JPH10229753A - 土壌処理剤及び土壌処理方法 - Google Patents

土壌処理剤及び土壌処理方法

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JPH10229753A
JPH10229753A JP9054040A JP5404097A JPH10229753A JP H10229753 A JPH10229753 A JP H10229753A JP 9054040 A JP9054040 A JP 9054040A JP 5404097 A JP5404097 A JP 5404097A JP H10229753 A JPH10229753 A JP H10229753A
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JP
Japan
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soil
water
crosslinked polymer
acid amide
soil treatment
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JP9054040A
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Inventor
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
Tetsuo Wada
哲夫 和田
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G3/00Mixtures of one or more fertilisers with additives not having a specially fertilising activity
    • C05G3/80Soil conditioners

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Soil Sciences (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌中においても安定であり、塩分濃度の変
化においても膨潤度に影響を受けず、効率的に塩分の地
表への上昇をも防止できる難透水層を形成することが可
能な土壌処理剤及びそれを用いた土壌処理方法の提供。 【解決手段】 一般式(1)で表されるN−ビニルカル
ボン酸アミドの架橋重合体 CH2 =CR1 NR2 COR3 ・・・・(1) (式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ同一でも異
なっていてもよく水素またはメチル基を表す。)を主剤
として含む、土壌中に難透水層を形成するための土壌処
理剤及びそれを用いて難透水層を形成させることを特徴
とする土壌処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌中に難透水層
を形成するための土壌処理剤及びその土壌処理方法に関
する。特に地下に塩を含有する土壌に対し、水分の蒸発
により地下の塩が地表に上昇することを防止することな
どの目的として、地中に難透水層を形成させるための土
壌処理剤およびその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】砂漠や海岸の埋立地などの土壌には植物
の成長に有害な塩類、例えば塩化ナトリウムが多量に含
まれ、農作等の植物栽培に不向きな場合がある。また長
期間の耕作の結果、初めは塩分濃度が問題でなかったの
に、徐々に地表の塩分濃度が上昇して農作不可能となっ
た場合も多く見られる。これらの場合、塩分は地表部分
からなんらかの手段で除去できたとしても、日中の水分
の蒸発に伴って、地中の塩分は水分とともに地表付近に
上昇し、地表の塩分濃度を上昇させてきた。そのため、
地表の塩分濃度を調整するための恒久的な土質改良に
は、地中の塩分が地表部分に滲出するのを防止する手段
を講じることが必要になる。これまで、このような塩分
の滲出を防止する方法としては、地中にプラスチックシ
ートを敷設する方法、アスファルト層を設ける方法、セ
メント、水ガラスなどの無機系硬化剤、ウレタン、アク
リルアミド、アクリル酸塩類などの不溶性高分子を形成
する土壌処理剤の水溶液を注入ノズルにより地中に加圧
注入し、地中で反応させて止水層(不透水層)を形成さ
せる方法が知られている。
【0003】しかしながら、地中にプラスチックシート
を敷いたり、アスファルト層を設ける方法は、土地を全
