JPH10228040A - 光源用光ファイバ - Google Patents

光源用光ファイバ

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JPH10228040A
JPH10228040A JP9044727A JP4472797A JPH10228040A JP H10228040 A JPH10228040 A JP H10228040A JP 9044727 A JP9044727 A JP 9044727A JP 4472797 A JP4472797 A JP 4472797A JP H10228040 A JPH10228040 A JP H10228040A
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JP
Japan
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optical fiber
core
light
refractive index
light source
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JP9044727A
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English (en)
Inventor
Yoichi Akasaka
洋一 赤坂
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 4光波混合光の発現効率を高め、誘導ブリル
アン散乱の発生を抑制した光源用光ファイバを提供す
る。 【解決手段】 4光波混合光を発現させるパラメータで
ある光源用光ファイバのセンタコア1aへのGeドープ
量が比屈折率差の値で1.2 %より大とし、かつ、誘導ブ
リルアン散乱が発生するパラメータである、センタコア
1aの直径とセンタコア(あるいはサイドコア)のコア
ドーパント量の少なくとも一方を光ファイバの長さ方向
にほぼ連続して1kmの単位長さ当り0.006 %以上の割合
で変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光カー効果を効果
的に発現させる光ファイバ型の光源用光ファイバに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】最近の情報社会の発展により、光ファイ
バ通信の伝送情報量が急速に拡大しつつあり、この伝送
情報量の拡大に応えるためには、光ファイバ通信の高速
大容量化は必要不可決の課題となっている。
【0003】近年、この光ファイバ通信の高速大容量化
へのアプローチとして、信号光自体の大容量化と共に、
波長多重伝送(WDM)や時間多重伝送(TDM)等の
各種手法の研究が盛んに行われている。これらの研究の
中で、波長多重伝送は、その取り扱いの容易さから本命
視されている。
【0004】しかしながら、波長多重伝送方式は、異な
る波長の光源を数多く必要とするため、システム設備の
コストが非常に高価になるという問題がある。このよう
な問題を解消すべく、例えば特開平6−138500号
公報には、励起用光ファイバに超短パルスを透過させる
ことで、100 nm以上に広がるスペクトルを得、然る後
に、フィルタ等を用いて必要波長を切り出す手法が提案
されている。しかし、この提案の手法は、取り扱う光が
パルス光であるために、さらなる大容量化を目指した場
合には、取り扱いが難しくなるという欠点を併せ持つ。
【0005】一方、複数(最小構成では2波長)のCW
光(時間に対して光強度が不変な光)を光ファイバに入
射し非線形現象の1つである4光波混合(FWM)光を
発現させる光ファイバ型光源が学術的に提案されてお
り、この光ファイバ型光源では、FWM光を等間隔等の
任意の波長間隔で発現させることができる点から、波長
多重伝送には最適な手法であり、理論的には零分散、か
つ、零分散スロープを持つ理想的な分散シフト光ファイ
バの一種である分散フラットファイバ線路を使用した場
合には、無限のFWM光が得られる等、際立った利点を
有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来使
用されている分散シフトファイバは、FWM光を効率的
に発現するための構造を備えておらず、本発明者の実験
では、2波長のCW光を通常の分散シフトファイバに入
射してFWM光を発現させたところ、せいぜい、1次乃
至2次のFWM光しか得られず、実際上では、効率的な
FWM光の発現が得られないことが検証された。本発明
者の検討によれば、非線形現象として、4光波混合光の
発現現象の他に、誘導ブリルアン散乱(SBS)の現象
が生じ、4光波混合光の発現効率を高めようとすると、
誘導ブリルアン散乱が大きくなり、波長多重伝送が困難
になるという問題が生じる結果となり、現在の技術水準
においては、誘導ブリルアン散乱の発生を抑制して、4
光波混合光を効率的に発現することは困難な状況にあ
り、さらなる開発が望まれていた。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、誘導ブリルアン散乱を抑制
して、4光波混合光を効率的に発現させることが可能な
光源用光ファイバを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のような手段を講じている。すなわち、
第1の発明は、光を伝送するコアと、該コアの周りを覆
うクラッドとを有する光源用光ファイバにおいて、4光
波混合光を発現させるパラメータである、センタコアへ
のGeドープ量が比屈折率差の値で1.2 %より大とし、
かつ、誘導ブリルアン散乱が発生するパラメータであ
る、コア径とコアドーパント量の少なくとも一方が光フ
ァイバの長さ方向にほぼ連続して1kmの単位長さ当り0.
