JPH10241201A - 光学ピックアップ装置 - Google Patents

光学ピックアップ装置

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Publication number
JPH10241201A
JPH10241201A JP9044472A JP4447297A JPH10241201A JP H10241201 A JPH10241201 A JP H10241201A JP 9044472 A JP9044472 A JP 9044472A JP 4447297 A JP4447297 A JP 4447297A JP H10241201 A JPH10241201 A JP H10241201A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
objective lens
lens
pickup device
correction
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP9044472A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Sakamoto
敏 坂本
Junichi Suzuki
潤一 鈴木
Toshiki Udagawa
俊樹 宇田川
Michiko Yamazaki
道子 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録面側の光学的透明層の厚みが互いに異な
る複数の光学記録媒体に対応させる。 【解決手段】 補正レンズアクチュエータ部10が備え
る磁気回路とリニア駆動コイル12からなるリニア駆動
装置によって、該光学記録媒体101の光学的透明層の
厚みによる球面収差を補正する収差補正レンズ14を集
光レンズ38の入射瞳側の光路中に挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、記録面側の光学
的透明層の厚みの異なる光ディスク等の光学記録媒体に
記録された信号を読み取るための光学ピックアップ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク等の光学記録媒体において
は、記録層に記録された情報を保護するためと、外部か
らのごみやほこり等の汚れによる情報の読み取り特性や
記録特性の劣化の防止のために、記録層の上に光学的に
透明な保護層が形成されている。
【0003】従って、光ディスク等の保護層のような光
学的な透明層を介して信号の記録、再生が行われること
になるため、光学ピックアップ装置の対物レンズ等は、
この光学的透明層に対応して光学特性が最適となるよう
に設計されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記光学的
透明層の厚みが異なる複数の光学記録媒体を1つの光学
ピックアップ装置で再生しようとする場合には、一方の
厚みの透明層に対応して最適光学特性となるように設計
された光学ピックアップの対物レンズを用いて、他方の
厚みの透明層を有する光学記録媒体を再生しようとした
場合、本来の読み取り性能を発揮できず、極端な場合に
は情報が読み出せない。
【0005】具体的には例えば光学的透明層の厚みが
1.2mmと0.6mmとで互いに異なるフォーマットの光
ディスクを再生可能ないわゆる互換機を提供しようとす
る場合に、一方の種類の光ディスクの透明層の厚み、例
えば1.2mmに対応して設計された光学ピックアップを
用いて他方の種類の光ディスク、例えば透明層の厚みが
0.6mmの光ディスクを再生しようとすると、本来の読
み取り性能が得られず、極端な場合には情報が読み出せ
ないこともある。
【0006】すなわち、このような光学的透明層の厚み
の違いで生じる性能劣化は、いわゆる球面収差W40によ
るものであり、この球面収差W40は、対物レンズの開口
率をNAとし、光学的透明層の厚みをΔtとするとき次
の式で表される。
【0007】
【数1】
【0008】本発明は上述したような実情に鑑みてなさ
れたものであり、厚みの異なる光学的透明層を有する複
数種類の光学記録媒体から情報を読み取る際の収差を補
正し得る光学ピックアップ装置を提供することを目的と
する。
【0009】
【発明を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、この発明に係る光学ピックアップ装置は、光源
と、光学記録媒体の記録面上にこの光学記録媒体の光学
的透明層を介して上記光源よりの光を集光して照射する
対物レンズと、該光学的透明層の厚みに応じて上記対物
レンズの球面収差の補正する補正手段とを有し、上記補
正手段は、補正素子とリニア駆動機構とを備え、上記補
正素子は上記リニア移動機構によって光路内外に亘って
移動操作され、また、上記補正素子は、上記対物レンズ
に対して入射瞳側に配設されるものである。
【0010】また、この発明に係る光学ピックアップ装
置においては、上記対物レンズは、光学的透明層の厚み
が異なる2種類の光学記録媒体の一つに対応し、上記補
正素子は他の光学記録媒体により生じる球面収差と同量
で逆極性の収差を生成するものである。
【0011】そして、この発明に係る光学ピックアップ
装置においては、上記対物レンズは、光学的透明層の厚
みが異なる2種類の光学記録媒体の光学的透明層の厚み
の中間の厚みに対応し、上記補正素子は各光学記録媒体
により生じる球面収差と同量で逆極性の収差を生成する
ものである。
【0012】さらに、この発明に係る光学ピックアップ
装置においては、上記対物レンズは、光学的透明層の厚
みが異なる2種類の光学記録媒体に対応する開口数の内
の大なる開口数を有し、上記補正手段は上記開口数の内
の小なる開口数にするものである。
【0013】また、この発明に係る光学ピックアップ装
