JPH10238398A - シリンダブロック及びその製造方法 - Google Patents

シリンダブロック及びその製造方法

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JPH10238398A
JPH10238398A JP4251197A JP4251197A JPH10238398A JP H10238398 A JPH10238398 A JP H10238398A JP 4251197 A JP4251197 A JP 4251197A JP 4251197 A JP4251197 A JP 4251197A JP H10238398 A JPH10238398 A JP H10238398A
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cylinder
cylinder liner
cylinder block
liner
hole
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JP4251197A
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Hiroyuki Ikuta
浩之 生田
Noboru Takayanagi
登 高柳
Akihisa Nishimura
晃尚 西村
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、連結型のシリンダライナを用いた
シリンダブロックであって、シリンダライナ隔壁の温度
を低くすることができるシリンダブロックを提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 連結型のシリンダライナ11を有するシ
リンダブロックにおいて、前記シリンダライナ11に
は、シリンダライナ11の連結点よりシリンダライナの
隔壁内に凹部が設けられ、該凹部にシリンダブロック材
が鋳込まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのシリン
ダブロックに関し、特に各シリンダのためのシリンダラ
イナを相互に一体化させた連結型のシリンダライナを用
いたシリンダブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンを軽量、小型化するため
に連結型のシリンダライナを用いたアルミダイカスト製
シリンダブロックが知られている(日経メカニカル19
95.10.16 No.465)。図7は、連結型の
シリンダライナを有するシリンダブロックの上端面模式
図である。簡便のため二気筒の場合を図示している。図
7に示すようにシリンダライナ11は、円筒形状をした
各シリンダライナ11a,11bを連結した構造となっ
ている。ここで、連結型のシリンダライナ11の各部の
名称を以下のように定義する。隔壁とは、各シリンダ室
16a、16bに挟まれ、かつ、シリンダブロック材と
接触しない部分の壁をいい、具体的には図7の斜線で示
す部分が該当する。また、図中斜線を施していない隔壁
22以外の壁を、外周壁21a、21bという。また、
各シリンダライナ11a、11bの外周壁21a、21
bの外周面が交差するA点を、連結点ということとす
る。かかるシリンダライナ11の周囲にシリンダブロッ
ク本体10が鋳込まれてシリンダブロックが構成されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シリンダブロックには以下の問題点があった。すなわ
ち、各シリンダ室16a、16b内で発生した熱はシリ
ンダライナ11を介してシリンダブロック本体10に伝
えられる。この発生した熱は、均一にシリンダライナ1
1からシリンダブロック本体10に伝えられることが望
まれる。均一に熱が伝えられずにシリンダライナ11の
一部のみが他の部分に比較して温度が高くなると、この
部分の温度によるシリンダライナ11の変形量が大きく
なり、ボア18の真円度が低下しオイル消費量が増加す
るからである。しかしながら、シリンダライナ11の外
周壁21a、21bには、その外周壁21a、21bが
シリンダ室を形成する各シリンダ室16a、16b内で
発生した熱のみが伝えられるのに対して、シリンダライ
ナ11の隔壁22には、シリンダ室16a、16bで発
生した両方の熱が伝えられる。また、シリンダライナ1
1のうち外周壁21a、21bに伝えられた熱は、直接
シリンダブロック本体10に伝えられるのに対して、シ
リンダライナ11の隔壁22に伝えられた熱は、隔壁2
2内を伝わり外周壁21a、21bを介してシリンダブ
