JPH1024025A - Mri用rfコイルユニットおよびコイル調整方法 - Google Patents

Mri用rfコイルユニットおよびコイル調整方法

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JPH1024025A
JPH1024025A JP8184998A JP18499896A JPH1024025A JP H1024025 A JPH1024025 A JP H1024025A JP 8184998 A JP8184998 A JP 8184998A JP 18499896 A JP18499896 A JP 18499896A JP H1024025 A JPH1024025 A JP H1024025A
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JP
Japan
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coil
coils
mri
coil unit
circuit
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JP8184998A
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English (en)
Inventor
Takashi Minemura
隆司 峯邑
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の磁気的干渉低減のための専用の回路又は
コンポーネントを付加することなく、RFコイル間の磁
気的干渉を簡素な構成で確実に低減させるとともに、確
実に所望の磁場分布を得る。 【解決手段】磁気共鳴イメージング(MRI)用の高周
波磁場の送信および受信の内の少なくとも一方を担うよ
うに形成した2個のRFコイル21H,21Vと、この
2個のRFコイル21V,21Hの出力インピーダンス
を調整するためのチューニング・マッチング回路22
a,22bとを備えるRFコイルユニット。2個のRF
コイル21V,21HはQDコイルを成す。2個のRF
コイル21V,21Hの内の少なくとも1つのRFコイ
ル21Hの巻線途中に、RFコイル21Hのリアクタン
スを調整可能な集中定数型の可変コンデンサ23を介挿
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子核スピンの磁
気共鳴(MR)現象を利用して被検体の診断部位の画像
化を行う磁気共鳴イメージング(MRI)装置に係わ
る。とくに、MR信号を励起するために高周波(RF)
信号を送信し、および/または、励起したMR信号を受
信するRFコイルを複数個備えた多素子型のRFコイル
ユニットおよびそのようなRFコイル相互間の磁気的干
渉低減のための調整方法に関する。RFコイルは単に
「プローブ」又は「コイル」とも呼ばれる。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング装置は、静磁場中
に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高
周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生する
MR信号に基づいて画像を再構成したり、スペクトルデ
ータを得る装置である。
【0003】上述の高周波信号を被検体に向けて送信し
たり、被検体から発生されたMR信号を受信するため
に、磁気共鳴イメージング装置にはRFコイルが設けら
れている。このRFコイルには、送受信を1つのコイル
ユニットで兼用するタイプのもの、送信および受信を別
々のコイルユニットで行うタイプのものがあり、またそ
の巻線パターンの形状や磁場分布の形状によっても種々
のタイプのものに分類される。
【0004】近年、高S/N比の確保、FOVの拡大な
どの要求を満たすRFコイルユニットとして、RFコイ
ル(巻線)を複数個組み合わせて使用する多素子型のR
Fコイルが栄んに使用されるようになってきた。QDコ
イル、フェーズドアレイコイル、マルチビューコイルな
ども、この多素子型に入る。
【0005】このような多素子型のRFコイルユニット
の場合、RFコイルが複数個、相互に関連する磁場影響
下に置かれることから、RFコイル間の磁気的干渉を防
止(低減)することが画質向上の上で必須となってい
る。
【0006】多素子型のRFコイルユニットの場合、そ
の幾何学的パターンおよびパターン上のリアクタンス成
分の分布が理想的な対称性を保っているならば、RFコ
イル間に磁気的な干渉は発生しない。しかし実際には殆
んど(全部)の場合、かかる対称性が崩れているので、
非対称性分を補償して磁気的干渉を低減させるために格
別な専用回路や手段を用いる必要があった。
【0007】従来の磁気的干渉低減のための専用回路と
しては図26〜図29に示すものが知られている。この
内、図26記載のRFコイルユニットは、例えば2個の
RFコイル(矩形表面コイル)201,202が近接し
て配置され、そのRFコイル201,202につながる
チューニング・マッチング回路204,205間に結線
型の中和回路203が接続されている。この中和回路2
03の並列共振によって2つのRFコイル201,20
2間が磁気的に遮断される。
【0008】また図27記載のRFコイルユニットの場
合、同様の2つのRFコイル201,202間に非結線
(非接触)型の中和回路206を磁気的に配している。
この中和回路208は例えば8の字状のループコイルと
その途中に介挿した可変コンデンサとを有し、そのルー
プコイルのキャンセル用磁束により干渉を低減させるも
のである。
【0009】また複数のRFコイルを幾何学的にオーバ
ーラップさせて干渉低減させることもできる。例えば図
28に示すように、RFコイル201,202の一辺の
長さをAとしたとき、その約1/10程度の長さ分をオ
ーバーラップさせるものである。このオーバーラップ量
の約「A/10」を調整して両方のRFコイル201,
202間の互いに逆向きの干渉磁束をネット零にするこ
とで干渉低減効果が得られる。しかしながら、この手法
の場合、オーバラップ量の変化に対する低減効果の有無
が敏感すぎて、RFコイルの幾何学的配置が難しい。そ
こで、オーバーラップ量を調整することと等価なことを
電気的に行おうとするのが図29の回路である。すなわ
ち、分流用パス201Aを設け、このパス201Aの途
中にリアクタンス調整回路207を挿入している。この
リアクタンス値を調整して分流電流値を変えることで、
前記オーバーラップ量の調整と等価な作用が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のRFコイル間の干渉低減対策は、近年のように
RFコイル数が大幅に増加した場合には不充分で、RF
コイル間の磁気的干渉の問題およびこれに付随する種々
の問題を露呈していた。具体的に以下のようである。
【0011】まず、図26に示すように結線型の中和回
路203を設ける場合、2つのRFコイル201,20
2がつくる個別の閉ループのほかに、中和回路203を
通る3番目の閉ループができる。すなわち、少なくとも
3つの閉ループが形成される。アレイコイルのように複
数のRFコイルを近接して配置する構成のRFコイルユ
ニットの場合、第3番目以降のRFコイルに対してこの
3つの閉ループがそれぞれ干渉する可能性がある。仮り
に3個のRFコイル間で中和回路を使って干渉低減を行
おうとする場合、さらに3つの閉ループが加わり、全体
では合計6つの固有値(独自の共振周波数)を有する回
路となってしまう。n個のRFコイルの場合、「nC2
=n(n−1)/2」個の中和回路が配置される。各々
の閉ループの共振周波数は自己又は他のRFコイルのチ
ューニング・マッチング回路および中和回路の調整状態
に依存して複雑に変化し、もはや互いに独立ではなくな
る。この結果、中和回路に拠る調整が実際上収束しない
で干渉低減効果が薄れるか、あるいは収束するとして
も、相当に長い調整時間を要し、作業能率を著しく低下
させてしまうという問題もあった。
【0012】また図27に示す非結線型の中和回路を用
いる場合も、発生する調整固有値の数は図26のものと
変わらないので、上述と同等の問題があった。これに加
えて、かかる非接触の中和回路部分が磁束を収束させて
干渉を相殺する構成であるため、RFコイル間の干渉が
比較的大きい場合、高周波磁場分布がRFコイル単独で
存在させるときの分布から大きくずれてしまい、目的と
した磁場分布とはならない。これにより、高周波信号の
送受信に影響が出るという問題があった。
【0013】さらに図29の回路構成を採る場合、リア
クタンス調整回路207の配置位置を特定しておく必要
がある。この配置位置の特定は手間が掛かり、煩雑な作
業になる。また、このRFコイルのユニットを受信専用
コイルユニットとして用いる場合、送信時に受信専用回
路を完全に切り離すには、トラップ回路と呼ばれる並列
共振回路を追加して、分流用パスによって増えた閉ルー
プも電気的に切らなければならない。このようなトラッ
プ回路の追加によりRFコイルユニットの大形化、複雑
化を招来してしまうという問題があった。
【0014】このように干渉低減専用回路の個々の問題
に加えて、多素子型コイルの場合には専用回路の付加が
RFコイルユニットの回路構成全体を著しく大形化・複
雑化させてしまうという実際上無視できない問題があ
る。
【0015】使用するRFコイル数が例えば「2」のよ
うに少ない場合、この回路構成の複雑化はさほど問題視
されなかった。しかし、近年では例えばアレイコイルの
ように3以上の複数のRFコイルが互いに近接配置され
て1つのRFコイルユニットを成すことが多くなってき
ている。このような多素子型コイルにおいてコイル間の
磁気的干渉を減らそうとすると、回路の複雑さおよび困
難さの程度はコイル数が増えるにつれて級数的に増大す
る。したがって、現状ではある程度の干渉は止むを得な
いものとして受け入れ、回路規模との妥協を図るという
ものが殆んどであった。
【0016】一方、多素子型コイルとしてQDコイルの
ユニットを用いたときにもRFコイル間の磁気的干渉に
起因して種々の問題が提起されている。
【0017】RFコイルユニットがQDコイルの構造に
なっていない場合、図30に示す表面コイルのように、
患部の囲りの横方向に4個のRFコイル211,…,2
