JPH1024109A

JPH1024109A - ペーシング装置

Info

Publication number: JPH1024109A
Application number: JP9092879A
Authority: JP
Inventors: Harry B A Kerver; ハリービー．エー．カーバー
Original assignee: Vitatron Medical BV
Current assignee: Vitatron Medical BV
Priority date: 1996-03-28
Filing date: 1997-03-28
Publication date: 1998-01-27
Also published as: US6223081B1; EP0798016A3; EP0798016B1; DE69726783D1; DE69726783T2; EP0798016A2

Abstract

(57)【要約】【課題】心臓の動作を示す圧力信号を、すでに患者の
体内にある標準的ペーシングリードを利用してペースメ
ーカーへ伝達し、これを感知してペースメーカーの動作
を制御する。【解決手段】リードの内腔を通して圧力信号を患者の
心臓からリードの近位端へ伝える。リードの近位端は、
ペースメーカー内の密閉シールした本体内に取り付け、
圧力センサーに接続する。センサー信号を処理回路で処
理して、ペーシングレートのようなパラメーターの制御
に使用する。ペースメーカー本体の内部に設けた圧力セ
ンサーに、電気的貫通接続体を通して電気的センサー信
号を伝送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、植え込み型の医療
用装置の分野に関する。特に、ペーシングリードと圧力
センサーを含み、患者の心臓に刺激パルスを供給するペ
ースメーカーを有し、ペーシングリードがペースメーカ
ーに接続して圧力センサーに心臓の圧力信号を伝えるペ
ーシング装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】植え込
み型の医療用装置では、心臓等の人体器官から情報を得
るため、あるいは呼吸のような人体機能に関する情報を
得るためのセンサーを作りだす相当の努力がなされてい
る。これらの目的のために、外部型でも植え込み型でも
ペースメーカー、電気的除細動器／細動除去器、薬剤デ
ィスペンサー、心臓モニタ及びさまざまな異なるタイプ
の刺激器を含む医療用装置にはカテーテルとリードが広
く使用されている。一般的なこの種の装置では、人体器
官か人体に装置を相互接続するために１つ以上のカテー
テルかリードを有する。本明細書では、カテーテルとリ
ードという用語を互いに交換可能に使用している。即ち
リードかカテーテルは、その遠位端と装置の間で電気信
号を伝えるために、及び／又は装置への人体からの圧力
か他の信号を伝えるために人体に装置を接続する。たと
えばペーシングリードの遠位端に１つ以上の電極を含
み、リードの長さ方向に伸びる導電体が心臓に刺激パル
スを伝え、かつペースメーカーに心臓信号を伝える。治
療及び診断用のパラメーターを感知するために、リード
をセンサーに含ませることが知られている。リードある
いはカテーテルは、その近位端にはセンサー信号を戻す
ための補助的導電体を備え、ペースメーカーあるいは他
の装置へ接続している。センサーは、心臓の電気的体動
を感知するのに加えて、血液圧力波、音波、呼吸音等の
感知にも使用されている。このような多種類の適用のた
めに、植え込み型装置へ人体からの信号を効率的に伝送
する必要性がある。本発明は、種々のそのような適用を
可能とするペーシング装置を提供する。

【０００３】現代のペーシング装置は、ペーシングパル
スを固定的レートだけで供給した初期ペースメーカーか
らは非常に発展している。多くのペースメーカーは、異
なるモードで作動し、異なるペーシングパラメーターで
もって作動するために、幅広くプログラムできる。特に
多くのペースメーカーは、レート応答型であり、レート
変化に対する患者のデマンドあるいは必要性を自動的に
感知し、ペーシングレートを調整するようになってい
る。ペーシング装置に提供すべき情報には、患者の物質
代謝の必要性と心臓の経歴に関するセンサー情報も含ま
れる。ペースメーカーの能力、即ち補助的診断上の機能
を保証し、そして正確にペースメーカー機能を物質代謝
の必要性に適合させる能力は、良質のセンサー情報が得
られるかどうかに依存している。