置いおいては、上記補正素子は、中央部と外周部との二
つの形状面からなるレンズを用いるものである。
【0014】そして、この発明にか係る光学ピックアッ
プ装置においては、上記リニア移動機構は、高透磁率性
の材料にて形成されたシャフト、コ字形状の両端を上記
シャフトの両端に接合される高透磁率性の材料にて形成
されたヨーク、及びこのヨークに被着されたマグネット
からなる磁気回路と、駆動コイル及び補正素子を有する
移動体とを備えるものである。
【0015】さらに、この発明に係る光学ピックアップ
装置においては、上記シャフトは軸方向に略々垂直な方
向に形成された溝を少なくとも一つ有し、上記移動体は
上記シャフトに押接せられる球体を有し、この球体が該
溝に嵌合されることにより上記移動体の位置決めがなさ
れるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る光学ピック
アップ装置の実施の形態の一例について図面を参照しな
がら詳細に説明する。
【0017】この光学ピックアップ装置は、図1、図2
及び図3に示すように、光学記録媒体の種類の違いによ
る収差の違いを吸収する補正素子となる補正レンズの位
置を切り替えるリニア駆動機構である補正レンズアクチ
ュエータ部10と、対物レンズを二軸方向に駆動する二
軸アクチュエータ部20と、光源、対物レンズ及び光検
出器等を備える光学系30から構成される。
【0018】上記二軸アクチュエータ部20は、この光
学ピックアップ装置を備える筐体に固定される二軸固定
部21と、この二軸固定部21に対して、軸28方向へ
の移動と、この軸28についての回転との2自由度で駆
動される二軸可動部22とからなる。
【0019】上記二軸固定部21は、この光学ピックア
ップ装置を備える筐体に固定され、上記二軸可動部22
を支持し、また、補正レンズアクチュエータ固定部11
を固定する。この二軸固定部21は、上記トラッキング
駆動コイル23と組み合わされて上記二軸可動部22を
軸28を中心として回転させる駆動力を発生するトラッ
キング駆動マグネット24と、フォーカス駆動コイル2
5と組み合わされて二軸可動部22を軸28方向へ移動
させる駆動力を発生するフォーカス駆動マグネット26
と、上記二軸可動部22のトラッキング方向及びフォー
カス方向への回転及び移動の軸となる上記軸28とを備
える。
【0020】この二軸可動部22は、光学記録媒体10
1に対してレーザ光を集光して照射する対物レンズ38
を主面に配設し、トラッキング駆動マグネット24と組
み合わされて軸28を中心としてこの二軸可動部22を
回転させる駆動力を発生するトラッキング駆動コイル2
3と、フォーカス駆動マグネット26と組み合わされて
この二軸可動部22を軸28方向に移動させる駆動力を
発生するフォーカス駆動コイル25とから構成される。
【0021】上記補正レンズアクチュエータ部10は、
上記二軸固定部21に固定される補正レンズアクチュエ
ータ固定部11と、スライド機構部5のリニア移動の軸
となるシャフト1と、磁束を導くヨーク11aと、リニ
ア駆動コイル12と、リニア駆動マグネット13と、ス
ライド機構部5と、補正レンズ14と、補正レンズホル
ダ15とから構成される。
【0022】上記トラッキング駆動コイル23は、上記
二軸可動部22の略端部に上記トラッキング固定部21
に配設されるトラッキング駆動マグネット24に対向し
て配設され、駆動電流に応じて磁界を発生し、上記トラ
ッキング駆動マグネット24と組み合わされて、上記二
軸可動部22を軸28を中心として回転させる駆動力を
発生する。
【0023】上記トラッキング駆動マグネット24は、
保磁力の大きい永久磁石にて形成され、上記二軸固定部
21の略端部に上記二軸可動部22に備えられる配設さ
れトラッキング駆動コイル23に対向して配設され、こ
のトラッキング駆動コイル23と組み合わされて、上記
二軸可動部22を軸28を中心として回転させる駆動力
を発生する。
【0024】上記フォーカス駆動コイル25は、上記二
軸可動部22の主面裏側に上記二軸固定部21の備える
軸28を取り囲んで略々円筒状に配設され、駆動電流に
応じて磁界を発生し、上記フォーカス駆動マグネット2
6と組み合わされて、上記二軸可動部22を軸28方向
に移動させる駆動力を発生させる。
【0025】上記フォーカス駆動マグネット26は、保
磁力の大きい永久磁石にて形成され、上記二軸固定部2
1の略々中央部に上記軸28を取り囲んで略々円筒状に
配設される上記二軸可動部22のフォーカス駆動コイル
25に対向して配設され、このフォーカス駆動コイル2
5の発生する磁界と組み合わされて上記二軸可動部22
を軸28方向にさせる駆動力を発生する。
【0026】ここで、上記トラッキング駆動コイル23
及びトラッキング駆動マグネット24が駆動する二軸可
動部22の軸28に対する回転は、光学記録媒体101
上の記録トラックに略々直交するトラッキング方向への
対物レンズ38の移動に対応している。また、上記フォ
ーカス駆動コイル25及びフォーカス駆動マグネット2
6の駆動する、軸28方向への駆動は、対物レンズ38
の光軸方向、すなわちフォーカス方向への駆動に対応し
ている。
【0027】上記軸28は、円柱状の形状であり、上記
二軸固定部21の底部の中央に略々垂直に配設され、上
記二軸可動部22の中央を貫通しこの二軸可動部22の
主面に達する。この軸28は、上記二軸可動部22を軸
28に対して回転させ、また、この軸28方向への並進
を可能に支持する。上述したように、上記回転はトラッ
キング方向への移動に、上記並進はフォーカス方向への
移動にそれぞれ対応している。
【0028】上記補正レンズアクチュエータ部10は、
補正レンズアクチュエータ固定部11を有している。
【0029】上記補正レンズアクチュエータ固定部11
は、外周が略々直方体の枠であり、上記二軸固定部21
に固定される。この補正レンズアクチュエータ固定部1
