JPH10231434A - ガスバリア性樹脂組成物、多層構造体及びその製造方法 - Google Patents

ガスバリア性樹脂組成物、多層構造体及びその製造方法

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JPH10231434A
JPH10231434A JP9036535A JP3653597A JPH10231434A JP H10231434 A JPH10231434 A JP H10231434A JP 9036535 A JP9036535 A JP 9036535A JP 3653597 A JP3653597 A JP 3653597A JP H10231434 A JPH10231434 A JP H10231434A
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JP
Japan
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gas barrier
weight
composition
film
hydrogen bonding
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JP9036535A
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English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Itada
光善 板田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超ガスバリア性であり、且つ、安定した品質
と製膜性及び生産性を有するガスバリア性樹脂組成物の
提供。 【解決手段】 カルボキシル基含有高水素結合性樹脂と
水酸基含有高水素結合性樹脂、無機層状化合物からなる
組成物を熱及び活性エネルギー線で変性して得られるガ
スバリア性樹脂組成物、それよりなる多層構造体、及び
その製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高水素結合性樹脂
を用いたガスバリア性樹脂組成物、更に詳しくは食品等
の透明性の良好な包装用フィルム及び容器等を製造する
のに好適なガスバリア性樹脂組成物、多層構造体及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高水素結合性樹脂はガスバリア性
樹脂として公知であり、該樹脂を溶媒として水及び/又
はアルコールに溶解して溶液流延法又は押出法等により
該樹脂からなる層を少なくとも1層含む多層構造体が形
成される。しかし、高水素結合性樹脂のガスバリア性は
食品等の包装材料分野で満足する性能ではないことか
ら、更なるガスバリア性を発現させる為に、高水素結合
性樹脂の異種混合組成物に特定の熱処理をしたり、高水
素結合性樹脂に無機層状化合物を含有させている(特開
平6−220221号公報、特開平7−102083号
公報、特開平7−165942号公報、特開平6−93
133号公報、特開平7−251874号公報)。
【0003】この場合の高水素結合性樹脂は、樹脂単位
重量あたりの水素結合性基又はイオン性基の重量百分率
が20%以上60%以下の割合を満足する水溶性の高分
子化合物であり、水素結合性基の水素原子又はイオン性
基のイオン(金属イオン、例えばNaイオン)が隣接す
る分子の電気陰性度の大きい酸素、窒素などの原子に結
びつく水素結合を分子鎖間で行うことで緻密な高次構造
をとるためにガスバリア性が高い。高水素結合性樹脂の
水素結合性基として水酸基、カルボキシル基、アミノ
基、チオール基、スルホン酸基、燐酸基など、イオン性
基としてカルボキシレート基、スルホン酸イオン基、燐
酸イオン基、アンモニウム基、ホスホニウム基などが挙
げられ、高水素結合性樹脂の具体例としてポリアクリル
酸及びそのエステル類、糖類、ポリビニルアルコール、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニ
トリルなどが開示されている。
【0004】又、この場合の無機層状化合物は、単位結
晶層が互いに積み重なって層状構造を有している粒径が
5μm以下、アスペクト比が50以上5000以下の無
機化合物であり、具体例としてグラファイト、燐酸塩系
誘導体型化合物(燐酸ジルコニウム系化合物)、カルコ
ゲン化合物[IV族(Ti、Zr、Hf)、V族(V、
Nb、Ta)及びVI族(Mo、W)のジルカゴゲン化
物であり、式MX2 で表される。ここでXはカルコゲン
(S、Se、Te)を示す]、粘土系鉱物などが開示さ
れている。
【0005】高水素結合性樹脂の異種混合組成物に特定
の熱処理をする例を説明すると、特開平6−22022
1号公報には、水酸基含有樹脂であるポリビニルアルコ
ールとカルボキシル基含有樹脂であるポリ(メタ)アク
リル酸とを重量比で95/5から20/80の範囲内で
含有する混合物を分子鎖間で水素結合又はエステル結合
等を誘発させるような特定の熱処理をして形成したフィ
ルムが開示されており、高湿度条件下でのガスバリア性
が顕著に優れ、しかも耐水性に優れるとしている。
【0006】又、特開平7−102083号公報には、
水酸基含有樹脂であるポリビニルアルコールとカルボキ
シレート基含有樹脂であるポリ(メタ)アクリル酸の部
分中和物とを重量比で95/5から10/90の範囲内
で含有する混合物を分子鎖間で水素結合、エステル結合
又は金属イオン結合等を誘発させるような特定の熱処理
条件をして形成したフィルムが開示されており、高湿度
条件下でのガスバリア性が上記の特開平6−22022
1号公報開示組成物より顕著に優れ、しかも耐水性に優
れるとしている。
【0007】更に、特開平7−165942号公報に
は、水酸基含有樹脂である糖類とカルボキシレート基含
有樹脂であるポリ(メタ)アクリル酸の部分中和物とを
重量比で95/5から10/90の範囲内で含有する混
合物を分子鎖間で水素結合、エステル結合又は金属イオ
ン結合等を誘発させるような特定の熱処理をして形成し
たフィルムが開示されており、高湿度条件下でのガスバ
リア性が特開平7−102083号公報開示組成物と同
様に顕著に優れ、しかも耐水性に優れるとしている。
【0008】高水素結合性樹脂に無機層状化合物を含有
させる例を説明すると、特開平6−93133号公報及