【０００４】周知のように、レート応答ペースメーカー
あるいはレート適応ペースメーカーでは、生理学的にベ
ースとされる異なる信号を得るために多くの異なるセン
サーを利用する。実際の心臓機能の指標を提供するセン
サーが、より多く使用されるようになってきている。例
えば、患者の右心室の内圧や、心内膜心筋圧力、あるい
は心筋収縮性を測定するセンサーが使用されている。患
者の心臓内での感知圧力は、患者の必要性を正確に決定
するための電位差を与えることで知られている。米国特
許第５、３５３、８００号には、心臓ペーシングシステ
ムで使用される圧力センサーの多くの異なるタイプが開
示されている。この先行技術で論じられているように、
心臓内の圧力変化を測定するために、心臓内に位置させ
るセンサーを担持するのに適する特殊なリードがある。
圧力センサーは、このペーシングリードの遠位端端に位
置させる。もちろんその位置は、センサー応答が最大と
なる位置とする。ペースメーカーとセンサー間で双方向
に信号を伝達するためのリードは、リードの全長にわた
った余分なワイヤーを必要とする。センサーをリード端
に包含させ、その上リードを必要な最小寸法に維持する
のはかなり難しい。従って、新たに植え込むペーシング
装置でも置換するペーシング装置でも、一個以上の圧力
センサーをペースメーカー自身が備えるようにすること
が有利である。圧力センサーは心臓の動作を示す圧力信
号を受信し、この信号は、標準的ペーシングリードを通
して伝送され、ペースメーカーに取り付けられたセンサ
ーに供給される。本発明によるそのような装置は、いか
なる特殊なリード構造も不要で、リードをセンサーに取
り付けることに関する問題もなく、心臓内でセンサーを
適切に位置させることができる。また、ペースメーカー
を必要としている患者やあるいはパルス発生器の置換が
必要な患者で既に標準的なリードを有する者のために、
植え込まれたペーシングリードを通して伝えられる圧力
信号を確実に受信する装置を含むペースメーカーに置換
できるという利点がある。ペースメーカーのような制御
装置に心臓等の人体器官から圧力信号を伝えるための公
知のカテーテルやリードを有する植え込み型のシステム
を提供使用とする先行技術については、米国特許第４、
７６３、６４６号と同第５、３５３、８００号を参照さ
れたい。これらの米国特許は、ペースメーカー本体内部
への圧力信号の伝送については開示するが、これを実現
するための構造は開示していない。従って植え込み型の
装置では、特にペースメーカーでは、圧力信号のような
信号を植え込み型装置へ人体内部から常時伝送すること
について、信頼できるシステムが必要とされている。

【０００５】そこで本発明は、植え込み型の医療用装
置、特に心臓等の人体からペースメーカー等の植え込み
型装置に圧力信号を信頼できる形態でかつ効率的に伝送
し、正確な情報をその圧力信号から得ることができるよ
うにするペーシング装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項１に
係るペーシング装置は、上記目的を達成するために、ペ
ーシングパルス供給するペースメーカーと、該ペースメ
ーカーと患者の心臓の間における電気信号の伝送用のペ
ーシングリードを有するペーシング装置であって、上記
リードが、患者の心臓に配置する遠位端と、近位端と、
心臓の動きによって引き起こされる圧力変化を全長にわ
たって伝達する内腔とを有し、上記内腔の基端に端部開
口を有し、上記ペースメーカーが、上記リードの近位端
を受け入れるコネクター部を有し、さらに、上記伝達さ
れた圧力変化に対応する信号を作り出す圧力センサー
と、上記ペースメーカーを上記伝達された圧力変化と関
係させて制御するために上記圧力センサーに接続する制
御手段とを有するペーシング装置において、上記圧力変
化を受信するキャビティを有し上記内腔基端の開口と上
記圧力センサーの間の圧力変化を結合させる結合手段
と、上記キャビティにセンサーを搭載するためのマウン
ト手段とを有することを特徴とする。