006 %以上の割合で変化していることを特徴とする構成
をもって課題を解決する手段としている。
【0009】また第2の発明は、光を伝送するコアと、
該コアの周りを覆うクラッドとを有する光源用光ファイ
バにおいて、前記コアは屈折率が最も高いセンタコアの
周りを屈折率が異なる1層以上のサイドコアで囲んだ構
成と成し、4光波混合光を発現させるパラメータである
センタコアへのGeドープ量が比屈折率差の値で1.2%
より大とし、かつ、誘導ブリルアン散乱が発生するパラ
メータである、センタコアの直径と、センタコアドーパ
ント量と、サイドコアの1層以上のサイドコアドーパン
ト量と、センタコアとサイドコアの直径比と、センタコ
アとサイドコアの比屈折率差の比との少なくとも一方が
光ファイバの長さ方向にほぼ連続して1kmの単位長さ当
り0.006 %以上の割合で変化していることを特徴とする
構成をもって課題を解決する手段としている。
【0010】さらに第3の発明は、前記第1又は第2の
発明の構成を備えたものにおいて、使用波長域での波長
分散値が略±1.0 ps/nm/km以内とされていることを特
徴とする構成をもって課題を解決する手段としている。
【0011】さらに第4の発明は、前記第1又は第2又
は第3の発明の構成を備えたものにおいて、光ファイバ
の入射側には光ファイバ中を伝搬する信号光の偏波モー
ドを単一にする偏波モード調整手段が施されていること
を特徴とする構成をもって課題を解決する手段としてい
る。
【0012】光源用光ファイバで発生する4光波混合光
は、非線形常数が大きいときに効率良く発現する。この
非線形常数はコアの非線形屈折率をnc とし、有効コア
断面積をAefとすると、nc /Aefで表され、本発明に
おいては、コア中心部へのGeドープ量が比屈折率差の
値で1.2 %より大としたことで、線形常数が大となり、
4光波混合光が効率的に発現される。その上、誘導ブリ
ルアン散乱が発生するパラメータである、コア径とコア
ドーパント量の少なくとも一方が光ファイバの長さ方向
にほぼ連続して1kmの単位長さ当り0.006 %以上の割合
で変化させたことで、誘導ブリルアン散乱の発生が抑制
され、波長多重伝送を行う好適な光源用光ファイバが得
られる。
【0013】また、屈折率が最も高いセンタコアの周り
を屈折率が異なる1層以上のサイドコアで囲んだファイ
バ構造と成したものにあっては、4光波混合光を発現さ
せるパラメータであるセンタコアへのGeドープ量が比
屈折率差の値で1.2 %より大きくしたことで、非線形常
数が大となり、4光波混合光が効率良く発現される。ま
た、誘導ブリルアン散乱の発生パラメータであるセンタ
コアの直径と、センタコアドーパント量と、サイドコア
の1層以上の層のサイドコアドーパント量と、センタコ
アとサイドコアの直径比と、センタコアとサイドコアの
比屈折率差の比との少なくとも1つが光ファイバの長さ
方向にほぼ連続して1kmの単位長さ当り0.006 %以上の
割合で変化する構成としたことで、誘導ブリルアン散乱
の発生が抑制され、誘導ブリルアン散乱を抑制し、か
つ、4光波混合光の効率的な発現が得られる光源用光フ
ァイバの提供が可能となる。
【0014】さらに、使用波長域での波長分散値を略±
1.0 ps/nm/km以内とすることで、発生した4光波混合
光の減衰を防止することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を図面
に基づき説明する。図1は本実施形態例における光源用
光ファイバの各種屈折率分布の一例を示すものである。
図1の(a)は単峰型屈折率分布を示すもので、コア
(センタコア)1(1a)の周りをクラッド3で囲んだ
タイプの光源用光ファイバであり、図1の(b)に示す