面にわたって掘り起こし、また埋め戻すという操作が煩
雑であるというだけでなく、敷設した層が完全に透水を
遮断するため、しばしば、土層の浅い部分に塩分を含ん
だ停滞水の存在を許す結果、表層土の塩類集積を招きや
すいなどの問題がある。また、セメントその他の処理剤
を注入するには、注入点をできるだけ多くしなければな
らない等、操作が繁雑で実用上必ずしも満足しうるもの
とはいえない。
【0004】また、ポリアクリル酸と他の水溶性ポリマ
ーとの混合物またはアクリル酸と他の水溶性ポリマーを
生成しうるモノマーとの共重合ポリマーの水溶液を地表
より散布し、土壌中のイオンにより不溶化させ、地中に
おいて不透水層を形成させる方法(特公平2−2666
2号公報)が開示されている。しかしこのポリアクリル
酸系ポリマー水溶液を散布する方法の場合、水溶液の粘
度が高くなると土壌中にしみ込む速度が遅くなり、土壌
表面に多量吸着されやすく、扱いも困難になる。またこ
れを避けるために、水溶液粘度を下げ希薄水溶液を用い
ると、有効な不透水層を形成させるためには多量の水溶
液の散布が必要となり効率が低下する。いずれの場合に
おいても、必然的に地表面に残留するポリマー水溶液が
乾燥することによる表土の固化が避けられなかった。
【0005】またここに使用されているポリマーはアニ
オン系のポリマーのため、不透水層を形成した後も土壌
中の多価金属イオンとの反応をが進行し、さらに架橋が
進み形成された不透水層が固くなり収縮して、その機能
を果たさなくなる。特に、この系の土壌処理剤は、塩分
濃度が高い時には膨潤度が減少し、塩分の低い時ほど遮
水効果が発揮できない難点がある。またこのアニオン系
ポリマーは、吸水膨潤した後の耐光安定性がないため、
地表面に露出すると分解されやすい等の問題があった。
更にこの系の土壌処理剤は、イオン性(アニオン性)ポ
リマーであるため土壌中の塩の種類や濃度またはpHに
よって、形成される不透水層の透水性が大きく変化し、
また日光(UV)によっても分解が進行するため持続性
の面からもその有効性に懸念が持たれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、土壌中にお
いても安定であり、塩分濃度の変化においても膨潤度に
影響を受けず、効率的に塩分の地表への上昇をも防止で
きる難透水層を形成することが可能な土壌処理剤及びそ
れを用いた土壌処理方法の開発を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 一般
式(1)で表されるN−ビニルカルボン酸アミドの架橋
重合体 CH2 =CR1 NR2 COR3 ・・・・(1) (式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ同一でも異
なっていてもよく水素またはメチル基を表す。)を主剤
として含む、土壌中に難透水層を形成するための土壌処
理剤、(2) 土壌中に、一般式(1)で表されるN−
ビニルカルボン酸アミドの架橋重合体からなる難透水層
を形成させることを特徴とする土壌処理方法、(3)
難透水層の形成を、粉末状または顆粒状の一般式(1)
で表されるN−ビニルカルボン酸アミドの架橋重合体の
散布によって行う(2)記載の土壌処理方法、(4)
難透水層を形成する際に、一般式(1)で表されるN−
ビニルカルボン酸アミドの架橋重合体を、面積1平方メ
ートル当たり50〜500g使用する(2)または
(3)記載の土壌処理方法、及び(5) 難透水層の形
成を、一般式(1)で表されるN−ビニルカルボン酸ア
ミドの架橋重合体を含む吸水シートを敷設することから
なる(1)記載の土壌処理方法を開発することにより上
記の目的を達成した。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の土壌処理方法を適用する
土壌は、砂漠、海岸の埋立地など、すでに表土に塩分を
多量含有する土地で、岩石の物理的風化に伴い生成する
土壌中に溶脱されてくるナトリウム、マグネシウム、カ
ルシウム、カリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金
属を含む土壌や、地中深部に塩分が存在するような農
地、開墾地などの土壌である。本発明において使用され
る土壌処理剤は、従来のアニオン系吸水性樹脂に較べて
ノニオン性であるため塩分の影響を受けることが少な
く、また耐光性に優れたN−ビニルカルボン酸アミド系
架橋重合体を使用しているので、土壌中の塩の種類や濃
度またはpHに影響を受けず、広範な土中の塩濃度でも
安定した難透水層を形成し、日光に対しても安定で持続
性の優れた難透水層を形成し、地中から塩分の上昇を防
