JPH10233040A - 検査用標準光ディスクとその製造方法及び検査方法 - Google Patents

検査用標準光ディスクとその製造方法及び検査方法

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JPH10233040A
JPH10233040A JP3402497A JP3402497A JPH10233040A JP H10233040 A JPH10233040 A JP H10233040A JP 3402497 A JP3402497 A JP 3402497A JP 3402497 A JP3402497 A JP 3402497A JP H10233040 A JPH10233040 A JP H10233040A
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JP
Japan
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optical disk
optical disc
master
disk
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JP3402497A
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Inventor
Shinichi Fujita
真一 藤田
Hirotoshi Sano
裕利 佐野
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Sony Disc Technology Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査の基準とする所望の凹凸部分を備えてい
て、大量生産可能で且つ再現性の良好な、検査用標準光
ディスクとその製造方法及び検査方法を提供すること。 【解決手段】 半径方向に関して所定のトラックピッチ
を有するように構成されたトラックを備えた光ディスク
10であって、前記トラックの少なくとも一部領域に、
予め意図的に形成された、所定形状の凹凸部分14,1
4a,14bを有する検査用標準光ディスク10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
ク(CD),ミニディスク(MD)等や高密度記録光デ
ィスク等の光ディスクの検査するための基準となる検査
用標準光ディスクと、その製造方法及び検査方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスクは、半径方向に関して
所定のトラックピッチを有するように構成されたトラッ
クを備えている。そして、このような光ディスクを再生
するための光ディスク装置は、例えば図7に示すように
構成されている。
【0003】図7において、光ディスク装置1は、回転
駆動される光ディスク2の信号記録面のトラック2aに
対して、光学ピックアップ3の対物レンズ3aにより、
レーザ光等の光ビームを照射する。そして、光ディスク
2の信号記録面からの戻り光を、図8に示すように、光
学ピックアップ3の対物レンズ3aを介して、光学ピッ
クアップ3の光検出器(図示せず)により検出し、光検
出器の出力信号であるHF(高周波)信号に基づいて、
再生信号を生成するようになっている。このHF信号
は、上記トラック2aに沿って並んで形成された情報ピ
ット2bにより、光の反射率が異なることに基づいて、
HレベルまたはLレベルとなり、時間軸を縮小すること
により、所謂エンベロープ信号として観測されるように
なっている。
【0004】ここで、光学ピックアップ3の対物レンズ
3aは、図示しないアクチュエータによって、少なくと
もトラッキング方向に関して移動可能に支持されてい
る。そして、対物レンズ3aのトラッキングサーボは、
図7に示すように行われる。つまり、光学ピックアップ
3からの検出信号をアンプ4により増幅して、トラッキ
ングエラー信号TEを得て、このトラッキングエラー信
号TEをローパスフィルタ5を介して、高周波成分を除
去した後、ドライブアンプ6により増幅し、対物レンズ
駆動電流TDとして、光学ピックアップ3のアクチュエ
ータに与える。このようにして、対物レンズ3aによる
光ディスク2の信号記録面上のスポットとトラックとの
ずれ量が小さくなるように、対物レンズ3aをトラッキ
