JPH10229053A - 埋立方法及びその装置並びに半導体素子製造装置 - Google Patents

埋立方法及びその装置並びに半導体素子製造装置

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JPH10229053A
JPH10229053A JP3365297A JP3365297A JPH10229053A JP H10229053 A JPH10229053 A JP H10229053A JP 3365297 A JP3365297 A JP 3365297A JP 3365297 A JP3365297 A JP 3365297A JP H10229053 A JPH10229053 A JP H10229053A
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JP
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substrate
semiconductor substrate
hole
landfill
solid
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JP3365297A
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English (en)
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Takashi Obara
隆 小原
Mutsuki Yamazaki
六月 山崎
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、半導体基板のコンタクトホールの入
口が塞がったりその中に空洞ができることなくコンタク
トホール内を導電性材料で埋め込む。 【解決手段】チャンバ10内の導電性材料5を含む固体
原料11に対し、パルスレーザ発振器16から波長24
8nmのエキシマレーザ光を照射し、固体原料11を蒸
発させて半導体基板11のコンタクトホールの中に導電
性材料5の埋立てを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体メモ
リ等の集積回路を製造するもので、複数の素子が多層に
形成された半導体基板のコンタクトホールと呼ばれる穴
に導電性材料を埋める埋立方法及びその装置並びに半導
体素子製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータに必要不可欠なDRAMな
どの素子が集積された電子部品は、限られた面積で多く
のメモリ容量を得るために年々集積度が高くしようとし
て開発されている。
【0003】このような電子部品を構成する素子は、リ
ソグラフィー技術を基にSiなどの半導体基板内におい
て限られた領域の抵抗を制御したり、又、薄膜を積層し
た後、微細加工を行うことで形成されている。
【0004】そして、集積度が高くなるに伴って微細加
工により作られたパターンの幅は狭くなり1MbitD
RAMでは、最も細い線の幅が1μm以下になってい
る。さらに、大きな集積度の半導体メモリを作製するに
は、さらに高度な微細加工技術が必要になるが、リソグ
ラフィーに用いる光源の波長、レジストの特性などから
限界に近いところまできている。
【0005】そこで、基板上に複数の面内(すなわち多
層)に半導体メモリ等の素子を作製することで三次元的
に積み重ねて集積度を高くしている。この場合、複数の
面内に形成された各素子間を導電材料で配線して接続す
る必要がある。
【0006】これら素子間の接続方法としては、複数の
面内(すなわち多層)に素子を作製した後、基板にコン
タクトホールと呼ばれる穴を開け、この穴内にAlやC
uなどの導電性材料を埋め込み、その上の面内に作製し
た素子と接続している。
【0007】このAlやCuなどの導電性材料を埋め込
む方法は、CVD、スパッタリング、真空蒸着などの方
法によりAlやCuを原子状態或いはクラスター状にし
て穴の中に供給することで行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
スパッタリング、真空蒸着などの物理蒸着法により作製
すると、穴の中の方までAlやCuが到達せず、穴の入
口付近に多く付着してしまい、穴入口が塞がりその中に
空洞ができてしまう。
【0009】図12はスパッタリングにより穴(凹部)
中に成膜した一例を示しており、半導体基板1上には絶
縁膜2が形成され、その上面にTiNなどのバリアメタ
ル3が形成されている。
【0010】先ず、同図(a) に示すように半導体基板1
上の絶縁膜2に穴(以下、コンタクトホールととして説
明する)4が形成され、この後に、同図(b) に示すよう
に絶縁膜2及びコンタクトホール4内にスパッタリング
により導電性材料5が堆積されていく。
【0011】しかしながら、蒸着粒子が各方向からコン
タクトホール4に堆積するので、導電性材料5の堆積後
は、同図(c) に示すようにコンタクトホール4の入口は
塞がりその中に空洞ができてしまう。
【0012】このため、電気抵抗が高く必要な電流を流
そうとすると、発熱量が多くなり、素子が破壊されると
いう不具合が生じる。一方、CVDでコンタクトホール
4中に成膜する場合は、スパッタリングのように素子が
破壊されるという不具合は生じないが、成膜時の処理温
度が高く、ドーピング元素及び各層間での相互拡散など
が起こることを考慮しなくてはならない。
【0013】又、これら物理蒸着法、CVDによる方法
で作製する場合、コンタクトホール4の開いていない部
分にもAlやCuなどの導電性材料が付着するので全て
の素子がショートしてしまう可能性が高い。
【0014】このため、コンタクトホール4を埋めた
後、不要な部分に付着したAlやCuなどの導電性材料
は、化学的処理によって取り除いている。これにより、
複数の層間の各素子を接続するためには、少なくとも1
つ以上の工程が増えるという不具合がある。
【0015】そこで本発明は、穴の入口が塞がったりそ
の中に空洞ができることなく穴を埋め込むことができる
埋立方法及びその装置を提供することを目的とする。
又、本発明は、半導体基板のコンタクトホール入口のみ
が塞がったりコンタクトホール中に空洞ができることな
くコンタクトホールを導電性材料で埋め込むことができ
る半導体素子製造装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、複数
の素子が多層に積み重ねられた基体に穴を形成し、この
穴の中に基体と異なる材料を埋める埋立方法において、
基体と異なる材料を含む固体原料に対し、所定波長以下
のレーザ光を照射し、固体原料を蒸発させて基体の前記
穴の中へ基体と異なる材料を埋立てる埋立方法である。
【0017】請求項2によれば、請求項1記載の埋立方
法において、レーザ光は、400nm以下の波長であ
る。請求項3によれば、請求項1記載の埋立方法におい
て、基体と固体原料との間隔は、10cm以下である。
【0018】請求項4によれば、請求項1記載の埋立方
法において、物理蒸着による基体の穴の中への成膜を1
-6Torr以上の高真空下、又は10-5Torr以上5Torr以
下の不活性ガス雰囲気中で行う。
【0019】請求項5によれば、請求項1記載の埋立方
法において、レーザ光の繰り返し周波数を、10Hz以
上で固体原料に照射する。請求項6によれば、請求項1
記載の埋立方法において、レーザ光の平均のフルーエン
スは、0.5J/cm2 以上2.0J/cm2 以下に調
整されている。
【0020】請求項7によれば、請求項1記載の埋立方
法において、固体原料に照射するレーザ光の領域の所定
割合が重複するようにレーザ光の走査速度及び固体原料
の移動速度を制御する。
【0021】請求項8によれば、複数の素子が多層に積
み重ねられた基体に穴を形成し、この穴の中に基体と異
なる材料を埋める埋立装置において、高真空又は不活性
ガス雰囲気のチャンバと、このチャンバ内に配置された
基体と異なる材料を含む固体原料と、所定波長以下のレ
ーザ光を出力するパルスレーザ発振器と、このパルスレ
ーザ発振器から出力されたレーザ光を固体原料に対して
所定のビーム形状に形成して照射する光学系とを備え、
固体原料を蒸発させて基体の前記穴の中に基体と異なる
材料により埋立てを行う埋立装置である。
【0022】請求項9によれば、請求項8記載の埋立装
置において、チャンバ内は、10-6Torr以上の高真空
下、又は10-5Torr以上5Torr以下の不活性ガス雰囲気
中である。
【0023】請求項10によれば、請求項8記載の埋立
装置において、パルスレーザ発振器は、400nm以下
の波長、10Hz以上の繰り返し周波数、0.5J/c
2以上2.0J/cm2 以下の平均フルーエンスに調
整されたレーザ光を出力する。
【0024】請求項11によれば、請求項8記載の埋立
装置において、基体と固体原料との間隔は、10cm以
下に設定されている。請求項12によれば、請求項8記
載の埋立装置において、固体原料に照射されるレーザ光
の照射領域の所定割合が重複するようにレーザ光を走査
する走査手段を備えた。
【0025】請求項13によれば、複数の素子が多層に
積み重ねられた半導体基板に穴を形成し、この穴の中に
導電性材料を埋め込んで各素子間を接続する半導体素子
製造装置において、高真空又は不活性ガス雰囲気のチャ
ンバと、このチャンバ内に配置された導電性材料を含む
固体原料と、波長400nm以下のレーザ光を出力する
パルスレーザ発振器と、このパルスレーザ発振器から出
力されたレーザ光を固体原料に対して所定のビーム形状
に形成して照射する光学系とを備え、固体原料と半導体
基板との間隔を10cm以下にし、固体原料を蒸発させ
て穴の中に導電性材料の埋立てを行う半導体素子製造装
置である。
【0026】請求項14によれば、複数の素子が多層に
積み重ねられた基体に穴を形成し、固体原料を蒸発させ
て穴の中に基体と異なる材料を埋める埋立方法におい
て、基体表面を構成する物質に対して励起エネルギーを
与える埋立方法である。
【0027】請求項15によれば、請求項14記載の埋
立方法において、固体原料に対してイオンビーム又はレ
ーザ光を照射して固体原料を蒸発させる。請求項16に