び特開平7−251874号公報には、水酸基含有樹脂
であるポリビニルアルコール又は多糖類で代表される高
水素結合性樹脂の単体に粒径が5μm以下でアスペクト
比が50以上5000以下の微粒で扁平形態の無機層状
化合物を体積分率で5%から90%(重量分率で約7%
から90%に相当)の範囲内で含有する混合物から形成
したフィルムが開示されており、レトルト熱処理後も優
れたガスバリア性を示すとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6−220221号公報には、本発明で開示する酸
素透過係数(以下、23℃、65%RH雰囲気条件下の
ガスバリア性樹脂組成物単位厚み当たりの測定値とす
る)が1.0ml(STP)・μm/m2 ・day・a
tm以下の超ガスバリア性(以下、このガスバリア水準
を超ガスバリア性と呼ぶ)を達成することができず、食
品等の包装材料に要求されるガスバリア性を高度に満足
することができない欠点がある。
【0010】又、上記特開平7−102083号公報、
特開平7−165942号公報においては、超ガスバリ
ア性の達成のために、カルボキシル基含有樹脂をアルカ
リ処理(例えば、水酸化ナトリウムのような強塩基性塩
水溶液で全カルボキシル基数の5〜10モル%を中和:
中和度5〜10に相当)して水素結合性基を部分的にイ
オン性基化させている。しかし、このようなアルカリ処
理により、熱処理前の水溶解液及びその含水塗膜が酸性
から中性領域に近づくため、カビが生えやすく生分解さ
れやすい問題がある。つまり、工業的に水溶解液をバッ
チ式に大量に製造する製造工程を考慮すると品質の安定
した量産(生産性)に困難を伴う欠点がある。
【0011】殊に、上記特開平6−93133号公報、
特開平7−251874号公報には、超ガスバリア性の
達成のために、製膜乾燥後の高水素結合性樹脂中におい
て、無機層状化合物を樹脂100重量部に対して7重量
部以上の高濃度で且つ高度に分散させている。そして、
製膜時の該水溶解液中においても、無機層状化合物及び
高水素結合性樹脂は2重量%以下の低濃度にすることで
沈降分離することなく膨潤劈開させ分散させている。し
かし、水溶解液からの製膜時において、非常に低濃度の
水溶解液をフィルム等に塗工し且つ多量の水を蒸発させ
る必要があることから、工業的に溶液流延法(コーター
等)等で均一厚みに連続製膜するには極めて困難を伴う
問題がある。更に、製膜の困難性に伴ってバリアピンホ
ールの発生があり、最近市場で求められている製造物責
任の要求にも応えられない問題がある。つまり、製膜後
のガスバリア性がばらついて再現安定性が不十分である
欠点がある。
【0012】本発明の目的は、酸素透過係数が超ガスバ
リア性であり、且つ、安定した品質と製膜性及び生産性
を有するガスバリア性樹脂組成物及びそれよりなる多層
構造体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のガスバリア性樹
脂組成物としての構成は、(A)カルボキシル基含有高
水素結合性樹脂と(B)水酸基含有高水素結合性樹脂の
重量比(A)/(B)が80/20以上60/40以下
である異種混合物100重量部と(C)無機層状化合物
1重量部以上10重量部未満からなる組成物を熱及び活
性エネルギー線で変性したことを特徴とする。
【0014】更には、その製造方法において、熱及び活
性エネルギー線変性前の組成物を、水及び/又はアルコ
ールを用いて組成物濃度が5重量%以上25重量%以下
の水溶解液とし、その水溶解液を乾燥固化するなどして
フィルム化した後、下記条件式(a)、(b)を満足す
る熱処理を行うと共に(好ましくは、熱処理に引き続
き)下記条件式(c)を満足する活性エネルギー線処理
することを特徴とする。 (a)1/30≦1/t≦(1.8324−811.7
9/T) (b)453<T≦623 (c)10≦M≦1000 [式中、tは熱処理時間(分)、Tは熱処理温度
(K)、Mは活性エネルギー線照射による吸収線量(k
Gy)である。] 以下、本発明の内容について説明する。
【0015】本発明と従来技術との相違点は、従来の高
水素結合性樹脂の組成物が、(A)カルボキシル基含有
樹脂と(B)水酸基含有樹脂及び(C)無機層状化合物
の3群の中から、(A)と(B)の2成分と特定の熱処
理を必須とする場合と、(A)と(B)の2成分をアル
カリ処理してイオン性基化した後に特定の熱処理を必須
とする場合と、(A)又は(B)と(C)の2成分を必
須として特定の熱処理をしない場合の3通りがあるのに
対して、(A)と(B)と(C)の3成分と特定の熱処
理を必須として更に特定の活性エネルギー線処理させる
ものである。
【0016】即ち、全3群(A)(B)(C)を特定
の組成物構成で含有させる。 特定の熱及び活性エネルギー線処理により変性させ
る。 上記との組み合わせにある。つまり、従来技術との
相違点及びの重要性については、 a.全3群(A)(B)(C)の特定の組成物構成にお
いて、初めて、熱及び活性エネルギー線変性によるガス
バリア性の改善効果があるということ、 b.全3群(A)(B)(C)の特定の組成物構成を特
定の熱及び活性エネルギー線変性する場合において、初
めて、カビ発生を誘発させるアルカリ処理をすることな
く超ガスバリア性を達成できること、 c.全3群(A)(B)(C)の特定の組成物構成を特
定の熱及び活性エネルギー線変性する場合において、初
めて、組成物(固形分)中の無機層状化合物含有量が少
ないにも関わらず超ガスバリア性を達成できること、更
には、 d.全3群(A)(B)(C)の特定の組成物構成を特
定の熱及び活性エネルギー線変性する場合において、初
めて、バリアピンホールのない再現安定性のある超ガス
バリア性樹脂組成物からなる多層構造体を製造できるこ
と、が挙げられる。
【0017】ここで、バリアピンホールとは、フィルム
1m2 以内の酸素透過係数のばらつき(=最大値−最小
値)が2倍異なる部位が存在することをいう。周知のよ
うに、酸素透過係数の一般的な測定は本発明で用いられ
る評価法で記載した方法で行われる所定面積での測定で
あり、酸素透過係数が2倍異なる部位には何らかの欠陥
がある。この欠陥は、包装材の内容物の一部、即ち欠陥
部位に接触或いはその近傍の内容物の変色・劣化を招
き、市場では受け入れられないことになる。
【0018】本発明の樹脂組成物構成の重要性につい
て、図1〜2を用いて、詳細に説明する。尚、図1〜5
