JPH10235763A - Frp厚肉エネルギー吸収体 - Google Patents
Frp厚肉エネルギー吸収体Info
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- JPH10235763A JPH10235763A JP6020797A JP6020797A JPH10235763A JP H10235763 A JPH10235763 A JP H10235763A JP 6020797 A JP6020797 A JP 6020797A JP 6020797 A JP6020797 A JP 6020797A JP H10235763 A JPH10235763 A JP H10235763A
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Abstract
大きなエネルギーが安定して吸収でき、車両等における
乗員の保護ができるFRP厚肉エネルギー吸収体を提供
する。 【解決手段】 筒状体のエネルギー吸収体1はt/D>
0.09の厚肉のものからなり、肉厚tの10乃至15
[%]の外層部3の90°配向の繊維配向量が0°配向
の繊維配向量よりも大で、内層部4の0°配向の繊維配
向量が90°配向の繊維配向量よりも大である。これに
より、圧潰時に大きな破片が発生せず、十分、かつ安定
したエネルギー吸収ができる。
Description
ルギー吸収体に係り、特に、外周面の剥れを防止し安定
したエネルギ吸収ができるFRP厚肉エネルギー吸収体
に関する。
う)の中空筒状体のエネルギー吸収体1aは図6に示す
ように、軸線方向に沿って圧縮力を受けると図示のよう
に荷重作用端に圧潰8が生じ、多くのエネルギーを吸収
する。また、図7に示すように、横軸に変位をとり、縦
軸に荷重をとると、圧縮力の作用時には図示のように当
初に最大荷重Pmaxが発生して圧潰が始まり、圧潰に
より以下、平均荷重Pmeanに近いほぼ安定した荷重
が作用する。エネルギー吸収量Eは図7の斜線で示した
面積に相当するため、Pmean/Pmaxの値が大き
いとEは大きくなる。そして、かゝるエネルギー吸収体
1aでは、一般に内径に対して比較的薄肉の場合には前
記のPmean/Pmaxが大きく安定したエネルギー
吸収が行なわれるということが知られている。
量Eは荷重作用方向の繊維配向量によって異なるという
ことが知られている。エネルギー吸収体1aは荷重作用
方向(0°配向,又は軸方向という)とこれと直交する
方向(90°配向,又は周方向という)に沿って繊維を
配向した織布からなる。図8の曲線Cは図9(a)に示
すように0°配向の繊維配向量が90°配向の繊維配向
量よりも多い場合の荷重−変位曲線を示し、曲線Fは図
9(b)に示すように0°配向と90°配向の繊維配向
量がほぼ等しい場合の荷重−変位曲線を示す。図示のよ
うに、0°配向の繊維配向量が90°配向のものより多
いとエネルギー吸収量が大きいということが知られてい
る。
(図5)に対する肉厚t(図5)が比較的薄い薄肉の筒
状体のエネルギー吸収体1aに適用されるものであり、
前記のものは内径Dが40[mm]で肉厚tが約5[m
m]程度の場合のデータである。一方、図10に示すよ
うに、例えば内径Dが35[mm]に対して肉厚tが
7.5[mm]程度の比較的厚肉の筒状体のエネルギー
吸収体1bの場合には次のような問題点がある。
ネルギー吸収体1bは厚肉の筒状体からなり、かつ図1
0に示すように0°配向が90°配向よりも繊維配向量
の多い朱子織織布からなる。しかしながら、この厚肉の
エネルギー吸収体1bに圧縮荷重が作用すると、その荷
重作用端が大きく圧潰変形すると共に、大きなクラック
が生じ外層部が一定の厚みだけ剥がれ、大きな破片6が
剥離する。そのため、図11の曲線Gに示すように圧潰
時に大きな荷重低下点7が複数回生じ、エネルギー吸収
が十分に行なわれず、エネルギー吸収も不安定になると
いう問題点がある。
収体の場合には、外層部に剥離が発生せず、エネルギー
吸収の安定化とエネルギー吸収量の増大を図ることが重
要な課題となる。この課題に関連する公知技術として特
開平6−307477号公報が挙げられる。この「エネ
ルギー吸収部材」は、一方向に引き揃えられた補強繊維
を内層側に設け、外層側に補強繊維織物を配設した多層
の補強繊維層を有するものからなる。以上の構造によ