よれば、請求項14記載の埋立方法において、励起エネ
ルギーとしては、イオンビーム又はレーザ光を基体面に
対して60度以下の角度で照射する。
【0028】請求項17によれば、請求項14記載の埋
立方法において、励起エネルギーとしては、不活性ガス
雰囲気に高周波電力を供給してプラズマを発生させる。
請求項18によれば、請求項15記載の埋立方法におい
て、イオンビーム又はレーザ光は、基体へ蒸着される固
定原料が蒸発した粒子の持つ運動エネルギーの少なくと
も1.2倍以上のエネルギーを持つ。
【0029】請求項19によれば、請求項14記載の埋
立方法において、基体の穴の中への埋立てを10-5Torr
以下の減圧下、又は0.1Torr以下の不活性ガス雰囲気
中で行う。
【0030】請求項20によれば、請求項14記載の埋
立方法において、基体に対するイオンビーム又はレーザ
光の照射タイミング、及びプラズマの発生タイミング
は、穴の深さの1%以上50%以下の厚さまで堆積した
後である。
【0031】請求項21によれば、請求項14記載の埋
立方法において、基体に照射するイオンビーム又はレー
ザ光の停止タイミング、及びプラズマ発生の停止タイミ
ングは、穴が完全に埋まるのに要する時間の60%以上
経過したときである。
【0032】請求項22によれば、複数の素子が多層に
積み重ねられた基体に穴を形成し、固体原料を蒸発させ
て穴の中に基体と異なる材料を埋める埋立装置におい
て、高真空又は不活性ガス雰囲気のチャンバと、固体原
料にイオンビーム又はレーザ光を照射して固体原料を蒸
発させるビーム出力手段と、基体表面を構成する物質に
対して励起エネルギーを与える励起エネルギー手段と、
を備えた埋立装置である。
【0033】請求項23によれば、請求項22記載の埋
立装置において、励起エネルギー手段は、イオンビーム
を出力するイオン源、レーザ光を出力するレーザ発振
器、又は不活性ガス雰囲気に高周波電力を供給してプラ
ズマを発生させる機能を有する。
【0034】請求項24によれば、請求項23記載の埋
立装置において、イオン源から出力されるイオンビーム
又はレーザ発振器から出力されるレーザ光は、基体へ蒸
着される固体原料が蒸発した粒子の持つ運動エネルギー
の少なくとも1.2倍以上のエネルギーを持つ。
【0035】請求項25によれば、請求項22記載の埋
立装置において、チャンバ内は、10-5Torr以下の減圧
下、又は0.1Torr以下の不活性ガス雰囲気である。請
求項26によれば、請求項22記載の埋立装置におい
て、イオンビーム又はレーザ光の基体に対する照射及び
プラズマの発生タイミングは、穴の深さの1%以上50
%以下の厚さまで堆積した後に制御し、一方、停止タイ
ミングは、穴が完全に埋まるのに要する時間の60%以
上経過したときに制御する制御手段を備えた。
【0036】請求項27によれば、複数の素子が多層に
積み重ねられた半導体基板に穴を形成し、固体原料を蒸
発させて穴の中に導電性材料を埋め込んで各素子間を接
続する半導体素子製造装置において、高真空又は不活性
ガス雰囲気のチャンバと、固体原料にイオンビーム又は
レーザ光を照射して固体原料を蒸発させるビーム出力手
段と、半導体基板表面を構成する物質に対して励起エネ
ルギーを与える励起エネルギー手段と、を備えた半導体
素子製造装置である。
【0037】請求項28によれば、請求項27記載の半
導体素子製造装置において、励起エネルギー手段は、イ
オンビームを出力するイオン源、レーザ光を出力するレ
ーザ発振器、又は不活性ガス雰囲気に高周波電力を供給
してプラズマを発生させる機能を有する。
【0038】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参
照して説明する。本発明の埋立方法は、複数の素子が多
層に積み重ねられた基体、例えば半導体基板に穴(コン
タクトホール)を形成し、このコンタクトホールの中に
半導体基板と異なる材料、例えば複数の素子間を接続す
るための導電性材料を埋める埋立方法において、導電性
材料を含む固体原料に対し、レーザ蒸着法を用い、所定
波長以下、例えば波長400nm以下のレーザ光を照射
し、この固体原料を蒸発させて物理蒸着により半導体基
板のコンタクトホールの中に導電性材料の成膜を行うも
のである。
【0039】図1はかかる埋立方法を適用した半導体素
子製造装置の構成図である。気密可能なチャンバ10内
は、10-6Torr以上の高真空下、又は10-5Torr以上5
Torrの不活性ガス雰囲気となっている。
【0040】このチャンバ10内は、10-6Torr以上の
高真空下に調整してもよいが、10-5Torr以上5Torr以
下、好ましくは0.5Torr以下、さらに好ましくは0.
05Torr以下のAr等の不活性ガス雰囲気に調整しても
よい。
【0041】このような不活性ガス雰囲気の場合、後述
する固体原料14からたたき出された電子により導入ガ
スのプラズマが発生し、その熱が固体原料14からの蒸
発を促進させるので、蒸発速度が速くなるという利点が
ある。なお、圧力が5Torr以上になると、蒸発した原子
等の平均自由行程が短くなり、Ar原子との衝突により
運動エネルギーが小さくなり過ぎるので好ましくない。
【0042】このチャンバ内には、半導体基板11を保
持して移動させる基板ホルダー12を備えた移動機構1
3が設けられている。この半導体基板11は、上記の如
く半導体メモリなどの複数の素子が多層に積み重ねられ
たもので、これら各層間の各素子を接続するためのコン
タクトホール4が形成されている。このコンタクトホー
ル4は、例えば直径1μm、深さ3μmに開けられてい
る。
【0043】又、チャンバ10内には、例えば円筒状の
固体原料(ターゲット)14がターゲット駆動装置15
に連結されている。このターゲット駆動装置15は、円
筒状の固体原料14の軸方向を回転中心として矢印
(イ)方向に、所定の回転速度例えば100mm/sec
で、一定の角度ごとにステップ回転させる機能を有して
いる。
【0044】円筒状の固体原料14は、半導体基板11
のコンタクトホール4を埋める導電性材料、例えばCu
から形成されている。なお、コンタクトホール4を埋め
る導電性材料は、Cuに限らず、Ag、Al、Au、P
tなどの導電率の高い材料でもよく、又Re、Ruなど
の酸化物、或いはRu、Srからなる酸化物或いはW、
Siからなる導電性セラミクスでもよい。
【0045】なお、固体原料14は、円筒状に限らず、
板状に形成してもよい。この板状の固体原料であれば、
蒸着時に平行移動させて、エキシマレーザ光が板状の固
体原料の全面に走査されるようにする。
【0046】一方、チャンバ10の外部には、パルスレ
ーザ発振器16が設けられている。このパルスレーザ発
振器16は、波長が400nm以下、レーザ光の繰り返
し周波数が10Hz以上で、レーザ光の平均のフルーエ
ンスが0.5J/cm2 以上2.0J/cm2 以下、好
ましくは0.8J/cm2 以上1.5J/cm2 以下に
調整されている。
【0047】より具体的には、KrFエキシマパルスレ
ーザ発振器(以下、エキシマレーザ発振器と称する)1
6が用いられ、このパルスレーザ発振器16からは、波
長248nm、エキシマレーザ光の繰り返し周波数が1
00Hz、エキシマレーザ光の平均のフルーエンスが1
J/cm2 に調整されている。
【0048】すなわち、エキシマレーザ光の繰り返し周
波数が100Hzに調整されているのは、固体原料14
にエキシマレーザ光が照射されたときの蒸発速度がエキ
シマレーザ光の繰り返し周波数と固体原料14の移動速
度によっても変化するからであり、このうちエキシマレ
ーザ光の繰り返し周波数は高い方が速くなり、10Hz
以上、好ましくは100Hz以上で照射することが望ま
れる。
【0049】この理由は、単に照射回数が増えるから蒸
発速度が速くなるだけでなく、照射のインターバルが短
いと、前の照射により形成されたプラズマの熱により温
度が高くなった固体原料14の表面に次のエキシマレー
ザ光を照射できるので、1パルスでの蒸発量が増えると
いうことである。
【0050】又、エキシマレーザ光の平均のフルーエン
スが0.5J/cm2 以上2.0J/cm2 以下、好ま
しくは0.8J/cm2 以上1.5J/cm2 以下に調
整されているのは、最も効率よく蒸着できるからであ
る。
【0051】すなわち、このフルーエンスが0.5J/
cm2 以下では蒸着速度が極端に遅くなる。又、2.0
J/cm2 以上では蒸発した原子等の粒子の持つエネル
ギーが高すぎて、半導体基板11にこの粒子が付着せず
反射される割合が高くなり、蒸着速度はむしろ遅くな
る。このように事情に基づき上記範囲のフルーエンスを
持つエキシマレーザ光が用いられる。
【0052】このエキシマレーザ発振器16から出力さ
れるエキシマレーザ光路上には、各ミラー17、18及
び合成石英製レンズ19が配置されている。このうち合
成石英製レンズ19は、エキシマレーザ光がチャンバ1
0のレーザ導入窓10aを通して固体原料14に照射さ
れたときの照射面積が幅2mm、長さ4mmになるよう
に集光する作用を有している。
【0053】この場合、エキシマレーザ光を固体原料1
4に照射する角度は、浅い方がレーザ導入窓10aの汚
れによって透過光が遮られる割合が少ないので好まし
く、例えば45度以下、好ましくは30度以下に設定す
るのがよい。
【0054】なお、エキシマレーザ発振器16、レーザ
導入窓10a、レーザ導入に必要な各ミラー17、18
及び合成石英製レンズ19など光学系Qは、半導体基板
11よりも下方に配置する方が半導体基板11を連続処
理するのには好ましい。
【0055】ところで、このような光学系Qの配置がで
きない場合は、図2に示すようにエキシマレーザ光の入
射方向に対して垂直方向から半導体基板11を前処理
(a1)から埋め込み(a2 )の蒸着エリアに移動し、
この後、エキシマレーザ光の入射方向と反対方向に移動
させて次の工程(a3 )に移るようにしてもよい。
【0056】又、同図に示すようにエキシマレーザ光の
入射方向の反対方向の前処理(a1)から半導体基板1
1を埋め込み(b2 )の蒸着エリアに移動し、この後、
エキシマレーザ光の入射方向に対して垂直方向に移動さ
せて次の工程(b3 )に移るようにしてもよい。
【0057】さらに、図3に示すようにエキシマレーザ
光の入射方向と交わる方向に半導体基板11を移動させ
てもよい。この場合、半導体基板11は自転させる。た