ものは、屈折率分布が階段型のもので、屈折率が最も高
いセンタコア1aの周りを該センタコア1aよりも屈折
率の低いサイドコア1bで囲み、そのサイドコア1bの
周りを該サイドコア1bよりも屈折率の小さいクラッド
3によって囲んだタイプの光源用光ファイバであり、コ
ア1がセンタコア1aとサイドコア1bによって構成さ
れるものである。
【0016】図1の(c)に示すものも屈折率分布が階
段型のものであり、コア1がセンタコア1aと、該セン
タコア1aを囲む第1層めのサイドコア1bと、該サイ
ドコア1bを囲む第2層めのサイドコア1cによって形
成され、このサイドコア1cの周りをクラッド3によっ
て囲んだタイプのものであり、クラッド3の屈折率より
もサイドコア1cの屈折率が高く、サイドコア1cの屈
折率よりもサイドコア1bの屈折率が高く、さらに、サ
イドコア1bの屈折率よりもセンタコア1aの屈折率が
高くなっている。
【0017】図1の(d)に示すものは、屈折率分布が
W型の光源用光ファイバであり、コア1はセンタコア1
aとその周りのサイドコア1dによって形成され、その
サイドコア1dの周りをクラッド3で囲んだ屈折率構造
のものである。
【0018】上記各パターンの屈折率構造のクラッド3
はシリカ(SiO2 )等によって形成され、図1の
(a),(b),(c)に示すコア1はシリカ(SiO
2 )に屈折率を高めるGe(ゲルマニウム)がドープさ
れたものである。また、図1の(d)に示すサイドコア
1dはシリカ(SiO2 )に屈折率を低くするためのF
(フッ素)をドープすることにより形成されている。
【0019】本実施形態例の光源用光ファイバにおいて
特徴的なことは、4光波混合光の発現効果を高め、か
つ、誘導ブリルアン散乱を抑制するファイバ構造とした
ことである。すなわち、光ファイバの分散および分散ス
ロープを小さくし、非線形常数を大きくすることで、4
光波混合光の発現効率を高め、さらに、誘導ブリルアン
散乱が発生するパラメータを光ファイバの長手方向にほ
ぼ連続的に変化させることで、誘導ブリルアン散乱の発
生を抑制し、誘導ブリルアン散乱のしきい値(光ファイ
バの入射パワーがこのしきい値を越えると誘導ブリルア
ン散乱が発生する)を大きくする構成としたことであ
る。
【0020】前記非線形常数は光ファイバのコアの非線
形屈折率をnc とし、光ファイバの有効コア断面積をA
efとすると、非線形常数はnc /Aefで表される。すな
わち、光ファイバの非線形屈折率nc が大きく、有効コ
ア断面積Aefが小さいほど非線形常数を大きな値にする
ことができる。
【0021】光ファイバのコアの非線形屈折率nc は図
1の(a)のタイプではコア1の非線形屈折率によって
表され、図1の(b)〜(d)に示すタイプのものは、
屈折率が最も大きいセンタコア1aの線形屈折率の値で
与えられる。屈折率はGeのドープ量に比例し、有効コ
ア断面積Aefは光ファイバのモードフィルド径(MF
D)の2乗に比例するので、屈折率が最も高い部分の比
屈折率差Δが大きく、モードフィルド径が小さい構造の
光ファイバとすることにより、4光波混合光の発現効率
が高くなる。なお、コアの屈折率をnc とし、クラッド
3の屈折率をnlとしたとき、コアの比屈折率差Δは次
の(1)式によって与えられる。
【0022】 Δ={(nc 2 −nL 2 )/2nc 2 }×2nc }×100 ・・・・・(1)
【0023】本実施形態例では、センタコア1aのGe
ドープ量を比屈折率差Δの値で1.2%より大として非線
形屈折率を大きくし、その結果として非線形常数を大き
くして4光波混合光の発現効率を高めている。
【0024】また、本発明者の検討によれば、発生した
4光波混合光は、光ファイバの分散値が零から外れる
