JPH10236832A - 溶融ガラス流のエッジ保持方法およびガラスリボン成形装置 - Google Patents
溶融ガラス流のエッジ保持方法およびガラスリボン成形装置Info
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Abstract
れたフロートガラス製造時のエッジ保持方法を提供す
る。 【解決手段】リニアモータ5を動作させると、樋3中に
溶融ガラス流1のエッジ近傍から下方に向う溶融金属2
の流れ6が生じて、負圧となり、エッジ保持部の溶融金
属の浴面レベル2aの高さがまわりの浴面レベル2bの
高さに比べて低くなり、ガラスの表面張力に起因した圧
縮力が補償され、エッジが保持される。
Description
てガラス板を成形し製造する方法および装置、特に、溶
融金属浴面に供給された溶融ガラス流のエッジを保持す
る方法およびガラスリボン成形装置に関する。
は、一般に次のように行われている。溶融金属(代表的
には溶融錫)の満たされた浴槽内に、溶融ガラスを連続
的に流し入れる。溶融ガラスは、進行方向に沿って流れ
ながら一定の幅になるように調整される。例えば、フロ
ート法によって、いわゆる平衡厚さ以下の板厚のガラス
板を成形する場合は、溶融金属浴に溶融ガラスを供給し
た後、溶融ガラスの進行方向に牽引力を作用させて、溶
融金属浴上で溶融ガラス流の延伸が行われる。溶融ガラ
ス流は延伸される際、幅方向に収縮するので、収縮を抑
制するように溶融ガラス流の両縁部にトップロールを係
合している。
が効果的に係合するためには、溶融ガラス流にある程度
の粘度が必要である。例えば、ソーダライムシリケート
系ガラスでは、係合時の溶融ガラス流の温度を950〜
750℃程度として、粘度を104 〜107 ポイズ程度
とする。この粘度では、トップロールの係合によるガラ
ス表面の微細うねり、すなわちディストーションが生じ
やすい問題がある。
流のエッジを保持すると、トップロール係合部分近傍で
は、トップロールを介して放熱される。したがって、溶
融ガラス流の中央部付近に比べてトップロール係合部近
傍では溶融ガラスの粘度が下がり、所望の厚さのガラス
板が得られない。この部分は、製品にできないため、歩
留低下の原因になる。
し、ディストーションを生じることが少なく、歩留良
く、安定した生産を行うことができ、かつトップロール
が不要で作業性に優れ、かつ成形に要する流れ方向の長
さが短いフロートガラス板の製造法を得ることを目的と
する。
た溶融金属の浴面に溶融ガラスを連続的に供給して溶融
ガラス流を形成し、溶融ガラス流を前進させて目標厚さ
のガラスリボンに成形する際における溶融ガラス流のエ
ッジ保持方法であって、溶融ガラス流の幅方向のエッジ
近傍の溶融金属の浴面レベルの高さと、溶融ガラス流の
幅方向の中央近傍の溶融金属の浴面レベルの高さとが異
なるように該溶融金属の流れを制御することにより、溶
融ガラス流が幅方向に広がろうとする力または狭まろう
とする力を補償して溶融ガラス流のエッジを所定の位置
に保持することを特徴とする溶融ガラス流のエッジ保持
方法、および、内部に収容された溶融金属上で所定方向
に溶融ガラス流を前進させて目標厚さのガラスリボンに
成形するフロート成形用の浴槽と、溶融ガラス流の所望
エッジに沿って溶融金属を鉛直方向に吹出すか吸引する
ことが可能な吹出し・吸引手段と、を備えることを特徴
とするガラスリボン成形装置、である。
のエッジ近傍において、溶融金属浴内にその浴面に対し
てほぼ垂直上方に向かう流れまたはほぼ垂直下方に向か
う流れを生じさせることにより、該エッジ近傍における
溶融金属の浴面レベル(以下、溶融金属レベルともい
う)を制御する。
ラス流のエッジ近傍を一端として下方に伸びる溶融金属
の流路を形成し、該流路を通る溶融金属の流れの方向と
流量を制御して、該エッジ近傍における溶融金属レベル
を制御する。
形する温度域はソーダライム系ガラスで1100〜75
0℃、粘度にして103.5 〜107 ポイズ程度であり、
そのうち高温域では、ガラスの表面張力がガラスの厚さ
を決定するのに支配的である。したがって、ガラスの表