だし、固体原料14の長手方向が移動方向と交差する場
合は、光学系Qが複雑化するが、半導体基板11の自転
は不要とすることができる。
【0058】又、チャンバ10内の半導体基板11と固
体原料14との間隔は10cm以下、好ましくは5cm
以下に設定されている。このような半導体基板11と固
体原料14との間隔では、蒸発した原子等の粒子の運動
エネルギーが高く、コンタクトホール4の内壁に衝突し
た後、反射して中に入っていく場合があるからである。
【0059】制御装置20は、固体原料14に照射する
各パルスのインターバルにおいてエキシマレーザ光の照
射面積の10%以上98%以下、好ましくは30%以上
90%以下の照射面積が重複するように固体原料14の
回転速度を制御し、かつエキシマレーザ発振器16の発
振を制御する機能を有している。
【0060】このように固体原料14を回転制御する理
由は、固体原料14を動かさなければ、固体原料14の
一部分だけが深く掘れ、いずれそのコンタクトホール4
の側壁にエキシマレーザ光が照射されるようになる。
【0061】そうすると、蒸発した原子等の粒子は、通
常エキシマレーザ光の照射面に対してほぼ垂直方向に飛
び出すので、固体原料14面に対してではなくコンタク
トホール4の壁に対して垂直に飛び出すようになり、半
導体基板11に蒸発した原子等の粒子が蒸着されなくな
る。
【0062】このような事から、固体原料14の一部分
だけが深く掘れることを防ぐために固体原料14上の照
射位置が変わるように固体原料14を移動させることが
必要となる。ただし、固体原料14の移動速度が速く、
初めのレーザ照射位置から離れた位置に次のエキシマレ
ーザ光が照射されると、そこでは初めのエキシマレーザ
光照射により形成されたプラズマによる熱の蓄積がない
ため蒸発速度は速くならない。
【0063】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。チャンバ10内が例えば10-5Torr以下
まで減圧された後、エキシマレーザ発振器16からは、
波長248nm、エキシマレーザ光の繰り返し周波数1
00Hz、固体原料14に照射されたときのエキシマレ
ーザ光の平均のフルーエンス1J/cm2 のエキシマレ
ーザ光が出力される。
【0064】このエキシマレーザ光は、各ミラー17、
18で反射し、合成石英製レンズ19により固体原料1
4の照射位置で幅2mm、長さ4mmの照射面積となる
ように整形される。
【0065】固体原料14は、ターゲット駆動装置15
の駆動により固体原料14の軸方向を回転中心として矢
印(イ)方向に、所定の回転速度にて例えば100mm
/sec で、一定の角度ごとにステップ回転する。
【0066】このように回転している固体原料14にエ
キシマレーザ光が照射されるので、固体原料14に照射
されるエキシマレーザ光の照射面積は、エキシマレーザ
光の各パルスのインターバルにおいてその照射面積の3
0%以上90%以下の範囲、例えば50%の照射面積が
重複する。
【0067】固体原料14にエキシマレーザ光が照射さ
れると、そのエキシマレーザ光のエネルギーにより固体
原料14は蒸発し、Cu原子又はイオンが飛び出し、蒸
着領域が形成される。
【0068】このように固体原料14にエキシマレーザ
光を照射したときには、指向性の強い高エネルギーの蒸
発した原子等の粒子が得られるが、通常このような粒子
の飛び出す際の立体角は90度以下で、1パルスのエキ
シマレーザ光照射で蒸発する量の80%は60度以下の
立体角を持つ空間を通過する。
【0069】この状態に半導体基板11は、移動機構1
3の駆動によりエキシマレーザ光の照射方向に対して垂
直方向に移動する。これにより、プルーム(エキシマレ
ーザ光によって固体原料14から蒸発した原子等がプラ
ズマ状態となった部分)の直上付近にある半導体基板1
1のコンタクトホール4の入口付近に蒸発した原子等の
粒子が付着することはなく、コンタクトホール4の底ま
で到達する確率が高い。
【0070】又、仮に運動エネルギーの高い小さな粒子
がコンタクトホール4の内壁に一旦付着しても、半導体
基板11を移動させプルームの直上付近に配置されたと
きに、高い運動エネルギーの蒸着粒子によって弾き飛ば
されコンタクトホール4の中に落ちるので、空洞ができ
ずにコンタクトホール4を埋め込むことが可能となる。
【0071】図4はレーザ蒸着法によりコンタクトホー
ル4の中に埋立てした一例を示しており、半導体基板1
1上には絶縁膜2が形成され、その上面にバリアメタル
3が形成されている。
【0072】先ず、同図(a) に示すように半導体基板1
1上の絶縁膜2にコンタクトホール4が形成され、この
後に、同図(b) に示すように絶縁膜2及びコンタクトホ
ール4内にレーザ蒸着法により導電性材料5が堆積され
ていく。このとき、蒸着粒子は、絶縁膜2及びコンタク
トホール4に対してほぼ垂直方向に堆積していくので、
コンタクトホール4の底から空洞を形成することなくコ
ンタクトホール4の全体に堆積する。
【0073】このとき、蒸発した粒子は高い運動エネル
ギーと強い指向性を持っているだけでなく、半導体基板
11の温度は、僅かに上昇するだけ加熱されないので、
上記の如く固体原料14と半導体基板11との間隔を2
〜10cmに近付けることができ、この粒子の多くが半
導体基板11の面に対してほぼ垂直方向に入射し、コン
タクトホール4の底まで蒸着される。
【0074】そうして、導電性材料5の堆積後は、同図
(c) に示すように半導体基板11のコンタクトホール4
の入口が塞がったりその中に空洞ができることなくコン
タクトホール4内が導電性材料5で埋め込まれる。
【0075】又、半導体基板11の温度は、僅かに上昇
するだけなので、コンタクトホール4の作製に使用した
レジストの剥離を行わずに蒸着し、その後レジストを有
機溶媒で溶かすと、不要なCuを簡単に除去できる。こ
のようにしてコンタクトホール4をCuで埋めれば、コ
ンタクトホール14の内部の空洞なく良質の配線が得ら
れる。
【0076】このように上記第1の実施の形態において
は、導電性材料5を含む固体原料11に対し、波長24
8nmのKrFエキシマレーザ光を照射し、固体原料1
1を蒸発させて物理蒸着により半導体基板11のコンタ
クトホール4の中に導電性材料5の成膜を行うので、半
導体基板11のコンタクトホール4の入口が塞がったり
その中に空洞ができることなくコンタクトホール4を導
電性材料5で埋め込むことができる。
【0077】又、上記埋立方法により次の電気部材を作
製できる。図5(a) はかかる電気部材を上から見た図で
あり、同図(b) はその断面構成図である。基板30に
は、溝31が形成されている。この溝31は、断面の寸
法が幅10μm、深さ20μmで連続して、10μmの
ピッチで渦巻状に形成されている。なお、この渦巻状の
溝31の両端には、それぞれコンタクトホール32、3
3が形成されている。
【0078】この溝31内に、上記レーザ蒸着法を用い
た埋立方法によりCu、Alなどの導電性材料を埋め込
むことで、例えば直径1mmの小さなコイルが作製でき
る。又、このコイルを同一平面内に無い他の素子とコン
タクトホール32又は33を通して接続することもでき
る。これにより、コンデンサなどと接続した共振回路を
作製でき、小型でゲインの高いアンテナ或いはフィルタ
を得ることができる。又、コイルで発生した磁場が他の
素子に印加されるような構成にすることもできる。
【0079】なお、上記第1の実施の形態は、次の通り
変形してもよい。上記レーザ蒸着法を用いた埋立方法で
は、融点に関係なく固体原料14を蒸発させることがで
き、むしろエキシマレーザ光の反射率が低いセラミクス
の方が速く蒸発させることができるので好適である。
【0080】この場合、チャンバ10内には、酸素、窒
素などの反応ガスを導入した方が比抵抗を低くすること
ができ、5×10-5Torr以上、好ましくは0.01Torr
以上、さらに好ましくは0.1Torr以上でかつ5Torr以
下が望まれる。 (2) 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい
説明は省略する。
【0081】図6は本発明の埋立方法を適用した半導体
素子製造装置の構成図である。チャンバ10内には、直
径100mmの半導体基板40が移動機構41上により
エキシマレーザ光の照射方向に対して垂直方向に移動
し、かつこの移動とともに半導体基板40を自転させる
ようになっている。
【0082】一方、エキシマレーザ発振器16は、波長
248nm、エキシマレーザ光の繰り返し周波数100
Hz、エキシマレーザ光の平均のフルーエンス1J/c
2に調整されている。
【0083】このエキシマレーザ発振器16から出力さ
れるエキシマレーザ光路上には、シリンドリカルレンズ
42、43が配置されている。図7はこれらシリンドリ
カルレンズ42、43を含む光学系の概略構成図であ
り、これらシリンドリカルレンズ42、43は、エキシ
マレーザ光がチャンバ10のレーザ導入窓10aを通し
て固体原料14に照射されたときの照射面積が幅0.5
mm、長さ100mmの線状になるように整形する作用
を有している。
【0084】なお、円筒状の固体原料14の長さは、エ
キシマレーザ光の長さと同じか、又は短い方が固体原料
14の両端に未蒸発部分が残らないので好ましい。又、
使用中に固体原料14が次第に細くなり、照射位置での
エキシマレーザ光の焦点がずれることがないようにその
照射位置を一定に保つ機構を備えてもよい。
【0085】ターゲット駆動装置15は、円筒状の固体
原料14の軸方向を回転中心として矢印(イ)方向に、
所定の回転速度例えば25mm/sec で回転させる機能
を有している。
【0086】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。チャンバ10内が例えば10-5Torr以下
まで減圧された後、エキシマレーザ発振器16からはエ
キシマレーザ光が出力され、このエキシマレーザ光は、
各ミラー17、18で反射し、シリンドリカルレンズ4
2、43により固体原料14の照射位置で幅0.5m
m、長さ100mmの照射面積となるように整形され
る。
【0087】そして、このエキシマレーザ光がレーザ導
入窓10aを通して回転している固体原料14にエキシ
マレーザ光が照射されると、この照射面積は、エキシマ
レーザ光の各パルスのインターバルにおいてその照射面