は、本発明の実施例及び比較例の内容を示す説明図であ
る。高水素結合性樹脂の内、水素結合性基を有するカル
ボシキル基含有樹脂には(A)ポリアクリル酸、水酸基
含有樹脂には(B)可溶性澱粉、アルカリ処理によりイ
オン性基を持つカルボキシレート基含有樹脂には
(A’)ポリアクリル酸ナトリウム、及び、無機層状化
合物には(C)合成スメクタイトを用いている。
【0019】まず、図1は、特定の高水素結合性樹脂の
混合組成比がガスバリア性に及ぼす効果を示す図であ
る。図1の縦軸は高水素結合性樹脂の異種混合物100
重量部に対して(C)の含有量を5重量部と固定して
(A)又は(A’)と(B)の混合比を変化させて得た
各種組成の熱及び活性エネルギー線変性フィルムの酸素
透過係数を、横軸は(A)又は(A’)の重量比を表し
ている。又、図中の曲線はそれぞれのガスバリア性の評
価結果を示したもので、○印は実施例1実験No.1〜
3及び比較例1実験No.4〜5の(A)/(B)/
(C)組成物の場合、△印は比較例1実験No.9の
(A’)/(B)/(C)組成物の場合を示すものであ
る。図1の結果で明らかなように、(C)を含有する高
水素結合性樹脂において、特定の高水素結合性樹脂の混
合比(A)/(B)が80/20から60/40の範囲
内〔実施例1〕において、初めて、超ガスバリア性を有
するフィルムが得られる。又、アルカリ処理された高水
素結合性樹脂の異種混合物(A’)/(B)の場合に
は、(C)を含有することによるガスバリア性の改善効
果が全くないことが分かる。
【0020】図2は、無機層状化合物の混合比がガスバ
リア性に及ぼす効果を示す図である。図2の縦軸は
(A)/(B)の重量比60/40(合計100重量
部)に対する(C)の含有量を変化させて得た各種組成
の熱及び活性エネルギー線変性フィルムの酸素透過係数
を、横軸は(C)の重量比を表している。又、図中の曲
線及び直線はそれぞれのガスバリア性の評価結果を示し
たもので、○印は実施例1実験No.3、実施例2実験
No.10〜11及び比較例2実験No.12〜13の
(A)/(B)/(C)組成物の場合、△印は比較例1
実験No.9及び比較例2実験No.17の(A’)/
(B)/(C)組成物の場合、○印上の両矢印はプロッ
ト径で表される範囲内を越える酸素透過係数のばらつき
(最大最小範囲)を示すものである。図2の結果で明ら
かなように、樹脂混合物(A)/(B)100重量部に
対して(C)が1重量部以上含有されると、超ガスバリ
ア性を有するフィルムの得られることが分かる。しか
し、該組成物中の(C)含有量が7重量部〔実施例2実
験No.11〕以上の高濃度では、酸素透過係数のばら
つきが大きく、ガスバリア性の再現安定性が不十分でバ
リアピンホールが存在する。又、(C)含有量が10重
量部以上〔比較例2実験No.12〕では、更に酸素透
過係数のばらつきが大きくなるばかりか、水溶解液中雰
囲気が中性領域に近づくきためカビが生えやすく、従来
技術のアルカリ処理された高水素結合性樹脂の異種混合
組成物(比較例5No.56)と同様に水溶解液の保存
安定性が悪い。よって、樹脂混合物(A)/(B)10
0重量部に対して(C)の混合比は1重量部以上10重
量部未満の低濃度領域〔実施例1実験No.3及び実施
例2実験No.10、11〕、更には1重量部以上7重
量部以下、最も好ましくは1重量部以上5重量部以下で
あることが分かる。
【0021】同様に、本発明の熱及び活性エネルギー線
変性の重要性について、図3〜5を用いて、詳細に説明
する。図3は、本発明の樹脂組成物の熱処理条件がガス
バリア性に及ぼす効果を示す図である。図3の縦軸は
(A)/(B)/(C)の混合比60/40/5の組成
物に対して熱処理条件(温度及び時間)及び活性エネル
ギー線処理条件(電子線未照射及び15Mrad照射)
を変化させて得たフィルムの酸素透過係数を、横軸は熱
処理時間を表している。又、図中の曲線はそれぞれのガ
スバリア性の評価結果を示したもので、○印は実施例3
実験No.19〜20及び比較例3実験No.30〜3
1の熱処理温度220℃で電子線照射した場合、△印は
実施例1実験No.3及び実施例3実験No.18、比
較例3実験No.28〜29の熱処理温度200℃で電
子線照射した場合、□印は比較例3実験No.24〜2
7の熱処理温度170℃で電子線照射をした場合、◇印
は比較例3実験No.21〜23の熱処理温度140℃
で電子線照射をした場合、◆印は比較例4実験No.3
2〜34の熱処理温度140℃で電子線照射をしない場
合、黒く塗った四角印は比較例4実験No.35〜38
の熱処理温度170℃で電子線照射をしない場合、黒く
塗った三角印は比較例4実験No.39〜42の熱処理
温度200℃で電子線照射をしない場合、●印は比較例
4実験No.43〜46の熱処理温度220℃で電子線
照射をしない場合を示すものである。
【0022】図3の結果より明らかなように、熱処理時
間約10分以内の範囲内で酸素透過係数と熱処理時間の
間には両対数で比例関係にあり、酸素透過係数が小さな
フィルムを作成するには、熱処理温度が高い場合には短
時間でよいが熱処理温度が低くなるほど長時間を必要と
することが分かる。更には、酸素透過係数の超ガスバリ
ア性は、熱処理のみならず活性エネルギー線の照射をし
なければ達成できないことより、特定条件の熱処理及び
活性エネルギー線処理が必須であることが分かる。
【0023】又、図4は、超ガスバリア性を満足する熱
処理温度と熱処理時間の関係を示す図である。図4の縦
軸は、図3において熱及び活性エネルギー線処理した該
組成物が熱処理時間約10分以内の範囲内で酸素透過係
数と熱処理時間の間に両対数で比例関係にあるとして各
熱処理温度毎に作成した一次近似式の酸素透過係数が
1.0ml(STP)・μm/m2 ・day・atm
(23℃、65%RH)となる熱処理時間tの逆数を、
横軸に熱処理温度Tの逆数を表している。又、図中の直
線はそれぞれのガスバリア性の評価結果を示したもの
で、○印はそれぞれ熱処理温度170℃、200℃、2
20℃の場合を示すものである。図4の結果より明らか
なように、○印が一つの直線で結ばれることから熱処理
温度T(K)と熱処理時間t(分)の間には各々の逆数
において比例関係が経験的に成立し、この直線の下部条
件領域で超ガスバリア性を達成できることが分かる。溶
液流延法(コーター等)で実用上連続生産の可能な熱処
理時間上限30分以内及び高水素結合性樹脂自体の熱劣
化による変色や分解のおそれのない熱処理温度上限35
