JPH10239991A - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JPH10239991A
JPH10239991A JP9044099A JP4409997A JPH10239991A JP H10239991 A JPH10239991 A JP H10239991A JP 9044099 A JP9044099 A JP 9044099A JP 4409997 A JP4409997 A JP 4409997A JP H10239991 A JPH10239991 A JP H10239991A
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blade
toner
heat
developing device
developing
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JP9044099A
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Masahiko Maeda
雅彦 前田
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非磁性一成分トナーを用いる現像装置で、現像
ローラにブレードを押圧することによって、トナーの層
厚を規定している。トナーがブレードに融着することが
ある。 【解決手段】本現像装置13では、ブレード86を熱伝
導率が40(W・m-1・K-1)以上の部材、例えば、ア
ルミニウム材で形成した。ブレード86は、放熱が良
く、ブレード86が現像ローラ15に擦る際に摩擦熱が
生じても、ブレード86の温度上昇を防止できる。ブレ
ード86のニップ部をR面とした。 【効果】カラートナーに好ましい。画像形成不良を防止
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電式複写機、プ
リンタ等の画像形成装置において、感光体ドラムに形成
された静電潜像をトナー像に顕像化する現像装置に関す
る。特に、非磁性一成分トナーを用いる現像装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常、非磁性一成分トナーを用いる現像
装置は、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナー像
として顕像化するために感光体ドラムにトナー層を接触
させる現像ローラと、この現像ローラに供給されたトナ
ーを所定厚の薄層に形成するために現像ローラの周面を
所定圧で擦るブレードとを備えている。
【0003】例えば、ブレードは、ガラス板からなり、
その板面で樹脂製の現像ローラの周面を押圧手段によっ
て押圧された状態で擦り、トナーの薄層を現像ローラの
周面に形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トナー
は、ブレードによって擦られる際の摩擦熱で、ブレード
に融着し、ブレード表面にそのまま残る場合がある。こ
のようにトナーが融着したブレードでは、トナーの層厚
を均一にできず、その結果、画像形成不良を生じてしま
う。
【0005】特に、ガラス製のブレードでは熱伝導性が
低いことから、上述の摩擦熱がブレードに溜まり易く、
ブレードと現像ローラとの擦れ合うニップ部分近傍の温
度が高くなり、トナーの融着を生じ易い。また、カラー
プリンタ等の画像形成装置で使用されるカラートナーは
融点が低いことから、ブレードに融着し易い傾向にあ
る。
【0006】また、融着したトナーをブレード表面から
削り落とすための研磨材を、トナーに混ぜて使用する場
合もある。しかしながら、研磨材によって感光体ドラム
が削られる不具合や、カラートナーに研磨材を混ぜるこ
とで生じる不具合を防止するために、研磨材を使用せず
に済ませたいという要請もある。そこで、本発明の目的
は、上述の技術的課題を解決し、トナーの融着を防止で
きるブレードを備えた現像装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係る現像装置は、現像ローラの周面に供