積の30%以上90%以下の範囲、例えば50%の照射
面積が重複する。
【0088】このように固体原料14にエキシマレーザ
光が照射されると、そのエキシマレーザ光のエネルギー
により固体原料14は蒸発し、Cu原子又はイオンが飛
び出し、蒸着領域が形成される。
【0089】この状態に半導体基板40は、移動機構1
3の駆動により自転しながらエキシマレーザ光の照射方
向に対して垂直方向に移動する。そうすると、固体原料
14から蒸発した原子等の粒子は、上記第1の実施の形
態の作用と同様に、半導体基板40上のコンタクトホー
ル4に対してほぼ垂直方向に堆積していくので、コンタ
クトホール4の底から空洞を形成することなくコンタク
トホール4の全体に導電性材料5で埋めることができ
る。
【0090】このように上記第2の実施の形態において
は、エキシマレーザ光をシリンドリカルレンズ42、4
3を通して固体原料14に照射し、かつ半導体基板40
を自転させながら移動させるので、上記第1の実施の形
態と同様に、すなわち半導体基板40のコンタクトホー
ル4の入口が塞がったりその中に空洞ができることなく
コンタクトホール4を導電性材料5で埋め込むことがで
きる。
【0091】又、上記図5に示すように溝31内に、上
記レーザ蒸着法を用いた埋立方法によりCu、Alなど
の導電性材料を埋め込むことで、例えば直径1mmの小
さなコイルが作製できる。 (3) 次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい
説明は省略する。
【0092】図8は本発明の埋立方法を適用した半導体
素子製造装置の主要構成図である。エキシマレーザ発振
器16は、波長248nm、エキシマレーザ光の繰り返
し周波数100Hz、エキシマレーザ光の平均のフルー
エンス1J/cm2 に調整されている。
【0093】このエキシマレーザ発振器16から出力さ
れるエキシマレーザ光の光路上には、ミラー50が配置
され、その反射光路上に多面体のレーザスキャナ51が
配置されている。
【0094】このレーザスキャナ51は、回転すること
で、エキシマレーザ光を直径100mm、長さ500m
mの円筒状の固体原料14の表面上に走査するものとな
っている。
【0095】この場合、固体原料14は、連続的に回転
させなくてもよい。すなわち、固体原料14の一端から
他端までエキシマレーザ光を走査する間、固体原料14
は停止させ、次の走査が始まるまでの間に回転させれば
よい。
【0096】なお、レーザスキャナ51の走査経路上に
は、レンズ52が配置され、エキシマレーザ光のビーム
形状を整形し、固体原料14の表面上での照射面積が所
定の面積となるようにしている。
【0097】一方、チャンバ10内の固体原料14の上
方には、直径100mmの半導体基板40が1列5枚づ
つ配列されて、移動機構によりエキシマレーザ光の走査
方向に対して垂直方向に移動するものとなっている。
【0098】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。チャンバ10内が例えば10-5Torr以下
まで減圧された後、エキシマレーザ発振器16からはエ
キシマレーザ光が出力され、このエキシマレーザ光は、
各ミラー50で反射し、レーザスキャナ51により走査
される。
【0099】このエキシマレーザ光は、レーザ導入窓1
0aを通して回転している固体原料14上に走査され
る。このように固体原料14にエキシマレーザ光が照射
されると、そのエキシマレーザ光のエネルギーにより固
体原料14は蒸発し、Cu原子又はイオンが飛び出し、
蒸着領域が形成される。
【0100】この状態に1列5枚配置された各半導体基
板40は、移動機構13の駆動によりエキシマレーザ光
の照射方向に対して垂直方向に移動する。そうすると、
固体原料14からの蒸発した原子等の粒子は、上記第1
の実施の形態の作用と同様に、半導体基板40上のコン
タクトホール4に対してほぼ垂直方向に堆積していくの
で、コンタクトホール4の底から、空洞を形成すること
なくコンタクトホール4の全体に導電性材料5で埋める
ことができる。
【0101】このように上記第3の実施の形態において
は、円筒状の固体原料14にエキシマレーザ光をレーザ
スキャナ51により走査し、かつ1列5枚に配置した複
数の半導体基板40を固体原料14の蒸着領域に移動さ
せるので、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏する
ばかりでなく、一度に多くの半導体基板40のコンタク
トホール4に、空洞を形成することなく良質の導電性材
料5で埋めることができる。 (4) 次に本発明の第4の実施の形態について図面を参照
して説明する。
【0102】本発明の埋立方法は、複数の素子が多層に
積み重ねられた基体、例えば半導体基板にコンタクトホ
ールを形成し、固体原料をArイオンビームの照射によ
り蒸発させた物理蒸着によりコンタクトホールの中に半
導体基板と異なる材料、例えば導電性材料を埋める埋立
方法において、半導体基板の表面に存在する原子やイオ
ンに対して励起エネルギーを与えるものである。
【0103】図9は本発明の埋立方法を適用した半導体
素子製造装置の構成図である。気密可能なチャンバ60
内には、半導体基板61が被成膜面を下方を向いて、回
転軸62に取り付けられている。
【0104】この半導体基板61は、上記の如く半導体
メモリなどの複数の素子が多層に積み重ねられたもの
で、これら各層間の各素子を接続するためのコンタクト
ホール4が形成されている。このコンタクトホール4
は、例えば直径1μm、深さ3μmに開けられている。
【0105】この半導体基板61の面と対向する位置に
は、Cuから成る固体原料(ターゲット)63が傾斜し
て設けられている。この固体原料63の斜め上方には、
第1のイオン源64が配置されている。この第1のイオ
ン源64は、Arガスを導入して第1のArイオンビー
ムを出力し、この第1のArイオンビームを固体原料6
3に照射してCu原子又はイオンを飛び出させ、固体原
料63に対向配置されている半導体基板61に蒸着させ
るものである。
【0106】一方、チャンバ10内には、第2のイオン
源65が配置されている。この第2のイオン源65は、
半導体基板61に成膜する導電性材料を構成する元素C
uとは異なる元素から成る粒子Arを出力して、半導体
基板61にエネルギーを与えるもので、Arガスを導入
して第2のArイオンビームを出力し、この第2のAr
イオンビームを回転している半導体基板61の被成膜面
に対して60度以下の角度、例えば45度の角度で照射
するように設定されている。
【0107】この第2のイオン源65から出力される第
2のArイオンビームは、半導体基板61に付着した導
電性材料の原子又はクラスターに衝突して、これらを弾
き飛ばす程度の運動エネルギー、具体的には半導体基板
61への原子等の粒子の少なくとも1.2倍、好ましく
は1.5倍、さらに好ましくは2倍以上の運動エネルギ
ーを持っている。
【0108】このような第2のイオン源65としては、
荷電粒子を電場により加速して供給することが望まし
く、例えばカウフマン型イオン源から出力されるイオン
ビームが用いられる。なお、荷電粒子を集積回路に照射
すると、電荷が作った電場により破壊される場合がある
ので、その場合には、加速されたイオンビームを熱電子
などにより中和するのがよい。
【0109】一方、チャンバ10内は、スパッタリング
法を用いる場合、できる限り低いArの圧力で行った方
がよく、0.1Torr以下、好ましくは0.01Torr、さ
らに好ましくは0.001Torr以下の圧力に維持されて
いる。
【0110】この理由は、圧力が高いと固体原料63か
ら飛び出した原子等の粒子の平均自由行程が短く、Ar
原子又イオンとの衝突が起こり、散乱されることがあ
る。この場合、この粒子の指向性がなくなり、半導体基
板61のコンタクトホール4の中に入りにくくなる。こ
の上、半導体基板61にArイオンを照射する場合は、
圧力が高いとイオン源が動作しにくくなる。
【0111】又、スパッタリング法でもイオンビームス
パッタを用いる場合は、比較的圧力の低い条件で行うた
め粒子の平均自由行程が長く指向性が失われにくく、よ
り適している。
【0112】真空蒸着で行う場合、チャンバ60内は、
一般的に10-5Torr以下の圧力まで減圧して行うので、
粒子の平均自由行程は長くなる。ところが、このように
圧力の低い場合でもイオン源が動作しにくくなるので、
イオン源付近の圧力を局所的に高くするのがよい。この
方法であれば、真空蒸着で作製した際に出来やすいクラ
スター状の塊も高エネルギーを持つ粒子の衝突により砕
かれ、これにより半導体基板61のコンタクトホール4
の入口が塞がる現象は起こらなくなる。
【0113】制御装置66は、第2のイオン源65を動
作制御し、第2のArイオンビームの半導体基板61に
対する照射タイミングを、半導体基板61のコンタクト
ホール4の深さの1%以上50%以下、好ましくは5%
以上20%以下の厚さまで導電性材料が堆積した後にす
る機能を有している。
【0114】又、制御装置66は、第2のイオン源65
を動作制御し、第2のArイオンビームの半導体基板6
1に対する照射の停止タイミングを、半導体基板61の
コンタクトホール4が導電性材料で完全に埋まるのに要
する実験的に得られた時間の60%以上経過したときに
設定する機能を有している。
【0115】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。チャンバ60内は、10-5Torr以下まで
減圧された後、第1のイオン源64にArガスが導入さ
れ、この第1のイオン源64から第1のArイオンビー
ムが出力される。
【0116】この第1のArイオンビームは、Cuから
成る固体原料63に照射され、この固体原料63からは
Cu原子又はイオンが飛び出し、これらが固体原料63
に対向配置された回転している半導体基板61に蒸着さ
れる。
【0117】この状態に、第2のイオン源65にArガ
スを導入すると、この第2のイオン源65から第2のA
rイオンビームが出力され、これが半導体基板61に照
射される。
【0118】この第2のArイオンビームのエネルギー
は、蒸着粒子の1.5倍になるように第2のイオン源6
5の加速電圧が設定されている。又、第2のArイオン