ング方向に駆動制御するようにしている。
【0005】ところで、このようにして再生される光デ
ィスク2を製造する場合、その検査工程で光ディスクが
正しく製造されているか否かが検査される。例えば、光
ディスクの製造工程において、図9に示すように、例え
ばスタンパの表面に付着した異物や傷等によってディス
ク基板の信号読取面に凹凸部分が形成されると、この凹
凸部分において、本来あるべき情報ピットの欠落等の欠
陥が発生することがある。そして、このような凹凸部分
において、戻り光の反射方向が変化してしまうため、戻
り光が光学ピックアップの光検出器への入射光が減少
し、あるいは入射しなくなってしまう。これにより、再
生信号(HF信号)の上限が落ち込んでしまったり、あ
るいは図10に示すように、凹凸部分による情報ピット
の欠落によって、再生信号(HF信号)の下限が持ち上
げられてしまうという、所謂欠陥が発生することがあ
る。このような凹凸部分による戻り光の変動により、情
報ピットの読取が不可能になったり、誤った読取が行な
われることがある。さらに場合によっては、光学ピック
アップ3を光ディスク2のトラックに追従させるための
トラッキングサーボが困難になることがあり、トラック
ジャンプが発生する等の重大な不具合の原因ともなって
いる。
【0006】従って、光ディスクの製造工程における検
査では、光学ピックアップ2からのHF信号を、エンベ
ロープ検出回路7により、その上限電圧V1及び下限電
圧V2を取り出して、減算器8により、その出力差V0
を得る。この出力差V0を監視・定量化手段9によって
監視することにより、凹凸部分によるHF信号の変動が
観察されると共に、その波形に基づいて、凹凸部分によ
る欠陥の定量化測定が行なわれる。従って、検査工程に
おいて、上記出力差V0が所定値を越える場合に、凹凸
部分による欠陥発生と判断されることになる。
【0007】さらに、上述のような光ディスクの検査に
おいては、製造された光ディスクを再生した場合に、デ
ィスク基板の凹凸部分に起因して、上述のような欠陥が
発生することを確認できることが前提となる。即ち、こ
のような凹凸部分による欠陥を検出するための前提とし
て、図9のようなシステムを含む光ディスク装置または
検査機において、所定の凹凸部分を有する光ディスクを
再生した場合に、この凹凸部分に対応して正確に欠陥を
検出できるように、これら光ディスク装置や検査機が正
しく機能するようにする必要がある。
【0008】従って、光ディスクが正しく製造されてい
るか否かを検査するに先立って、光ディスク装置や検査
機が正しく機能するように調整等(検査工程の校正)を
行なうため、再生により欠陥が発生するような凹凸部分
を有する欠陥ディスクを用意して、このような欠陥ディ
スクを再生してみる必要がある。そして、従来、このよ
うな検査工程においては、光ディスクの検査校正のため
に、検査用欠陥ディスクを使用している。この検査用欠
陥ディスクは、多くの場合、光ディスクの量産工程で実
際に発生した欠陥ディスクを利用している。このため、
検査工程の日常点検等において、多数の欠陥ディスクが
必要な場合には、光ディスクの原盤となるスタンパに対
して、故意に傷を付けたり、あるいは正常に製造された
光ディスクの読取面側を故意に汚染する等の手段によっ
て、必要な欠陥ディスクを得るようにしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
欠陥ディスクは、原盤に傷つけるような場合には、同じ
凹凸部分が再現されるが、凹凸部分自体がランダムにな
ってしまうことから、所望の凹凸部分が得られないこと
があるという問題があった。また、光ディスクの読取面
側を故意に汚染する場合には、光ディスク毎に凹凸部分
のバラツキが生じてしまうことから、凹凸部分の再現性
が実質的に得られず、量産性の点で問題があると共に、
光ディスクドライブ装置毎に再生される欠陥信号が異な
ってしまうことがあり、検査工程の正確な校正が行なわ
れ得なくなってしまうという問題があった。さらに、光
ディスクの汚染による凹凸部分は、光ディスクの使用に
伴って、経時変化することから、定期的な交換やクリー
ニングの後再度の汚染が必要になる等、実用的ではない
という問題があった。
【0010】本発明は、以上の点に鑑み、検査の基準と
する所望の凹凸部分を備えていて、大量生産可能で且つ
再現性の良好な、検査用標準光ディスクとその製造方法