給された非磁性一成分トナーの層厚を、上記周面に押圧
されるブレードによって規制する現像装置において、ブ
レードは、熱伝導率が40(W・m-1・K-1)以上の部
材を含むことを特徴とする。
【0008】この構成によれば、トナーが供給された現
像ローラの周面を、ブレードによって擦る際に摩擦熱が
生じても、ブレードの放熱が良いので、ブレードの温度
上昇が抑えられ、ブレードにトナーが融着することを防
止できる。従って、トナーの薄層を安定して形成できる
ので、画像形成不良を防止できる。ここで、熱伝導率が
40(W・m-1・K-1)以上の部材としては、炭素鋼、
ニッケル、りん青銅、黄銅、アルミニウム等を例示する
ことができ、これら以外の部材でも、熱伝導率が40
(W・m-1・K-1)以上であればよい。また、熱伝導率
の上限も限定されない。
【0009】請求項2に係る現像装置は、請求項1に記
載の現像装置において、ブレードからの放熱を促進する
放熱手段をさらに備えたことを特徴とする。この構成に
よれば、請求項1にかかる発明の作用に加えて、ブレー
ドの放熱がさらに良いので、確実にブレードの温度上昇
が抑えられ、ブレードにトナーが融着することを防止で
きる。従って、画像形成不良を防止できる。
【0010】ここで、放熱手段としては、例えば、ブレ
ードに設けられた放熱フィンや、放熱フィンを現像装置
の機外に導出した場合にその周囲に空気流を流通させる
送風ファンや風路形成部材等をあげることができる。ま
た、これらの放熱手段を同時に実施すればより一層効果
的である。請求項3に係る現像装置は、請求項1または
2に記載の現像装置において、ブレードは、現像ローラ
の周面に押圧される凸湾曲面を有したことを特徴とする
ものである。
【0011】この構成によれば、請求項1または2にか
かる発明の作用に加えて、ブレードと現像ローラとが、
凸湾曲面と円周面とで接触しているので、その接触して
いる部分の面積を、円周面と平面で接触する場合に比べ
て少なくすることができる。その結果、現像ローラに供
給されたトナーが、ブレードに接触する時間を短くする
ことができるので、摩擦熱で加熱されたブレードによっ
て加熱されることを防止して、ブレードに融着すること
を防止できる。従って、画像形成不良を防止できる。
【0012】凸湾曲面としては、例えば、R面をあげる
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発
明の第1の実施形態にかかる現像装置を、それを備えた
カラープリンタを例に説明する。図1は本実施形態の現
像装置が適用されたカラープリンタAの内部断面を示す
概略構成図である。図1を参照して説明する。
【0014】このカラープリンタAは、用紙Pを直線状
に搬送する用紙搬送路に沿って一列に配列されたブラッ
ク、マゼンタ、シアンおよびイエローの各色用の4つの
画像形成ユニット10を備え、各画像形成ユニット10
に含まれる各感光体ドラム11上にそれぞれ形成された
各色のトナー像を、一枚の用紙Pに順次色重ねして転写
することによりフルカラー画像を得る、いわゆるタンデ
ム方式のフルカラープリンタである。
【0015】このカラープリンタAは、パーソナルコン
ピュータ等の外部機器(図示せず)に接続されており、
この接続された外部機器から画像データを入力される。
入力された画像データを処理するために、カラープリン
タAは、マイクロコンピュータ等を含む信号処理部を備
えている。この信号処理部で、カラープリンタAは、入
力された画像データをブラック、マゼンタ、シアンおよ
びイエローの各色の濃度を表すデジタルカラー画像デー
タに分解する。
【0016】また、このカラープリンタAは、 上述の各色に分解されたデジタルカラー画像データに
応じて、レーザ光源(図示せず)からのレーザビーム
を、ポリゴンミラー21、レンズ22、反射鏡23〜2
5等を介して走査することによって所定のビーム光を得
る、上述の各色毎に設けられたレーザ走査部20と、 レーザ走査部20からの光に応じた潜像を形成するた
めの感光体ドラム11、及び感光体ドラム11に形成さ
れた静電潜像を顕像化する現像装置13を含む、上述の
