JPH10229984A - 超音波トランスデューサ及び該超音波トランスデューサを用いた骨粗鬆症診断装置 - Google Patents

超音波トランスデューサ及び該超音波トランスデューサを用いた骨粗鬆症診断装置

Info

Publication number
JPH10229984A
JPH10229984A JP34549697A JP34549697A JPH10229984A JP H10229984 A JPH10229984 A JP H10229984A JP 34549697 A JP34549697 A JP 34549697A JP 34549697 A JP34549697 A JP 34549697A JP H10229984 A JPH10229984 A JP H10229984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
bone
ultrasonic transducer
echo
transducer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34549697A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Nakamori
勇一 中森
Tetsuya Ishii
徹哉 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP34549697A priority Critical patent/JPH10229984A/ja
Publication of JPH10229984A publication Critical patent/JPH10229984A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響レンズの焦点を測定部位に確実に合わせ
るようにする。 【解決手段】 超音波振動子11は被験者の皮質骨に向
けて超音波ビームパルスを放射し、この超音波ビームパ
ルスがアクリル音響レンズとウォータバッグとを経て皮
質骨に達し、反射して戻ってくる骨エコーを受波する。
受波信号がデジタルエコー信号に変換された後、CPU
28はエコーレベルを検出し、計時回路31は超音波ビ
ームパルスの放射から骨エコーの受波までの骨エコー到
達時間を計時する。CPU28は、計時された骨エコー
到達時間に基づいてアクリル音響レンズ・皮質骨表面間
の距離を算出し、算出された距離と既知のアクリル音響
レンズの焦点距離とに基づいて焦点位置調節機構14を
制御し、ウォータバッグ13を伸縮させて皮質骨表面に
焦点を結ばせ、この状態で検出されたエコーレベルの中
から最大エコーレベルを抽出し、皮質骨の音響インピー
ダンスを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、超音波トランス
デューサ及び該超音波トランスデューサを用いた骨粗鬆
症診断装置に係り、超音波ビームパルスを被験者の所定
の皮質骨に向けて放射し、該皮質骨表面からのエコーレ
ベルを測定することにより、骨粗鬆症を診断する超音波
反射式の骨粗鬆症診断に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢化社会の到来に伴って、骨粗
鬆症と呼ばれる骨の疾患が問題となっている。これは、
骨からカルシウムが抜け出してスカスカになり、少しの
ショックで折れ易くなる病気で、高齢者をいわゆる寝た
きりにさせる原因の一つにもなっている。骨粗鬆症の物
理的診断は、主として、二重エネルギX線吸収法(DX
A:Dual energy X-ray Absorptiometry)等に代表され
るX線を使用する診断装置により、骨の密度を精密に測
定することによって行われるが、X線による物理的診断
では、装置が大がかりになる上、使用にあたっては、放
射線被曝障害防止の見地から、いろいろな制約を受け
る、という煩わしい問題を抱えている。
【0003】そこで、このような不都合が全く起きない
簡易な装置として、超音波を利用する診断装置が普及し
始めてきている。超音波を利用する診断装置では、超音
波が骨組織中を伝搬するときの音速や減衰を計測して、
骨密度や骨の弾性率(弾性的強度)を推定し、低い推定
値が得られれば、それは、骨からカルシウムが抜け出し
たためであると考えることができるので、骨粗鬆症と診
断する。例えば、特開平2−104337号公報に記載
の診断装置では、一方の超音波トランスデューサから測
定部位である被験者の骨組織に向けて超音波パルスを発
射し、骨組織を透過してきた超音波パルスを他方の超音
波トランスデューサで受波することにより、骨組織中で
の音速を測定し、骨組織内での音速が遅い程、骨粗鬆症
が進行していると診断する。これは、同診断装置が、経
験上骨組織中では音速は骨密度に比例する、という前提
に立って動作するからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、骨密度
と音速とを結び付ける理論的根拠は不確かで、厳密に言
うと、骨組織中での音速は、骨密度に比例するのではな
く、[骨の弾性率/骨密度]の平方根で与えられる。し
かも、骨の弾性率と骨密度とは、骨密度が増加すれば骨
の弾性率も上昇するという互いに相殺する形で音速に寄
与するために、骨組織中での音速は骨密度の増加に敏感
には応答できず、骨組織中での音速と骨密度との相関係
数は、けっして高くはない。また、骨密度と超音波の減
衰とを結び付ける理論的根拠も不確かである。したがっ
て、骨組織中での音速や超音波の減衰についての計測結
果から、骨密度や骨の弾性率を推定するという従来の診
断装置に信頼性の高い診断を求めることには無理があっ
た。
【0005】そこで、単一の超音波トランスデューサを
用いて、被験者の骨組織に向けて超音波パルスを発射
し、骨組織から戻ってくるエコーを受波し、受波したエ
コーのうち最大のものを抽出し、この最大のエコーに基
づいて診断する方法が考えられている。しかしながら、
上記方法においては、超音波トランスデューサを被験者
の皮膚に当てた状態で、骨組織に向けて十分平面波とみ
なせる超音波パルスを放射し、垂直反射のエコーを受波
するようにしているが、超音波パルスの入射方向と骨組
織表面における法線方向とのずれに対するエコーレベル
の変化が非常に大きい。
【0006】例えば、図19に示すように、所定の半径
rを有する超音波トランスデューサ101を用いて、骨
組織Cに向けて、超音波パルスの骨組織Cの表面への入
射角(超音波パルスの入射方向と骨組織Cの表面におけ
る法線方向とがなす角度)θ及び超音波トランスデュー
サ101と骨組織Cとの距離dを変化させて、所定のレ
ベルを基準としたエコーレベルE(dB)を測定すると
したときの模擬実験を行ったところ、図20に示すよう
な結果が得られた。なお、この模擬実験では、超音波ト
ランスデューサ101の半径rを様々に変えている。同
図よりかわるように、入射角θが2度ずれた方向で、入
射角θが0度、すなわち、垂直入射の場合に比べて、例
えば、r=7.5mmのときは、エコーレベルEが略3
dB下がっている。また、どの半径rの超音波トランス
デューサ101を用いても、入射角θが大きくなるとと
もにエコーレベルEが下がり、かつ、半径rが大きい
程、このエコーレベルEの測定値は入射角θや距離dの
変化に対して不安定となることがわかる。このため、垂
直反射のエコー、すなわち、上記最大のエコーを得るた
めには、高度の熟練した技能を要していた。したがっ
て、正確な測定を行うことが困難であるという問題があ
った。
【0007】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、放射線被曝の心配のない簡易型であるにもかか
わらず、骨密度又は骨の弾性率をこの種の従来装置より
も一段と正確(敏感)に推定でき、信頼性の高い診断を
行うことのできる超音波トランスデューサ及び該超音波
トランスデューサを用いた骨粗鬆症診断装置を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明に係る超音波トランスデューサ
は、超音波ビームパルスを生体内部に放射すると共に、
測定部位である骨からのエコーを受波するための超音波
振動子と、上記超音波振動子から放射された上記超音波
ビームパルスを集束させて焦点を結ばせるための音響レ
ンズと、上記音響レンズと生体の皮膚表面との間に介挿
され、上記焦点の位置を調節するための伸縮自在な超音
波遅延スペーサとを備えてなることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明に係る超音波トランス
デューサは、収束ビーム束の超音波ビームパルスを生体
内部に放射すると共に、測定部位である骨からのエコー
を受波するための凹湾曲状の超音波振動子と、上記超音
波振動子と生体の皮膚表面との間に介挿され、上記超音
波ビームパルスの集束点の位置を調節するための伸縮自
在な超音波遅延スペーサとを備えてなることを特徴とし
ている。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の超音波トランスデューサに係り、上記超音波遅延ス
ペーサは、上記超音波ビームパルスの伝達方向に伸縮自
在の袋状容器の中に生体の軟組織と音響学的に同質の液
体が充填されてなることを特徴としている。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項3記載の超
音波トランスデューサに係り、上記袋状容器は、蛇腹式
に伸縮自在な構成とされていることを特徴としている。
【0012】また、請求項5記載の発明は、請求項1,
3又は4のいずれか1に1記載の超音波トランスデュー
サに係り、上記音響レンズから射出される上記超音波ビ
ームパルスのビームの広がりを制限するための絞りが付
加されてなることを特徴としている。
【0013】また、請求項6記載の発明は、超音波反射
法により骨粗鬆症を診断する骨粗鬆症診断装置であっ
て、請求項1乃至5のいずれか1に記載の超音波トラン
スデューサを備えてなることを特徴としている。
【0014】また、請求項7記載の発明は、請求項6記
載の骨粗鬆症診断装置に係り、上記超音波ビームパルス
が放射されてから骨からのエコーが上記超音波振動子の
送受波面に戻ってくるまでの往復時間を計時する計時手
段と、上記往復時間に基づいて焦点調節信号又は集束点
調節信号を出力する制御手段と、上記焦点調節信号又は
集束点調節信号に基づいて、上記超音波遅延スペーサを
伸縮させることによって、上記超音波振動子と上記骨と
の間の距離を調節する駆動手段と、上記骨からのエコー
に基づいて上記骨の音響情報を算出する演算手段と、上
記演算手段によって算出された上記骨の音響情報に基づ
いて骨粗鬆症を判断する判断手段とを備えてなることを
特徴としている。
【0015】請求項8記載の発明は、超音波反射法によ
り骨粗鬆症を診断する骨粗鬆症診断装置であって、請求
項1乃至5のいずれか1に記載の構成を有する第1の超
音波トランスデューサと、上記第1の超音波トランスデ
ューサからいずれも等距離な位置に設けられ、それぞれ
少なくとも超音波を受波可能な超音波振動子を有する4
個の第2の超音波トランスデューサとからなり、第1の
直線方向に上記第1の超音波トランスデューサを挟んで
2個の第2の超音波トランスデューサが設けられ、上記
第1の直線方向と直交する第2の直線方向に上記第1の
超音波トランスデューサを挟んで残り2個の第2の超音
波トランスデューサが設けられた超音波トランスデュー
サユニットと、上記超音波ビームパルスが放射されてか
ら骨からのエコーが上記送受波面に戻ってくるまでの往
復時間、上記超音波ビームパルスが放射されてから骨か
らのエコーが上記2個の第2の超音波トランスデューサ
