JPH10230757A - トランスファ・ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランスファ・ケースの軸に伝達されるトル
クの量を制御して車両操作特性を変え、トランスファ・
ケース部品のトルク過負荷を防ぐことにある。 【解決手段】 トランスファ・ケース１０内で出力軸２
４及びその軸受２６と協働するような従動部材に生ずる
反力を感知する力センサ５０と協働する電子装置とを備
えている。力センサ及び協働する制御システムは、反力
の大きさに従って変りトランスファ・ケースの各出力軸
２２、２４間のトルク配分の指示を行う出力信号を生じ
させる。この出力電圧信号は、出力軸２２に伝達される
トルクの大きさを変えそして／又は制限するように、ト
ルク監視制御システム１００により使用される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般に４輪駆動トラン
スファ・ケース（ｔｒａｎｓｆｅｒ ｃａｓｅ）、こと
にトランスファ・ケース出力軸に加わる反力を感知しこ
の軸に加わるトルクの指示を生ずるようにする力センサ
及び協働する電子装置を備えた４輪駆動トランスファ・
ケースに関する。前記したような負荷センサ及び協働す
る電子装置は、出力軸の大きさに従って変る出力信号を
生ずる。信号による出力は、トランスファ・ケース制御
システムに使われ出力軸に伝わるトルクの大きさを変え
る。

【０００２】

【従来の技術】トランスファ・ケースは、トラック、乗
用車又はその他の車両に４輪駆動能力を与える一般によ
く知られた装置である。これ等の４輪駆動トランスファ
・ケースは、車両の主トランスミッションからトルクを
受け取る入力軸と共にこの入力軸からそれぞれ車両の前
輪及び後輪にトルクを伝える前後の出力軸を回転できる
ように支えるハウジングを備えている。このトランスフ
ァ・ケースには、駆動条件が妥当であるとこのトランス
ファ・ケースを２輪及び４輪の駆動モードの間でシフト
するように操縦者が制御できるシフト手段を設けてあ
る。即時応答４輪駆動トランスファ・ケースのような一
層精巧なトランスファ・ケースは、駆動条件の変化に応
答してトランスファ・ケースを２輪及び４輪の駆動モー
ド間で自動的にシフトする自動シフト手段を備えてい
る。これ等のトランスファ・ケース及びシフト・システ
ムは、監視車両条件に応答してトランスファ・ケースを
２輪及び４輪の駆動モード間で自動的にシフトできるよ
うに車両速度及び道路車輪速度とその他のパラメータと
を監視する複雑な電子感知システムを備えている。又フ
ルタイム４輪駆動トランスファ・ケースは、自動車の前
輪及び後輪の間に車軸間ディファレンシャルを備えてい
る。

【０００３】パートタイム４輪駆動システムとは異なっ
て、車軸間ディファレンシャルを持つフルタイム４輪駆
動トランスファ・ケースにより、前輪及び後輪を互いに
異なる速度で一定のトルク分割値のもとに回転させる。
この状態は、たとえば自動車の旋回時に又は前輪及び後
輪が互いに異なる直径のタイヤを持つ場合に正常な運転
条件中に生ずる。しかし１組の車輪が氷のような低牽引
状態に出会うときに起るように前輪及び後輪間の過度の
滑り又は差動作用を防ぐのに、これ等のトランスファ・
ケースは典型的には、所定量の滑りを感知すると車軸間
ディファレンシャルを鎖錠するように作動する選択的に
係合できるクラッチを備えている。車軸間ディファレン
シャルの鎖錠によりトランスファ・ケースの前部出力軸
及び後部出力軸間の相対的滑り又は差動作用を防ぐ。
「フルタイム」４輪駆動トランスファ・ケースは、車両
の前輪及び後輪に伝えるトルクを変えて旋回及びその他
の操作の間の車両の操作特性を変えることにより車両車
輪の速度を迅速に「調節」又は調整するようにクラッチ
・アセンブリを一層精巧に制御するシステムを備えてい
る。公知の「フルタイム」４輪駆動システムは、前輪及
び後輪間の角速度の変化を監視できるように各道路車輪
又は出力軸の角速度を感知するために車輪端部又はその
他の場所に位置させた電子速度センサを必要とする。こ
の場合回転速度の過度の量の変化は早い方の回転車輪の
牽引条件の低いことを指示する。

