よりNi−F
e系合金基材上にAg、Au、Cuなどのめっき層を形
成し、その上に、高融点で、電気伝導度、硬度、耐摩耗
性に優れるRhまたはRuの層を被覆した封入接点材料
が多用されている。前記Ag、Au、Cuなどのめっき
層は、電極の開閉時のジュール熱で、被覆層のRhやR
uが基材に拡散するのを防止し、またRhまたはRuの
被覆層と接点基材との密着性を改善する作用も果たす。
ところで、前記封入接点材料は、被覆層に高価なRhや
Ruを用いるため、コスト的に問題があり、その代替と
して安価な被覆層を形成した封入接点材料が種々提案さ
れている。前記の安価な被覆層とは、たとえばMoやW
などの高融点金属からなる被覆層、MoやWなどを含む
周期律表4a、5a、6a族のいずれかに属する元素の
炭化物、窒化物、硼化物、珪化物、アルミ化物などから
なる被覆層、Mo、W、Re、Nb、Taなどの元素を
主成分とする層上に難酸化性導電層を形成した被覆層
(特開平5−217451)などである。しかし、これ
らの被覆層を形成した封入接点材料を電極に用いた封入
接点について、アーク放電を生じる高負荷条件下で開閉
動作を繰返すと、接点面が短時間のうちに局部的に消耗
してマクロな凹凸状となり、接点面間が噛み合って開閉
動作が不良になるという問題があった。
【0003】そこで、Mo、Zr、Nb、Hf、Ta、
Wなどを主成分とし、これにLi、K、Ce、Cs、B
a、Sr、Ca、Na、Y、Sc、Th、Rbなどの元
素、またはこれらの酸化物を添加して、接点面の局部的
消耗を抑えた封入接点材料が提案された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記局部的消耗
を抑えた封入接点材料は、マクロ的凹凸は生じないが、
ミクロ的凹凸が接点面に生じて偶発的に接触不良を起こ
すことがあった。このようなことから、本発明者等は、
接点面に凹凸が生じない被覆材について種々研究を行
い、高融点高硬度元素からなる母相にCやSiなどの元
素を分散させるとアーク放電が発生する高負荷条件下で
も接点面にいかなる凹凸も生じないことを知見し、さら
に研究を進めて本発明を完成させるに至った。本発明
は、接触抵抗が小さく、開閉動作寿命が長く、高価なR
hやRuなどを用いない低コストの封入接点材料、およ
び前記材料を電極に用いた封入接点の提供を目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
接点基材上に被覆層が形成されており、前記被覆層が、
Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、またはWのうちの
少なくとも1元素からなる母相にCまたはSiのうちの
少なくとも1元素が1〜40at%の濃度で含まれ構成さ
れていることを特徴とする封入接点材料である。
【0006】請求項2記載の発明は、被覆層が、母相に
CまたはSiのうちの少なくとも1元素がランダムに分
散して含まれ構成されていることを特徴とする請求項1
記載の封入接点材料である。
【0007】請求項3記載の発明は、被覆層が、母相に
CまたはSiのうちの少なくとも1元素が0.02〜
0.2μmの厚さで層状に0.1μm以上の間隔を開け
て含まれ構成されていることを特徴とする請求項1記載
の封入接点材料である。
【0008】請求項4記載の発明は、接点基材上にZ
r、Hf、V、Nb、Ta、Mo、またはWのうちの少
なくとも1元素が0.1μm以上の厚さに形成され、そ
の上に請求項1または2記載の被覆層が0.1μm以上
の厚さに形成されていることを特徴とする封入接点材料
である。
【0009】請求項5記載の発明は、被覆層が、0.1
μm以上の厚さで、CまたはSiのうちの少なくとも1
元素が基材側から表面側に向けて漸次増加する濃度勾配
を有して含まれ構成されていることを特徴とする請求項
1、2、3、4のいずれかに記載の封入接点材料であ
る。
【0010】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、4、5のいずれかに記載の封入接点材料が電極とし
て用いられていることを特徴とする封入接点である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の封入接点材料は、高融点
高硬度のZr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wなどの
元素からなる母相に、CまたはSiのうちの少なくとも
1元素(以下CまたはSi元素と略記する)を含ませた
被覆層を接点基材上に形成して、接点面のアーク放電に
よる局部的消耗を抑制し、開閉動作寿命を向上させたも
のである。
【0012】本発明において、接点基材には、Fe、N
