JPH10228231A

JPH10228231A - 擬似体験装置

Info

Publication number: JPH10228231A
Application number: JP9049649A
Authority: JP
Inventors: Yuichi Yoshida; 田祐一吉; Seiichiro Tabata; 端誠一郎田
Original assignee: Olympus Optical Co Ltd
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 1997-02-17
Filing date: 1997-02-17
Publication date: 1998-08-25

Abstract

(57)【要約】【目的】住宅内の仮想３次元空間を疑似体験できる装置
で、ウォークスルーするパスの設定が簡単にでき、簡便
さに優れた装置を実現する。【構成】ＣＲＴディスプレイ等でなる表示部（３）に表
示された２次元画像に対してポイントとして選択的に設
定したパスポイントを結ぶようにしてスプライン曲線を
求めるようにしてパスを演算して求め（６）、パスデー
タ記憶部（７）に記憶されたパスを読み出してこのパス
上を順次移動するに応じて逐次レンダリングを行って擬
似体験用画像を得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は観察者が適宜の画像
表示装置を通して自己の視野に立体的に景観が展開され
る如くして映像を観察することができる擬似体験装置、
例えば、観察者が住宅内の各部屋のレイアウトやインテ
リアデザイン等の様子を恰も自らその住宅を訪れた如く
に立体映像によって擬似的に体験することができる擬似
体験装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の住宅等の擬似体験装置において
は、観察者（操作者或いは仮想的訪問者）の通過経路
（即ち、パス）の登録および再生機能が設けられてい
る。これは、ウォークスルーした道筋、視線方向等を予
め記憶装置に入力して記憶させておき（パスの登録）、
このようにして記憶させてある情報を再生するものであ
る。

【０００３】このような従来の擬似体験装置では、観察
者が３次元空間内を移動する操作に慣れていないことが
多いため、操作に習熟した者が操作者に代わって予めパ
スの登録を行ったり、或いは、既定のパスを自動再生し
てデモンストレーションを行うといったかたちで用いら
れるのが普通であった。

【０００４】また、特開平7-73338号公報には、ピスト
ルのグリップに似た形状の３Ｄマウスと称呼される３次
元入力装置を用いてユーザが自らの操作によって住宅内
等の仮想的３次元空間内を移動する構成の擬似体験装置
が提案されている。また、同公報所載の装置の構成例の
一つとして、ソフトロボットと称される仮想的なロボッ
トが表示装置のスクリーンに展開される仮想的住宅の空
間内を、ユーザの３次元入力装置を通しての操作に応じ
て移動するようにしたものが提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の装
置では、特にこの種の装置の取り扱いについて習熟して
いるわけではない一般的なユーザが自らの操作によって
所望の通りに仮想的な３次元空間内をウォークスルーし
て室内の様子やその他の景観などを擬似体験するには、
多少なりとも操作の練習をする必要があり、また、上述
の公報所載のような装置ではシステムの構成が複雑とな
り、ユーザ側から見ても、或いは装置を設置する側から
見ても、何れも簡便さに欠けるといった問題があった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであ
り、特に簡便さに優れたこの種の装置を提供しようとす
るものである。

【０００６】

【課題を解決する手段および作用】上記課題を解決する
ため、一つの本願発明は：観察者の視野に展開されると
想定された種々の景観に係る３次元データを記憶する３
次元データ記憶手段と、観察者の視点の移動軌跡上の各
点である離散的な各パスポイントの座標を記憶するパス
ポイント座標記憶手段と、このパスポイント座標記憶手
段が記憶した離散的な各パスポイントの座標から、該各
パスポイントを繋ぐ連続的な視点の移動軌跡であるパス
を求めるパスの演算手段と、前記パスの演算手段により
求められたパスのうち、観察者が仮想的に現在存在して
いるパスポイントの座標と、このパスポイントの座標に
対応する所定の視点から投影面までの距離と、現在時点
での観察者の視線方向との各データを用いて、前記３次
元データ記憶手段が記憶している３次元データの上記投
影面に対する投影演算を行って２次元画像を表わすデー
タを得る投影演算手段と、上記投影演算手段が演算して
求めたデータによる２次元画像を、適用された画像表示
手段に呈示するための信号を生成する表示用信号生成手
段と、を備えてなることを特徴とする擬似体験装置であ
る。・・・・・・・・・（１）

【０００７】上記（１）の発明によれば、離散的なパス
ポイントを記憶しておき、このパスポイントから連続的
なパスラインを演算し、このパスラインに沿って観察者
の視点が移動する。

【０００８】また、他の一つの本願発明は：観察者の視
野に存在する仮想的建築物の内外に係って観察者が存在
し得ると予め想定した複数の各位置のうちの特定位置を
当該特定位置を表わす名称等によって選択的に指定し得
るように構成された入力手段を更に有し、上記３次元デ
ータ記憶手段は上記観察者の視野に存在する仮想的建築
物の内外の外観に係る３次元データを記憶し、上記パス
ポイント座標記憶手段は上記特定位置を表わす名称等と
該特定位置に対応した座標とを対応付けて記憶し、上記
パスの演算手段は操作者が上記入力手段によって一の特
定位置から他の特定位置へと指定位置を変更したときに
は該一の特定位置から他の特定位置への移動軌跡である
連続的なパスに拠らずに瞬時的な移動が行われるに相当
したパスのデータをワープデータとして生成して上記投
影演算手段に供給するするようになされたことを特徴と
する上記（１）に記載の擬似体験装置である。・・・・
（２）

【０００９】上記（２）の発明によれば、一つのパスポ
イントから他のパスポイントへと瞬時的に移動するワー
プ動作を行うことが可能となる。また、ワープにおける
移動先のパスポイントの指定は、２次元的位置として特
定することなく、移動の目標となる特定位置を表わす名
称等（仮想的住宅の空間内であれば、例えば、「キッチ
ン」，「書斎」，…等）によって行うことができる。

【００１０】また、更に、他の一つの本願発明は：上記
パスポイント座標記憶手段に記憶するパスポイントを入
力する手段として、上記３次元データ記憶手段が記憶す
る３次元データと相関を有するパス設定用平面図データ
を保持する平面図データ記憶手段と、該平面図データ記
憶手段が保持する平面図データに対応した平面図を操作
者に呈示するための平面図表示手段と、操作者による該
平面図表示手段に呈示された平面図に依拠した操作に応
じて上記各パスポイントを夫々表わすデータを生成する
パス入力手段と、を含んでなる入力手段を更に備えてな
るものであることを特徴とする上記（１）記載の擬似体
験装置である。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・（３）

【００１１】上記（３）の発明によれば、上記入力手段
によって、平面図表示手段に呈示された平面図を見なが
らの操作によって上記各パスポイントを設定することが
できる。

【００１２】また他の一つの本願発明は：上記パスの演
算手段は、演算結果として算定されるパスが仮想的建築
物等に係る障害物を横切ることがないようにしてパスを
算定するように構成されてなるものであることを特徴と
する請求項１に記載の擬似体験装置である。・・・・・
（４）

【００１３】上記（４）の発明によれば、仮想空間内で
も実空間内で障害となるようなものは回避乃至迂回する
ようにした現実に即したパスの設定が行われる。

【００１４】また、他の一つの本願発明は：観察者の視
野に展開されると想定された種々の景観に係る３次元デ
ータを記憶する３次元データ記憶手段と、観察者の視点
の移動軌跡であるパスラインの座標を記憶するパスライ
ン座標記憶手段と、上記パスライン座標記憶手段が記憶
しているパスラインの座標のうち、観察者が仮想的に現
在存在しているパスポイントの座標と、このパスポイン
トの座標に対応する所定の投影面と、現在時点での観察
者の視線方向との各データを用いて、前記３次元データ
記憶手段が記憶している３次元データの上記投影面に対
する投影演算を行って２次元画像を表わすデータを得る
投影演算手段と、上記投影演算手段が演算して求めたデ
ータによる２次元画像を、適用された画像表示手段に呈
示するための信号を生成する表示用信号生成手段と、上
記投影演算手段での演算に適用する視線方向のデータを
設定する視線方向設定手段と、を備えてなることを特徴
とする擬似体験装置である。・・・・・・・・・・・・（５）

【００１５】上記（５）の発明によれば、視線方向設定
手段として、例えばその一例としてＨＭＤ（Head Motio
n Sensor）を適用するなどして、パスポイント上で種々
の方向に視線を向けるに相応した疑似体験用の映像を得
ることができる。

【００１６】また、他の一つの本願発明は：上記視線方
向設定手段は、当該適用された画像表示手段を観察する
観察者の所作に応じて上記投影演算手段での演算に適用
する視線方向のデータを設定するための制御用信号を得
る制御用信号生成装置を含んで構成されたものであるこ
とを特徴とする上記（５）に記載の擬似体験装置であ
る。・・・・・・・・・・・（６）

【００１７】また、他の一つの本願発明は：上記制御用
信号生成装置は、観察者の頭部に装着されて頭部の動き
に応じた検出出力を上記制御用信号と関連した信号とし
て得るヘッドモーションセンサまたは観察者によって操
作される操作子の動きに応じた検出出力を上記制御用信
号と関連した信号として得る操作機構を含んで構成され
たものであることを特徴とする上記（６）に記載の擬似
体験装置である。・・・・・・・・・・・（７）

【００１８】また、他の一つの本願発明は：観察者の視
野に展開されると想定された種々の景観に係る３次元デ
ータを記憶する３次元データ記憶手段と、観察者の視点
の移動軌跡であるパスラインの座標を記憶するパスライ
ン座標記憶手段と、上記パスライン座標記憶手段が記憶
しているパスラインの座標のうち、観察者が仮想的に現
在存在しているパスポイントの座標と、このパスポイン
トの座標に対応する所定の投影面と、現在時点での観察
者の視線方向との各データを用いて、前記３次元データ
記憶手段が記憶している３次元データの上記投影面に対
する投影演算を行って２次元画像を表わすデータを得る
投影演算手段と、上記投影演算手段が演算して求めたデ
ータによる２次元画像を、適用された画像表示手段に呈
示するための信号を生成する表示用信号生成手段と、上
記投影演算手段での演算に適用するパスポイントの座標
の当該パスライン上での移動速度および移動方向のうち
の少なくとも一方を制御する視点移動制御手段と、上記
視点移動制御手段により設定された移動速度及び／又は
移動方向に適合するようにして上記パスライン座標記憶
手段から上記投影演算手段への順次のパスポイントの座
標の供給を制御する読み出し制御手段と、を備えてなる
ことを特徴とする擬似体験装置である。・・・・・・・・・・・
（８）