及び検査方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、半径方向に関して所定のトラックピッチを有する
ように構成されたトラックを備えた光ディスクであっ
て、前記トラックの少なくとも一部領域に、予め意図的
に形成された、所定形状の凹凸部分を有する、検査用標
準光ディスクにより、達成される。
【0012】また、上記目的は、本発明によれば、情報
ピットを備えた原盤を作成する第一の工程と、第一の工
程により作成された原盤の表面に、金属薄膜を形成し、
その上に電鋳等により金属層を形成して、マザーを作成
する第二の工程と、第二の工程により作成されたマザー
の表面に、金属薄膜を形成し、その上に電鋳等により金
属層を形成して、スタンパを作成する第三の工程と、電
鋳工程により得られたスタンパの表面に、透明樹脂を射
出成形して、基板を作成する第四の工程と、第四の工程
で得られた基板表面に、反射膜及び保護膜を形成して、
光ディスクを作成する第五の工程とを含んでおり、前記
第一の工程により作成された原盤または第二の工程によ
り作成されたマザーの裏面から、尖った先端を有する部
材を、所定の押圧力で加圧することにより、原盤または
マザーの表面にて、前記トラックの少なくとも一部領域
に、所定形状の凸部または凹部を形成するようにした、
検査用標準光ディスクの製造方法により、達成される。
【0013】さらに、上記目的は、本発明によれば、半
径方向に関して所定のトラックピッチを有するように構
成されたトラックを備えると共に、前記トラックの少な
くとも一部領域に、予め意図的に形成された、凹凸部分
を有する検査用標準光ディスクを再生して、上記検査用
標準光ディスクからの戻り光に基づいて、再生信号を生
成し、再生信号から、前記凹凸部分による戻り光の位置
の変化を検出する、検査用標準光ディスクによる検査方
法により、達成される。
【0014】上記構成によれば、欠陥を発生させる凹凸
部分が、前以て意図的にトラックの少なくとも一部領域
に対して、形成されているので、所望の欠陥を与える凹
凸形状を有する検査用標準光ディスクが安定的に得られ
ることになる。
【0015】また、上記凹凸部分は、原盤としてのマス
タまたはマザーに対して、所定の押圧力で加圧すること
により、形成されるので、スタンパを介して形成される
各標準光ディスク間のバラツキが殆どない。
【0016】従って、このような検査用標準光ディスク
を再生することにより、戻り光を光学ピックアップの光
検出器により検出して得られる再生信号(HF信号)に
基づいて、上述した凹凸部分による欠陥を検出すること
により、凹凸形状による欠陥が発生したことが検出され
る。この場合、欠陥を発生させる凹凸部分は、前以て厳
密に決定されていることから、例えば検査工程における
光ディスクの凹凸部分に関する検査基準の調整、あるい
は光ディスク再生装置の凹凸部分に対する動作確認が正
確に且つ容易に行われることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図1乃至図7を参照しながら、詳細に説明する。尚、
以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例である
から、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、
本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定
する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもの
ではない。
【0018】図1は、本発明による光ディスクの一実施
形態を示している。図1において、光ディスク10は、
中心にセンターホール11aを有する円板状のディスク
基板11と、ディスク基板11の表面に順次に形成され
た反射膜及び保護膜(図示せず)とから構成されてい
る。
【0019】上記ディスク基板11は、その表面に信号
記録面(図示せず)が形成されていると共に、信号記録
面には、半径方向に関して所定のトラックピッチを有す
るように螺旋状に形成されたトラック12を備えてい
る。これにより、上記トラック12は、図2に示すよう
に、半径方向に互いに所定のトラックピッチで並ぶと共
に、周方向に関して実質的に平行に延びるようになって
いる。このトラック12は、トラック12を中心線とし
て並んで配設された情報ピット13から構成されてい
る。情報ピット13は、記録すべき情報に基づいて、そ