i、Co、Ni−Fe系合金、Co−Fe−Nb系合
金、Co−Fe−V系合金、Fe−Ni−Al−Ti系
合金、Fe−Co−Ni系合金、炭素鋼、リン青銅、洋
白、黄銅、ステンレス鋼、Cu−Ni−Sn系合金、C
u−Ti系合金などの従来材を用いることができ、特に
制約されるものではない。本発明では、接点基材にNi
などの下地層を設けて、接点基材の構成元素が被覆層に
拡散するのを抑えるようにするのが望ましい。本発明に
おいて、被覆層の形成は、気相成長法により行うのが、
厚さや組成の制御が容易に行えて望ましい。
【0013】請求項1記載の発明で、CまたはSi元素
は接点面のアーク放電による局部的消耗(凹凸の発生)
を抑制するが、そのメカニズムは次のように考えられ
る。即ち、CまたはSi元素は母相を強化するアンカー
的作用を有しているが、アーク放電が繰返されると母相
との密着力が徐々に低下し、遂には、表面近傍のCまた
はSi元素はその密着力を失い、被覆層表面が膜状に剥
離する。この膜状剥離が繰返されるため被覆層表面は常
に平面状となる。従ってマクロ的凹凸による接点面間の
噛み合いやミクロ的凹凸による偶発的接触不良が起き難
くなり、開閉動作寿命が向上する。
【0014】この発明において、CまたはSi元素の含
有量を1〜40at%に規定する理由は、1at%未満では
その膜状剥離効果が十分に得られず、40at%を超える
と被覆層の強度が低下して、開閉動作での被覆層の消耗
が激しくなるためである。CまたはSi元素の特に望ま
しい含有量は5〜20at%である。
【0015】請求項2記載の発明は、被覆層が、母相に
CまたはSi元素を分散させて含ませ構成されたもの
で、CまたはSi元素は母相構成元素の結合、または母
相構成元素の集合体の結合に寄与する。
【0016】請求項3記載の発明は、母相元素の薄層と
CまたはSi元素の薄層とを交互に多層に形成された封
入接点材料である。このものはCまたはSi元素の薄層
がアーク放電時などに層状の母相元素集合体に拡散して
両層が適当に混じり合うが、基本的には層状であり、C
またはSi元素による膜状剥離効果は促進される。また
被覆層を気相成長法により形成する場合、形成される層
は薄いほどピンホールが少なくなる傾向があり、薄い層
を多層に形成することにより、被覆層全体のピンホール
数が減少し開閉動作寿命がさらに向上する。この発明で
は、母相元素の層とCまたはSi元素層とがアーク放電
により拡散して適当に混じり合うので、被覆層表面がC
またはSi元素層であっても、母相元素層であっても同
様の効果が発現する。この発明において、CまたはSi
元素からなる層の間隔を0.1μm以上の間隔を開け
て、つまり母相元素からなる層の厚さを0.1μm以上
にした理由は、0.1μm未満では耐摩耗性が低下して
封入接点材料として満足すべき開閉動作寿命が得られな
くなるためである。またCまたはSi元素からなる層の
厚さを0.02〜0.2μmに規定する理由は、0.0
2μm未満ではその膜状剥離効果が十分に得られず、
0.2μmを超えると接触抵抗が増加して被覆層が激し
く消耗して開閉動作寿命が短くなるためである。
【0017】請求項4記載の発明は、接点基材上に下地
層を形成し、その上に請求項1または2記載の被覆層を
形成したもので、接点基材と被覆層との密着性を改善す
ることにより開閉動作寿命を向上させたものである。前
記下地層の厚さを0.1μm以上に、また被覆層の厚さ
を0.1μm以上にそれぞれ規定する理由は、いずれが
0.1μm未満でも被覆層全体の耐摩耗性が低下して下
地層を形成する効果が十分に得られなくなるためである
【0018】請求項5記載の発明は、CまたはSi元素
に被覆層の表面側に向けて増加する濃度勾配を付けるこ
とにより、被覆層と接点基材との密着力と膜状剥離効果
の両方の向上を図ったものである。この発明で、被覆層
の厚さを0.1μm以上に規定する理由は、0.1μm
未満では濃度勾配を付けることによる効果が十分に得ら
れなくなるためである。なお、CまたはSi元素の基材
側の濃度を0〜49at%に、CまたはSi元素の表面側
の濃度を51〜100at%に規定することにより濃度勾
配がより明瞭なものとなる。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、4、5のいずれかに記載の封入接点材料を電極に用
いた封入接点で、この封入接点によれば電極間の開閉
が、高負荷条件でも長期間安定してなされる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)リードピンの接点基材に、52at%Ni−
Fe合金基材(1mm×1mm ×0.2mm)を用い、この基材の表
面を、アセトンを用いた超音波洗浄とリン酸を用いた電