【０００７】同請求項２に係るペーシング装置は、上記
リードが、上記リード内腔への心臓の圧力変化の伝達が
可能な高い伝達特性を有する遠位側部分を有することを
特徴とする。

【０００８】同請求項３に係るペーシング装置は、上記
ペースメーカーが第１のシール部分を有し、該第１のシ
ール部分が、パルス発生器、上記制御手段、上記第１部
分と上記コネクター部分の間で電気信号を接続する第１
貫通接続手段、及び上記制御手段に上記センサー信号を
接続する第２貫通接続手段を含むことを特徴とする。

【０００９】同請求項４に係るペーシング装置は、上記
ペースメーカーが、パルス発生器と上記制御手段を含む
第１部分を有し、上記圧力センサーを上記第１部分に取
り付けてなることを特徴とする。

【００１０】同請求項５に係るペーシング装置は、体液
が上記第１部分へ侵入することを防ぐシール手段を含
み、上記結合手段が、上記圧力センサーに上記基端の開
口からの上記圧力変化を供給する貫通接続手段を含むこ
とを特徴とする。

【００１１】同請求項６に係るペーシング装置は、上記
キャビティと上記圧力センサーが上記コネクター部分に
位置することを特徴とする。

【００１２】同請求項７に係るペーシング装置は、上記
キャビティが、伝えられた圧力変化を効率的に受信する
サイズを有することを特徴とする。

【００１３】同請求項８に係るペーシング装置は、上記
内腔が第１の容量を有し、上記キャビティが第２の容量
を有し、該第２容量が、上記第１容量の１０％を超えな
いことを特徴とする。

【００１４】同請求項９に係るペーシング装置は、上記
センサーが、上記ペースメーカーの第２の部分に位置す
ることを特徴とする。

【００１５】同請求項１０に係るペーシング装置は、上
記センサーに圧力変化を接続する圧力貫通接続を有する
ことを特徴とする。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図１は、ペースメーカー２８とリー
ド３４を含む本発明の一実施形態に係るペーシング装置
の一例を示す。ペースメーカー２８は、本体あるいは容
器３０を有し、これにペースメーカー電子回路部とヘッ
ダーあるいはコネクター部分３２（以下では、ときには
コネクターアセンブリという。）を収容している。本体
３０は、体液からパルス発生器その他の電子回路部を保
護するために密閉シールした容器としてある。コネクタ
ーアセンブリ３２は、周知の形態で、ペースメーカーと
リードの間の機械的及び電気的な接続を提供する。米国
特許第５、１８８、０７８号、同第５、３１２、４４１
号、同第５、３４２、４０６号には、植え込み型のパル
ス発生器か植え込み型のペースメーカー−電気的除細動
器−細動除去器を伴うコネクターアセンブリの構造が開
示されている。

【００１７】リード３４は、右心室の先端に挿入する遠
位端３５Ｅに先端電極３５を有する。単一の単極リード
だけを示すが、本発明は、単腔リードでも２腔リードで
も実施でき、リードは単極でも双極でもよい。リードの
近位端３６は、コネクターハウジング３３に形成した開
口あるいは孔３１に挿入する。ハウジング３３は、適当
な未着色の透明エポキシで形成する。第１コネクターブ
ロック３８は、双極リードのリング電極まで伸びる導電
体の電気的接触に使用する。第２コネクターブロック３
９は、導電体と電気的に接触するために、先端電極まで
伸びる。コネクターブロックは、挿入されたリードを固
定するネジ部かスプリング状のリードリテーナを有し得
る。センサー４４は、リード３４の内腔を通して伝えら
れる圧力信号を受信するように位置させてある。貫通接
続部材４５は、センサー４４からの電気信号をペースメ
ーカーの内部に供給する。標準ペーシングリードという
用語は、たとえば、スタイレットを植え込み手術の間に
挿入できるような１個の中央内腔を有するものをいう。
この内腔は従来と同様に遠位端と近位端を有する。

