JPH10232306A - 回折光学素子の製造方法 - Google Patents

回折光学素子の製造方法

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JPH10232306A
JPH10232306A JP5237597A JP5237597A JPH10232306A JP H10232306 A JPH10232306 A JP H10232306A JP 5237597 A JP5237597 A JP 5237597A JP 5237597 A JP5237597 A JP 5237597A JP H10232306 A JPH10232306 A JP H10232306A
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JP
Japan
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mold
quartz substrate
optical element
film
diffractive optical
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JP5237597A
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Keita Sakai
啓太 酒井
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高エネルギ線に対応できる回折光学素子を製
造する。 【解決手段】(a)に示す金型10を厚さ10mmの銅板
を用いてカッティングマシーンにより切削することによ
り製造する。更に、金型10の表面に離型剤としてフッ
素樹脂11を正確に0.1μm厚になるよう製膜し、プ
レス機12内にセットする。次に、素子材料となる石英
基板13を準備し、その片面にポリメタクリル酸メチル
から成る高分子膜14を0.7μm厚となるように塗布
する。この石英基板13をプレス機12内にセットして
130℃まで昇温し、前述した金型10を用いて窒素雰
囲気中で加圧成形すると、(a)に示すように金型10の
形状が高分子膜14に写される。その後に、石英基板1
3を室温まで冷却した後に、リアクティブイオンエッチ
ング装置内にセットし、(b)に示すようにCF4 から成
るエッチングガス15によりレジストがエッチングされ
るまでエッチングを行う。これにより、(c)に示すよう
なエッチングにより石英基板13上にプレーズド形状が
転写されたバイナリオプティクス素子16が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な回折光学素
子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の高集積化は止ま
るところを知らず、1GビットDRAM世代へ向けての
研究開発が盛んに進められている状況である。この半導
体集積回路の高集積化に伴い、露光装置とりわけ投影光
学系に要求される性能も更に高レベルとなってきてい
る。露光装置の解像度は投影光学系の開口数(NA)を
大きくすることによって高めることができるが、この開
口数を大きくすることにより焦点深度は浅くなる。従っ
て、或る程度以上に開口数を大きくすることはできず、
解像度を高めるためには露光波長を短波長化することが
要求されている。
【0003】このような理由で、1GビットDRAM世
代の露光装置の光源としてArFエキシマレーザー光が
有望視されているが、この波長(193nm)の光は高
エネルギであり、従来のg線、i線露光装置で使われて
きたレンズ材料のうち、石英以外のものは透過率が不足
している点や、レーザー光によるダメージが大きい点で
使用できない。そのため、屈折率の異なったレンズの組
み合わせにより行ってきた色収差補償が困難となる。ま
た、従来の屈折光学素子のみで構成された露光装置で
は、装置の設置環境の温度変動や気圧変動によって焦点
位置が変化するといる問題点もある。
【0004】このような問題点を解決するために、従来
からKrFやArF露光装置内の光学系に回折光学素子
を利用することが考えられてきている。この回折光学素
子は屈折素子の色収差を打ち消す方向に色収差を発生す
るため、色収差補償の問題を解決することが可能であ
る。また、環境の温度変動や気圧変動による焦点位置の
変化も屈折素子と回折光学素子で逆となるので、これら
の組み合わせにより焦点位置の変化を補償することがで
きる。
【0005】一般に、回折光学素子は図6に示すように
表面に形成されたブレーズド状つまり鋸歯波状のグレー
ティング1により回折効果を生じさせる。従来の赤外光
や可視光に対応したグレーティングの製造方法として
は、ホットプレス法や射出成型によって直接高分子やガ
ラスを加工する方法や、電子線(EB)描画やレーザー
描画とドライエッチングを組み合わせて、高分子やガラ
スを加工する方法等が知られている。