ロック本体10に伝えられる。従って、連結型のシリン
ダライナ11を用いた従来のシリンダブロックでは、シ
リンダライナ11の内、隔壁22の温度が外周壁21
a、21bの温度に比較して高くなりやすいという問題
があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の請求項
1記載の発明は、シリンダライナの隔壁部分の放熱性を
改善しこの部分の温度を低くすることができるシリンダ
ブロックを提供することを目的とする。上記目的を達成
するため、請求項1記載のシリンダブロックでは、連結
型のシリンダライナを有するシリンダブロックにおい
て、前記シリンダライナには、該シリンダライナの連結
点からシリンダライナの隔壁内に凹部が設けられ、該凹
部にシリンダブロック材が充填されていることを特徴と
する。
【0005】ここで、凹部とは、シリンダライナの連結
点から設けられ、シリンダライナの隔壁内にシリンダブ
ロック材を侵入させるための全てのくぼみをいう。この
ようなくぼみは、シリンダライナの一連結点から他の連
結点に向かう隔壁を貫通する貫通孔であっても良いし、
貫通しないものであっても良い。
【0006】上記シリンダブロックによれば、シリンダ
ライナの隔壁には、シリンダライナの連結点から凹部を
設け、該凹部にシリンダブロック材が充填される。従っ
て、シリンダライナの隔壁に伝えられた熱は、シリンダ
ライナの凹部に充填された熱伝導性の良いシリンダブロ
ック材を伝わりシリンダブロック本体に伝えられる。そ
のため、シリンダライナ隔壁の放熱性が良くなり、シリ
ンダライナ隔壁の温度を低くすることができる。
【0007】また、請求項2記載の発明では、さらに放
熱性を改善するために改良が加えられ、その構成は、請
求項1記載のシリンダブロックであって、前記凹部は、
シリンダライナの一連結点から他の連結点に向かう隔壁
内を貫通する貫通孔であって、該貫通孔にシリンダブロ
ック材が充填されていることを特徴とする。
【0008】上記シリンダブロックでは、シリンダライ
ナの一連結点から他の連結点に向かう隔壁を貫通する貫
通孔が形成され、その部分にシリンダブロック材が充填
されているため、請求項1記載のシリンダブロックに比
較してシリンダブロック材が隔壁内奥深くまで侵入して
いる。従って、シリンダライナの隔壁の熱は、シリンダ
ライナの貫通孔に充填されたシリンダブロック材を介し
て効果的にシリンダブロック本体に伝えられる。
【0009】また、本発明に係わるシリンダブロックの
ように、シリンダライナにシリンダブロック材を侵入さ
せるための凹部を設けた場合には、シリンダブロック鋳
造時に、前記凹部内の湯廻り性が悪くなるという問題が
あった。そこで、請求項3又は4記載の発明は、前記シ
リンダライナに設けた凹部にアルミ溶湯を流れやすくす
るためのシリンダブロック及びシリンダブロックの製造
方法を提供することを目的とする。
【0010】かかる目的を達成するために、請求項3記
載のシリンダブロックでは、請求項1又は2記載のシリ
ンダブロックであって、前記シリンダライナの前記凹部
には、該凹部に連通されシリンダライナ隔壁上端面又は
下端面に開口するガス抜き孔が設けられていることを特
徴とする。
【0011】上記シリンダブロックでは、シリンダブロ
ックを鋳造する場合であって、シリンダライナの隔壁に
設けられた凹部にシリンダブロック材が流れるとき、前
記凹部内の空気がガス抜き孔から鋳型外部に放出され
る。従って、前記凹部内の溶湯の流れを良くすることが
できる。
【0012】また、請求項4記載のシリンダブロックの
製造方法では、連結型のシリンダライナを有するシリン
ダブロックの製造方法であって、前記シリンダライナ
に、該シリンダライナの連結点からシリンダライナの隔
壁内に凹部を設け、該シリンダライナを予熱してから、
溶湯を鋳型に流し込むことを特徴とする。
【0013】上記方法によれば、シリンダライナが予熱
されているため、シリンダブロックを鋳造する場合であ
って、シリンダライナに設けた凹部に溶湯が流れ込むと
き、溶湯がシリンダライナにより急冷されることがな
い。従って、請求項3記載の発明と同様に、凹部内の溶
湯の流れを良くすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を、図
面に基づいて説明する。図1(a)は本発明に係わるシ
リンダライナの外観図であり、図1(b)は本発明に係
わるシリンダライナの上端面の部分拡大図である。図1
(a)に示すように、シリンダライナ11は、4つのシ
リンダライナを一体に成形したものである。各シリンダ
ライナの連結点上には、貫通孔14が設けられている。
貫通孔14は、同図(b)に示すように、連結点Aから