ビームの量は、蒸発粒子と同じかそれ以上、好ましくは
1.5倍以上にするのがよい。なお、第2のArイオン
ビームの量が少ない場合は、半導体基板61のコンタク
トホール4以外の場所にも薄いながら蒸着粒子が付着す
るので、後処理が必要となる。
【0119】さらに、第2のArイオンビームのエネル
ギー及び量があまり大きいと、半導体基板61の表面に
作製した半導体メモリ等の素子にダメージを与える虞が
あるので充分注意することが必要で、その意味では少な
目にした方が無難である。
【0120】又、第2のイオン源65は、制御装置66
の動作制御により、半導体基板61のコンタクトホール
4の深さの1%以上50%以下の厚さまで導電性材料が
堆積した後、第2のArイオンビームを出力し、半導体
基板61に照射する。
【0121】これは、蒸着開始と同時に、第2のArイ
オンビームの照射を行うよりは、半導体基板61の表面
にいくらか導電性材料が堆積してからの方が安全だから
である。
【0122】このように第1のArイオンビームの照射
による半導体基板61への蒸着と同時に、この半導体基
板61に蒸着する導電性材料と異なる元素から成る第2
のArイオンビームの照射を半導体基板61に照射する
と、半導体基板61のコンタクトホール4の中以外の場
所に一旦原子等の粒子が付着しても、この粒子は弾き飛
ばされてしまう。
【0123】又、半導体基板61のコンタクトホール4
の入口付近に付着した原子等の粒子も第2のArイオン
ビームの照射によって弾かれ、コンタクトホール4の中
に落ち込む。
【0124】従って、半導体基板61のコンタクトホー
ル4には、重点的に原子等の粒子が堆積される。このと
き、第2のArイオンビームによるエッチング速度は、
蒸着速度より速くすることがよい。例えば、半導体基板
61のコンタクトホール4の深さの10%の厚さの膜を
初めに堆積した場合、蒸着速度の約1.1倍にするのが
よい。
【0125】又、半導体基板61のコンタクトホール4
を作製したときに使用したレジストの剥離を行わずに、
この埋立方法を行うと、素子へのダメージが少なくな
る。なお、直接第2のArイオンビームが照射されずと
もチャージアップによる電場で破壊される場合があるの
で、薄いCuの膜で常に覆われている方がよい場合があ
り、素子によって使い分けることが望ましい。
【0126】薄い膜であれば、レジストを剥離するとき
に一緒に取れてしまうので、後処理は簡便になる。この
ように半導体基板61のコンタクトホール4の中に導電
性材料を堆積し、ある深さまで堆積したところで第2の
Arイオンビームの照射をとめた。
【0127】すなわち、第2のイオン源65は、制御装
置66の動作制御により、半導体基板61のコンタクト
ホール4が導電性材料で完全に埋まるのに要する時間の
60%以上経過したときに、半導体基板61に対する第
2のArイオンビームの照射を停止する。
【0128】なお、第2のArイオンビームの半導体基
板61に対する入射角が45度の場合は、表面からコン
タクトホール4の径と同じ寸法の深さまで堆積したとこ
ろで停止する。
【0129】一般的には、穴径× tanα(α:入射角)
の深さまで堆積したときに第2のArイオンビームの照
射を停止する。このようにして半導体基板61のコンタ
クトホール4を導電性材料で堆積させると、空洞がなく
良質の配線が得られ、又、コンタクトホール4のないと
ころに付着したCuはコンタクトホール4の深さの10
%以下の膜厚であったため後処理に要する時間も10分
の1以下にすることができる。
【0130】このように上記第4の実施の形態において
は、固体原料63の第1のArイオンビームを照射して
その原子等の粒子を半導体基板61に蒸着させ、これと
共に運動エネルギーを持った第2のArイオンビームを
半導体基板61に照射するので、半導体基板61のコン
タクトホール4の中以外の場所に一旦原子等の粒子が付
着しても、この粒子を弾き飛ばし、又、半導体基板61
のコンタクトホール4の入口付近に付着した粒子も弾か
れてコンタクトホール4の中に落ち、半導体基板61の
コンタクトホール4に重点的に粒子を堆積でき、半導体
基板61のコンタクトホール4入口が塞がったりその中
に空洞ができることなくコンタクトホール4を導電性材
料で埋め込むことができる。
【0131】又、半導体基板61のコンタクトホール4
を埋めた後、不要な蒸着された原子等の粒子を削る工程
は必要なく、この工程があってもこの粒子の付着量が少
ないので短時間で済み、生産性に優れたものとなる。
【0132】さらに、かかる埋立方法により上記図5に
示す電気部材も作製できる。すなわち、図5に示す基板
30には、溝31が形成されている。この溝31は、断
面の寸法が幅10μm、深さ20μmで連続して、10
μmのピッチで渦巻状に形成されている。なお、この渦
巻状の溝31の両端には、それぞれコンタクトホール3
2、33が形成されている。
【0133】この溝31内に、上記Arイオンビームを
用いた蒸着方法によりCu、Alなどの導電性材料を埋
め込むことで、直径1mmの小さなコイルが作製でき
る。又、このコイルを同一平面内に無い他の素子とコン
タクトホール32又は33をと押して接続することもで
きる。これにより、コンデンサなどと接続した共振回路
を作製でき、小型でゲインの高いアンテナ又はフィルタ
を得ることができる。又、コイルで発生した磁場が他の
素子に印加されるような構成にすることもできる。 (5) 次に本発明の第5の実施の形態について図面を参照
して説明する。
【0134】本発明の埋立方法は、複数の素子が多層に
積み重ねられた基体、例えば半導体基板にコンタクトホ
ールを形成し、固体原料をレーザ蒸着法による物理蒸着
によりコンタクトホールの中に半導体基板と異なる材
料、例えば導電性材料を埋める埋立方法において、半導
体基板の表面の原子やイオンに対してArイオンビーム
により励起エネルギーを与えるものである。
【0135】図10は本発明の埋立方法を適用した半導
体素子製造装置の構成図である。なお、図9と同一部分
には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。気密
可能なチャンバ70の上部には、搬送機構71が設けら
れ、この搬送機構71に複数の半導体基板61がその被
成膜面を下方を向かせて回転自在に設けられている。こ
の搬送機構71は、複数の半導体基板61をそれぞれ回
転させながら円筒状の固体原料72の長手方向に対して
垂直方向に移動させる機能を有している。
【0136】又、チャンバ70内の各半導体基板61の
面と対向側には、Cuから成る円筒状の上記固体原料
(ターゲット)72が回転自在に設けられている。な
お、この固体原料72は、円筒状に加工されているのに
限らず、板状に加工されたものでもよい。板状の固体原
料であれば、平行移動させることにより、固体原料の全
面にエキシマレーザ光が走査されるようにする。
【0137】一方、チャンバ70の外部には、固体原料
72にエキシマレーザ光を照射してCuを蒸発させるた
めのKrFエキシマパルスレーザ発振器(以下、エキシ
マレーザ発振器と称する)73が設けられている。
【0138】このエキシマレーザ発振器73は、波長2
48nm、繰り返し周波数50Hzで、固体原料72に
エキシマレーザ光を照射したときの平均のフルーエンス
が0.5J/cm2 以上2.0J/cm2 以下、好まし
くは0.8J/cm2 以上1.5J/cm2 以下のエキ
シマレーザ光を出力するように調整されている。
【0139】このうち平均のフルーエンスを上記範囲に
設定したのは、最も効率良くCuを蒸着できるからであ
り、又、0.5J/cm2 以下では蒸着速度が極端に遅
くなり、2.0J/cm2 以上では蒸発粒子のエネルギ
ーが高すぎて、半導体基板61に付着せずに反射される
割合が高くなり、蒸着速度はむしろ遅くなるからであ
る。
【0140】このエキシマレーザ発振器73から出力さ
れるエキシマレーザ光路上には、各ミラー74、75及
び集光レンズ76が配置され、エキシマレーザ光がこれ
らミラー74、75及び集光レンズ76からチャンバ7
0のレーザ導入窓70aを通り、固体原料72に照射さ
れるようになっている。
【0141】このエキシマレーザ光を固体原料71に照
射する角度は、浅い方がレーザ導入窓70aの汚れが少
ないので好ましく、45度以下、より好ましくは30度
以下がよい。
【0142】又、エキシマレーザ発振器73、レーザ導
入窓70a、レーザ導入に必要な各ミラー74、75及
び集光レンズ76など光学系Pは、半導体基板61より
も下方に配置する方が半導体基板61を連続処理するの
に好ましい。
【0143】このような光学系Pの配置ができない場合
は、半導体基板61をエキシマレーザ光が入射してくる
方向と垂直方向から蒸着領域に供給し、蒸着の後、エキ
シマレーザ光の入射方向と反対方向に移動させればよ
く、又はエキシマレーザ光の入射方向と反対方向から半
導体基板61を供給し、蒸着の後、エキシマレーザ光の
入射方向と垂直方向に移動させればよい。
【0144】さらに、半導体基板61の寸法が大きかっ
たり、又は複数の半導体基板61を同時に蒸着する場合
には、エキシマレーザ光の幅と長さの比を10倍以上、
好ましくは100倍以上の線状に整形して固体原料72
に照射し、帯状の蒸着領域を得るように整形光学系を配
置すればよい。この場合、半導体基板61は、回転させ
ながら蒸着領域を平行移動させればよい。
【0145】又、固体原料72と各半導体基板61との
間隔は、5〜10cmに近付けて設ける。これは、真空
蒸着と違って固体原料72の蒸発時に半導体基板61が
加熱されないためである。
【0146】一方、チャンバ70内には、イオン源77
が配置されている。このイオン源77は、半導体基板6
1に成膜する導電性材料を構成する元素Cuとは異なる
元素から成る粒子Arを出力して、半導体基板61表面
の原子やイオンなどに励起エネルギーを与えるもので、
Arガスを導入してArイオンビームを出力し、このA
rイオンビームを回転している半導体基板61の被成膜
面に対して60度以下の角度、例えば15度の角度で照
射するように設定されている。
【0147】このイオン源77から出力されるArイオ
ンビームは、半導体基板61に付着した導電性材料の原
子又はクラスターに衝突して、これらを弾き飛ばす程度
の運動エネルギー、具体的には半導体基板61に蒸着す
る原子等の粒子の少なくとも1.2倍、好ましくは1.