【００１９】上記（８）の発明によれば、視点移動制御
手段として、例えば、その一例としてジョイスティック
の操作に応動する構成の手段を適用するなどして、所望
の移動速度及び／又は移動方向に適合するような疑似体
験用の映像を得ることができる。

【００２０】また、他の一つの本願発明は：観察者の視
野に展開されると想定された種々の景観に係る３次元デ
ータを記憶する３次元データ記憶手段と、観察者が仮想
的に現在存在しているパスポイントの座標と、このパス
ポイントの座標に対応する所定の投影面と、現在時点で
の観察者の視線方向との各データを用いて、前記３次元
データ記憶手段が記憶している３次元データの上記投影
面に対する投影演算を相対的に低レベルのレンダリング
により実行して２次元画像を表わすデータを得る低レベ
ル投影演算手段と、上記パスポイントの座標のうち観察
者が注目するパスポイントを指定するためのパスポイン
ト指定手段と、上記パスポイント指定手段によって指定
されたパスポイントに対応する座標データ、該パスポイ
ントからこれに対応する投影面までの距離のデータ、お
よび、視線方向のデータを関連付けて記憶するパスポイ
ント関連データ記憶手段と、相対的に高いレベルのレン
ダリングを行うか、相対的に低いレベルのレンダリング
を行うかを切り換え設定するレンダリングレベル切り換
え手段と、上記レンダリングレベル切り換え手段によっ
て相対的に高いレベルのレンダリングを行うことが切り
換え設定されたときには、上記パスポイント関連データ
記憶手段に記憶された、上記座標データ、距離のデー
タ、および、視線方向のデータに基づいて、上記３次元
データ記憶手段に記憶された３次元データに基づいて相
対的に高いレベルのレンダリングにより投影演算を実行
して２次元画像を表わすデータを得る高レベル投影演算
手段と、上記レンダリングレベル切り換え手段によって
相対的に低いレベルのレンダリングを行うことが切り換
え選択されたときには、上記低レベル投影演算手段によ
る投影演算で求められた２次元画像を表わすデータによ
る２次元画像を当該適用された画像表示手段に呈示する
ための信号を生成し、上記レンダリングレベル切り換え
手段によって相対的に高いレベルのレンダリングを行う
ことが切り換え設定されたときには、上記高レベル投影
演算手段による２次元画像を表わすデータによる２次元
画像を当該適用された画像表示手段に呈示するための信
号を生成するようになされた表示用信号生成手段と、を
備えてなることを特徴とする擬似体験装置である。・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・（９）

【００２１】上記（９）の発明によれば、適切に機を見
て高いレベルのレンダリングを行うことができ、疑似体
験用の映像を得るための処理が総体的に無駄なく進める
ことができる。

【００２２】また、更に他の一つの本願発明は：上記
（９）の擬似体験装置において、更に、上記ポイント指
定手段によって指定されたポイントに対応する座標デー
タ、該ポイントからこれに対応する投影面までの距離の
データ、および、視線方向のデータが実質的に定常とな
る停止状態にあることを認識する停止状態認識手段を備
えてなり、上記レンダリングレベル切り換え手段は、上
記停止状態認識手段が停止状態にあることを認識したと
きに、上記高レベル投影演算手段による投影演算を実行
せしめて２次元画像を表わすデータを得、上記表示用信
号生成手段は、上記高レベル投影演算手段による当該投
影演算の結果としての２次元画像を表わすデータが得ら
れるまでは、上記低レベル投影演算手段による投影演算
で求められた２次元画像を表わすデータによる２次元画
像を当該適用された画像表示手段に呈示するための信号
を生成して持続的に出力し、上記高レベル投影演算手段
による当該投影演算の結果としての２次元画像を表わす
データが得られて以降は、上記高レベル投影演算手段に
よる２次元画像を表わすデータによる２次元画像を当該
適用された画像表示手段に呈示するための信号を生成す
るようになされたものであることを特徴とする擬似体験
装置である。・・・・・・・・・・・・・・（１０）

【００２３】上記（１０）の発明によれば、観察者の動
きがなく、停止状態にある期間内では同じ画像を定常的
に表示し続ければよいため、レンダリングに係るデータ
処理の負荷が軽くなるため、このような期間を有効に利
用した無駄の無い処理が実行される。

【００２４】また、他の一つの本願発明は：上記レンダ
リングレベル切り換え手段は、上記停止状態認識手段が
停止状態にあることを認識した状態から該認識にない状
態に遷移したときには、上記高レベル投影演算手段によ
る投影演算を中止して上記低レベル投影演算手段による
投影演算に切り換えるように構成されたものであること
を特徴とする上記（９）記載の擬似体験装置である。・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・（１１）

【００２５】上記（１１）の発明によれば、観察者が一
旦移動を停止して、再び移動するような場合にも遅滞な
く低レベル投影演算手段による処理が実行され、疑似体
験用の映像を得るための処理が総体的に無駄なく進めら
れる。

【００２６】また、他の一つの本願発明は：観察者の視
野に展開されると想定された種々の景観に係る３次元デ
ータを記憶する３次元データ記憶手段と、種々のテクス
チャデータをテクスチャの称呼を表わすＩＤ番号に対応
させて記憶するテクスチャ記憶手段と、当該観察者の視
点を表わす所定の視点座標、該視点から投影面までの距
離、および視線方向に係って上記３次元データ記憶手段
が記憶している３次元データの上記投影面に対する投影
演算を行って２次元画像を表わすデータを得る投影演算
手段と、上記投影演算手段が演算して求めたデータによ
る２次元画像を、適用された画像表示手段に呈示するた
めの信号を生成する表示用信号生成手段と、上記適用さ
れた画像表示手段に呈示される２次元画像に重畳するよ
うにして表示されるカーソルの位置を指定するカーソル
位置入力手段と、上記カーソル位置入力手段により指定
されたカーソルの位置に対応するオブジェクトを判定す
るオブジェクト判定手段と、上記オブジェクト判定手段
が判定したオブジェクトに対応するテクスチャを指定す
るためのテクスチャＩＤ入力手段と、上記テクスチャＩ
Ｄ入力手段から入力されたＩＤ番号に対応するテクスチ
ャを上記テクスチャ記憶手段から読み出して上記オブジ
ェクト判定手段が判定したオブジェクトに対応するテク
スチャとして選定するテクスチャ選定手段と、を備えて
なり、更に、上記投影演算手段は、上記テクスチャ選定
手段によって選定されたテクスチャを反映させた２次元
画像を得るように構成されたことを特徴とする擬似体験
装置である。……………………………………………（１
２）

【００２７】上記（１２）の発明によれば、選択したオ
ブジェクトに対して所望のテクスチャを与えることがで
きる。

【００２８】

【発明の実施の形態】図１は本発明の一つの実施の形態
としての擬似体験装置の構成例を同装置の各機能部の相
互関係で示す模式的ブロック図である。図１において、
１は装置のユーザである観察者の視野に展開されると想
定された種々の景観、例えば住宅等の建築物の内外の外
観等に係る３次元データ（３次元モデルデータ）が記憶
されている３次元データ記憶部である。

【００２９】上記３次元データ記憶部１に格納された３
次元データは、その３次元データと所定の対応関係にあ
る２次元データを記憶するための２次元データ記憶部２
と連携してデータの授受を行うように構成されている。

【００３０】上記３次元データ記憶部１に住宅等の建築
物の内外の外観等を表わす３次元データが保有されてい
る場合、この３次元データ記憶部１と連携してデータの
授受を行う２次元データ記憶部２では、当該建築物の内
外の外観等を表わす３次元データと所定の対応関係にあ
る２次元データである平面図に相応したデータを受け取
ってこれを格納・保持する。そして、このように格納・
保持された２次元データ（平面図のデータ）を、ＣＲＴ
ディスプレイ等でなる表示部３に供給する。

【００３１】表示部３には、上述のようにして供給され
たデータによって住宅の平面図等が表示される。このよ
うに表示された住宅の平面図等に対して、操作者はマウ
ス等のポインティングディバイスやキーボード等の入力
手段４を操作して、仮想３次元空間内に居る観察者たる
自己が仮想的に歩んで行く軌跡上の離散的な視点位置で
ある各パスポイントを設定する。即ち、入力手段４を操
作すると、上述の各パスポイントを表わすデータがこの
入力手段４で生成され、該データが表示部３に供給され
ることによって、当該操作により各パスポイントが設定
される様子が表示部３上に確認される。この場合、擬似
体験用の画像の観察に先立つ入力手段４の操作自体は、
観察者自身に代わって、業として装置を設置する者の習
熟した操作者が行うようにすると操作の効率がよい。

【００３２】一方、入力手段４で生成されたパスポイン
トを表わすデータはこれらに対応する座標を表わすデー
タとして、該座標を表わすデータを記憶するためのパス
ポイント座標記憶部５と、既述の２次元データ記憶部２
に各供給される。

【００３３】上述の入力手段４では、操作者がパスポイ
ントを入力することによって観察者（操作者）が観察を
予定した移動経路を設定するほか、キーボード等によっ
て順次観察を希望する部屋等の特定位置を表わす名称等
（部屋であれば、例えば「リビング」、「ダイニン
グ」、「和室」等の部屋名）を次々に指定することもで
きる。このようにして特定位置を表わす名称等（部屋
名）によって指定されたパスポイントのデータも既述の
２次元データ記憶部２に各供給され、（部屋名等に）対
応する座標データとしてパスポイント座標記憶部５に供
給される。

【００３４】パスポイント座標記憶部５に記憶された上
述のパスポイントのデータは、これらの離散的な各パス
ポイントの座標から該各パスポイントを繋ぐ連続的な視
点（観察者）の移動軌跡であるパスを算出するパスの演
算部６に供給される。

【００３５】このパスの演算部６で行われる演算手法と
しては、例えば、離散的な複数のポイントに基づいてこ
れら複数のポイントを滑らかに繋ぐスプライン曲線を求
めるといったそれ自体は公知の手法等を適用し得る。

【００３６】パスの演算部６で求められたパスのデータ
は、パスデータ記憶部７に記憶される。そしてこのパス
データ記憶部７に記憶された連続的な視点（観察者）の
移動軌跡であるパスのデータは後に詳述する投影演算を
行う投影演算手段としてのレンダリング演算部８に供給
される。