【０００４】一般に基本的４輪駆動トランスファ・ケー
スでは、入力軸はトランスファ・ケースの後部出力軸に
連結され後部出力軸が入力軸から直接トルクを受けるよ
うにする。或いは入力軸は、トランスファ・ケースを経
て移動する１本の長い軸として設けられ入力軸及び後部
出力軸として作用する。この後部出力軸は、トランスフ
ァ・ケース・ハウジングの後部から外方に延び後輪のデ
フ・アセンブリに入力トルクを加えるようにする。

【０００５】４輪駆動トランスファ・ケースの前部駆動
軸は後部出力軸に対し片寄り、かつこの出力軸に平行で
ある。前部駆動軸は、トランスファ・ケース・ハウジン
グの前部を貫いて外方に延び、車両の前部道路車輪にト
ルクを加えるディファレンシャルに連結してある。駆動
スプロケットはトランスファ・ケースの後部出力軸のま
わりに回転できるように取付けられ、又駆動スプロケッ
トをこのスプロケットが後部駆動軸と一緒に回転するよ
うにこの駆動軸に選択的に結合するクラッチ機構を設け
てある。前部出力軸は、つねにこの軸と一緒に回転する
ように連結したスプロケットを備えている。これ等の２
個のスプロケットの間には駆動チェーンベルト又は類似
物を連結して、４輪駆動クラッチ・アセンブリを作動す
るときはつねにトランスファ・ケースの前部出力軸にト
ルクを伝えるようにしてある。すなわちこのクラッチ・
アセンブリの係合をはずすときは２輪駆動モード（トル
クは車両の後輪だけに伝えられる）が得られ、又このク
ラッチの係合時には４輪駆動モード（トルクは４個の車
両車輪の全部に伝えられる）が得られる。

【０００６】近年、前記したような４輪駆動システムを
備えた乗用車及びトラックに対し過度に増大する要求が
加えられている。さらに一般購入者は、不当に高価でな
くすぐれた性能及び耐久性を持つ複雑なトランスファ・
ケースに対する要求が増大している。前記したように公
知のトランスファ・ケースは、前後の出力軸間のトルク
の分割量を制御するトランスファ・ケース制御システム
にデータを送るのに速度センサを使う。このようなトラ
ンスファ・ケースは、トルク監視制御システムに接続し
たトルク・センサを備えない。このトルク監視制御シス
テムは、トランスファ・ケースの前部及び／又は後部の
出力軸の軸受に加わる半径方向軸受負荷力を監視し、又
感知した軸受負荷の大きさを監視される軸に伝わるメル
ク量を制御する制御システムにより利用される関連トル
ク値に変換する。さらにこのトルク監視制御システム
は、感知軸受荷重が所定のしきい値に近づくと関連軸に
伝わるトルクを制限して軸及びその関連部品の過負荷を
防ぐのに利用できる。

【０００７】

【発明の開示】従って本発明は、トランスファ・ケース
・ハウジング、入力軸、前部出力軸及び後部出力軸を備
えたトランスファ・ケースに係わる。各軸はトランスフ
ァ・ケース・ハウジングに対し回転できるように支えら
れ、又前後の出力軸は入力軸からトルクを受ける。トル
ク感知トランスファ・ケースは又、トルクを伝える駆動
システムの部品と協働して設けたトルク測定力センサを
備えている。このようなシステム部品にはたとえば、ト
ランスファ・ケースの１本又は複数本の軸の軸受アセン
ブリ、駆動チェーン又は各軸間にトルクを伝える駆動チ
ェーン又は類似部品、或いはトランスファ・ケースの各
軸間に又はこれ等の軸にトルクを伝えるのに使うギヤが
ある。軸受の場合には、軸に加わるトルクに比例しこの
軸に伝わるトルクに応答してこの軸の軸受アセンブリに
加わる半径方向負荷力を感知するのにトルク・センサを
使う。チェーン駆動装置、ギヤ機構又は類似の部品に関
しては、この部品に加わる反力を感知して、この部品に
最終的にトランスファ・ケースの軸に加わるトルクに関
連させる。