【００１８】図２は、リードの近位端３６の詳細とセン
サー４４への相対配置を示す。リードは内腔３７を有す
る。この内腔３７は一般的にはリードの中心に沿って位
置する。リードの長手方向に伸びるコイルは、近位端と
遠位側の電極の間で電気的な相互連結を提供している。
内腔３７の開口４３は、スタイレットを受け入れ得るサ
イズの孔径を有する。開口４３は、ヘッダー部分のキャ
ビティ６６に開口する。センサー４４は、内腔の開口４
３に接近して取り付けられている。実際には、キャビテ
ィと内腔が良い伝送整合を有するように、キャビティを
できるだけ小さく製造することが重要である。このキャ
ビティの容量は内腔の容量に追加され、このキャビティ
をより大きくすれば利用できる圧力変化が小さくなる。
従ってキャビティ容量は、内腔の容量より非常に小さい
ことが好ましい。１１０〜１４０ｍｍ³ の内腔容量のあ
るリードには、キャビティ容量は、最大でもその１０
％、即ち約１４ｍｍ³ であることが好ましい。圧力セン
サー部材は、２層からなる。即ち、一緒にシールされた
シリコン背板６５とシリコンダイヤフラム６８である。
絶対圧力センサーを作るために、この構造の内側のキャ
ビティを排気する。この実施例では、図４で詳細に示す
ように、センサーの出力がリード７０によって取り出さ
れ、ペースメーカー本体３０の内部に貫通接続部材によ
って伝えられる。

【００１９】図３は、本発明の他の実施形態を示す。こ
の実施形態は、圧力信号が、本体３０を通して内腔の開
口４３から、図示のように本体３０とセラミック製の貫
通接続プレート７３を通る貫通接続部材４５を介してセ
ンサー５０に伝えられる。導管材料は、たとえば適当な
プラスチックチューブ等の絶縁体とするか、あるいは、
電気及び圧力の貫通接続のために金属パイプとすること
ができる。パイプ内の媒体は、空気だけとするか、ある
いは圧力信号を伝えるのに適当なゲルで満たすことがで
きる。ペースメーカー本体内にある貫通接続部材４５の
端部が、センサー５０のセンサー部材に直結する。セン
サー部材は、図示のように、貫通接続プレート７３とシ
ールされた内周カバー７２によって形成するキャビティ
内に取り付けられる。シールされた内周カバーは、セン
サー部材の損傷と、ペースメーカー内への漏れを防ぐ。
温度変化による内部のガス圧力の影響を避けるために、
カバー７２内を排気する。センサーの信号出力は、ハイ
ブリッド回路７５に一本以上のワイヤー７４を通して接
続する。

【００２０】貫通接続部材４５を設けた本実施形態で
は、金属パイプを、信号を圧力に伝えるための導管と先
端電極への電気的接続を提供するために利用する。金属
パイプは、端子部分に適切に接続するとともに内腔の開
口４３をも接続できる形状としなければならない。この
実施例では、セラミック製の貫通接続プレート７３に導
電体（図示せず）を含み、金属パイプから電気信号を取
り上げ、ハイブリッド回路に接続するようにしてある。

【００２１】図４は、本発明のペーシング装置のペース
メーカー部分を示す。図示のように、リード３４は、ヘ
ッダー３２内でペースメーカーの近位端に連結する。貫
通接続部材４７は、リードとペースメーカー本体３０の
内側の間を電気的に接続する。また、毛管状に細い貫通
接続部材４５がリードとセンサー５０の間の圧力信号を
伝えるようにペースメーカー内部に取り付けてある。図
２の実施例では、貫通接続部材４７も、圧力センサーか
らの信号を担持するが、図３の実施例では、貫通接続部
材４５は、コネクターブロックとペースメーカーの内側
の間の圧力信号を伝える。