1は、高透磁率の材料にて形成され、この補正レンズア
クチュエータ固定部11の略々中央部に配設される上記
スライド機構部5を支持するシャフト1と一体となって
磁気回路を構成し、この補正レンズアクチュエータ固定
部11の内側側面に被着されるリニア駆動マグネット1
3から発生される磁束を周回して導く。
【0030】上記シャフト1は、高透磁率性の材料にて
円筒状の形状に形成され、軸方向に略々垂直な溝を少な
くとも一つ有し、上記補正レンズアクチュエータ固定部
11の略々中央部に上記二軸固定部21に略々垂直な方
向に配設される。このシャフト1は、上記リニア駆動マ
グネット13から発生される磁束を導くとともに、上記
スライド機構部5をリニア方向に移動可能に支持する軸
となる。
【0031】このシャフト1は、このシャフト1の中心
軸に対して光記録媒体101側に、この軸方向に対して
略々垂直な方向に第1の面1a及び第2の面1bからな
る第1の溝1Aを有している。上記第2の面1bとシャ
フト1の軸方向とのなす角は、上記第1の面1aが上記
軸方向とのなす角よりも小さく形成されている。上述し
たように、上記第1の面1aは、上記スライド機構部5
の備える球体2がこの第1の面1aを乗り越えないよう
に保持する。上記第2の面1bは、上記球体2をこの第
2の面1bを乗り越えないように保持するが、閾値より
も大きい力を加えた場合には上記球体2はこの第2の面
1bを乗り越える。
【0032】上記スライド機構部5は、補正レンズ14
を支持するレンズホルダ15及びリニア駆動コイル12
と一体に上記シャフト1に沿ってリニア方向に移動自在
に配設される。このスライド機構部5は、上記シャフト
の押圧される球体2を有し、この球体2を上記シャフト
1に押圧しつつ移動する。このスライド機構部5は、上
記リニア駆動コイル12によってリニア方向への駆動力
を与えられる。そして、上記球体2がシャフト1に形成
された第1の溝1A等に嵌め合わされることによって位
置決め及び保持がなされる。
【0033】上記ヨーク11aは、高透磁率性の材料か
ら形成され、上記補正レンズアクチュエータ固定部11
の一部をなしている。このヨーク11aは、外縁が略々
直方体の形状をなし、上記シャフト1を支持し、上記リ
ニア駆動マグネット13から発生される磁束を周回して
導く。
【0034】上記リニア駆動コイル12は、上記スライ
ド機構部5に配設され、上記リニア駆動マグネット13
から発生される磁束と組み合わされてリニア方向への駆
動力を発生し、上記補正レンズ14を備える補正レンズ
ホルダ15をリニア方向に移動させる。
【0035】上記リニア駆動マグネット13は、略々直
方体の形状で、主面方向に着磁された保磁力の大きい永
久磁石にて形成され、上記ヨーク11aの内側側面に被
着される。そして、上記リニア駆動マグネット13の発
生する磁束は、上記リニア駆動コイル12とともにリニ
ア方向に駆動力を発生させる。
【0036】上記補正レンズ14は、上記レンズホルダ
15に支持され、光学記録媒体101の種類による収差
の補正を行うものであり、必要な場合には上記スライド
機構5にて上記レンズホルダ15とともにリニア方向に
移動され、上記対物レンズ38の直下の光路中に挿入さ
れる。
【0037】上記レンズホルダ15は、上記スライド機
構部5に一体に形成された平坦な直方体板状であり、主
面中央に補正レンズ14を備える。
【0038】上記光学系30は、光源31と、光検出器
32と、ハーフミラー33と、コリメータレンズ34
と、対物レンズ38から構成される。
【0039】上記光源31のレーザダイオード等によっ
て発生された光は、上記ハーフミラー33によって方向
を90°転じられ、コリメータレンズ34にて平行光束
となされ、上記対物レンズ38を介して、あるいは対物
レンズ38及び補正レンズ14を介して、上記記録媒体
101上に集光して照射される。
【0040】上記対物レンズ38は、上記二軸可動部2
2の主面に光学記録媒体101に対向して配設され、上
記補正レンズアクチュエータ部10の備えるスライド機
構部5に配設される補正レンズ14を介して、あるいは
この補正レンズ14を介さずに与えられるレーザ光束を
光学記録媒体101上に集光してする。また、この光学
記録媒体101からのレーザ光の反射光を受け、光束と
なす。
【0041】上記反射光は、対物レンズ38を介して、
あるいは対物レンズ38及び補正レンズ14を介して得
られ、上記コリメータレンズ34にて集光され、上記ハ
ーフミラー33を介して上記光検出器32に入射する。
【0042】次に、上記補正レンズアクチュエータ部1
0に用いられるリニア移動機構について説明する。この
リニア移動機構は、図4に示すように、略々円柱形状の
シャフト1と、このシャフト1に沿って移動可能となさ
れて該シャフト1に支持された移動体であるスライド機
構部5とを有して構成される。
【0043】上記シャフト1は、高透磁率性の材料にて
形成され、このシャフト1の軸方向に略々垂直な方向に
第1の面1a及び第2の面1bからなる第1の溝1A
と、第3の面1c及び第4の面1dからなる第2の溝1
Bとが形成されている。これら第1の溝1A及び第2の
溝1Bは、シャフト1の図中上側に一端側と他端側に互
いに距離Lをおいて略々平行に形成されている。
【0044】上記第1の面1aは、上記シャフト1の軸
方向に対して第1の角度をなす斜面である。ここで、第
1の角度としては、例えば60°〜80°程度である。
上記第2の面1bは、上記シャフト1の軸方向に対して
第2の角度をなす斜面である。ここで、第2の角度は上
記第1の角度よりも小さく、例えば10°〜30°程度
であり、図中には10°が例示してある。
【0045】この第1の面1aは、上記球体2がこの第
1の面1aより一端側に移動しないように球体2を保持
する。上記第2の面1bは、上記球体2がシャフト1の
中央側に移動しないように保持するが、閾値を越える力