【０００８】本発明は、トランスファ・ケースの１個又
は複数個の部品に加わる力をトルクを指示するものとし
て監視しそしてこのトランスファ・ケースの軸に伝えら
れるトルクの量を制御する装置を提供する。伝達トルク
を変えて車両操作特性を変え及び／又はトランスファ・
ケース部品のトルク過負荷を防ぐ。

【０００９】

【実施例】図１及び２に示すように本発明の第１の実施
例による車両トルク感知トランスファ・ケース１０は、
入力軸２０、後部出力軸２２及び前部出力軸２４を備え
る。これ等の軸はすべて、軸受アセンブリ２６と図示し
てあるが参照数字を付けてない他の軸受とによりトラン
スファ・ケース・ハウジング１２に対して回転できるよ
うに支えてある。入力軸２０は、通常車両トランスミッ
ションに連結され、車両の操縦者からの指令に応答して
シフト・カラー・アクチュエータ３４により制御される
スプライン付きシフト・カラー３２の軸線方向位置に従
って直接結合（各軸２０、２２間に１対１の速度比を生
ずる）を介し又は遊星ギヤの組３０（Ｘ＞１の場合に軸
２０、２２間にＸ対１の結合を生ずる）を介して、車両
変速機から後部出力軸２２にトルクを伝える。後部出力
軸２２に伝わるトルクは、車両駆動軸を結合できるヨー
ク２７に最終的に伝えられ、ディファレンシャルと車両
の後部道路車輪とにトルクを伝える。

【００１０】図示のようにトランスファ・ケース１０
は、軸２２のまわりに回転できるように取付けた駆動ス
プロケット４０と、よく知られているようにしてスプロ
ケット４０を軸２２に駆動作用を伴って選択的に結合す
る４輪駆動クラッチ・アセンブリ４２とを備えている。
クラッチ４２を選択的に係合させ、部分的に係合させ又
は係合をはずす機械式、電気−機械式、流体圧式、真空
作動式又はその他任意適当な形式のアクチュエータであ
る４輪駆動クラッチ・アクチュエータ４４を設けてあ
る。クラッチ４２を少なくとも部分的に係合させるとき
は、軸２２からのトルクをクラッチ４２を経て駆動スプ
ロケット４０及び駆動部材４６に伝える。駆動部材４６
は、チェーン（図示したような）ベルト、１個又は複数
個のギヤ、或いはその他任意適当な駆動部材でよい。駆
動部材４６は、前部出力軸２４と共に回転するように結
合した駆動スプロケット４８を介して軸２４にトルクを
伝える。駆動チェーン又は部材４６と協働するスプロケ
ット４８はこれに力を加えられ軸２４を回転させる。す
なわちトルクは、１例として車両の前部道路車輪に配分
するトルクを前部ディファレンシャルに伝えるように車
両駆動軸を連結するヨーク４７に軸２４から伝える。

【００１１】駆動部材４６を介する軸２４へのトルクの
伝達により軸２４に反力を生じ、この反力及び生ずるた
わみはトルクの値が大きいほど大きくなる。たとえば図
示のように駆動部材４６（チェーンとして示してある）
を介する軸２４へのトルクの伝達により主として、軸２
２に向かう軸２４のたわみが生ずる。駆動部材４６を含
む平面内の１個又は複数個のギヤの使用により、軸２
２、２４を位置させた平面に直交する平面内で主として
軸２４のたわみが生ずる。或いは軸２２から軸２４にト
ルクを伝えるのに片寄り遊びギヤを使う場合には、後述
するように一次たわみは遊びギヤの軸線と軸２４の軸線
とに直交する平面内に生ずる。