【００２２】センサーを、ヘッダー３２内あるいは本体
３０内のいずれに取り付けても、センサー信号をセンサ
ー信号アンプ５４に伝え、その後、演算回路５５で処理
する。図５に示すように、ＤＣ成分を濾波し（絶対圧力
センサーの場合）、マイクロプロセッサによる記憶と使
用に適する信号を作り出す。これらの回路は、図３に符
号７５で示すハイブリッド回路に含ませ得る。処理した
センサー信号は、図４で示すようにマイクロプロセッサ
を含む制御回路５６に伝える。マイクロプロセッサは、
ペースメーカー技術で公知の態様で、ペーシングパルス
発生器４８を制御するための多くの制御信号を発生させ
る。本発明では、これらの信号の１つを、処理した圧力
センサー信号からレート信号として得る。ペーシングパ
ルス発生器の出力は、ペーシングリードに貫通接続部材
４７を通して伝わる。ペーシングパルス発生器の出力は
制御回路にも伝えられ、ペーシングパルスが供給された
とき及び心臓からペースメーカーにリード３４を介して
信号が伝えられたとき、制御回路が情報を受信する。診
断回路５８は、圧力センサーによって得られたこの情報
を含む診断上の情報を記憶する適当なメモリを有する。
これらの情報は、ペースメーカー動作のさらなる制御に
使用でき、あるいは既知の態様で外部装置へ読み出すた
めに記憶する。

【００２３】本発明は特殊なリードを必要としない。従
って、内腔をその全長にわたって有するペーシングリー
ド、例えばスタイレットを受け入れ得る標準的なペーシ
ングリードを発明で使用できる。本発明者は、型式ＫＰ
Ｙ４３Ａの圧力センサーを含むテストを行った。このテ
ストでは、型式ＩＳ−ｌのリードをヘッダーに挿入し、
圧力変化をリードの遠位端に印加した。圧力変化が、リ
ードパイプの圧縮を引き起こし、内腔中の圧力の相対的
変化を引き起こした。測定の結果、遠位端における４０
ｍｍＨｇの圧力変化が、約０．４ｍｍＨｇの内腔の圧力
変化を引き起こしたことを近位端で検出した。

【００２４】以上説明してきたように、本発明で標準的
なペーシングリードを使用できるが、特定のポイント、
特に遠位端でより高感度に変化するタイプのリードをも
使用できる。リードには遠位端における圧力変化により
高感度にすること、即ち高い伝達特性を有すること、あ
るいは曲げ応力を相対的圧力変化により高感度に変化さ
せることができるものを用い得る。たとえ検出された圧
力変化が相対的であっても、それらはペーシング環境で
の使用のために顕著な情報を提供するように処理できる
形態を示す。実際に、本発明のシステムを使用して遂行
したテストで記録した圧力信号は、はっきりと心房収縮
と心室収縮を示した。心房収縮は、心室収縮より小さい
ピークを示すが、それらは分離でき、Ｐ波とＱＲＳ群情
報が利用できるようなる。従って、心臓から圧力信号を
伝えるために特別に変更されたリードでも標準的なペー
シングリードでも、本発明のシステムは、２腔ペーシン
グに使用でき、特にＶＤＤモードペースメーカーに使用
できる。従って、圧力信号の適切な処理を行え、心室ペ
ーシングを検出した心房収縮に関して同期させることが
できる。圧力信号は、呼吸、分換気等に関する他の有用
な情報をも含み得る。