0℃以内で熱処理温度を考慮すると、好ましい熱処理条
件は下式で与えられることになる。 (a)1/30≦1/t≦(1.8324−811.7
9/T) (b)453<T≦623 [式中、tは熱処理時間(分)、Tは熱処理温度(K)
である。]
【0024】図5は、本発明の樹脂組成物の活性エネル
ギー線処理条件がガスバリア性に及ぼす効果を示す図で
ある。図5の縦軸は熱処理(200℃15分間)された
高水素結合性樹脂組成物に対して電子線照射による吸収
線量を変化させて得たフィルムの酸素透過係数を、横軸
は吸収線量を表している。又、図中の直線及び曲線はそ
れぞれのガスバリア性の評価結果を示したもので、○印
は実施例1実験No.3及び実施例4実験No.47〜
50及び比較例4実験No.41の(A)/(B)/
(C)の混合比60/40/5組成物の場合、△印は比
較例5実験No.56及び比較例2実験No.17の
(A’)/(B)の混合比60/40組成物の場合、□
印は比較例5実験No.55及び比較例2実験No.1
3の(A)/(B)の混合比60/40組成物の場合を
示すものである。図5の結果より明らかなように、従来
技術である高水素結合性樹脂の異種混合物(A)/
(B)又は(A’)/(B)からなるフィルムには活性
エネルギー線処理によるガスバリア性に及ぼす改善効果
はないが、本発明の高水素結合性樹脂の異種混合物
(A)/(B)に無機層状化合物(C)を更に組み合わ
せることによって、初めて、1Mrad(=10kGy
と同値:吸収線量1Mrad=10kGyである)以上
を電子線照射することにより熱処理だけでは達成されな
かった超ガスバリア性を実現できることが分かる。一般
に電子線照射装置による実用的な吸収線量の上限は10
0Mrad程度であることから、1Mrad(=10k
Gy)以上100Mrad(=1000kGy)以下の
範囲で活性エネルギー線変成することが好ましい。
【0025】以下、本発明の構成要素である(A)カル
ボキシル基含有高水素結合性樹脂、(B)水酸基含有高
水素結合性樹脂、(C)無機層状化合物について、詳細
に説明する。本発明における高水素結合性樹脂とは、水
素結合を分子鎖間で行うことで緻密な高次構造をとる樹
脂をいい、一般に、樹脂単位重量当たりの水素結合性基
又はイオン性基の重量百分率が20重量%以上60重量
%以下の割合を満足する水溶性の高分子化合物をいう。
【0026】本発明でいう高水素結合性樹脂であるカル
ボキシル基含有樹脂とは、分子鎖中にカルボキシル基を
少なくとも2個以上含有する化合物であって、具体的に
は、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、アクリル酸
とメタクリル酸との共重合体、或いはこれらの2種以上
の混合物である。その中でも、酸素ガスバリア性の観点
からアクリル酸又はメタクリル酸のホモポリマーや両者
のコポリマーが好ましく、本発明においてはアクリル酸
のホモポリマーやアクリル酸が主成分となるメタクリル
酸とのコポリマーが特に好適なものである。ポリ(メ
タ)アクリル酸の数平均分子量は、特に限定されない
が、2,000以上250,000以下の範囲内が好ま
しい。
【0027】本発明でいう高水素結合性樹脂である水酸
基含有樹脂とは、分子鎖中に水酸基を少なくとも2個以
上含有する化合物であって、具体的には、単糖類、糖ア
ルコール、オリゴ糖類、及び多糖類、ケン化度が95%
以上で平均重合度が300以上2,500以下のポリビ
ニルアルコール、或いはこれらの2種以上の混合物であ
る。その中でも、酸素ガスバリア性の観点から糖類が好
ましい。単糖類とは、糖類のうちで加水分解によってそ
れ以上簡単な分子とならないオリゴ糖類や多糖類の構成
単位となる一般式Cn 2nn で表される基本物質で、
アルデヒド基を有するものがアルドース、ケトン基を有
するものがケトースと分類されるが、本発明においては
n=5以上の鎖式多価アルコールのアルドース、例えば
グルコース、ガラクトースなどが天然に多量に存在する
ため好ましく、それぞれ単独で或いは2種以上を組み合
わせて使用することが出来る。
【0028】糖アルコールとは、アルドース又はケトー
スを還元して得られる一般式Cn 2n+1n で表される
ポリヒドロキシアルカンで、例えばソルビトール、マン
ニトール、グリセリンなどの鎖状多価アルコールが好ま
しく、それぞれ単独で或いは2種以上を組み合わせて使
用することが出来る。オリゴ糖とは、単糖類がグリコシ
ド結合によって2個以上10個程度結ばれた構造を持
ち、単糖の数によって二糖、三糖などに分類され、例え
ばスクロース、ラクトースなどが挙げられる。多糖類と
は、単糖類がポリグリコシル化した重合度10以上の高
分子化合物の総称で、構成糖の種類が1種の場合をホモ
多糖(ホモグリカン)2種以上のものをヘテロ多糖(ヘ
テログリカン)といい、自然界に多く存在する。天然多
糖類は、主にピラノース環構造を持つアルドヘキソース
及びアルドペントースを構成単位としてグリコシド結合
で直線状、分岐状又は環状に繋がった高分子化合物で、
その構成成分によって分類すると、中性多糖、酸性多
糖、塩基性多糖に分類される。
【0029】本発明で使用する多糖類には、これら天然
多糖類の他に、これらの多糖類を有機酸や無機酸又は加
水分解酵素を触媒として固相、液相又は固液混合相に
て、必要に応じて熱を加えることで加水分解して得られ
たもの、天然多糖類及びそれらに前述の加水分解処理を
施したものに更にエステル化、エーテル化、カチオン
化、架橋、グラフト化などの加工処理を加えたものも含
まれる。これら天然多糖類及びその加水分解生成物並び
にそれらの加工処理生成物の中でも、水に可溶なその構
成単糖がグルコースであるホモ単糖、例えば澱粉類、セ
ルロース類、デキストラン、プルラン等が好ましく、特
に澱粉類が好適なものである。
【0030】本発明において好ましい無機層状化合物と
は、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列し
た不定形薄板状単位結晶層が層間に働くファンデルワー
ルス力と層間イオンを介してのイオン相互作用の弱い結
合力よって互いに平行に積み重なった層状構造を有して
いる層状珪酸塩鉱物(粘土系鉱物)であって、具体的に
は、水膨潤性粘土又は水膨潤性粘土を有機処理して得ら
れる有機変性粘土である。水膨潤性粘土としては、スメ
クタイト系鉱物や膨潤性雲母鉱物が挙げられる。スメク