【００１２】第１の実施例ではトランスファ・ケース１
０は、トルク荷重のもとで軸２４の反力又はたわみを感
知し、感知したたわみに基づいて軸２４に伝えられるト
ルクの量を制御する。当業者の認めるように、軸２２の
たわみは前記したように交互に又は付加的に感知され
る。又本発明は軸２４のたわみの感知に限定するもので
はない。さらにこのトランスファ・ケースの種種の他の
部品に加わる反力を感知してトルクを指示することがで
きる。さらにトランスファ・ケース１０及びその前記し
た各部品は本発明の精神を逸脱しないで変えることがで
きる。たとえばトランスファ・ケース１０は軸２２及び
スプロケット４０間にトルクを分割する車軸間遊星形デ
ィファレンシャルを備えてもよく、当業界にはよく知ら
れているようにクラッチ４２を利用しこのような車軸間
遊星形ディファレンシャルを選択的に鎖錠することがで
きる。

【００１３】とくに図１の部分Ａとその図２に示した拡
大図とに明らかなように、この実施例ではセンサ・ハウ
ジング５２を備えた力センサ５０を利用する。センサ・
ハウジング５２はボルト又は類似物によりトランスファ
・ケース・ハウジング１２に固定してある。或いはセン
サ・ハウジング５２はトランスファ・ケース・ハウジン
グ１２と一体に形成してもよい。前記した軸受２６のほ
かに、軸２４は軸受アセンブリ５４により回転できるよ
うに支えてある。軸受アセンブリ５４は、内レース５５
と、外レース５６又はケージと複数個の転動体５７とを
備えている。各転動体５７は内レース５５及び外レース
５６間に位置しこれ等のレースに係合する。軸受アセン
ブリ５４は軸受ハウジング５９内に位置させてもよい。
図示のように内レース５５は軸２４の外面２５に形成し
てあるが、当業者には認められているように内レースは
軸２４の外径に案内される別個の部品により形成しても
よい。同様に外側ケージ５６は省いて、軸受ハウジング
５９を軸受外レースを形成するように案内してもよい。

【００１４】好適な実施例では軸受アセンブリ５４は、
軸２２と一緒に回転するように結合した駆動部材４６を
介して軸２４に加わる反力を監視するように適宜の場所
を提供する。図示のようにこの実施例ではとくに軸受ア
センブリ５４は、センサ・ハウジング５２により少なく
とも一部をなるべくは全体を囲むことのできる軸受ハウ
ジング５９内に位置させる。ひずみ計６０は、軸受ハウ
ジング５９及びセンサ・ハウジング５２の間に位置し、
結線６２を経て電圧増幅器６４の入力に電気的に接続し
てある。多くの種類のひずみ計が一般的に知られ力セン
サ５０の一部として使われる。或いは又他の形式のセン
サを使い駆動部材４６を介して加わる反力を有効に測定
し従動軸２４に加わるトルクを指示するようにしてもよ
い。この反力により生ずる従動軸２４のたわみ従って軸
受アセンブリ５４のたわみは受けるトルクに応じて増幅
器６４への入力でひずみ計６０の電気抵抗に変化を生ず
る。当業者には認められているように軸２４に存在する
トルクが増すに伴い、軸２４及び軸受５４のたわみの大
きさも増し、従動軸２４に加わるトルクに比例する力の
異なる感知値がひずみ計６０により生ずる。好適な実施
例では力センサ５０は、軸受ハウジング及びセンサ・ハ
ウジング５２の間に位置する支持部材６１又はコラムを
備えている。この支持部材６１の一端部にはひずみ計６
０を位置させてある。支持部材６１は、軸受ハウジング
５９及びセンサ・ハウジング５２間に支えた複数のリブ
又は類似物を持ち、軸２４従って軸受ハウジング５９に
加わる反力を前記したようにひずみ計６０により検出す
るようにしてある。支持部材６１は、駆動部材４６又は
チェーンにより加わる反力による軸２４のたわみをひず
み計６０による検出のために増幅するように構成するの
がよい。増幅器６４への入力信号とこの増幅器からの出
力とは前記したように多くの互いに異なる範囲の値を持
つが、増幅器６４からの出力電圧信号が０ないし５ＶＤ
Ｃの範囲の値になるように力センサ５０を構成するのが
よいと考えられる。