【００３７】レンダリング演算部８には、上述したパス
のデータのほかに、３次元データ記憶部１からの、例え
ば住宅等の建築物の内外の外観等に係る３次元データ
（３次元モデルデータ）、マウスやジョイスティック等
に対する操作によって仮想空間の表示倍率に係る指標を
設定するための表示倍率設定手段９で設定された表示倍
率に係る指令信号（データ）、及び、本装置で仮想空間
を観察するための頭部装着型表示装置（Head Mounted D
isplay:ＨＭＤと略記）１０に付属して或いは付属せず
して設けられ該ＨＭＤ１０を装着した観察者（操作者）
の頭部の姿勢に係る検出値から視線方向を表わすデータ
を得るヘッドモーションセンサ１１からの視線方向デー
タが、夫々供給される。尚、表示倍率設定手段９で設定
される表示倍率に係る指令信号（データ）は、視点及び
／又は投影面の位置を変更するためのものであって、該
表示倍率設定手段９で設定された表示倍率は、表示倍率
表示手段１２に表示されるように構成されている。

【００３８】レンダリング演算部８における演算処理が
終了すると、演算の終了の旨を表わす信号（情報）が読
み出し制御部１３に供給されるようになされている。こ
の読み出し制御部１３には、また、視点座標移動条件入
力手段１４で設定された、パスポイント（観察者が仮想
的に現在存在している地点）の当該パスライン（観察者
の移動経路）上での移動速度及び／又は移動方向などの
情報、或いは、この装置が住宅等の建築物に係る擬似体
験装置として構成されている場合、直接視点を置くこと
を予定した部屋等に瞬時に移動する（ワープする）こと
を指示するための情報等が供給される。

【００３９】図２は図１の装置が、住宅等の建築物に係
る擬似体験装置として構成されている場合の、同装置の
用いられ方及び装置の動作を説明するための図である。
図２におけるように、住宅の間取り図が図１で説明した
２次元データ記憶部２から供給されるデータに基づいて
表示部３に表示される。操作者は、このようにして表示
部３に表示された住宅の間取り図に対して、マウスやジ
ョイスティック等を有してなる入力手段４を通して、図
２中でそれぞれ×で示されたようにパスポイントを設定
する。

【００４０】上記のようにして設定されたパスポイント
は、図１で説明したパスポイント座標の記憶部５に各ポ
イントを表わす離散的な座標データとして格納される。
パスポイント座標の記憶部５に格納された離散的な座標
データに基づいてパスの演算部６では各パスポイントを
繋ぐ連続的な視点の移動軌跡であるパスを演算により求
める。既述の通り、この演算手法としては、離散的な各
点を繋ぐ連続的なスプライン曲線を求めるといった公知
の手法を適用することができる。

【００４１】但し、この装置が住宅等の建築物に係る擬
似体験装置として構成されている場合、住宅内の部屋の
形や、仮想的に配置された家具等を考慮して、観察者の
移動の障害となるようなものを回避するようにして、観
察者の移動経路としてのパスの設定が行われるような演
算がなされる。即ち、演算結果として算定されるパスが
仮想的建築物等に係る障害物を横切ることがないように
してパスの算定がなされる。

【００４２】上記のようにしてパスの演算部６で求めら
れたパスのデータはパスデータ記憶部７に格納・保持さ
れ、適宜のタイミングでレンダリング演算部８に供給さ
れる。レンダリング演算部８には、上記パスのデータの
他に、既述のように、表示倍率設定手段９からのマウス
やジョイスティック等を用いた操作によって仮想空間の
表示倍率に係る指令信号（データ）が供給される。この
指令信号（データ）は、例えば、ズームアップ／ズーム
ダウンに相応した、観察者が仮想的に現在存在している
パスポイントの座標に対応する所定の視点から投影面ま
での距離等のデータであるが、この他、表示倍率を初期
値に復帰させるための倍率リセット指令等も、この表示
倍率設定手段９からレンダリング演算部８に供給され
る。

【００４３】既述の通り、レンダリング演算部８には、
ＨＭＤ１０を装着した観察者（操作者）の頭部の姿勢に
係る検出値から視線方向を表わすデータを得るヘッドモ
ーションセンサ１１からの視線方向データも供給され
る。尚、このような構成を採る場合、ヘッドモーション
センサ１１は、観察者（操作者）の所作に応じて上記投
影演算手段としてのレンダリング演算部８での演算に適
用する視線方向のデータを設定するための制御用信号を
得る制御用信号生成装置を構成するが、制御用信号生成
装置としては、上記のほか、ジョイスティック式の操作
装置など観察者（操作者）によって操作される操作子の
動きに応じた検出出力を上記制御用信号と関連した信号
として得る操作機構を含んで構成されたものを適用して
もよい。

【００４４】レンダリング演算部８は、３次元データ記
憶部１から供給される住宅等の建築物の内外の外観等を
表わす３次元データに対して、上述のようにして受け取
った仮想空間の表示倍率に係る指令信号（データ）、視
線方向データに基づいて投影演算を実行する。即ち、観
察者が仮想的に現在存在しているパスポイントの座標
と、このパスポイントの座標に対応する所定の視点から
投影面までの距離と、現在時点での観察者の視線方向と
の各データを用いて、前記３次元データ記憶手段が記憶
している３次元データの上記投影面に対する投影演算を
行って２次元画像を表わすデータを得る。既述の通り、
この投影演算が終了した時点で演算終了の旨の信号がレ
ンダリング演算部８から読み出し制御部１３に伝達され
る。

【００４５】読み出し制御部１３は上記演算終了の旨の
信号によって一つのパスポイントに係ってレンダリング
演算が終了したことを認識すると、パスデータ記憶部７
に制御信号を発して、当該パスに沿った次のパスポイン
トに係るパスデータをパスデータ記憶部７からレンダリ
ング演算部８に供給せしめ、該次のパスポイントに係る
レンダリング演算の実行を促す。

【００４６】この場合、視点座標移動移動条件入力手段
１４から読み出し制御部１３に供給される当該パスラ
イン（観察者の移動経路）上での移動速度及び／又は移
動方向などの情報に応じて、当該パスに沿ったパスポイ
ントの更新の頻度（時間率）や投影方向等が読み出し制
御部１３を介してレンダリング演算部８に供給されて適
宜のレンダリング条件の更新がなされることとなる。

【００４７】或る視点から次の視点への瞬時的な移動、
即ち、ワープ（例えば「玄関」から「和室」への瞬時的
移動）、を行うに際しては、視点座標移動条件入力手段
１４でのワープ実行のための操作に応じて読み出し制御
部１３から制御指令が発せられ、既述のパスポイント座
標記憶部５からワープ時の移動先の座標が直接レンダリ
ング演算部８に供給されて適宜のレンダリング条件の更
新がなされることとなる。図３は、上述のような瞬間的
な視点の移動を行った場合の表示画面の様子を例示する
模式図である。同図（Ａ）及び（Ｂ）は、玄関から和室
へ瞬時的移動を行ったときの視点座標移動条件入力手段
１４の入力方法とレンダリング演算部８が生成した画像
データによる画像を示すものである。マウス等で画面中
のポインタを移動させ、図３（Ａ）のように和室を選択
すると、視点は和室に移動し、図３（Ｂ）のような画像
に変化する。

【００４８】図４は、図１に示した装置における疑似体
験用の映像の再生手順の例を示すフローチャートであ
る。

【００４９】映像の再生動作がスタートすると、先ず、
レンダリング演算部８は、読み出し制御部１３の制御下
でパスデータ記憶部７から１つのポイントのパスデータ
を読み込む（ステップＳ１）。

【００５０】次に、ステップＳ１で読み込んだ１つのポ
イントにおける視線方向を進路方向として求める（ステ
ップＳ２）。

【００５１】更に、レンダリング演算部８は、ヘッドモ
ーションセンサ１１からの視線方向データを読み込み、
ステップＳ２において求めた進路方向のデータに対して
視線方向のデータが加味されたデータを得る（ステップ
Ｓ３）。ヘッドモーションセンサ１１からのデータは１
次的にはｘ，ｙ，ｚの３軸に関する回転角データとして
得られるので、進路方向の視線ベクトルに対して加減算
を行うことによって、進路方向を基準としてこれにヘッ
ドモーションセンサ１１からのデータをベクトル的に加
減算する修正を施す。

【００５２】次いで、マウス、キーボード、３Ｄマウス
等の操作用装置からの入力を受け付け、これにより、ウ
ォークルー（移動経路）の条件が所望のものとなるよう
に設定される（ステップＳ４）。

【００５３】上記ステップＳ４におけるウォークルー
（移動経路）の条件として、次のような事項を設定する
ことができる。即ち、移動の速度、停止／移動の再開、
移動方向の逆転、或いは、上述した目的とする場所への
ワープ移動などである。

【００５４】以上ステップＳ４までに設定された諸条件
に基づいて、レンダリング演算部８は疑似体験用の映像
を生成する（ステップＳ５）。

【００５５】次に、本発明の第２の実施の形態について
説明するため、視点を転じる。一般に、パーソナル・コ
ンピュータ程度の演算処理速度の情報処理装置を用いて
擬似体験装置を構成する場合、ウォークスルー（移動経
路、また、その経路に沿った移動）の全工程に亙って、
光の反射、吸収、屈折、透過、或いはシャドウを考慮し
た高レベルのレンダリングによる画像をリアルタイムで
生成しようとすると、このようなレンダリングの実行に
ついては情報処理速度に係る要求水準が極めて高くなる
ため、その実現は非常に困難であった。

【００５６】通常の場合、高レベルのレンダリングを行
うには、特定の地点、特定の視線ベクトルで静止画を作
成する方法が多く用いられるが、演算処理装置の負荷が
重く、処理時間がかかるため、レンダリングの処理を実
行中は他の画像生成を伴う操作（ウォークスルー等）を
行うことができず、次の操作に進むには、現在実行中の
高レベルのレンダリング処理が終了するまで待たなくて
はならない。

【００５７】本発明の第２の実施の形態の装置は、上述
のような問題に対処しようとするもなであり、その概要
は次のようなものである。即ち、操作者（観察者）が休
憩をとるなどして擬似体験のための画像の観察を一時的
に休止している場合等、ウォークスルーを一旦停止して
いる期間内に、この種の装置で多く採用されている公知
のマルチタスク処理におけるバックグラウンド処理で高
レベルレンダリング処理を行っておき、擬似体験画像の
観察に復帰したときに、所望の対象の観察に際して既に
高レベルレンダリング処理が終了している画像（静止
画）の観察をフォアグラウンド処理で行う。