を加えると上記球体2はこの第2の面1bを乗り越えて
シャフト1の中央側に移動する。逆に、上記球体2は、
溝間部1Mからこの第2の面1bに沿って図中左に上記
第1の面1aに接するまで落とし込まれる。そして、上
記球体2は、上記第1の面1a及び第2の面1bの両方
に接することにより保持される。このため、スライド機
構部5の位置決めの精度はよい。
【0046】このように、上記第1の面1aと第2の面
1bとからなる第1の溝1Aは、上記スライド機構部5
の球体2と組み合わせられることによって、位置決め部
あるいは保持部の機能を発揮する。すなわち、この第1
の溝1Aは、上記スライド機構部5を一端側へ移動しな
いように保持するとともに、上記スライド機構部5に対
してシャフト1の中央側に加える力が閾値を越えるか否
かによって、上記スライド機構部5をシャフト1の中央
側に移動させるか否か選択可能な状態で保持する。図5
に示すように、この第1の溝1Aの断面の底部は直線状
になっている。なお、図5は、図4において破線で示す
断面を図中P方向に見たものである。
【0047】上記第3の面1cは、上記シャフト1の軸
方向に対して第2の角度をなす斜面である。ここで、第
2の角度は、上述したように、次に述べる第1の角度よ
り小さく、例えば10°〜30°程度であり、図中には
20°が例示してある。上記第4の面1dは、上記シャ
フト1の軸方向に対して第1の角度をなす斜面である。
ここで、第1の角度としては、例えば60°〜80°程
度であり、図中には70°が例示してある。
【0048】この第3の面1cは、上記球体2がシャフ
ト1の中央側に移動しないように保持するが、閾値を越
える力を加えると上記球体2はこの第3の面1cを乗り
越えてシャフト1の中央側に移動する。上記第4の面1
dは、上記球体2がこの第4の面1dより他端側に移動
しないように球体2を保持する。逆に、上記球体2は、
溝間部1Mからこの第3の面1cに沿って他端側に第4
の面1dに接するまで落とし込まれる。上記球体2は、
上記第3の面1c及び第4の面1dの両方に接すること
により保持される。このため、スライド機構部5の位置
決めの精度はよい。
【0049】このように、上記第3の面1cと第4の面
1dとからなる第2の溝1Bは、上記スライド機構部5
の球体2が嵌合せられることによって、位置決め部ある
いは保持部の機能を発揮する。すなわち、この第2の溝
1Bは、上記スライド機構部5を他端側へ移動しないよ
うに保持するとともに、上記スライド機構部5にシャフ
ト1の中央側に加える力が閾値を越えるか否かによっ
て、上記スライド機構部部5をシャフト1の中央側に移
動させるか否か選択可能な状態で保持する。
【0050】上記スライド機構部5は、上記シャフト1
に球体2と、この球体2を上記シャフト1に押接させる
バネ3と、上記球体2を保持する球体保持部4とを備え
ている。このスライド機構部5は、上記シャフト1に沿
って、上記第1の溝1Aから第2の溝1Bまでの間を溝
間部1Mに沿って摺動し、このスライド機構部5に取り
付けられた負荷を移動操作することができる。上述した
ように、上記第1の溝1A及び第2の溝1Bにおいて
は、負荷の位置決め及びその位置の保持を精度よく行う
ことができる。
【0051】上記球体2は、上記第1の溝1A及び第2
の溝1Bの深さと同程度あるいは数倍程度の直径を有す
る。この球体2は、上記スライド機構部5が移動する
と、バネ3にてシャフト1に押し付けられつつ移動す
る。この球体2は、上記第1の溝1A及び第2の溝1B
においては、これらの溝に嵌め合わせられることによっ
て、位置決め部及び保持部の役割を果たす。
【0052】上記バネ3は、上記球体2を上記シャフト
1に押し付ける。上記球体保持部4は、上記バネ3を内
部に納め、上記球体2をシャフト1に押接しつつ保持す
る。
【0053】以上説明したように、シャフト1と、この
シャフト1に押接される球体2を備えるスライド機構部
5とを有するリニア移動機構においては、上記スライド
機構部5は、互いに距離Lをおいて略々平行に形成され
た第1の溝1Aと第2の溝1Bとの間の溝間部1Mを球
体2をシャフト1に押し付けつつ移動し、上記第1の溝
1Aと第2の溝1Bとにて球体2をこれらの溝に嵌め合
わせることによって上記スライド機構部5の位置決めを
おこない、この位置を保持する。
【0054】さらに、上記第1の溝1Aの第2の面1b
及び第2の溝1Bの第3の面1cは、これら第1の溝1
A及び第2の溝1Bに保持された上記スライド機構5に
シャフト1の中央側に閾値を越える力を加えたときに
は、これらの面を乗り越えてシャフト1の中央側へ移動
することができるような角度となっている。
【0055】続いて、このスライド機構部5をシャフト
1に沿ってリニア方向に移動させる駆動力を発生させる
磁気回路について説明する。
【0056】上記磁気回路は、図6及び図7に示すよう
に、軸方向に略々垂直な方向に形成された溝を少なくと
も一つ有する高透磁率性の材料により形成されたシャフ
ト1と、コの字形状に形成され両端側がそれぞれ上記シ
ャフトの両端部に対応して接合された高透磁率性の材料
にて形成されたヨーク11aと、このヨーク11aに被
着されたリニア駆動マグネット13とから構成される。
そして、上記スライド機構部5に配設されたリニア駆動
コイル12と組み合わされてリニア方向への駆動力を発
生する。
【0057】上記ヨーク11aは、透磁率の高い材料に
て略々コ字状の形状に形成され、両端部をそれぞれ上記
シャフト1の両端部に接合され、このヨーク11aの内
側の側面に被着されるリニア駆動マグネット13から発
生される磁束を周回して導く。
【0058】上記リニア駆動マグネット13は、略々直
方体状の形状をなし、主面に略々垂直な方向に着磁さ
れ、上記ヨーク11aのシャフト1に対向する面に被着
される。このリニア駆動マグネット13から発する磁束
は、上記リニア駆動コイル12と組み合わされて上記ス