を構成する超音波振動子の受波面でそれぞれ受波される
までの第1及び第2の時間と、上記超音波ビームパルス
が放射されてから骨からのエコーが上記残り2個の第2
の超音波トランスデューサを構成する超音波振動子の受
波面でそれぞれ受波されるまでの第3及び第4の時間と
を計時する計時手段と、上記往復時間に基づいて焦点調
節信号又は集束点調節信号を出力し、上記第1及び第2
の時間に基づいて第1の角度調節信号を出力し、上記第
3及び第4の時間に基づいて第2の角度調節信号を出力
する制御手段と、上記焦点調節信号又は集束点調節信号
に基づいて、上記超音波遅延スペーサを伸縮させること
によって、上記第1の超音波トランスデューサを構成す
る超音波振動子と上記骨との間の距離を調節する第1の
駆動手段と、上記第1の角度調節信号に基づいて、上記
第1の直線方向に設けられた上記第1の超音波トランス
デューサと上記2個の第2の超音波トランスデューサを
各垂直軸を互いに平行な状態に保ったまま回転駆動する
ことにより、各超音波トランスデューサを構成する各超
音波振動子の送受波面及び受波面と上記生体の骨面にお
ける第1の直線方向とがなす第1の角度を連動して変更
すると共に、上記第2の角度調節信号に基づいて、上記
第2の直線方向に設けられた上記第1の超音波トランス
デューサと上記残り2個の第2の超音波トランスデュー
サを各垂直軸を互いに平行な状態に保ったまま回転駆動
することにより、各超音波トランスデューサを構成する
各超音波振動子の送受波面及び受波面と上記生体の骨面
における第2の直線方向とがなす第2の角度を連動して
変更する第2の駆動手段と、上記骨からのエコーに基づ
いて上記骨の音響情報を算出する演算手段と、上記演算
手段によって算出された上記骨の音響情報に基づいて骨
粗鬆症を判断する判断手段とを備えてなることを特徴と
している。
【0016】請求項9記載の発明は、超音波反射法によ
り骨粗鬆症を診断する骨粗鬆症診断装置であって、請求
項1乃至5のいずれか1に記載の構成を有する第1の超
音波トランスデューサと、上記第1の超音波トランスデ
ューサからいずれも等距離な位置に設けられ、それぞれ
超音波を送受波可能な超音波振動子を有する4個の第2
の超音波トランスデューサとからなり、第1の直線方向
に上記第1の超音波トランスデューサを挟んで2個の第
2の超音波トランスデューサが設けられ、上記第1の直
線方向と直交する第2の直線方向に上記第1の超音波ト
ランスデューサを挟んで残り2個の第2の超音波トラン
スデューサが設けられた超音波トランスデューサユニッ
トと、上記第1の超音波トランスデューサを構成する超
音波振動子の送受波面から超音波ビームパルスが放射さ
れてから骨からのエコーが上記送受波面に戻ってくるま
での第1の往復時間、上記第1の直線方向に設けられた
2個の第2の超音波トランスデューサを構成する各超音
波振動子の送受波面からそれぞれ超音波ビームパルスが
放射されてから骨からのエコーが各送受波面に戻ってく
るまでの第2及び第3の往復時間、上記第2の直線方向
に設けられた残り2個の第2の超音波トランスデューサ
を構成する各超音波振動子の送受波面からそれぞれ超音
波ビームパルスが放射されてから骨からのエコーが各送
受波面に戻ってくるまでの第4及び第5の往復時間を計
時する計時手段と、上記第1の往復時間に基づいて焦点
調節信号又は集束点調節信号を出力し、上記第2及び第
3の往復時間に基づいて第1の角度調節信号を出力し、
上記第4及び第5の往復時間に基づいて第2の角度調節
信号を出力する制御手段と、上記焦点調節信号又は集束
点調節信号に基づいて、上記超音波遅延スペーサを伸縮
させることによって、上記第1の超音波トランスデュー
サを構成する超音波振動子と上記骨との間の距離を調節
する第1の駆動手段と、上記第1の角度調節信号に基づ
いて、上記第1の直線方向に設けられた上記第1の超音
波トランスデューサと上記2個の第2の超音波トランス
デューサを各垂直軸を互いに平行な状態に保ったまま回
転駆動することにより、各超音波トランスデューサを構
成する各超音波振動子の送受波面及び受波面と上記生体
の骨面における第1の直線方向とがなす第1の角度を連
動して変更すると共に、上記第2の角度調節信号に基づ
いて、上記第2の直線方向に設けられた上記第1の超音
波トランスデューサと上記残り2個の第2の超音波トラ
ンスデューサを各垂直軸を互いに平行な状態に保ったま
ま回転駆動することにより、各超音波トランスデューサ
を構成する各超音波振動子の送受波面及び受波面と上記
生体の骨面における第2の直線方向とがなす第2の角度
を連動して変更する第2の駆動手段と、上記骨からのエ
コーに基づいて上記骨の音響情報を算出する演算手段
と、上記演算手段によって算出された上記骨の音響情報
に基づいて骨粗鬆症を判断する判断手段とを備えてなる
ことを特徴としている。
【0017】また、請求項10記載の発明は、請求項7
乃至9のいずれか1に記載の骨粗鬆症診断装置に係り、
上記演算手段は、上記骨の音響情報として、上記骨の音
響インピーダンス又は超音波反射係数を算出することを
特徴としている。
【0018】
【作用】この発明の構成の超音波トランスデューサによ
れば、超音波振動子から測定部位である骨に向けて放射
された超音波ビームパルスは、音響レンズと伸縮自在な
超音波遅延スペーサとを経て骨に達するが、この際、音
響レンズによって集束され、かつ、超音波遅延スペーサ
の伸縮によって、超音波振動子と骨との間の距離が調節
されて、骨の表面に焦点が結ばれるので、超音波ビーム
パルスの上記骨への入射方向と骨の表面の法線方向との
ずれに対する超音波振動子によって受波されるエコーの
レベルの変化が緩やかとなる。それゆえ、上記超音波ト
ランスデューサを用いる骨粗鬆症診断装置では、操作者
の熟練度や操作の巧拙に拘らず、最大エコーを容易に受
波できるので、正確な測定を行うことができる。また、
超音波ビームパルスのビームは絞られているので、骨の
曲率半径が小さくても、確実かつ正確な測定を行うこと
ができる。
【0019】また、骨の音響インピーダンスは、骨の
[弾性率×密度]の平方根で表されるので、骨密度の増
加に伴って弾性率が上昇するという、相乗効果を受ける
ために、音速以上に敏感に応答して顕著に増加する。逆
に、骨密度が減少して、弾性率が低下すると、(特性)
音響インピーダンスは、これらの相乗効果を受けて、音
速以上に敏感に応答して顕著に減少する。それゆえ、骨
の音響インピーダンスは、骨密度を判断する上で、良い
指標となる。例えば、骨の音響インピーダンスが、その
年齢層の平均値から著しく小さい場合には、骨の骨粗鬆
症が悪化していることが判る。また、骨の音響インピー
ダンスを骨密度の指標とする代わりに、骨の音響インピ
ーダンスの単調増加関数である軟組織と骨との界面での
超音波反射係数を骨密度の指標としても、上述したと同
様の効果を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である骨粗鬆症診断装置
の電気的構成を示すブロック図、図2は、同装置の外観
図、図3は、同装置に用いられる超音波トランスデュー
サの構成を示す断面図、図4は、同装置の使用状態を示
す模式図、図5は、同装置の動作処理手順を示すフロー
チャート、図6は、同装置の動作の説明に用いられる
図、図7は、同装置の動作の説明に用いられる図、ま
た、図8は、同装置及び同超音波トランスデューサに用
いられる超音波振動子と半径が異なる超音波振動子を用
いた骨粗鬆症診断装置によって得られる超音波ビームパ
ルスの入射角と超音波振動子によって受波されるエコー
のレベルとの関係、及び同装置に用いられるアクリル音
響レンズの凹面から皮質骨表面までの距離とエコーのレ
ベルとの関係を示す特性図である。この例の骨粗鬆症診
断装置は、図1乃至図4に示すように、超音波ビームパ
ルスを所定の測定部位に放射すると共に、測定部位から
のエコーを受波するための超音波トランスデューサ(以
下、単に、トランスデューサという)1と、このトラン
スデューサ1に電気パルス信号を供給し、トランスデュ
ーサ1から出力される上記受波信号を処理して骨からの
反射波の振幅である骨エコーレベルを抽出した後、所定
の演算処理を施すことにより、骨粗鬆症の診断を行う装
置本体2と、トランスデューサ1と装置本体2とを接続
するケーブル3とから概略構成されている。
【0021】この例のトランスデューサ1は、電気パル
ス信号が所定の周期で入力される度に、これに応答し
て、測定部位である被験者の、例えば、踵骨等の皮質骨
Mbに向けて超音波ビームパルスAiを発射すると共
に、骨から戻ってくるエコー(以下、骨エコーという)
Aeを受波して受波信号(電気信号)に変換する超音波
振動子11と、超音波振動子11の送受波面11aに取
着され、この送受波面11aから発射された超音波ビー
ムパルスAiを集束させるための所定の焦点距離fを有
するアクリル音響レンズ12と、ゴム製の袋状容器13
aの中に水13bが充填されてなる変形自在のウォータ
バッグ13と、ウォータバッグ13が被験者の皮膚表面
Xに載置された状態で、超音波振動子11及びアクリル
音響レンズ12を直線運動させることによって、ウォー
タバッグ13を伸縮させるための焦点位置調節機構14
と、内部の側壁において焦点位置調節機構14が取り付
けられ、操作者によって把持されるカバー15とから概
略構成されている。
【0022】ここで、超音波振動子11は、チタンジル
コン酸鉛(PZT)等の円板状の厚み振動型圧電素子の
両面に電極層が形成されてなり、送受波面11aの直径
は略24mmである。また、アクリル音響レンズ12に
おいて、超音波振動子11が取着される面に相対向する
端面は曲率半径が略50mmの凹面12aを形成してい
る。また、焦点距離fは略60mmに設定されている。
また、ウォータバッグ13は、袋状容器13a内に水1
3bが充填され、かつ、袋状容器13aの開口部端縁と
アクリル音響レンズ12下端面の端縁とが接合された状
態で、アクリル音響レンズ12に取り付けられている。
また、焦点位置調節機構14は、カバー15の内部の側
壁に固定され、回転運動を行うDCサーボモータ141
と、DCサーボモータ141の回転運動を直線運動に変
換するミニチュアボールネジ142と、ミニチュアボー
ルネジ142のボールナットを、アクリル音響レンズ1
2の側壁側に取り付けるためのスペーサ143とを有し
てなっている。なお、DCサーボモータ141が配設さ
れている側にアクリル音響レンズ12を挟んで相対向す
る側には、アクリル音響レンズ12を案内するための案
内棒144が、上部において、カバー15の内部の側壁
に固定されたスペーサ145によって支持され、下部に
おいて、アクリル音響レンズ12の側壁に固定されたス
ペーサ146の挿通孔に挿通された状態で配設されてい
る。
【0023】装置本体2は、パルス発生器21と、整合
回路22と、増幅器23と、波形整形器24と、A/D
変換器25と、ROM26と、RAM27と、CPU
(中央処理装置)28と、レベルメータ29と、表示器
30と、計時回路31と、駆動回路32とから構成され
ている。パルス発生器21は、ケーブル3を介してトラ
ンスデューサ1に接続され、中心周波数略1MHzの電
気パルス信号を所定の周期で繰り返し生成して、トラン
スデューサ1に送信する。また、この電気パルス信号の
トランスデューサ1への送信と同一のタイミングで計時
開始信号Tpを計時回路31へ供給する。なお、この超
音波ビームパルスの周期は、後述する骨エコー到達時間
よりも充分長く設定されている。整合回路22は、ケー
ブル3を介して接続されるトランスデューサ1と装置本
体2との間で、最大のエネルギ効率で信号の授受ができ
るように、インピーダンスの整合を行う。それゆえ、受
波信号は、トランスデューサ1の超音波振動子11が骨
エコーAeを受波する度に、トランスデューサ1から出