11を配置して、4RFコイルのボリューム形のリニア
アレイコイルを形成できる。しかしながら、RFコイル
ユニットをQD化した場合、その複数個のQDコイルを
体軸の径方向に並置することはできない。すなわち、図
31に示す従来形のQDコイル212のようにコイルの
巻きパターンのみに所望の自由度を持たせてアレイ配置
する場合、患部の上下に離して2個を配置するのが限度
であった。
【0018】図32および図33にそれぞれ、その2個
のQDコイルの配置例を示す。図32は、表面型のQD
コイル213,213を2個、Z軸(静磁場方向)に沿
って並置した例を示す。この場合、各々のQDコイルが
Z軸方向に関して(Z軸方向に沿って見て)左右対称な
構造になる。このため、QDコイルの一方を他方に対し
てZ軸方向に一部オーバーラップ(図中のA部分)させ
ることで、QDコイル相互に磁気的干渉の少ない配置が
可能になる。図33において、213Vが垂直磁場コイ
ル(RFコイル)であり、213Hが水平磁場コイル
(RFコイル)であり、両者でエレメントコイル(QD
コイル)を成す。
【0019】これに対して図33に示すように、図32
で説明した表面型QDコイル213を例えばX軸(tran
sverse)方向に2個並置しようとすると、QDコイル間
の磁気的干渉が大きくなり過ぎる。この干渉を遮るため
に、従来では、RFシールド板214をQDコイル間に
挿入する必要があった。このRFシールド板対策の場
合、RFシールド板に渦電流が誘起されるので、この渦
電流に対する対策が不十分な場合、MR画像に渦電流に
起因したアーチファクトなどを発生するという問題があ
った。
【0020】本発明は上述した従来の状況に鑑みてなさ
れたもので、その主目的は、従来の磁気的干渉低減のた
めの回路又はコンポーネントを付加することなく、RF
コイル間の磁気的干渉を簡素な構成で確実に低減させる
とともに、確実に所望の磁場分布を得ることである。
【0021】また別の目的は、そのような磁気的干渉低
減の調整を短時間で容易に行うことができるようにする
ことである。
【0022】さらに別の目的は、多素子型RFコイルを
形成するRFコイルの数がとくに「3」以上のときに、
磁気的干渉の排除およびそのための調整の上述した有利
さをより顕著に享受するようにすることである。
【0023】さらに別の目的は、RFコイルユニットに
QDコイルを複数個搭載する場合、MRI座標系のZ軸
(体軸)方向に直交する横(径)方向にその複数個のQ
Dコイルを、磁気的な相互干渉を確実に低減させた状態
で並置できるQDコイル構造を有したRFコイルユニッ
トを提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1〜34記載の発明によれば、磁気共鳴イメ
ージング(MRI)用の高周波磁場の送信および受信の
内の少なくとも一方を担うように形成した複数個のRF
コイルと、この複数個のRFコイルの出力インピーダン
スを調整するための出力インピーダンス調整回路とを備
えたMRI用RFコイルユニットにおいて、前記複数個
のRFコイルの内の少なくとも1つのRFコイルの巻線
途中に、このRFコイルのリアクタンスを調整可能な集
中定数型のリアクタンス調整素子を介挿したことを特徴
とする。
【0025】例えば、前記出力インピーダンス調整回路
は、チューニング・マッチング回路であり、このチュー
ニング・マッチング回路が受信用のプリアンプに接続さ
れている。
【0026】好適には、前記リアクタンス調整素子は、
例えば、前記RFコイルを実質的に磁気共鳴周波数で共
振させるために予めその巻線途中に挿入してある複数の
集中定数型のリアクタンス素子の内の1つを、そのリア
クタンス値の調整可能な素子で置換した構成である。前
記集中定数型且つ固定値のリアクタンス素子は固定コン
デンサであり、前記リアクタンス調整素子は可変コンデ
ンサである。
【0027】好適には、前記インピーダンス調整回路は
前記複数個のRFコイルの数に応じて複数個用意され、
その複数個のRFコイルが各別にその出力インピーダン
ス調整回路に接続されている。
【0028】好適には、前記リアクタンス調整素子は、
インピーダンス調整することにより既知となったリアク
タンス分の固定値のコンデンサに置換した素子である。
【0029】また好適には、前記リアクタンス調整素子
を介挿したRFコイルは、1つの平面又は曲面に収まる
ように形成されたコイル面を有し、且つその平面又は曲
面に水平な面に高周波磁場を発生させ得る巻線パターン
を有し、前記出力インピーダンス調整回路およびリアク
タンス調整素子をそのRFコイルの巻線パターン途中の
互いに幾何学的に対称となる位置に各々挿入してある。
【0030】さらに好適には、前記複数個のRFコイル
は互いの磁場影響下に在るように近接配置又は一部がオ
ーバラップ配置されている。前記複数個のRFコイルの
各々の巻線は、1ターンで形成される矩形、正方形また
は円形の形状を有する。また例えば、前記複数個のRF
コイルの内の1つのRFコイルは、その巻線が一筆書き
で8の字状になぞることができる2つの隣接したループ
を形成するパターン形状を有する。
【0031】さらに好適な態様として、前記複数個のR
Fコイルの内の少なくとも1つは前記出力インピーダン
ス調整回路に並列に接続された複数個のコイル素子を備
える。この場合、前記複数個のコイル素子は、例えば、
同一の形状の巻線パターンを有する2個の閉ループコイ
ルであり、この2個の閉ループコイルが被検体を囲むよ
うに対向・配置されてボリュームコイルを成す。例え
ば、前記2個の閉ループコイルはサドルコイル又はクロ
ス楕円コイルを形成する。
【0032】また別の態様として、前記複数個のRFコ
イルの内の少なくとも一部の複数個のRFコイルは、そ
れぞれの巻線パターンが同一形状の閉ループを成し且つ
その閉ループが形成するコイル面の大きさが互いに異な
る複数の表面コイルであり、その内の大きい方の表面コ
イルが小さい方の表面コイルを囲むようにそれらの表面
コイルを実質的な同一面又は同一曲面上に配置した多重
ターンコイルである。
【0033】例えば、前記複数個の表面コイルは、前記
出力インピーダンス調整回路に対して直列に接続されて
いる。また例えば、前記複数個の表面コイルは、前記出
力インピーダンス調整回路に対して並列に接続されてい
る。
【0034】また請求項35〜37記載の発明では、磁
気共鳴イメージング(MRI)用の高周波磁場の受信を
担うように形成した複数個のRFコイルと、この複数個
のRFコイルの出力インピーダンスを個々に調整する複
数個の出力インピーダンス調整回路と、を備えたMRI
用RFコイルユニットにおいて、前記複数個の出力イン
ピーダンス調整回路を通過した受信信号を受信処理回路
側に各別に導く複数本の伝送線を有し、この複数本の伝
送線の内の少なくとも一部の伝送線に、この伝送線の外
被を流れる外装電流の通過状態を制御する制御回路を挿
入したことを特徴とする。
【0035】さらに請求項38〜42記載の発明では、
磁気共鳴イメージング(MRI)用の高周波磁場として
の垂直磁場を形成する第1のRFコイルおよびその水平
磁場を形成する第2のRFコイルを対とするエレメント
コイルを有するMRI用RFコイルユニットにおいて、
前記第1のRFコイルおよび第2のRFコイルの各々が
呈する2つのコイル面の少なくとも一部は互いに異なる
平面上または曲面上に存在するように当該第1および第
2のRFコイルの巻線パターンの形状又は位置の少なく
とも一方を定めたことを特徴とする。
【0036】一方、請求項43〜47記載のコイル調整
方法の発明によれば、磁気共鳴イメージング用の高周波
磁場の送信および受信の内の少なくとも一方を担う複数
個のRFコイル相互間の磁気的干渉を低減させるための
方法であり、前記複数個のRFコイルの内の少なくとも
1つのRFコイルを形成する巻線の途中位置に集中型の
コンデンサ素子を挿入し、このコンデンサ素子の静電容
量値を調整しながら前記磁気的干渉が最小となる静電容
量値を定め、定めた静電容量値のコンデンサ素子をその
後の調整不要なコンデンサ素子として前記途中位置に挿
入しておくことを特徴とする。
【0037】例えば、前記調整時およびその後の調整不
要なコンデンサ素子として同一の可変コンデンサを使う
コイル調整方法である。また例えば、前記調整時のコン
デンサ素子は可変コンデンサであり、前記その後の調整
不要なコンデンサ素子は前記定められた静電容量値の固
定コンデンサである。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面を参照して説明する。
【0039】[第1の実施形態]第1の実施の形態に係
る多素子型のRFコイルユニットを図1に基づき説明す
る。
【0040】図1に示すRFコイルユニット10は、2
つのRFコイルとしてサーフェースコイル11a,11
bを互いに磁気的に相互作用のある程度まで近接させて
配置した構成を有し、受信専用のフェーズドアレイコイ
ルやマルチビューコイルとして利用するものである。サ
ーフェスコイル11a,11bの各々は導体を略矩形パ
ターン状に形成して構成され、その導体の所定の1つ又
は複数位置には各サーフェースコイル11a(11b)
を実質的に同位相の磁気共鳴周波数で共振させるための
集中定数型のコンデンサ12,…12(以下、波長短縮
コンデンサという)が挿入されている。波長短縮コンデ
ンサ12,…12の静電容量は固定値である。
【0041】サーフェースコイル11a,11bの各々
の給電端は、このサーフェースコイル11a(11b)
の出力インピーダンスを調整する回路13a,13bに
それぞれ接続されている。この回路13a,13bはチ
ューニング・マッチング回路であり、2つのコンデンサ
14,15の可変量を有する。このコンデンサ14,1
5を診断時に可変することにより、被検体との間のチュ
ーニングおよび線路インピーダンスとの間のインピーダ
ンスマッチングを採ることができ、プリアンプからみた
ときのサーフェスコイルのインピーダンスを最適化でき
る。このチューニング・マッチング回路13a,13b
の各々は別々のケーブル14a(14b)を介して図示
しないプリアンプに接続されている。
【0042】本実施形態ではさらに、一方のサーフェー
スコイル11bにおいて、波長短縮コンデンサ12,…
12の内の所定の1つをリアクタンス調整素子12xと
して形成してある。このリアクタンス調整素子12xは
例えば可変コンデンサで構成され、チューニング・マッ