タイト系鉱物としては、モンモリロナイト系粘土鉱物、
サボナイト系粘土鉱物、バイデライト系粘土鉱物、ノン
トロナイト系粘土鉱物、ヘクトライト系粘土鉱物、ステ
ィブンサイト系粘土鉱物等があり、これらは天然のもの
でも合成のものでも何れでも良い。膨潤性雲母鉱物は、
天然雲母と類似の組成を有する合成粘土鉱物である。
又、層状珪酸塩鉱物の層間距離は約1nm以下で層方向
の広がりは概ね(100nm〜2μm)×(100nm
〜2μm)程度であるが、単位結晶層間に水等の溶媒に
よりを配位、吸収・膨潤する性質を有し、溶媒中で単層
或いは数層単位に剥離するためには、層状珪酸塩鉱物の
層面の最大径が500nm以下であることが望ましく、
本発明においてはモンモリロナイト系鉱物が特に好適な
ものである。
【0031】次に、本発明のガスバリア性樹脂組成物の
製造方法を詳細に説明する。 (A)カルボキシル基含有高水素結合性樹脂と(B)水
酸基含有高水素結合性樹脂の重量比(A)/(B)が8
0/20から60/40の異種混合物100重量部に対
して(C)無機層状化合物を1重量部以上10重量部未
満で含有させた組成物を得るには、各成分を水に溶解分
散させる方法、各成分の水溶解液を混合する方法、上記
(B)樹脂水溶解液中で上記(A)樹脂モノマーを重合
させた後に(C)無機層状化合物を混合する方法、など
が採用される。一般に、水溶解液中の固形分濃度が5重
量%未満で乾燥固化してフィルム状とした場合に製膜厚
み斑が大きくガスバリア性の再現安定性に問題があり、
25重量%を越える場合には樹脂組成物の溶解分散性が
悪くなることから、水溶解液中の固形分濃度は5重量%
以上25重量%以下の範囲内の濃度が好ましい。また、
水以外にアルコールなどの溶媒或いは水とアルコールな
どとの混合溶液を混合溶媒として用いても良い。
【0032】これらの組成物から熱及び活性エネルギー
変性されたガスバリア性樹脂組成物を形成する方法は、
特に限定はないが、例えば、組成物の水溶解液をガラス
板やプラスチックフィルム等の支持体上に流延(コーテ
ィング)して乾燥及び熱処理させ皮膜を形成する方法
(溶液流延法)或いは組成物の水溶解液を押出機により
吐出圧力を掛けながら細隙から膜状に流延して含水単層
体を回転ドラム又はベルト上で乾燥及び熱処理する方法
(押出法)に続けて、この組成物の皮膜を活性エネルギ
ー線照射して変性する方法などがある。これらの製膜方
法の中でも、特に、組成物濃度が5重量%以上25重量
%以下の範囲内で行われる溶液流延法と活性エネルギー
線照射の組み合わせは、透明性に優れた皮膜を容易に得
ることが出来ることから好適であり、皮膜の厚みは使用
目的に応じて適宜定めることが出来る。
【0033】特に限定されないが、0.1μm以上50
0μm以下、好ましくは1μm以上100μm以下であ
る。又、活性エネルギー線としては、既に広く実用化さ
れている電子線或いは紫外線、レーザー光、ガンマ線な
どが挙げられるが、特に電子線が好ましい。電子線照射
装置としては、特に限定はないが、加速電圧が被照射物
である成形物の厚みに応じて100〜1000kVの範
囲で適宜設定することができ、照射による吸収線量が
0.5〜100Mrad(=5〜1000kGy)の範
囲を有する装置が実用に適している。なお、活性エネル
ギーの照射を行う時期は熱処理の前後を問わないが、組
成物の水溶解液の乾燥による製膜工程と熱処理工程が連
続することによる製造工程の簡便性などの点から熱処理
後が好ましい。
【0034】本発明のガスバリア性樹脂組成物からなる
多層構造体とは、該組成物の単層体を少なくとも1層含
む包装材料として好適な形態であるフィルム及びシー
ト、容器等の形状の積層体である。多層構造体は、本発
明の組成物層と熱可塑性樹脂層とを接着剤層を介し又は
介することなく、コーティング法、ドライラミネート
法、押出コーティング法などの公知の積層法を採用する
ことで製造できるが、これらの積層法の中でもコーティ
ング法との組み合わせが好ましい。コーティング法(溶
液流延法を含む)では、熱及び活性エネルギー線変性前
の組成物の水溶解液を、例えば、エアナイフコーター、
キスロールコーター、メタリングバーコーター、グラビ
アロールコーター、リバースロールコーター、ディップ
コーター、ダイコーターなどの装置を用いて、熱可塑性
樹脂の層上に所望の厚さにコーティング(塗工)し、引
き続き、アーチドライヤー、ストレートバスドライヤ
ー、タワードライヤー、ドラムドライヤーなどの装置を
用いて、熱風の吹き付けや赤外線照射などにより水分を
蒸発させて乾燥固化させて熱処理を行う。しかる後に皮
膜を活性エネルギー線処理を行いガスバリア性樹脂フィ
ルムを形成する。ドライラミネート法では、本発明のガ
スバリア性樹脂フィルムと熱可塑性樹脂から形成された
フィルム又はシートとを貼り合わせる。押出コーティン
グ法では、本発明のガスバリアフィルム上に、熱可塑性
樹脂を溶融押出して層を形成する。
【0035】ここで熱可塑性樹脂としては、本発明の樹
脂組成物層の耐熱性、耐薬品性、耐候性、熱シール特
性、機械的特性などをより改善するものであれば特に限
定されないが、ポリオレフィン{ポリエチレン(高、
中、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン
等}、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体、ポリスチレン、ポリエステル(ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、
ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
などが挙げられる。又、熱可塑性樹脂の種類は要求され
る特性及び用途によって適宜選択される。
【0036】本発明の樹脂組成物より得た多層構造体
は、酸素透過係数が1.0ml(STP)・μm/m2
・day・atm(23℃、65%RH)以下の超ガス
バリア性を達成することができるので、ガスバリア性の
要求される食品、医薬、医療器材、衣料などの包装材
料、電子部品、電子発光部品の表面保護包材などに有用
であり、特に熱可塑性樹脂フィルムとのラミネートフィ
ルムとして食品包装材料の分野に好適である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例によって
本発明をさらに詳細に説明する。まず、本発明で用いる
評価法を下記に示す。 [水溶解液の均一分散性]高水素結合性樹脂の異種混合