5倍、さらに好ましくは2倍以上の運動エネルギーを持
っている。
【0148】このようなイオン源77としては、荷電粒
子を電場により加速して供給することが望ましく、例え
ばカウフマン型イオン源から出力されるイオンビームが
用いられる。
【0149】なお、Arイオンビームを半導体基板61
に照射する角度は上記の通り15度に設定しているが、
半導体基板61のコンタクトホール4に埋まった粒子も
Arイオンビームの高エネルギーを持つ粒子に弾き飛さ
れるので、ある深さ以上は埋まらない場合がある。
【0150】すなわち、半導体基板61の面に対してA
rイオンビームの入射する角度が浅い場合は、ほとんど
完全に埋まるが、この角度が大きいと半導体基板61の
表面からコンタクトホール4の径の80%程度にあたる
寸法の深さまでしか埋まらない。
【0151】従って、Arイオンビームの入射角度は、
好ましくは45度以下で、さらに好ましくは30度以下
にするのがよい。チャンバ70内は、スパッタリング法
を用いる場合、できる限り低いAr圧で行った方がよ
く、0.1Torr以下、好ましくは0.01Torr、さらに
好ましくは0.001Torr以下の圧力に維持されてい
る。
【0152】制御装置78は、イオン源77を動作制御
し、Arイオンビームの半導体基板61に対する照射タ
イミングを、半導体基板61のコンタクトホール4の深
さの1%以上50%以下、好ましくは5%以上20%以
下の厚さまで導電性材料が堆積した後へと設定する機能
を有している。
【0153】又、制御装置78は、イオン源77を動作
制御し、Arイオンビームの半導体基板61に対する照
射の停止タイミングを、半導体基板61のコンタクトホ
ール4が導電性材料で完全に埋まるのに要する時間の6
0%以上、好ましくは80%以上経過したときにする機
能を有している。
【0154】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。チャンバ70内は、Arの圧力で、例え
ば0.001Torr以下に維持され、この後、エキシマレ
ーザ発振器73からエキシマレーザ光が出力され、この
エキシマレーザ光が各ミラー74、75及び集光レンズ
76を通ってチャンバ70のレーザ導入窓70aからC
uから成る固体原料72に照射される。
【0155】この固体原料72からはCu原子又はイオ
ンが飛び出し、指向性の強い高エネルギーを持つ粒子が
得られ、これらが固体原料72に対向配置された回転し
ている各半導体基板61に蒸着される。
【0156】このとき、真空蒸着と違って固体原料72
の蒸発時に半導体基板61は加熱されないので、上記の
如く固体原料72と各半導体基板61との間隔は5〜1
0cmに近付けることができ、蒸発粒子の多くは半導体
基板61に対してほぼ垂直に入射する。これにより、半
導体基板61のコンタクトホール4の底まで蒸着され
る。
【0157】これと共に、イオン源77は、制御装置7
8の動作制御により、半導体基板61のコンタクトホー
ル4の深さの5%以上20%以下の厚さまで導電性材料
が堆積した後、Arガスを導入して、蒸着される原子等
の粒子の少なくとも1.2倍、好ましくは1.5倍、さ
らに好ましくは2倍以上の運動エネルギーを持つArイ
オンビームを半導体基板61に対して入射角15度で照
射する。
【0158】このように半導体基板61への蒸着と同時
に、Arイオンビームを照射するので、原子等の粒子
は、半導体基板61のコンタクトホール4の中以外の場
所に一旦付着しても、この粒子は弾き飛ばされてしま
う。又、半導体基板61のコンタクトホール4の入口付
近に付着した蒸着粒子もArイオンビームの照射によっ
て弾かれ、コンタクトホール4の中に落ちる。従って、
半導体基板61のコンタクトホール4には、重点的に粒
子が堆積される。
【0159】このように半導体基板61のコンタクトホ
ール4の中に導電性材料を堆積し、ある深さまで堆積し
たところでArイオンビームの照射をとめた。すなわ
ち、イオン源77は、制御装置78の動作制御により、
半導体基板61のコンタクトホール4が導電性材料で完
全に埋まるのに要する時間の例えば60%以上経過した
ときに、半導体基板61に対するArイオンビームの照
射を停止する。
【0160】なお、このように適当なタイミングでAr
イオンビームの照射を停止し、プロセスの最後は導電性
材料の蒸着だけを行う場合は、後処理が必要になるが、
最後に付着した量を取り除くだけなので、Arイオンビ
ームの照射を行わずに蒸着した場合よりも処理時間は大
幅に短縮できる。
【0161】このようにして半導体基板61のコンタク
トホール4を導電性材料で堆積させると、コンタクトホ
ール4の内部での空洞がなく良質の配線が得られ、又、
コンタクトホール4のないところに付着したCuはコン
タクトホール4の深さの5%以下の膜厚であったため後
処理に要する時間も20分の1以下にすることができ
た。
【0162】このように上記第5の実施の形態において
は、固体原料72にエキシマレーザ光を照射してそこか
ら蒸発した原子等の粒子を半導体基板61に蒸着させ、
これと共にエネルギーを持ったArイオンビームを半導
体基板61に照射するので、上記第4の実施の形態と同
様に、半導体基板61のコンタクトホール4の中以外の
場所に一旦粒子が付着しても、この粒子を弾き飛ばし、
又、半導体基板61のコンタクトホール4の入口付近に
付着した粒子も弾かれてコンタクトホール4の中に落
ち、半導体基板61のコンタクトホール4に重点的に蒸
発した原子等の粒子を堆積でき、半導体基板61のコン
タクトホール4入口が塞がったりその中に空洞ができる
ことなくコンタクトホール4を導電性材料で埋め込むこ
とができる。
【0163】又、半導体基板61のコンタクトホール4
を埋めた後、蒸着された原子等からなる粒子の中で不要
な粒子を削る工程は必要なく、この工程があっても蒸着
粒子の付着量が少ないので短時間で済み、生産性に優れ
たものとなる。
【0164】さらに、かかる埋立方法により上記図5に
示す電気部材も作製できる。そして、第4及び第5の実
施の形態においては、Arイオンビームの代わりにエネ
ルギーを与える手段としてレーザを用いることもでき
る。同様にエネルギービームの一種として取り扱うこと
ができるからである。 (6) 次に本発明の第6の実施の形態について図面を参照
して説明する。
【0165】本発明の埋立方法は、複数の素子が多層に
積み重ねられた基体、例えば半導体基板にコンタクトホ
ールを形成し、固体原料をレーザ蒸着法によりコンタク
トホールの中に半導体基板と異なる材料、例えば導電性
材料を埋める埋立方法において、半導体基板の表面の原
子やイオンに対してプラズマを発生させて励起エネルギ
ーを与えるものである。
【0166】図11は本発明の埋立方法を適用した半導
体素子製造装置の構成図である。気密可能なチャンバ8
0内は、例えば圧力0.1TorrのAr雰囲気に維持され
ている。
【0167】このチャンバ80の上部には、半導体基板
81が回転支持体82に設けられている。この回転支持
体82は、チャンバ80に対して絶縁物83を介してチ
ャンバ80の外部と接続可能となっている。
【0168】半導体基板81は、上記の如く半導体メモ
リなどの複数の素子が多層に積み重ねられたもので、こ
れら各層間の各素子を接続するためのコンタクトホール
4が形成されている。なお、このコンタクトホール4
は、例えば直径0.1μm以下に形成されている。
【0169】又、チャンバ80内における半導体基板8
1の面と対向する位置には、Cuから成る円筒状の固体
原料84が回転自在に設けられている。一方、チャンバ
80の外部には、固体原料84にエキシマレーザ光を照
射してCuを蒸発させるためのKrFエキシマパルスレ
ーザ発振器(以下、エキシマレーザ発振器と称する)8
5が設けられている。
【0170】このエキシマレーザ発振器85は、波長2
48nm、繰り返し周波数50Hzで、固体原料72に
エキシマレーザ光を照射したときの平均のフルーエンス
が0.5J/cm2 以上2.0J/cm2 以下、好まし
くは0.8J/cm2 以上1.5J/cm2 以下のエキ
シマレーザ光を出力するように調整されている。
【0171】このエキシマレーザ発振器85から出力さ
れるエキシマレーザ光路上には、各ミラー86、87及
び集光レンズ88が配置され、エキシマレーザ光がこれ
らミラー86、87及び集光レンズ88からチャンバ8
0のレーザ導入窓80aを通り、固体原料84に照射さ
れるようになっている。
【0172】このエキシマレーザ光を固体原料84に照
射する角度は、上記同様に、浅い方がレーザ導入窓80
aの汚れによる透過の遮蔽が少ないので好ましく、45
度以下、より好ましくは30度以下がよい。
【0173】又、エキシマレーザ発振器85、レーザ導
入窓80a、レーザ導入に必要な各ミラー86、87及
び集光レンズ88など光学系Wは、半導体基板81より
も下方に配置する方が半導体基板81を連続処理するの
に度合いがよい。
【0174】一方、半導体基板81を支持する回転支持
体82には、マッチングボックス89を介して高周波電
源90が電気的に接続されている。この高周波電源90
は、周波数13.56MHz、電力1kWの高周波電力
をマッチングボックス89を介して半導体基板81を支
持する回転支持体82に供給し、0.1TorrのAr雰囲
気中でArのプラズマを発生させ、半導体基板81に対
して運動エネルギーを持ったArイオンを衝突させるも
のである。
【0175】このように半導体基板81に対するレーザ
蒸着法においてプラズマを発生させる理由は、以下の通
りである。つまり上記の如く0.1Torrの圧力下で半導
体基板81に直流又は高周波電力を供給してArのプラ
ズマを発生させると、半導体基板81又は半導体基板8
1上の物質はArイオンによりスパッタエッチングされ