り、エネルギー吸収時の部材の破壊が一定のメカニズム
で円滑に開始し、安定、かつ信頼性の高いエネルギー吸
収が行なわれるものである。しかしながら、この「エネ
ルギー吸収部材」は後に説明する本発明のエネルギー吸
収体のように特に厚肉の筒状体に適用されるものではな
く、繊維の配向構造も大きく相異し、大荷重時における
エネルギー吸収を効果的に行なわせるものではない。
ものであり、厚肉に形成され、エネルギー吸収量が大で
外層側の剥離もなく、安定したエネルギー吸収ができ、
例えば、車両の衝突時等の大荷重作用時にも乗員空間を
確保して乗員の安全を図り得るFRP厚肉エネルギー吸
収体を提供することを目的とする。
達成するために、荷重作用方向(0°配向,又は軸方向
という)とこれに直交する方向(90°配向,又は周方
向という)にそれぞれ繊維を配列する繊維複合材料(F
RPという)から形成され、肉厚tと内径Dとの比t/
Dが0.09以上の厚肉筒状体のエネルギー吸収体であ
って、該エネルギー吸収体は内層部と外層部とからな
り、該外層部の90°配向の繊維配向量が0°配向の繊
維配向量よりも大であるFRP厚肉エネルギー吸収体を
構成するものである。更に具体的に、前記内層部の0°
配向の繊維配向量が90°配向の繊維配向量よりも大で
あることを特徴とし、前記外層部の厚さが、肉厚tの1
0乃至15[%]であるFRP厚肉エネルギー吸収体を
特徴とするものである。
ギー吸収体の肉厚tの10乃至15[%]に当る外層部
の90°配向の繊維配向量を0°配向の繊維配向量より
も大とし、残りの内層部の0°配向の繊維配向量を90
°配向の繊維配向量よりも大とすることにより、厚肉の
筒状体であっても外層部側の剥離が防止され、従来技術
のように大きな荷重低下点が生じない。このため、エネ
ルギー吸収が十分に行なわれると共に、安定したエネル
ギー吸収が行なわれる。
ギー吸収体の実施の形態を図面を参照して詳述する。図
1に示すように、本発明のエネルギー吸収体1は厚肉筒
状体からなり、図示のように外層部3と内層部4からな
る。なお、圧縮荷重の作用側にはトリガー2が形成さ
れ、円滑な圧潰が行なわれるようにしてある。なお、本
発明のエネルギー吸収体1は厚肉の筒状体に適用される
ものであるが、厚肉の筒状体の範囲は実験的に次のよう
にして求められる。すなわち、本発明は荷重−変位曲線
においてPmax後における荷重低下点7(図11)が
発生するような厚肉の筒状体について効果的なものであ
る。そこで、t/Dが0.120,0.106,0.0
91,0.083,0.036の筒状体について圧潰テ
ストを行なって荷重−変位曲線を求めたところ、0.0
83以下では荷重低下点7が発生しないことがわかっ
た。そこで、本発明が適用される厚肉の筒状体の境界を
t/D>0.09のものとした。
(図1)は従来の厚肉の筒状体において剥離の生じ易い
肉厚を参考として実験的に決定したものである。すなわ
ち、織布の全層数を28層又は31層とした場合、圧潰
時には外周から約4層目の部分が剥離した。このことか
らt0 は肉厚tの10乃至15[%]の範囲が適当であ
るとした。勿論、その範囲はそれに限定するものではな
い。
よび内層部4はいずれもFRPからなる。本発明では、
FRPは0°配向と90°配向の繊維を有する織布を樹
脂材と結合したものからなり、外層部3と内層部4の織
布の構造が相異する。本例では、厚さt0 に相当する外
層部3は図2(a)に示すように90°配向の繊維配向
量が0°配向の繊維配向量よりも多く配設されるタイプ
の織布を積層(例えば4層分だけ)したものからなる。
その具体的な繊維配向量はエネルギー吸収体1の形状,
大きさ等により適宜設定される。
ー吸収体1の内層部4は0°配向の繊維配向量が90°
配向の繊維配向量よりも多く配設されるものからなる。
なお、外層部3の90°配向の繊維配向量と内層部4の
0°配向の繊維配向率の量は必ずしも同量でなくてもよ
いが、一例として同一ピッチ間隔で配列されるものでも
よい。また、外層部3の0°配向の繊維配向量と内層部
4の90°配向の繊維配向量も同一でなくてもよいが、
一例として同一ピッチで配向されるものでもよい。
圧縮力が作用し、圧潰した状態を示す。図示のように、
トリガー2の部分が大きく圧潰変形するが、従来技術の
ように大きな破片6(図10)が発生せず細い破片5の
みが発生し、この状態でエネルギーが大幅に吸収され