解研磨により洗浄した。次に接点基材を真空蒸着装置の
チャンバ内にセットし、チャンバ内を2×10-4Pa以
下まで真空排気したのち、真空ポンプのバルブを半開状
態にして排気コンダクタンスを小さくし、チャンバ内が
1×10-1PaになるまでArガスを導入し、次いで接
点基材にー400Vの電圧を印加し、チャンバ内の高周
波アンテナから0.2kWの高周波を発生させて、接点
基材表面をArイオンでイオンボンバード処理して清浄
化した。次に、この基材を400℃に加熱保持しつつ、
CまたはSi元素と母相元素をそれぞれの電子ビーム蒸
発源から同時に蒸発させて所望組成の被覆層を接点基材
上に形成して封入接点材料を製造した。なお、母相元素
の堆積速度は2nm/秒に固定し、CまたはSi元素の
堆積速度は種々に変化させて、CまたはSi元素の濃度
を1〜40at%に制御した。
【0021】(比較例1)被覆層のCまたはSi元素の
濃度を0.5または50at%にした他は、実施例1と同
じ方法により封入接点材料を製造した。
【0022】得られた各々の封入接点材料を電極に用い
てN2 ガスを封入したリードスイッチ(封入接点)を組
立て、室温下で接触抵抗と開閉動作寿命を調べた。結果
を被覆層の組成と厚さを併記して表1に示す。前記開閉
動作寿命は、DC100Vで0.5Aの負荷を掛け、1
0Hz、100AT(Ampere Turn)の駆動
磁界により開閉動作を反復させて調べた。接点が開閉不
能になったとき、またはリードスイッチの両極間の抵抗
値が1Ω以上になったときまでの開閉動作回数を開閉動
作寿命とした。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1より明らかなように、本発明の封入接
点材料(No.1〜29) を電極に用いて作製したリードスイ
ッチは、接触抵抗が小さく、また開閉動作寿命が長い。
これに対し、比較例のNo.1,3,5,7,9,11,13はC量が少な
くアーク放電による消耗が局部に集中して接点面が凹凸
状となったため、No.2,4,6,8,10,12,14 はC量が多く被
覆層の強度が低下したため、いずれも開閉動作寿命が短
かった。またC量が多いものは接触抵抗も増大した。
【0025】(実施例2)接点基材上に母相元素を電子
ビームにより蒸発させて層状に堆積(下部層)させ、そ
の上にCまたはSi元素を電子ビームにより蒸発させて
層状に堆積(上部層)させる操作を所望回繰返した他
は、実施例1と同じ方法により封入接点を製造した。な
お、堆積速度は共に2nm/秒とした。下部層の厚さは
0.1〜1.5μmの範囲で、上部層の厚さは0.01
〜0.3μmの範囲で、被覆層の層数は2〜20の範囲
で種々に変化させた。
【0026】得られた各々の封入接点を用いて、実施例
1と同じ方法でリードスイッチを作製し、接触抵抗と開
閉動作寿命を測定した。結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2より明かなように、本発明例の No.30
〜50は接触抵抗が小さく、かつ被覆層を1層に形成した
実施例1のものに較べて開閉動作寿命が十分に長かっ
た。これは、母相元素層とCまたはSi元素層とが交互
に積層されていて、アーク放電中に両者が適当に混じり
合い被覆層が膜状に剥離するようになったことと、被覆
層がピンホールの少ない薄層を積層したもので被覆層全
体のピンホール数が減少したことによる。これに対し、
No.51,53,55,57,59,61,63 は上部層の厚さが薄かったた
め膜状剥離効果が十分に得られず、No.52,54,56,58,60,
62,64 は上部層の厚さが厚かったため接触抵抗が上昇し
て被覆層の消耗が激しくなり、いずれも多層化の効果が
十分には得られず No.30〜50に較べるといずれも動作寿
命が劣った。
【0029】(実施例3)接点基材上に、電子ビームに
より母相元素を2nm/秒の速度で堆積させ(下部
層)、その上に母相元素とCまたはSi元素を電子ビー
ムにより同時に堆積させた(上部層)他は、実施例1と
同じ方法により封入接点を製造した。 なお上部層での
母相元素の堆積速度は2nm/秒に固定し、CまたはS
i元素の堆積速度は種々に変化させた。下部層の厚さは
0.05〜1.5μmの範囲で、上部層の厚さは0.0
5〜0.5μmの範囲で変化させた。
【0030】得られた各々の封入接点材料を用い、実施
例1の場合と同様にしてリードスイッチを作製して、接
触抵抗と開閉動作寿命を測定した。結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3より明らかなように、本発明例のNo.6
5 〜85は、接触抵抗が小さく、かつ被覆層を1層に形成
した実施例1のものに較べて開閉動作寿命が十分長かっ