チング回路13a(13b)の2つのインピーダンス可
変量に次ぐ第3番目のインピーダンス可変量を与えるこ
とができる。
【0043】このリアクタンス調整素子12xは、例え
ばこのRFコイルユニット10を製造時に一度、調整す
れば十分であり、診断時には調整する必要がない。この
調整素子12xのリアクタンスを調整することで、サー
フェースコイルの幾何学的パターンおよびパターン上の
リアクタンス成分の分布の非対称成分が補正される。こ
のため、例えば製造時にサーフェースコイル11a,1
1b間の磁気的干渉が一番小さくなるように調整すれば
よい。
【0044】これによって、多素子型コイルであって
も、中和回路のような干渉低減回路をわざわざ組み込む
必要がなく、可変コンデンサの調整のみによって干渉低
減効果を得るとともに、干渉防止に起因したRFコイル
ユニットの回路の規模増大や複雑化を回避できる。また
本実施例では、波長短縮コンデンサ12,…12の一部
を可変コンデンサ12xに換えているので、リアクタン
ス調整のためのコンデンサ12xの静電容量が波長短縮
コンデンサのそれを兼ねることができる。この結果、サ
ーフェースコイル11bに挿入するトータルのコンデン
サの数を節約することができ、コイルパターンの小形・
軽量化に寄与できる。勿論、この可変コンデンサ12x
を波長短縮コンデンサ12,…12とは別個に設けても
よい。
【0045】リアクタンス調整素子12xの挿入位置は
サーフェースコイル11a(11b)のどこの位置でも
構わないが、コイルパターン上の幾何学的対称性を持た
せた位置に挿入することが最も望ましいと考えられる。
すなわち、図1の場合、チューニング・マッチング回路
13a(13b)に対向するコイル辺の中央に挿入する
のが最も効果的と考えられる。
【0046】また、リアクタンス調整素子12xは必ず
しも図1に示すように一方のサーフェースコイル11b
のみに挿入する構成に限定されない。リアクタンス調整
素子12xはもう一方のサーフェースコイル11a側に
挿入してもよいし、両方のコイル11a,11bに挿入
してもよい。また、1つのコイル11a(11b)に複
数のリアクタンス調整素子(例えば可変コンデンサ)1
2x,…,12xを挿入してもよい。
【0047】リアクタンス調整素子12xとして例えば
可変コンデンサを用いた場合、その調整は製造時の検査
工程などにおいて行うことになる。RFコイルとしての
サーフェースコイル11a,11bの幾何学的配置が確
定している段階で、両コイル11a,11bの相互干渉
が最小となるように静電容量の値を調整すればよい。こ
の調整により電流分布が変わるが、これは両コイル11
a,11b間の幾何学的にベストな位置を見つけること
と等価であり、本来的には信号周波数の変化とは無関係
である。したがって、干渉低減のための可変コンデンサ
調整は例えば製造メーカー側で行っておけば足り、撮影
時にユーザが調整する必要はない。撮影時にはチューニ
ング・マッチング回路の第1,第2の可変コンデンサの
みを調整すれば足りることになる。
【0048】なお、上述の構成ではリアクタンス調整素
子12xは可変コンデンサで形成するとしたが、必ずし
もこれに限定されない。例えばその静電容量を変化させ
て低減効果のある静電容量値を見つけるまでは、可変コ
ンデンサの値を連続的に変えながら、又は、値の異なる
固定コンデンサを取り換えながら行い、最終的に低減効
果のある静電容量値が見つかった段階で、固定値のコン
デンサに付け換えて出荷するというコイル調整方法も採
ることができる。
【0049】[第2の実施形態]第2の実施形態に係る
多素子型のRFコイルユニットを図2に基づいて説明す
る。
【0050】図2に、RFコイルユニットとしてQDコ
イルユニット20を示す。このQDコイルユニット20
は2つのRFコイルを有しており、その一方は垂直磁場
を発生させる略矩形パターンの垂直磁場コイル21Vで
あり、もう一方は水平磁場を発生させる略矩形パターン
が2つ隣接し連続した水平磁場コイル21Hである。両
方のコイル1V,21Hとも、略同一平面上であって中
心線Oを合わせて置かれる。
【0051】この内、水平磁場コイル21Hは、1本の
導体を一筆書きで8の字状に描いた形状(すなわち、矩
形ループの直列接続)に形成されている。これにより、
コイル中心線O上で直交する2つの磁場(垂直磁場、水
平磁場)を発生させる。水平、垂直磁場コイル21V、
21H共に、各々、チューニング・マッチング回路22
a(22b)に接続される。
【0052】水平磁場コイル21Hの一部には、第1実
施形態のときと同様に、第3の可変量としてリアクタン
ス調整素子(例えば可変コンデンサ)23が挿入されて
いる。この調整素子23も前述と同様に、1つ又は複数
の波長短縮コンデンサ(図示せず)の内、一方の端部の
一部に配置される波長短縮コンデンサを置換して形成し
たものである。
【0053】水平磁場コイル21Hおよび垂直磁場コイ
ル21Vは、それぞれが理想的に幾何学的対称に製造さ
れているならばこれら2つのコイル21Hおよび21V
間の磁気的干渉は非常に小さく、無視できる。しかし実
際には、高周波磁場および高周波電場の発生状態を含め
たコイル状態がコイルの中心軸Oについて対称になって
いることは殆んどない。
【0054】そこで、上述の理想的な対称性が維持され
ていない場合(実際は殆んどが非対称)、両方のコイル
21V,21H間の磁気的干渉を観測しながら、リアク
タンス調整素子23のリアクタンスを調整することで、
かかる非対称性が修正される。このように非対称成分そ
のものが補償され、水平、垂直磁場コイル21H,21
V間の磁気的干渉が確実に抑制される。例えば、従来に
おいて挿入していた波長短縮コンデンサの1つを可変コ
ンデンサに置換するのみであるから、コイル21H,2
1V間に設ける中和回路などの専用回路は不要であり、
QDコイルユニット20全体を小形化させることができ
る。
【0055】この第2の実施形態に係るシミュレーショ
ン結果を図3〜図7に基づき説明する。図2のコイル構
成と等価な具体的回路として本発明者は図3に示す回路
を採用した。同図において、水平磁場発生コイル21H
に挿入したリアクタンス調整素子としての可変コンデン
サZの静電容量の値を変えながら、各々のコイル21
V,21Hと磁気結合するように配置したサーチコイル
(非共振型の送信/受信を行う小ループのコイル)によ
り、2つのコイル21V,21H間の干渉量を測定し
た。この測定結果を図4〜図7に示す。これらの図にお
いて、参照レベル=0dBは送信および受信のケーブルを
直結した場合のスペクトラムアナライザの信号レベルで
ある。
【0056】可変コンデンサZを初期値=39pF(波長
短縮コンデンサ自体の値)に設定したときの干渉量は磁
気共鳴周波数=63.9MHz にて−11.7dB(図4参
照)、51pFに設定したときのそれは−14.1dB(図
5参照)、61pF(=51pF+10pF)のときのそれは
−18.0dB(図6参照)と最も少なく、71pF(=5
1pF+20pF)のときのそれは−16.9pFと再び干渉
量が増えていく。この干渉量測定の際、可変コンデンサ
Zの値を変更する毎に、各コイル21V,21Hに付属
するチューニング・マッチング回路を調整して、63.
9MHz で共振するように再調整または確認している。こ
れら一連の周波数−振幅特性からも判るように、ディッ
プ(dip )周波数が磁気共鳴周波数(63.9MHz )に
一致する可変コンデンサZの静電容量=61pFのとき、
最も干渉が減っている。これは従来の干渉低減用の専用
回路による干渉調整時の挙動と良く一致する。水平磁場
を発生するように8の字状(直列接続)に接続したコイ
ル21Hのコイルパターン上の電界分布と流れる電流の
位相分布とが可変コンデンサZ(リアクタンス調整素
子)の値に応じて変わるので、コイル21H,21V間
の干渉が最も少ない状態を作り出し、その結果として干
渉低減を実現できる。
【0057】[第3の実施形態]続いて第3の実施形態
に係る多素子型のRFコイルユニットを図8および図9
に基づき説明する。
【0058】最初にボリュームコイルの一例を図8に示
す。同図に示すRFコイルユニット30は2つのコイル
素子(2葉)から成る受信用のサドルコイルであり、サ
ーフェースコイルに対比されるボリュームコイルを成
す。このユニット30は、対向配置された略半円筒形の
コイル素子31,32と、このコイル素子31,32を
並列に接続した1つのチューニング・マッチング回路3
3とを備え、チューニング・マッチング回路33がケー
ブル34を介して受信用の前置増幅器(図示せず)に接
続される。このユニット30(RFコイル)をほかのR
Fコイルと組み合わせて使用する場合、本実施形態では
コイル素子31,32にはリアクタンスの第3および第
4の可変回路としてリアクタンス調整素子35,36と
が各々、所定コイル位置に挿入される。このリアクタン
ス調整素子35,36は例えば可変コンデンサで形成さ
れ、互いに独立に調整できるようになっている。
【0059】第3の実施形態として、上述のサドルコイ
ルを搭載した多素子型のRFコイルユニットの一例を図
9に示す。同図に示すRFコイルユニットは、図8のサ
ドルコイルを図9(c)のように2組組み合せたボリュ
ーム形のQDコイルユニット40を形成したものであ
る。
【0060】具体的には、図9(a),(b)に示す2
組のサブコイルユニットである。図9(a)に示すサブ
コイルユニット40Aは、前述の図8と同一の構造にな
っている。すなわち、全体でサドル状を成す1対のコイ
ル素子41,42およびチューニング・マッチング回路
43を有し、この回路43がケーブル44を介して前置
増幅器(図示せず)につながる。コイル素子41,42
それぞれには例えば可変コンデンサで成るリアクタンス
調整素子45(46)が挿入されている。
【0061】図9(b)に示すサブコイルユニット40
Bも同様に、全体でサドル状を成すように対向する1対
のコイル素子47,48と、このコイル素子47,48
を並列に接続するチューニング・マッチング回路49
と、この回路49と図示しない前置増幅器との間をつな
ぐケーブル50とを備える。この1対のコイル素子4
7,48は前述したもう1対のコイル素子41,42に
対してその仮想的なコイル中心軸の周りに90゜回転さ
せた幾何学配置を有する。
【0062】これらのサブコイルユニット40Aおよび
40Bは同図(a)(b)の状態で重ね合わせられ、同
