JPH10227966A - レンズ駆動装置 - Google Patents

レンズ駆動装置

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JPH10227966A
JPH10227966A JP3207397A JP3207397A JPH10227966A JP H10227966 A JPH10227966 A JP H10227966A JP 3207397 A JP3207397 A JP 3207397A JP 3207397 A JP3207397 A JP 3207397A JP H10227966 A JPH10227966 A JP H10227966A
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JP
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lens
drive
driving
reached
control
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JP3207397A
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Masayuki Miyazawa
征之 宮澤
Hironori Kamishita
浩範 神下
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズを大型化することなくメカ終端での誤
パルスの発生を防止することができるレンズ駆動装置を
提供する。 【解決手段】 導電パターン21b,21cによって、
2つのスイッチが構成されている。スイッチは、位置P
1,P4;P2,P3にレンズが到達したことを検出す
る。P1,P4にレンズが到達した場合、制御可動範囲
HC外へのレンズ駆動を禁止し、位置P2,P3にレン
ズが到達した場合、制御可動範囲HC内でレンズ停止が
可能となるようにレンズ駆動が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ駆動装置に
関するものであり、例えば、カメラのレンズをフォーカ
シング(パワーフォーカス,AF),ズーミング等におい
て駆動するためのレンズ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ピントの微調整をパワーフォー
カスで行う場合には、ピント調整を行い易くするために
極低速のレンズ駆動が必要とされる。極低速のレンズ駆
動は、通電期間の非常に短いON/OFFのモーター通
電制御により行われる。このレンズ駆動において、メカ
終端を構成する終端ストッパー(いわゆるメカ当たり)に
レンズ駆動系が接触すると、レンズ駆動系及び終端スト
ッパーの剛性不足により、通電ONのときにメカが撓
み、通電OFFのときにその撓みが解消されて揺り戻し
が生じてしまう。このような振動現象が発生すると、レ
ンズ駆動に伴って発生させるパルスにメカノイズとして
の誤パルスが発生するおそれがある。誤パルスが発生す
ると、無限側又は近接側の終端を検出することができな
くなって、モーター通電がいつまでも続いてしまう等の
問題が生じてしまう。従来より知られているレンズ駆動
装置では、終端検出スイッチを設けることによって、こ
れに対応している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように終端検出
スイッチを設けても、レンズ駆動が高速で行われると、
終端検出スイッチがレンズを検出してから制動が開始さ
れてレンズが停止するまでに、レンズ駆動系がメカ終端
に当たるおそれがある。レンズ駆動系がメカ終端に当た
らないようにするためには、終端検出スイッチがONに
なった時の位置からメカ終端までの空走領域を十分にと
らなければならない。空走領域を十分にとると、その分
レンズのフォーカス駆動範囲を余計に設定しなければな
らないので、レンズが大型化する(つまり、レンズが長
くなる。)等の問題が生じる。
【0004】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであって、レンズを大型化することなくメカ終端
での誤パルスの発生を防止することができるレンズ駆動
