JPH1023988A - 抗菌、保湿及び柔軟性に優れたティッシュペーパー用 組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 一般家庭における繊維ウェブに処理する組
成物で、家庭用、衛生用あるいはスギ花粉による、ただ
れた皮膚に用いるティッシュペーパーに処理して、皮膚
の保湿性、柔軟性を良好にし、しかもべとつき感がない
ティッシュペーパー用組成物である。 【構 成】 植物性油脂であるパーム油および／または
パーム核油を主に界面活性剤と２価および３価の水溶性
多価アルコールの配合物に若干の水分を添加したものに
非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤ならびに抗菌
剤を添加してなる保湿、柔軟性に優れたティッシュペー
パー用組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ティッシュペーパ
ーに抗菌、保湿および柔軟性を与えるために処理する組
成物に関する。更に詳しくは、この組成物は柔軟性およ
び保湿性に優れたもので、その組成は植物油に界面活性
剤および水溶性の多価アルコールに少量の水を添加して
なるもので、繊維ウェブに処理して家庭用、衛生用とし
て使用するティッシュペーパー用組成物である。

【０００２】加工された繊維ウェブは保湿性と柔軟性に
優れており、紙質は肌に柔らかく優しく接し、感触性が
良好で、乳幼児の肌や荒れた皮膚につソフトに作用し、
損傷のある皮膚の回復にも寄与できる繊維ウェブであ
る。

【０００３】

【従来の技術】家庭用などとして多量に使用されている
ティッシュペーパーとして清拭用に使用される繊維ウェ
ブには通常、界面活性剤、アルコール類ならびに糖類や
鉱物油等で加工されている。

【０００４】その加工方法は、使用する加湿剤あるいは
柔軟性組成物が水で希釈された処理液で繊維ウェブに処
理した後、加熱乾燥によって水分を除去あるいは水分を
含んだ状態のティッシュとして製造されている。この方
法では、柔軟性組成物が水を含んだまま加工されるた
め、使用する織維ウェブは耐水性が要求されるので樹脂
加工を施す必要性から繊維ウェブが硬くなる欠点があっ
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、セルロース
繊維で製造された繊維ウェブは、通常乾燥状態で使用さ
れるが、繊維が柔軟性に欠けるため、その硬さが問題と
なっていた。そのために衛生用あるいは皮膚の弱い乳幼
児が使用する場合、皮膚を傷つけやすい懸念があった。
特に最近問題になっている花粉症にあっては、スギ花粉
によって侵された皮膚に使用できるティッシュペーパー
としては柔軟性不足が指摘され改良が求められていた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、以上の問題解
決の方法として、ティッシュペーパーの素材である繊維
ウェブに天然植物油および界面活性剤ならびに２価およ
び３価の水溶性多価アルコール等の配合組成物が使用さ
れる。更に必要に応じ、非イオン界面活性剤やアニオン
界面活性剤ならびに抗菌剤が添加される。使用に際し
て、これらの組成物を、そのまま、あるいは水で希釈し
た後、ティッシュペーパーに処理乾燥する。このティッ
シュペーパーは保湿性および柔軟性に優れているため
に、乳幼児や皮膚の弱い人の肌に優しくソフトであるの
で皮膚を傷つけることが少ない。

【０００７】更に、本発明によるティッシュペーパー用
組成物は、春季に発生するスギ花粉症で悩まされるアレ
ルギー症による眼および鼻周辺の粘膜刺激によって発生
する滲出液の清拭用としては、特に柔軟性に優れ、肌に
優しく接することが要求される。その性能は、天然油脂
として使用したパーム油の性能が優れており、他にその
類を見ない程である。

【０００８】本発明のティッシュペーパーに使用する添
加組成物には、清拭の際の皮膚上のバクテリアの除菌並
びにティッシュペーパーに発生するカビ類を抑制するた
めに抗菌剤を使用する。この抗菌剤は、パラオキシ安息
香酸アルキル（アルキル基Ｃ_１〜Ｃ_４）、塩化ベンザル
コニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウ
ム、グルコン酸クロルヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリ
ウム、プロピルメチレンビグアニド塩酸塩、塩化ジメチ
ルジデシルアンモニウム等を添加する。添加量はティッ
シュペーパー用組成物に対し０．０１〜１．０重量％
（以下％は、全て重量％で示す）である。

【０００９】本発明のティッシュペーパー用組成物に使
用する添加組成物には、以上の他に界面活性剤が使用さ
れる。界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエリレン脂肪酸エステル、高級アルコールの
エチレンオキサイド付加物（脂肪酸、高級アルコールは
何れもＣ_８〜Ｃ_１８でエチレンオキサイド１０モル以下
付加物を示す）の１種または２種以上を０．１〜５．０
％配合する。