図(c)のQD型のコイルユニット40となる。このた
め、コイル内部の空間には直交する2つの高周波磁場が
つくられる。一方のサブコイルユニット40A(RFコ
イル)に設けられたリアクタンス調整素子45又は/お
よび46を微調整すると、各葉に流れる電流値が変わる
ためにコイル素子41,42が発生する磁束をコントロ
ールでき、もう一方のサブコイルユニット40B(RF
コイル)を形成するコイル素子47,48への鎖交磁束
数が変化する。種々の要因によるサブコイルユニット
(RFコイル)40A,40B間の総鎖交磁束数を零に
近付けるように調整することができる。この結果、一方
のサブコイルユニット40Aの磁束コントロールによ
り、サブコイルユニット40A,40B間の干渉を低減
させることができる。
【0063】[第4の実施形態]第4の実施形態に係る
多素子型のRFコイルユニットを図10〜図13に基づ
き説明する。この実施形態では多素子型コイルとして、
中、高磁場のMR信号の励起、検出、またはその両方に
使用可能な「マルチプルターンコイル」を搭載したRF
コイルユニットを説明する。
【0064】マルチプルターンコイルは複数(多重)タ
ーンの表面コイルである。従来のマチルプルターンコイ
ルは磁気共鳴周波数が低い場合に使われていた。それ
は、RFコイルを共振させるために容量の大きなチュー
ニング・マッチング用の可変コンデンサを用意すること
が困難であったためである。このため、RFコイルを複
数ターンで形成して、コイルパターン(二巻線)による
インダクタンス値を大きくして、共振に必要なチューニ
ング・マッチング用の可変コンデンサの値を小さくする
ことが目的であった。したがって、従来のマルチプルタ
ーンコイルにあっては巻線のインダクタンス値を大きく
するため、それぞれの閉ループは専ら直列に接続されて
いた。磁気共鳴周波数が例えば21MHz 以上と高い場合
(中、高磁場の場合)、コイル1ターンの本来のインダ
クタンス値のみであっても、比較的小さな可変コンデン
サとの結線により共振回路を組むことができるので、従
来は、シングルターンの表面コイルが使用されていた。
【0065】この第4の実施形態のマチルプルターンコ
イルのユニットは、コイル1ターンが持つ低めのインダ
クタンス値でも共振回路を容易に組むことのできる比較
的高い磁気共鳴周波数(例えば21MHz 以上)に用い、
マルチプルターンの有利さを活かそうとするものであ
る。マルチプルターンコイルを成す複数の閉ループ構造
の表面コイルは並列または直列に接続して用いる。
【0066】2つのRFコイル間で磁気的干渉が支配的
な場合に、その干渉を排除するには、対象コイル間で鎖
交する磁束がない状態を創生すればよい。すなわち、
i)2つのコイル間の物理的距離を十分離す、ii)コイ
ル自らは磁界を発生しない回路構成とする、iii)コイル
同士は近接しており、磁束が鎖交状態になっているが、
磁束の向きをも含めた正味の(net )鎖交磁束は打ち消
し合って零となる、場合である。マルチプルターンコイ
ルの場合、i),ii)の状態は採り得ないから、結局、
iii)の状態を創生する必要がある。そうしなければ、単
独のコイルが存在する場合に比べて、得られるMR画像
のS/N比が低下する。
【0067】上記iii)の状態をつくるには、その一手法
として、前述したように(図28参照)、2つの同形状
のRFコイルの閉ループの一部を互いに僅かに重ね合せ
る(オーバーラップ)方法が知られている。しかし、こ
の重ね合せの場合、その重ね合わせ量を幾何学的に細か
く(例えば1mm単位で)調整する必要がある。幾何学的
および機構的にその微調整を行う代わりに、それと等価
なことを電気回路により行うことができる。つまり、前
述した図29に示す如く分流パスを設けて、このパス内
にインピーダンス調整回路を挿入する手法である。しか
しこの場合、インピーダンス調整回路をコイル同士の重
ね合わせ部分に限定して置かなければならないという問
題がある。
【0068】また、図29のコイル巻線を形成するとき
の従来の問題はその他にも種々あった。例えば、送信時
に受信コイルループを電気的に切るにはトラップ回路が
必要である。従来の場合(図29のコイルの場合)、そ
のコイルパターン上のそれぞれに必ず1つのトラップ回
路を配置しなければならない。また、インピーダンス調
整回路に拠り干渉低減がなされたとき、分流パスが加わ
っていることにより、その相手方のコイルの感度分布が
本来の姿からずれてしまうので、コイルループ全体の左
右方向(図29の左右方向)の感度分布の対称性が失わ
れる、という問題もあった。
【0069】図10に本実施形態に係る受信用のマルチ
プルターンコイルのユニット60の原理的な構成を示
す。同図に示すように、このRFコイルユニット60
は、外側および内側に平面状の閉ループとして巻き回さ
れたループパターン61,62と、このループパターン
61,62を並列又は直接に接続するコイル接続回路6
3と、このコイル接続回路63を図示しない前置増幅器
につなぐケーブル64とを備える。外側ループパターン
61には所望の感度分布が与えられている。内側ループ
パターン62の途中にはループインピーダンス調整素子
65が挿入されている。ループインピーダンス調整素子
65は例えば可変コンデンサから成る。
【0070】[実施例1]第4実施形態に係るマルチプ
ルターンコイルを実施した1つの実施例を図11により
説明する。
【0071】図11に示すRFコイルユニット70は、
図10に示したマルチプルターンコイルのユニット60
から成る第1のコイルユニットと、もう一方の第2のコ
イルユニット71とを有する。一方のマルチプルターン
コイルユニット60の内の外側ループパターン61は、
第2のコイルユニット71のシングル巻きのループパタ
ーン72がオーバーラップされている。このループパタ
ーン72はチューニング・マッチング回路73を介して
ケーブル74につながれている。
【0072】マルチプルターンコイルユニット60のコ
イル接続回路63は、閉ループとしての外側、内側のコ
イルパターン61,62を互いに並列に接続するチュー
ニング・マッチング回路66と、このコイル接続回路6
3内において各々のコイルパターン61,62に個別に
挿入された2つのトラップ回路(並列共振回路)67,
68とを備える。
【0073】この構成によれば、少なくとも一方のユニ
ットにはループインピーダンス調整素子65が設けられ
ているので、前述と同様の原理で、2つのRFコイルと
してのループパターン61,71間の磁気的干渉を容易
且つ確実に低減させることができる。このループインピ
ーダンス調整素子65は原理的には内側ループパターン
62の何れの箇所に挿入してもよいから、従来の分流パ
スを用いたときのようなインピーダンス調整回路の制限
が解消される。また、干渉低減のための調整後であって
も従来のようにコイル感度分布の図11における左右方
向の対称性が失われることもない。さらにトラップ回路
67,68はコイル接続回路63内の配置が容易なチュ
ーニング・マッチング回路66付近に置くこともでき、
従来のようにコイルパターン上に挿入、配置する場合に
比べて配置の自由度も高く、また配置設計の容易化も図
られる。
【0074】[実施例2]第4の実施形態に係るマルチ
プルターンコイルを実施した別の実施例を図12により
説明する。
【0075】図12に示すRFコイルユニット70は図
11に示すものと同様のコンポーネントを有するが、コ
イル接続回路63内において、2つのループパターン6
1,62がチューニング・マッチング回路66に対して
直列に接続されている点が異なる。このループ直列接続
のために、トラップ回路はコイル接続回路63内の任意
の位置に1つで済むというメリットがある。その他、実
施例1の場合と同等の作用効果を享受することができ
る。
【0076】[実施例3]第4の実施形態に係るマルチ
プルターンコイルを実施したさらに別の実施例を図13
に基づき説明する。
【0077】図13に示すRFコイルユニット80は、
垂直方向の磁場を発生させる表面コイルとしての2ター
ンのマルチプルターンコイルユニット60と、斜め方向
の主高周波磁場を形成するボリュームコイルユニット8
0とを組み合わせたものである。このボリュームコイル
ユニット80は対向配置される1対のサドル状のコイル
素子82,83を備えている。
【0078】仮りに、マルチプルターンコイル60の代
わりに、1ターンのループ表面コイルを用いると、ボリ
ュームコイル80の斜め方向の磁場との干渉がないコイ
ルパターン形状は、ボリュームコイルと表面コイルとの
入れ子の状態が決まると、ただ一通りに限定される。こ
の結果、表面コイルのコイルパターンによって得られる
高周波磁場分布が望ましいものとならないという欠点が
ある。
【0079】これに対して、図13に示す如く、2つの
閉ループ構造をもつマルチプルターンコイル60を用い
ると、外側のコイルパターン61を望ましい形状および
大きさのものとし、内側の2つ目の閉ループ62を外側
のコイルパターン61で発生した鎖交磁束を打ち消すた
めのループとして用いることができる。このため、所望
の感度分布をもつ外側のコイルパターン61でありなが
ら、前記斜め方向の主磁場をもつボリュームコイル81
と入れ子状態にしても、コイル間の干渉がない配置をと
ることができるというメリットがある。しかもこのと
き、内側のコイルパターン62の一部に前記ループイン
ピーダンス調整素子65を設けているので、コイル間の
干渉を最小にするために通常必要とされる干渉低減のた
めの微調整を前記インピーダンス調整素子65により実
施することができる。これにより、従来の干渉低減専用
の付加回路の設置が不要になる。
【0080】[第5の実施形態]第5の実施形態に係る
多素子型のRFコイルユニットを図14〜図17に基づ
いて説明する。このRFコイルユニットは複数の表面コ
イルをRFコイルとするコイルユニットで、ある表面コ
イルのRFコイル信号を伝送するケーブルが他の表面コ
イルのコイルパターン上を通過して引き回される構成を
有する。
【0081】かかる構成を有するRFコイルユニットの
従来の特別な問題を図14を使って最初に説明する。
【0082】図14に示す従来の多素子型のRFコイル
ユニット90は、表面コイルをRFコイルとする第1お
よび第2のコイルユニット91A,91Bを備える。こ
の第1および第2のコイルユニット91A,91Bの各
々は、表面コイル92A(92B)、チューニング・マ
ッチング回路93A(93B)、グランドブレーカ(G.