【００１５】増幅器６４は、この増幅器への入力電圧信
号を増幅し、電気結線６６及びコネクタ６８を経て出力
するような所定の電圧利得を持つ。コネクタ６８は、組
合う電気コネクタに結合するようにしてある。コネクタ
６８は、防水性コネクタであり図４に線図的に示したよ
うなトルク監視制御システム１００に接続するのがよ
い。システム１００についてさらに詳しく後述する。増
幅器６４を力センサ５０の一部として設けると、増幅器
６４は又汚れ、水、油及びその他の異物から保護しなけ
ればならない。すなわち増幅器６４は、力センサ５０
（防水性のプラスチック材又は類似の材料から成る層内
に密封してある）と共に電子的にポットされる（ｐｏｔ
ｔｅｄ）のがよい。又コネクタ６８は力センサ５０への
電力入力として作用する。

【００１６】本発明の別の実施例によるトランスファ・
ケース８０を図３に示してある。トランスファ・ケース
８０も又種種の方法で構成され、トランスファ・ケース
１０と同様な多くの部品を持ちさらに本発明の範囲を逸
脱しないで変型を行った部品を持つ。この好適な実施例
の類似の部品を表わすのに同様な参照数字を使う。トラ
ンスファ・ケース８０も又、入力軸２０、後部出力軸２
２及び前部出力軸２４を備えている。これ等の軸はすべ
て軸受アセンブリ２６及びその他の軸受アセンブリによ
りトランスファ・ケース・ハウジング１２に対し回転で
きるように支えてある。入力軸２０は、通常車両トラン
スミッションに連結されこの車両トランスミッションか
ら後部出力軸２２に直結により又は遊星ギヤセットを介
して高速及び低速の範囲を生ずるようにトルクを伝え
る。後部出力軸２２のトルクは、ディファレンシャルに
又車両の後部道路車輪にトルクを伝えるように結合した
駆動軸に最終的に伝える。

【００１７】前記の初めの実施例の場合と同様にトラン
スファ・ケース８０はさらに、回転できるように軸２２
のまわりに取付けた駆動スプロケット４０とよく知られ
ているようにしてスプロケット４０を軸２２に選択的に
駆動作用を生ずるように結合する４輪駆動クラッチ・ア
センブリ４２とを備えている。同様に機械式、電気−機
械式、流体圧式、真空作動式又はその他任意適当な形式
のアクチュエータでよい４輪駆動クラッチ・アクチュエ
ータ４４は、クラッチ４２を選択的に係合させ、部分的
に係合させ又は係合を離脱するように設ける。クラッチ
４２を少なくとも部分的に係合させるときは、軸２２か
らのトルクはクラッチ４２を経て駆動スプロケット４０
に伝えられる。この実施例では片寄り遊び軸８２は、軸
２２、２４間に配置され、相互にかみ合うスプロケット
８４を介し駆動スプロケット４０に結合した適当な駆動
部材を形成する。スプロケット８４は次いで、出力軸２
４と一緒に回転するように結合した駆動スプロケット４
８に結合される。軸２２、２４は互いに片寄り、又遊び
軸８２はこれ等の軸２２、２４を結合してこれ等の軸間
にトルクを伝えるのに使われ、本発明のトルク感知トラ
ンスファ・ケースでトルク測定のできる部品の別の例を
形成する。この実施例では遊び軸８２により軸２４に生
成する反力を感知して所望に応じ軸２２、２４間に分割
されるトルクを支持することができる。この場合本発明
制御システム（後述する）によりトランスファ・ケース
作動を所望に応じ一層有効に制御することができる。ス
プロケット４８に加える力により、１例として車両駆動
軸を車両の前部道路車輪に配分するように前部ディファ
レンシャルにトルクの伝達ができるように連結した場合
に、軸２４及びヨーク４７を回転させる。