面張力に打ち勝って、溶融ガラス流を目標厚さに成形す
るためには、表面張力により発生するエッジへの側圧力
を補償する必要がある。
幅方向に広がろうとする力または狭まろうとする力を、
トップロールとの係合によるのではなく、溶融ガラス流
のエッジ近傍の溶融金属レベルを中央部分のレベルより
も高くまたは低くすることにより、補償して、溶融ガラ
ス流のエッジを所定位置に保持することである。
する際に、溶融ガラス流が幅方向に狭まろうとする力が
広がろうとする力に対して優勢な場合には、溶融ガラス
流のエッジ近傍の溶融金属レベルを、溶融ガラス流の中
央部の溶融金属レベルより低くすることにより、溶融ガ
ラス流のエッジの厚さを中央付近の厚さより厚くでき
る。これにより、結果的に上記の溶融ガラス流のエッジ
に表面張力として働く側圧力(すなわち、溶融ガラス流
が幅方向に狭まろうとする力)を補償でき、溶融ガラス
流のエッジを保持できる。溶融ガラス流が幅方向に狭ま
ろうとする力が優勢になるのは、通常、平衡厚さよりも
薄いガラスリボンを製造する場合に生じる。
スと溶融金属との表面張力および密度によって決まる厚
さで、ソーダライムシリケート系ガラスで1050℃以
上の温度(粘性で104 ポイズ以下に相当)で溶融ガラ
スを溶融金属上に静置した場合に決定されるガラスリボ
ンの厚さをいう。
る際に、溶融ガラス流が幅方向に広がろうとする力が狭
まろうとする力に対して優勢な場合には、溶融ガラス流
のエッジ近傍の溶融金属レベルを、溶融ガラス流の中央
部の溶融金属レベルより高くすればよい。これにより、
溶融ガラス流のエッジの厚さを中央付近の厚さより薄く
でき、上記の溶融ガラス流が幅方向に広がろうとする力
を補償できる。溶融ガラス流が幅方向に広がろうとする
力が優勢になるのは、通常、平衡厚さよりも厚いガラス
リボンを製造する場合に生じる。
る。本発明では、浴槽に収容した溶融金属の浴面上の本
発明によるエッジ保持方法から構成される成形域に、溶
融ガラス流を誘導する。溶融ガラス流を目標厚さに調整
するには、種々の公知の方法を採用できる。例えば、溶
融ガラス槽からロールアウト法やダウンドロー法などで
溶融ガラス流を引き出して、所定の幅と厚さを持つ溶融
ガラスを溶融金属上に帯状に誘導してもよく、米国特許
第4784680号明細書に記載されたようなリストリ
クタタイルを用いて溶融金属の浴面上で帯状の溶融ガラ
スを拡幅して溶融ガラス流としてもよい。
前述のように自己の表面張力に応じた平衡厚さに近付い
ていくため、任意の厚さのガラスリボンを生産する場合
は、そのエッジを保持する手段が必要になる。その具体
的形態の1例を示すのが図1〜図3である。
ト法などによって、金属浴槽外で既に、所定の厚さ、幅
に調整されて浴槽に誘導されている場合の例である。浴
槽7には溶融金属2(典型的には溶融錫)が充填されて
いる。図2は図1のA−A断面図である。溶融ガラス流
1は、図2に示すように、落下部1bにおいて、溶融金
属2上に落下し、矢印の方向に進行する。
部1aの下部には、その近傍の溶融金属2の流路となる
樋(導管)3が設けられている。図3は、図1のB−B
断面図であり、樋3の近傍の拡大図になっている。樋3
の一方の開口部は、エッジ部1aの真下でエッジ部1a
に対向する形で開口する。溶融ガラス流のエッジ部1a
は図3においてほぼ紙面に垂直に伸びているため、前記
開口部もエッジ部1aに沿って、ほぼ紙面に垂直に伸び
ている。樋3は、溶融ガラス流のエッジ部1aのほぼ直
下から下方に伸びるとともに、浴槽7の底部で浴槽7の
縁部側に向かって略直角に曲折し、浴槽7の縁部近傍で
再び開口している。
は、リニアモータ5が配置されている。リニアモータ5
は、樋3の内部の溶融金属2がエッジ部1aの下から浴
槽7の縁部に向かって流れるように、または、その反対
方向に流れるように、溶融金属2を付勢する。浴槽7の
縁部側では樋3内の溶融金属2は水平方向に流れるよう
に付勢されるが、樋3が屈曲しているため、樋3の溶融
ガラス流のエッジ部1aに対向する開口部では鉛直方向
に流れるように付勢される。図3では、樋3の溶融ガラ
ス流のエッジ部1aに対向する開口部付近で下向きに溶
融金属2が流れる場合が描かれている。