各色毎に設けられた上述の画像形成ユニット10と、 各画像形成ユニット10に順に用紙Pを所定の搬送方
向に沿って搬送する搬送ベルト46と、搬送ベルト46
を挟んで各感光体ドラム11に対向して設けられて各感
光体ドラム11に顕像化した画像を用紙に転写する転写
ローラ50とを含む転写ベルトユニット40と、 用紙に転写されたトナー像を加熱定着させる定着ユニ
ット80と、 用紙を給紙トレー3から繰り出し、転写ベルトユニッ
ト40へ送出する前段の給紙部91と、定着ユニット8
0から繰り出された用紙を本体上面に形成された排出部
18に排出する後段の排紙部92とを有して、前後段の
途中を定着ユニット80と転写ベルトユニット40とで
兼用されている用紙搬送部90とを備えている。
【0017】画像形成ユニット10は、感光体ドラム1
1の周囲に、帯電チャージャ12、現像装置13および
クリーニング装置14を、この順に配置されたものであ
る。この画像形成ユニット10は、帯電チャージャ12
によって均一に帯電した感光体ドラム11の外周面に、
レーザ走査部20からのビーム光を照射して所望の画像
を結像させて静電潜像を形成した後、この静電潜像を現
像装置13によってトナー像に顕像化する。各現像装置
13で顕像化されたトナー像は、感光体ドラム11と転
写ローラ50との間を、搬送ベルト46によって搬送さ
れて通過する用紙Pに転写される。なお、感光体ドラム
11の残留トナーは、クリーニング装置14によって回
収される。
【0018】この画像形成ユニット10と、レーザ走査
部20と、転写ローラ50との各部は、ブラック、マゼ
ンタ、シアンおよびイエローの各色毎に設けられてい
る。これら各部(図1には、ブラック、マゼンタ、シア
ンおよびイエローの各色用の各部には、その符号に、符
号B,M,CおよびYを添えて示している。)は、ブラ
ック、マゼンタ、シアンおよびイエローの順に、搬送ベ
ルト46によって形成される用紙搬送路に沿って、その
用紙Pを搬送する方向の上流側から下流側に向けて(図
1の右から左に)配置されている。これら各部は、各色
用の画像データに応じた処理を用紙Pの搬送タイミング
に合わせて順次行う。例えば、レーザ走査部20は、各
色用の画像データに応じたビーム光を照射して、感光体
ドラム11に所望の画像を結像させて静電潜像を形成す
る。また、現像装置13は、各色のトナーをそれぞれ収
容しており、上述のように各色用に形成された静電潜像
を各色のトナー像に顕像化する。なお、各色用の処理
は、各色で略同じであるので、以下では、特に示す場合
を除き、色別の説明を省略する。
【0019】次に、このカラープリンタAの動作を説明
する。まず、用紙搬送部90の給紙部91は、用紙P
を、給紙トレー3から給紙ローラ5の回転によって繰り
出し、搬送路4を通し、レジストローラ7に搬送する。
レジストローラ7は、用紙Pを一旦停止させた後、ブラ
ック用画像形成ユニット10でのトナー像形成動作とタ
イミングを合わせて、搬送ベルト46に送り出す。
【0020】搬送ベルト46に送り出された用紙Pは、
搬送ベルト46によって搬送され、まず、ブラック用画
像形成ユニット10で、ブラック用のトナー像を転写さ
れる。このブラック用のトナー像が転写された用紙P
は、搬送ベルト46によって引続き搬送され、マゼンタ
用画像形成ユニット10に至り、マゼンタ用のトナー像
を重ねて転写される。以後、この用紙Pは、シアンおよ
びイエローの各色のトナー像を重ねて転写され、その
後、定着ユニット80へ搬送される。
【0021】定着ユニット80は、熱定着ベルト83に
よって用紙Pを予熱した後に、熱定着ベルト83と下ロ
ーラ85とによって用紙Pを加熱、加圧して、トナーを
用紙に定着する。その後、用紙搬送部90の排紙部92
は、画像が定着された用紙Pを排出部18へ排出する。
【0022】本発明の現像装置は、上述の現像装置13
に適用されており、各画像形成ユニット10の何れの現
像装置13にも適用することができる。また、タンデム
方式のフルカラープリンタに限定されず、非磁性一成分
トナーを使用する現像装置に好ましく適用することがで
きる。以下、詳細に説明する。