隔壁22を貫通して、他の連結点Bに通じるように設け
られている。貫通孔14の数や大きさは隔壁22の厚さ
等により決められ、冷却能力を高める必要がある場合に
は貫通孔の大きさ又は数を多くすればよい。また、貫通
孔14は、例えばシリンダライナ側面にドリルによって
孔をあける等の機械的加工により設けられるものや、シ
リンダライナが鋳造により製造される場合には、予め鋳
型に凸部を設けることにより得られるものであっても良
い。なお、シリンダライナ11には、一般に鋳鉄が使用
されるが、ボア面に鉄コーティング施したアルミ鋳造用
合金(例えばJIS規格におけるAC2B)や鉄コーテ
ィング無しの過共晶アルミ・シリコン合金を用いること
もできる。
【0015】図2は、図1に示すシリンダライナ11を
鋳込んだシリンダブロックの外観図を示す。同図におい
て、10はシリンダブロック本体であり、シリンダブロ
ック本体10にはシリンダライナ11が鋳ぐるまれてい
る。シリンダライナ11の周囲には、シリンダライナを
冷却するためのウォータージャケット12が設けられて
おり、その周囲にはシリンダブロックにシリンダヘッド
を連結するための、ヘッドボルト孔13が設けられてい
る。なお、シリンダブロック本体10には、アルミ鋳造
用合金が使用され、例えばJIS規格におけるAC2B
やADC12等が使用される。図3は、図2に示すシリ
ンダブロックのA−A断面図である。シリンダブロック
本体10の中央には、シリンダライナ11があり、シリ
ンダライナ11の隔壁22に設けた貫通孔14には、シ
リンダブロック鋳造時に、シリンダブロック本体10と
同一の材質であるアルミ溶湯が流れ込むことによりシリ
ンダブロック材が充填されている。
【0016】次に、図2に示すシリンダブロックの、シ
リンダブロック内の熱の流れを説明する。エンジンが作
動すると、シリンダ室16内を図示省略のピストンが上
下し、燃料がシリンダ室16内で燃焼しシリンダライナ
11が高温になる。シリンダライナ11の熱は、シリン
ダブロック本体10に伝えられ、ウォータージャケット
12内の水と熱交換することになる。詳述すると、シリ
ンダライナ11の外周壁21に伝えられた熱は、直接シ
リンダブロック本体10に伝えられる。一方、シリンダ
ライナ11の隔壁22に伝えられた熱は、隔壁内に設け
られた貫通孔14に充填されたシリンダブロック材を介
してシリンダブロック本体10に伝えられる。従って、
シリンダライナ11に貫通孔14を設けない場合は隔壁
22に伝えられた熱は熱伝導率の低いシリンダライナ1
1内を伝わり、シリンダライナ11の外周壁21からシ
リンダブロック本体10に伝えられるのに対して、本実
施形態では、貫通孔14に鋳込まれた熱伝導率の高いシ
リンダブロック材を介してシリンダブロック本体10に
伝えられる。そのため、本実施形態では、シリンダライ
ナ11に貫通孔を設けない場合に比較して、シリンダラ
イナ11の隔壁22からシリンダブロック本体10への
伝熱量が多くすることができ、シリンダライナ11の隔
壁22の温度を低くすることができる。具体的には、従
来のシリンダブロックでは、シリンダライナ隔壁の温度
は180度程度であったが、本発明のシリンダブロック
では、シリンダライナ隔壁の温度を30〜50度低下さ
せることができた。
【0017】以上説明したように、本実施形態のシリン
ダブロックでは、シリンダライナ11の隔壁22の温度
を低くすることができ、シリンダライナ11を均一に冷
却することができる。従って、ボアの真円度が低下する
ことがなくオイル消費量を増加させることがない。な
お、シリンダライナ11の隔壁22の熱は、貫通孔14
内に充填されたシリンダブロック材を介してシリンダブ
ロック本体10に伝えられるため、シリンダブロック材
の材質を熱伝導率の高いものに変更すれば、さらに効果
的にシリンダライナ11の隔壁22を冷却することがで
きる。
【0018】次に、本発明に係わる他の実施形態を、図
4に基づいて説明する。図4は、本発明をセミウェット
方式のシリンダライナに適用した場合のシリンダブロッ
クの縦断面図である。図中、同一部分には同一符号を付
し、説明を省略する。本実施形態では、シリンダライナ
11の上部を、直接ウォータージャケット12で冷却し
ている点で前述した実施形態と異なる。これは、シリン
ダライナ11は上部ほど高温になりやすいためである。
シリンダライナ11の下部には、径3mmの貫通孔14
が6箇所設けられており、かかる貫通孔14にシリンダ
ブロック材が充填されている。
【0019】次に、図4に示すシリンダブロックの、シ
リンダブロック内の熱の流れを説明する。本実施形態で
は、シリンダ室で発生した熱はシリンダライナ11から