【0006】ホットプレス法とは、銅板やアルミナ合金
等の金属板をカッティングマシーンで回折光学素子のネ
ガ形状となるように切削して金型を作り、金型と鏡面金
属板との間にメタクリル樹脂板等を挟み、加熱後に加圧
成形する方法である。また射出成型を利用した製造方法
は、先ず金型加工を行い、この金型に高温で溶融した高
分子を流し込み、圧縮冷却を行うことにより成型する。
【0007】電子線描画によるグレーティングの製造方
法では、光学基板上に電子線レジストを塗布し、電子線
を円形走査して露光する。現像処理によってレジストは
露光量に応じたレジスト厚となる。更にドライエッチン
グを行うと、レジストパターンが光学基板上に転写され
る。また、レーザー描画による製造方法は電子線描画方
法を改良したものであり、レジストを塗布した光学基板
側を回転させ、He−Cdレーザー光等を径方向へ移動
することにより描画を行うものである。そして、レジス
ト現像後にドライエッチングを行うと、レジストパター
ンが光学基板上に転写される。
【0008】また、微小光学素子を階段形状で近似させ
て製造するバイナリオプティクス素子の製造方法として
は、図7に示すような露光装置を用いた方法が知られて
いる。先ず、平板状の光学基板2上にフォトレジストを
塗布し、マスク3を用いて露光、現像処理を行う。この
レジストパターンをエッチングマスクとし、光学基板2
をエッチングし、最後にレジストを剥離する。同様に、
マスク4、5についても同様の処理を繰り返すことによ
り、光学基板2上に階段状のパターンが形成される。な
お、上記のエッチングの代りにリフトオフを繰り返し、
堆積膜厚を階段状に形成する製造方法もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ArF
エキシマレーザー光のような高エネルギ線に対応した回
折光学素子を、前述の製造方法によって製造しようとし
た場合には様々な障害がある。先ず、光学材料として石
英や蛍石等の高融点材料しか使用できないことが挙げら
れ、量産性に優れたホットプレス法や射出成形法は製造
方法として直接利用することが困難である。
【0010】例として、特開平4−372901号公報
に開示されているような金型と光学素子基板の間に紫外
線硬化性樹脂を挟んで紫外線照射し、硬化後に金型から
剥離することで回折光学素子を製造する方法がある。こ
のような紫外線硬化性樹脂等の高分子は、KrFやAr
F等の短波長において十分な透過率を有していないた
め、レーザー光によってダメージを受け、透過率や屈折
率が変化してしまう。結果として素子の光学特性が変化
してしまうことになる。
【0011】また、短波長に対応するためには回折光学
素子の格子間隔を小さくする必要があるので、切削等に
よる金型製造は非常に難しくなるが、その点で電子線描
画やレーザー描画は十分な解像力を有するため有望であ
る。しかし、電子線描画による方法は描画に時間が掛か
り生産性が悪くなる点や、大口径化が難しい点に問題が
ある。
【0012】レーザー描画方法も生産性が悪い点が問題
である。また、バイナリオプティクス素子の製造方法で
は、マスクの位置合わせや大口径化に伴うスティッチン
グ等が難しく、素子に波面収差が発生してしまうという
問題があり、電子線描画による製造方法と同様に生産性
も悪い。結果として、半導体露光装置の光学系に回折光
学素子を使用する場合には、従来法では量産性に優れた
素子製造方法がなく、半導体露光装置に回折光学素子を
使用することが困難である。
【0013】本発明の目的は、上述の各種の問題を解消
することが可能で、高エネルギ線に対応した光学材料を
用い、量産に適した回折光学素子の製造方法を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る回折光学素子の製造方法は、基板上に該
基板よりも加工し易い材料を用いて所望の形状の中間加
工層を形成する工程と、該中間加工層の形状を反応性イ
オンエッチングによって前記基板に転写する工程とから
成ることを特徴とする。
【0015】本発明に係る回折光学素子の製造方法は、
石英基板上に中間加工膜を形成する工程と、前記中間加
工膜を加熱後に回折素子成形用金型を用いて加圧成形す
る工程と、前記中間加工膜及び前記石英基板を前記金型
から剥離する工程と、前記中間加工膜に形成した回折素
子形状を反応性イオンエッチングによって前記石英基板
に転写する工程とから成ることを特徴とする。
【0016】本発明に係る回折光学素子の製造方法は、
回折光学素子形状を刻設した金型と石英基板を用いて射
出成形用の型を構成する工程と、加熱した前記射出成形
用の型に溶融高分子材を流し込み高分子膜を形成する工
程と、前記金型、前記石英基板及び前記高分子膜を徐冷
する工程と、前記高分子膜及び石英基板を前記金型から
剥離する工程と、前記高分子膜に形成された回折光学素
子形状を反応性イオンエッチングによって前記石英基板
に転写する工程とから成ることを特徴とする。