インダクションモータ、電磁ポンプ等で実用化されてい
るように、櫛歯状の一次鉄心にコイルを形成し、これに
三相交流の電圧を印加し、コイルを順次磁化することに
よって一定の方向に移動する磁界を発生するものが例示
できる。
御する場合には、樋の中の溶融金属にリニアモータの磁
界を有効に作用させるために、樋の材質は非磁性体であ
ることを要する。さらに一般的にいって、樋の材質は溶
融金属との反応性が低いものであることが好ましい。以
上から、樋の材質としては、例えばカーボン、煉瓦など
が適する。
磁界発生装置4が配置されており、これによって、この
近傍の溶融金属2に静磁界を印加し、その流れを安定化
させうる。
明する。平衡厚さよりも薄いガラス板を製造する場合
(溶融ガラス流が幅方向に狭まろうとする力が優勢な場
合)を例にとり説明する。溶融金属2上に流し落とされ
た溶融ガラス流は、前進してエッジ保持部に供給され
る。ここで、リニアモータ5を動作させると、樋3の中
に溶融ガラス流1のエッジ近傍からリボンサイド部8
(溶融ガラス流に覆われていない溶融金属部分)に向か
う溶融金属2の流れ6が生じる。
金属の流れが生じて、負圧となり、エッジ保持部の溶融
金属の浴面レベル2aの高さがまわりの浴面レベル2b
の高さに比べて低くなる。低くなった部分には、溶融ガ
ラスが流入するので、エッジ部1aの厚さが中央部1b
より厚くなる。こうして、前述のようにガラスの表面張
力に起因した圧縮力が補償され、エッジが所定位置に保
持される。
定されないが、1〜30mm程度である。平衡厚さより
薄いガラスを製造する場合には、通常5〜6mmまでの
範囲で充分目的を達成できる。製造する厚さがより薄い
ときはこのレベル差が大きくなるように厚さに応じてレ
ベル差を変える。
を印加することで約4mmのレベル差を設けうる。電磁
力は磁界の強さの2乗に比例するので、発生するレベル
差も磁界の強さの2乗に比例する。したがって、電磁力
の強さを変えることによりレベル差を容易に変えうる。
を作用させて、溶融ガラス流1のエッジ保持部近傍に静
磁界を印加することが好ましい。こうして、この部分の
溶融金属2の乱れを極力小さくすることにより、溶融金
属浴面形状を安定化させ、より安定にエッジ保持できる
ようになる。この磁界の大きさは、0〜1000ガウ
ス、特に500ガウス以上が好ましい。
ス流が102 〜107 ポイズの粘度を有する範囲で行わ
れればよい。成形された溶融ガラス流は、粘度が1011
ポイズ程度になるまで冷却し、厚さが変化しないように
なった状態で、浴槽から引き出され、徐冷レアーに搬送
される。
合(溶融ガラス流が幅方向に広がろうとする力が優勢な
場合)はリニアモータ5の磁界の向きを逆にして、樋3
の中にリボンサイド部8からエッジ保持部に向かう溶融
金属2の流れを生じさせればよい。この様子を図4に示
す。
融金属の流れが生じて、正圧となり、エッジ保持部の溶
融金属浴面レベル2aの高さがまわりの浴面レベル2b
の高さに比べて高くなる。こうして、溶融ガラス流が幅
方向に広がろうとする力が補償され、エッジが所定位置
に保持される。
ガラス流1のエッジ保持部近傍に静磁界を印加すること
が好ましいのは、平衡厚さより薄いガラス板を製造する
場合と同様である。
属レベルを特に低く設けるときに、溶融ガラス流1と、
樋3との間隔が短くなる(例えば1〜2mm)ため、溶
融ガラスと樋が密着(スティック)する懸念がある。ま
た、溶融金属の流動量を多くしリニアモータの駆動力を
大きくする必要がある。図5は、このような場合に有効
な構成を示す図で、9は樋3に設置した翼を示す。
の周囲に、外方に突出する翼9を備えている。翼9の設
置により、その近傍では溶融金属が流路の急縮小による
圧力損失および翼上面での摩擦損失を受けるため、より
効率的にレベル差を形成できる。
面とほぼ平行に設けてもよいが、角度をつけてもよい。
例えば、周囲に向かって上向きに水平と0〜60度の角
度をつけうる。
ベル70mm、樋高さ60mm、樋入口幅15mm、樋
出口幅25mm、翼長さ10〜30mmとし、溶融金属
を流動させる手段として50Hzで150ガウスの交流
磁界をリニアモータにより印加することで、翼上で0.