シリンダブロック本体10へと伝達されるのは前述した
実施形態と同一であるが、セミウェット方式ではシリン
ダライナ11上部からの熱は直接ウォータージャケット
12内の水と熱交換を行う。従って、前述した実施形態
よりもシリンダライナ11の上部を冷却することができ
る。また、シリンダライナ下部の熱は、シリンダライナ
下部に設けられた貫通孔14内に充填されたシリンダブ
ロック材を介して、シリンダブロック本体10へ伝達さ
れる。従って、本実施形態においても、前述した実施形
態と同様に、シリンダライナ11の隔壁22の冷却能力
を向上させることができる。
【0020】次に、本発明に係わるシリンダブロックの
製造方法の概略について説明する。図5は、本発明に係
わるシリンダブロック用鋳型の縦断面図である。鋳造用
鋳型は、下型31の上に開閉可能な横型32が載置され
構成されている。この鋳型を用いてシリンダブロックを
鋳造するためには、まず、横型32が開いた状態で、予
め製造していた中子33及び連結点から凹部を設けたシ
リンダライナ11を下型に取り付ける。中子33とシリ
ンダライナ11が取り付けられた後、横型32を閉じ、
鋳造空間が形成される。鋳造空間が形成されると、注湯
容器34を傾動させ、注湯容器34内のアルミ溶湯35
を鋳造空間にそそぎ込む。アルミ溶湯の注湯が完了する
と、アルミ溶湯の冷却が行われ凝固する。凝固が終了す
ると、横型32が開き、凝固したシリンダブロックを取
り出し、中子33を取り除き、シリンダライナ11を鋳
込んだシリンダブロックを得る。
【0021】このように本発明に係わるシリンダブロッ
クを鋳造する際には、シリンダライナ11の連結点から
凹部(前述した実施形態では貫通孔14)を設けている
ため、前記凹部にシリンダブロック材を鋳込まなければ
ならない。しかしながら、隔壁22に設ける凹部はその
大きさに制限があるため、凹部内の湯廻りが悪化すると
いう問題が生じる。そこで、シリンダライナ11を予め
予熱し、凹部内の湯廻りを改善することが考えられる。
そのため、図5に係わる鋳型では、下型31の中央部に
開口部31aを設け、開口部31aを挿通して進退可能
な加熱用チップ36を取り付けたバーナー37が設けら
れている。かかるバーナーにより、アルミ溶湯を注湯す
る前に、シリンダライナ11を加熱するようにすれば、
凹部に流れ込んできたアルミ溶湯は、シリンダライナ1
1により急冷されることなく凹部の奥までスムーズに流
れることとなる。また、鋳型に加熱用バーナーを設けず
に、シリンダライナ11を鋳型に設置する前に、別途乾
燥炉で加熱する方法や、シリンダライナ11を下型31
に設置するためのロボットのハンドリング部分に加熱装
置を取り付け、この加熱装置により予熱を行うようにし
ても良い。なお、予熱温度としては250度〜300度
程度でよい。
【0022】また、予熱を行わないで湯廻りを良くする
方法としては、シリンダライナ11の凹部に連通しシリ
ンダライナ11の上端面又は下端面に開口するように、
シリンダライナ11にガス抜き孔を設けることが好まし
い。図6は、図4に示すシリンダブロックに鋳込まれて
いるシリンダライナ11にガス抜き孔を設けた場合の、
シリンダライナの縦断面図である。図6に示すシリンダ
ライナ11では、貫通孔14と連通し、かつ、シリンダ
ライナ11の上端面に開口するガス抜き孔17が設けら
れている。図6に示すシリンダライナ11を用いてシリ
ンダブロックの鋳造を行う場合には、アルミ溶湯が貫通
孔14に流れ込んできても、貫通孔14内の空気がガス
抜き孔16から排出されるため、アルミ溶湯が貫通孔1
4内に容易に流れ込むことができる。このようなガス抜
き孔16は、貫通孔14と同様に、ドリル等による機械
的加工により設けることができる。また、ガス抜き孔を
設けたシリンダライナを予熱して鋳造を行えば、さらに
湯廻りを良くすることができる。
【0023】なお、鋳型内に充填されたアルミ溶湯は凝
固する際収縮することになるが、シリンダライナ11に
使用される鋳鉄とシリンダブロック本体10に使用され
るアルミ合金との収縮量の相違により、シリンダブロッ
クには熱応力が発生する。連結型のシリンダライナを用
いず各々が分離した円筒形のシリンダライナを用いる場
合には、シリンダブロック本体の収縮量の方が大きいた
め、円筒形のシリンダライナには均一に圧縮応力が働
く。一方、連結型のシリンダライナを用いたシリンダブ
ロックでは、図2に示すY方向にもシリンダブロックが
収縮するため、シリンダライナ11とシリンダブロック
本体10の界面にせん断応力が発生し、両者の間に隙間
が生じる場合がある。このような隙間は、シリンダライ
ナ11の歪みや、シリンダライナ11とシリンダブロッ
ク本体10との熱抵抗を大きくするため好ましくない。