【0017】本発明に係る回折光学素子の製造方法は、
回折光学素子成形用金型に活性エネルギ線硬化性樹脂を
流し込む工程と、該活性エネルギ線硬化性樹脂の金型と
逆の面に石英基板を密着させる工程と、活性エネルギ線
を照射して樹脂を硬化させる工程と、前記活性エネルギ
線硬化性樹脂膜及び前記石英基板を前記金型から剥離す
る工程と、前記活性エネルギ線硬化性樹脂膜に形成され
た回折光学素子形状を反応性イオンエッチングによって
前記石英基板に転写する工程とから成ることを特徴とす
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明を図1〜図5に図示の実施
例に基づいて詳細に説明する。図1(a)〜(c)は第1の
実施例の工程図である。先ず、(a)に示す金型10を厚
さ10mmの銅板を用いてカッティングマシーンにより
切削することにより製造する。更に、金型10の表面に
離型剤としてフッ素樹脂11を正確に0.1μm厚にな
るよう製膜し、プレス機12内にセットする。次に、両
面をλ/10(λ=633nm)の面精度で研磨した素
子材料となる石英基板13を準備し、その片面にポリメ
タクリル酸メチルから成る高分子膜14を0.7μm厚
となるように塗布する。この石英基板13をプレス機1
2内にセットして130℃まで昇温し、前述した金型1
0を用いて窒素雰囲気中で加圧成形すると、(a) に示す
ように金型10の形状が高分子膜14に写される。
【0019】なお、これらの工程に先立ちエッチングレ
ートを計測したところ、石英は200オングストローム
/分、ポリメタクリル酸メチルは262オングストロー
ム/分のエッチングレートであった。従って、設計した
回折光学素子の厚さをdオングストロームとすると、金
型10はd×262/200オングストロームの厚さに
加工すればよいことになる。
【0020】成形した高分子膜14を有する石英基板1
3を室温まで冷却した後に、リアクティブイオンエッチ
ング装置内にセットし、図1(b)に示すようにCF4
ら成るエッチングガス15により流量30cm3 /分、
圧力5パスカル、パワー100ワットの条件下でレジス
トがエッチングされるまでエッチングを行う。これによ
り、図1(c)に示すようなエッチングにより石英基板1
3上にプレーズド形状が転写されたバイナリオプティク
ス素子16が得られる。
【0021】光学基板の材料としては石英が好ましい
が、他にも設計波長域で十分な透過率を有する物質であ
れば問題はない。中間加工膜としての高分子膜14は、
アクリル樹脂、ボリカーボネート樹脂、ポリメチルペン
テン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等のような熱可塑
性の樹脂でかつ熱膨張率が小さいことが重要であり、更
に金型10からの剥離性に優れていることが好ましい。
金型10の材料としては、加工の容易さや金型の寿命等
の理由から銅や真鋳等のような材料が好ましい。また、
金型10の製作方法は切削による方法や電子線描画やレ
ーザー描画とエッチングによる方法等がある。
【0022】本実施例では高分子膜14を中間加工膜と
して用い、かつドライエッチングを利用することで、石
英等のホットプレス法では直接加工できない光学材料に
も適用可能で、かつ生産性や加工精度に優れた回折光学
素子の製造方法が実現する。
【0023】図2(a)〜(c)は第2の実施例の工程図で
ある。先ず、8段の図示しないバイナリオプティクス素
子の石英基板を製造する。この製造はi線ステッパFP
A−3000i4によるレジストパターンニング及びリ
アクティブイオンエッチングにより、素子の最小線幅が
0.35μmとなるようにエッチングする。この石英基
板の表面にニッケルを0.1μmの厚さで蒸着し、この
ニッケル膜を電極としてニッケル−リン合金で鍍金をす
る。次に、この鍍金膜を石英基板から剥離し、裏面をλ
/10(λ=633nm)の面精度で研磨し、同じλ/
10の面精度で研磨したSiC円柱に接着して金型20
を製造する。
【0024】本実施例では光学基板として石英基板21
を用い、中間加工膜としてSF−8から成る薄板ガラス
22を用いる。先ず、両面をλ/10の面精度で研磨し
た石英基板21及び薄板ガラス22を準備し、石英基板
21と薄板ガラス22を貼り合わせる。この石英基板2
1をプレス機12内にセットして500℃まで昇温した
後に、前述の金型20を用いて窒素雰囲気中で図2(a)
に示すように加圧成形する。
【0025】成形後に室温まで冷却した石英基板21
を、リアクティブイオンエッチング装置内にセットし、
図2(b)に示すようにCF4 から成るエッチングガス1
5により、流量30cm3 /分、圧力5パスカル、パワ
ー100ワットの条件下でレジスト膜がエッチングされ
るまでエッチングを行う。このエッチングにより石英基
板21上に図2(c)に示すようなバイナリ形状が転写さ
れ、所望のバイナリオプティクス素子23が得られる。
【0026】この第2の実施例のように、中間加工膜と
して500〜700℃以下の融点を持つ薄板ガラス22