【００１０】本発明に使用する油脂類としては、パーム
油あるいはパーム核油が特に好ましい。水溶性多価アル
コールまたはエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリ
ン、ジグリセリン、トリグリセリンこの他セチルアルコ
ールポリエチレングリコール、ステアリルアルコールポ
リエチレングリコール、オレイルアルコールポリエチレ
ングリコールなどを使用することができる。

【００１１】本発明に使用するティッシュペーパーは、
坪量１０ｇ〜５０ｇ／ｍ^２、好ましくは１０ｇ〜３０ｇ
／ｍ^２のティッシュペーパーを使用する。ティッシュペ
ーパー用組成物に処理する方法は、処理液に浸漬、ロー
ルコーターによる塗布あるいはスプレー等により行う。
処理量はティッシュペーパーに５０％〜１５０％、好ま
しくは２０％〜１００％である。

【００１２】本発明に使用する水は蒸留水、イオン交換
水が好ましい。またティッシュペーパー用組成物には以
上の成分の他、香料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、などの成分を配合することができる。

【００１３】

【作用】本発明の、繊維ウェブに処理する組成物は殺菌
性、柔軟性および保湿性に優れたもので、その組成は植
物油として特にパーム油および／またはパーム核油を使
用し、これに水溶性多価アルコール、界面活性剤、抗菌
剤および少量の水を添加してなるものである。この繊維
ウェブを本発明組成物で処理したティッシュペーパーは
家庭用、衛生用などに使用するもので保湿、柔軟性に優
れ、しっとりとしかもべとつきがなく、さらっとした感
じを与える組成物である。加工された繊維ウェブの紙質
は柔らかく肌に優しく接し感触性が良好で、弱い皮膚の
乳幼児の肌や荒れた皮膚あるいはスギ花粉などに侵され
た皮膚や損傷のある皮膚の回復にも寄与できる繊維ウェ
ブである。

【００１４】

【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。但し、これらは例示のためであり、これによって発
明の範囲が制限されるものではない。

【００１５】処方例 各種薬剤配合によるティッシュペーパー用組成物配合例
を表１に示す。またこの処方例による薬剤処理ティッシ
ュペーパーの官能試験結果を表２に示す。

【００１７】薬剤の処理方法 表１の処方 処方１〜９の薬剤を、それぞれ２５％を７
５％の水に溶解した。 処理方法 Ｎｏ．１：１ｄｉｐ １ｎｉｐ Ｐｉｃｋ
ｕｐ １００％，Ｄｒｙ ８０℃にて充乾。 Ｎｏ．２：原液をロールコーターにて、繊維ウェブに対
し２５％処理した。

【００１６】

【表１】

【００１７】

【表２】

【００１８】試験方法 上記の結果は、ティッシュペーパーの触感による柔軟
性、保湿感および触感の、それぞれ最良を１０点、最低
を１点とし、その間の値は、各人の主観によった。試験
は、１０名により処理Ｎｏ．を伏したティッシュペーパ
ーにより各人のテスト結果を集計し、その平均値を求め
た。ただし、未加工品（Ｂｌａｎｋ）の値を４とした結
果である。

【００１９】抗菌試験 官能試験に供したＮｏ．８および９を処理したティッシ
ュペーパーをハロー法（ＪＩＳ−Ｌ１９０２）に従いＥ
ｓｃｈｅｒｉｃｈｉａ ｃｏｌｉ ０−１６，Ｓｔａｐ
ｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ａｕｒｅｕｓ２０９Ｐの細菌を用
いて抗菌試験を行った結果、充分な抗菌効果が認められ
た。しかし、未加工品（Ｂｌａｎｋ）は抗菌効果が認め
られなかった。

【００２０】

【発明の効果】本発明のティッシュペーパー用組成物で
処理された繊維ウェブは、抗菌性、保湿性および柔軟性
に優れており、紙質は肌に柔らかく優しく接し、感触性
が良好で皮膚の弱い人や荒れた皮膚にもソフトに作用す
る優れたティッシュペーパーを得ることができる組成物
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 繊維ウェブ用組成物の植物油成分として
   パーム油又は／及びパーム核油に界面活性剤、２価およ
   び３価の水溶性多価アルコールの配合組成物に１〜５部
   の水分を添加、更に０．０１〜０．５部の抗菌剤を添加
   し均一な組成物とする。この組成物は使用に際して、そ
   のままあるいは適宜に水で希釈した後、繊維ウェブに処
   理することを特徴とする抗菌、保湿および柔軟性に優れ
   たティッシュペーパー用組成物。