【００５８】例えば、ウォークスルーの途中で、操作装
置を通して、所望の対象（景観）の観察を高レベルレン
ダリング処理の画像で行うように指令を与えると、バッ
クグラウンド処理で高レベルレンダリング処理が終了し
ている画像（静止画）が遅滞なく映出され得る。

【００５９】従って、ウォークスルーの速度に影響を与
えることなくウォークスルーを継続しつつ、複数の所望
の対象（ポイント）の観察を高レベルレンダリング処理
の画像で行うことができる。

【００６０】図５は、本発明の第２の実施の形態の装置
としての擬似体験装置の構成例を同装置の各機能部の相
互関係で示す模式的ブロック図である。図５において、
既述の図１との対応部には同一の符号を附してある。

【００６１】図５においても図１におけると同様、１は
装置のユーザである観察者の視野に展開されると想定さ
れた種々の景観、例えば住宅等の建築物の内外の外観等
に係る３次元データ（３次元モデルデータ）が記憶され
ている３次元データ記憶部である。

【００６２】図１について上述したように、指定された
パスポイント（部屋名等の名称）を表わすデータはこれ
ら名称等（部屋名）対応する座標データとしてパスポイ
ント座標記憶部５に供給される。

【００６３】パスポイント座標記憶部５に記憶された上
述のパスポイントのデータは、これらの離散的な各パス
ポイントの座標から該各パスポイントを繋ぐ連続的な視
点（観察者）の移動軌跡であるパスを算出するパスの演
算部６に供給される。

【００６４】図１について上述したと同様、パスの演算
部６で行われる演算手法としては、例えば、離散的な複
数のポイントに基づいてこれら複数のポイントを滑らか
に繋ぐスプライン曲線を求めるといったそれ自体は公知
の手法等を適用し得る。

【００６５】パスの演算部６で求められたパスのデータ
は、パスデータ記憶部７に記憶される。そしてこのパス
データ記憶部７に記憶された連続的な視点（観察者）の
移動軌跡であるパスのデータは後に詳述する投影演算を
行う投影演算手段としての低レベルレンダリング演算部
８１に供給される。

【００６６】低レベルレンダリング演算部８１には、上
述したパスのデータのほかに、３次元データ記憶部１か
らの、例えば住宅等の建築物の内外の外観等に係る３次
元データ（３次元モデルデータ）、マウスやジョイステ
ィック等に対する操作によって仮想空間の表示倍率に係
る指標を設定するための表示倍率設定手段９で設定され
た表示倍率に係る後述する指令信号（データ）、及び、
本装置で仮想空間を観察するための頭部装着型表示装置
（Head Mounted Display:ＨＭＤと略記）１０に付属し
て或いは付属せずして設けられ該ＨＭＤ１０を装着した
観察者（操作者）の頭部の姿勢に係る検出値から視線方
向を表わすデータを得るヘッドモーションセンサ１１か
らの視線方向データが、夫々供給される。尚、表示倍率
設定手段９で設定された表示倍率は、表示倍率表示手段
１２に表示されるように構成されている。

【００６７】低レベルレンダリング演算部８１における
演算処理が終了すると、演算の終了の旨を表わす信号
（情報）が読み出し制御部１３に供給されるようになさ
れている。この読み出し制御部１３には、また、視点座
標移動条件入力手段１４で設定された、パスポイント
（観察者が仮想的に現在存在している地点）の当該パス
ライン（観察者の移動経路）上での移動速度及び／又は
移動方向などの情報、或いは、この装置が住宅等の建築
物に係る擬似体験装置として構成されている場合、直接
視点を置くことを予定した部屋等に瞬時に移動する（ワ
ープする）ことを指示するための情報等が供給される。

【００６８】低レベルレンダリング演算部８１における
演算処理の結果としての画像データ（低レベルレンダリ
ングによって得た２次元画像データ）は、切り換え回路
ＳＷ１を介して並設された相似的な画像メモリ（１）２
１及び画像メモリ（２）２２に、例えばフレーム毎に、
交互に書き込まれる。

【００６９】上述のようにして画像メモリ（１）２１及
び画像メモリ（２）２２に書き込まれた２次元画像デー
タは、画像再生時には切り換え回路ＳＷ２を介して例え
ばフレーム毎に、交互に読み出される。上記の切り換え
回路ＳＷ１及び切り換え回路ＳＷ２は、ヘッドモーシ
ョンセンサ１１による検出出力に基づいてＨＭＤ１０の
実質的な停止状態（従って、観察者(操作者)の頭部の実
質的な停止状態）を検出するＨＭＤ停止検出部１１０に
よって切り換え制御される。即ち、観察者(操作者)の頭
部の実質的な停止状態にあるときには、切り換え回路Ｓ
Ｗ１及び切り換え回路ＳＷ２での切り換え動作は停止せ
しめられ、同一の画像（フレーム）が繰り返しＨＭＤ１
０に供給されて、静止画の再生が行われる。

【００７０】この実施の形態では、上述した低レベルレ
ンダリング演算部８１の他に、光の反射、吸収、屈折、
透過、或いはシャドウを考慮した高レベルのレンダリン
グを行うための高レベルレンダリング演算部８２が設け
られている。この高レベルレンダリング演算部８２にお
ける演算処理の結果としての画像データ（高レベルレン
ダリングによって得た２次元画像データ）は画像記憶部
２５に格納される。

【００７１】高レベルのレンダリングを行う場合の条件
を表わすデータを保持するための高レベルレンダリング
条件記憶部９０が設けられ、この高レベルレンダリング
条件記憶部９０からは一つのレンダリング条件である視
点座標を特定するためのデータが高レベルレンダリング
演算部８２に、また、当該視点座標のデータが画像記憶
部２５に、それぞれ供給されるように構成されている。

【００７２】高レベルレンダリング条件記憶部９０に
は、パスデータ記憶部７に記憶された連続的な視点（観
察者）の移動軌跡であるパスのデータに対して、操作者
が高レベルレンダリングによる画像によって擬似体験を
望むパスポイントを任意に設定するためのポイント設定
ボタン７１を用いての操作によって設定した視点座標の
及び、表示倍率設定手段９で設定される表示倍率を得る
ために視点及び／又は投影面位置の変更するためのデー
タ、並びに、ヘッドモーションセンサ１１からの視線
方向データが夫々供給され、ここで保持される。

【００７３】高レベルレンダリング演算部８２では、上
記高レベルレンダリング条件記憶部９０に保持されたデ
ータに依拠したレンダリング演算が実行され、この演算
結果としての画像データが画像記憶部２５に格納され
る。

【００７４】既述のようにして画像メモリ（１）２１及
び画像メモリ（２）２２に書き込まれた低レベルレンダ
リングによる２次元画像データ、又は、画像記憶部２５
に格納された高レベルレンダリングによる２次元画像
データは、切り換え回路ＳＷ３を介して選択的に仮想空
間を観察するためのＨＭＤ１０に供給され、該ＨＭＤ１
０を装着した観察者（操作者）によって観察される。切
り換え回路ＳＷ３は、適宜のメニュー画面等に基づいて
観察者（操作者）によって操作される表示画面切換部１
０１によって切り換え操作される。

【００７５】尚、高レベルレンダリング演算部８２に
は、３次元データ記憶部１から処理の対象となる３次元
データと共に、上記ＨＭＤ停止検出部１１０による観察
者(操作者)の頭部の実質的な停止状態を表わす検出出力
が供給され、該検出出力に基づいて高レベルレンダリン
グの演算の起動及び停止が制御される。例えば、観察者
(操作者)の頭部の実質的な停止状態が検出されている期
間に限って高レベルレンダリングの演算が実行され、観
察者(操作者)の頭部が動いている限りは高レベルレンダ
リングの演算は休止するような制御がなされる。

【００７６】図６は、上記低レベルレンダリング及び高
レベルレンダリングの各処理に係るプロセスを示すフロ
ーチャートである。図中、Ａの系統は低レベルレンダリ
ングの処理に係るプロセス、Ｂの系統は高レベルレンダ
リングの処理に係るプロセスである。

【００７７】Ａの系統の処理では、或る低レベルレンダ
リングの処理（Ｓ１０）が実行された後、入力手段（例
えば該当するスイッチ、キーその他の操作子等）から何
等かの入力がなされたか否かが判断される（Ｓ１１）。
（Ｓ１１）で入力がなされたと判断された場合は、その
入力が高レベルレンダリングを実行すべき旨の指示であ
るか否かが判断される（Ｓ１２）。（Ｓ１２）で高レベ
ルレンダリングを実行すべき旨の指示であると判断され
たときには、高レベルレンダリングを実行するための条
件を高レベルレンダリング条件記憶部に記憶せしめる
（Ｓ１３）。

【００７８】（Ｓ１３）で高レベルレンダリング条件記
憶部が空き状態から記憶（データ）が在る状態に遷移し
たか否かが判断される（Ｓ１４）。（Ｓ１４）で高レ
ベルレンダリング条件記憶部が空き状態から記憶（デー
タ）が在る状態に遷移したとで判断されたときには、Ｂ
の系統の高レベルレンダリングの処理に係るプロセスを
スリープ状態から起こす（Ｓ１５）。

【００７９】上記（Ｓ１１），（Ｓ１２），（Ｓ１
３），（Ｓ１４）で判断が「否」であるとき、及び、
（Ｓ１５）の完了後には、何れの場合も、高レベルレン
ダリング条件記憶部が空き状態か否かが判断される（Ｓ
１６）。（Ｓ１６）で高レベルレンダリング条件記憶部
が空き状態であると判断されたときには（Ｓ１０）の処
理に戻る。

【００８０】（Ｓ１６）で高レベルレンダリング条件記
憶部が空き状態ではないと判断されたときには、現在Ｈ
ＭＤ検出部１１０が観察者(操作者)の頭部の実質的な停
止状態を検出しているか否かが判断される（Ｓ１７）。

【００８１】（Ｓ１７）で停止状態を検出していると判
断されたときには、プロセスＢの優先順位をＡより高く
する（Ｓ１８）。また、（Ｓ１７）における判断が
「否」であるときには、プロセスＢの優先順位がＡより
高くなっていれば、元に戻す（Ｓ１９）。

【００８２】（Ｓ１８）、（Ｓ１９）が終了したときに
は、何れも（Ｓ１０）の処理に戻る。尚、図５の下部
に、高レベルレンダリング条件記憶部の情報の格納状況
を模式的に示してある。