る。ただし、直流電力で放電させてArのプラズマを発
生させる場合は、半導体基板81がアースに対して負電
位となるようにする。
【0176】ところが、この圧力下で発生したArのプ
ラズマ中のイオンは、直径0.1mm以下の半導体基板
81のコンタクトホール4の中には入りにくいため、こ
のコンタクトホール4の中に入った導電性材料は、スパ
ッタエッチングされずに堆積する。
【0177】従って、上記圧力下でプラズマを発生させ
ながらレーザ蒸着を行うと、半導体基板81のコンタク
トホール4の中だけに導電性材料が堆積し、それ以外の
ところには導電性材料が堆積しないのが理由である。
【0178】制御装置91は、高周波電源90を動作制
御し、Arのプラズマを発生して半導体基板61に与え
るタイミングを、半導体基板81のコンタクトホール4
の深さの1%以上50%以下、好ましくは5%以上20
%以下の厚さまで導電性材料が堆積した後にする機能を
有している。
【0179】又、制御装置91は、高周波電源90を動
作制御し、半導体基板61へのArのプラズマの停止タ
イミングを、半導体基板81のコンタクトホール4が導
電性材料で完全に埋まるのに要する時間の60%以上、
好ましくは80%以上経過したときにする機能を有して
いる。
【0180】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。チャンバ80内は、例えば0.1Torrの
Ar雰囲気に維持されている。この状態に、エキシマレ
ーザ発振器85からエキシマレーザ光が出力されると、
このエキシマレーザ光は、各ミラー86、87及び集光
レンズ88を通ってチャンバ80のレーザ導入窓80a
からCuから成る固体原料84に照射される。
【0181】このように固体原料84にエキシマレーザ
光が照射されると、この固体原料84からはCu原子又
はイオンが飛び出し、指向性の強い高エネルギーを持つ
蒸発した原子等の粒子が得られ、これらが固体原料84
に対向配置された回転している半導体基板81に蒸着さ
れる。
【0182】このとき、固体原料84の蒸発時に半導体
基板81は加熱されないので、上記の如く固体原料84
と半導体基板81との間隔を5〜10cmに近付けるこ
とができ、蒸発粒子の多くは半導体基板81に対してほ
ぼ垂直に入射する。これにより、半導体基板81のコン
タクトホール4の底まで蒸着される。
【0183】これと共に、制御装置91は、半導体基板
81のコンタクトホール4の深さの5%以上20%以下
の厚さまで導電性材料が堆積すると、高周波電源90に
動作信号を送出し、高周波電源90を動作させる。
【0184】これにより、高周波電源90からは、マッ
チングボックス89を通して周波数13.56MHz、
電力1kWの高周波電力が半導体基板81を支持する回
転支持体82に供給される。
【0185】この高周波電力の供給により、0.1Torr
のAr雰囲気中でArのプラズマが発生し、半導体基板
81に対して運動エネルギーを持ったArイオンを衝突
させることができる。
【0186】このように半導体基板81への蒸着と同時
に、Arのプラズマを発生して半導体基板81に与える
と、上記の如く半導体基板81又は半導体基板81上の
物質はArイオンによりスパッタエッチングされる。
【0187】ところが、この圧力下で発生したArのプ
ラズマ中のイオンは、直径0.1mm以下の半導体基板
81のコンタクトホール4の中には入りにくいため、こ
のコンタクトホール4の中に入った導電性材料は、スパ
ッタエッチングされずに堆積する。
【0188】従って、上記圧力下でプラズマを発生させ
ながらレーザ蒸着を行うと、半導体基板81のコンタク
トホール4の中だけに導電性材料が堆積し、それ以外の
ところに導電性材料は堆積しない。
【0189】このように半導体基板81のコンタクトホ
ール4の中に導電性材料を堆積し、ある深さまで堆積し
たところでArのプラズマの発生をとめる。すなわち、
制御装置91は、半導体基板81のコンタクトホール4
が導電性材料で完全に埋まるのに要する時間の例えば6
0%以上経過したときに、高周波電源90に対して動作
停止信号を送出し、高周波電源90をオフする。
【0190】このように適当なタイミングでプラズマの
発生を停止し、プロセスの最後は導電性材料の蒸着だけ
を行う場合は、後処理が必要になるが、最後に付着した
量を取り除くだけなので、プラズマの発生を行わずに蒸
着した場合よりも処理時間は大幅に短縮できる。
【0191】このようにして半導体基板81のコンタク
トホール4を導電性材料で堆積させると、空洞がなく良
質の配線が得られ、又、コンタクトホール4のないとこ
ろに付着したCuはコンタクトホール4の深さの数%以
下の膜厚であったため後処理に要する時間も短縮するこ
とができる。
【0192】このように上記第6の実施の形態において
は、固体原料84にエキシマレーザ光を照射してその蒸
着粒子を半導体基板81に蒸着させ、これと共にArの
プラズマを発生して半導体基板61に与えるようにした
ので、Arのプラズマ中のイオンは、直径0.1mm以
下の半導体基板81のコンタクトホール4の中には入り
にくいため、このコンタクトホール4の中に入った導電
性材料は、スパッタエッチングされずに堆積するものと
なり、半導体基板81のコンタクトホール4の中だけに
導電性材料が堆積し、それ以外のところに導電性材料は
堆積しない。
【0193】従って、半導体基板81のコンタクトホー
ル4に蒸着粒子を堆積でき、半導体基板81のコンタク
トホール4入口が塞がったりその中に空洞ができること
なくコンタクトホール4を導電性材料で埋め込むことが
でき、良質の配線を得ることができる。
【0194】又、半導体基板81のコンタクトホール4
を埋めた後、不要な蒸着粒子を削る工程は必要なく、こ
の工程があっても蒸着粒子の付着量が少ないので短時間
で済み、生産性に優れたものとなる。
【0195】ただし、導電材料配線及び素子を構成する
材料の蒸着は、半導体基板81の小さなコンタクトホー
ル4の中の物質がエッチングされないような比較的高い
圧力下で行われ、そのような条件下でも高い運動エネル
ギーと強い指向性を持った蒸発された原子等の粒子を得
ることが必要である。
【0196】これには、上記イオンビームスパッタ及び
レーザ蒸着法が適しており、特に蒸着速度とより高い圧
力下でも高いエネルギーと強い指向性を持った蒸発され
た原子等の粒子が得られる点で、レーザ蒸着法が最も適
している。
【0197】さらに、かかる埋立方法により上記図5に
示す電気部材も作製できる。なお、上記第6の実施の形
態では、半導体基板81のコンタクトホール4の深さの
5%以上20%以下の厚さまで導電性材料が堆積した後
に、高周波電源90から高周波電力を半導体基板81を
支持する回転支持体82に供給してプラズマを発生して
いるが、例えば半導体基板81のコンタクトホール4作
製時に使用したレジストを剥離せずに行う場合には、レ
ーザ蒸着と同時にプラズマを発生するようにしても半導
体基板81又は素子がスパッタされることはない。この
方法によっても良質の配線を得ることができる。
【0198】又、本発明は、上記第1乃至第6の実施の
形態に限定されるものでなく、次の通り変形してもよ
い。例えば、埋め込むことのできる材料は、導電性材料
等の金属に限らず、Si、金属の酸化物、窒化物、炭化
物、導電性セラミクスを得ることもできる。又、集積回
路の配線に限らず、口径が大きく、深いコンタクトホー
ル4を埋める技術として広く応用が可能である。
【0199】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、穴
の入口が塞がったりその中に空洞ができることなく穴を
埋め込むことができる埋立方法及びその装置を提供でき
る。又、本発明によれば、半導体基板のコンタクトホー
ル入口が塞がったりその中に空洞ができることなくコン
タクトホールを導電性材料で埋め込むことができる半導
体素子製造装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる埋立方法を適用した半導体素子
製造装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】半導体基板の移動経路を示す図。
【図3】半導体基板の移動経路を示す図。
【図4】レーザ蒸着法による導電性材料の堆積を示す
図。
【図5】上記埋立方法により作製した電気部材の構成
図。
【図6】本発明に係わる埋立方法を適用した半導体素子
製造装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図7】シリンドリカルレンズを含む光学系の概略構成
図。
【図8】本発明に係わる埋立方法を適用した半導体素子
製造装置の第3の実施の形態を示す主要構成図。
【図9】本発明に係わる埋立方法を適用した半導体素子
製造装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【図10】本発明に係わる埋立方法を適用した半導体素
子製造装置の第5の実施の形態を示す構成図。
【図11】本発明に係わる埋立方法を適用した半導体素
子製造装置の第6の実施の形態を示す構成図。
【図12】従来のスパッタリングによりコンタクトホー
ル中の成膜の一例を示す図。
【符号の説明】
4…コンタクトホール、 10,60,70,80…チャンバ、 11,40,61,81…半導体基板、 13…移動機構、 14,63,72,84…固体原料(ターゲット)、 15…ターゲット駆動装置、 16,73,85…KrFエキシマパルスレーザ発振
器、 20,66,78,91…制御装置、 42,43…シリンドリカルレンズ、 51…レーザスキャナ、 64…第1のイオン源、 65…第2のイオン源、 71…搬送機構、 77…イオン源、 82…回転支持体、 90…高周波電源。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の素子が多層に積み重ねられた基体