B.)94A(94B)を備え、このグランドブレーカ9
4A(94B)がRF信号伝送線路としてのケーブル9
5A(95B)を介してプリアンプ96A(96B)に
つながる信号伝送系を有している。この内、一方のコイ
ルユニット91Aのケーブル95Aがもう一方のコイル
ユニット91Bの表面コイル92Bの一端辺の上を跨い
で通過するように配置されている。このような一方の伝
送線路が他方の上を通るケーブル(伝送線路)の配置は
好ましくはないが、複数のRFコイルが近接した幾何学
配置になるRFコイル群において、他のコイル(RFコ
イル)への干渉が全く無いような伝送線路の引き回しが
できることは希れであることから、従来では、容認せざ
るを得ない状況であった。
【0083】図14において、2つのプリアンプ96
A,96Bのグランド(アース)が高周波的に同電位で
ある場合、あるいはそれらが比較的低インピーダンスで
ケーブルに接続されている場合、各コイルユニット91
A,91Bの信号伝送用の伝送線路(ケーブル95A,
95B)と、表面コイル同士の磁気的干渉とに因り、グ
ランドループとも呼ぶべき、ケーブル95A,95Bの
外被を通る閉ループが形成され、その閉ループに沿って
高周波電流が流れることがある(図中の矢印参照)。こ
の電流の存在は好ましくないから、同図に示すようにチ
ューニング・マッチング回路93A(93B)の出力段
に、バランとも呼ばれるグランドブレーカ94A(94
B)が挿入されている。グランドブレーカ94A,94
Bは同軸ケーブル(伝送線路)95A,95Bをコイル
状に巻き回したもので、そのインダクタンスによってケ
ーブルの外被に流れる高周波電流(グランドループ電
流)を極力抑えるようにしていた。
【0084】この第5の実施形態では、かかるグランド
ループ電流を抑えつつ、RFコイル間の磁気的干渉を低
減させる手段として、グランドループ電流を積極的に利
用しようとするものである。以下にいくつかの実施例を
説明する。
【0085】[実施例1]図15に、第5の実施形態に
係る1つの実施例を説明する。図14に示すコンポーネ
ントと同一又は同等のものは同一符号を用いる。
【0086】図15に示す多素子型のRFコイルユニッ
ト90は、図14におけるグランドブレーカ94A,9
4Bの代わりに、グランドループ電流制御(GLC)回
路97を用いたものである。この制御回路97は一方の
コイルユニット91Aのケーブル95Aの途中位置に介
挿されている。RFコイルユニット90のそのほかの構
成は図14と同一である。
【0087】グランドループ電流制御回路97は図16
に示すように、同軸ケーブル95Aをソレノイド状に形
成したコイル98と、このコイル98の外被(アース部
分)に並列接続された可変コンデンサ99とを備えて構
成される。
【0088】このグランドループ制御回路97により前
述したグランドループを流れる電流を適宜に抑えるとと
もに、可変コンデンサ99の静電容量を調整すること
で、2つのRFコイル間に跨がって流れるグランドルー
プ電流を制御でき、この結果、2つの表面コイル92
A,92B間の磁気的干渉を低減させることができる。
グランドループ制御回路97は各グランドループに少な
くとも1つ設けてあればよい。
【0089】[実施例2]第5の実施形態に係る多素子
型のRFコイルユニットのほかの実施例を図17により
説明する。
【0090】このRFコイルユニット90においてはプ
リアンプ96A,96Bがチューニング・マッチング回
路93A,93Bの直後にそれぞれ設けられ、このプリ
アンプ96A,96Bがケーブル95A,95Bを介し
てセカンドアンプ100A,100Bにそれぞれ接続さ
れている。グランドループ電流制御回路97は、一方の
ユニット91Aのプリアンプ96Aの出力ケーブル95
Aの途中に介挿されている。
【0091】これによっても実施例1と同等の作用効果
を得ることができる。
【0092】[第6の実施形態]さらに第6の実施形態
を図18〜図23に基づき説明する。この実施形態は多
素子型のRFコイルユニットのエレメントコイルとして
QDコイルを用いるもので、とくにQDコイルの形状改
善によって複数のQDコイルの並置を可能にしたもので
ある。
【0093】前述した従来技術の問題点の解説の中で、
各RFコイルが単一の平面上又は曲面上に配された従来
型の表面QDコイルの場合、その表面QDコイルを横
(X軸)方向に並置できないと説明したが、ここで、そ
の問題および理由を再度詳述する。
【0094】従来は図2のような、1対をなす対称構造
を通常持つ、垂直磁場を発生するRFコイルと水平磁場
を発生するRFコイルとが同一の平面または曲面上に配
置されことによって直交する2つの磁場が発生し、通
常、表面QDコイルと呼ばれるコイル構造を形成してい
る。(ただし従来コイルには、図2で示すようなインピ
ーダンス調整素子はない。)この2つのRFコイルから
成るQDコイルをエレメントコイルとした場合には、図
31に示すように2つのエレメントコイル間で、垂直磁
場を発生するコイル同士、水平磁場を発生するコイル同
士および垂直磁場を発生するコイルと水平磁場を発生す
るコイルのあわせて、 4C2 =6通りのコイル間の干渉
がある。そのうちの2つの干渉は、各エレメントQDコ
イルの構成要素である垂直磁場を発生するRFコイルと
水平磁場を発生するRFコイル間で発生する。幾何学的
電気的に対称性が完全ならばこの干渉は少なくなる。
【0095】残りの4つの干渉はエレメントQDコイル
間で発生する。エレメントコイル間に距離があったり、
プリアンプを含む電流抑圧回路を設けた場合、主コイル
パターンに流れる電流が抑圧され、磁気的干渉が低減さ
れる。したがって、エレメントコイル間に空間的距離十
分がとれる場合には著しい干渉は発生しない。
【0096】図32のように、Z軸方向にエレメントコ
イルを近接して配置した場合には、コイルの中心軸が各
エレメントコイル間で一致していることと、前出のコイ
ル同士を一部オーバーラップさせる配置をとることで干
渉を低減する例である。しかし同じ近接配置でも、図3
3のように、前記QDコイルをエレメントコイルとする
2つのエレメントコイルをX軸上に近接して配置しよう
とすると、エレメントコイル間の空間的距離がないこと
によって、前出の残る4通りの干渉が顕在化してしま
う。これは、各エレメントQDコイル自身の幾何学的対
称性を維持しつつ、かつ前出の4通りの干渉がいずれも
ないようなオーバーラップ構造が、1つの平面または曲
面上でコイルパターンを形成する限り、とれないためで
ある。
【0097】そこで図33では、RFシールド板をエレ
メントコイル間に配置することにより前記4通りの干渉
を遮蔽する方法をとっている。しかし、この方法ではコ
イル間の磁束を遮断するために、RFシールド板は基本
的に広い断面積を有することが必要である。そのこと
は、高周波磁場による励起パルス印加時と、エンコード
のために静磁場に重畳する、勾配磁場と呼ばれる磁場の
繰り返し印加の際に、画像上問題となる渦電流をRFシ
ールド板に誘起してしまう。RFシールド板に施される
種々の回路によりこれらの問題は軽減可能、または、高
周波シールド効果とのトレードオフにより解決可能であ
るが、幾何学的配置上の自由度はなお制約されていると
いえる。
【0098】説明を簡単にするため、垂直磁場を発生す
るRFコイルを矩形コイルとしよう。水平磁場を発生す
るRFコイルは、矩形コイルを2つ並べ、矩形コイル同
士の辺の接する部分の電流が同方向に流れるように結線
したコイルとする。一般には、このコイルはバタフライ
コイルとか、フラットヘルムホルツコイルとか呼ばれ
る。コイルパターンの作る面に水平な磁場をパターン中
心で発生するコイルである。図2に示したように、矩形
コイルとバタフライコイルとを組み合わせ、直交する磁
場を形成し、円偏波を行うために使用するコイルは一般
に表面QDコイルと呼ばれる。平面上に形成された表面
コイル同士を組み合わせることによりQD効果を得るコ
イルである。
【0099】いま、同一形状を有する表面QDコイルを
2つ、X軸方向にコイル中心間の距離(=GAP)をG
を隔てて並べることにする。すると合計4つのRFコイ
ルは互いに近接して配置される。したがって、あるコイ
ルから発生した磁束は必ず他のコイルと鎖交することに
なる。コイル間の干渉を減らすために、前出のオーバー
ラップ配置をとることにより干渉のないコイル形状を有
することができるかどうかを考えてみる。
【0100】まず、矩形コイル同士の干渉がない場合を
考えてみる。各コイルの中心間の距離はGで与えられて
いるから、X軸方向の矩形コイルの長さをRとしたと
き、以下の式が成り立つ。
【0101】
【数1】 G=R/2+R/2−0.1R ……(1) 同様にフラットヘルムホルツコイルのX軸方向の全長を
Fとしたとき、フラットヘルムホルツコイル同士では
【数2】
【0102】フラットヘルムホルツコイルと、矩形コイ
ルとの干渉がない配置は
【数3】
【0103】(1)、(2)を(3)に代入して、
【0104】
【数4】 となり、(3)式の大括弧内は、1よりも約2〜3から
数%大きい値を持つと推定される。
【0105】すなわち、(1)、(2)満足させると
き、(3)式はGと等しくはならない。これは、矩形コ
イル同士、フラットヘルムホルツコイル同士が干渉をも
たないようなコイルパターンを選択したとき、矩形コイ
ルとフラットヘルムホルツコイルとは最初に決めたコイ
ル中心間距離Gより離して配置しないと干渉がなくなら
ないことを意味している。このコイル間距離は正味の鎖
交磁束を丁度零にするためのもので、少しでもずれると
大きな干渉が発生してしまう。
【0106】例えば、表面QDコイルをZ軸方向に配置
した図32の場合、コイル間の干渉が−10dB以下の干
渉をもつ幾何学的オーバーラップ量から、1mmだけ幾何
学的配置がずれると0.6MHz の周波数スプリットを生
じ、4mmずれると、2〜3MHz の周波数スプリットとな
り、大きな干渉のためにRFコイル群を調整することが
困難になってしまう。同様のことが、このX軸方向での
並置でも発生する。したがって、従来は図33のように
表面QDコイル間にRFシールド板を入れて干渉を避け
なければならなかった。このように従来の表面QDコイ
ルは、1つの平面または曲面上のみにRFコイルパター
ンが配されるために、前出のRFコイル間の4通りの干
渉をすべてなくする配置がとれなかった。
【0107】以上の状況を踏まえて実施された第6の実