【００８３】Ｂの系統の高レベルレンダリングの処理プ
ロセスでは、先ず、高レベルレンダリング条件記憶部が
空き状態か否かが判断される（Ｓ２０）。（Ｓ２０）で
高レベルレンダリング条件記憶部が空き状態ではないと
判断されたときには、高レベルレンダリング条件記憶部
から条件を読み出しこの条件に基づいて高レベルレンダ
リングの処理を実行する（Ｓ２１）。

【００８４】（Ｓ２１）の処理が完了すると画像記憶部
に高レベルレンダリングの処理結果を格納する（Ｓ２
２）。（Ｓ２２）の次に、画像記憶部の容量一杯に情報
の格納がなされたか否かが判断される（Ｓ２３）。（Ｓ
２３）で画像記憶部の容量一杯に情報の格納がなされた
と判断されたときには、適宜の外部記憶装置に画像デー
タを転送する（Ｓ２４）。で「否」と判断されたとき及
び（Ｓ２４）の処理が終了したときには、何れも、（Ｓ
２０）の判断に戻る。

【００８５】（Ｓ２０）の判断で、高レベルレンダリン
グ条件記憶部が空き状態であると判断されたときには、
このプロセスＢをスリープ状態にする（Ｓ２５）。（Ｓ
２５）の後、及び、上述の（Ｓ１５）の後、活動状態に
戻る（Ｓ２６）。

【００８６】図７は、図６について説明した低レベルレ
ンダリング及び高レベルレンダリングの各処理に係るプ
ロセスを統括するオペレーティングシステムによるスケ
ジューリングを示すフローチャートである。上述した低
レベルレンダリングに係るプロセスと高レベルレンダリ
ングに係るプロセスとは、マルチプロセス環境で共存し
ており、オペレーティングシステムによるスケジューリ
ングに依拠して互いに独立して動作する。

【００８７】図７のスケジューリングにおいて、先ず、
動作可能なプロセスが存在するか否かが判断され、動作
可能なプロセスが存在すると判断されたときには、優先
順位の最も高いプロセスが探される。次に、優先順位の
最も高いプロセスは１つだけか否かが判断される。優先
順位の最も高いプロセスは１つだけであると判断された
ときには、そのプロセスにＣＰＵ利用の権利を渡す。優
先順位の最も高いプロセスは１つだけでないと判断され
たときには、同一優先順位のプロセスの中で、次のプロ
セスにＣＰＵ利用の権利を渡す。

【００８８】動作可能なプロセスが存在しないと判断さ
れたとき、及び、優先順位の最も高いプロセスは１つだ
けでそのプロセスにＣＰＵ利用の権利を渡したとき、並
びに、優先順位の最も高いプロセスは１つだけでないと
判断され同一優先順位のプロセスの中で、次のプロセス
にＣＰＵ利用の権利を渡したときは、オペレーティング
システムは一旦休止状態になる。この装置に予定された
特定の何等かのイベントの発生を待って一旦休止状態に
なったオペレーティングシステムは再度動作可能なプロ
セスが存在するか否かの判断動作に復帰する。

【００８９】尚、上述の特定のイベントには、例えば次
のようなものが該当する。即ち、以下のような条件が発
生すると、ＣＰＵの利用権がプロセスからオペレーティ
ングシステムに移り、再スケジュールが開始される。・タイムスライス時間のタイムアウト：オペレーティ
ングシステムはプロセスの動作している時間の監視（タ
イムスライス）を行っており、タイムアウトすると、再
スケジュールを開始する。・現在動作中のプロセスが動作を中断した：現在動作
中のプロセスがファイルの読み書き、Ｉ／Ｏ処理などを
行ったときには、これらの処理は非常に時間が掛かるの
で、ＣＰＵの利用権を一旦オペレーティングシステムに
委譲する。・現在動作中のプロセスがプロセスの優先順位の変更
を行った：現在動作中のプロセスが優先順位の変更を行
うと、オペレーティングシステムはＣＰＵの利用権を得
て再スケジュールが開始される。・ファイルの読み書き、Ｉ／Ｏ処理などが終了したと
き：ファイルの読み書き、Ｉ／Ｏ処理などが終了する
と、中断していたプロセスが動作可能となり、再スケジ
ュールが開始される。

【００９０】次に、本発明の第３の実施の形態について
説明するため、視点を転じる。一般に、住宅等の建築モ
デルの擬似体験装置として、壁、天井、床、等の素材を
指定して、それがどのように見えるかをシミュレーショ
ンする機能を備えたものがある。これは、ウォークスル
ー（移動経路、また、その経路に沿った移動）の途中な
どにおいて、例えば壁（仮想的、建築モデルの内装とし
ての壁）をマウスによるクリック操作などによって指定
し、次いで、表示画面内の壁の素材を選択操作すると、
その壁が、選択された素材のものに置き換えられるとい
った構成のものであった。しかしながら、このような装
置では、素材の質感が掴めず、思い通りの擬似体験をす
ることは困難である。従って、素材の選択を正確に行う
については支障を来す惧れがある。

【００９１】上記に鑑み、本発明の第３の実施の形態
は、例えば見本に基づくなどして素材の質感が掴める状
態で、壁、天井、床、等の素材の選択を行い、記憶手段
に選択された素材に対応するテクスチャデータをその称
呼を表わすＩＤ番号に対応付けて記憶させておき、疑似
体験用の画像の観察過程でカーソルなどによって指定し
たオブジェクトに対して予め選択された素材に係るテク
スチャを反映させた画像の観察ができるようにするもの
である。

【００９２】図８は本発明の第３の実施の形態を表わす
概念図である。操作者（観察者）は、素材の見本３０１
ａ，３０１ｂ，３０１ｃ，３０１ｄ，３０１ｅ，３０１
ｆ，３０１ｇ，３０１ｈ，３０１ｉ，３０１ｊ，３０１
ｋを種々並べて貼り付けたシート状体を合本形式に合綴
してなる見本ブック３００を見ながら、所望に応じて各
素材に対応付けられたバーコード３０２ａ，３０２ｂ，
３０２ｃ，３０２ｄ，３０２ｅ，３０２ｆ，３０２ｇ，
３０２ｈ，３０２ｉ，３０２ｊ，３０２ｋをバーコード
リーダ３０３等で読み取る等を行ってして、擬似体験を
試みたい素材を選択する。

【００９３】選択された素材を表わすバーコード化され
たデータは疑似体験用の画像中でこの素材を用いた状態
での観察を希望するオブジェクトに対して適用すべきテ
クスチャデータであり、擬似体験装置本体１００内の記
憶部（データベース）にその称呼を表わすＩＤ番号に対
応付けて記憶させておく。

【００９４】擬似体験装置本体１００における処理の概
要を示せばつぎのようなものである。操作者（観察者）
が住宅内等の仮想空間をウォークスルーしてゆく過程
で、表示画面上でカーソルなどによってポイントを指定
するので、このポイントに対応した仮想空間上でのオブ
ジェクトを特定し、上述のようにしてデータベースに記
憶してあるテクスチャデータのうち該当するものによっ
て当初のオブジェクトのテクスチャを指定したものに置
き換えてその画像データを出力する。

【００９５】図９は、本発明の第３の実施の形態の装置
としての擬似体験装置の構成例を同装置の各機能部の相
互関係で示す模式的ブロック図である。図９において、
既述の図１及び図８との対応部には同一の符号を附して
ある。

【００９６】図８について説明した見本ブック３００か
らバーコードリーダ３０３等で読み取った種々の素材に
対応するテクスチャデータの称呼を表わすＩＤ番号のデ
ータが該当するテクスチャとの対応関係を表わす情報と
してテクスチャマッピングデータベース３１０に記憶・
蓄積される。

【００９７】操作者（観察者）が住宅内等の仮想空間を
ウォークスルーしてゆく過程で、カーソル位置入力部４
０１からのカーソル操作を行うと、ＨＭＤ１０の表示画
面上でカーソルのスーパーインポーズ表示が応動する。
このようなカーソル操作によってポイントを指定する
と、このポイントに対応したカーソル座標のデータがオ
ブジェクト判定部４０２に供給され、該オブジェクト判
定部４０２でこのカーソル座標に該当するオブジェクト
が弁別される。尚、オブジェクト判定部４０２には、図
１のものと同様の３次元データ記憶部１からの３次元デ
ータが供給されて、該データがオブジェクト判定の対象
となる基礎データとされる。

【００９８】オブジェクト判定部４０２で該当するもの
であることが判定されたオブジェクトの範囲を特定する
オブジェクト範囲データがオブジェクトのテクスチャデ
ータ決定部４０３に供給される。このオブジェクトのテ
クスチャデータ決定部４０３には、また、テクスチャマ
ッピングデータベース３１０からテクスチャデータが供
給される。

【００９９】レンダリング演算部８にオブジェクトのテ
クスチャデータ決定部４０３からオブジェクト範囲デー
タ及びテクスチャデータ、並びに、３次元データ記憶部
１からの３次元データが供給され、レンダリング演算部
８はこれら供給されたデータに基づいてレンダリング演
算を実行し、所望のテクスチャ・マッピングの施された
画像、従って、操作者（観察者）の所望に応じた素材を
適用したオブジェクト（壁、天井、床、等）の擬似体験
用画像を得ることができる。

【０１００】尚、パスデータ記憶部７及び視点座標移動
条件入力手段１４から供給されるデータにも応動するこ
とができるように構成されている点は、図１の実施の形
態同様である。

【０１０１】上述した実施の形態では、テクスチャマッ
ピングデータベース３１０に記憶・蓄積する種々の素材
に対応するテクスチャデータの称呼を表わすＩＤ番号と
そのデータ（番号）が該当するテクスチャとの対応関係
を表わす情報の取得は、見本ブック３００からバーコー
ドリーダ３０３等で読み取ることにより行う例について
説明したが、上記の情報の取得はこの例に限定されるも
のではなく、インターネット又はイントラネット等で回
線を通して取り込むように構成することもできる。

【０１０２】

【発明の効果】本願に含まれる、各発明とその発明毎の
課題、効果について、以下にまとめて記す。

【０１０３】・観察者の視野に展開されると想定された
種々の景観に係る３次元データを記憶する３次元データ
記憶手段と、観察者の視点の移動軌跡上の各点である離
散的な各パスポイントの座標を記憶するパスポイント座
標記憶手段と、このパスポイント座標記憶手段が記憶し
た離散的な各パスポイントの座標から、該各パスポイン
トを繋ぐ連続的な視点の移動軌跡であるパスを求めるパ
スの演算手段と、前記パスの演算手段により求められた
パスのうち、観察者が仮想的に現在存在しているパスポ
イントの座標と、このパスポイントの座標に対応する所
定の視点から投影面までの距離と、現在時点での観察者
の視線方向との各データを用いて、前記３次元データ記
憶手段が記憶している３次元データの上記投影面に対す
る投影演算を行って２次元画像を表わすデータを得る投
影演算手段と、上記投影演算手段が演算して求めたデー
タによる２次元画像を、適用された画像表示手段に呈示
するための信号を生成する表示用信号生成手段と、を備
えてなることを特徴とする擬似体験装置・・・・・・・・・
（１）