【００２５】図５には、センサーからのアナログ出力の
電気的処理の中の主要なステップを簡単に示すブロック
図である。ブロック８５で、アナログ信号を増幅し、ブ
ロック８６で、本システムに必要な信号に適合するよう
に帯域濾波する。絶対圧力センサーの場合、濾波は、Ｄ
Ｃ成分濾波を含むが、相対圧力センサーを使用するシス
テムでは不要である。次のブロック８８では、濾波され
た信号を、所定時間にわたって取り出し（ウィンドー
化）、閾値検知を行う。この後、信号の識別部分をデジ
タル信号に変換し、所望の制御、たとえば次の心室及び
／又は心房ペーシングパルスを制御するために処理す
る。もちろん、２腔ペースメーカーでは、別個に心房圧
力信号と心室圧力信号を供給する２つのリードがある。
処理のステップは、適当な最小クロストークをもって増
幅された心房及び心室信号を得るために、これらの各信
号を比較する。また、ＶＤＤペースメーカーでは、心房
及び心室信号は、所定時間にわたる分と取り出すための
処理と相対的な周波数あるいは信号の形態的特性に基づ
いて分離される。

【００２６】なお本発明は、ペースメーカーその他の医
療用装置での圧力データの使用には限定されない。例と
えば、ペースメーカーでは、圧力データを誘発反応の確
認に使用できる。また誤感知を除外するために、体動セ
ンサーと協力して使用することもできる。制御や診断た
めに、圧力信号を、ＱＲＳ群とＴ波のような検出された
心臓の信号と結合させてもよい。同様にＥＭＩ検知と拒
絶反応は、圧力信号を利用することによって高め得る。

【００２７】

【発明の効果】本発明に係るペーシング装置は、圧力セ
ンサーを患者の心臓に位置させたリード部内に設けるシ
ステムと比較して、植え込み型のペースメーカーでの圧
力センサーを利用するという目的に合致し、本発明では
標準的ペーシングリードあるいは他のペーシングリード
の内腔を通して患者の心臓から伝わる相対圧力信号を利
用でき、この信号はペースメーカーコネクターブロック
内であるいは被包したペースメーカー本体内に取り付け
られた圧力センサーにも伝わるので、この装置によっ
て、ペースメーカーに取り付けたセンサーが、心臓動作
の探知できる圧力変化、即ち収縮と弛緩を示す信号を受
信でき、また、あるパラメーター信号、即ちペースメー
カーを制御することに使用するペーシングレートのよう
な作動変数にそのような相対圧力信号を変化させること
ができる。

【００２８】また本発明のペーシング装置は、第２の参
照センサーを採用でき、それは複数のリード／カテーテ
ルを植え込み型装置に圧力信号を伝えるために採用で
き、１個の中央内腔を有する標準ペーシングリードを備
えるペーシング装置が提供される。このシステムでは、
ペーシングリードの遠位端を、患者の心臓に挿入し、近
位端を植え込まれたペースメーカーのコネクターブロッ
クに接続すると、心臓の動作が、リードの遠位側部分の
外壁あるいはケーシングに圧力変化を作り出し、この相
対的変化が内腔に伝わり、リードの近位端へ内腔の全長
を通して伝わり、ペースメーカーは、種々の信号を使用
して診断上の情報を蓄積するとともにペーシングレート
を制御できる。

【００２９】本発明のペーシング装置は、圧力センサー
を、密閉シールしペースメーカー本体内に取り付け、リ
ード内腔を通して伝わった相対圧力変化が、さらに基端
の内腔開口と圧力センサーが相互に接続している貫通接
続手段を通して伝わるシステムなので、内腔を有する標
準的ペーシングリードを備えた患者に植え込まれたペー
スメーカーを置換することにも適応でき、それによっ
て、心臓あるいはその周囲を起源とする圧力信号を使用
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るペーシング装置の概念図で、本発
明に係るペーシングリードで接続した植え込み型のペー
スメーカーを有し、ペーシングリードの遠位側の部分を
患者の心臓に挿入した状態を示す。

【図２】本発明の第１の実施形態の詳細図で、圧力変換
器をペースメーカーのヘッダー部分内でのキャビティに
搭載した状態を示す。

【図３】本発明の他の実施形態を示す詳細な図である。
リードからの圧力信号が、ヘッダー部分の貫通接続部材
を通してペースメーカー本体内に取り付けた圧力センサ
ーに伝わるだけの状態を示す。