    に穴を形成し、この穴の中に前記基体と異なる材料を埋
    める埋立方法において、 前記基体と異なる材料を含む固体原料に対し、所定波長
    以下のレーザ光を照射し、前記固体原料を蒸発させて前
    記基体の前記穴の中へ前記基体と異なる材料を埋立てる
    ことを特徴とする埋立方法。
  2. 【請求項2】 前記レーザ光は、400nm以下の波長
    であることを特徴とする請求項1記載の埋立方法。
  3. 【請求項3】 前記基体と前記固体原料との間隔は、1
    0cm以下であることを特徴とする請求項1記載の埋立
    方法。
  4. 【請求項4】 前記物理蒸着による前記基体の前記穴の
    中への成膜を10-6Torr以上の高真空下、又は10-5To
    rr以上5Torr以下の不活性ガス雰囲気中で行うことを特
    徴とする請求項1記載の埋立方法。
  5. 【請求項5】 前記レーザ光の繰り返し周波数を、10
    Hz以上で前記固体原料に照射することを特徴とする請
    求項1記載の埋立方法。
  6. 【請求項6】 前記レーザ光の平均のフルーエンスは、
    0.5J/cm2 以上2.0J/cm2 以下に調整され
    ていることを特徴とする請求項1記載の埋立方法。
  7. 【請求項7】 前記固体原料に照射する前記レーザ光の
    領域の所定割合が重複するように前記レーザ光の走査速
    度及び前記固体原料の移動速度を制御することを特徴と
    する請求項1記載の埋立方法。
  8. 【請求項8】 複数の素子が多層に積み重ねられた基体
    に穴を形成し、この穴の中に前記基体と異なる材料を埋
    める埋立装置において、 高真空又は不活性ガス雰囲気のチャンバと、 このチャンバ内に配置された前記基体と異なる材料を含
    む固体原料と、 所定波長以下のレーザ光を出力するパルスレーザ発振器
    と、 このパルスレーザ発振器から出力されたレーザ光を前記
    固体原料に対して所定のビーム形状に形成して照射する
    光学系とを備え、 前記固体原料を蒸発させ前記基体の前記穴の中に前記基
    体と異なる材料により埋立てを行うことを特徴とする埋
    立装置。
  9. 【請求項9】 前記チャンバ内は、10-6Torr以上の高
    真空下、又は10-5Torr以上5Torr以下の不活性ガス雰
    囲気中であることを特徴とする請求項8記載の埋立装
    置。
  10. 【請求項10】 前記パルスレーザ発振器は、400n
    m以下の波長、10Hz以上の繰り返し周波数、0.5
    J/cm2 以上2.0J/cm2 以下の平均フルーエン
    スに調整されたレーザ光を出力することを特徴とする請
    求項8記載の埋立装置。
  11. 【請求項11】 前記基体と前記固体原料との間隔は、
    10cm以下に設定されたことを特徴とする請求項8記
    載の埋立装置。
  12. 【請求項12】 前記固体原料に照射される前記レーザ
    光の照射領域の所定割合が重複するように前記レーザ光
    を走査する走査手段を備えたことを特徴とする請求項8
    記載の埋立装置。
  13. 【請求項13】 複数の素子が多層に積み重ねられた半
    導体基板に穴を形成し、この穴の中に導電性材料を埋め
    込んで前記各素子間を接続する半導体素子製造装置にお
    いて、 高真空又は不活性ガス雰囲気のチャンバと、 このチャンバ内に配置された前記導電性材料を含む固体
    原料と、 波長400nm以下のレーザ光を出力するパルスレーザ
    発振器と、 このパルスレーザ発振器から出力されたレーザ光を前記
    固体原料に対して所定のビーム形状に形成して照射する
    光学系とを備え、 前記固体原料と前記半導体基板との間隔を10cm以下
    にし、前記固体原料を蒸発させて前記穴の中に前記導電
    性材料の埋立てを行うことを特徴とする半導体素子製造
    装置。
  14. 【請求項14】 複数の素子が多層に積み重ねられた基
    体に穴を形成し、固体原料を蒸発させて前記穴の中に前
    記基体と異なる材料を埋める埋立方法において、 前記基体表面を構成する物質に対して励起エネルギーを
    与えることを特徴とする埋立方法。
  15. 【請求項15】 前記固体原料に対してイオンビーム又
    はレーザ光を照射して前記固体原料を蒸発させることを
    特徴とする請求項14記載の埋立方法。
  16. 【請求項16】 前記励起エネルギーとしては、前記イ
    オンビーム又は前記レーザ光を前記基体面に対して60
    度以下の角度で照射することを特徴とする請求項14記
    載の埋立方法。
  17. 【請求項17】 前記励起エネルギーとしては、不活性
    ガス雰囲気に高周波電力を供給してプラズマを発生させ
    ることを特徴とする請求項14記載の埋立方法。
  18. 【請求項18】 前記イオンビーム又は前記レーザ光
    は、前記基体へ蒸着される前記固体原料が蒸発した粒子
    の持つ運動エネルギーの少なくとも1.2倍以上のエネ
    ルギーを持つことを特徴とする請求項15記載の埋立方
    法。
  19. 【請求項19】 前記基体の穴の中への埋立てを10-5
    Torr以下の減圧下、又は0.1Torr以下の不活性ガス雰
    囲気中で行うことを特徴とする請求項14記載の埋立方
    法。
  20. 【請求項20】 前記基体に対する前記イオンビーム又
    は前記レーザ光の照射タイミング、及び前記プラズマの
    発生タイミングは、前記穴の深さの1%以上50%以下
    の厚さまで堆積した後であることを特徴とする請求項1
    4記載の埋立方法。
  21. 【請求項21】 前記基体に照射する前記イオンビーム
    又は前記レーザ光の停止タイミング、及び前記プラズマ
    発生の停止タイミングは、前記穴が完全に埋まるのに要
    する時間の60%以上経過したときであることを特徴と
    する請求項14記載の埋立方法。
  22. 【請求項22】 複数の素子が多層に積み重ねられた基
    体に穴を形成し、固体原料を蒸発させて前記穴の中に前
    記基体と異なる材料を埋める埋立装置において、 高真空又は不活性ガス雰囲気のチャンバと、 前記固体原料にイオンビーム又はレーザ光を照射して前
    記固体原料を蒸発させるビーム出力手段と、 前記基体表面を構成する物質に対して励起エネルギーを
    与える励起エネルギー手段と、 を具備したことを特徴とする埋立装置。
  23. 【請求項23】 前記励起エネルギー手段は、イオンビ
    ームを出力するイオン源、レーザ光を出力するレーザ発
    振器、又は前記不活性ガス雰囲気に高周波電力を供給し
    てプラズマを発生させる機能を有することを特徴とする
    請求項22記載の埋立装置。
  24. 【請求項24】 前記イオン源から出力されるイオンビ
    ーム又は前記レーザ発振器から出力されるレーザ光は、
    前記基体へ蒸着される前記固体原料が蒸発した粒子の持
    つ運動エネルギーの少なくとも1.2倍以上のエネルギ
    ーを持つことを特徴とする請求項23記載の埋立装置。
  25. 【請求項25】 前記チャンバ内は、10-5Torr以下の
    減圧下、又は0.1Torr以下の不活性ガス雰囲気である
    ことを特徴とする請求項22記載の埋立装置。
  26. 【請求項26】 前記イオンビーム又は前記レーザ光の
    前記基体に対する照射及び前記プラズマの発生タイミン
    グは、前記穴の深さの1%以上50%以下の厚さまで堆
    積した後に制御し、一方、停止タイミングは、前記穴が
    完全に埋まるのに要する時間の60%以上経過したとき
    に制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項2
    2記載の埋立装置。
  27. 【請求項27】 複数の素子が多層に積み重ねられた半
    導体基板に穴を形成し、固体原料を蒸発させて前記穴の
    中に導電性材料を埋め込んで前記各素子間を接続する半
    導体素子製造装置において、 高真空又は不活性ガス雰囲気のチャンバと、 前記固体原料にイオンビーム又はレーザ光を照射して前
    記固体原料を蒸発させるビーム出力手段と、 前記半導体基板表面を構成する物質に対して励起エネル
    ギーを与える励起エネルギー手段と、を具備したことを
    特徴とする半導体素子製造装置。
  28. 【請求項28】 前記励起エネルギー手段は、イオンビ
    ームを出力するイオン源、レーザ光を出力するレーザ発
    振器、又は前記不活性ガス雰囲気に高周波電力を供給し
    てプラズマを発生させる機能を有することを特徴とする
    請求項27記載の半導体素子製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005028696A1 (ja) * 2003-09-16 2005-03-31 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 薄膜の製造方法ならびに薄膜線材の製造方法およびパルスレーザ蒸着装置
JP2008306206A (ja) * 2008-08-04 2008-12-18 Sumco Corp シリコンエピタキシャルウェーハとその製造方法

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