と、指数関数的に減少し、分散値の絶対値が1ps/nm/
kmよりも大きくなると、4光波混合光が大きく減衰し、
波長多重伝送用の光源として実用性がなくなることか
ら、本実施形態例では、光ファイバの分散値の絶対値が
1ps/nm/km以下としている。
【0025】前記の如く、センタコアの比屈折率差Δを
大きくした場合、使用波長域で、分散値を小さくするた
めには、コア径を小さくする必要があり、そうすること
で、コアを伝搬する光の閉じ込め効果が増大する。つま
り、コア径を小さくするということは、モードフィルド
径(MFD)の減少につながり、有効コア断面積Aef
小さくなり、このことで、4光波混合光の発現効率が高
められるのである。
【0026】例えば、センタコアの比屈折率差Δが2.8
%のステップインデックス型分散シフト光ファイバ(D
SF)では、通常の光ファイバに比べ非線形常数が2倍
となり、さらに有効コア断面積を1/4にすることで、
非線形常数は8倍になり、4光波混合光の発現効率が高
められる。
【0027】非線形現象の一種である誘導ブリルアン散
乱(SBS)のしきい値は、光ファイバの長さ方向の、
センタコア径、センタコアドーパント、サイドコアドー
パント、サイドコアとセンタコアとの直径比、センタコ
アとサイドコアの比屈折率差の比等のパラメータをほぼ
連続的に変化することで大きくすることができる。誘導
ブリルアン散乱のしきい値を大きくすることで、誘導ブ
リルアン散乱を発生させないで光ファイバへの入射光の
光パワーを高めることが可能となり、換言すれば、誘導
ブリルアン散乱を抑制することが可能となる。
【0028】誘導ブリルアン散乱が発生するパタメータ
を光ファイバの長さ方向で効果的に変化させる主な手法
としては、センタコア(あるいはサイドコア)のGe
ドーパント量を光ファイバの長さ方向に変化させる。
センタコア(あるいはサイドコア)の直径を光ファイバ
の長さ方向に変化させる。センタコア(あるいはサイ
ドコア)のGeドーパント量とセンタコア(あるいはサ
イドコア)の直径を同時に光ファイバの長さ方向に変化
させる。といった手法を採用することができ、これらの
各場合のパラメータを変化させるにあたっては、光ファ
イバの分散値が変化してしまう可能性があるため、光フ
ァイバの分散値が前記の如く、分散値の絶対値が1ps/
nm/km以下となるように前記パラメータを変化させるこ
とが必要である。
【0029】前記の手法を採用する場合、例えば、図
1の(b),(c)に示すような階段型屈折率分布の場
合には、センタコア1aのGeドープ量が変化すると、
サイドコアのGeドーパント量を例えば一定としたと
き、センタコアとサイドコアの比屈折率差の比であるR
Δがセンタコア1aの比屈折率差Δの変化に対応して変
化することとなり、コア径を変化させなくとも、分散値
を小さい値に抑え、かつ、誘導ブリルアン散乱のしきい
値を上昇させることができる。
【0030】また、上記の手法を採用してセンタコア
径を変化させる場合、センタコアの比屈折率差Δが大き
くなればなるほどコア径の変化に対する分散値の変化は
より鈍感になり、コア径を大きく変化させても分散値の
変化を小さく抑えることができるので、取り扱い上、非
常に有利となる。
【0031】また、前記の手法を採用した場合には、
光ファイバの長さ方向の局所位置で分散値を零に制御で
きるという効果が得られる。
【0032】本発明者が鋭意検討した結果、前記した誘
導ブリルアン散乱が発生するパラメータ、つまり、セン
タコアあるいはサイドコアの直径、センタコアドーパン
ト量、サイドコアの1層以上のサイドコアドーパント
量、センタコアとサイドコアの比屈折率差の比RΔ、セ
ンタコアとサイドコアの直径比の少なくとも1つを光フ
ァイバの長さ方向にほぼ連続して1kmの単位長さ当り0.