る。以上により、安定したエネルギー吸収が行なわれ
る。
従来のエネルギー吸収体1b(図10)とのエネルギー
吸収状態を示す荷重−変位曲線である。なお、エネルギ
ー吸収体1およびエネルギー吸収体1bは内径Dが35
[mm]で肉厚tが7.5[mm]のt/D=0.22
の厚肉の筒状体からなる。また、エネルギー吸収体1の
外層部3は28層からなる肉厚tのうちの外周から4層
目までに相当する。従って、t0 は肉厚tの14[%]
である。また、図4において曲線Aが本発明のエネルギ
ー吸収体1であり、曲線Bが従来のエネルギー吸収体1
bである。また、表1は本発明のエネルギー吸収体1と
従来のエネルギー吸収体1bのPmaxおよびPmea
nと両者間の増加率[%]を示すものである。
うに荷重低下点7が複数回発生するのに対し、曲線Aは
荷重低下点7がなく、円滑なエネルギー吸収が行なわれ
ていることがわかる。また、表1に示すように、本発明
のエネルギー吸収体1のPmaxは26.84[to
n]であり、従来のエネルギー吸収体1bのPmaxの
25.32[ton]よりも6.0[%]しか大きくな
く、Pmeanは本発明のエネルギー吸収体1が22.
02[ton]であるのに対し従来のエネルギー吸収体
1bは17.07[ton]であり、本発明のものが2
9.0[%]高い。以上より、エネルギー吸収量Eの値
は本発明のエネルギー吸収体1がはるかに大きいことが
わかる。
うに厚肉の筒状体からなり、比較的大きな圧縮荷重の作
用する場合に使用される。例えば、本発明のエネルギー
吸収体1は車両の衝突時等において衝撃力が負荷される
部材の支持部に適用される。このエネルギー吸収体1を
用いることにより衝突時等におけるキャブの変形等が防
止され、乗員に作用する減速度の低減や、乗員空間を確
保し乗員の保護を図ることができる。
収体によれば、剥離し易い厚肉の筒状体の外層部の90
°配向の繊維配向量を0°配向の繊維配向量よりも多く
することにより圧潰時における剥離方向の繊維強度が向
上し、大きな破片が発生せず、エネルギー吸収量の増大
と安定化が図れる。 2)本発明の請求項2に記載のFRP厚肉エネルギー吸
収体によれば、内層部の0°配向の繊維配向量を90°
配向の繊維配向量より多くすることにより、請求項1の
効果に加えて更に大きなエネルギー吸収が安定して行な
われる効果が上げられる。 3)本発明の請求項3に記載のFRP厚肉エネルギー吸
収体によれば、外層部の厚さを肉厚tの10乃至15
[%]とすることにより、t/D>0.09のすべて厚
肉の筒状体に対し、前記1),2)の効果を上げること
ができる。
図。
よび内層部の繊維配向量の構成を示す模式図。
用時の圧潰状態を示す模式図。
厚肉のエネルギー吸収体の圧潰時の荷重−変位線図。
図。
る圧潰状態を示す模式図。
−変位曲線。
収体における圧潰時の荷重−変位線図。
形態を示す模式図。
題点を説明するための模式図。
重−変位線図。
Claims (3)
- 【請求項1】 荷重作用方向(0°配向,又は軸方向と
いう)とこれに直交する方向(90°配向,又は周方向
という)にそれぞれ繊維を配列する繊維複合材料(FR
Pという)から形成され、肉厚tと内径Dとの比t/D
が0.09以上の厚肉筒状体のエネルギー吸収体であっ
て、該エネルギー吸収体は内層部と外層部とからなり、
該外層部の90°配向の繊維配向量が0°配向の繊維配
向量よりも大であることを特徴とするFRP厚肉エネル
ギー吸収体。 - 【請求項2】 前記内層部の0°配向の繊維配向量が9
0°配向の繊維配向量よりも大であることを特徴とする
請求項1に記載のFRP厚肉エネルギー吸収体。 - 【請求項3】 前記外層部の厚さが、肉厚tの10乃至
15[%]である請求項1又は2に記載のFRP厚肉エ
ネルギー吸収体。
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---|---|---|---|
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- 1997-02-28 JP JP06020797A patent/JP3837818B2/ja not_active Expired - Fee Related
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