【００１８】この実施例でも又遊び軸８２及び協働する
ギヤ又はスプロケット８４は駆動軸２２と協働して、た
とえば被駆動軸２４又は遊び軸８２に協働する測定でき
る反力を生ずるようにしてトルクを伝える。遊び軸８２
及び軸２４間の相互関係により、軸２４及び遊び軸８２
の各中心線が存在する平面に直交する平面における軸２
４のたわみを主として生ずる。従って反力はこの平面に
直交する平面内で測定される。図３に示すように力セン
サ５０は同様に軸２４のまわりに適宜に位置させ各軸間
に生ずる反力に直交する平面内の力又はこの反力に対向
する力を測定することができる。分りやすいようにセン
サ５０とくにひずみ計６０はこの実施例では実際の測定
位置から約９０゜だけ軸２４のまわりに回転して示して
ある。この場合ひずみ計６０は、各軸２４、８２の中心
線が存在する平面に直交する平面内に位置させる。又前
記した実施例の場合と同様に軸受アセンブリ５４のハウ
ジングはこれ等の軸間の反力を測定して各軸間のトルク
配分を定めるのに適宜の位置にあるが、センサ５０はト
ランスファ・ケースで駆動部材及び被駆動部材間に生ず
る反力に対抗して他の場所に位置させてもよいのは明ら
かである。本発明のトルク感知構造は、本発明の好適な
実施例で示した構造の変型としてトランスファ・ケース
に使われ種種の駆動部材及び従動部材間の反力を測定す
る他の駆動構造に適用できるのは明らかである。たとえ
ば第１実施例の場合のようなチェーン駆動部材、第２実
施例の場合のような遊び軸、ギヤセット又は類似物から
従動部材に生ずる反力は、本発明により測定することが
できる。さらにトランスファ・ケース作動に対し有効な
制御ができるようにするのに単独に又は車両の他の操作
パラメータと協働して使うことができる、トランスファ
・ケースのトルク配分に関する多数の計測値を得ること
ができる。

【００１９】とくに図４に示すように本発明による監視
制御システム１００はトランスファ・ケース１０又はト
ランスファ・ケース８０に電気的に接続してある。とく
に車両監視制御システム１００はコネクタ６８を経て増
幅器６４の出力を介しセンサ５０に接続してある。すな
わち監視制御システム１００は入力１０２で増幅器６４
から増幅された出力電圧信号を１つの入力信号として受
ける。この出力電圧信号の大きさは、センサ５０により
測定した反力の大きさに従って変る。入力１０２で受け
取る電圧信号の大きさに基づいて監視制御システム１０
０は、制御信号を出力してトランスファ・ケース１０又
はトランスファ・ケース８０の動作を制御するように構
成してある。たとえば制御システム１００は、電気結線
１０４を経てトランスファ・ケースの４輪駆動クラッチ
・アクチュエータ４４を制御し４輪駆動クラッチ・アク
チュエータ４４を調節又は調整するのに使う。このアク
チュエータは、４輪駆動作用を自動的に生じ又は軸２２
から軸２４に伝えるトルクの量を変えるのに使うことが
できる。従ってトルク監視制御システム１００は、車両
操縦特性を変えるように軸２４に伝えるトルクを調整す
る機構を形成する。システム１００は又、各トランスフ
ァ・ケース部品のトルク過負荷を防ぐ機構を形成する。
このことは、軸２４のたわみを所定の値又はしきい値に
制限するようにシステム１００を使うことによつてでき
る。監視制御システム１００は、又所望により他の車両
機能も制御し、又たとえば入力１０６又は入力１０８に
おいて付加的入力信号を受け、システム１００のトルク
監視能力を改良し又は向上し或いはトランスファ・ケー
ス制御を容易にする。たとえば監視制御システム１００
は又、トランスファ・ケース１０又はトランスファ・ケ
ース８０の軸２２又は軸２４或いはその他の部品に協働
する速度センサから入力１０６において入力信号を受け
トランスファ・ケース動作の一層有効な制御のためにト
ルク感知を向上し又は補足する。さらに車両の絞り位置
のような他の車両運転条件を感知し制御システム１００
に入力１０８で入力トランスファ・ケース動作を変える
必要を予知する。これ等の又はその他の信号はトランス
ファ・ケースを制御するのにトルク感知と協働して使
う。制御システム１００は又、たとえばトランスファ・
ケース動作とクラッチ・アクチュエータ４４又はその他
のトランスファ・ケース部品の制御とを定めるためにト
ルクの増減の割合を監視するように、車両運転条件の独
特の監視及び解析ができるように種種の信号を処理する
のに使う。