止することを可能にしたものである。本発明の難透水層
は、塩化ビニルなどのプラスチックシートを敷いた不透
水層とは異なり、土壌ほどの透水性はなく、また完全な
不透水層とはならず、水がその表面ににじみ出す程度の
透水性を有している。
【0009】本発明に用いられる土壌処理剤の主成分
は、一般式(1)で表されるN−ビニルカルボン酸アミ
ドの架橋重合体 CH2 =CR1 NR2 COR3 ・・・・(1) (R1 、R2 およびR3 は、それぞれ同一でも異なって
いてもよく、水素またはメチル基を表す。)である。具
体的にはモノマー成分としては、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニル
ホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミドが
挙げられるが、N−ビニルアセトアミドが特に好まし
い。この架橋重合体は、上記のN−ビニルカルボン酸ア
ミドと、1分子中に重合可能な不飽和基を少なくとも2
個以上有する化合物(以下「架橋剤」という)を酸素の
存在しない条件下でラジカル重合開始剤を用いることに
より製造することができる。この重合プロセスについて
は必ずしも限定されないが、従来ポリアクリル酸ソーダ
架橋物の製造方法として採用されている、水溶液重合、
逆相懸濁重合、沈殿析出重合等を採用することができ、
その具体例は特開平3−223304、特開平4−23
0250および特開平4−346833に記載されてい
る。
【0010】上記架橋重合体の製造において使用される
架橋剤の具体例としては、N,N’−メチレンビスアク
リルアミド、ジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジビニルベンゼン、N,N−アルキレンビス(N−ビニ
ルアセトアミド)化合物[例えば、N,N’−1,4−
ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N’−
ジアセチルN,N’−ジビニル−1,3−ビスアミノメ
チルシクロヘキサンなど]、ペンタエリスリトールトリ
アリルエーテル、テトラアリルオキシエタンなどが挙げ
られ、これらは一種または必要により二種以上を用いる
ことができる。これら架橋剤の使用量は重合成分を基準
として2×10-4〜10モル%、好ましくは5×10-4
〜2モル%の範囲である。
【0011】上記架橋重合体の製造において使用される
重合開始剤は、従来知られている過酸化物、有機過酸あ
るいは無機過酸もしくはそれらの塩の単独またはそれら
と還元剤との組み合わせによるレドックス系のものまた
はアゾビス系化合物が用いられる。これらの中で特に好
ましいものはアゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸
塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン]二塩酸塩などのアゾビス系開始剤で
ある。また、重合開始剤の使用量は重合成分を基準とし
て0.0005〜5モル%、特に好ましくは0.005
〜0.5モル%である。重合開始温度は通常−10〜8
0℃程度であり、反応時間は0.5〜30時間程度であ
る。
【0012】さらに、上記のN−ビニルカルボン酸アミ
ド系架橋重合体には必要に応じて他の非イオン性モノマ
ーを共重合することができる。共重合可能なモノマーと
しては、ヒドロキシル基により置換された低級アルキル
の(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、酢
酸ビニル、低級アルキルビニルエーテル、低級アルキル
ビニルケトン等が挙げられ、N−ビニルカルボン酸アミ
ドの架橋重合体本来の吸水性を損なわない範囲に共重合
するもので、共重合成分の割合は多くとも全モノマー重
量の50重量%未満とすべきである。
【0013】本発明の土壌処理法においては、まず、処
理すべき土壌の上にN−ビニルカルボン酸のアミド架橋
重合体を主成分として含む難透水層を形成する。該難透
水層を形成するためにN−ビニルカルボン酸アミド系架
橋重合体の添加量は、該重合体の物性および栽培される
植物の耐乾燥性などによって異なるが、通常土地面積1
平方メートル当り50g以上が好ましく、200g以上
500g未満がより好ましい。このような添加量によ
り、難透水層を形成する樹脂層の均一性が保たれ、難透
水効果が充分に発揮される。なお貯水槽、堤防などのよ
うに不透水層を必要とする時は1平方メートル当たり5
00g以上添加することにより不透水層を形成すること
もできる。
【0014】前記難透水層の形成方法としては、特に限