【0023】現像装置13は、感光体ドラム11に形成
された静電潜像を、非磁性一成分トナーによって現像す
るためのものである。現像装置13は、少なくともその
表面が弾性体、例えば、ウレタン樹脂にて形成され、感
光体ドラム11に接触してトナーを供給する現像ローラ
15と、この現像ローラ15に押圧された状態で現像ロ
ーラ15と同方向に回転して現像ローラ15へトナーの
供給を補助するサブローラ16と、現像ローラ15に圧
接されたブレード86と、回転することによって現像装
置13内のトナーを攪拌する攪拌手段87と、これらの
部材を内蔵し、且つ非磁性一成分トナーを収容する現像
容器88とを備えている。
【0024】この現像装置13においては、現像ローラ
15、サブローラ16および攪拌手段87を、それぞれ
所定の方向に回転させると、現像容器88内のトナーが
攪拌されて、現像ローラ15とサブローラ16との摩擦
により、トナーは摩擦帯電してサブローラ16の表面に
付着し、ついで現像ローラ15周面に付着する。つぎ
に、現像ローラ15周面に付着したトナーは、現像ロー
ラ15の周面と、この周面に押圧されているブレード8
6との間を通過することで、現像ローラ15周面に付着
しているトナー層の厚みが一定の層厚に制御されるとと
もに、トナー層を形成するトナーが、ブレード86との
摺擦により付加的に強く帯電される(図2の矢印T1〜
T3参照)。その後、現像ローラ15上のトナーは、感
光体ドラム11とのニップ位置において、感光体ドラム
11に圧接されて、静電潜像の電位差に応じて選択的に
付着して、静電潜像がトナー像に顕像化される。
【0025】図2は、図1の現像装置の概略構成の要部
拡大正面図である。ブレード86は、長尺の板状部材で
あり、その長手方向を現像ローラ15の軸方向に沿わせ
て配置されている。正面視で、ブレード86の一端86
cが現像ローラ15の周面と接触しつつ、ブレード86
の他端86dが支点軸89を介して現像容器88に回動
自在に支持されている。ブレード86の他端86dに
は、支点軸89を接続する接続部材96が固定されてい
る。ブレード86の一端86cは、現像ローラ15と接
触している部分であるニップ部の背後から、現像ローラ
15の周面に向けて、押圧手段のばね95によって所定
の押圧力で押圧されている。
【0026】ブレード86は、その一端86cの凸湾曲
面86aを有した上述のニップ部と、ニップ部に接続さ
れた板状の主体部とを有しており、これらの各部を一体
に熱伝導率が高い部材、例えば、アルミニウムの厚板材
で形成されている。ここで、熱伝導率が高い部材として
は、アルミニウムの他、黄銅、りん青銅、ニッケル、炭
素鋼等でもよく、また、金属に限定されるものでもな
い。具体的には、熱伝導率が40(W・m-1・K-1)以
上の部材が好ましく、また、熱伝導率の上限は特に限定
されない。
【0027】凸湾曲面86aは、ブレード86の長手方
向に延びて互いに隣接する2面を接続している所定のR
面で形成されている。所定のR面としては、例えば、曲
率半径が0.5mm〜2mmに形成されるのが好まし
く、この場合には、トナーの薄層を良好なトナー量で形
成することができる。凸湾曲面86aは、平面と現像ロ
ーラ15の周面との接触に比べて、現像ローラ15との
接触部分を少なくでき、その結果、現像ローラ15に供
給されたトナーがブレード86に接触する時間を短くす
ることができるので、摩擦熱で加熱されたブレード86
によってトナーが加熱されることを防止できて好まし
い。
【0028】押圧手段は、現像ローラ15にブレード8
6を所定の押圧力で押圧できるばね95を有している。
ばね95の一端は現像容器88に取り付けられ、ばね9
5の他端はブレード86のニップ部の背面に当接してい
る。ばね95は、所定の押圧力を生じるように圧縮状態
で取り付けられている。なお、押圧手段としては、ばね
95以外に、ゴム材や、他の弾性部材等の公知の構成を
利用できる。
【0029】次に、このブレード86での、熱の伝わり
を説明する。トナーが供給された現像ローラ15の周面
をブレード86のニップ部が擦る際には、ニップ部に摩
擦熱が生じ、ニップ部の温度は上昇する。一方、ブレー
ド86の主体部は、その表面で、現像容器88内の空気