【００２０】当業者には明らかなように以上本発明の好
適な実施例について詳細に説明したが本発明はなおその
精神を逸脱しないで種種の変化変型を行うことができる
のはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明トランスファ・ケースの１実施例の水平
断面図である。

【図２】図１の部分Ａを拡大して示す水平断面図であ
る。

【図３】本発明トランスファ・ケースの別の実施例の水
平断面図である。

【図４】本発明トランスファ・ケースのトルク監視制御
システムの配置図である。

【符号の説明】

１０ トランスファ・ケース １２ トランスファ・ケース・ハウジング ２０ 入力軸 ２２、２４ 出力軸 ５０ 力センサ １００ 制御システム

Claims (20)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トランスファ・ケースにおいて、 トランスファ・ケース・ハウジングと、 このトランスファ・ケース・ハウジングに対して回転で
   きるように支えられた入力軸と、それぞれ前記トランス
   ファ・ケース・ハウジングに回転可能に支えられ、前記
   入力軸から選択的にトルクを受け取る第１及び第２の出
   力軸と、 前記第１及び第２の出力軸の少なくとも一方
   に伝えられるトルクに応答して、前記従動部材に加わる
   反力を感知し、前記各出力軸の少なくとも一方の軸によ
   り伝えられるトルクを指示するように、前記トランスフ
   ァ・ケースの内部の従動部材に対して所定の位置に設け
   られ、前記感知した力に対応する少なくとも第１の信号
   を発生する、少なくとも１つの力センサと、 この力センサから前記少なくとも第１の信号を受け取
   り、前記トランスファ・ケースの作用を制御するのに使
   用される出力制御信号を発生する制御システムと、を包
   含するトランスファ・ケース。
2. 【請求項２】 前記力センサを、前記出力軸の少なくと
   も一方の軸受アセンブリと協働状態に設け、前記力セン
   サに、ハウジングを設けこのハウジング内に、前記少な
   くとも一方の出力軸の前記軸受アセンブリを少なくとも
   部分的に収めた請求項１のトランスファ・ケース。
3. 【請求項３】 前記軸受アセンブリに、内レース及び外
   レースと、これ等の内レース及び外レース間に位置しこ
   れ等の各レースに係合する複数個の転動体を設け、前記
   力センサの前記ハウジングが、前記軸受アセンブリの前
   記外レースを実質的に囲んでいる請求項２のトランスフ
   ァ・ケース。
4. 【請求項４】 前記軸受アセンブリの前記内レースを、
   前記少なくとも１つの軸の外面に形成した請求項３のト
   ランスファ・ケース。
5. 【請求項５】 前記少なくとも１つの力センサに、ハウ
   ジングと、前記ハウジングと前記従動部材との間で所定
   の位置に位置する少なくとも１つのひずみ計とを設け、
   前記所定位置において、前記少なくとも１つのひずみ計
   が、前記従動部材に駆動部材から加えられる反力を感知
   するようにした請求項１のトランスファ・ケース。
6. 【請求項６】 前記少なくとも１つの力センサにさらに
   増幅器を設け、この増幅器が、前記ひずみ計に協働する
   信号を受け取り、このひずみ計の出力信号を発生し、こ
   の出力信号を前記増幅器により増幅するようにした請求
   項５のトランスファ・ケース。
7. 【請求項７】 前記増幅器を、前記負荷センサ・ハウジ
   ング内に電子的にポットし、前記増幅器に接続され、組
   合う電気コネクタに接続するように、前記トランスファ
   ・ケース・ハウジングから外方に延びる１つの電気コネ