物及び/又は無機層状化合物の組み合わせの水溶解液を
広口瓶(容積500ml)に入れて密栓をし、室温(以
下、大気中23℃、65%RH条件を室温と呼ぶ)雰囲
気中に1日静置した後、水溶解液中での高水素結合性樹
脂又は無機層状化合物の分散状態を以下の評価尺度で4
段階評価する。沈降分離するものの容量が少ないほど高
分散しやすい。
【0038】 評価尺度: 評価記号 尺 度 ◎ 水溶解液中で何も沈降分離するものが観察されない。 ○ 瓶の底に若干の沈殿物(全容積の5%未満)がある。 △ 瓶の底に沈殿物(全容積の5%以上30%未満)がある。 × 水溶解液中で完全に沈降分離している(全容積の30%以上)。 [水溶解液の保存安定性]高水素結合性樹脂の異種混合
物及び/又は無機層状化合物の組み合わせの水溶解液を
広口瓶(容積500ml)に入れて、密栓はせずに室温
雰囲気中に14日間静置した後、水溶解液の状態を以下
の評価尺度で2段階評価する。
【0039】評価尺度: 評価記号 尺 度 ◎ 外観上、水溶解液面には変化がない。 × 水溶解液面にカビが生えている。 [酸素透過係数]ASTM−D−3985に従って酸素
透過度測定装置(MOCON社:OX−TRAN200
H)を用いて、室温雰囲気中に1日放置した本発明の組
成物と基材の延伸ポリエステル(PET)フィルムの多
層構造体(試料寸法0.12m×0.12m角)の酸素
透過度を5点(n=5)づつ測定し、以下の計算式によ
り本発明の組成物の単位厚み当たりの酸素透過係数を算
出し、その平均値及びその測定値の最大及び最小値を求
めた。積層物の厚みは、デジタル厚み計により測定し
た。 Pfilm=dfilm×(PPET ×Ptotal )/(PPET −P
total ) 但し、 dfilm :本発明の組成物の厚み[単位:μm] Pfilm :本発明の組成物の単位厚み当たりの酸素透過
係数[単位:ml(STP)・μm/m2 ・day・a
tm] Ptotal :本発明の組成物と基材のPETフィルムの積
層物の酸素透過度[単位:ml(STP)/m2 ・da
y・atm] PPET :基材の延伸ポリエステル(PET)フィルム
の積層物の酸素透過度[単位:ml(STP)/m2
day・atm] この酸素透過係数Pfilmの値、酸素透過係数Pfilmのば
らつき(=Pfilm最大値−Pfilm最小値)が2倍異なる
部位(バリアピンホール)の有無により、ガスバリア性
を以下の評価尺度で3段階評価した。
【0040】 評価尺度: 評価記号 尺 度 ◎ 酸素透過係数が1以下の超ガスバリア性を有する。 及び、バリアピンホールがない。 △ 酸素透過係数が1を越えて10以下の高ガスバリア性を有する。 及び、バリアピンホールがない。 × 酸素透過係数が10を越える。 又は、バリアピンホールがある。
【0041】
【実施例1】 (A)カルボシキル基含有高水素結合性樹脂としてポリ
アクリル酸[以下PAAと呼ぶ:和光純薬工業(株)社
製のポリアクリル酸25重量%水溶液(平均分子量15
0,000、比重1.0)]を用い、水で希釈して10
重量%水溶液を調整した。一方、(B)水酸基含有高水
素結合性樹脂として澱粉[以下Amと呼ぶ:和光純薬工
業(株)社製の可溶性澱粉(馬鈴薯澱粉を酸により加水
分解処理して水溶性にしたもの、比重1.0〜1.
6)]を用い、水で希釈して10重量%水溶液を調整し
た。又、(C)無機層状化合物として水膨潤性粘土であ
る合成スメクタイト[以下SWNと呼ぶ:コープケミカ
ル社製の親水性スメクタイトSWN:構造式Na
0.33(Mg2.67Li0.33)Si4 10(OH)2 :比重
2.1]を用い、水を加えて膨潤壁開させて2重量%水
溶解液を調整した。
【0042】上記10重量%PAA水溶液に2重量%S
WN水溶解液を滴下混合した後に10重量%Am水溶液
を混合して高水素結合性樹脂の異種混合物(A)/
(B)の混合比(以下、重量比で示す)80/20の1
00重量部に対する無機層状化合物(C)の混合比を5
重量部とした水溶解液(組成物濃度10〜11重量%)
を調整した。この水溶解液を厚み12μmの延伸ポリエ
ステル(PET)フィルム[東洋紡製のエスペットフィ
ルム]上に、卓上コーター(RKPrint−Coat
Instruments社製のKCC303)を用い、
メータリングバーでコーティングを行った。次いで、ド
ライヤーを用いて水を蒸発させ、厚み3μmの透明な乾
燥皮膜を得た。この乾燥皮膜が形成された延伸PETフ
ィルムを金枠にクリップにより緊張状態で固定してオー
ブン中で200℃15分間熱処理を行い、更に続けて、
電子線照射装置CURETRON(日新ハイボルテージ
社製)用いて、吸収線量が15Mrad(=150kG
y)の活性エネルギー線処理を行い、熱及び活性エネル
ギー線変成された透明な樹脂組成物の皮膜を得た。
【0043】照射は加速電圧200kV、照射温度30
℃、空気雰囲気中で行った。この場合の水溶解液及びフ
ィルムの特性を本文記載の方法で[水溶解液の均一分散
性][水溶解液の保存安定性][酸素透過係数]を評価
した実験を実験No.1とした。上記高水素結合性樹脂
の異種混合物(A)/(B)の混合比を70/30、6
0/40に変えたことの他は実験No.1と同様に実験
を繰り返し、これらをそれぞれ実験No.2〜3とし
た。
【0044】
【比較例1】上記高水素結合性樹脂の異種混合物(A)
/(B)の混合比を40/60、20/80、100/
0、0/100に変えたことの他は実験No.1と同様
に実験を繰り返し、これらをそれぞれ実験No.4〜7
とした。又、(A)のPAAの代わりに(A’)PAA
の全カルボキシル基数の10モル%を水酸化ナトリウム
で中和した部分中和物PAANa(以下PAANaと呼
ぶ)を用いて、上記高水素結合性樹脂の異種混合物
(A’)/(B)の混合比を100/0、60/40に
変えたことの他は実験No.1と同様に実験を繰り返
し、これらをそれぞれ実験No.8〜9とした。
【0045】実施例1比較例1の結果を表1にまとめて
示す。表1の結果によると、(A)/(B)の混合比が
80/20から60/40の範囲内において、超ガスバ
リア性を有するフィルムの得られることが分かる。これ
に対して、無機層状化合物を含有する高水素結合性樹脂
がPAA単独、PAANa単独、Am単独からなるフィ
ルム〔実験No.6〜8〕は酸素透過係数が非常に高い
ことが分かる。更に、高水素結合性樹脂に上記PAAN
aとAmの異種混合物を用いたフィルム〔実験No.