た。これは、被覆層の接点基材側が母相元素で形成され
ているため、接点基材と被覆層が良好に密着したことに
よる。これに対し、 No.86〜99は、下部層または上部層
のいずれかの厚さが0.1μm未満のため被覆層全体の
耐摩耗性が低下して2層に形成する効果が十分には得ら
れずNo.65 〜85に較べると開閉動作寿命が劣った。
【0033】(実施例4)接点基材上に、電子ビームに
より、母相元素とCまたはSi元素を同時に0.1μm
の厚さに堆積させた。ここで母相元素の堆積速度は2n
m/秒に固定し、CまたはSi元素の堆積速度は最大2
nm/秒の範囲で経時的に増加または減少させた。この
ようにして、CまたはSi元素に、被覆層の厚さ方向に
増加または減少する直線的濃度勾配を付けた。その他は
実施例1と同じ方法により封入接点を製造した。
【0034】得られた各々の接点を用いてリードスイッ
チを作製し、実施例1の場合と同様にして接触抵抗と開
閉動作寿命を測定した。結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】表4より明らかなように、本発明例のNo.1
00〜120 はいずれも、接触抵抗が小さく、また被覆層を
1層に形成した実施例1のものに較べて開閉動作寿命が
十分に長かった。これに対しNo.121,123,125,127,129,1
31,133は被覆層の厚さが薄いため、No.122,124,126,12
8,130,132,134は基材側のCまたはSi元素濃度が高
く、しかもその濃度勾配が表面に向けて低下する勾配の
ため、いずれもCまたはSi元素に濃度勾配を付けた効
果が十分には得られず、開閉動作寿命がNo.100〜120 に
較べると低下した。
【0037】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の封入接点
材料は、高融点高硬度のZrなどからなる母相にCまた
はSi元素を適量、分散させたり、層状に分布させたり
して含ませたもので、前記CまたはSi元素の作用によ
りアーク放電で被覆層が膜状に剥離し、接点面が凹凸の
ない状態で消耗する。従って接点面間が噛合ったり、偶
発的接触不良が起きたりせず開閉動作寿命が向上する。
母相元素の薄層とCまたはSi元素の薄層とを交互に積
層させると被覆層中のピンホール数が減少して、より良
好な被覆層が得られる。接点基材側に母相と同じ元素の
層を形成し、或いはCまたはSi元素に表面で高濃度と
なる濃度勾配を付けることにより開閉動作寿命が一段と
向上する。またRhやRuなどの高価な材料を用いない
ので低コストである。依って、工業上顕著な効果を奏す
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接点基材上に被覆層が形成されており、
    前記被覆層が、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、ま
    たはWのうちの少なくとも1元素からなる母相にCまた
    はSiのうちの少なくとも1元素が1〜40at%の濃度
    で含まれ構成されていることを特徴とする封入接点材
    料。
  2. 【請求項2】 被覆層が、母相にCまたはSiのうちの
    少なくとも1元素がランダムに分散して含まれ構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の封入接点材料。
  3. 【請求項3】 被覆層が、母相にCまたはSiのうちの
    少なくとも1元素が0.02〜0.2μmの厚さで層状
    に0.1μm以上の間隔を開けて含まれ構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の封入接点材料。
  4. 【請求項4】 接点基材上にZr、Hf、V、Nb、T
    a、Mo、またはWのうちの少なくとも1元素が0.1
    μm以上の厚さに形成され、その上に請求項1または2
    記載の被覆層が0.1μm以上の厚さに形成されている
    ことを特徴とする封入接点材料。
  5. 【請求項5】 被覆層が、0.1μm以上の厚さで、C
    またはSiのうちの少なくとも1元素が基材側から表面
    側に向けて漸次増加する濃度勾配を有して含まれ構成さ
    れていることを特徴とする請求項1、2、3、4のいず
    れかに記載の封入接点材料。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4、5のいずれかに
    記載の封入接点材料が電極として用いられていることを
    特徴とする封入接点。
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