定されないが、例えば、粉末状あるいは顆粒状のN−ビ
ニルカルボン酸アミド系架橋重合体からなる土壌処理剤
を散布する方法、N−ビニルカルボン酸系アミド架橋重
合体を含むシートの敷設する方法、さらにはその上に覆
土する方法を用いることができる。これらの方法は、従
来法に比べて難透水層が容易に形成すること及び大幅に
労力が軽減でき、さらに表土固化の弊害も回避できる。
粉末状または顆粒状の架橋重合体を散布する場合、その
粒子の粒径は平均粒径として0.05〜10mmが好ま
しく、0.1〜1mmがより好ましい。粒径がこの範囲
より小さいと飛散しやすくなり作業性が悪く、難透水層
の形成を効率的に行うことができず、またこれより粒径
が大きいと、吸水後に緻密な難透水層の形成が困難とな
り透水性が残り易く好ましくない。この粉末状または顆
粒状の土壌処理剤の場合には、必要によりバインダー
(皮膜形成物質)、増量剤、防腐剤、殺菌剤、殺虫剤、
酸化防止剤、脱臭剤、除草剤、土壌殺虫剤、肥料、など
を含有または混合させることもできる。
【0015】また土壌処理剤がN−ビニルカルボン酸ア
ミド系架橋重合体を含むシートの場合には特に限定され
ないが、例えば織布、不織布、水溶性フィルム、紙など
のシート状の吸水性あるいは透液性担体を用い、この担
体の片面あるいは両面に前記土壌処理剤を塗布あるいは
粘着された構成のシート、あるいは同様の担体を2枚用
いてこれらの担体の間に粉末状もしくは顆粒状またはシ
ート状の土壌処理剤が挾持された構成のシート、織布に
土壌処理剤を織り込んだ構成のシート、紙あるいは不織
布に土壌処理剤をすき込んだ構成のシートなどが挙げら
れる。吸水性シート敷設の場合は難透水層は切れめのな
い連続平面層となるため効率は大幅にアップする。上記
吸水性シートの厚みは、0.05〜30mmが好まし
く、1〜10mmがより好ましい。上記シート状土壌処
理剤において、N−ビニルカルボン酸アミド系架橋重合
体は担体に対して通常5〜90%、好ましくは10〜3
0%含有される。
【0016】このようにして形成される上記難透水層の
深さは、栽培される植物の根の生長範囲(根圏)の深さ
や、地下水脈の深さを勘案して形成されることが好まし
い。したがって、栽培する植物の種類によって、難透水
層上の覆土の量が適宜設定される。さらに、形成される
難透水層の作用をより高めるために、粉末状または顆粒
状の土壌処理剤の散布あるいはN−ビニルカルボン酸ア
ミド架橋重合体を含有する吸水シートを敷設した後に、
散水し架橋重合体を充分に膨潤させ難透水層を形成後覆
土したり、あらかじめ粉末状あるいは顆粒状の架橋重合
体に水を吸水させ、膨潤したゲル状物を散布し覆土する
とより好ましい。
【0017】本発明の塩含有土壌の処理方法を砂漠の緑
化等に適用するには、地面に粉末状または顆粒状の土壌
処理剤(N−ビニルカルボン酸アミド系架橋重合体)の
散布あるいはN−ビニルカルボン酸アミド系架橋重合体
を含有する吸水シートの敷設により難透水層を形成し、
この難透水層の上部に、栽培される植物に適した量の砂
または培土を覆土して、整地を行う。あるいはその砂漠
に栽培される植物に適した深さまで砂を掘り起こして、
粉末状または顆粒状の架橋重合体の散布または架橋重合
体を含有する吸水シートの敷設により難透水層を形成し
た後、掘り起こした砂を埋め戻して、整地を行うことも
できる。
【0018】上述の方法で難透水層を形成することによ
り、砂漠等において塩分、地下水の挙動を制御すること
ができる。すなわち、灌漑水および雨水など、地下に浸
透した水はこの難透水層により地中への浸透を防止され
その上面に滞留し、毛管現象により再び土壌表面を湿潤
させる。しかし、この難透水層は完全な不透水層でない
ため、塩分を含んだ水は一部この層を通り抜けさらに地
中に浸透するため塩分の堆積は軽減される。また、地表
が乾燥して塩分濃度の高い地下水が上昇してきたり、地
下水位が上昇してくると、この難透水層でその大部分は
堰き止められるため土壌表面への塩類の進入を制御でき
る。特に本発明のN−ビニルカルボン酸アミド系架橋重
合体からなる土壌処理剤は、従来のアクリル酸系土壌処
理剤において膨潤量が小さくなる塩分濃度の高い地下水
においても、塩分濃度の小さい場合と同様に膨潤するた
め、地中深いところから上昇してくる塩分濃度の高い地
下水の表土への浸出を効果的に防止することができる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)20mlのプラスチック製メスシリンダー
(内径:14mm)の底部に穴を開け、この中に砂(粒
径0.1〜1mm)10mlを充填した。この上に、N
−ビニルアセトアミド単独架橋体(以下NVA単独架橋