ライド機構部5をリニア方向に移動させる駆動力を発生
する。
【0059】上記スライド機構部5は、上記リニア駆動
コイル12とリニア駆動マグネット13にて構成するリ
ニアモータにてリニア方向へ駆動され、上記シャフト1
に沿ってリニア方向に移動される。このスライド機構部
5は、上記シャフト1に押圧される球体2を有し、この
球体2はシャフト1に押圧されつつ移動し、上記シャフ
ト1に形成された溝に嵌め合わされて位置決めがなされ
る。
【0060】上記リニア駆動コイル12は、リニア方向
に移動可能にスライド機構部5に配設され、駆動電流に
応じて磁界を発生し、上記リニア駆動マグネット13か
ら発生される磁束と組み合わされて上記スライド機構部
5をリニア方向に移動する駆動力を発生する。これらリ
ニア駆動コイル12及びリニア駆動マグネット13は、
両者にてリニアモータを構成している。
【0061】ここで、図7において、上記リニア駆動マ
グネット13とシャフト1との最短距離をLg、シャフ
ト1の半径をRYとすると、ギャップ長は磁束の流れを
考慮して次式にて与えると、計算値は実験値とよく一致
する。
【0062】Lg+RY/2=Lgg 上述したように、この実施の形態における光学ピックア
ップ装置は、レーザダイオード等の光源31と、光ディ
スク等の光学記録媒体101の記録面上に上記光源31
よりの光を集光して照射する対物レンズ38と、該光学
記録媒体の光学的透明層の厚みに応じて上記対物レンズ
38の球面収差を補正する補正レンズ14、及び上記対
物レンズ38の入射瞳側の光路内外に亘って上記補正レ
ンズ14を移動操作するスライド機構部5を備える補正
レンズアクチュエータ部10とを有するものである。
【0063】ここで、上記対物レンズ38は、光学的透
明層の厚みが異なる2種類の光学記録媒体101の一つ
に対応し、上記補正レンズ14は他の光学記録媒体10
1により生じる球面収差と同量で逆極性の収差を生成す
るものである。
【0064】続いて、この発明に係る光学ピックアップ
装置の他の実施の形態について詳細に説明する。
【0065】この実施の形態においては、図8に示すよ
うに、記録面側の光学的透明層の厚み(以下、透明層厚
みともいう。)の異なる複数種類の光学記録媒体、例え
ば、光ディスク102、103を例示している。これら
の光ディスク102、103は、それぞれの光学的透明
層102b、103bの厚みが、例えば1.2mmと0.
6mmとで互いに異なっている。
【0066】この実施の形態においては、対物レンズ3
8の球面収差を補正する補正手段であるスライド機構部
35が2個の補正レンズ36、37を備えている。
【0067】上記対物レンズ38は、光ディスク10
2、103の各光学的透明層102b、103bの厚み
である1.2mm、0.6mmの中間の厚み、例えば0.8
mmの厚みの透明層に合わせて設計されており、スライド
機構部35は、各光学的透明層102b、103bを介
して記録面にレーザ光を照射する際に、それぞれの光学
的透明層102b、103bによって生じる球面収差を
同量で逆極性の収差を持った補正レンズ36、37に切
り換えることによって、適切な補正を行うようにしてい
る。
【0068】また、対物レンズ38の開口数NAは、各
光ディスク102、103を用いたそれぞれのディスク
システムあるいは規格において必要とされるNAの内の
最大NAで設計されている。例えば、透明層厚み1.2
mmの光ディスク102のシステムで必要とされるNAが
0.52で、透明層厚み0.6mmの光ディスク103の
システムで必要とされるNAが0.6のとき、対物レン
ズ38の開口数NAを0.6としている。そして、透明
層厚み1.2mmの光ディスク102を読み取る際に補正
レンズ36が切換選択されることで、上記開口数NAも
0.52に可変せられるようになっている。これは、ス
ライド機構部35の各補正レンズ36、37を切換選択
することにより、対物レンズ38の実質的な開口数NA
がそれぞれ0.52、0.6となるように、各補正レン
ズ36、37の開口径を設計することで実現できる。
【0069】ここで、光学記録媒体の光学的透明層10
2b、103bの厚みと対物レンズ38の球面収差との
関係について、上記図8の補正レンズ36、37及びス
ライド機構部35を除いた図9の構成を参照しながら説
明する。
【0070】この図9は、一般の光学系30の基本構成
を示しており、上記図8と対応する部分には同じ指示符
号を付している。この図9において、光源31からのレ
ーザ光は、ビームスプリッタ33で反射され、コリメー
タレンズ34に供給されて平行光とされ、この平行光が
対物レンズ38に入射される。対物レンズ38は、光学
記録媒体である例えば光ディスク102の光学的透明層
102bを介して記録面、すなわち記録層102aの表
面に照射する。光ディスク102の記録面からの反射光
は、光学的透明層102bを介し、対物レンズ38、コ
リメータレンズ34、ビームスプリッタ33をそれぞれ
介して光電気変換素子である光検出器32に入射され
る。なお、この他に、光ディスクの面ブレ、ディスク回
転に伴うトラックずれ等に対して対物レンズ38によっ
て作られる微小スポットを追従させるいわゆるフォーカ
スサーボ、トラッキングサーボのための構成について
は、本例の説明に必要ないため、図示及び説明を省略す
る。
【0071】この図9の構成の光学系30において、対
物レンズ38が、光ディスク102の光学的透明層に例
えば厚み1.2mmのポリカーボネート材を用いたものに
対応して最適に設計されているとき、この集光レンズ3
8の軸上の球面収差W40は、図10の曲線aのように表
される。この曲線aは、横軸に光ディスク102の光学
的透明層102bの厚みを、縦軸に球面収差W40をとっ
ており、このような透明層厚み1.2mmに対応して設計
された対物レンズ38を用いて、透明層厚みが0.6mm
の光ディスクから情報を読み出そうとした場合、発生す