力され、整合回路22を介して、エネルギの損失なし
に、増幅器23に入力される。
【0024】増幅器23は、整合回路22を経由して入
力される受波信号を所定の増幅度で増幅した後、波形整
形器24に入力する。波形整形器24は、LC構成のバ
ンドパスフィルタからなり、増幅器23によって増幅さ
れた受波信号にフィルタ処理を施して、ノイズ成分を除
去すべく線形に波形整形した後、A/D変換器25に入
力する。A/D変換器25は、図示せぬサンプルホール
ド回路、サンプリングメモリ(SRAM)等を備え、C
PU28のサンプリング開始要求に従って、入力される
波形整形器24の出力信号(波形整形されたアナログの
受波信号)を所定の周波数(例えば12MHz)でサン
プリングしてデジタルエコー信号(以下、骨エコー信号
という)に順次変換し、得られた骨エコー信号を一旦自
身のサンプリングメモリに格納した後、CPU28に送
出する。
【0025】ROM26は、オペレーティングシステム
(OS)の他に、CPU28が骨粗鬆症診断のために実
行する処理プログラムを格納する。この処理プログラム
は、1パルス1エコー毎にA/D変換器25から骨エコ
ー信号を取り込んで骨エコーレベルを検出する手順、こ
のようにして検出された多数の骨エコーレベルの中から
最大骨エコーレベルを抽出する手順、トランスデューサ
1の超音波振動子11の送受波面11aから超音波ビー
ムパルスAiが発射された後、骨エコーAeが送受波面
11aに戻って来るまでの骨エコー到達時間Tに基づい
て、アクリル音響レンズ12の凹面12aから軟組織M
aと皮質骨Mbとの境界面Yまでの距離を算出する手
順、抽出された最大骨エコーレベルに基づいて、被験者
の軟組織Maに対する骨の超音波反射係数Rを算出する
手順、及び算出された骨の超音波反射係数Rに基づい
て、被験者の皮質骨Mbの音響インピーダンスZbを算
出する手順等が記述されている。なお、この処理プログ
ラムでは、被験者の皮質骨Mbの音響インピーダンスZ
bは、式(1)によって与えられる。
【0026】
【数1】 Zb=Za(R+1)/(1−R) …(1)
【0027】Za:軟組織Maの音響インピーダンス
(既知) ここで、超音波ビームパルスAiの入射方向(すなわ
ち、超音波振動子11の送受波面11aの中心軸に平行
な方向)が軟組織Maと皮質骨Mbとの境界面Yに略垂
直であるときには、被験者の軟組織Maに対する超音波
反射係数Rは、式(2)で表される。ところで、骨エコ
ーレベルは、超音波ビームパルスAiの入射方向が境界
面Yに略垂直であるときに極大となる。したがって、こ
の例によって抽出される最大骨エコーレベルは、後述す
るように、超音波ビームパルスAiが境界面Yに略垂直
に入射したときに得られるので、抽出された最大骨エコ
ーレベルから算出される超音波反射係数Rは、式(2)
によって与えられる超音波反射係数Rと一致する。それ
ゆえ、式(2)を変形することにより、式(1)が得ら
れる。
【0028】
【数2】 R=(Zb−Za)/(Zb+Za) …(2)
【0029】ここで、軟組織Maの音響インピーダンス
Zaは、軟組織に音響学的性質が類似した水の音響イン
ピーダンスZw[=1.5×106kg/m2sec]で
代用される。
【0030】RAM27は、CPU28の作業領域が設
定されるワーキングエリアと、各種データを一時記憶す
るデータエリアとを有し、データエリアには、今回検出
された骨エコーレベル(今回骨エコーレベル)や、これ
まで検出された骨エコーレベルの中から抽出された最大
骨エコーレベルを記憶するエコーデータメモリエリア、
今回受波された骨エコー波形(今回骨エコー波形)や最
大骨エコーレベルが検出されたときに受波された最大骨
エコー波形を記憶する波形メモリエリア、及び測定続行
か否かの情報を記憶する測定続行フラグ等が設定されて
いる。CPU28は、ROM27に格納されている上述
の各種処理プログラムをRAM27を用いて実行するこ
とにより、パルス発生器21やA/D変換器25を始め
装置各部を制御する。例えば、計時回路31によって計
時された骨エコー到達時間Tに基づいてアクリル音響レ
ンズ12と境界面Yとの間の距離Lを算出し、算出され
た距離Lと既知のアクリル音響レンズ12の焦点距離f
とに基づいて、駆動回路32を介して焦点位置調節機構
14を制御して、ウォータバッグ13を伸縮させて焦点
位置を調節する。また、1パルス1エコー毎にA/D変
換器25から骨エコー信号を取り込んで骨エコーレベル
を検出し、さらに、焦点を合わせた状態で得られた骨エ
コーレベルの中から最大骨エコーレベルを抽出し、抽出
された最大骨エコーレベルの値に基づいて、被験者の軟
組織Maに対する皮質骨Mbの超音波反射係数Rを算出
し、算出された超音波反射係数Rに基づいて、被験者の
皮質骨Mbの音響インピーダンスZbを算出して骨粗鬆
症の診断を行う。
【0031】レベルメータ29は、CPU28によって
制御され、RAM27に記憶されている今回骨エコーレ
ベルを図2及び図4に破線で示す液晶指針パターン29
aの振れとして、また、これまで(今回まで)に検出さ
れた中での最大骨エコーレベルを同図に実線で示す液晶
指針パターン29bの振れとして同時に表示する。ま
た、表示器30は、CRTディスプレイ又は液晶ディス
プレイ等からなり、CPU28の制御により、最大骨エ
コーレベル(測定値)、超音波反射係数R(算出値)、
音響インピーダンスZb(算出値)、今回骨エコー波形
や最大骨エコー波形等が画面表示される。また、計時回
路31は、超音波振動子11の送受波面11aから超音
波ビームパルスAiが発射された後、骨エコーAeが受
波面に戻ってくるまでの骨エコー到達時間を計測する。
この計時回路31は、図示せぬクロック発生器と計数回
路とから構成され、パルス発生器21から計時開始信号
Tpの供給を受ける度に、計時を開始し、A/D変換器
25から終了信号を受けると、計時を終了する。ここ
で、A/D変換器25から終了信号が送られるのは、A
/D変換器25が受波された骨エコーAeに対応する信
号の立上りを検出したタイミングである。そして、計時
値は、リセットされるまで保持され、保持された計時値
は、骨エコー到達時間として要求に応じてCPU28に
与えられる。また、駆動回路32は、DCサーボモータ
141を駆動するための回路であって、CPU28から
与えられる制御信号に従って、所定の極性及び大きさの
印加電圧をDCサーボモータ141に供給する。
【0032】次に、図4乃至図7を参照して、この例の
動作(骨粗鬆症診断時における主としてCPU28の処
理の流れ)について説明する。装置に電源が投入される
と、CPU28は、装置各部のプリセット、カウンタや
各種レジスタ、各種フラグの初期設定を行った後(ステ
ップSP10(図5))、測定開始スイッチが押下され
るのを待つ(ステップSP11)。ここで、操作者は、
図4に示すように、被験者の測定部位である皮質骨Mb
を覆う軟組織Maの表面(皮膚の表面X)に、超音波ゲ
ルGを塗り、超音波ゲルGを介してトランスデューサ1
のウォータバッグ13及びカバー15の先端を皮膚の表
面Xに当て、かつ、超音波振動子11の送受波面11a
を皮質骨Mbに向けた状態でカバー15を手で支持し、
測定開始スイッチをオンとする。測定開始スイッチがオ
ンとされると(ステップSP11)、CPU28は、測
定続行フラグに「1」を書き込んで測定続行フラグを立
てた後、これより、図5に示す処理手順に従って診断動
作を開始する。
【0033】CPU28は、まず、パルス発生器21に
1パルス発生命令を発行する(ステップSP12)。パ
ルス発生器21は、CPU28から1パルス発生命令を
受けると、電気パルス信号をトランスデューサ1に送信
すると共に、この電気パルス信号の送信のタイミングと
同一のタイミングで、計時開始信号Tpを計時回路31
へ供給する。トランスデューサ1は、パルス発生器21
から電気パルス信号の供給を受けると、被験者の皮質骨
Mbに向けて超音波ビームパルスAiを発射する。発射
された超音波ビームパルスAiは、アクリル音響レンズ
12内を伝播することによってアクリル音響レンズ12
の焦点位置へ向かって集束していく。もし、アクリル音
響レンズ12の焦点位置が、図6(b)に示すように、
軟組織Maと皮質骨Mbとの境界面Yよりも超音波振動
子11寄りにあると、アクリル音響レンズ12を通過し
た超音波ビームパルスAiは、ウォータバッグ13の水
13b中を集束しながら伝播し、水13b内において焦
点位置に達するとビームの大きさは最小となり、この焦
点位置を通過すると発散を始め、皮膚の表面Xに達す
る。そして、皮膚の表面Xで一部が反射され、残りが皮
膚の表面Xから、なおも発散しながら軟組織Ma内に注
入され、皮質骨Mbに向かって伝搬する。そして、軟組
織Maと皮質骨Mbとの境界面Yで一部が反射して骨エ
コーAeとなり、一部は皮質骨Mbに吸収され、残りは
皮質骨Mbを透過する。骨エコーAeは、発散しながら
入射超音波ビームパルスAiとは逆の経路を辿り、再び
トランスデューサ1の超音波振動子11によって受波さ
れる。
【0034】それゆえ、超音波ビームパルスAiの発射
後、まず、送信残響が、続いて、皮膚の表面Xからのエ
コー(以下、表面エコーという)が、少し遅れて、骨エ
コーAeが超音波振動子11によってそれぞれ受波され
て、超音波の波形と振幅に対応する受波信号にそれぞれ
変換される。なお、境界面Yで反射して戻ってきた骨エ
コーAeのうち大部分は、超音波振動子11によって受
波されるが、超音波振動子11に達するまでに途中発散
するために、一部は受波されない。また、図6(b)に
おいては、超音波ビームパルスAiの境界面Yへの入射
角(超音波振動子11の送受波面11aの中心軸と境界
面Yにおける法線とがなす角度)θ(図7参照)が略0
の場合、すなわち、超音波ビームパルスAiが境界面Y
に対して略垂直に入射する場合について例示したが、入
射角θが大きい程、境界面Yで反射した骨エコーAeの
うち、超音波振動子11によって受波されないエコーの
割合は増加する。
【0035】生成された受波信号は、ケーブル3を介し
て装置本体2の整合回路22に入力され、増幅器23に
おいて所定の増幅度で増幅され、波形整形器24におい
て線形に波形整形された後、A/D変換器25に入力さ
れる。CPU28は、パルス発生器21に1パルス発生
命令を送出した後(ステップSP12)、超音波振動子
11によって送信残響が受波され、続いて、表面エコー
Asが受波された後、骨エコーAeがトランスデューサ
1の超音波振動子1aの送受波面11aに戻ってくる時
刻を見計らって、A/D変換器25に、サンプリング開
始命令を発行する(ステップSP13)。A/D変換器
25は、CPU28からサンプリング開始命令を受ける
と、波形整形器24から波形整形された後、入力される
皮質骨Mbからの1エコー分の受波信号を所定の周波数
(例えば12MHz)でサンプリングしてデジタル信号
に変換し、得られたN個のサンプル値(1エコー分のデ
ジタル信号)を一旦自身のサンプリングメモリに格納す
る。一方、計時回路31へは終了信号を送り、計時を終
了させる。この後、CPU28からの転送要求に応じ
て、サンプリングメモリに格納されたN個のサンプル値
をCPU28に順次送出する。
【0036】CPU28は、A/D変換器25からN個
のサンプル値を順次取り込んで、今回骨エコー波形とし
て、RAM27の波形メモリエリアに記憶した後、N個
のサンプル値の中から最も大きな値を抽出することによ
り、今回骨エコーレベル(今回骨エコーの振幅)を検出
し、検出結果をRAM27のエコーデータメモリエリア
に格納する(ステップSP14)。一方、骨エコー信号
の読み込みと共に、骨エコー到達時間を読み、読み込ん
だ今回骨エコー到達時間もRAM27のエコーデータメ
モリエリアに格納する。
【0037】次に、ステップSP15において、CPU