を用いることにより、更に高精度な加工が可能となる。
一般に、ガラスは高分子と比較して温度や湿度の変化に
対して鈍感であり、従って加工後の寸法変動が生じ難
く、より微細な回折光学素子パターンを形成するために
好適である。ただし、使用する金型20は高分子膜を加
圧成形する際のものと比較して、耐衝撃性や高温での安
定性が求められるため、シリコンカーバイド、シリコン
ナイトライド、チタンカーバイド、チタンナイトライ
ド、タングステンカーバイド等を主成分とする材料を使
用することが好ましい。また、金型20の表面をPt、
Rh、Ir、Ru或いはOsの中から少なくとも1種類
以上含有する白金族合金膜によりコーティングすること
により、金型20の耐久性がより向上する。
【0027】このように第1、第2の実施例では、石英
等の光学基板上に高分子等による回折光学素子形状を形
成し、その後にリアクティブイオンエッチングにより石
英基板13に素子形状を転写するものである。このよう
な加熱した高分子膜等をプレス機12で加圧成形する方
法は、最生産性が高いことが特長である。しかし、加圧
成形の場合には被加工膜は局所的に異なる圧力を加えら
れるため、加工後の膜内に密度分布が生ずる可能性があ
る。密度が異なる場合には、エッチングプロセスにおけ
るエッチングレートが異なり、結果として素子の形状が
設計から外れてしまうことが考えられる。
【0028】図3(a) 〜(c) は第3の実施例の工程図で
ある。第2の実施例と同様に製造した金型30の回折光
学素子形状を刻設した面と反対側に両面をλ/10の面
精度で研磨した石英基板31を固定する。この金型30
及び石英基板31を150℃まで昇温した後に、これら
の間に溶融したポリメタクリル酸メチルから成る高分子
材32を流し込む。内部に高分子材32が完全に行き渡
った後に、これらを時間を掛けて徐冷する。徐冷後に、
成形された高分子材32及び石英基板31を金型30か
ら剥離する。
【0029】射出成形後に室温まで徐冷した石英基板3
1を、リアクティブイオンエッチング装置内にセット
し、図3(b) に示すようにCF4 から成るエッチングガ
ス15によって、第1の実施例と同様に、パワー100
ワットの条件下で高分子材32がエッチングされるまで
エッチングを行う。このエッチングにより石英基板31
上に図3(c)に示すようなバイナリ形状が転写され、所
望のバイナリオプティクス素子33が得られる。
【0030】光学基板31の材料としては石英が好まし
いが、他にも設計波長域で十分な透過率を有する物質で
あれば問題はない。流し込む高分子材32としては実施
例のポリメタクリル酸メチル32以外にもアクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、
ポリフッ化ビニリデン樹脂等のような熱可塑性の樹脂が
使用可能であるが、かつ熱膨張率が小さいことが重要で
あり、更に金型30からの剥離性に優れていることが好
ましい。
【0031】このように、射出成形型に溶融高分子材を
流し込み冷却して成形する方法は加圧成形時よりも高い
温度にして、溶融状態の高分子を型に流し込むため、密
度の均一な加工膜が形成される。しかし、この方法では
高温から冷却する必要があるため、生産性は若干低下す
る。
【0032】図4(a)〜(c)は第4の実施例による製造
方法の工程図である。第2の実施例と同様にして製造し
た金型40内に紫外線硬化性樹脂41を流し込み、十分
に乾燥した後に両面をλ/10(λ=633nm)の面
精度で研磨した石英基板42を樹脂41の金型40と逆
の面に固定する。紫外線硬化性樹脂41としては、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート70重合部、メ
チルアクリレート30重量部、ベンジルジメチルケター
ル3重量部を混合したものを用いる。更に、水銀ランプ
を用いて石英基板42の側から紫外線硬化性樹脂41に
紫外線43を照射して硬化させ、硬化後に金型40から
石英基板42と樹脂41を剥離する。
【0033】このように成形した樹脂膜を有する石英基
板42をリアクティブイオンエッチング装置内にセット
し、図4(b)に示すようにCF4 から成るエッチングガ
ス15により、第1の実施例と同様に、レジストがエッ
チングされるまでエッチングを行う。このエッチングに
より石英基板42上に、図4(c)に示すようなバイナリ
形状が転写されたバイナリオプティクス素子44が得ら
れる。
【0034】素子製造の前工程として、石英と紫外線硬
化樹脂41のエッチングレートを計測する。エッチング
ガスをCF4 、流量30cm3 /分、圧力5パスカル、
パワー100ワットの条件下でエッチングを実施した結
果、石英は200オングストローム/分、紫外線硬化樹
脂41は240オングストローム/分のエッチングレー
トであった。従って、設計した回折光学素子の厚さをd
オングストロームとすると、金型40はd×240/2
00オングストロームの厚さに加工すればよいことにな
る。