006 %以上の割合で変化させることで、誘導ブリルアン
散乱を抑制し、誘導ブリルアン散乱のしきい値を高める
ことが実証できた。
【0033】また、効果的に4光波混合光を発現させる
ためには、光ファイバに入射する複数の入射光同士の偏
波面が一致している方が入射光の相関強度が増加し望ま
しいので、本実施形態例では、光源用光ファイバの入射
側に光ファイバ中を伝搬する信号光の偏波モードを単一
にする偏波モード調整手段を施している。この偏波モー
ド調整手段は、光ファイバの入射側を複数ターンコイル
状に巻回し、偏波面を調整する構成としてもよく、ある
いは、光源用光ファイバの入射側に偏波保持光ファイバ
を接続して偏波モード調整手段とすることができる。
【0034】
【実施例】次に、光源用光ファイバの具体的な実施例に
ついて説明する。表1は本発明者が作製した各種光源用
光ファイバの測定データを従来の一般的な分散シフト光
ファイバのデータとの比較状態で示す。
【0035】
【表1】
【0036】この表1で、ファイバ♯1は従来の一般的
な分散シフト光ファイバのデータを示し、ファイバ♯2
は、本発明の実施例1の光源用光ファイバの測定データ
を示しており、ファイバ♯3は本発明の光源用光ファイ
バの実施例2の測定データを示しており、ファイバ♯4
は本発明の光源用光ファイバの実施例3の測定データを
示している。
【0037】この表で、Δ[Ge]は、Geドープ量を
比屈折率差の値で示したものであり、また、表中のIN
は光ファイバの入射側を意味し、EXは光ファイバの出
射側を意味している。また、MFDは光ファイバのモー
ドフィルド径を意味し、SBSは誘導ブリルアン散乱を
意味する記号である。また、屈折率分布が階段型とある
のは、図1の(b)に示す屈折率分布のものであり、単
峰型とあるのは図1の(a)に示す屈折率分布構造のも
のを示す。さらに、@1.55とあるのは波長1.55μmの光
を用いた測定値であることを示す。
【0038】この表1のデータから分かるように、従来
例のファイバ♯1は、センタコアのGeドープ量とコア
径は光ファイバの長さ方向に一定であり、そのため、誘
導ブリルアン散乱のしきい値は7.0 dBmと比較的小さ
な値となるため、誘導ブリルアン散乱の抑制効果が小さ
く、入射光パワーを大きくできないという問題が生じて
いる。その上、センタコアの比屈折率差の値で表したG
eドープ量は0.80%と低い値であるため、非線形常数も
7.0 ×10-10 /Wと小さく、4光波混合光を効率良く発
現することが困難となっている。
【0039】これに対し、実施例1のファイバ♯2は、
センタコアの比屈折率差で表したGeドープ量は1.20%
以上と大きいので、非線形常数は15.0×10-10 /Wと大
きな値となっており、4光波混合光を効率的に発現でき
ることを示している。また、センタコアのGeドープ量
を光ファイバの長さ方向にほぼ連続的に変化させ、その
変化の割合が1km当り0.006 %以上としたことで、誘導
ブリルアン散乱のしきい値を9.0 dBmと大きな値にす
ることができ、誘導ブリルアン散乱を効果的に抑制でき
ていることを示している。
【0040】また、ファイバ♯3の実施例2の光源用光
ファイバは、センタコアの比屈折率差で表したGeドー
プ量が2.80%と非常に大きな値となっており、これによ
り、非線形常数を42.0×10-10 /Wと非常に大きな値に
なっており、これにより、4光波混合光を効率的に発現
することが可能となっている。また、コア径を光ファイ
バの長さ方向に渡って連続的に変化させ、しかも、その
変化の割合を1kmの単位長さ当り0.006 %以上としてい
るので、誘導ブリルアン散乱のしきい値も従来例に比べ