施形態に係る多素子型のRFコイルユニットとしてのQ
Dコイルユニットは、そのRFコイルとして、垂直磁場
を発生させる垂直磁場コイルと、水平磁場を発生させる
水平磁場コイルとのコイル面の全体が互いに同一(単
一)の平面又は曲面の上には存在しないように形成する
ことを主要な特徴とする。すなわち、水平磁場コイルの
コイル面の少なくとも一部が垂直磁場コイルのコイル面
と異なる平面又は曲面の上に配置されるか、または垂直
磁場コイルが形成するコイル面の一部が水平磁場コイル
のそれと異なる平面上に配置されていることである。
【0108】以下にそのいくつかの実施例を説明する。
【0109】[実施例1]図18(a)(b)にQDコ
イル110を示す。同(a)はRFコイル配置の斜視図
を、同図(b)はZ軸方向から見たRFコイル配置図で
ある。QDコイル110はコイル面が平面状の垂直磁場
コイル111と、そのコイル面とは異なる面を持つ水平
磁場コイル112とを備える。水平磁場コイル112は
ヘルムホルツ形に形成されるとともに、そのZ軸方向の
中心軸を介して両方のコイル片が開き角度θ(<180
゜)で開き、開いたコイル片のX軸方向の一辺の長さは
Lに設定されている。
【0110】これにより水平磁場コイル112のコイル
パターンは3次元パターンとなり、このコイルパターン
を決めるときには、開き角度θ、辺の長さLという2つ
の自由度を持つことができる。
【0111】従来の表面QDコイルの場合、上記開き角
度θ=180゜で固定値であり、辺の長さLのみに自由
度を与えていた。このため、コイル間の干渉を全部は取
り切れなかったが、この実施例では2つの自由度θ,L
を調整することで、このQDコイルをX軸方向に並置す
る場合でもかかる干渉を良好に除去できる。
【0112】[実施例2]図19(a)〜(c)に別の
実施例を示す。このQDコイル120(同図(c)も、
垂直磁場コイル121(同図(a))および水平磁場コ
イル122(同図(b))を有する。この内、垂直磁場
コイル121は半円弧状のコイル面を成すようにそのコ
イル巻線が形成されており、水平磁場コイルの平面状の
コイル面に交わらない構造となっている。
【0113】このように垂直磁場コイル121のコイル
面を立体構造とすることで、水平磁場コイル122のコ
イル片の長さに、その半円弧状面の曲率がコイルパター
ン設計の際の自由度として加えられる。この自由度の増
加によって、実施例1と同等の作用効果が得られる。
【0114】[実施例3]さらに別の実施例を図20に
示す。この実施例はQDコイルの複数個を横(X軸)方
向に並置したRFコイルユニットを示している。同図に
示すように、図18(a),(b)で説明したQDコイ
ル110を4個被検体の囲りに組合わせて配置し、ボリ
ウムタイプのRFコイルユニットを形成している。
【0115】前述のようにQDコイル110一つずつの
干渉低減のための自由度が高められていることから、そ
の自由度を適宜に選択することによって、QDコイル1
10をエレメントコイルとしてその複数個を用いて患部
を隙間なくカバーするように配置でき、従来には無かっ
た4QDエレメントのRFコイルユニットを提供でき、
高S/N比のMR信号検出が可能になる。
【0116】[実施例4]図21には、図20のRFコ
イルユニットをさらに変形実施した例を示す。この例で
は、垂直磁場コイル112,…112のそれぞれのコイ
ル面を湾曲面状に形成して、患部の例えば断面楕円状を
成す体表面にフィットできるようにしたものである。
【0117】なお、水平磁場コイル111のZ軸方向か
ら見た開き角を図21のように2段構え(例えば先端部
でさらに開き角θ´を狭くする)に形成して前述の自由
度をさらに高めるようにしてもよい。
【0118】[実施例5]図22に示すコイルユニット
は、前述した図18(a),(b)で説明したQDコイ
ル110をエレメントコイルとしてX軸方向に2個、ア
レイ状に並置したもので、例えば胸部用のコイルユニッ
トとして好適である。
【0119】[実施例6]図23に示すコイルユニット
も、上述のQDコイル110を2個並置したものであ
る。とくに、垂直磁場コイル112のコイル面には丸み
を持たせてあり、例えば肩部にフィットするようになっ
ている。
【0120】このような図22、図23のアレイ状並置
の構成は、従来の表面QDコイルでは実現できなかった
ものである。
【0121】[第7の実施形態]前述してきた各実施形
態(実施例)に係るMRI用RFコイルユニットは、Q
Dコイルの4個並置の場合を除いて、エレメントコイル
又はRFコイルを2個使用するユニットであった。(1
つのマルチプルターンコイルおよび1つのQDコイル自
体はそれぞれ1つのエレメントコイルを成す。1つのマ
ルチプルターンコイル(エレメントコイル)はコイル素
子を複数個(例えば2個)備え、また1つのQDコイル
(エレメントコイル)はRFコイルを2個備える。)本
実施例では、QDコイル以外のものについて、エレメン
トコイル又はRFコイルを3個以上使用するRFコイル
ユニットを以下に説明する。
【0122】[実施例1]図24に、その1つの実施例
を示す。同図に示すRFコイルユニット130は、1つ
の円形表面コイルをRFコイルとするコイルユニットを
3個用いたものである。コイルユニット130A〜13
0Cの各々は、円形表面コイル131a(…131c)
とチューニング・マッチング回路132a(…132
c)とを備えている。表面コイル131a…131cは
互いにオーバーラップして配置され、各々の巻線途中に
は、リアクタンス調整素子としてのトリマコンデンサ1
33a(…133c)が介挿されている。このトリマコ
ンデンサ133a…133cの静電容量を例えば製造完
成時に調整することにより、前述と同様に、3つの表面
コイル131a…131c間の磁気的干渉を低減でき
る。
【0123】とくに、このRFコイルユニット130で
は、表面コイル131cのトリマコンデンサ133c
を、残りの2つの表面コイル131a,131bに対し
て幾何学的に対称な位置に配置している。従来法の干渉
低減回路の場合には、そのような対称位置に配置できな
い。本実施例ではかかる対称配置によって干渉調整が従
来法に比べて容易である。これは、干渉調整のときに、
表面コイル131cのトリマコンデンサ132cを調整
したときの磁気的影響が残りの2つの表面コイル131
a,131bに均等に割り振られるからである。
【0124】ここで干渉低減のための従来手法の1つと
しての中和回路を図24に同等構成の回路(但し、トリ
マコンデンサは無い)に用いた場合の不都合を、本実施
例の作用効果と比較する。
【0125】通常、中和回路は各コイルのチューニング
・マッチング回路間に接続するが、接続先のチューニン
グ・マッチングコイルまでの物理的距離があると、その
間をつなぐ中和回路のリード線が長くなるという問題が
ある。リード線が長くなるとリード線自身のインダクタ
ンスがおおきくなり、中和調整が難しくなるという問題
点がある。また、中和回路は、チューニング・マッチン
グを挟んで結線させるので、中和回路同士がおおきなル
ープをつくる。3つの中和回路がつくるループ面積はエ
レメントコイルのそれよりおおきくなってしまう。この
中和回路群が閉じたループをつくることになり、励起時
はおおきな誘起電圧が発生し、場合によってはコイルの
素子を誘導電流によって破壊させてしまったり、励起磁
場が乱れるという問題が発生する。
【0126】これに対し、図24の実施例の場合には、
ループを作る中和回路を用いていないので、そのような
問題も発生しない。
【0127】[実施例2]図25は別の実施例を示すも
ので、このRFコイルユニット140は4個のマルチプ
ルターンコイルの4つのコイルユニット140A〜14
0Dをエレメントコイルとして用いている。マルチプル
ターンコイルのユニット140A〜140Dのそれぞれ
は、2ターンの矩形状のコイル141a(…141d)
とチューニング・マッチング回路142a(…142
d)とを有する。各コイル141a(…141d)は外
側の矩形コイルとそれよりも小さい矩形コイル(インナ
ーコイル)とを備え、この2つのコイルを各々のチュー
ニング・マッチング回路142a(…142d)に並列
に接続している。内側の矩形コイルの巻線途中に、各
々、リアクタンス調整素子としてのトリマコンデンサ1
43a(…143d)を挿入している。コイル141a
…141dの先端部分の一部をオーバーラップさせてい
る。
【0128】図25と同等な回路をリアクタンス調整素
子を用いないで構成する場合、従来では例えば中和回路
を用いることになる。ここでは4つのコイルなので 4C
2 =6通りの干渉がある。これを従来では、中和回路6
つを使って調整すべく配線することになるが、上下およ
び左右のコイル間に中和回路を配線しなければならない
関係で、コイルパターン上を這う配線をとらなけばなら
ない。このことは高周波共振回路群が錯綜する本構成の
ような場合には往々にしてストレーキャパシタンスを含
む本来不要な共振を引き起こす。各チューニング・マッ
チング回路、及び中和回路の調整状態に強く依存したこ
の共振は、設計時にあらかじめ予想することが困難であ
るとともに、無負荷では調整できたが、負荷(=被写
体)を入れて再調整すると、不要な共振が現われ、調整
が収束しないなどの不安定要素をもつ。また、中和回路
上にトラップ回路を付け加える場合には回路がさらに複
雑化してしまう。
【0129】これに対して、図25の実施例の場合、ト
ラップ回路をチューニング・マッチング基板上に配置し
てもよいので、配線が容易になる。各コイルの幾何学的
対称性が保たれているので調整がやりやすい。励起磁場
を乱す中和回路がない。受信コイルの感度分布を乱さな
い。トリマコンデンサ143a(…143d)の調整が
所属する各エレメントコイルのチューニング・マッチン
グのみに影響を与えるので、調整を収束させやすい、な
どの種々の利点がある。
【0130】なお、前述した実施形態(実施例)におけ
る表面コイルの形状は円形、矩形、正方形など任意の形
状を採ることができる。またボリュームコイルとしてク
ロス楕円コイルを採用してもよい。また本発明に係るR
Fコイルユニットは、いわゆる複数のRFコイルを配列
したアレイコイルやマルチビューコイルのRFコイルに
も適用できる。また前述したRFコイルユニットは受信
用のみならず、送信用であってもよいし、その両方を担
うユニットであってもよい。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のRFコイ