【０１０４】上記（１）の発明以前のおいては、一般的
なユーザが自らの操作によって所望の通りに仮想的な３
次元空間内をウォークスルーして室内の様子やその他の
景観などを擬似体験するには、多少なりとも操作の練習
をする必要があり、また、種々機能を有するも、システ
ムの構成が複雑となり、ユーザ側から見ても、或いは装
置を設置する側から見ても、何れも簡便さに欠けるとい
った点が課題となっていた。

【０１０５】上記（１）の発明によれば、離散的なパス
ポイントを記憶しておき、このパスポイントから連続的
なパスラインを演算し、このパスラインに沿って観察者
の視点が移動するため、別段の習熟を要さずに擬似体験
装置を扱うことができ、また装置の構成が簡単であり、
ユーザ側から見ても、或いは装置を設置する側から見て
も、簡便さに富む。

【０１０６】・観察者の視野に存在する仮想的建築物の
内外に係って観察者が存在し得ると予め想定した複数の
各位置のうちの特定位置を当該特定位置を表わす名称等
によって選択的に指定し得るように構成された入力手段
を更に有し、上記３次元データ記憶手段は上記観察者の
視野に存在する仮想的建築物の内外の外観に係る３次元
データを記憶し、上記パスポイント座標記憶手段は上記
特定位置を表わす名称等と該特定位置に対応した座標と
を対応付けて記憶し、上記パスの演算手段は操作者が上
記入力手段によって一の特定位置から他の特定位置へと
指定位置を変更したときには該一の特定位置から他の特
定位置への移動軌跡である連続的なパスに拠らずに瞬時
的な移動が行われるに相当したパスのデータをワープデ
ータとして生成して上記投影演算手段に供給するするよ
うになされたことを特徴とする上記（１）に記載の擬似
体験装置・・・・（２）

【０１０７】この種の装置において、あらゆる場合に、
一律に、一の特定位置から他の特定位置への移動軌跡と
して連続的なパスを先ず決めておき、このパスに従わな
ければ擬似体験画像を観察することができないのでは、
数箇所の特定位置のみ観察したい場合などに対しては融
通が利かず利便性に欠けるといった問題がある。そこで
（２）の発明は、必ずしも、パスを予め決めておきこの
パスに従って観察するといった手順に拘束されない、融
通性に富んだこの種の装置を提供することを課題とする
ものである。

【０１０８】上記（２）の発明のよれば、上記（１）の
発明の効果に加えて、例えば、「リビング」等、特定の
場所を直接指定して擬似体験することができる。また、
パスを予め決めておくことは必須とされず、使用形態も
融通性に富む。

【０１０９】・上記パスポイント座標記憶手段に記憶す
るパスポイントを入力する手段として、上記３次元デー
タ記憶手段が記憶する３次元データと相関を有するパス
設定用平面図データを保持する平面図データ記憶手段
と、該平面図データ記憶手段が保持する平面図データに
対応した平面図を操作者に呈示するための平面図表示手
段と、操作者による該平面図表示手段に呈示された平面
図に依拠した操作に応じて上記各パスポイントを夫々表
わすデータを生成するパス入力手段と、を含んでなる入
力手段を更に備えてなるものであることを特徴とする上
記（１）記載の擬似体験装置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
（３）

【０１１０】従来の多くのこの種の装置では、３次元画
像で仮想的に歩くなどして移動する観察者（操作者）が
自ら移動しつつパス（移動経路）を操るように構成され
ていたため、パスの設定にも或る程度の習熟を要した。
そこで（３）の発明は、パスの設定を一層簡単に行う
ことができるこの種の装置を提供することを課題とする
ものである。

【０１１１】上記（３）の発明のよれば、上記（１）の
発明の効果に加えて、例えば、住宅の間取り図のような
平面図平面図に依拠した操作によって一層簡単にパスの
設定を行うことができる。

【０１１２】・上記パスの演算手段は、演算結果として
算定されるパスが仮想的建築物等に係る障害物を横切る
ことがないようにしてパスを算定するように構成されて
なるものであることを特徴とする請求項１に記載の擬似
体験装置・・・・・（４）

【０１１３】仮想的建築物等の中を観察者が移動するよ
うにパスを設定する場合、観察者が例えば、壁などをそ
のまま通過してしまうようなパスの設定が許容されてし
まうと、現実にそぐわないため、擬似体験する意義が減
殺されてしまう。そこで（４）の発明は、パスの設定
に係る自由度が現実に合致する範囲を限度として許容さ
れるようにしたこの種の装置を提供することを課題とす
るものである。

【０１１４】上記（４）の発明のよれば、上記（１）の
発明の効果に加えて、擬似体験が現実にそぐわないもの
となってしまう虞が回避される。

【０１１５】・察者の視野に展開されると想定された種
々の景観に係る３次元データを記憶する３次元データ記
憶手段と、観察者の視点の移動軌跡であるパスラインの
座標を記憶するパスライン座標記憶手段と、上記パスラ
イン座標記憶手段が記憶しているパスラインの座標のう
ち、観察者が仮想的に現在存在しているパスポイントの
座標と、このパスポイントの座標に対応する所定の投影
面と、現在時点での観察者の視線方向との各データを用
いて、前記３次元データ記憶手段が記憶している３次元
データの上記投影面に対する投影演算を行って２次元画
像を表わすデータを得る投影演算手段と、上記投影演算
手段が演算して求めたデータによる２次元画像を、適用
された画像表示手段に呈示するための信号を生成する表
示用信号生成手段と、上記投影演算手段での演算に適用
する視線方向のデータを設定する視線方向設定手段と、
を備えてなることを特徴とする擬似体験装置・・・・・・・・・・
・・（５）

【０１１６】従来の多くのこの種の装置では、３次元画
像で仮想的に歩くなどして移動する観察者（操作者）が
自ら移動しつつパス（移動経路）を操るように構成され
ているため、当該パス上で観察者（操作者）の視線方向
は常に正面に固定されるとかていされていた。しかしな
がら、これでは、観察者（操作者）が一つのパスポイン
ト上で視線を振るような自然で自由な動きに対応するこ
とができない。そこで（５）の発明は、一つのパスポ
イント上で視線を振るような動きに対応することができ
るようにしたこの種の装置を提供することを課題とする
ものである。

【０１１７】上記（５）の発明のよれば、一つのパスポ
イント上で視線を振るような自然で自由な動きに対応す
ることができる。

【０１１８】上記視線方向設定手段は、当該適用された
画像表示手段を観察する観察者の所作に応じて上記投影
演算手段での演算に適用する視線方向のデータを設定す
るための制御用信号を得る制御用信号生成装置を含んで
構成されたものであることを特徴とする上記（５）に記
載の擬似体験装置・・・・・・・・・・・（６）

【０１１９】一つのパスポイント上で視線を振るような
動きに対応することができるようにする場合、観察者
（操作者）の装着したＨＭＤに取り付けたヘッドモーシ
ョンセンサや観察者（操作者）自身が走査するジョイス
ティックのように、操作者の意図が極力直接的に反映さ
れ得るように構成することが望ましい。そこで（６）の
発明は、観察者（操作者）自身の意図が極力直接的に
反映され得るようにしたこの種の装置を提供することを
課題とするものである。

【０１２０】上記（６）の発明のよれば、上記（５）の
発明の効果に加えて、観察者（操作者）自身の意図が直
接的に反映され得る効果がある。

【０１２１】・上記制御用信号生成装置は、観察者の頭
部に装着されて頭部の動きに応じた検出出力を上記制御
用信号と関連した信号として得るヘッドモーションセン
サまたは観察者によって操作される操作子の動きに応じ
た検出出力を上記制御用信号と関連した信号として得る
操作機構を含んで構成されたものであることを特徴とす
る上記（６）に記載の擬似体験装置・・・・・・・・・・・（７）

【０１２２】上記（７）の発明は、上記（６）の発明の
制御用信号生成装置を一層具体的に特定し、具現化し易
いこの種の装置を提供することを課題とするものであ
る。

【０１２３】上記（７）の発明のよれば、上記（６）の
発明による効果の他、上記（６）の発明が容易に具現化
され得る効果がある。

【０１２４】・観察者の視野に展開されると想定された
種々の景観に係る３次元データを記憶する３次元データ
記憶手段と、観察者の視点の移動軌跡であるパスライン
の座標を記憶するパスライン座標記憶手段と、上記パス
ライン座標記憶手段が記憶しているパスラインの座標の
うち、観察者が仮想的に現在存在しているパスポイント
の座標と、このパスポイントの座標に対応する所定の投
影面と、現在時点での観察者の視線方向との各データを
用いて、前記３次元データ記憶手段が記憶している３次
元データの上記投影面に対する投影演算を行って２次元
画像を表わすデータを得る投影演算手段と、上記投影演
算手段が演算して求めたデータによる２次元画像を、適
用された画像表示手段に呈示するための信号を生成する
表示用信号生成手段と、上記投影演算手段での演算に適
用するパスポイントの座標の当該パスライン上での移動
速度および移動方向のうちの少なくとも一方を制御する
視点移動制御手段と、上記視点移動制御手段により設定
された移動速度及び／又は移動方向に適合するようにし
て上記パスライン座標記憶手段から上記投影演算手段へ
の順次のパスポイントの座標の供給を制御する読み出し
制御手段と、を備えてなることを特徴とする擬似体験装
置・・・・・・・・・・・（８）

【０１２５】上記（８）の発明は、所望の移動速度及び
／又は移動方向に適合するような疑似体験用の映像を得
ることができるこの種の装置を提供することを課題とす
るものである。

【０１２６】上記（８）の発明のよれば、視点移動制御
手段として、例えば、その一例としてジョイスティック
の操作に応動する構成の手段を適用するなどして、所望
の移動速度及び／又は移動方向に適合するような疑似体
験用の映像を得ることができる。