【0035】この第4の実施例では、上述のように金型
40に紫外線硬化性樹脂41によって代表される活性エ
ネルギ線硬化性樹脂を流し込む。活性エネルギ線硬化性
樹脂とは、紫外線、電子線、放射線等の活性エネルギ線
の照射によってラジカル反応を開始し、原料のモノマ、
反応性オリゴマーを短時間に高分子化させるものであ
る。活性エネルギ線硬化性樹脂の原料は、一般にアクリ
ルレート類等の反応性モノマ、反応性オリゴマー及び光
増感剤であるが、微細に加工された金型を忠実に転写す
るためには粘度の低いものが好ましい。活性エネルギ線
硬化性樹脂は高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等
の光源から紫外線の照射又は他の高エネルギ線の照射に
より、硬化が短時間で起こり、硬度の高い硬化樹脂が形
成される。
【0036】反応性モノマとしてはアクリレート類がそ
の主なものであるが、具体的には、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、2−エチルへキシルメタクリレート、フェノキシ
エチルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレー
ト、その他の高級アルキルアクリレート等の単官能アク
リレートモノマ類、スチレン、ビニルピロリドン等のそ
の他の単官能モノマ類、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレング
リコール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパ
ン、テトラメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
等のポリオール類に2個以上のアクリレートが結合した
多官能アクリレートモノマ類等が挙げられる。
【0037】反応性オリゴマーとしては、末端にアクリ
ロイル基を持つポリエステルアクリレート、分子鎖中に
エポキシ基かつ末端にアクリロイル基を持つエポキシア
クリレートまたはポリウレタンアクリレート、分子鎖中
に2重結合を持つ不飽和ポリエステル、1、2−ポリブ
タジエン、その他のエポキシ基又はビニルエーテル基を
持つオリゴマーが挙げられる。
【0038】光増感剤としては、2、2ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノン、2、2−ジエトキシアセト
フェノン、塩素化アセトフェノン等のアセトフェノン
類、ベンゾフェノン類、ベンジル、メチルオルソベンゾ
イルベンゾエート、ベンゾインアルキルエーテル等のペ
ンゾイン類、α、α’−アゾビスイソブチロニトリル、
2、2’−アゾビスプロパン、ヒドラゾン等のアゾ化合
物、ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチル
パーオキサイド等の有機パーオキサイド類、ジフェニル
ジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジベンゾ
イルジサルファイド等のジフェニルジサルファイド類等
が挙げられる。
【0039】本実施例では活性エネルギ線硬化性樹脂を
成形し、ドライエッチングにより成形パターンを石英基
板42へ転写することで、石英等のホットプレス法では
直接加工できない光学材料にも適用可能で、かつ生産性
や加工精度に優れた回折光学素子の製造方法が実現す
る。
【0040】このように、高エネルギ線硬化性樹脂を金
型40に流し込みエネルギ線照射により硬化させる方法
の特筆すべき点は、硬化前後の体積変化が少ない点であ
る。一般に、高分子と金属は熱膨張率が大きく異なり、
成形後に冷却すると体積収縮が起き、金型から剥離し難
くなる等の問題が生ずる。これに対して、高エネルギ線
硬化性樹脂を使う方法は、加工精度が非常に高いと云え
る。ただし、高エネルギ線硬化性樹脂の中にも、硬化前
後の体積変化が大きいものもあるため注意が必要であ
る。
【0041】第1〜第4の実施例では、加圧成型した後
に高分子膜等及び石英基板を金型から剥離するが、密着
性が良く剥離し難いような材料を使用する場合には、金
型と高分子膜の間に離型剤を用いてもよい。金型から剥
離した高分子膜等にはブレーズド形状が形成されている
が、ブレーズド形状の深さを高分子膜等と石英基板のエ
ッチング選択比によって決定する。これにより反応性イ
オンエッチングを高分子膜等が完全にエッチングされる
まで行えば、石英基板に所望の深さのブレーズド形状を
転写することができる。
【0042】図5は半導体露光装置の概略図を示してい
る。KrFやArFエキシマレーザー等の光源50から
の光束Lの出射方向には偏向ミラー51、照明光学系5
2、レチクル53、縮小撮影光学系54、感光基板55
が配置されている。
【0043】光束Lは照明光学系52に導光され、照明
光学系を通過した光束Lはレチクル53面上を照明す
る。更に、レチクル53の情報を持った光束Lが縮小投