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明のレンズ駆動装置は、レンズを移動させ
るためのレンズ駆動を行うレンズ駆動手段と、前記レン
ズ駆動を制御する制御手段と、レンズの駆動目標位置に
対応する駆動目標値を出力する目標値出力手段と、前記
レンズ駆動に伴ってパルスを発生するパルス発生手段
と、前記パルスをカウントしてカウント値を出力するカ
ウント手段と、前記レンズ駆動がメカ的に制限されるメ
カ可動範囲内において、前記制御手段によって制御上制
限される制御可動範囲の限界位置にレンズが到達したこ
とを検出する第1検出手段と、前記制御可動範囲内にお
いて、前記限界位置の近傍位置にレンズが到達したこと
を検出する第2検出手段と、を備えたレンズ駆動装置で
あって、前記制御手段は、前記駆動目標値と前記カウン
ト値との偏差に基づいて前記レンズ駆動を制御すると共
に、前記第1検出手段が前記限界位置にレンズが到達し
たことを検出した場合には、前記制御可動範囲外へのレ
ンズ駆動を禁止し、前記第2検出手段が前記近傍位置に
レンズが到達したことを検出した場合には、前記制御可
動範囲内でレンズが停止しうるように前記レンズ駆動を
制御することを特徴とする。
【0006】第2の発明のレンズ駆動装置は、上記第1
の発明の構成において、前記レンズ駆動を無限側又は近
接側に行うことによりフォーカシングを行うレンズ駆動
装置であって、前記無限側と近接側との両方に、それぞ
れ前記第1検出手段及び前記第2検出手段が設けられて
いることを特徴とする。
【0007】第3の発明のレンズ駆動装置は、上記第1
の発明の構成において、前記レンズ駆動を無限側又は近
接側に行うことによりフォーカシングを行うレンズ駆動
装置であって、前記無限側と近接側とのそれぞれにおい
て、1つの導電パターンの一方のエッジ位置を検出する
ことによって前記第1検出手段による検出が行われ、前
記導電パターンの他方のエッジ位置を検出することによ
って前記第2検出手段による検出が行われることを特徴
とする。
【0008】第4の発明のレンズ駆動装置は、上記第1
の発明の構成において、さらに、前記近傍位置にレンズ
が到達したことを前記第2検出手段が検出した時点での
カウント値に、前記近傍位置から前記限界位置までのレ
ンズ駆動によって発生する所定のパルス数を加算する加
算手段と、この加算手段による加算結果を記憶する記憶
手段と、この記憶手段に記憶されている加算結果と前記
駆動目標値のうち、前記近傍位置にレンズが到達したこ
とを前記第2検出手段が検出した時点でのカウント値に
近い方の値を出力する比較選択手段と、を備え、前記制
御手段は、前記近傍位置にレンズが到達したことを前記
第2検出手段が検出しない場合には、前記駆動目標値に
基づいてレンズ駆動を制御し、前記近傍位置にレンズが
到達したことを前記第2検出手段が検出し、かつ、前記
駆動目標位置が前記制御可動範囲内にあった場合には、
前記比較選択手段からの出力結果に基づいてレンズ駆動
を制御し、前記近傍位置にレンズが到達したことを前記
第2検出手段が検出し、かつ、前記駆動目標位置が前記
制御可動範囲外にある場合には、前記制御可動範囲の限
界位置までレンズ駆動を行うようにレンズ駆動を制御す
ることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施したレンズ駆
動装置を、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施の
形態に係るレンズ駆動装置は、カメラのレンズ鏡胴内に
設けられており、その制御等もレンズ鏡胴内のCPU1
1,ドライブIC12等(図3)の各種ICを用いて行わ
れるが、このレンズ駆動装置の一部をカメラボディ(不
図示)内に配置する場合でも、その基本的な構成は本実
施の形態と同様である。
【0010】《メカの基本構造(図1,図2)》図1に、
このレンズ駆動装置の基本的メカの構成要素を示す。図
1に示すように、駆動されるレンズ1は、レンズ移動枠
2内に保持されている。レンズ移動枠2には、レンズ駆
動ラック2aが一体的に設けられている。モーター(M)
10は、ドライブIC12(図3)からのパワー供給を受
けてレンズ1を駆動するモーターであり、正/逆回転,
ショートブレーキ,フリーの4つ状態をとりうるように
なっている。モーター10の回転は、ギア列3〜8でレ
ンズ駆動ラック2aに伝達され、レンズ駆動ラック2a