【図４】本発明に係るペースメーカーの主要部分を示す
ブロック図で、ペースメーカーへのペーシングリードの
相互接続状態を示す。

【図５】本発明により得られた圧力信号データを利用す
るために取られる一次加工ステップを示すフローチャー
トである。

【符号の説明】

２８ペースメーカー３０ペースメーカーの本体（容器）３１開口あるいは孔３２ペースメーカーのヘッダー（コネクター部分、コ
ネクターアセンブリ）３３コネクターハウジング３４リード３５先端電極３５Ｅリードの遠位端３６リードの近位端３７リードの内腔３８第１コネクターブロック３９第２コネクターブロック４３リードの内腔の開口４４センサー４５貫通接続部材４７貫通接続部材４８ペーシングパルス発生器５０センサー５４センサー信号アンプ５５演算回路５６制御回路５８診断回路６５シリコン背板６６ヘッダー部分のキャビティ６８シリコンダイヤフラム７０リード７２内周カバー７３貫通接続プレート７４ワイヤー７５ハイブリッド回路

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ペーシングパルス供給するペースメーカ
ーと、該ペースメーカーと患者の心臓の間における電気
信号の伝送用のペーシングリードを有するペーシング装
置であって、上記リードが、患者の心臓に配置する遠位
端と、近位端と、心臓の動きによって引き起こされる圧
力変化を全長にわたって伝達する内腔とを有し、上記内
腔の基端に端部開口を有し、上記ペースメーカーが、上
記リードの近位端を受け入れるコネクター部を有し、さ
らに、上記伝達された圧力変化に対応する信号を作り出
す圧力センサーと、上記ペースメーカーを上記伝達され
た圧力変化と関係させて制御するために上記圧力センサ
ーに接続する制御手段とを有するペーシング装置におい
て、上記圧力変化を受信するキャビティを有し上記内腔
基端の開口と上記圧力センサーの間の圧力変化を結合さ
せる結合手段と、上記キャビティにセンサーを搭載する
ためのマウント手段とを有することを特徴とするペーシ
ング装置。
【請求項２】上記リードが、上記リード内腔への心臓
の圧力変化の伝達が可能な高い伝達特性を有する遠位側
部分を有することを特徴とする請求項１のペーシング装
置。
【請求項３】上記ペースメーカーが第１のシール部分
を有し、該第１のシール部分が、パルス発生器、上記制
御手段、上記第１部分と上記コネクター部分の間で電気
信号を接続する第１貫通接続手段、及び上記制御手段に
上記センサー信号を接続する第２貫通接続手段を含むこ
とを特徴とする請求項１のペーシング装置。
【請求項４】上記ペースメーカーが、パルス発生器と
上記制御手段を含む第１部分を有し、上記圧力センサー
を上記第１部分に取り付けてなることを特徴とする請求
項１のペーシング装置。
【請求項５】体液が上記第１部分へ侵入することを防
ぐシール手段を含み、上記結合手段が、上記圧力センサ
ーに上記基端の開口からの上記圧力変化を供給する貫通
接続手段を含むことを特徴とする請求項４のペーシング
装置。
【請求項６】上記キャビティと上記圧力センサーが上
記コネクター部分に位置することを特徴とする請求項１
のペーシング装置。
【請求項７】上記キャビティが、伝えられた圧力変化
を効率的に受信するサイズを有することを特徴とする請
求項６のペーシング装置。
【請求項８】上記内腔が第１の容量を有し、上記キャ
ビティが第２の容量を有し、該第２容量が、上記第１容
量の１０％を超えないことを特徴とする請求項７のペー
シング装置。
【請求項９】上記センサーが、上記ペースメーカーの
第２の部分に位置することを特徴とする請求項１のペー
シング装置。
【請求項１０】上記センサーに圧力変化を接続する圧
力貫通接続を有することを特徴とする請求項９のペーシ
ング装置。