る球面収差W40は、 W40 ≒ 0.4λrms となり、情報が読み出せなくなる。また、透明層厚み
0.6mmに対応して設計された対物レンズ38を用いる
場合には、軸上の球面収差W40は図10の曲線bのよう
になる。
【0072】また、図11は、光学的透明層の厚みが上
記0.6mmと1.2mmとの平均値である0.9mmとして
設計された対物レンズ38を用いる場合の球面収差W40
を示している。
【0073】ここで、所定の厚みの光学的透明層に対し
て設計された対物レンズ38を用いて任意の厚みの光デ
ィスクから情報を読み出そうとする場合の光学的透明層
の厚みの差をΔtとするとき、対物レンズ38の球面収
差W40は、NAを対物レンズ38の開口数、λを光源の
レーザ光の波長とすると、次の式にて与えられる。
【0074】
【数2】
【0075】この球面収差W40を補正するために、W40
と同じ量で極性が逆の収差を持った光学部品を補正手段
として用いるわけである。
【0076】上記図8の例では、対物レンズ38を設計
する際の光学的透明層の厚みを、上記0.6mmと1.2
mmとのほぼ中間の値、例えば0.8mmに設定している。
なお、対物レンズ38の開口率NAは0.6としてい
る。
【0077】このような対物レンズ38を用いて、厚み
1.2mmの光学的透明層102bを有する光ディスク1
02を再生しようとするとき、球面収差は0.212λ
rms発生する。これに対して、図12の(a)に示すよ
うな非球面凹レンズ形状の補正レンズ36を用いて補正
を行う。この補正レンズ36の非球面の凹面の曲率半径
R1を30.7mm、レンズ中央の厚みL1を2mmとし
て、図8の(a)に示すように対物レンズ38の入射瞳
側、例えば対物レンズ38とコリメータレンズ34との
間に補正レンズ36を挿入することにより、全収差を
0.0127λrmsにすることができる。
【0078】また上記対物レンズ38を用いて、厚み
0.6mmの光学的透明層103bを有する光ディスク1
03を再生しようとするとき、球面収差は−0.197
7λrms 発生する。これに対して、図12の(b)に示
すような非球面凸レンズ形状の補正レンズ37を用い
る。この補正レンズ37の非球面の凸面の曲率半径R2
を65.4mm、レンズ中央の厚みL2を2.6mmとし
て、図8の(b)に示すように対物レンズ38の入射瞳
側に補正レンズ37を挿入することにより、全収差を
0.0061λrms にすることができる。
【0079】ところで、図8は、コリメータレンズ34
を用いて平行光とされた位置に補正レンズ36、37を
配置した例を示しているが、コリメータレンズ34を用
いない図13のような有限レンズ系の場合にも本発明を
適用することができる。
【0080】この図13において、図8と対応する部分
には同じ指示符号を付しており、対物レンズ38は光源
31からの発散光を集光して光ディスク102の記録面
上に微小スポットを形成する。この対物レンズ38の入
射瞳側に補正レンズ36、37を配置しており、ここで
は、厚みが1.2mmの光学的透明層102bを有する光
ディスク102を再生するときには凹レンズの補正レン
ズ36を光路中に配置し、厚みが0.6mmの光学的透明
層103bを有する光ディスク103を再生するときに
は凸レンズの補正レンズ37を光路中に配置するように
切り換えられる。
【0081】次に、図14は厚みが1.2mmの光学的透
明層102bを有する光ディスク102に対して最適に
すなわち球面収差が最小となるように設計された対物レ
ンズ38を用いた光学ピックアップ装置の実施の形態を
示している。この図14においても、上記図8と対応す
る部分に同じ指示符号を付して説明を省略する。
【0082】図14において、対物レンズ38の入射瞳
側には、対物レンズの収差を補正する補正素子である開
口部36aと補正レンズ37とが移動可能なスライド機
構部35が備えられている。上記開口部36aには光学
的透明板が嵌め込まれていてもよい。
【0083】対物レンズ38は、上記2種類の光ディス
ク102、103に対応する規格あるいはディスクシス
テムのそれぞれの必要な開口数NAの内、その最大NA
で設計されている。例えば、上記光学的透明層の厚み
(以下透明層厚みともいう)が1.2mmの光ディスク1
02のシステムで必要とされる開口数NAが0.52、
透明層厚み0.6mmの光ディスク103のシステムで必
要とされるNAが0.6のとき、図14の対物レンズ3
8は、開口数NAが0.6で、透明層厚み1.2mmに対
して球面収差が最小となるように設計されている。すな
わち、上記図10の曲線aに示すような対物レンズ軸上
球面収差となっており、透明層厚み1.2mmの光ディス
ク102を読み取る際には、図14の(a)に示すよう
に、スライド機構部35に設けられた開口部36aが切
換選択されることによって、補正は行われないが、開口
部36aの径等の寸法は、対物レンズ38の実質的な開
口数NAが0.52とされるように設計されている。ま
た、透明層厚み0.6mmの光ディスク103を読み取る
際には、図14の(b)に示すように、スライド機構部
35では補正レンズ37が切換選択され、この補正レン
ズ37は、上記図10の曲線aの透明層厚み0.6mmに
対応する球面収差である略々−0.4λrms と同量で逆
極性の収差である略々+0.4λrms を形成するように
設計されている。
【0084】一方、図15中の(a)は、厚みが1.2
mmの光学的透明層102bを有する光ディスク102を
再生する場合を示し、図15(b)は、厚みが0.6mm
の光学的透明層103bを有する光ディスク103を再
生する場合を示している。すなわち、上記光ディスク1
02を再生する場合には、光源31から出射された光
は、ビームスプリッタ33によりその一部が反射され
て、コリメータレンズ34において平行光にされた後、
対物レンズ38に入射し、集光されて光ディスク102
に入射するようになっている。