の長さ及び/または間隔が決定されている。これによ
り、正常な記録トラックを形成したCD等による光ディ
スク10では、図2の下部に示されているように、アイ
パターンと呼ばれる正常な再生信号を確認することがで
きる。
【0020】さらに、光ディスク10においては、図3
に示すように、上記トラック12の少なくとも一部領域
に、ディスク基板11の表面から突出した所定形状の凸
部14が予め意図的に形成されている。図示の場合、左
側には、比較的大きな凸部14aが形成されており、中
央には、比較的小さな凸部14bが形成されている。
【0021】そして、図3に示すように、このような凸
部14a,14bに対して、それぞれ光ビームL0が照
射されたとき、凸部の大きさに応じて、それぞれ戻り光
L1,L2の反射角度が異なる。このため、光学ピック
アップの光検出器15に対する戻り光L1,L2の入射
位置が、その中心Cから、それぞれ距離D1,D2だけ
ずれることになる。尚、凸部がない場合には、図3にて
右側に示すように、入射光L0は、光ディスク10のデ
ィスク基板11の信号記録面にて正しく反射され、その
戻り光L3は、前記光検出器15の中心に向かって進む
ようになっている。
【0022】ここで、上記凸部14は、光ディスク10
の種々の凹凸部分に関する検査に対応できるように、種
々の大きさ及び/または高さに設定されるようになって
いる。
【0023】図4は、上述した光ディスク10の製造工
程の一実施形態を説明するための図であり、各工程は、
それぞれST1ないしST9に、順次概略図にて示され
ている。図4において、先づ、裏面研磨前の原盤、即ち
カッティングによって所望の情報ピットが形成された所
謂マスタースタンパ20が用意される(ST1)。そし
て、このマスタースタンパ20の裏面から、所定位置に
対して、尖った先端,例えば針状の先端を有する部材、
例えばパンチ等(図示せず)が、当接され、押し込み力
測定器(図示せず)を介して、所定圧力で加圧される
(ST2)。これによって、マスタースタンパ20の裏
面には、加圧力に応じた凹部20aが形成されると共
に、マスタースタンパ20の表面には、この凹部20a
に対応した凸部20bが形成されることになる。ここ
で、凸部20bは、上記加圧力を一定にすれば、全く同
じ大きさに形成されると共に、加圧力を適宜に段階的に
変化させることにより、多様な大きさの凸部が形成され
ることになる。
【0024】続いて、このような凸部20bを有するマ
スタースタンパ20に対して、電鋳工程によって、マザ
ー21が形成される(ST3)。このマザー21は、そ
の表面に、マスタースタンパ20の表面の情報ピット及
び凸部20aが凹凸逆転した形状で転写されている。即
ち、マザー21は、マスタースタンパ20の凸部20b
に対応した凹部21aを備えている。
【0025】次に、上記マザー21に対して、電鋳工程
によって、スタンパ22が形成される(ST4)。この
スタンパ22は、ステップST5に示すように、その表
面に、マザー21の表面が凹凸逆転した形状、即ちマス
タースタンパ20の表面と同じ凹凸形状、そして情報ピ
ット及び凸部20bに対応する情報ピット及び凸部22
aが転写されている(ST5)。
【0026】その後、上記スタンパ22を射出成形機の
金型内に取り付けて、高温で溶融した例えばポリカーボ
ネート樹脂等の透明樹脂23を金型内に射出・冷却する
(ST6)。そして、射出成形された透明樹脂23が金
型から取り出されることにより、前記情報ピット及び凸
部22aの形状が転写された情報ピット24a及び凹部
24bを有するディスク基板24が得られる(ST
7)。
【0027】続いて、ディスク基板24の表面に、スパ
ッタリングまたは蒸着等によって、反射膜25が形成さ
れ(ST8)、さらに、その上から樹脂被膜の塗布等に
より、保護膜26が形成されることにより(ST9)、
光ディスク10が完成することになる。ここで、光ディ
スク10は、信号記録面として作用する反射膜25が、
ディスク基板24の凹部24bに対応する凸部25aを
有している。
【0028】この場合、光ディスク10の情報ピット1
3(24a)及び凸部14は、マスタースタンパ20上
に形成された情報ピット及び凸部20bとほぼ同じ形状
になり、ステップST6の射出成形によるスタンパ22
の摩耗や損傷が殆どないことから、ステップST6乃至
ST9を繰返し実行することによって、同じ情報ピット
13及び凸部14(25a)の配列を有する光ディスク