9〕は、無機層状化合物を含有しても超ガスバリア性を
達成することが出来ないことが分かる。
【0046】
【実施例2】上記高水素結合性樹脂の異種混合物(A)
/(B)の混合比を60/40の100重量部に対する
無機層状化合物(C)の混合比を1重量部、7重量部と
変えたことの他は実験No.3と同様に実験を繰り返
し、これらそれぞれを実験No.10、11とした。
【0047】
【比較例2】上記高水素結合性樹脂の異種混合物(A)
/(B)の混合比を60/40の100重量部に対する
無機層状化合物(C)の混合比を10重量部と変えたこ
との他は実験No.3と同様に実験を繰り返し、これを
実験No.12とした。又、無機層状化合物(C)を含
有させずに上記高水素結合性樹脂の異種混合物(A)/
(B)の混合比を60/40、100/0、0/100
に変えたことの他は実験No.1と同様に実験を繰り返
し、これらをそれぞれ実験No.13〜15とした。更
に、(A)のPAAの代わりに(A’)PAANaを用
いて、上記高水素結合性樹脂の異種混合物(A’)/
(B)の混合比を100/0、60/40に変えたこと
の他は実験No.1と同様に実験を繰り返し、これらを
それぞれ実験No.16〜17とした。
【0048】実施例2及び比較例2の結果を表2にまと
めて示す。表2の結果によると、本発明の(A+B)/
(C)組成物の混合比が100/1から100/10の
範囲内において、優れた酸素ガスバリア性を有するフィ
ルムの得られる。なお、無機層状化合物の含有量が7重
量部の場合には酸素透過係数の値自体は1以下となり、
超ガスバリア性を示すが、バリアピンホールの発生がみ
られるため、酸素透過係数の評価は×となっている。ま
た、無機層状化合物の含有量が10重量部以上では水溶
解液中で沈降分離して均一分散性が悪くなり、酸素透過
係数のばらつきが大きくガスバリア性の再現安定性が劣
り、バリアピンホールが発生することが分かる。又、高
水素結合性樹脂である(A)単独、(B)単独、
(A’)単独の無機層状化合物を含まない組成物からな
るフィルム〔実験No.14〜16〕は酸素透過係数が
非常に高く、殊に、(A’)と(B)の高水素結合性樹
脂の異種混合物からなるフィルム〔実験No.17〕は
ガスバリア性の再現安定性が良いものの超ガスバリア性
には至らず、これに無機層状化合物を組み合わせて同様
に処理〔実験No.9〕してもガスバリア性が更に悪化
することから、本発明のカルボキシル基含有高水素結合
性樹脂と水酸基含有高水素結合性樹脂の組合せにおい
て、初めて、無機層状化合物の添加効果が顕著に現れる
ことが分かる。
【0049】更に加えて、(B)単独〔実験No.1
6〕、(A’)/(B)〔実験No.17〕及び(A)
/(B)/(C)=60/40/10〔実験No.1
2〕の高水素結合性樹脂の異種混合物は水溶解液面上に
カビが生えて保存安定性が悪いが、本発明の樹脂組成物
〔実験No.3〕は保存安定性が良いことが分かる。こ
れは、(A)の全カルボキシル基数の1モル%以上をア
ルカリで中和した部分中和物(無機層状化合物含有量1
0重量部以上添加したPAAに相当)とすることで、水
溶解液雰囲気が酸性から中性化するためAm単独雰囲気
下と同様にカビが生えやすくなったものと考えられる。
つまり、本発明の樹脂混合物(A+B)100重量部に
対する(C)の混合比は1重量部以上10重量部未満の
低濃度領域、更には1重量部以上7重量部以下、最も好
ましくは1重量部以上5重量部以下であることが分か
る。
【0050】
【実施例3】上記10重量%PAA水溶液に2重量%S
WN水溶解液を滴下混合した後に10重量%Am水溶液
を混合して混合比PAA/Am/SWN=60/40/
5の水溶解液(組成物濃度10〜11重量%)を調整し
た。この水溶解液を、実施例1と同様にして、PETフ
ィルム上にコーティングして乾燥し、この乾燥皮膜が形
成されたPETフィルムを金枠にクリップにより緊張状
態で固定してオーブン中で200℃30分間熱処理を行
い、更に続けて、電子線照射装置CURETRON(日
新ハイボルテージ社製)用いて、吸収線量が15Mra
d(=150kGy)の活性エネルギー線処理を行い、
熱及び活性エネルギー線変成された透明な樹脂組成物の
皮膜を得た。照射は加速電圧200kV、照射温度30
℃、空気雰囲気中で行った。この場合の水溶解液及びフ
ィルムの特性を本文記載の方法で[水溶解液の均一分散
性][水溶解液の保存安定性][酸素透過係数]を評価
した実験を実験No.18とした。
【0051】上記熱処理条件を220℃15分間、22
0℃30分間に変えたことの他は実験No.18と同様
に実験を繰り返し、これらをそれぞれ実験No.19〜
20とした。
【0052】
【比較例3】上記熱処理条件を140℃1分間、140
℃15分間、140℃60分間、170℃1分間、17
0℃5分間、170℃15分間、170℃30分間、2
00℃1分間、200℃5分間、220℃1分間、22
0℃5分間に変えたことの他は実験No.18と同様に
実験を繰り返し、これらをそれぞれ実験No.21〜3
1とした。
【0053】
【比較例4】上記活性エネルギー線処理を行わずに熱処
理条件を140℃1分間、140℃15分間、140℃
60分間、170℃1分間、170℃5分間、170℃
15分間、170℃30分間、200℃1分間、200
℃5分間、200℃15分間、200℃30分間、22
0℃1分間、220℃5分間、220℃15分間、22
0℃30分間に変えたことの他は実験No.18と同様
に実験を繰り返し、これらをそれぞれ実験No.32〜
46とした。
【0054】実施例3及び比較例3の結果を表3、比較
例4の結果を表4にまとめて示す。表3及び表4の結果
によると、超ガスバリア性を実現するためには、本発明
の高水素結合性樹脂の異種混合物と無機層状化合物の組
成物を熱処理しただけでは不十分で、電子線照射による
活性エネルギー線変性が必須となることが分かる。更
に、電子線照射をした表3の結果から、常法により、酸
素透過係数(P)と熱処理時間(t)との関係について
図3に示し、t=1〜5の範囲で各熱処理温度(T)毎
にlogPとlogtとの一次回帰直線を作成し下式が
得られた。
【0055】T=170℃:logP=2.2304−
5.6932×10-1logt T=200℃:logP=2.0449−2.1838
logt T=220℃:logP=1.8451−2.5265
logt 上記回帰式により各熱処理温度において酸素透過係数
(P)が1.0ml(STP)・μm/m2 ・day・
atm(23℃、65RH%)になる熱処理時間tを計
算し、この計算結果に基づいて、熱処理温度の逆数(1
/T)と熱処理時間の逆数(1/t)との関係について
一次回帰直線を作成して図4にグラフ化して示した。こ
のようにして得られた回帰分析の結果から、溶液流延法
(コーター等)で実用上連続生産の可能な熱処理時間上
限30分以内及び高水素結合性樹脂自体の熱劣化による
変色や分解のおそれのない熱処理温度上限350℃以内
で熱処理温度を考慮すると、超ガスバリア性を実現でき
る熱処理条件を求めたところ、次式が得られた。 (a)1/30≦1/t≦(1.8324−811.7
9/T) (b)453<T≦623 [式中、tは熱処理時間(分)、Tは熱処理温度(K)
である。]
【0056】
【実施例4】上記10重量%PAA水溶液に2重量%S
WN水溶解液を滴下混合した後に10重量%Am水溶液
を混合して混合比PAA/Am/SWN=60/40/
5の水溶解液(組成物濃度10〜11重量%)を調整し
た。この水溶解液を、実施例1と同様にして、PETフ