ルユニットによれば、複数個のRFコイルの内の少なく
とも1つのRFコイルの巻線途中に、このRFコイルの
リアクタンスを調整可能な集中定数型のリアクタンス調
整素子(例えば可変コンデンサ)を介挿したので、従来
の磁気的干渉低減のための回路又はコンポーネントを付
加することなく、RFコイル間の磁気的干渉を簡素な構
成で確実に低減させるとともに、所望の磁場分布を得る
ことができる。また、そのような磁気的干渉低減の調整
を短時間で容易に行うことができる。さらに、多素子型
のRFコイルユニットを形成するRFコイルの数がとく
に「3」以上のときに、磁気的干渉の排除およびそのた
めの調整の上述した有利さをより顕著に享受することが
できる。
【0132】さらにまた、RFコイルユニットとしてQ
Dコイルを複数個搭載する場合、MRI座標系のZ軸
(体軸)方向に直交する横(径)方向にその複数個のQ
Dコイルを、磁気的な相互干渉を確実に低減させた状態
で並置できるQDコイル構造を有したRFコイルユニッ
トを提供することができる。
【0133】また、本発明のコイル調整方法によれば、
複数個のRFコイルの内の少なくとも1つのRFコイル
を形成する巻線の途中位置に集中型のコンデンサ素子を
挿入し、このコンデンサ素子の静電容量値を調整しなが
ら前記磁気的干渉が最小となる静電容量値を定め、定め
た静電容量値のコンデンサ素子をその後の調整不要なコ
ンデンサ素子として前記途中位置に挿入しておくので、
RFコイル間の磁気的干渉を確実に低減できるととも
に、そのような調整を例えば製造時に一度行っておけば
足りることから、ユーザがMR診断時に干渉低減のため
のコイル調整をしなくても済み、操作が簡単化されると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るRFコイルユニ
ットの構成図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るRFコイルユニ
ットの構成図。
【図3】第2の実施形態に係るRFコイルユニットの干
渉低減のシミュレーションに用いたRFコイル部の等価
回路図。
【図4】干渉低減の実験結果の一例を示すグラフ。
【図5】干渉低減の実験結果の一例を示すグラフ。
【図6】干渉低減の実験結果の一例を示すグラフ。
【図7】干渉低減の実験結果の一例を示すグラフ。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るRFコイルユニ
ットに使用するサドルコイルの構成図。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るRFコイルユニ
ットの構成図。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るRFコイルユ
ニットとしてのマルチプルターンコイルを示す構成図。
【図11】第4の実施形態の一実施例に係るRFコイル
ユニットの構成図。
【図12】第4の実施形態の他の実施例に係るRFコイ
ルユニットの構成図。
【図13】第4の実施形態のさらに他の実施例に係るR
Fコイルユニットの構成図。
【図14】本発明の第5の実施形態に係るRFコイルユ
ニットに対比される従来ユニットの概略構成図。
【図15】本発明の第5の実施形態のRFコイルユニッ
トの一例を示す概略構成図。
【図16】グランドループ電流制御回路の一例を示す概
略構成図。
【図17】本発明の第5の実施形態に係るRFコイルユ
ニットの別の一例を示す概略構成図。
【図18】本発明の第6の実施形態に係るRFコイルユ
ニットとしてのQDコイルの一実施例の巻線パターンを
示す図。
【図19】本発明の第6の実施形態に係るRFコイルユ
ニットとしてのQDコイルの別の実施例の巻線パターン
を示す図。
【図20】本発明の第6の実施形態に係るRFコイルユ
ニットとしてのQDコイルのさらに別の実施例の巻線パ
ターンを示す図。
【図21】本発明の第6の実施形態に係るRFコイルユ
ニットとしてのQDコイルのさらに別の実施例の巻線パ
ターンを示す図。
【図22】本発明の第6の実施形態に係るRFコイルユ
ニットとしてのQDコイルのさらに別の実施例の巻線パ
ターンを示す図。
【図23】本発明の第6の実施形態に係るRFコイルユ
ニットとしてのQDコイルのさらに別の実施例の巻線パ
ターンを示す図。
【図24】本発明の第7の実施形態に係るRFコイルユ
ニットの一実施例の巻線パターンを示す図。
【図25】本発明の第7の実施形態に係るRFコイルユ
ニットの別の実施例の巻線パターンを示す図。
【図26】従来の干渉低減専用回路の一例を説明する
図。
【図27】従来の別の干渉低減専用回路の一例を説明す
る図。
【図28】従来の別の干渉低減対策のさらに別の例を説
明する図。
【図29】従来の別の干渉低減対策のさらに別の例を説
明する図。
【図30】リニアアレイコイルの並置を説明する図。
【図31】QDコイルのY軸(上下)方向の並置を説明
する図。
【図32】QDコイルのZ軸方向の並置を説明する図。
【図33】QDコイルのX軸(横)方向のRFシールド
板を用いた並置を説明する図。
【符号の説明】
10,20,40,60,70,80,90,110,
120,130,140RFコイルユニット 11a,11b,21H,21V,61,62,72,
82,83,92A,92B,111,112,12
1,122,131a〜131c,141a〜141d
RFコイル 13a,13b,22a,22b,33,43,49,
63,66,73,93A,93B,130a〜130
c,142a〜142d チューニング・マッチング回
路 41,42,47,48 閉ループコイル 12 波長短縮コンデンサ 12x,23,35,36,45,46,65,99,
133a〜133c,143a〜143d 可変コンデ
ンサ(リアクタンス調整素子) 14a,14b,34,44,50,64,74,95
A,95B ケーブル 67,68 トラップ回路 97 グランドループ電流制御回路 96A,96B プリアンプ 98 コイル部 100A,100B セカンドアンプ 130A〜130C,140A〜140D エレメント
コイルユニット

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気共鳴イメージング(MRI)用の高
    周波磁場の送信および受信の内の少なくとも一方を担う
    ように形成した複数個のRFコイルと、この複数個のR
    Fコイルの出力インピーダンスを調整するための出力イ
    ンピーダンス調整回路とを備えたMRI用RFコイルユ
    ニットにおいて、 前記複数個のRFコイルの内の少なくとも1つのRFコ
    イルの巻線途中に、このRFコイルのリアクタンスを調
    整可能な集中定数型のリアクタンス調整素子を介挿した
    ことを特徴とするMRI用RFコイルユニット。
  2. 【請求項2】 前記出力インピーダンス調整回路は、チ
    ューニング・マッチング回路であり、このチューニング
    ・マッチング回路が受信用のプリアンプに接続されてい
    る請求項1記載のMRI用RFコイルユニット。
  3. 【請求項3】 前記リアクタンス調整素子は、前記RF
    コイルを実質的に磁気共鳴周波数で共振させるために予
    めその巻線途中に挿入してある複数の集中定数型のリア
    クタンス素子の内の1つを、そのリアクタンス値の調整
    可能な素子で置換した構成である請求項1記載のMRI
    用RFコイルユニット。
  4. 【請求項4】 前記集中定数型且つ固定値のリアクタン
    ス素子は固定コンデンサであり、前記リアクタンス調整
    素子は可変コンデンサである請求項3記載のMRI用R
    Fコイルユニット。
  5. 【請求項5】 前記リアクタンス調整素子は可変コンデ
    ンサである請求項1記載のMRI用RFコイルユニッ
    ト。
  6. 【請求項6】 前記インピーダンス調整回路は前記複数
    個のRFコイルの数に応じて複数個用意され、その複数
    個のRFコイルが各別にその出力インピーダンス調整回
    路に接続されている請求項1記載のMRI用RFコイル
    ユニット。
  7. 【請求項7】 前記リアクタンス調整素子は、インピー
    ダンス調整することにより既知となったリアクタンス分
    の固定値のコンデンサに置換した素子である請求項1記
    載のMRI用RFコイルユニット。
  8. 【請求項8】 前記リアクタンス調整素子を介挿したR
    Fコイルは、1つの平面又は曲面に収まるように形成さ
    れたコイル面を有し、且つその平面又は曲面に水平な面
    に高周波磁場を発生させ得る巻線パターンを有し、前記
    出力インピーダンス調整回路およびリアクタンス調整素
    子をそのRFコイルの巻線パターン途中の互いに幾何学
    的に対称となる位置に各々挿入してある請求項1記載の
    MRI用RFコイルユニット。
  9. 【請求項9】 前記複数個のRFコイルは互いの磁場影
    響下に在るように近接配置又は一部がオーバラップ配置
    されている請求項1記載のMRI用RFコイルユニッ
    ト。
  10. 【請求項10】 前記複数個のRFコイルの各々の巻線
    は、1ターンで形成される矩形、正方形または円形の形
    状を有する請求項9記載のMRI用RFコイルユニッ
    ト。
  11. 【請求項11】 前記複数個のRFコイルの内の1つの
    RFコイルは、その巻線が一筆書きで8の字状になぞる
    ことができる2つの隣接したループを形成するパターン
    形状を有する請求項9記載のMRI用RFコイルユニッ
    ト。
  12. 【請求項12】 前記複数個のRFコイルの内の少なく
    とも1つは前記出力インピーダンス調整回路に並列に接
    続された複数個のコイル素子を備える請求項1記載のM
    RI用RFコイルユニット。
  13. 【請求項13】 前記複数個のコイル素子は、同一の形
    状の巻線パターンを有する2個の閉ループコイルであ
    り、この2個の閉ループコイルが被検体を囲むように対
    向・配置されてボリュームコイルを成す請求項12記載
    のMRI用RFコイルユニット。
  14. 【請求項14】 前記2個の閉ループコイルはサドルコ