体という) 0.05g(粒径0.2〜0.5mm品)
を散布した。さらにこの上に砂5mlを充填した。次に
メスシリンダーごとその底部を1%塩化ナトリウム水溶
液の中に漬けた。水溶液は底部より浸透し、難透水層の
ところで止まった。その後4日経ってもNVA単独架橋
体が膨潤し、NVA単独架橋体層(難透水層)は透明に
なったが、形成された難透水層を超えて水溶液は浸透し
なかった。
【0020】(実施例2)NVA単独架橋体の粉末を2
枚の水溶性紙の間に100g/m2 になるように挟み担
持したシートを直径14mmの円形に切り抜き、これを
実施例1と同様に10mlの平坦にした砂の上に置き、
さらに5mlの砂を充填した。そして同様の浸透試験を
行ったが、形成された難透水層を超えて水溶液は浸透し
なかった。
【0021】(実施例3)実施例1〜4で用いたNVA
単独架橋体に、1〜20%塩化ナトリウム水溶液を吸液
させた時の飽和吸液倍率の変化を表1に示す。また、同
様にNVA単独架橋体に1%塩化ナトリウム水溶液を吸
液させたものを、紫外光(25℃、紫外光強度、350
μw/cm2 )暴露しその吸液倍率の変化を観察した。
その結果を、表2に示す。ここでいう飽和吸液倍率と
は、各濃度の水溶液200mlを300mlのビーカー
に入れ、スターラーで激しく撹拌しながら上記架橋体粉
末1.0gをゆっくり添加する。架橋体粉末が液中に充
分に分散した後撹拌を止め、2時間静置後、200メッ
シュの金網製の篩で、膨潤したゲル状物を濾過し、篩の
上のゲル状物の重量を測定した値を示す。吸液倍率は、
以下の式で算出した。
【0022】(比較例1)NVA単独架橋体に代えて、
アクリル酸ソーダ架橋体を用いて実施例5と同様に、塩
化ナトリウム水溶液の吸液倍率の変化と耐光安定性を試
験した。その結果を表1及び表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明の土壌処理剤は、一元系(ポリマ
ー)であり、従来の二元系(ポリマー及び金属塩)の有
する不都合な点(混合比、混合方法、取扱方など)の問
題がなく、地下に塩分を含有している土壌または塩類含
有土壌に対して、非イオン性であり従来のアニオン系吸
水性樹脂に比べて塩の影響を受けにくく、耐光性に優れ
たN−ビニルカルボン酸アミド系架橋重合体を主成分と
する土壌処理剤及びそれを用いて土壌中に難透水層を形
成し、地表に地下からの塩分を含有する地下水の浸出を
防止に成功した土壌処理方法である。この土壌処理剤
は、粉末、顆粒状の土壌処理剤の散布または吸水シート
を敷設し、難透水層を形成した後に覆土するため、土壌
処理剤散布時の労力が軽減できるだけでなく、土壌処理
剤の水溶液散布などによる表土の固化現象を完全に避け
ることができる。また本発明の土壌処理剤は耐塩性があ
りかつ地下水中の塩分濃度が低い時はもちろん、これが
高くとも同様に難透水性が発揮でき、かつ耐光性に優れ
ているため、露出等による性能の低下も見られないもの
である。このため、本発明は地下に塩分を含有する砂
漠、海岸の埋立地などの土壌の塩害の可能性の高い地帯
の土壌処理剤及び土壌処理方法として有用なものであ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるN−ビニルカル
    ボン酸アミドの架橋重合体 CH2 =CR1 NR2 COR3 ・・・・(1) (式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ同一でも異
    なっていてもよく水素またはメチル基を表す。)を主剤
    として含む、土壌中に難透水層を形成するための土壌処
    理剤。
  2. 【請求項2】 土壌中に、一般式(1)で表されるN−
    ビニルカルボン酸アミドの架橋重合体からなる難透水層
    を形成させることを特徴とする土壌処理方法。
  3. 【請求項3】 難透水層の形成を、粉末状または顆粒状
    の一般式(1)で表されるN−ビニルカルボン酸アミド
    の架橋重合体の散布によって行う請求項2記載の土壌処
    理方法。
  4. 【請求項4】 難透水層を形成する際に、一般式(1)
    で表されるN−ビニルカルボン酸アミドの架橋重合体
    を、面積1平方メートル当たり50〜500g使用する
    請求項2または3記載の土壌処理方法。
  5. 【請求項5】 難透水層の形成を、一般式(1)で表さ
    れるN−ビニルカルボン酸アミドの架橋重合体を含む吸
    水シートを敷設することからなる請求項2記載の土壌処
    理方法。
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