28は、距離算出ルーチンを用いて、RAM27に格納
された今回骨エコー到達時間に基づいて、アクリル音響
レンズ12の凹面から軟組織Maと皮質骨Mbとの境界
面Yまでの距離Lを算出する。そして、ステップSP1
6へ進み、算出された凹面12aから境界面Yまでの距
離Lが、予めROM26に格納されたアクリル音響レン
ズ15の焦点距離fから収差等を考慮した誤差Δfの範
囲(f−Δf≦L≦f+Δf)内にない場合は、駆動回
路32に制御信号を送出し、DCサーボモータ141を
回転させて、算出された凹面12aから境界面Yまでの
距離Lとアクリル音響レンズ15の焦点距離fとの差分
だけ超音波振動子11を移動させる(ステップSP1
7)。現在の凹面12aから境界面Yまでの距離Lは、
アクリル音響レンズ15の焦点距離fよりも長いので、
超音波振動子11を皮質骨Mb側へ移動させるように、
CPU28は、駆動回路32を介して焦点位置調節機構
14を作動させる。
【0038】逆に、アクリル音響レンズ12の焦点位置
が、図6(c)に示すように、皮質骨Mbの内部にある
と、アクリル音響レンズ12を通過した超音波ビームパ
ルスAiは、ウォータバッグ13の水13b中を集束し
ながら伝播し皮膚の表面Xに達する。そして、皮膚の表
面Xで一部が反射され、残りが皮膚の表面Xから、なお
も集束しながら軟組織Ma内に注入され、皮質骨Mbに
向かって伝搬する。そして、軟組織Maと皮質骨Mbと
の境界面Yで一部が反射して骨エコーAeとなり、一部
は、弾性表面波となってエネルギを漏洩しながら境界面
Yを伝播し、別の一部は、なおも、集束しながら皮質骨
Mb内を伝播する。この過程で、一部は皮質骨Mbに吸
収され、残りは皮質骨Mbを透過する。骨エコーAe
は、発散しながら入射超音波ビームパルスAiとは逆の
経路を辿り、再びトランスデューサ1の超音波振動子1
1によって受波される。なお、境界面Yで反射して戻っ
てきた骨エコーAeは、超音波振動子11によって受波
されるが、この場合には、上記弾性表面波から漏れて超
音波振動子11の方へ戻ってきた漏洩波と直接境界面Y
で反射して戻ってきた骨エコーAeとの間の干渉等によ
り、凹面12aから境界面Yまでの距離Lの変化に対す
る骨エコーAeの変化が激しく、超音波振動子11によ
って受波される骨エコーAeの大きさそのものも小さ
い。
【0039】この後、CPU28は、上述したと同様に
ステップSP12からステップSP14までを経て、ス
テップSP15において、距離算出ルーチンを用いて、
RAM27に格納された今回骨エコー到達時間に基づい
て、凹面12aから境界面Yまでの距離Lを算出する。
そして、ステップSP16で、凹面12aから境界面Y
までの距離Lが、所定の範囲内にないと判断すると、今
度の凹面12aから境界面Yまでの距離Lは、アクリル
音響レンズ15の焦点距離fよりも短いので、超音波振
動子11を皮質骨Mbから遠ざける方向へ移動させるよ
うに、CPU28は、駆動回路32を介して焦点位置調
節機構14を作動させる(ステップSP17)。
【0040】このようにして、図6(a)に示すよう
に、凹面12aから境界面Yまでの距離Lを、アクリル
音響レンズ15の焦点距離fに略一致させると、アクリ
ル音響レンズ12を通過した超音波ビームパルスAi
は、ウォータバッグ13の水13b中を集束しながら伝
播し、皮膚の表面Xで一部が反射され、残りが皮膚の表
面Xから、なおも集束しながら軟組織Ma内に注入さ
れ、軟組織Maと皮質骨Mbとの境界面Yにおいて略焦
点位置に達してビームの大きさは最小となる。そして、
軟組織Maと皮質骨Mbとの境界面Yで一部が反射して
骨エコーAe となり、一部は、発散しながら皮質骨M
b内を伝播していき、一部は皮質骨Mbに吸収され、残
りは皮質骨Mbを透過する。骨エコーAeは、発散しな
がら入射超音波ビームパルスAiとは逆の経路を辿り、
再びトランスデューサ1の超音波振動子11によって受
波される。ここで、境界面Yで反射して戻ってきた骨エ
コーAeは、超音波ビームパルスAiの入射方向(すな
わち、超音波振動子11の送受波面11aの中心軸)と
境界面Yにおける法線の方向とが略一致しているとき
は、略その全てが超音波振動子11によって受波され
る。この場合は、CPU28は、ステップSP16にお
いて、凹面12aから境界面Yまでの距離Lが所定の範
囲内にあると判断し、ステップSP18へ進む。
【0041】ステップSP18において、CPU28
は、RAM27に格納された今回骨エコーレベルを、図
4に破線で示すように、レベルメータ29に液晶指針パ
ターン29aの振れとして表示させる。次に、ステップ
SP19において、CPU28は、RAM27内のエコ
ーデータメモリエリアから今回骨エコーレベルと最大骨
エコーレベルを読み出して、今回骨エコーレベルの値
が、最大骨エコーレベルの値よりも大きいか否かを判断
する。今は、初回目の判断であり、最大骨エコーレベル
の値は、初期設定値「0」のままなので、CPU28
は、今回骨エコーレベルの値が、最大骨エコーレベルの
値よりも大きいと判断し、RAM27のエコーデータメ
モリエリアに記憶されている最大骨エコーレベルの値を
今回骨エコーレベルの値に書き換え、さらに、RAM2
7の波形メモリエリアに記憶されている最大骨エコー波
形を今回骨エコー波形に書き換える(ステップSP2
0)。そして、更新された最大骨エコー波形を、表示器
30に画面表示すると共に、更新された最大骨エコーレ
ベルを、図3に実線で示すように、レベルメータ29に
液晶指針パターン29bの振れとして表示する(ステッ
プSP21)。
【0042】次に、CPU28は、RAM27内の測定
続行フラグを見て(ステップSP22)、測定続行フラ
グが立っていれば(測定フラグの内容が「1」のとき
は)、CPU28は測定継続と判断して、上述の1パル
ス発射1エコー受波(ステップSP12〜SP18)を
繰り返した後、ステップSP19において、再び、RA
M27内のエコーデータメモリエリアから今回骨エコー
レベルと最大骨エコーレベルを読み出して、今回骨エコ
ーレベルの値が、最大骨エコーレベルの値よりも大きい
か否かを判断する。この判断の結果、今回骨エコーレベ
ルが最大骨エコーレベルよりも大きくないときは、更新
処理を行わずに、ステップSP22へ直接飛んで、測定
続行フラグを見る。測定続行フラグの内容は、操作者が
測定終了スイッチを押さない限り、「1」に保たれ、C
PU28は、上述の1パルス発射1エコー受波(ステッ
プSP12〜SP18)、最大骨エコーレベルの抽出作
業(ステップSP19〜ステップSP22)を繰り返
す。
【0043】操作者は、CPU28が上述の処理(ステ
ップSP12〜SP22)を繰り返す間、図4に示すよ
うに、トランスデューサ1のウォータバッグ13を、皮
膚の表面Xに当てがい、カバー15を手で支持して、超
音波振動子11を測定部位であるの皮質骨Mbに向け、
ゆっくりと、時にコマの歳差運動のように円や螺旋を描
いたり、時にシーソのように前後左右斜めに振ったりし
て、超音波振動子11の送受波面11aの向きを変え、
角度を変えながら、レベルメータ29の液晶指針パター
ン29a,29bが最大に振れる方向、つまり、最大骨
エコーレベルが検出される方向を探す。レベルメータ2
9の液晶指針パターン29a,29bの振れが最大にな
るのは、図7(a)に示すように、皮質骨Mbの法線と
超音波振動子11の送受波面11aの中心軸が一致する
ときであり、したがって、超音波ビームパルスAiが境
界面Yに略垂直入射するときである。何故なら、既に、
凹面12aから境界面Yまでの距離Lが、略焦点距離に
一致しているので、さらに、上記法線及び中心軸が略一
致すれば、図7(a)に示すように、境界面Yにおいて
反射した骨エコーAeは、超音波振動子11の送受波面
11aに略全て戻ってくるため、最大骨エコーレベルの
骨エコーAeが受波されることとなるからである。これ
に対して、上記法線及び中心軸が不一致のときは、図7
(b)に示すように、境界面Yにおいて反射した骨エコ
ーAeは、入射方向と正反対の方向(すなわち、超音波
振動子11の送受波面11aの中心がある方向)からず
れた方向へ向かって発散しながら伝播してしまうため
に、一部は超音波振動子11の送受波面11aに達する
ことができない。
【0044】ここで、重要なことは、この例の診断装置
にとって、診断精度を上げるためには、垂直反射の骨エ
コーAeを抽出することが必要だ、ということである。
何故なら、皮質骨Mbの音響インピーダンスZbを導く
式(1)は、上述したように、略垂直反射の骨エコーA
eに対して成立する式だからである。しかしながら、垂
直反射の骨エコーAeを抽出することは、困難なことで
はなく、レベルメータ29の液晶指針パターン29a,
29bの振れを見ながら、垂直反射の骨エコーAeを容
易に見つけ出すことができる。つまり、皮質骨Mbの法
線と送受波面11aの中心軸との不一致が、はなはだし
いときは、レベルメータ29の液晶指針パターン29
a,29bが敏感に振れるので、上記法線及び中心軸の
はなはだしい不一致を認識でき、一方、上記法線及び中
心軸が一致に近づくと、超音波振動子11の送受波面1
1aの向きが多少変位しても、骨エコーレベルが安定
し、液晶指針パターン29a,29bの振れが落ちつい
てくることから、上記法線及び中心軸の一致を確認でき
る。
【0045】操作者は、レベルメータ29の液晶指針パ
ターン29a,29bの振れ具合を見て、最大骨エコー
レベルを抽出できたと判断すると、測定終了スイッチを
押下する。測定終了スイッチが押下されると、CPU2
8は、割り込み処理により、測定続行フラグの内容を
「0」に書き換えて、測定続行フラグを下ろす。測定続
行フラグが下ろされると、CPU28は、次回以降の1
パルス発射を中止する(ステップSP22)。そして、
RAM27のエコーデータメモリエリアに記憶された最
大骨エコーレベルを読み出して、表示器30に画面表示
する(ステップSP23)。この後、CPU28は、反
射係数算出ルーチンを実行することにより、RAM27
のエコーデータメモリエリアに記憶された最大骨エコー
レベルVeと、予めROM26に格納されている完全エ
コーレベルV0 とから、被験者の軟組織Maと皮質骨M
bとの界面での超音波反射係数Rを算出する(ステップ
SP24)。
【0046】ここで、超音波反射係数Rは、完全垂直反
射したときの完全エコーレベルV0と、最大骨エコーレ
ベルVeとの比[R=Ve/V0]から導かれ、完全エコ
ーレベルV0は、理論的に算出することもできるが、ポ
リエチレンバルク等の超音波遅延スペーサ(ダミーブロ
ック)を超音波振動子11の送受波面11aに取着し、
超音波ビームパルスAiを空に向けて発射し、上記超音
波遅延スペーサの先端面から戻ってくる開放時エコーを
超音波振動子11によって受波して開放時エコーレベル
を測定することによっても求めることができる。次に、
CPU28は、音響インピーダンス算出ルーチンを実行
することにより、反射係数算出ルーチンによって与えら
れた超音波反射係数Rの値を式(1)に代入して皮質骨
Mbの音響インピーダンスZb[kg/m2sec]を算出し
(ステップSP25)、算出結果を表示器30に画面表
示する(ステップSP26)。
【0047】この例のトランスデューサ1及び超音波振
動子の半径rを変えたトランスデューサを用いて、入射
角θ及び凹面12aから境界面Yまでの距離Lを変化さ
せて、所定のレベルを基準としたときのエコーレベルE
(dB)を測定するとしたときの模擬実験を行ったとこ
ろ、図8に示すような結果が得られた。同図よりかわる
ように、入射角θが4度ずれた方向で、入射角θが0
度、すなわち、垂直入射の場合に比べて、エコーレベル
Eが略3dB下がっており、従来の平面波を用いた場合
に比べて、入射角θに対する依存性が低いため、垂直入
射となるように厳密に調整する必要性は従来に比べて少