10が大量に製造されることになる。
【0029】ここで、上述したステップST2における
マスタースタンパ20の加圧力は、以下のようにして決
められる。即ち、押し込み力測定器の加圧力を、例えば
1,2,3,4,5gのように段階的に設定して、マス
タースタンパ20の裏面に対して、それぞれの加圧力に
対応した複数の凹部20aをそれぞれ形成する。そし
て、このような凹部20aを有するマスタースタンパ2
0を裏面研磨し且つ打抜き加工した後、このマスタース
タンパ20から図4に示すようにして、テスト用光ディ
スク10を作成する。このテスト用光ディスク10を光
ディスク検査機で検査して、凸部14の大きさを判定す
る。そして、判定結果に基づいて、実際に形成したい凸
部14の大きさを選択して、この凸部14の大きさに対
応した押し込み力測定器の加圧力を選定する。尚、適宜
の凸部14が見つからない場合には、繰返し押し込み力
測定器の加圧力を変更して、上記操作を繰り返すことに
よって、適宜の押し込み力測定器の加圧力が選定され
る。
【0030】本実施形態による光ディスク10は、以上
のように構成されており、光ディスク10は、欠陥を発
生させるための凸部が、ディスク基板の原盤に対する所
定圧力の加圧によって、形成されるので、所望の欠陥を
与える凸部を有する検査用標準光ディスクが安定的に得
られることになる。
【0031】そして、このように構成された光ディスク
10を光ディスク検査装置40で検査する場合、図5に
示すように、ターンテーブル(図示せず)上に載置され
た光ディスク10をスピンドルモータ(図示せず)によ
り回転駆動すると共に、検査装置40の光学ピックアッ
プ(図示せず)から光ディスク10の信号記録面に光ビ
ームを照射する。そして、光ディスク10の信号記録面
からの戻り光を、検査装置40の光学ピックアップの光
検出器(図示せず)により検出して、再生信号(HF信
号),トラッキングエラー信号等を生成するようになっ
ている。
【0032】ここで、光ディスク検査装置40には、コ
ンピュータ41が接続されている。光ディスク検査装置
40は、コンピュータ41からの指示に基づいて、光デ
ィスク10の検査を制御し、種々の品質項目に関する測
定の結果を、コンピュータ41に送出するようになって
いる。
【0033】このような構成によれば、光ディスク10
を再生することにより、光ディスク10からのHF信号
に基づいて、前以て故意に設定された多様な凸部による
欠陥が発生することになる。従って、どの程度の大きさ
の凸部により、光ディスク検査装置40が再生不能とな
るかを検出することにより、実際の光ディスク装置の凸
部による欠陥に関する検査基準の確認あるいは調整が行
われることになる。これにより、光ディスク検査装置4
0の調整または校正を行なうことにより、光ディスク量
産工程における凸部による欠陥に関する検査基準が一定
に保持されることになる。
【0034】以上の説明は、光ディスク10に凸部14
が形成される場合について説明したが、これに限らず、
光ディスク10に凹部が形成される場合にも、本発明が
適用されることは明らかである。凹部を有する光ディス
ク10は、例えば図6に示すようにして、形成される。
【0035】即ち、図6において、先づ、裏面研磨前の
原盤、即ちカッティングによって所望の情報ピットが形
成された所謂マスタースタンパ20が用意される(ST
11)。
【0036】続いて、マスタースタンパ20に対して、
電鋳工程によって、マザー21が形成される。このマザ
ー21は、その表面に、マスタースタンパ20の表面の
情報ピットが凹凸逆転した形状で転写されている(ST
12)。
【0037】そして、このマザー21の裏面から、所定
位置に対して、針状の先端を有する部材例えばパンチ等
(図示せず)が、当接され、押し込み力測定器(図示せ
ず)を介して、所定圧力で加圧される。これによって、
マザー21の裏面には、加圧力に応じた凹部21bが形
成されると共に、マザー21の表面には、この凹部21
bに対応した凸部21cが形成されることになる(ST
13)。ここで、凸部21cは、上記加圧力を一定にす
れば、全く同じ大きさに形成されると共に、加圧力を適
宜に段階的に変化させることにより、多様な大きさの凸
部が形成されることになる。
【0038】次に、上記マザー21に対して、電鋳工程
によって、スタンパ22が形成される(ST14)。こ
のスタンパ22は、ステップST15に示すように、そ