【０１２７】・観察者の視野に展開されると想定された
種々の景観に係る３次元データを記憶する３次元データ
記憶手段と、観察者が仮想的に現在存在しているパスポ
イントの座標と、このパスポイントの座標に対応する所
定の投影面と、現在時点での観察者の視線方向との各デ
ータを用いて、前記３次元データ記憶手段が記憶してい
る３次元データの上記投影面に対する投影演算を相対的
に低レベルのレンダリングにより実行して２次元画像を
表わすデータを得る低レベル投影演算手段と、上記パス
ポイントの座標のうち観察者が注目するパスポイントを
指定するためのパスポイント指定手段と、上記パスポイ
ント指定手段によって指定されたパスポイントに対応す
る座標データ、該パスポイントからこれに対応する投影
面までの距離のデータ、および、視線方向のデータを関
連付けて記憶するパスポイント関連データ記憶手段と、
相対的に高いレベルのレンダリングを行うか、相対的に
低いレベルのレンダリングを行うかを切り換え設定する
レンダリングレベル切り換え手段と、上記レンダリング
レベル切り換え手段によって相対的に高いレベルのレン
ダリングを行うことが切り換え設定されたときには、上
記パスポイント関連データ記憶手段に記憶された、上記
座標データ、距離のデータ、および、視線方向のデータ
に基づいて、上記３次元データ記憶手段に記憶された３
次元データに基づいて相対的に高いレベルのレンダリン
グにより投影演算を実行して２次元画像を表わすデータ
を得る高レベル投影演算手段と、上記レンダリングレベ
ル切り換え手段によって相対的に低いレベルのレンダリ
ングを行うことが切り換え選択されたときには、上記低
レベル投影演算手段による投影演算で求められた２次元
画像を表わすデータによる２次元画像を当該適用された
画像表示手段に呈示するための信号を生成し、上記レン
ダリングレベル切り換え手段によって相対的に高いレベ
ルのレンダリングを行うことが切り換え設定されたとき
には、上記高レベル投影演算手段による２次元画像を表
わすデータによる２次元画像を当該適用された画像表示
手段に呈示するための信号を生成するようになされた表
示用信号生成手段と、を備えてなることを特徴とする擬
似体験装置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・（９）

【０１２８】高レベルレンダリングを行った高精細画像
を動画として映出することは、現在未だパーソナル・コ
ンピュータではその演算速度からして実現が難しい。そ
こで、上記（９）の発明では、高精細画像によって観察
することを希望する画像のみ、バックグラウンド処理と
して高いレベルのレンダリングを行って得た高精細画像
として映出することができるこの種の装置を提供するこ
とを課題とするものである。

【０１２９】上記（９）の発明のよれば、視点位置や視
線方向を変更している際には相対的に低いレベルのレン
ダリングで投影演算を行って遅滞なく画像を映出させ、
一方高いベルのレンダリングについては、例えば観察を
一時的に休止している間にバックグラウンド処理として
投影演算を行って逐一演算を進めておき、特に希望する
対象についてのみ高精細画像によって観察することがで
きる。また、上記（９）の発明によれば、適切に機を見
て高いレベルのレンダリングを行うことができ、疑似体
験用の映像を得るための処理が総体的に無駄なく進めら
れる。

【０１３０】上記（９）の擬似体験装置において、更
に、上記ポイント指定手段によって指定されたポイント
に対応する座標データ、該ポイントからこれに対応する
投影面までの距離のデータ、および、視線方向のデータ
が実質的に定常となる停止状態にあることを認識する停
止状態認識手段を備えてなり、上記レンダリングレベル
切り換え手段は、上記停止状態認識手段が停止状態にあ
ることを認識したときに、上記高レベル投影演算手段に
よる投影演算を実行せしめて２次元画像を表わすデータ
を得、上記表示用信号生成手段は、上記高レベル投影演
算手段による当該投影演算の結果としての２次元画像を
表わすデータが得られるまでは、上記低レベル投影演算
手段による投影演算で求められた２次元画像を表わすデ
ータによる２次元画像を当該適用された画像表示手段に
呈示するための信号を生成して持続的に出力し、上記高
レベル投影演算手段による当該投影演算の結果としての
２次元画像を表わすデータが得られて以降は、上記高レ
ベル投影演算手段による２次元画像を表わすデータによ
る２次元画像を当該適用された画像表示手段に呈示する
ための信号を生成するようになされたものであることを
特徴とする擬似体験装置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・（１０）

【０１３１】この種の装置では、視点位置や視線方向が
変化しないときには、同じ画像を繰り返し発生させてそ
れを映出させればよい。そこで、（１０）の発明は、観
察者の観察態様が実質的に定常状態になっているとき
に、高レベル投影演算を実行するようなこの種の装置を
提供しようとするものである。

【０１３２】上記（１０）の発明によれば、上記（９）
の発明の効果に加えて、観察者の動きがなく、停止状態
にある期間内では同じ画像を定常的に表示し続ければよ
いため、レンダリングに係るデータ処理の負荷が軽くな
るので、このような期間を有効に利用した無駄の無い処
理が実行される。

【０１３３】・上記レンダリングレベル切り換え手段
は、上記停止状態認識手段が停止状態にあることを認識
した状態から該認識にない状態に遷移したときには、上
記高レベル投影演算手段による投影演算を中止して上記
低レベル投影演算手段による投影演算に切り換えるよう
に構成されたものであることを特徴とする上記（９）記
載の擬似体験装置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・（１１）

【０１３４】単純に、停止状態にある期間内で上記高レ
ベル投影演算手段による投影演算を実行するのでは、再
度動きのある状態に復帰したときに遅滞なく上記低レベ
ル投影演算手段による投影演算に復帰させなくてはなら
ないが、復帰のタイミングを観察者（操作者）が監視し
つつ捉えて切り換え操作するのでは、適切なタイミング
での切り換えが困難である。そこで、（１１）の発明で
は、上記低レベル投影演算手段による投影演算に適切な
タイミングで自動復帰させることのできるこの種の装置
を提供しようとするものである。

【０１３５】上記（１１）の発明によれば、観察者が一
旦移動を停止して、再び移動するような場合にも遅滞な
く低レベル投影演算手段による処理が実行され、疑似体
験用の映像を得るための処理が総体的に無駄なく進めら
れる。

【０１３６】・観察者の視野に展開されると想定された
種々の景観に係る３次元データを記憶する３次元データ
記憶手段と、種々のテクスチャデータをテクスチャの称
呼を表わすＩＤ番号に対応させて記憶するテクスチャ記
憶手段と、当該観察者の視点を表わす所定の視点座標、
該視点から投影面までの距離、および視線方向に係って
上記３次元データ記憶手段が記憶している３次元データ
の上記投影面に対する投影演算を行って２次元画像を表
わすデータを得る投影演算手段と、上記投影演算手段が
演算して求めたデータによる２次元画像を、適用された
画像表示手段に呈示するための信号を生成する表示用信
号生成手段と、上記適用された画像表示手段に呈示され
る２次元画像に重畳するようにして表示されるカーソル
の位置を指定するカーソル位置入力手段と、上記カーソ
ル位置入力手段により指定されたカーソルの位置に対応
するオブジェクトを判定するオブジェクト判定手段と、
上記オブジェクト判定手段が判定したオブジェクトに対
応するテクスチャを指定するためのテクスチャＩＤ入力
手段と、上記テクスチャＩＤ入力手段から入力されたＩ
Ｄ番号に対応するテクスチャを上記テクスチャ記憶手段
から読み出して上記オブジェクト判定手段が判定したオ
ブジェクトに対応するテクスチャとして選定するテクス
チャ選定手段と、を備えてなり、更に、上記投影演算手
段は、上記テクスチャ選定手段によって選定されたテク
スチャを反映させた２次元画像を得るように構成された
ことを特徴とする擬似体験装置……………………………
……（１２）

【０１３７】上記（１２）の発明は、観察者（操作者）
の所望に応じたテクスチャ・マッピングが簡単且つ確実
に行われ得るようにしたいというこの種の擬似体験装置
における一般的要請に応えることを課題とする。

【０１３８】上記（１２）の発明によれば、選択したオ
ブジェクトに対して所望のテクスチャ・マッピングが簡
単且つ確実に行われ得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一つの実施の形態としての擬似体験装
置の構成例を同装置の各機能部の相互関係で示す模式的
ブロック図である。

【図２】図１の装置が、住宅等の建築物に係る擬似体験
装置として構成されている場合の、同装置の用いられ方
及び装置の動作を説明するための図である。

【図３】瞬時的な視点の移動を行った場合の表示画面の
様子を例示する模式図である。

【図４】図１に示した装置における疑似体験用の映像の
再生手順の例を示すフローチャートである。

【図５】本発明の第２の実施の形態の装置としての擬似
体験装置の構成例を同装置の各機能部の相互関係で示す
模式的ブロック図である。

【図６】低レベルレンダリング及び高レベルレンダリン
グの各処理に係るプロセスを示すフローチャートであ
る。

【図７】図６について説明した低レベルレンダリング及
び高レベルレンダリングの各処理に係るプロセスを統括
するオペレーティングシステムによるスケジューリング
を示すフローチャートである。