に触れており、表面でニップ部よりも温度が低くなって
いる。また、ブレード86の主体部は、上述の支点軸8
9に接続されている部分で、支点軸89を介して現像容
器88に接続され、ニップ部よりも温度が低くなってい
る。
【0030】ブレード86には上述のように温度差が生
じるので、温度の高いニップ部から、ニップ部に比べて
温度の低い部位へと、熱伝導率が高いブレード86で効
率良く熱伝導が行われる(破線矢印F1)。さらに、ブ
レード86で伝えられた熱は、ブレード86の表面から
現像装置13内の空気へ伝わり、また、接続部材96お
よび支点軸89を介して現像容器88へ伝わる。ニップ
部は、ブレード86の熱伝導によって摩擦熱を奪われ
て、効率良く放熱することができ、温度上昇を抑えられ
る。
【0031】このように本実施の形態によれば、熱伝導
率が高い部材で形成されたブレード86は、そのニップ
部で生じた摩擦熱を効率良く熱伝導できる。その結果、
ブレード86のニップ部から熱が奪われて、ブレード8
6のニップ部の温度上昇が抑えられ、ブレード86のニ
ップ部にトナーが融着することを防止できる。従って、
トナーの薄層を安定して形成できるので、画像形成不良
を防止できる。
【0032】また、ブレード86の凸湾曲面86aが現
像ローラ15の周面に押圧されるので、ブレード86と
現像ローラ15とが互いに接触している部分の面積を、
ブレード86の平面と現像ローラ15の周面とが接触す
る場合に比べて少なくすることができる。その結果、現
像ローラ15に供給されたトナーが、ブレード86に接
触する時間を短くすることができるので、摩擦熱で加熱
されたブレード86によって加熱されることを防止し
て、ブレード86に融着することを防止できる。従っ
て、画像形成不良を防止できる。
【0033】なお、本実施の形態のブレード86は、厚
板材であったが、その形状を限定されるものではない。
例えば、図4の正面図に示すように、ブレード86を薄
板材で形成してもよい。この場合、ニップ部は薄板材を
屈曲した凸湾曲面で形成されている。薄板材製のブレー
ド86は内部に熱を溜めず、放熱が良好である。また、
トナーの帯電を制御するために、ブレード86のニップ
部の表面に、ポリテトラフルオロエチレンの薄層を形成
する処理、いわゆるテフロン処理等の表面処理を施すこ
ともできる。なお、ニップ部の表面に形成されるのは薄
層であるので、ポリテトラフルオロエチレンの熱伝導率
が、上述の熱伝導率が高い部材に比べて低くても、ブレ
ード86全体の熱伝導を阻害することはなく、ニップ部
からの放熱を効率良く行うことができる。また、ポリテ
トラフルオロエチレンは摩擦係数が低いことから、ニッ
プ部で摩擦熱が生じにくいので、ニップ部でのトナーの
融着を防止するのに好ましい。
【0034】また、本実施の形態のブレード86は、そ
の全体が、上述の熱伝導率が高い部材で形成されていた
が、これには限定されない。少なくとも、ニップ部とニ
ップ部よりも低温の部位とを接続する、ブレード86の
部分が、熱伝導率が高い部材で形成されていれば、ニッ
プ部の熱を上述の部分を通じて効率良く熱伝導して放熱
することができる。
【0035】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図3は、本発明の第2の実施の形態にかかる現像装
置の概略構成の要部拡大正面図である。本実施の形態
は、ブレード86の放熱を促進する放熱手段が設けられ
た点で第1の実施の形態と異なっている。なお、以下の
説明では、第1の実施の形態と同じ機能を有する部分に
は、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0036】放熱手段は、現像装置13に設けられた放
熱部材100と、放熱部材100を介してブレード86
からの放熱を促進させるためのカラープリンタA内に設
けられた風当て手段とを備えている。放熱部材100
は、熱伝導の良好な部材、例えば、アルミニウム材で形
成された略板状部材である。放熱部材100の一端は、
ブレード86の他端86dに密着して取り付けられてい
る。放熱部材100の他端は、現像容器88に形成され