の表面に、マザー21の表面が凹凸逆転した形状、即ち
情報ピット及び凸部21cに対応した凹部22bが転写
されている。
【0039】その後、上記スタンパ22を射出成形機の
金型内に取り付けて、高温で溶融した例えばポリカーボ
ネート樹脂等の透明樹脂23を金型内に射出・冷却する
(ST16)。そして、射出成形された透明樹脂23が
金型から取り出されることにより、前記情報ピット及び
凹部22bの形状が転写された情報ピット24a及び凸
部24cを有するディスク基板24が得られる(ST1
7)。
【0040】続いて、ディスク基板24の表面に、スパ
ッタリングまたは蒸着等によって、反射膜25が形成さ
れ(ST18)、さらにその上から樹脂被膜の塗布等に
より、保護膜26が形成されることにより、光ディスク
10が完成することになる(ST19)。ここで、光デ
ィスク10は、信号記録面として作用する反射膜25
が、ディスク基板24の凸部24cに対応する凹部25
bを有している。
【0041】この場合、光ディスク10の情報ピット1
3(24a)及び凹部25bは、マザー21上に形成さ
れた情報ピット及び凸部21cに対応した形状になり、
ステップST16の射出成形によるスタンパ22の摩耗
や損傷が殆どないことから、ステップST16乃至ST
19を繰返し実行することによって、同じ情報ピット1
3及び凹部25bの配列を有する光ディスク10が大量
に製造されることになる。
【0042】かくして、このような凹部25bを有する
光ディスク10を、光ディスク検査装置40により検査
することにより、光ディスクの凹凸部分による欠陥に対
する光ディスク装置の検査が行われるので、光ディスク
の凹凸部分による欠陥に関する定性的な検査が可能とな
る。
【0043】このように、上述の実施形態によれば、欠
陥を発生させる凹凸部分が、光ディスクの実際の製造工
程において偶発的に発生する欠陥ディスクを利用するの
ではなく、前以て意図的にトラックを構成する情報ピッ
トの領域またはその間の領域に、所定形状の凹凸部分が
形成されているので、所望の欠陥を与える凹凸部分を有
する検査用標準光ディスクが得られることになる。
【0044】また、上記凹凸形状は、原盤としてのマス
タまたはマザーに対して、所定の押圧力で加圧すること
により、形成されるので、スタンパを介して形成される
各標準光ディスク間のバラツキが殆どなく、大量生産可
能で且つ再現性の良好な標準光ディスクが得られること
になるので、安定したトラックパターンが得られること
になる。
【0045】従って、このような検査用標準光ディスク
を再生することにより、上述した凹凸部分による欠陥が
発生したことが検出される。この場合、欠陥を発生させ
る凹凸部分は、前以て厳密に決定されていることから、
例えば検査工程における光ディスクの凹凸部分に関する
検査基準の調整、あるいは光ディスク再生装置の凹凸部
分に対する動作確認が正確に且つ容易に行われることに
なる。
【0046】尚、上述した実施形態においては、光ディ
スク10は、凸部14(25a)または凹部25bの何
れか一方のみを有しているが、これに限らず、光ディス
ク10が凸部25a及び凹部25bの双方を有するよう
にしてもよい。また、上述した実施形態においては、光
ディスク10は、ただ一つの凸部25aまたは凹部25
bを有しているが、これに限らず、複数個の凸部25a
または凹部25bを有するようにしてもよく、この場
合、凸部25a及び/または凹部25bは、それぞれ異
なる大きさに形成されていてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、検
査の基準とする所望の凹凸部分を備えていて、大量生産
可能で且つ再現性の良好な、検査用標準光ディスクとそ
の製造方法及び検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ディスクの一実施形態の全体を
示す概略斜視図である。
【図2】図1の光ディスクにおけるトラックを構成する
情報ピットを示す部分拡大図及びその再生時のHF信号
を示すグラフである。
【図3】図1の光ディスクにおける凹凸形状による戻り
光の位置ずれを示す概略断面図である。
【図4】図1の光ディスクの製造工程の一例を順次に示
すフローチャートである。
【図5】図1の光ディスクによる凹凸部分による欠陥の
検出方法を実施するためのシステムを示す概略図であ
る。
【図6】図1の光ディスクの製造工程の他の例を順次に
示すフローチャートである。