【0085】光学的透明層102bの厚みが1.2mm
の上記光ディスク102に照射された光は、この光ディ
スク102の記録層102a上に形成されたピットによ
る変調を受けた後、反射され、対物レンズ38を透過
し、さらにコリメータレンズ34、ビームスプリッタ3
3を透過して光検出器32に入射する。この光検出器3
2は、入射した光の光量に対応する信号を再生信号とし
て出力する。これにより、この光ディスク102に記録
された情報を再生したり、所定の情報を記録することが
できる。
【0086】一方、図15中の(b)に示すように、光
学的透明層103bの厚みが0.6mmの上記光ディス
ク103を再生する場合には、アパーチャ機能を有する
レンズ42を、対物レンズ38とコリメータレンズ34
の間に挿入し、コレメータレンズ34からの光束を絞る
ことにより、NAを小さくするようになされている。こ
れにより、例えば上記光ディスク102及び光ディスク
103の厚み差により生じる球面収差の量を抑制するこ
とができる。従って、補正レンズ37を用いることによ
り、上記光ディスク103に記録された情報を再生した
り、あるいは所定の情報を記録することができる。
【0087】二種類の光学記録媒体の光学的透明層の厚
みの相違による対物レンズ38の球面収差は、中央部と
外周部の二つの形状面を有する補正レンズ37を用いる
ことによっても補正することができる。
【0088】図16は、補正レンズ36の詳細な構成を
示している。補正レンズの対物レンズ38側の面36c
は所定の非球面形状をなし、補正レンズ36の入射瞳側
の中央部の面36aは所定の非球面形状をなし、その外
周部の面36bは所定の非球面形状をなしている。ま
た、面36c及び面36bの外周部には、不要な外乱光
などを遮光する遮光板39、40が設けられている。
【0089】図17は、図16に示した補正レンズ36
を通過する光束の進む経路を示している。補正レンズ3
6の中央部の面36aの部分を通過した光束50aは、
対物レンズ38において集光された後、集光点51aに
集光する。また、面36bの部分を通過した光束は、対
物レンズ38において集光された後、集光点51bに集
光する。集光点51bは光学的透明層102bの厚みが
1.2mmの光ディスク102に、集光点51aは光学
的透明層103bの厚みが0.6mmの光ディスク10
3に使用する。
【0090】例えば、光学的透明層の厚みの異なる光学
記録媒体に光を照射する場合、各集光点51a、51b
をそれぞれの記録面上に位置させるように設計すること
により、それぞれのレンズ群のW.D.を略々等しい値
にすることができる。
【0091】また、集光点51a及び集光点51bとの
間の距離が光束50bの焦点深度以上になるように面形
状を形成する。ここで、W.D.(Working D
istance)とは、図14中の(a)にて示すと、
対物レンズ38から光学記録媒体102までの距離であ
り、この対物レンズ38が移動可能な範囲である。
【0092】以上説明したような実施の形態によれば、
スライド機構部35の備える補正素子である補正レンズ
36、37を切り換えるだけの簡単な構成により、複数
種類、例えば2種類の透明層厚みが異なる光ディスク1
02、103を1つの光学ピックアップ装置を用いて再
生することができ、2種類のディスクシステムに対して
互換性のある再生装置を安価に提供することができる。
【0093】また、補正素子は補正レンズや開口部ある
いは透明板のような透明光学部品であるため、光源から
ディスク上への光量を減少させることが無く、光源から
の出力を有効利用できる。
【0094】また、上記図14の例では、1個の補正レ
ンズ37を用いるのみでよいため、安価である。これに
対して、上記図8の例では、2個の補正レンズ36、3
7が用いられているが、補正量が少なくて済むため、補
正の精度を高くとることができる。
【0095】さらに、上記図16の例では、中心部と外
周部との二つの形状面を有する補正レンズ36にて、異
なった光学的透明層の厚みを有する2種類の光学記録媒
体に対応することができるので、部品点数の低減ひいて
は価格の引き下げに寄与する。
【0096】なお、本発明は、上述した実施の形態の例
のみに限定されるものではなく、例えば、記録情報を読
み取るための光学系について説明したが、記録再生用な
どにも容易に適用可能である。また、光学的透明層の厚
みの異なる光ディスクの種類は2種類に限定されず、3
種類以上としてもよく、また光ディスク以外の種々の光
学記録媒体を用いてもよいことは勿論である。
【0097】
【発明の効果】この発明に係る光学ピックアップ装置
は、単一の光学ピックアップ装置にて光学的透明層の厚
みが異なる複数の種類の光学記録媒体に対応することが
できるので、この光学ピックアップ装置を備える記録再
生装置等の部品数を低減させることにより価格を低下さ
せる。
【0098】また、上記光学ピックアップ装置は、該光
学記録媒体への対応は、補正レンズ等を備える補正手段
をリニア駆動機構にて切り替えることにより行ってい
る。従って、機構が簡易であるので製造が容易であり、
また、他の種類の光学記録媒体へも補正手段の交換によ
り対応することができる。
【0099】上記光学ピックアップ装置においては、移
動体であるスライド機構部の位置決めは、このスライド
機構部の備える球体をシャフトに形成された溝に嵌合さ
せることにより行うので、衝撃が少なく、スライド機構
部等の寿命を長くすることができる。
【0100】また、上記位置決めにおいては、コイルと
マグネットからなる駆動機構にてスライド機構部をスト
ッパに常に当接させる必要がないので、コイルに通電す
る必要がない。従って、コイルの発熱による保持部材等
の膨張による変形による精度の低下を招来しない。
【0101】さらに、このスライド機構の位置において
は、シャフトに形成された溝とスライド機構部の備える
球体の嵌合により行うので位置精度が高い。従って、位