大きな値となっており、誘導ブリルアン散乱を抑制でき
ていることが実証されている。
【0041】さらにファイバ♯4の実施例3の光源用光
ファイバは、センタコアのGeドープ量と、コア径を光
ファイバの長さ方向に共に連続的に変化させ、しかも、
その変化の割合を1kmの単位長さ当り0.006 %以上とし
たことで、誘導ブリルアン散乱のしきい値を13dBmと
いう如く非常に大きな値にすることができ、これによ
り、誘導ブリルアン散乱を最も抑制できていることが示
されている。また、センタコアの比屈折率差で示したG
eドープ量は1.20%以上と大きくしているので、非線形
常数も12.0×10-10 /Wという大きな値にすることがで
き、これにより、4光波混合光を効率良く発現できてい
ることが実証されている。
【0042】図2は前記実施例2の光源用光ファイバの
波長に対する光パワーの特性を代表例として示したもの
であり、この実施例の比較対象として、図3にはファイ
バ♯1の従来例の分散シフト光ファイバの波長に対する
光パワーの特性が示されている。これら図2および図3
の特性は、光ファイバに零分散波長λ0 の光と、λ0
1nmの光を入射して4光波混合光の発生状況を測定した
ものである。図2に示す実施例では、非線形常数を大き
な値にでき、しかも、分散の絶対値が1ps/nm/kmであ
ることで、4光波混合光の発現効率が高くなり、3次光
まで発現していることが分かる。これに対し、従来例の
図3に示す特性では、1次の4光波混合光しか発現して
いない。すなわち、図2に示す実施例の場合には、2つ
の光源で8波長分信号光が作れるのに対し、従来例は、
2つの光源で4波長分しか信号光が作れないものとなっ
ており、従来例の光源用光ファイバに比べ、4光波混合
光の発現効率が飛躍的に高められていることが実証され
ている。
【0043】なお、上記実施例では、図1の(a)と
(b)に示す屈折率分布パターンの光ファイバの作製デ
ータについて示したが、図1の(c)および(d)に示
す屈折率分布の光ファイバにおいても、センタコアのG
eドープ量を比屈折率差の値で1.2 %以上(好ましくは
1.2 %より大)とし、かつ、センタコアの比屈折率差の
値で示すGeドープ量とセンタコアの径を光ファイバの
長さ方向にほぼ連続的に単位長さの1km当り0.006 %以
上変化させることにより、非線形常数を大きくして4光
波混合光の発現効率を高め、かつ、誘導ブリルアン散乱
のしきい値を上昇させて誘導ブリルアン散乱の発生を抑
制することが可能である。
【0044】また、上記実施例では、誘導ブリルアン散
乱を抑制するために、センタコアのドープ量を光ファイ
バの長さ方向に変化させたが、図1の(b)〜(d)に
示すタイプの光ファイバにあっては、1層以上のサイド
コア1b〜1dのドープ量(図1の(b),(c)では
Geドープ量、(d)はFドープ量)を比屈折率差の値
で光ファイバの1kmの単位長さ当り0.006 %以上ほぼ連
続的に変化させることで、誘導ブリルアン散乱の発生を
効果的に抑制することが可能となり、また、誘導ブリル
アン散乱のしきい値を大きくできることで、光入射パワ
ーを大きくできるという効果が得られるものである。
【0045】さらに、センタコアとサイドコアの比屈折
率差の比RΔや、センタコアとサイドコアの直径比を光
ファイバの長さ方向にそれぞれ単位長さの1km当り0.00
6 %以上ほぼ連続的に変化させることで、誘導ブリルア
ン散乱の発生を抑制することができると共に、誘導ブリ
ルアン散乱のしきい値を高めることが可能となる。
【0046】
【発明の効果】本発明は4光波混合光を発現させるパラ
メータである、屈折率が最も高いセンタコアへのGeド