ない。また、凹面12aから境界面Yまでの距離Lが略
焦点距離fに等しいときに、エコーレベルEは極大とな
り、この焦点距離f付近においては変化は穏やかであ
る。さらに、このエコーレベルEの測定値は入射角θや
距離Lの変化に対して安定していることがわかる。
【0048】上記構成によれば、超音波振動子11から
皮質骨Mbに向けて放射された超音波ビームパルスAi
は、アクリル音響レンズ12とウォータバッグ13とを
経て皮質骨Mbに達するが、この際、アクリル音響レン
ズ12によって集束され、かつ、焦点位置調節機構14
が作動して、超音波振動子11を皮質骨Mbに向けて、
又は皮質骨Mbから遠ざけるように、直線運動させて、
ウォータバッグ13を伸縮させることによって、凹面1
2aから境界面Yまでの距離Lが自動的に調節されて、
アクリル音響レンズ12の焦点位置は境界面Yに合わせ
られるので、平面波を用いる方法に比べて入射角θに対
する依存性が低く、超音波ビームパルスAiの皮質骨M
bへの入射方向と境界面Yにおける法線方向とのずれに
対する超音波振動子11によって受波されるエコーのレ
ベルの変化が緩やかとなる。それゆえ、この例の骨粗鬆
症診断装置では、操作者の熟練度や操作の巧拙に拘ら
ず、最大エコーを容易に受波できるので、正確な測定を
行うことができる。また、超音波ビームパルスAiのビ
ームは絞られているので、測定部位の曲率半径が小さく
ても、確実かつ正確な測定を行うことができる。
【0049】また、境界面Yにおける法線及び超音波振
動子11の送受波面11aの中心軸が略一致したとき
は、送受波面11aの向きが多少変位しても、エコーレ
ベルが安定するので(レベルメータ29の液晶指針パタ
ーン29a,29bの振れが落ちつくので)、垂直反射
時の骨エコーレベル、すなわち最大骨エコーレベルを容
易に抽出でき、しかも、再現性の良い測定データが得ら
れる。加えて、レベルメータ29には、今回骨エコーレ
ベルが刻々と表示されると共に、最大骨エコーレベル
も、更新されない限り、固定的に表示されるので、最大
骨エコーレベルの探索がさらに容易となる。したがっ
て、皮質骨Mbの音響インピーダンスZbを精度良く求
めることができる。皮質骨Mbの音響インピーダンスZ
bは、皮質骨Mbの[弾性率×密度]の平方根で表され
るので、骨密度が増加すれば、弾性率も上昇するとい
う、相乗効果を受けるために、音速以上に敏感に応答し
て顕著に増加する。逆に、骨密度が減少して、弾性率が
低下すると、皮質骨の音響インピーダンスZbは、これ
らの相乗効果を受けて、音速以上に敏感に応答して顕著
に減少する。それゆえ、皮質骨Mbの音響インピーダン
スZbは、骨密度を判断する上で、良い指標となる。し
たがって、操作者は、表示器30に表示されている皮質
骨Mbの音響インピーダンスZbの値から、骨粗鬆症の
進行状況を正確に推定できる。例えば、音響インピーダ
ンスが、その年齢層の平均値から著しく小さい場合に
は、皮質骨Mbの骨粗鬆症が悪化していることが判る。
【0050】また、RAM27のエコーデータメモリエ
リアには、今回検出の今回骨エコーレベルと最大骨エコ
ーレベルのみが記憶され、前回までに検出のエコーレベ
ルは、最大骨エコーレベルでない限り、消去されるの
で、記憶容量の小さい安価なRAMを使用することがで
きる。勿論、容量の大きなRAMを用いて、全測定期間
内に検出された全ての骨エコーレベルを一旦記憶し、測
定完了後、RAM27に記憶された全ての骨エコーレベ
ルの中から最大骨エコーレベルを抽出するようにしても
良い。
【0051】◇第2実施例 次に、第2実施例について説明する。図9は、この発明
の第2実施例である骨粗鬆症診断装置に用いられるトラ
ンスデューサの構成を示す断面図、また、図10は、同
装置の動作の説明に用いられる説明図である。この第2
実施例が上述の第1実施例と大きく異なるところは、図
9に示すように、トランスデューサ4がアクリル音響レ
ンズ12から射出される超音波ビームパルスのビームの
広がりを制限するための絞り機構41が付加されてなっ
ている点である。これ以外は、第1実施例と略同一の構
成であるので、同図において、図3の構成部分と対応す
る各部には同一の符号を付してその説明を簡略にする。
絞り機構41は、複数の絞り羽根が組み合わされて内周
側において所定の絞り径の開口を形成するように配置さ
れ、かつ、各絞り羽根を同時に回転させて同心円状に上
記開口の絞り径を変化させるための絞りレバー41aを
有してなっている。この絞り機構41は、取付部材42
によってアクリル音響レンズ12の下方に配設され、か
つ、上記開口内にはウォータバッグ13が挿通されて、
絞りレバー41aを用いて上記開口の絞り径を絞り込む
ことによってウォータバッグ13の上部を締め付けて超
音波ビームパルスのビームの広がりを制限する。
【0052】次に、図10を参照して、この例の動作に
ついて説明する。まず、絞り機構41の絞りレバー41
aを用いて、開口の絞り径を調節し、超音波ビームパル
スAiのビームの広がりを所望の太さに制限できるよう
にしておく。この後、超音波振動子11から超音波ビー
ムパルスAiが放射されると、アクリル音響レンズ12
から射出された超音波ビームパルスAiは、図10
(b)に示すように、ウォータバッグ13の絞り機構4
1によって絞り込まれた箇所で、ビームの太さは狭めら
れ、水13b中を焦点位置(この場合は、軟組織Maと
皮質骨Mbとの境界面Y)に向かって集束しながら伝播
し、一部は境界面Yで反射して骨エコーAeとなる。絞
り機構41によって絞られた超音波ビームパルスAi
は、図10(a)に示すように、全く絞らなかった場合
と比較して、ビームが狭められているため、集束及び発
散の程度が小さい。それゆえ、凹面12aから境界面Y
までの距離Lの変化に対する超音波振動子11によって
受波される骨エコーAeの変化が少ない。
【0053】この例の構成によれば、第1実施例で述べ
たと略同様の効果を得ることができる。加えて、絞り機
構41を備えているので、絞りレバー41aを用いて絞
り径を変化させることによって、焦点が合っている範囲
や収差の状況を変化させることができる。それゆえ、例
えば、絞りを絞ることによって、凹面12aから境界面
Yまでの距離Lの調節を一段と容易に行うことができ
る。
【0054】◇第3実施例 次に、第3実施例について説明する。図11は、この発
明の第3実施例である骨粗鬆症診断装置の電気的構成を
示すブロック図、図12は、同装置の外観図、図13
は、同装置に用いられるプローブの透視斜視図、図14
は、図13のA−A'断面図、図15は、同装置に用い
られるトランスデューサの構成を示す断面図、図16
は、同装置の動作処理手順を示すフローチャート、図1
7は、同装置の動作の説明に用いられる図である。図1
1乃至図15において、図1乃至図4の各部に対応した
部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。この
例の骨粗鬆症診断装置は、図11乃至図15に示すよう
に、5個のトランスデューサ1,11〜14や角度調節機
構55等を有するプローブ51と、トランスデューサ
1,11〜14と送受信する信号の処理、トランスデュー
サ1から送波される超音波ビームパルスAiの焦点位置
調節処理及び角度調節処理等を行って骨粗鬆症を診断す
る装置本体52と、プローブ51と装置本体52とを接
続するケーブル53とから概略構成されている。
【0055】この例のプローブ51は、図13及び図1
4に示すように、5個のトランスデューサ1,11〜14
と、各トランスデューサ1,11〜14がその先端が突出
して取り付けられた支持円板54と、各トランスデュー
サ1,11〜14のウォータバッグ13が被験者の皮膚表
面Xに載置された状態で、支持円板54を互いに直交す
る2方向へ回転運動させることによって、トランスデュ
ーサ1から送波される超音波ビームパルスAiの骨への
入射角度を調節するための角度調節機構55と、内部の
側壁において角度位置調節機構55が取り付けられ、操
作者によって把持されるカバー56とから概略構成され
ている。
【0056】トランスデューサ11〜14において、各超
音波振動子50は、トランスデューサ1を構成する超音
波振動子11の送受波面11aから発射された超音波ビ
ームパルスAiが被験者の骨によって反射された骨エコ
ーAeを受波するだけであり、超音波ビームパルスAi
を発射しないので、受波する機能のみを有するが、微弱
な骨エコーAeをも受波できるように感度が高いもので
構成されている。また、トランスデューサ11〜14にお
いては、トランスデューサ1と異なり、焦点調節機構1
4が設けられておらず、図15に示すように、上面に超
音波振動子50が取着され、下端面にウォータバッグ1
3が取り付けられたアクリル音響レンズ12は、上部に
おいて、カバー15の内部側壁上部の相対向する位置に
それぞれ固定されたスペーサ1451,1452によって
支持され、下部において、アクリル音響レンズ12の側
壁に固定されたスペーサ1461,1462の挿通孔に挿
通された状態で配設され、下端に落下防止用の返しが形
成された案内棒1441,1442によって支持されてい
る。従って、アクリル音響レンズ12は、操作者がプロ
ーブ51のカバー56を把持して被験者の測定部位の皮
膚表面にプローブ51を載置したり、角度調節機構55
の動作により支持円板54が回転駆動されることによ
り、案内棒1441,1442により案内されて上下に摺
動する。
【0057】そして、図13及び図14に示すように、
支持円板54の中央部には1個の孔が、その周縁部近傍
の互いの角度間隔が90度である位置には4個の孔が形
成されており、中央部に形成された孔にはトランスデュ
ーサ1が、周縁部近傍の4個の孔にはトランスデューサ
1〜14が、それぞれその先端が支持円板54の下面か
ら突出するように挿入され、固定されている。支持円板
54は、トランスデューサ11,12近傍の各周縁部54
1,542に取り付けられ、軸方向に360度回転支持可
能なジョイント571,572によってカバー56の内壁
に水平に取り付けられている。一方、支持円板54の周
縁部541,542とそれぞれ相対向する周縁部、すなわ
ち、トランスデューサ13,14近傍の各周縁部543
544にもジョイント571,572と同一機能のジョイ
ント573,574が取り付けられているが、ジョイント
573,574の他端には、ジョイント573,574の軸
方向に対して上下方向に回転支持可能なジョイント58
1,582と雌ネジ591,592が取り付けられている。
そして、雌ネジ591,592には、カバー56の内部側
壁に固定され、回転運動を行うステッピングモータ60
1,602の回転軸に固定され、ステッピングモータ60
1,602の回転運動を直線運動に変換するミニチュアボ
ールネジ611,612が螺合されている。
【0058】なお、図13及び図14においては、トラ
ンスデューサ1,11〜14の形状を全て同一に画いてい
るが、トランスデューサ1の直径は略20mm、トラン
スデューサ1,11〜14の直径は略10mm、トランス
デューサ1,11〜14の高さは略50mm、各トランス
デューサ11〜14とトランスデューサ1との間隔は略4
0mmである。従って、超音波振動子11の送受波面1
1aの直径及び超音波振動子50の受波面50aの直径
も対応するトランスデューサ1,11〜14の直径に略等
しい。また、図13及び図14においては、各トランス
デューサ1,1 1〜14並びにステッピングモータ6
1,602に接続すべきケーブルは図示していないが、
実際には、それぞれの上面にケーブルが取り付けられ、
カバー56内で1本のケーブル53にまとめられ、図1
2に示すように、カバー56の上面中央部に形成された
孔より外部に取り出されて装置本体52に接続されてい
る。
【0059】図11において、装置本体52は、パルス