置精度を要するレンズ等の光学素子の移動操作装置とし
て適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学ピックアップ装置の横断面図
である。
【図2】上記光学ピックアップ装置の平面図である。
【図3】上記光学ピックアップ装置の縦断面図である。
【図4】上記光学ピックアップ装置のリニア移動機構の
横断面図である。
【図5】上記リニア移動機構の縦断面図である。
【図6】上記リニア移動機構の磁気回路の平面図であ
る。
【図7】上記磁気回路の左側面図である。
【図8】上記光学ピックアップ装置の光学系の断面図で
ある。
【図9】従来の光学ピックアップ装置の光学系の断面図
である。
【図10】1.2mm及び0.6mm厚の光学的透明層
に対応された対物レンズ軸上の収差の例を示すグラフで
ある。
【図11】0.9mm厚の光学的透明層の対物レンズ軸
上の収差の例を示すグラフである。
【図12】図8に示した光学ピックアップ装置の補正レ
ンズの断面図である。
【図13】上記ピックアップ装置の有限レンズ系の光学
系の断面図である。
【図14】上記ピックアップ装置において、補正素子と
して開口部を用いた光学系の断面図である。
【図15】1.2mm厚の光学的透明層に対応された光
学系の断面図である。
【図16】中央部と外周部との二つの形状面からなる補
正レンズの断面図である。
【図17】図16に示した補正レンズを透過する光束の
断面図である。
【符号の説明】
1 シャフト、1A 第1の溝、2 球体、3 バネ、
5スライド機構部、10 補正レンズアクチュエータ
部、12 リニア駆動コイル、14 補正レンズ、13
リニア駆動マグネット、20 二軸アクチュエータ
部、30 光学系、31 光源、34 コリメータレン
ズ、38 対物レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 道子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 光学記録媒体の記録面上にこの光学記録媒体の光学的透
    明層を介して上記光源よりの光を集光して照射する対物
    レンズと、 該光学的透明層の厚みに応じて上記対物レンズの球面収
    差を補正する補正手段とを有し、 上記補正手段は、補正素子とリニア駆動機構とを備え、
    上記補正素子は上記リニア移動機構によって光路内外に
    亘って移動操作されることを特徴とする光学ピックアッ
    プ装置。
  2. 【請求項2】 上記補正素子は、上記対物レンズに対し
    て入射瞳側に配設されることを特徴とする請求項1記載
    の光学ピックアップ装置。
  3. 【請求項3】 上記対物レンズは、光学的透明層の厚み
    が異なる2種類の光学記録媒体の一に対応した収差特性
    を有し、上記補正手段の補正素子は他の光学記録媒体に
    より生じる球面収差と同量で逆極性の収差を生成するこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 上記対物レンズは、光学的透明層の厚み
    が異なる2種類の光学記録媒体の光学的透明層の厚みの
    中間の厚みに対応した収差特性を有し、上記補正手段の
    補正素子は各光学記録媒体により生じる球面収差と同量
    で逆極性の収差を生成することを特徴とする請求項1記
    載の光学ピックアップ装置。
  5. 【請求項5】 上記対物レンズは、光学的透明層の厚み
    が異なる2種類の光学記録媒体に対応する開口数の内の
    大なる開口数を有し、上記補正手段の補正素子は上記開
    口数の内の小なる開口数にすることを特徴とする請求項
    1記載の光学ピックアップ装置。
  6. 【請求項6】 上記補正素子は、中央部と外周部との二
    つの形状面からなるレンズを用いることを特徴とする請
    求項1記載の光学ピックアップ装置。
  7. 【請求項7】 上記リニア移動機構は、高透磁率性の材
    料にて形成されたシャフト、コ字形状の両端を上記シャ
    フトの両端に接合される高透磁率性の材料にて形成され
    たヨーク、及びこのヨークに被着されたマグネットから
    なる磁気回路と、駆動コイル及び補正素子を有する移動
    体とを備えることを特徴とする請求項1記載の光学ピッ
    クアップ装置。
  8. 【請求項8】 上記シャフトは軸方向に略々垂直な方向
    に形成された溝を少なくとも一つ有し、上記移動体は上
    記シャフトに押接せられる球体を有し、この球体が該溝
    に嵌合されることにより上記移動体の位置決めがなされ
    ることを特徴とする請求光7記載の光学ピックアップ装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7369482B2 (en) 2003-09-04 2008-05-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical pick-up aberration correcting mirror, aberration correcting method and optical pick-up

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US7369482B2 (en) 2003-09-04 2008-05-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical pick-up aberration correcting mirror, aberration correcting method and optical pick-up

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