【図８】本発明の第３の実施の形態を表わす概念図であ
る。

【図９】本発明の第３の実施の形態の装置としての擬似
体験装置の構成例を同装置の各機能部の相互関係で示す
模式的ブロック図である。

【符号の説明】

１３次元データ記憶部２２次元データ記憶部３表示部４入力手段５パスポイント座標の記憶部６パスの演算部７パスデータ記憶部８レンダリング演算部９表示倍率設定手段１０ＨＭＤ１１ヘッドモーションセンサ１２表示倍率表示手段１３読み出し制御部１４視点座標移動条件入力手段２１画像メモリ（１）２２画像メモリ（２）２５画像記憶部７１ポイント設定ボタン８１低レベルレンダリング演算部８２高レベルレンダリング演算部９０高レベルレンダリング条件記憶部１０１表示画面切換部１０２ＨＭＤ停止検出３００見本ブック３０３バーコードリーダ３０４テクスチャマッピングデータベース４０１カーソル位置入力部４０２オブジェクト判定部４０３オブジェクトのテクスチャデータ決定部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】観察者の視野に展開されると想定された種
々の景観に係る３次元データを記憶する３次元データ記
憶手段と、観察者の視点の移動軌跡上の各点である離散
的な各パスポイントの座標を記憶するパスポイント座標
記憶手段と、このパスポイント座標記憶手段が記憶した離散的な各パ
スポイントの座標から、該各パスポイントを繋ぐ連続的
な視点の移動軌跡であるパスを求めるパスの演算手段
と、前記パスの演算手段により求められたパスのうち、観察
者が仮想的に現在存在しているパスポイントの座標と、
このパスポイントの座標に対応する所定の視点から投影
面までの距離と、現在時点での観察者の視線方向との各
データを用いて、前記３次元データ記憶手段が記憶して
いる３次元データの上記投影面に対する投影演算を行っ
て２次元画像を表わすデータを得る投影演算手段と、上記投影演算手段が演算して求めたデータによる２次元
画像を、適用された画像表示手段に呈示するための信号
を生成する表示用信号生成手段と、を備えてなることを
特徴とする擬似体験装置。
【請求項２】観察者の視野に存在する仮想的建築物の内
外に係って観察者が存在し得ると予め想定した複数の各
位置のうちの特定位置を当該特定位置を表わす名称等に
よって選択的に指定し得るように構成された入力手段を
更に有し、上記３次元データ記憶手段は上記観察者の視野に存在す
る仮想的建築物の内外の外観に係る３次元データを記憶
し、上記パスポイント座標記憶手段は上記特定位置を表わす
名称等と該特定位置に対応した座標とを対応付けて記憶
し、上記パスの演算手段は操作者が上記入力手段によって一
の特定位置から他の特定位置へと指定位置を変更したと
きには該一の特定位置から他の特定位置への移動軌跡で
ある連続的なパスに拠らずに瞬時的な移動が行われるに
相当したパスのデータをワープデータとして生成して上
記投影演算手段に供給するするようになされたことを特
徴とする請求項１に記載の擬似体験装置。
【請求項３】上記パスポイント座標記憶手段に記憶する
パスポイントを入力する手段として、上記３次元データ
記憶手段が記憶する３次元データと相関を有するパス設
定用平面図データを保持する平面図データ記憶手段と、
該平面図データ記憶手段が保持する平面図データに対応
した平面図を操作者に呈示するための平面図表示手段
と、操作者による該平面図表示手段に呈示された平面図
に依拠した操作に応じて上記各パスポイントを夫々表わ
すデータを生成するパス入力手段と、を含んでなる入力
手段を更に備えてなるものであることを特徴とする請求
項１記載の擬似体験装置。
【請求項４】上記パスの演算手段は、演算結果として算
定されるパスが仮想的建築物等に係る障害物を横切るこ
とがないようにしてパスを算定するように構成されてな
るものであることを特徴とする請求項１に記載の擬似体
験装置。
【請求項５】観察者の視野に展開されると想定された種
々の景観に係る３次元データを記憶する３次元データ記
憶手段と、観察者の視点の移動軌跡であるパスラインの座標を記憶
するパスライン座標記憶手段と、上記パスライン座標記憶手段が記憶しているパスライン
の座標のうち、観察者が仮想的に現在存在しているパス
ポイントの座標と、このパスポイントの座標に対応する
所定の投影面と、該時点での観察者の視線方向との各デ
ータを用いて、前記３次元データ記憶手段が記憶してい
る３次元データの上記投影面に対する投影演算を行って
２次元画像を表わすデータを得る投影演算手段と、上記投影演算手段が演算して求めたデータによる２次元
画像を、適用された画像表示手段に呈示するための信号
を生成する表示用信号生成手段と、上記投影演算手段で
の演算に適用する視線方向のデータを設定する視線方向
設定手段と、を備えてなることを特徴とする擬似体験装
置。
【請求項６】上記視線方向設定手段は、当該適用された
画像表示手段を観察する観察者の所作に応じて上記投影
演算手段での演算に適用する視線方向のデータを設定す
るための制御用信号を得る制御用信号生成装置を含んで
構成されたものであることを特徴とする請求項５に記載
の擬似体験装置。
【請求項７】上記制御用信号生成装置は、観察者の頭部
に装着されて頭部の動きに応じた検出出力を上記制御用
信号と関連した信号として得るヘッドモーションセンサ
または観察者によって操作される操作子の動きに応じた
検出出力を上記制御用信号と関連した信号として得る操
作機構を含んで構成されたものであることを特徴とする
請求項６に記載の擬似体験装置。
【請求項８】観察者の視野に展開されると想定された種
々の景観に係る３次元データを記憶する３次元データ記
憶手段と、観察者の視点の移動軌跡であるパスラインの
座標を記憶するパスライン座標記憶手段と、上記パスライン座標記憶手段が記憶しているパスライン
の座標のうち、観察者が仮想的に現在存在しているパス
ポイントの座標と、このパスポイントの座標に対応する
所定の投影面と、現在時点での観察者の視線方向との各
データを用いて、前記３次元データ記憶手段が記憶して
いる３次元データの上記投影面に対する投影演算を行っ
て２次元画像を表わすデータを得る投影演算手段と、上記投影演算手段が演算して求めたデータによる２次元
画像を、適用された画像表示手段に呈示するための信号
を生成する表示用信号生成手段と、上記投影演算手段での演算に適用するパスポイントの座
標の当該パスライン上での移動速度および移動方向のう
ちの少なくとも一方を制御する視点移動制御手段と、上記視点移動制御手段により設定された移動速度及び／
又は移動方向に適合するようにして上記パスライン座標
記憶手段から上記投影演算手段への順次のパスポイント
の座標の供給を制御する読み出し制御手段と、を備えて
なることを特徴とする擬似体験装置。
【請求項９】観察者の視野に展開されると想定された種
々の景観に係る３次元データを記憶する３次元データ記
憶手段と、観察者が仮想的に現在存在しているパスポイントの座標
と、このパスポイントの座標に対応する所定の投影面
と、現在時点での観察者の視線方向との各データを用い
て、前記３次元データ記憶手段が記憶している３次元デ
ータの上記投影面に対する投影演算を相対的に低レベル
のレンダリングにより実行して２次元画像を表わすデー
タを得る低レベル投影演算手段と、上記パスポイントの座標のうち観察者が注目するパスポ
イントを指定するためのパスポイント指定手段と、上記パスポイント指定手段によって指定されたパスポイ
ントに対応する座標データ、該パスポイントからこれに
対応する投影面までの距離のデータ、および、視線方向
のデータを関連付けて記憶するパスポイント関連データ
記憶手段と、相対的に高いレベルのレンダリングを行う
か、相対的に低いレベルのレンダリングを行うかを切り
換え設定するレンダリングレベル切り換え手段と、上記レンダリングレベル切り換え手段によって相対的に
高いレベルのレンダリングを行うことが切り換え設定さ
れたときには、上記パスポイント関連データ記憶手段に
記憶された、上記座標データ、距離のデータ、および、
視線方向のデータに基づいて、上記３次元データ記憶手
段に記憶された３次元データに基づいて相対的に高いレ
ベルのレンダリングにより投影演算を実行して２次元画
像を表わすデータを得る高レベル投影演算手段と、上記レンダリングレベル切り換え手段によって相対的に
低いレベルのレンダリングを行うことが切り換え選択さ
れたときには、上記低レベル投影演算手段による投影演
算で求められた２次元画像を表わすデータによる２次元
画像を当該適用された画像表示手段に呈示するための信
号を生成し、上記レンダリングレベル切り換え手段によ
って相対的に高いレベルのレンダリングを行うことが切
り換え設定されたときには、上記高レベル投影演算手段
による２次元画像を表わすデータによる２次元画像を当
該適用された画像表示手段に呈示するための信号を生成
するようになされた表示用信号生成手段と、を備えてな
ることを特徴とする擬似体験装置。
【請求項１０】請求項９の擬似体験装置において、更に
上記ポイント指定手段によって指定されたポイントに対
応する座標データ、該ポイントからこれに対応する投影
面までの距離のデータ、および、視線方向のデータが実
質的に定常となる停止状態にあることを認識する停止状
態認識手段を備えてなり、上記レンダリングレベル切り
換え手段は、上記停止状態認識手段が停止状態にあるこ
とを認識したときに、上記高レベル投影演算手段による
投影演算を実行せしめて２次元画像を表わすデータを
得、上記表示用信号生成手段は、上記高レベル投影演算
手段による当該投影演算の結果としての２次元画像を表
わすデータが得られるまでは、上記低レベル投影演算手
段による投影演算で求められた２次元画像を表わすデー
タによる２次元画像を当該適用された画像表示手段に呈
示するための信号を生成して持続的に出力し、上記高レ
ベル投影演算手段による当該投影演算の結果としての２
次元画像を表わすデータが得られて以降は、上記高レベ
ル投影演算手段による２次元画像を表わすデータによる
２次元画像を当該適用された画像表示手段に呈示するた
めの信号を生成するようになされたものであることを特
徴とする擬似体験装置。
【請求項１１】上記レンダリングレベル切り換え手段
は、上記停止状態認識手段が停止状態にあることを認識
した状態から該認識にない状態に遷移したときには、上
記高レベル投影演算手段による投影演算を中止して上記
低レベル投影演算手段による投影演算に切り換えるよう
に構成されたものであることを特徴とする請求項９記載
の擬似体験装置。
【請求項１２】観察者の視野に展開されると想定された
種々の景観に係る３次元データを記憶する３次元データ
記憶手段と、種々のテクスチャデータをテクスチャの称呼を表わすＩ
Ｄ番号に対応させて記憶するテクスチャ記憶手段と、当該観察者の視点を表わす所定の視点座標、該視点から
投影面までの距離、および視線方向に係って上記３次元
データ記憶手段が記憶している３次元データの上記投影
面に対する投影演算を行って２次元画像を表わすデータ
を得る投影演算手段と、上記投影演算手段が演算して求めたデータによる２次元
画像を、適用された画像表示手段に呈示するための信号
を生成する表示用信号生成手段と、上記適用された画像表示手段に呈示される２次元画像に
重畳するようにして表示されるカーソルの位置を指定す
るカーソル位置入力手段と、上記カーソル位置入力手段により指定されたカーソルの
位置に対応するオブジェクトを判定するオブジェクト判
定手段と、上記オブジェクト判定手段が判定したオブジェクトに対
応するテクスチャを指定するためのテクスチャＩＤ入力
手段と、上記テクスチャＩＤ入力手段から入力されたＩＤ番号に
対応するテクスチャを上記テクスチャ記憶手段から読み
出して上記オブジェクト判定手段が判定したオブジェク
トに対応するテクスチャとして選定するテクスチャ選定
手段と、を備えてなり、更に、上記投影演算手段は、上
記テクスチャ選定手段によって選定されたテクスチャを
反映させた２次元画像を得るように構成されたことを特
徴とする擬似体験装置。