発生器21と、5個の整合回路22と、5個の増幅器2
3と、5個の波形整形器24と、5個のA/D変換器2
5と、RAM27と、CPU28と、レベルメータ29
と、表示器30と、計時回路31と、駆動回路32,6
3と、ROM62とから構成されている。ROM62
は、図1に示すROM26が格納している処理プログラ
ムの他、トランスデューサ1を構成する超音波振動子1
1の送受波面11aから超音波ビームパルスAiが発射
された後、骨エコーAeが4個のトランスデューサ11
〜14を構成する4個の超音波振動子50の受波面50
aにそれぞれ受波されるまでの骨エコー到達時間T1
4に基づいて、トランスデューサ1を構成するアクリ
ル音響レンズ12の凹面12aから軟組織Maと皮質骨
Mbとの境界面Yまでの距離と、境界面Yからトランス
デューサ11〜14を構成するアクリル音響レンズ12の
凹面12aまでの距離との和L1〜L4を算出する手順、
算出された距離L1〜L4に基づいて、トランスデューサ
1を構成する超音波振動子11の送受波面11aの上記
境界面Yに対する2方向の俯角α,βを算出する手順、
及び算出された俯角α,βが0となる、すなわち、超音
波ビームパルスAiが境界面Yに略垂直に入射するよう
に、駆動回路63を介してプローブ51を構成する角度
調節機構55を制御する手順等が記述されている。ここ
で、俯角αとは、トランスデューサ11を構成する超音
波振動子50の受波面50aからトランスデューサ1を
構成する超音波振動子11の送受波面11aを経てトラ
ンスデューサ13を構成する超音波振動子50の受波面
50aに達する直線と、被験者の軟組織Maと皮質骨M
bとの境界面Yとがなす角度をいい、俯角βとは、トラ
ンスデューサ1 2を構成する超音波振動子50の受波面
50aからトランスデューサ1を構成する超音波振動子
11の送受波面11aを経てトランスデューサ14を構
成する超音波振動子50の受波面50aに達する直線
と、被験者の軟組織Maと皮質骨Mbとの境界面Yとが
なす角度をいう。また、駆動回路63は、図13に示す
ステッピングモータ601,602を駆動するための回路
であって、CPU28から与えられる制御信号に従っ
て、所定の極性の印加電圧を所定時間ステッピングモー
タ601,602に供給する。
【0060】次に、図13、図14、図16及び図17
を参照して、この例の動作(骨粗鬆症診断時における主
としてCPU28の処理の流れ)について説明する。な
お、以下の説明においては、超音波ビームパルスAi発
射時の送信残響等の各種現象やCPU28その他の構成
要素の動作の細部のうち、上記した第1実施例と同様な
ものについては特に説明しない。また、この第3実施例
と直接関係しないレベルメータ29への液晶指針パター
ンの表示及び表示器30へのエコー波形の表示について
も、特に説明しないが、第1実施例と同様、適宜なされ
るのはいうまでもない。装置に電源が投入されると、C
PU28は、装置各部のプリセット、カウンタや各種レ
ジスタ、各種フラグの初期設定を行った後(ステップS
Q1(図16))、測定開始スイッチが押下されるのを待
つ(ステップSQ2)。ここで、操作者は、被験者の測
定部位である皮質骨Mbを覆う軟組織Maの表面(皮膚
の表面X)に、超音波ゲルGを塗り、超音波ゲルGを介
してトランスデューサ1,11〜14のウォータバッグ1
3及びカバー56の先端を皮膚の表面Xに当て、かつ、
超音波振動子11の送受波面11a及び超音波振動子5
0の受波面50aを皮質骨Mbに向けた状態でカバー5
6を手で支持し、測定開始スイッチをオンとする。測定
開始スイッチがオンとされると(ステップSQ2)、C
PU28は、図16に示す処理手順に従って診断動作を
開始する。
【0061】CPU28は、まず、トランスデューサ1
を構成するアクリル音響レンズ12の凹面12aから被
験者の軟組織Maと皮質骨Mbとの境界面Yまでの距離
Lをアクリル音響レンズ12の焦点距離fに一致させる
焦点位置調節処理を実行する(ステップSQ3)。この
焦点位置調節処理は、図5に示すステップSP12〜S
P17の処理と略同様であるので、その説明を省略す
る。但し、操作者は、上記した第1実施例のように、プ
ローブ51のカバー56(第1実施例ではトランスデュ
ーサ1のカバー15)を手で支持しつつコマの歳差運動
のように動かす必要はなく、単に手で支持していれば良
い。上記焦点位置調節処理が終了すると、CPU28
は、ステップSQ4へ進む。
【0062】ステップSQ4において、CPU28は、
超音波ビームパルスAiの境界面Yへの入射角(トラン
スデューサ1を構成する超音波振動子11の送受波面1
1aの中心軸と境界面Yにおける法線とがなす角度)が
略0、すなわち、超音波ビームパルスAiが境界面Yに
対して略垂直に入射するように、トランスデューサ1を
構成する超音波振動子11の送受波面11aの境界面Y
に対する2方向の俯角α,βを調節する角度調節処理を
実行する。この角度調節処理について、図13、図14
及び図17に示す概念図を参照して説明する。図17に
おいて、図4の各部に対応した部分には同一の符号を付
け、その説明を省略する。この図17は概念図であり、
各トランスデューサ1、1 1,13間の距離、トランスデ
ューサ1、11,13と境界面Yとの距離や大きさの比率
等は実際とは異なる。また、図17においては、皮膚の
表面Xと境界面Yとは平行であると仮定している。CP
U28は、まず、パルス発生器21に1パルス発生命令
を発行する。パルス発生器21は、CPU28から1パ
ルス発生命令を受けると、電気パルス信号をトランスデ
ューサ1に送信すると共に、この電気パルス信号の送信
のタイミングと同一のタイミングで、計時開始信号Tp
を計時回路31へ供給する。トランスデューサ1は、パ
ルス発生器21から電気パルス信号の供給を受けると、
図17に示すように、支持円板54の下面から突出した
発射位置S0から被験者の皮質骨Mbに向けて超音波ビ
ームパルスAiを発射する。発射された超音波ビームパ
ルスAiは、図17に示すように、皮膚の表面Xから軟
組織Ma内に注入され、境界面Yの反射位置R1,R2
に入射角θ1,θ2で入射した後、境界面Yで一部が反射
角θ1,θ2で反射して骨エコーAeとなる。骨エコーA
eは、発散しながら入射超音波パルスAiとは角度2θ
1,2θ2だけ異なる経路を辿り、トランスデューサ
1,13によって受波され、超音波の波形と振幅に対応
する受波信号にそれぞれ変換される。
【0063】生成された2つの受波信号は、ケーブル5
3を介して装置本体52に入力され、対応する増幅器2
3、波形整形器24及びA/D変換器25において増幅
及び波形整形された後、デジタル信号に変換され、対応
するA/D変換器25のサンプリングメモリに一旦格納
される。この時、各A/D変換器25は、受波信号のサ
ンプリング終了時に計時回路31へ終了信号を送るの
で、計時回路31は、各終了信号到達時の時間を対応す
る骨エコー到達時間T1,T3として内部に一次記憶す
る。
【0064】CPU28は、距離算出ルーチンを用い
て、骨エコー到達時間T1,T3に基づいて、トランスデ
ューサ1を構成するアクリル音響レンズ12の凹面12
aから軟組織Maと皮質骨Mbとの境界面Yまでの距離
と、境界面Yからトランスデューサ11,13を構成する
アクリル音響レンズ12の凹面12aまでの距離との和
1,L3を算出した後、式(3)に基づいて俯角αを算
出する。
【0065】
【数3】
【0066】ここで、式(3)の導出方法について説明
する。トランスデューサ1とトランスデューサ11,13
との間の距離をWとすると、図17より、式(4)〜式
(6)が成り立つ。 2Wsinα=L1cosθ1−L2cosθ2 …(4) L1sinθ1=Wcosα …(5) L2sinθ2=Wcosα …(6) いま、L1,L2≫Wであるから、θ1≒θ2と近似して良
い。従って、上記した式(3)により俯角αが求められ
るのである。上記俯角αを求める動作と同時に、トラン
スデューサ1の発射位置S0から発射された超音波ビー
ムパルスAiは、境界面Yで一部が反射して骨エコーA
eとなり、トランスデューサ12,14によって受波され
るので、上記と同様の動作により俯角βが求められる。
【0067】次に、CPU28は、算出された俯角α,
βが、予めROM62に格納された許容できる誤差の範
囲内にない場合は、例えば、予めROM62に格納され
た俯角αの角度とステッピングモータ601のモータ回
転角との関係を示すテーブル及び俯角βの角度とステッ
ピングモータ602のモータ回転角との関係を示すテー
ブルを参照して、得られた各モータ回転角に関する制御
信号を駆動回路62及びケーブル53を介して角度調節
機構55に送出し、ステッピングモータ601,602
回転させて、俯角α,βが略0となるように、支持円板
54を回転させる。例えば、俯角αが図17に示すよう
な角度である場合、俯角αを0にすべくステッピングモ
ータ601に上記モータ回転角に対応した極性の印加電
圧が所定時間印加されると、ステッピングモータ601
の回転軸が上記モータ回転角だけ回転するので、ミニチ
ュアボールネジ611の山が雌ネジ591の谷の内面を移
動し、雌ネジ591が多少のすべりを伴って上昇又は下
降する。これにより、雌ネジ591の上昇運動又は下降
運動がジョイント581及びジョイント573を介して支
持円板54の周縁部543に伝えられ、支持円板54が
ジョイント571を支点として上方又は下方へ回転す
る。この時、支持円板54は、周縁部542がジョイン
ト572を介してカバー56に取り付けられると共に、
周縁部544がジョイント574,582並びに雌ネジ5
2を介してステッピングモータ612の回転軸に取り付
けられたミニチュアボールネジ612によって支持され
ているので、これらによって動きが制約され、多少ひね
りが加わりつつ上方又は下方へ回転する。以上の動作に
より、俯角αが略0となる。この後、同様の動作によ
り、俯角βも略0となる。もちろん、1回の制御信号の
送出で俯角α,βが共に略0になるとは限らないので、
俯角α,βが共に許容誤差範囲内の角度になるまで、上
記動作を繰り返す。上記角度調節処理が終了すると、C
PU28は、ステップSQ5へ進む。
【0068】ステップSQ5において、CPU28は、
上記した焦点位置調節処理及び角度調節処理により、ア
クリル音響レンズ12の焦点位置が境界面Yに達し、し
かも超音波ビームパルスAiが境界面Yに対して略垂直
に入射するように調節されているので、上記角度調節処
理終了時にRAM27のエコーデータメモリエリアに格
納されている最大骨エコーレベルを読み出して表示器3
0に画面表示すると共に、右最大骨エコーレベルに基づ
いて音響インピーダンスZbを算出して表示器30に画
面表示する音響インピーダンス算出処理を実行する。こ
の音響インピーダンス算出処理は、図5に示すステップ
SP23〜SP26の処理と略同様であるので、その説
明を省略する。
【0069】上記構成によれば、焦点位置調節機構14
がアクリル音響レンズ12の焦点位置を境界面Yに達す
るように調節するだけでなく、角度調節機構55が超音
波ビームパルスAiが境界面Yに対して略垂直に入射す
るように直ちに調節するので、操作者は単にプローブ5
1を支持していれば良い。それゆえ、この例の骨粗鬆症
診断装置では、上記第1及び第2実施例よりもさらに操
作者の熟練度や操作の巧拙に拘らず、最大エコーを容易
に受波できるので、正確な測定を行うことができる。
【0070】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述した
実施例においては、焦点位置を境界面Yに合わせる際
に、計時回路31が骨エコー到達時間Tを計時し、この
骨エコー到達時間Tに基づいて、CPU28が、凹面1
2aから境界面Yまでの距離Lを算出して、この距離L
と予め知られた焦点距離fとを比較し、両者の差分に基