    イル又はクロス楕円コイルを形成する請求項13記載の
    MRI用RFコイルユニット。
  15. 【請求項15】 前記2個の閉ループコイルの各々の巻
    線途中に前記リアクタンス調整素子を介挿した請求項1
    3記載のMRI用RFコイルユニット。
  16. 【請求項16】 前記複数個のRFコイルの各々は、同
    一形状の巻線パターンを有し且つ被検体を囲むように互
    いに対向・配置された2個のコイル素子から成るボリュ
    ームコイルであり、該ボリュームコイルの中心軸に関し
    て幾何学的に90゜のずれを持って2組の当該ボリュー
    ムコイルを配置した構成の請求項12記載のMRI用R
    Fコイルユニット。
  17. 【請求項17】 前記リアクタンス調整素子は可変コン
    デンサである請求項12記載のMRI用RFコイルユニ
    ット。
  18. 【請求項18】 前記リアクタンス調整素子は、インピ
    ーダンス調整することにより既知となったリアクタンス
    分の固定値のコンデンサに置換した素子である請求項1
    2記載のMRI用RFコイルユニット。
  19. 【請求項19】 前記複数個のRFコイルの内の少なく
    とも一部の複数個のRFコイルは、それぞれの巻線パタ
    ーンが同一形状の閉ループを成し且つその閉ループが形
    成するコイル面の大きさが互いに異なる複数の表面コイ
    ルであり、その内の大きい方の表面コイルが小さい方の
    表面コイルを囲むようにそれらの表面コイルを実質的な
    同一面又は同一曲面上に配置した多重ターンコイルであ
    る請求項1記載のMRI用RFコイルユニット。
  20. 【請求項20】 前記複数個の表面コイルは、前記出力
    インピーダンス調整回路に対して直列に接続されている
    請求項19記載のMRI用RFコイルユニット。
  21. 【請求項21】 前記複数個の表面コイルは、前記出力
    インピーダンス調整回路に対して並列に接続されている
    請求項19記載のMRI用RFコイルユニット。
  22. 【請求項22】 前記出力インピーダンス調整回路はチ
    ューニング・マッチング回路である請求項20または2
    1記載のMRI用RFコイルユニット。
  23. 【請求項23】 前記チューニング・マッチング回路と
    前記複数個の表面コイルの直列又は並列接続回路とを繋
    ぐリード線部分には、送信時に受信コイルとしての当該
    表面コイルの直列又は並列接続回路を電気的に遮断する
    トラップ回路を挿入してある請求項22記載のMRI用
    RFコイルユニット。
  24. 【請求項24】 前記複数個の表面コイルは同一面上に
    位置する外側及び内側の2つの閉ループから成る請求項
    22記載のMRI用RFコイルユニット。
  25. 【請求項25】 前記リアクタンス調整素子は可変コン
    デンサであり、この可変コンデンサが前記外側又は内側
    閉ループの何れか一方に介挿されている請求項24記載
    のMRI用RFコイルユニット。
  26. 【請求項26】 前記可変コンデンサおよび前記チュー
    ニング・マッチング回路は、その可変コンデンサが介挿
    されている前記外側又は内側閉ループに対して幾何学的
    に対称な位置に介挿又は接続されている請求項25記載
    のMRI用RFコイルユニット。
  27. 【請求項27】 前記複数個の表面コイルの各々は1タ
    ーンのコイルであり、前記リアクタンス調整素子は可変
    コンデンサあり、前記磁気共鳴イメージングの共鳴周波
    数は、前記1ターンのコイルのインダクタンスと前記可
    変コンデンサの静電容量とにより共振する比較的高い値
    である請求項19記載のMRI用RFコイルユニット。
  28. 【請求項28】 前記複数個のRFコイルは、前記多重
    ターンコイルと、この多重ターンコイルの一部とオーバ
    ラップして配置される別の表面コイルとを含む請求項1
    9記載のMRI用RFコイルユニット。
  29. 【請求項29】 前記多重ターンコイルと前記別の表面
    コイルの各々は、別々の前記出力インピーダンス調整回
    路に接続されている請求項28記載のMRI用RFコイ
    ルユニット。
  30. 【請求項30】 前記複数個のRFコイルは、前記多重
    ターンコイルと、この多重ターンコイルが形成するコイ
    ル面に対して斜め方向の磁場領域を持つ別のRFコイル
    とを含む請求項19記載のMRI用RFコイルユニッ
    ト。
  31. 【請求項31】 前記複数個のRFコイルは3個以上の
    RFコイルで成る請求項1記載のMRI用RFコイルユ
    ニット。
  32. 【請求項32】 前記リアクタンス調整素子は前記3個
    以上のRFコイルの各々の巻線途中に介挿した請求項3
    1記載のMRI用RFコイルユニット。
  33. 【請求項33】 前記3個以上のRFコイルに介挿され
    る別個の前記リアクタンス調整素子の内、所定のRFコ
    イルに介挿されたリアクタンス調整素子は残りのRFコ
    イルに対して幾何学的に対称な位置に配置されている請
    求項32記載のMRI用RFコイルユニット。
  34. 【請求項34】 前記複数個のRFコイルは、複数個の
    コイル素子により形成される多重ターンコイルを3個以
    上形成するRFコイルで成り、各多重ターンコイルのコ
    イル素子のサイズは異なるコイルである請求項1記載の
    MRI用RFコイルユニット。
  35. 【請求項35】 磁気共鳴イメージング(MRI)用の
    高周波磁場の受信を担うように形成した複数個のRFコ
    イルと、この複数個のRFコイルの出力インピーダンス
    を個々に調整する複数個の出力インピーダンス調整回路
    と、を備えたMRI用RFコイルユニットにおいて、 前記複数個の出力インピーダンス調整回路を通過した受
    信信号を受信処理回路側に各別に導く複数本の伝送線を
    有し、この複数本の伝送線の内の少なくとも一部の伝送
    線に、この伝送線の外被を流れる外装電流の通過状態を
    制御する制御回路を挿入したことを特徴とするMRI用
    RFコイルユニット。
  36. 【請求項36】 前記複数本の伝送線の少なくとも一部
    の伝送線は他の受信系を成す前記RFコイルの巻線を跨
    いで配置されている請求項35記載のMRI用RFコイ
    ルユニット。
  37. 【請求項37】 前記制御回路は、前記伝送線をソレノ
    イド状に巻き回したコイル部と、このコイル部の外被に
    並列に接続した可変コンデンサとから成る請求項36記
    載のMRI用RFコイルユニット。
  38. 【請求項38】 磁気共鳴イメージング(MRI)用の
    高周波磁場としての垂直磁場を形成する第1のRFコイ
    ルおよびその水平磁場を形成する第2のRFコイルを対
    とするエレメントコイルを有するMRI用RFコイルユ
    ニットにおいて、 前記第1のRFコイルおよび第2のRFコイルの各々が
    呈する2つのコイル面の少なくとも一部は互いに異なる
    平面上または曲面上に存在するように当該第1および第
    2のRFコイルの巻線パターンの形状又は位置の少なく
    とも一方を定めたことを特徴とするMRI用RFコイル
    ユニット。
  39. 【請求項39】 前記第1のRFコイルはそのコイル面
    が平面状又は湾曲面状に形成され、一方、前記第2のR
    Fコイルはそのコイル面が巻線を一筆書きで8の字状に
    なぞることができる2つの隣接したループを有し且つそ
    の隣接辺を基軸としてV字状に開き且つその開き角が1
    80゜よりも小さい構造である請求項38記載のMRI
    用RFコイルユニット。
  40. 【請求項40】 前記第1のRFコイルはそのコイル面
    が湾曲状に形成された構造であり、一方、前記第2のR
    Fコイルはそのコイル面が巻線を一筆書きで8の字状に
    たどることができる2つの隣接した平面状に形成された
    構造である請求項38記載のMRI用RFコイルユニッ
    ト。
  41. 【請求項41】 前記エレメントコイルを少なくとも2
    個備え、それらのエレメントコイル各々が前記水平磁場
    方向に並置されている請求項38記載のMRI用RFコ
    イルユニット。
  42. 【請求項42】 前記エレメントコイルを4個備え、そ
    の4個のエレメントコイルが前記水平磁場方向に並置さ
    れている請求項38記載のMRI用RFコイルユニッ
    ト。
  43. 【請求項43】 磁気共鳴イメージング用の高周波磁場
    の送信および受信の内の少なくとも一方を担う複数個の
    RFコイル相互間の磁気的干渉を低減させるためのコイ
    ル調整方法において、 前記複数個のRFコイルの内の少なくとも1つのRFコ
    イルを形成する巻線の途中位置に集中型のコンデンサ素
    子を挿入し、このコンデンサ素子の静電容量値を調整し
    ながら前記磁気的干渉が最小となる静電容量値を定め、
    定めた静電容量値のコンデンサ素子をその後の調整不要
    なコンデンサ素子として前記途中位置に挿入しておくこ
    とを特徴とするコイル調整方法。
  44. 【請求項44】 前記調整時およびその後の調整不要な
    コンデンサ素子として同一の可変コンデンサを使う請求
    項43記載のコイル調整方法。
  45. 【請求項45】 前記調整時のコンデンサ素子は可変コ
    ンデンサであり、前記その後の調整不要なコンデンサ素
    子は前記定められた静電容量値の固定コンデンサである
    請求項43記載のコイル調整方法。
  46. 【請求項46】 前記調整時およびその後の調整不要な
    コンデンサ素子は、前記巻線に与えられた波長短縮用コ
    ンデンサの位置に挿入されている請求項44又は45記
    載のコイル調整方法。
  47. 【請求項47】 前記定められた静電容量値は前記波長
    短縮用コンデンサの静電容量値を含んだ値である請求項
    46記載のコイル調整方法。
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