影光学系54を通り感光基板55へ投影される。
【0044】この半導体露光装置の照明光学系52、投
影光学系54には、先の実施例の製造方法により製造し
た回折光学素子が、ガラスレンズ等の屈折光学素子と共
に用いられている。このように、回折光学素子を用いて
いることにより、従来の屈折光学素子のみを使用した光
学系と比較して、レンズの枚数を少なくすることができ
る。このため、硝材による光吸収が低減され、吸収熱に
よるレンズの変形や屈折率変化を抑制することが可能と
なる。
【0045】また、色収差の補正が容易なため、レーザ
ー光の波長帯域を広げ、レーザー光のパワーを有効に利
用することができる。加えて、半導体露光装置を設置す
る環境が変化した場合にも、焦点位置のずれ発生を最小
限に止めることができ、結果として高精度なパターン転
写を良好に行うことができる。
【0046】また、回折光学素子の応用例は半導体露光
装置に限られることなく、各種の光学機器に適用可能で
ある。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る回折光
学素子の製造方法は、高エネルギ線に充分に対応できる
回折光学素子を高精度に量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の加工工程図である。
【図2】第2の実施例の加工工程図である。
【図3】第3の実施例の加工工程図である。
【図4】第4の実施例の加工工程図である。
【図5】半導体露光装置の投影光学系である。
【図6】従来の回折光学素子の断面図である。
【図7】従来のバイナリ光学素子の製造方法の説明図で
ある。
【符号の説明】
10、20、30、40 金型 12 プレス機 13、21、31、42 石英基板 14 高分子膜 15 エッチングガス 16、23、33、44 バイナリオプティクス素子 22 薄板ガラス 32 高分子材 41 紫外線硬化性樹脂 43 紫外線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に該基板よりも加工し易い材料を
    用いて所望の形状の中間加工層を形成する工程と、該中
    間加工層の形状を反応性イオンエッチングによって前記
    基板に転写する工程とから成ることを特徴とする回折光
    学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記中間加工層の加工形状は、前記反応
    性イオンエッチングの際の前記中間加工層と前記基板の
    選択比を反映させた請求項1に記載の回折光学素子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 石英基板上に中間加工膜を形成する工程
    と、前記中間加工膜を加熱後に回折素子成形用金型を用
    いて加圧成形する工程と、前記中間加工膜及び前記石英
    基板を前記金型から剥離する工程と、前記中間加工膜に
    形成した回折素子形状を反応性イオンエッチングによっ
    て前記石英基板に転写する工程とから成ることを特徴と
    する回折光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記中間加工膜を高分子膜とした請求項
    3に記載の回折光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記中間加工膜をガラス薄膜とした請求
    項3に記載の回折光学素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 回折光学素子形状を刻設した金型と石英
    基板を用いて射出成形用の型を構成する工程と、加熱し
    た前記射出成形用の型に溶融高分子材を流し込み高分子
    膜を形成する工程と、前記金型、前記石英基板及び前記
    高分子膜を徐冷する工程と、前記高分子膜及び石英基板
    を前記金型から剥離する工程と、前記高分子膜に形成さ
    れた回折光学素子形状を反応性イオンエッチングによっ
    て前記石英基板に転写する工程とから成ることを特徴と
    する回折光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 回折光学素子成形用金型に活性エネルギ
    線硬化性樹脂を流し込む工程と、該活性エネルギ線硬化
    性樹脂の金型と逆の面に石英基板を密着させる工程と、
    活性エネルギ線を照射して樹脂を硬化させる工程と、前
    記活性エネルギ線硬化性樹脂膜及び前記石英基板を前記
    金型から剥離する工程と、前記活性エネルギ線硬化性樹
    脂膜に形成された回折光学素子形状を反応性イオンエッ
    チングによって前記石英基板に転写する工程とから成る
    ことを特徴とする回折光学素子の製造方法。
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