づいて焦点位置調節機構14によって超音波振動子11
及びアクリル音響レンズ12を移動させたが、計時回路
31を省略し、超音波振動子11の送受波面11aの皮
膚表面Xに対する角度を固定した上で、焦点位置調節機
構14によって超音波振動子11及びアクリル音響レン
ズ12を微少移動させながら、この状態での最大の骨エ
コーレベルが抽出された位置で焦点位置調節機構14を
停止させ、超音波振動子11及びアクリル音響レンズ1
2を固定させる構成としても良い。
【0071】また、上述した第1乃至第3実施例におい
ては、超音波振動子11,50は、円板状の厚み振動型
圧電素子の両面に電極層を形成する構成としたが、例え
ば、図18に示すように、球面状の超音波振動子71を
用いて、超音波ビームパルスを超音波振動子71の送受
波面の曲率中心で集束させ、音響レンズを廃する構成と
しても良い。この際、同図に示すように、超音波振動子
71を、両端面が共に上記送受波面の曲率中心と同一の
曲率中心を有する樹脂製又はゴム製の支持体72によっ
て支持するようにしても良い。また、上述した第1及び
第2実施例においては、単一の超音波振動子11を用い
たが、複数の超音波振動子を、例えば、同心円状や放射
状に配置するようにしても良い。さらに、球面状の超音
波振動子を用いて、電極を同心円状に分割して配置した
構成としても良い。また、トランスデューサを構成する
超音波振動子は、厚み振動型に限らず、撓み振動型でも
良い。同様に、使用中心周波数は、1MHzに限らな
い。さらに、上述した第1乃至第3実施例において、焦
点位置調節機構14及び角度調節機構55で用いたミニ
チュアボールネジに代えて、送りネジとして、例えば、
すべりネジを用いる構成としても良い。また、DCサー
ボモータ141に代えて、ACサーボモータ、又はステ
ッピングモータを用いるようにしても良いし、ステッピ
ングモータ601,602に代えて、DCサーボモータ、
又はACサーボモータを用いるようにしても良い。ま
た、上述した第1乃至第3実施例において、袋状容器1
3aは、蛇腹式に伸縮自在な構成でも良い。
【0072】さらに、上述した第3実施例において、ト
ランスデューサ1に代えて、第2実施例におけるトラン
スデューサ4を用いても良いことはもちろんである。ま
た、上述した第3実施例において、焦点位置調節処理
は、1回だけ行う例を示したが、これに限定されず、よ
り正確を期すために、角度調節処理の後もう1度焦点調
節処理を行っても良い。さらに、上述した第3実施例に
おいて、トランスデューサ11〜14は、受波のみの機能
しか有さない超音波振動子50を備えた構成としたが、
これに限定されず、トランスデューサ1と同様の構成と
すると共に、装置本体52に対応する4個のパルス発生
器21を設けても良い。この場合、上記した方法で俯角
α,βを求めるのではなく、各トランスデューサ1,1
1〜14を構成するアクリル音響レンズ12の凹面12a
から軟組織Maと皮質骨Mbとの境界面Yまでの距離L
をそれぞれ測定し、全ての距離Lが略等しくなるよう
に、角度調節機構55により支持円板54を駆動しても
良い。また、上述した第3実施例において、角度調節機
構55の構造は図13及び図14に示す構造に限定され
ない。例えば、支持円板54をカバー56に固定すると
共に、同一直線方向に設けられた3個のトランスデュー
サを支持円板54の対応する孔に遊貫支持し、さらに各
トランスデューサを各垂直軸を互いに平行な状態を保っ
たまま回転駆動することにより、各超音波トランスデュ
ーサを構成する各超音波振動子の送受波面及び受波面と
境界面Yにおける上記直線方向とがなす角度を連動して
変更する構造としても良い。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の超音波
トランスデューサによれば、超音波振動子から測定部位
である骨に向けて放射された超音波ビームパルスは、音
響レンズと伸縮自在な超音波遅延スペーサとを経て骨に
達するが、この際、音響レンズによって集束され、か
つ、超音波遅延スペーサの伸縮によって、超音波振動子
と骨との間の距離が調節されて、骨の表面に焦点が結ば
れるので、超音波ビームパルスの上記骨への入射方向と
骨の表面の法線方向とのずれに対する超音波振動子によ
って受波されるエコーのレベルの変化が緩やかとなる。
それゆえ、上記超音波トランスデューサを用いる骨粗鬆
症診断装置では、操作者の熟練度や操作の巧拙に拘ら
ず、最大エコーを容易に受波できるので、正確な測定を
行うことができる。また、超音波ビームパルスのビーム
は絞られているので、骨の曲率半径が小さくても、確実
かつ正確な測定を行うことができる。
【0074】また、請求項8及び9記載の発明によれ
ば、第1の駆動手段により第1の超音波トランスデュー
サを構成する超音波振動子と骨との間の距離が調節され
て、骨の表面に焦点が結ばれるだけでなく、第2の駆動
手段により超音波ビームパルスが骨面に対して略垂直に
入射するように直ちに調節されるので、操作者は単に超
音波トランスデューサユニットを支持していれば良い。
それゆえ、さらに操作者の熟練度や操作の巧拙に拘ら
ず、最大エコーを容易に受波できるので、正確な測定を
行うことができる。
【0075】さらに、骨の音響インピーダンスは、骨の
[弾性率×密度]の平方根で表されるので、骨密度の増
加に伴って弾性率が上昇するという、相乗効果を受ける
ために、音速以上に敏感に応答して顕著に増加する。逆
に、骨密度が減少して、弾性率が低下すると、(特性)
音響インピーダンスは、これらの相乗効果を受けて、音
速以上に敏感に応答して顕著に減少する。それゆえ、骨
の音響インピーダンスは、骨密度を判断する上で、良い
指標となる。例えば、骨の音響インピーダンスが、その
年齢層の平均値から著しく小さい場合には、骨の骨粗鬆
症が悪化していることが判る。また、骨の音響インピー
ダンスを骨密度の指標とする代わりに、骨の音響インピ
ーダンスの単調増加関数である軟組織と骨との界面での
超音波反射係数を骨密度の指標としても、上述したと同
様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である骨粗鬆症診断装置
の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】同装置の外観図である。
【図3】同装置に用いられるトランスデューサの構成を
示す断面図である。
【図4】同装置の使用状態を示す模式図である。
【図5】同装置の動作処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図6】同装置の動作の説明に用いられる説明図であ
る。
【図7】同装置の動作の説明に用いられる説明図であ
る。
【図8】同装置及び同トランスデューサに用いられる超
音波振動子と半径が異なる超音波振動子を用いた骨粗鬆
症診断装置によって得られる超音波ビームパルスの入射
角と超音波振動子によって受波されるエコーのレベルと
の関係、及び同装置に用いられるアクリル音響レンズの
凹面から皮質骨表面までの距離とエコーのレベルとの関
係を示す特性図である。
【図9】この発明の第2実施例である骨粗鬆症診断装置
に用いられるトランスデューサの構成を示す断面図であ
る。
【図10】同装置の動作の説明に用いられる説明図であ
る。
【図11】この発明の第3実施例である骨粗鬆症診断装
置の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】同装置の外観図である。
【図13】図12に示すプローブの透視斜視図である。
【図14】図13のA−A'断面図である。
【図15】同装置に用いられるトランスデューサの構成
を示す断面図である。
【図16】同装置の動作処理手順を示すフローチャート
である。
【図17】同装置の動作の説明に用いられる説明図であ
る。
【図18】この発明の第1実施例の変形例である骨粗鬆
症診断装置に用いられるトランスデューサの要部の構成
を示す断面図である。
【図19】従来技術を説明するための説明図である。
【図20】従来技術を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1,11〜14,4 トランスデューサ(超音波トランス
デューサ) 11,50,71 超音波振動子 12 アクリル音響レンズ(音響レンズ) 13 ウォータバッグ(超音波遅延スペーサ) 13a 袋状容器 13b 水(液体) 14 焦点位置調節機構(駆動手段の一部) 28 CPU(制御手段の一部、演算手段、判断手
段) 31 計時回路(計時手段) 32,63 駆動回路(駆動手段の一部) 41 絞り機構(絞り) 51 プローブ(超音波トランスデューサユニッ
ト) 55 角度調節機構(駆動手段の一部) Ai 超音波ビームパルス Ae 骨からのエコー Mb 皮質骨(骨)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波ビームパルスを生体内部に放射す
    ると共に、測定部位である骨からのエコーを受波するた
    めの超音波振動子と、 該超音波振動子から放射された前記超音波ビームパルス
    を集束させて焦点を結ばせるための音響レンズと、 該音響レンズと生体の皮膚表面との間に介挿され、前記
    焦点の位置を調節するための伸縮自在な超音波遅延スペ
    ーサとを備えてなることを特徴とする超音波トランスデ
    ューサ。
  2. 【請求項2】 収束ビーム束の超音波ビームパルスを生
    体内部に放射すると共に、測定部位である骨からのエコ
    ーを受波するための凹湾曲状の超音波振動子と、 該超音波振動子と生体の皮膚表面との間に介挿され、前
    記超音波ビームパルスの集束点の位置を調節するための
    伸縮自在な超音波遅延スペーサとを備えてなることを特
    徴とする超音波トランスデューサ。
  3. 【請求項3】 前記超音波遅延スペーサは、前記超音波
    ビームパルスの伝達方向に伸縮自在の袋状容器の中に生
    体の軟組織と音響学的に同質の液体が充填されてなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の超音波トランスデ
    ューサ。
  4. 【請求項4】 前記袋状容器は、蛇腹式に伸縮自在な構
    成とされていることを特徴とする請求項3記載の超音波
    トランスデューサ。
  5. 【請求項5】 前記音響レンズから射出される前記超音
    波ビームパルスのビームの広がりを制限するための絞り
    が付加されてなることを特徴とする請求項1,3又は4
    のいずれか1に記載の超音波トランスデューサ。
  6. 【請求項6】 超音波反射法により骨粗鬆症を診断する
    骨粗鬆症診断装置であって、 請求項1乃至5のいずれか1に記載の超音波トランスデ
    ューサを備えてなることを特徴とする骨粗鬆症診断装
    置。
  7. 【請求項7】 前記超音波ビームパルスが放射されてか
    ら骨からのエコーが前記超音波振動子の送受波面に戻っ
    てくるまでの往復時間を計時するための計時手段と、 前記往復時間に基づいて焦点調節信号又は集束点調節信
    号を出力する制御手段と、 前記焦点調節信号又は集束点調節信号に基づいて、前記
    超音波遅延スペーサを伸縮させることによって、前記超
    音波振動子と前記骨との間の距離を調節する駆動手段
    と、 前記骨からのエコーに基づいて前記骨の音響情報を算出
    する演算手段と、 該演算手段によって算出された前記骨の音響情報に基づ
    いて骨粗鬆症を判断する判断手段とを備えてなることを
    特徴とする請求項6記載の骨粗鬆症診断装置。
  8. 【請求項8】 超音波反射法により骨粗鬆症を診断する