   クタを、前記増幅器に設けた請求項６のトランスファ・
   ケース。
8. 【請求項８】 前記増幅器が所定の電圧制得を持ち、こ
   の増幅器が、約０ないし５Ｖの範囲の出力電圧信号を発
   生するようにした請求項６のトランスファ・ケース。
9. 【請求項９】 前記第１及び第２の出力軸が、前部及び
   後部の出力軸であり、前記少なくとも１つの力センサ
   を、前記トランスファ・ケースの前記前部の出力軸の軸
   受けアセンブリと協働状態に設けた請求項１のトランス
   ファ・ケース。
10. 【請求項１０】 前記第１及び第２の出力軸の一方を、
    駆動部材により他方の出力軸に駆動作用を生ずるように
    選択的に結合し、前記少なくとも１つの力センサを、前
    記駆動部材と従動出力軸との間の反力を測定するように
    位置させた請求項１のトランスファ・ケース。
11. 【請求項１１】 前記駆動部材が遊び軸であり、前記少
    なくとも１つの力センサを、前記従動出力軸の中心線
    と、前記遊び軸の中心線とにより形成した平面に実質的
    に直交する平面内の反力を測定するように位置させた請
    求項１０のトランスファ・ケース。
12. 【請求項１２】 前記従動出力軸が、前記第１及び第２
    の出力軸のうちの他方の出力軸から片寄り、前記従動出
    力軸を、前記遊び軸により前記各出力軸のうちの他方の
    軸に駆動作用を生ずるように結合した請求項１１のトラ
    ンスファ・ケース。
13. 【請求項１３】 前記駆動部材を前記の第１及び第２の
    出力軸の間に設け、前記少なくとも１個の力センサを、
    前記第１及び第２の出力軸の中心線により形成した平面
    に実質的に直交する平面内の反力を測定するように位置
    させた請求項１０のトランスファ・ケース。
14. 【請求項１４】 前記駆動部材を、少なくとも１つのギ
    ヤにより構成し、前記少なくとも１つの力センサを、前
    記従動出力軸の中心線と、前記ギヤの中心線とにより形
    成した平面に実質的に直交する平面内の反力を測定する
    ように位置させた請求項１０のトランスファ・ケース。
15. 【請求項１５】 前記力センサ・ハウジングを、前記ト
    ランスファ・ケース・ハウジングに固定した請求項２の
    トランスファ・ケース。
16. 【請求項１６】 前記駆動部材が、前記従動出力軸を実
    質的に１つの平面内だけでたわませ、前記力センサが、
    前記駆動部材に向かう前記従動出力軸のたわみを感知す
    るようにした請求項１０のトランスファ・ケース。
17. 【請求項１７】 前記制御システムが、前記力センサか
    ら受け取る入力に基づいて前記４輪駆動クラッチ・アク
    チュエータを調整できるように、前記制御システムを、
    前記トランスファ・ケースの４輪駆動クラッチ・アクチ
    ュエータに接続した請求項１のトランスファ・ケース。
18. 【請求項１８】 前記従動部材に伝えるトルクの量を、
    所定のトルクしきい値に達するときに、制限するよう
    に、前記制御システムが、前記４輪駆動クラッチ・アク
    チュエータを調整するようにした請求項１７のトランス
    ファ・ケース。
19. 【請求項１９】 前記制御システムがさらに、前記トラ
    ンスファ・ケースの操作パラメータに関連する入力信号
    を受け取り、前記出力制御信号を発生するようにした請
    求項１のトランスファ・ケース。
20. 【請求項２０】 前記トランスファ・ケースが、車両に
    使用され、前記制御システムが、さらに車両の操作パラ
    メータに関連する入力信号を受け取り、前記出力制御信
    号を発生するようにした請求項１のトランスファ・ケー
    ス。