【図7】従来の光ディスク装置の構成を示す概略図であ
る。
【図8】図7の光ディスク装置における光ディスクのト
ラックを構成する情報ピットと光学ピックアップによる
HF信号を示す概略図である。
【図9】光ディスクの凹凸部分による欠陥の一例を示す
光ディスクの概略断面図及びその再生時のHF信号を示
すグラフである。
【図10】光ディスクの凹凸部分による欠陥の他の例を
示す光ディスクの概略断面図及びその再生時のHF信号
を示すグラフである。
【図11】従来の光ディスクの凹凸部分による欠陥の検
出方法の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
10・・・光ディスク、11・・・ディスク基板、12
・・・トラック、13・・・情報ピット、20・・・原
盤(マスタースタンパ)、21・・・マザー、22・・
・スタンパ、23・・・透明樹脂、24・・・ディスク
基板、25・・・反射膜、26・・・保護膜、40・・
・光ディスク検査装置、41・・・コンピュータ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半径方向に関して所定のトラックピッチ
    を有するように構成されたトラックを備えた光ディスク
    であって、 前記トラックの少なくとも一部領域に、予め意図的に形
    成された、所定形状の凹凸部分を有することを特徴とす
    る検査用標準光ディスク。
  2. 【請求項2】 前記凹凸部分が、光ディスクの製造工程
    にて、原盤としてのマスターの裏面から、尖った先端を
    有する部材を、所定の押圧力で加圧することにより、形
    成される凸部であることを特徴とする請求項1に記載の
    検査用標準光ディスク。
  3. 【請求項3】 前記凹凸部分が、光ディスクの製造工程
    にて、原盤としてのマザーの裏面から、尖った先端を有
    する部材を、所定の押圧力で加圧することにより、形成
    される凹部であることを特徴とする請求項1に記載の検
    査用標準光ディスク。
  4. 【請求項4】 情報ピットを備えた原盤を作成する第一
    の工程と、 第一の工程により作成された原盤の表面に、金属薄膜を
    形成し、その上に電鋳等により金属層を形成して、マザ
    ーを作成する第二の工程と、 第二の工程により作成されたマザーの表面に、金属薄膜
    を形成し、その上に電鋳等により金属層を形成して、ス
    タンパを作成する第三の工程と、 電鋳工程により得られたスタンパの表面に、透明樹脂を
    射出成形して、基板を作成する第四の工程と、 第四の工程で得られた基板表面に、反射膜及び保護膜を
    形成して、光ディスクを作成する第五の工程とを含んで
    おり、 前記第一の工程により作成された原盤または第二の工程
    により作成されたマザーの裏面から、尖った先端を有す
    る部材を、所定の押圧力で加圧することにより、原盤ま
    たはマザーの表面にて、前記トラックの少なくとも一部
    領域に、所定形状の凸部または凹部を形成するようにし
    たことを特徴とする検査用標準光ディスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 半径方向に関して所定のトラックピッチ
    を有するように構成されたトラックを備えると共に、前
    記トラックの少なくとも一部領域に、予め意図的に形成
    された、凹凸部分を有する検査用標準光ディスクを再生
    して、 前記検査用標準光ディスクからの戻り光に基づいて、再
    生信号を生成し、 再生信号から、前記凹凸部分による戻り光の位置の変化
    を検出することを特徴とする検査用標準光ディスクによ
    る検査方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008041488A1 (fr) * 2006-09-29 2008-04-10 Pioneer Corporation Procédé de fabrication de disques optiques d'essai, appareil de fabrication de disques optiques d'essai et disque optique d'essai

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