    骨粗鬆症診断装置であって、 請求項1乃至5のいずれか1に記載の構成を有する第1
    の超音波トランスデューサと、該第1の超音波トランス
    デューサからいずれも等距離な位置に設けられ、それぞ
    れ少なくとも超音波を受波可能な超音波振動子を有する
    4個の第2の超音波トランスデューサとからなり、第1
    の直線方向に前記第1の超音波トランスデューサを挟ん
    で2個の第2の超音波トランスデューサが設けられ、前
    記第1の直線方向と直交する第2の直線方向に前記第1
    の超音波トランスデューサを挟んで残り2個の第2の超
    音波トランスデューサが設けられた超音波トランスデュ
    ーサユニットと、 前記超音波ビームパルスが放射されてから骨からのエコ
    ーが前記送受波面に戻ってくるまでの往復時間、前記超
    音波ビームパルスが放射されてから骨からのエコーが前
    記2個の第2の超音波トランスデューサを構成する超音
    波振動子の受波面でそれぞれ受波されるまでの第1及び
    第2の時間と、前記超音波ビームパルスが放射されてか
    ら骨からのエコーが前記残り2個の第2の超音波トラン
    スデューサを構成する超音波振動子の受波面でそれぞれ
    受波されるまでの第3及び第4の時間とを計時する計時
    手段と、 前記往復時間に基づいて焦点調節信号又は集束点調節信
    号を出力し、前記第1及び第2の時間に基づいて第1の
    角度調節信号を出力し、前記第3及び第4の時間に基づ
    いて第2の角度調節信号を出力する制御手段と、 前記焦点調節信号又は集束点調節信号に基づいて、前記
    超音波遅延スペーサを伸縮させることによって、前記第
    1の超音波トランスデューサを構成する超音波振動子と
    前記骨との間の距離を調節する第1の駆動手段と、 前記第1の角度調節信号に基づいて、前記第1の直線方
    向に設けられた前記第1の超音波トランスデューサと前
    記2個の第2の超音波トランスデューサを各垂直軸を互
    いに平行な状態に保ったまま回転駆動することにより、
    各超音波トランスデューサを構成する各超音波振動子の
    送受波面及び受波面と前記生体の骨面における第1の直
    線方向とがなす第1の角度を連動して変更すると共に、
    前記第2の角度調節信号に基づいて、前記第2の直線方
    向に設けられた前記第1の超音波トランスデューサと前
    記残り2個の第2の超音波トランスデューサを各垂直軸
    を互いに平行な状態に保ったまま回転駆動することによ
    り、各超音波トランスデューサを構成する各超音波振動
    子の送受波面及び受波面と前記生体の骨面における第2
    の直線方向とがなす第2の角度を連動して変更する第2
    の駆動手段と、 前記骨からのエコーに基づいて前記骨の音響情報を算出
    する演算手段と、 該演算手段によって算出された前記骨の音響情報に基づ
    いて骨粗鬆症を判断する判断手段とを備えてなることを
    特徴とする骨粗鬆症診断装置。
  9. 【請求項9】 超音波反射法により骨粗鬆症を診断する
    骨粗鬆症診断装置であって、 請求項1乃至5のいずれか1に記載の構成を有する第1
    の超音波トランスデューサと、該第1の超音波トランス
    デューサからいずれも等距離な位置に設けられ、それぞ
    れ超音波を送受波可能な超音波振動子を有する4個の第
    2の超音波トランスデューサとからなり、第1の直線方
    向に前記第1の超音波トランスデューサを挟んで2個の
    第2の超音波トランスデューサが設けられ、前記第1の
    直線方向と直交する第2の直線方向に前記第1の超音波
    トランスデューサを挟んで残り2個の第2の超音波トラ
    ンスデューサが設けられた超音波トランスデューサユニ
    ットと、 前記第1の超音波トランスデューサを構成する超音波振
    動子の送受波面から超音波ビームパルスが放射されてか
    ら骨からのエコーが前記送受波面に戻ってくるまでの第
    1の往復時間、前記第1の直線方向に設けられた2個の
    第2の超音波トランスデューサを構成する各超音波振動
    子の送受波面からそれぞれ超音波ビームパルスが放射さ
    れてから骨からのエコーが各送受波面に戻ってくるまで
    の第2及び第3の往復時間、前記第2の直線方向に設け
    られた残り2個の第2の超音波トランスデューサを構成
    する各超音波振動子の送受波面からそれぞれ超音波ビー
    ムパルスが放射されてから骨からのエコーが各送受波面
    に戻ってくるまでの第4及び第5の往復時間を計時する
    計時手段と、 前記第1の往復時間に基づいて焦点調節信号又は集束点
    調節信号を出力し、前記第2及び第3の往復時間に基づ
    いて第1の角度調節信号を出力し、前記第4及び第5の
    往復時間に基づいて第2の角度調節信号を出力する制御
    手段と、 前記焦点調節信号又は集束点調節信号に基づいて、前記
    超音波遅延スペーサを伸縮させることによって、前記第
    1の超音波トランスデューサを構成する超音波振動子と
    前記骨との間の距離を調節する第1の駆動手段と、 前記第1の角度調節信号に基づいて、前記第1の直線方
    向に設けられた前記第1の超音波トランスデューサと前
    記2個の第2の超音波トランスデューサを各垂直軸を互
    いに平行な状態に保ったまま回転駆動することにより、
    各超音波トランスデューサを構成する各超音波振動子の
    送受波面及び受波面と前記生体の骨面における第1の直
    線方向とがなす第1の角度を連動して変更すると共に、
    前記第2の角度調節信号に基づいて、前記第2の直線方
    向に設けられた前記第1の超音波トランスデューサと前
    記残り2個の第2の超音波トランスデューサを各垂直軸
    を互いに平行な状態に保ったまま回転駆動することによ
    り、各超音波トランスデューサを構成する各超音波振動
    子の送受波面及び受波面と前記生体の骨面における第2
    の直線方向とがなす第2の角度を連動して変更する第2
    の駆動手段と、 前記骨からのエコーに基づいて前記骨の音響情報を算出
    する演算手段と、 該演算手段によって算出された前記骨の音響情報に基づ
    いて骨粗鬆症を判断する判断手段とを備えてなることを
    特徴とする骨粗鬆症診断装置。
  10. 【請求項10】 前記演算手段は、前記骨の音響情報と
    して、前記骨の音響インピーダンス又は超音波反射係数
    を算出することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか
    1に記載の骨粗鬆症診断装置。
JP34549697A 1996-12-19 1997-12-15 超音波トランスデューサ及び該超音波トランスデューサを用いた骨粗鬆症診断装置 Pending JPH10229984A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34549697A JPH10229984A (ja) 1996-12-19 1997-12-15 超音波トランスデューサ及び該超音波トランスデューサを用いた骨粗鬆症診断装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33983496 1996-12-19
JP8-339834 1996-12-19
JP34549697A JPH10229984A (ja) 1996-12-19 1997-12-15 超音波トランスデューサ及び該超音波トランスデューサを用いた骨粗鬆症診断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10229984A true JPH10229984A (ja) 1998-09-02

Family

ID=26576546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34549697A Pending JPH10229984A (ja) 1996-12-19 1997-12-15 超音波トランスデューサ及び該超音波トランスデューサを用いた骨粗鬆症診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10229984A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101197923B1 (ko) * 2010-11-23 2012-11-05 강원대학교산학협력단 펄스-에코 초음파를 이용한 피질골 두께 측정방법 및 그 장치
CN114850013A (zh) * 2022-03-25 2022-08-05 江南造船(集团)有限责任公司 一种用于安装多波束系统箱体以及换能器阵安装方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101197923B1 (ko) * 2010-11-23 2012-11-05 강원대학교산학협력단 펄스-에코 초음파를 이용한 피질골 두께 측정방법 및 그 장치
CN114850013A (zh) * 2022-03-25 2022-08-05 江南造船(集团)有限责任公司 一种用于安装多波束系统箱体以及换能器阵安装方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1996018342A1 (fr) Dispositif et procede de diagnostic de l'osteoporose
JPS5930423B2 (ja) 超音波検査装置
US6413220B1 (en) Surface acoustic wave periodontal probe and method of detecting periodontal disease
TWI449518B (zh) 牙科植體骨整合期之骨缺損檢測系統及其控制方法
CN110831504A (zh) 混合弹性成像方法、用于混合弹性成像的探头和装置
JP2008073391A (ja) 超音波診断装置
JPH0523332A (ja) 探触子及びこの探触子を用いた超音波診断装置
JP2009077754A (ja) 皮下脂肪測定装置
JP2759808B2 (ja) 超音波診断装置
US5817020A (en) Apparatus and method for diagnosing osteoporosis
JPH0738857B2 (ja) 結石破砕装置
JPH08191834A (ja) 超音波計測装置
JPH10229984A (ja) 超音波トランスデューサ及び該超音波トランスデューサを用いた骨粗鬆症診断装置
JP2009160370A (ja) 超音波診断装置および超音波診断装置に利用される超音波プローブ
JPH10179575A (ja) 骨粗鬆症診断装置
JPH09292214A (ja) 超音波皮脂厚測定装置
JPH09224934A (ja) 骨粗鬆症診断装置
JPH1176230A (ja) 骨粗鬆症診断装置及び骨粗鬆症診断方法
JPH09220225A (ja) 骨粗鬆症診断装置
JP2535050B2 (ja) 超音波治療装置
JPH03267052A (ja) 超音波診断装置
Umchid et al. Ultrasound power meter with a three axis positioning system for therapeutic applications
JPH0535331Y2 (ja)
JPH09313483A (ja) 骨粗鬆症診断装置
JPH09224933A (ja) 骨粗鬆症診断装置