た開口を通じて現像容器88外に導出されている。現像
容器88に形成された開口には、放熱部材100の周囲
を封止する柔軟性のあるシール部材を設けてもよい。現
像容器88外に導出された放熱部材100の他端には、
表面積を広くする薄板状の放熱フィン100aが多数形
成されており、周囲の空気に効率よく放熱できる。放熱
部材100の一端はブレード86の他端86dから熱を
奪い、放熱部材100は一端から他端に熱を伝導し、放
熱部材100の他端で放熱フィン100aを通じて周囲
の空気に放熱することができる。このように、放熱部材
100はブレード86の放熱を促進することができる。
【0037】風当て手段は、カラープリンタA内に気流
を発生させる送風ファン101と、送風ファン101に
よる気流を放熱部材100の放熱フィン100aに導く
ための風路形成部材102とを有している。風路形成部
材102は、例えば、空気が流れる風路を区画する部材
であり、カラープリンタAの各部と兼用してもよい。送
風ファン101が運転されると、カラープリンタA機内
を空気が流れる。この機内を流れる空気は、風路形成部
材102によって導かれて放熱フィン100aに至り、
放熱フィン100aに沿って流れつつ、放熱フィン10
0aの熱を奪い去る。このように、風当て手段は、放熱
部材100の放熱を促進し、これによってブレード86
の放熱を促進することができる。
【0038】次に、ブレード86、放熱部材100、風
当て手段での、熱の伝わりを説明する。本実施の形態で
は、第1の実施の形態での熱の伝わりに加えて、以下の
ように、熱が伝えられる。すなわち、ブレード86の主
体部内の熱は、ブレード86の一端部86dから放熱部
材100の一端へ伝わる。放熱部材100の一端へ伝わ
った熱は、放熱部材100の一端から、他端の放熱フィ
ン100aへ熱伝導される。放熱フィン100aの熱
は、上述のように、風当て手段によって空気に効率良く
伝わり放熱される(破線矢印F2)。このように、ニッ
プ部に生じた摩擦熱は、ブレード86から、放熱部材1
00や風当て手段によってより一層効率良く放熱される
ことによって、ニップ部から熱が奪われて、ニップ部の
温度上昇が抑えられる。
【0039】このように、本実施の形態によれば、放熱
フィン100aや送風ファン101等によって放熱が促
進されたブレード86では、ブレード86からの放熱が
さらに良いので、確実にブレード86の温度上昇が抑え
られ、ブレード86にトナーが融着することを防止でき
る。従って、画像形成不良を防止できる。なお、本実施
の形態では、放熱部材100はブレード86と別体に形
成されていたが、ブレード86と一体に形成されてもよ
い。例えば、ブレード86の端部を放熱フィン100a
と同様の形状とすることが考えられる。また、放熱フィ
ン100aと同様の形状を、ブレード86に設けられた
他の部材、例えば、支点軸89を支持している接続部材
96に形成することも考えられる。この場合には、放熱
部材100と上述の他の部材とを兼用することができ
る。
【0040】また、放熱部材100は、現像容器88外
に導出されていたが、これには限定されない。放熱部材
100の全体を現像容器88内に配置してもよい。ま
た、放熱手段としては、上述の放熱部材100や、風当
て手段の送風ファン101および風路形成部材102の
他に、ブレード86に形成された放熱フィンも考えら
れ、公知の構成、機器、素子等も利用することができ
る。また、これらの放熱手段は、何れか一つを実施して
も良いが、同時に複数の放熱手段を実施すればより一層
効果的で好ましい。
【0041】また、これらの放熱手段の少なくとも一つ
を、第1の実施の形態の現像装置13に適用しても良
い。このように、本発明によれば、熱伝導率が高いブレ
ード86を用いているので、第1の実施の形態のように
閉じられた現像容器88内で放熱される場合や、タンデ
ム方式のカラープリンタのように機内が狭く送風ファン
による空気流が十分に得にくい場合でも、効率良くブレ
ード86から放熱できて、好ましい。
【0042】その他、本発明の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことが可能である。