ープ量が比屈折率差の値で1.2 %より大としたので、非
線形常数を大きくすることができ、これにより、4光波
混合光の発現効率を高めることが可能となった。
【0047】また、使用波長域での波長分散値の絶対値
を1ps/nm/km以内としたので、発生した4光波混合光
の減衰量を小さくして、実用性に耐え得る光源用光ファ
イバの提供が可能となった。
【0048】さらに、誘導ブリルアン散乱が発生するパ
ラメータである、センタコアの直径と、センタコアドー
パント量と、1層以上のサイドコアドーパント量と、セ
ンタコアとサイドコアの直径比と、センタコアとサイド
コアの比屈折率差の比の少なくとも1つのパラメータを
光ファイバの長さ方向にほぼ連続して1kmの単位長さ当
り0.006 %以上の割合で変化させたので、誘導ブリルア
ン散乱の発生を抑制することができると共に、誘導ブリ
ルアン散乱のしきい値を高めることができ、これによ
り、入射光の光パワーを十分高めることが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光源用光ファイバの屈折率分布のパタ
ーン例を示す説明図である。
【図2】光源用光ファイバの一実施例の光波長と光パワ
ーとの相関特性を示す図である。
【図3】従来例の光ファイバの光波長と光パワーとの相
関特性を示す図である。
【符号の説明】 1 コア 1a センタコア 1b,1c サイドコア 3 クラッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を伝送するコアと、該コアの周りを覆
    うクラッドとを有する光源用光ファイバにおいて、4光
    波混合光を発現させるパラメータである、センタコアへ
    のGeドープ量が比屈折率差の値で1.2 %より大とし、
    かつ、誘導ブリルアン散乱が発生するパラメータであ
    る、コア径とコアドーパント量の少なくとも一方が光フ
    ァイバの長さ方向にほぼ連続して1kmの単位長さ当り0.
    006 %以上の割合で変化していることを特徴とする光源
    用光ファイバ。
  2. 【請求項2】 光を伝送するコアと、該コアの周りを覆
    うクラッドとを有する光源用光ファイバにおいて、前記
    コアは屈折率が最も高いセンタコアの周りを屈折率が異
    なる1層以上のサイドコアで囲んだ構成と成し、4光波
    混合光を発現させるパラメータであるセンタコアへのG
    eドープ量が比屈折率差の値で1.2 %より大とし、か
    つ、誘導ブリルアン散乱が発生するパラメータである、
    センタコア直径と、センタコアドーパント量と、サイド
    コアの1層以上の層のサイドコアドーパント量と、セン
    タコアとサイドコアの直径比と、センタコアとサイドコ
    アの比屈折率差の比との少なくとも一方が光ファイバの
    長さ方向にほぼ連続して1kmの単位長さ当り0.006 %以
    上の割合で変化していることを特徴とする光源用光ファ
    イバ。
  3. 【請求項3】 使用波長域での波長分散値が略±1.0 ps
    /nm/km以内とされていることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載の光源用光ファイバ。
  4. 【請求項4】 光ファイバの入射側には光ファイバ中を
    伝搬する信号光の偏波モードを単一にする偏波モード調
    整手段が施されていることを特徴とする請求項1又は請
    求項2又は請求項3記載の光源用光ファイバ。
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