1〜1.0m/sの流速を溶融金属に付与し、約4〜8
mmの溶融金属表面のレベル差を設けうる。また、溶融
ガラス流と翼や樋構成材との間隔を5mm程度以上確保
でき、ガラスと樋とのスティックのおそれがない。
は突出角度を適当に変更することにより、浴面レベルを
適宜変更できる。翼の突出長さは5mm程度以上あれば
充分な効果がある。
ス板を製造する場合は、ガラスにディストーションを生
じることがなく、安定したガラスの生産を行うことがで
き、かつトップロールがなくても作業性に優れ、かつ成
形に要する流れ方向の長さが短いフロートガラスの製造
法が得られる。
る場合は、ディストーションの発生が少なく、かつ作業
性に優れたフロートガラスの製造法が得られる。さらに
本発明によれば、溶融ガラス流のエッジを保持する領域
が従来に比べて比較的狭いので、ガラスの歩留が向上す
るという効果もある。
面)
面)
Claims (7)
- 【請求項1】浴槽に収容した溶融金属の浴面に溶融ガラ
スを連続的に供給して溶融ガラス流を形成し、溶融ガラ
ス流を前進させて目標厚さのガラスリボンに成形する際
における溶融ガラス流のエッジ保持方法であって、溶融
ガラス流の幅方向のエッジ近傍の溶融金属の浴面レベル
の高さと、溶融ガラス流の幅方向の中央近傍の溶融金属
の浴面レベルの高さとが異なるように該溶融金属の流れ
を制御することにより、溶融ガラス流が幅方向に広がろ
うとする力または狭まろうとする力を補償して溶融ガラ
ス流のエッジを所定の位置に保持することを特徴とする
溶融ガラス流のエッジ保持方法。 - 【請求項2】前記溶融ガラス流のエッジ近傍において、
溶融金属の浴内にその浴面に対してほぼ垂直な方向の流
れを生じさせることにより、該エッジ近傍における溶融
金属の浴面レベルを制御する、請求項1記載の溶融ガラ
ス流のエッジ保持方法。 - 【請求項3】前記溶融ガラス流のエッジ近傍を一端とし
て下方に伸びる溶融金属の流路を形成し、該流路を通る
溶融金属の流れの方向と流量を制御して、該エッジ近傍
における溶融金属の浴面レベルを制御する、請求項1ま
たは2記載の溶融ガラス流のエッジ保持方法。 - 【請求項4】内部に収容された溶融金属上で所定方向に
溶融ガラス流を前進させて目標厚さのガラスリボンに成
形するフロート成形用の浴槽と、 溶融ガラス流の所望エッジに沿って溶融金属を鉛直方向
に吹出しおよび吸引が可能な吹出し・吸引手段と、 を備えることを特徴とするガラスリボン成形装置。 - 【請求項5】前記吹出し・吸引手段は、溶融ガラス流の
エッジ近傍を一端として下方に伸びる溶融金属の流路と
なる樋と、該流路を通る溶融金属の流れの方向と流量を
制御する制御手段とを備える、請求項4記載のガラスリ
ボン成形装置。 - 【請求項6】前記樋は、溶融ガラス流のエッジに近い側
の端部の周囲に、外方に向かって突出する翼を備える、
請求項5記載のガラスリボン成形装置。 - 【請求項7】前記制御手段がリニアモータである、請求
項5または6記載のガラスリボン成形装置。
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JP04425597A JP3845935B2 (ja) | 1996-02-29 | 1997-02-27 | 溶融ガラス流のエッジ保持方法およびガラスリボン成形装置およびガラス板製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8-346287 | 1996-12-25 | ||
JP8-43488 | 1996-12-25 | ||
JP34628796 | 1996-12-25 | ||
JP04425597A JP3845935B2 (ja) | 1996-02-29 | 1997-02-27 | 溶融ガラス流のエッジ保持方法およびガラスリボン成形装置およびガラス板製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10236832A true JPH10236832A (ja) | 1998-09-08 |
JP3845935B2 JP3845935B2 (ja) | 2006-11-15 |
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Family Applications (1)
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JP04425597A Expired - Fee Related JP3845935B2 (ja) | 1996-02-29 | 1997-02-27 | 溶融ガラス流のエッジ保持方法およびガラスリボン成形装置およびガラス板製造方法 |
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1997
- 1997-02-27 JP JP04425597A patent/JP3845935B2/ja not_active Expired - Fee Related
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