ィルム上にコーティングして乾燥し、この乾燥皮膜が形
成されたPETフィルムを金枠にクリップにより緊張状
態で固定してオーブン中で200℃15分間熱処理を行
い、更に続けて、電子線照射装置CURETRON(日
新ハイボルテージ社製)用いて、吸収線量が1Mrad
(=10kGy)の活性エネルギー線処理を行い、熱及
び活性エネルギー線変成された透明な樹脂組成物の皮膜
を得た。照射は加速電圧200kV、照射温度30℃、
空気雰囲気中で行った。この場合の水溶解液及びフィル
ムの特性を本文記載の方法で[水溶解液の均一分散性]
[水溶解液の保存安定性][酸素透過係数]を評価した
実験を実験No.47とした。
【0057】上記吸収線量を5Mrad(=50Mra
d)、20Mrad(=200kGy)、30Mrad
(=300kGy)の活性エネルギー線処理に変えたこ
との他は実験No.47と同様に実験を繰り返し、これ
らをそれぞれ実験No.48〜50とした。
【0058】
【比較例5】上記10重量%PAA水溶液に2重量%S
WN水溶解液を滴下混合して混合比PAA/SWN=1
00/10の水溶解液(組成物濃度10〜11重量%)
を調整した。この水溶解液を、実施例1と同様にして、
PETフィルム上にコーティングして乾燥し、この乾燥
皮膜が形成されたPETフィルムを金枠にクリップによ
り緊張状態で固定してオーブン中で200℃15分間熱
処理を行い熱変性された透明な樹脂組成物の皮膜を得
た。この場合の水溶解液及びフィルムの特性を本文記載
の方法で[水溶解液の均一分散性][水溶解液の保存安
定性][酸素透過係数]を評価した実験を実験No.5
1とした。又、上記熱処理に続けて、電子線照射装置C
URETRON(日新ハイボルテージ社製)用いて、吸
収線量が15Mrad(=150kGy)の活性エネル
ギー線処理を行ったことの他は実験No.51と同様に
実験を繰り返し、これを実験No.52とした。
【0059】上記PAAをAmに変えたことの他は実験
No.51〜52と同様に実験を繰り返し、これらをそ
れぞれ実験No.53〜54とした。更に、比較例2に
おいて活性エネルギー線処理を行わなかったことの他は
実験No.13及び実験No.17と同様に実験を繰り
返し、これらをそれぞれ実験No.55〜56とした。
【0060】実施例4及び比較例5の結果を表5にまと
めて示す。表5の結果によると、本発明の(A)と
(B)の高水素結合性樹脂の異種混合物に無機層状化合
物を更に組合せることによって、初めて、吸収線量1M
rad(=10kGy)以上の電子線照射を行うことに
より熱処理だけでは達成されなかった1.0ml(ST
P)・μm/m2 ・day・atm(23℃、65%R
H)以下の再現安定性のある超ガスバリア性を初めて実
現できることが分かる。電子線照射装置の実用的な照射
による吸収線量の上限は100Mrad(=1000k
Gy)程度であることから、酸素透過係数が1.0ml
(STP)・μm/m2 ・day・atm(23℃、6
5RH%)以下の超ガスバリア性を実現できる活性エネ
ルギー線処理条件を求めたところ、次式が得られた。 (c)10≦M≦1000 [式中、Mは活性エネルギー線照射による吸収線量(k
Gy)である。]
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【発明の効果】本発明によって、上記実施例・比較例で
明確に示したように、安定した品質と製膜性及び生産
性、再現安定性のある超ガスバリア性とを両立したガス
バリア性樹脂組成物を提供することができる。これより
製造される該組成物を少なくとも1層含む多層構造体の
フィルムは、食品等の包装材料として好適に使用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリア性樹脂組成物における高水
素結合性樹脂の異種混合物の混合比を変更した場合の酸
素透過係数との関係を示した図である。
【図2】本発明のガスバリア性樹脂組成物における無機
層状化合物の混合比を変更した場合の酸素透過係数との
関係を示した図である。
【図3】本発明のガスバリア性樹脂組成物における熱処
理条件を変更した場合の酸素透過係数との関係を示した
図である。
【図4】本発明のガスバリア性樹脂組成物における酸素
透過係数が1.0ml(STP)・μm/m2 ・day
・atm(23℃、65%RH)以下となる熱処理条件
を示した図である。
【図5】本発明のガスバリア性樹脂組成物における活性
エネルギー線処理条件を変更した場合の酸素透過係数と
の関係を示した図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101:06) (C08L 33/02 3:00)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)カルボキシル基含有高水素結合性
    樹脂と(B)水酸基含有高水素結合性樹脂の重量比
    (A)/(B)が80/20以上60/40以下である
    異種混合物100重量部と(C)無機層状化合物1重量
    部以上10重量部未満からなる組成物を熱及び活性エネ
    ルギー線で変性したことを特徴とするガスバリア性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 (A)カルボキシル基含有高水素結合性
    樹脂がポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーからなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種であり、(B)水酸基含有高
    水素結合性樹脂が糖類よりなる群より選ばれる少なくと
    も1種である請求項1記載のガスバリア性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のガスバリア性樹
    脂組成物からなる層を少なくとも1層有する多層構造
    体。
  4. 【請求項4】 ガスバリア性樹脂組成物からなる層の、
    温度23℃、相対湿度65%の条件下で測定した単位厚
    み当たりの酸素透過係数が0.3ml(STP)・μm
    /m2 ・day・atm以上1.0ml(STP)・μ
    m/m2 ・day・atm以下である請求項3記載の多
    層構造体。
  5. 【請求項5】 (A)カルボキシル基含有高水素結合性
    樹脂と(B)水酸基含有高水素結合性樹脂の重量比
    (A)/(B)が80/20以上60/40以下である
    異種混合物100重量部と(C)無機層状化合物1重量
    部以上10重量部未満からなる組成物からフィルムを形
    成した後、下記条件式(a)、(b)を満足する熱処理
    を行うと共に下記条件式(c)を満足する活性エネルギ
    ー線処理することを特徴とするガスバリア性樹脂組成物
    の製造方法。 (a)1/30≦1/t≦(1.8324−811.7
    9/T) (b)453<T≦623 (c)10≦M≦1000 [ただし、上記式中、tは熱処理時間(分)、Tは熱処
    理温度(K)、Mは活性エネルギー線照射による吸収線
    量(kGy)である。]
  6. 【請求項6】 前記組成物濃度が5重量%以上25重量
    %以下の水溶解液とし、該水溶解液を乾燥固化してフィ
    ルムを形成する請求項5記載のガスバリア性樹脂組成物
    の製造方法。
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