しかしながら、前述した実施形態に係わるシリンダブロ
ックでは、シリンダライナ11の貫通孔14にアルミ溶
湯が充填されているため、シリンダブロック本体10と
シリンダライナ11の密着性が高まっており、隙間が生
じるのを効果的に防止している。すなわち、シリンダラ
イナ11の貫通孔14内に流れ込んだアルミ溶湯が、シ
リンダブロック本体10のシリンダライナ11により隔
てられた両面を物理的に連結している。このため、シリ
ンダブロック本体10とシリンダライナ11との間に隙
間が発生することを防止することができる。従って、前
述した実施形態に係るシリンダブロックでは、シリンダ
ブロック本体10とシリンダライナ11の間に隙間が生
じることを防止できるため、シリンダライナ11の歪み
を抑制できると共に、シリンダライナ11とシリンダブ
ロック本体10との熱抵抗を小さくすることができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のシ
リンダブロックによれば、シリンダライナ隔壁に伝えら
れた熱は、シリンダライナの凹部に充填された熱伝導率
の高いシリンダブロック材を介して効率的にシリンダブ
ロック本体に伝えられるため、シリンダライナの隔壁の
温度を低くすることができる。
【0025】また、請求項2記載のシリンダブロックで
は、請求項1記載のシリンダブロックと同様に、シリン
ダライナの隔壁に伝えれた熱を効率的にシリンダブロッ
ク本体に伝達でき、シリンダライナ隔壁の温度を低くす
ることができる。
【0026】請求項3記載のシリンダブロックでは、シ
リンダライナの連結部に設けた貫通孔に溶湯が流れる
際、前記貫通孔の空気がガス抜き孔から鋳型外部に放出
されるため、貫通孔内の溶湯の流れを良くすることがで
きる。
【0027】請求項4記載の方法によれば、シリンダラ
イナが予熱されているため、シリンダライナに設けた貫
通孔に溶湯が流れ込む際、シリンダライナにより急冷さ
れることがなく、貫通孔内の溶湯の流れを良くすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わるシリンダライナ
であって、図1(a)はシリンダライナの外観図であ
り、図1(b)は、シリンダライナ上端面の部分拡大
図。
【図2】本発明の一実施の形態に係わるシリンダブロッ
クの外観図。
【図3】本発明の一実施の形態に係わるシリンダブロッ
クであって、図2に示すシリンダブロックのA−A線に
沿った縦断面図。
【図4】本発明の他の実施形態に係わるシリンダブロッ
クの縦断面図。
【図5】本発明のシリンダブロックを製造するための鋳
型の縦断面図。
【図6】本発明の他の実施の形態に係わるシリンダライ
ナの縦断面図。
【図7】従来の連結型のシリンダライナを有するシリン
ダブロックの上端面の模式図。
【符号の説明】
10・・・シリンダブロック本体 11・・・シリンダライナ 12・・・ウォタージャケット 13・・・ヘッドボルト孔 14・・・貫通孔 17・・・ガス抜き孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連結型のシリンダライナを有するシリ
    ンダブロックにおいて、 前記シリンダライナには、該シリンダライナの連結点か
    らシリンダライナの隔壁内に凹部が設けられ、該凹部に
    シリンダブロック材が充填されていることを特徴とする
    シリンダブロック。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリンダブロックであ
    って、 前記凹部は、シリンダライナの一連結点から他の連結点
    に向かう隔壁内を貫通する貫通孔であって、該貫通孔に
    シリンダブロック材が充填されていることを特徴とする
    シリンダブロック。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のシリンダブロッ
    クであって、 前記凹部には、該凹部に連通されシリンダライナ隔壁上
    端面又は下端面に開口するガス抜き孔が設けられている
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  4. 【請求項4】 連結型のシリンダライナを有するシリ
    ンダブロックの製造方法であって、 前記シリンダライナに、該シリンダライナの連結点から
    シリンダライナの隔壁内に凹部を設け、該シリンダライ
    ナを予熱してから、溶湯を鋳型に流し込むことを特徴と
    するシリンダブロックの製造方法。
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