【0043】
【実施例】ブレードを、熱伝導率の高い材質で形成し、
現像装置13に適用したときのトナーの融着状況を観察
した。また、比較例として、ブレードを、熱伝導率の低
い材質で形成し、同様に現像装置13に適用したときの
トナーの融着状況を観察した。
【0044】実施例 熱伝導率が40(W・m-1・K-1)の炭素鋼でブレード
を形成した場合には、ブレードへのトナーの融着は、実
用上問題なく使用できる程度に低減されていた。熱伝導
率が237(W・m-1・K-1)のアルミニウム材でブレ
ードを形成した場合には、ブレードへのトナーの融着は
充分に低減されていた。
【0045】比較例 熱伝導率が1.3(W・m-1・K-1)のガラスでブレー
ドを形成した場合には、ブレードへのトナーの融着はか
なり発生し易かった。なお、このガラスは、従来からブ
レード材料とされていたものである。熱伝導率が14
(W・m-1・K-1)のステンレス鋼でブレードを形成し
た場合には、ブレードへのトナーの融着の発生は、ガラ
ス材に比べて低減されるものの、充分な程度に低減され
ていなかった。
【0046】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、熱伝導率
が40(W・m-1・K-1)以上の部材を含むブレード
は、トナーが供給された現像ローラの周面を擦る際に生
じる摩擦熱を効率良く逃がすことができる。これによ
り、ブレードの温度上昇を抑えることができる結果、ブ
レードにトナーが融着することを防止できる。従って、
トナーの薄層を安定して形成できるので、画像形成不良
を防止できる。
【0047】請求項2に係る発明によれば、請求項1に
かかる発明の効果に加えて、放熱手段によってブレード
からさらに効率良く放熱させることができ、これによ
り、確実にブレードの温度上昇を抑えることができる結
果、ブレードにトナーが融着することを確実に防止でき
る。従って、画像形成不良を確実に防止できる。請求項
3に係る発明によれば、請求項1または2にかかる発明
の効果に加えて、現像ローラの円周面に対してブレード
の凸湾曲面を押圧するようにしたので、ブレードの現像
ローラに対する接触面積を少なくすることができる。そ
の結果、現像ローラ上のトナーが、ブレードに接触して
いる時間を短縮できるので、該トナーがブレードに融着
することを確実に防止できる。従って、画像形成不良を
確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る現像装置が適
用されたカラープリンタAの概略構成の正面断面図であ
る。
【図2】図1の現像装置の概略構成の要部拡大正面図で
ある。
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかる現像装置の
概略構成の要部拡大正面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態にかかるブレードの正
面図である。
【符号の説明】
13 現像装置 15 現像ローラ 86 ブレード 86a 凸湾曲面 100 放熱部材(放熱手段) 101 送風ファン(放熱手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現像ローラの周面に供給された非磁性一成
    分トナーの層厚を、上記周面に押圧されるブレードによ
    って規制する現像装置において、 上記ブレードは、熱伝導率が40W・m-1・K-1以上の
    部材を含むことを特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の現像装置において、 ブレードからの放熱を促進する放熱手段をさらに備えた
    ことを特徴とする現像装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の現像装置におい
    て、 ブレードは、現像ローラの周面に押圧される凸湾曲面を
    有したことを特徴とする現像装置。
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