で光軸AX方向の前後動に変換される。そして、レンズ
1が光軸AXに沿って移動することによって、ピント調
整が行われる。また、モーター10の回転は、ギア8か
らスリット羽根車9にも伝達される。レンズ駆動に応じ
て回転するスリット羽根車9の回転量は、ICを備えた
フォトインタラプタ(PI)13によって、電気パルス信
号に変換され、CPU11(図3)に入力される。
【0011】また、レンズ移動枠2には、導電性の弾性
部材から成るエンコーダーブラシ20が取り付けられて
いる。このエンコーダーブラシ20は、固定枠(不図示)
に取り付けられたコード板21に押し当てられている。
したがって、エンコーダーブラシ20は、レンズ移動枠
2と一体となって光軸AX方向に移動しながら、コード
板21に対して摺動することになる。
【0012】図2に、エンコーダーブラシ20とコード
板21の配置状態を示す。図2に示すように、コード板
21上には導電パターン21a,21b,21cが設け
られている。導電パターン21aは、GNDパターンで
あり、エンコーダーブラシ20と常に接触した状態にあ
る。導電パターン21b,21cは、CPU11(図3)
の端子INT2,INT3に接続されており、エンコー
ダーブラシ20と接触可能な位置に設けられている。し
たがって、モーター10によって駆動されるレンズ駆動
系(レンズ1,レンズ移動枠2等から成る。)が移動する
と、その位置に応じてブラシ20が導電パターン21a
と導電パターン21b又は21cとを接続することにな
る。
【0013】上記のように導電パターン21a〜21c
とエンコーダーブラシ20とで構成されたスイッチSW
1,SW2(図3)によって、レンズ駆動系の位置(以下
「レンズ位置」という。)が電気信号に変換され、CP
U11(図3)に入力される。INT2,INT3(図3)
は、CPU11内でLVCC(デジタル電源)に抵抗(不
図示)を介してプルアップされており、エンコーダーブ
ラシ20が導電パターン21aと導電パターン21b又
は21cとを接続しているか否かに応じて、レンズ位置
が電気信号のON/OFFとしてCPU11で認識され
る。具体的には、エンコーダーブラシ20が導電パター
ン21bに接触するとスイッチSW1がONになり、エ
ンコーダーブラシ20が導電パターン21cに接触する
とスイッチSW2がONになる。
【0014】《回路構成(図3)》図3は、レンズ駆動装
置の電気回路図である。CPU11は、レンズ鏡胴側C
PUであり、端子LCSLNS,LSCK,LSIN,
LSOUTを介して、カメラボディ側CPU(不図示)と
シリアル交信を行う。一方、カメラボディ側CPUは、
シリアル交信によってCPU11にレンズ駆動の指示命
令等を送る。ドライブIC12は、モーター10に電流
供給を行うドライブICであり、CPU11からの制御
信号IN1,IN2により、以下の表1に示す設定に従
ってモーター10の駆動制御を行う。
【0015】
【表1】
【0016】また、前述したように、フォトインタラプ
タ13は、スリット羽根車9の回転量に同期した電気パ
ルス信号を発生してCPU11へ出力し、一方、導電パ
ターン21a〜21c等から成るスイッチSW1,SW
2によって、レンズ位置に応じたON/OFF信号がC
PU11に入力される。RAM14は、フォトインタラ
プタ13から発生したパルスのカウント値(パルス量)等
を記憶する記憶手段である。
【0017】《スイッチ構成とレンズ駆動制御との関係
(図4)》次に、スイッチSW1,SW2を構成する導電
パターン21b,21cとレンズ駆動制御との関係を、
図4に基づいて説明する。図4(a)は、導電パターン2
1b,21c及びメカ終端の配置において重要な位置,
領域等を示している。図4(a)において、S∞は無限側
メカ当たりで構成される無限側メカ終端であり、SNは
近接側メカ当たりで構成される近接側メカ終端である。
また、P∞は光学無限位置、PNは最近接位置、P1は
スイッチSW1がON/OFFする無限側エッジ位置、
P2はスイッチSW1がON/OFFする近接側エッジ
位置、P3はスイッチSW2がON/OFFする無限側
エッジ位置、P4はスイッチSW2がON/OFFする
近接側エッジ位置である。
【0018】また、図4(a)において、HMはレンズ駆
動がメカ終端S∞,SNでメカ的に制限されるメカ可動
範囲、HCはレンズ駆動がCPU11によって制御上制
限される制御可動範囲、H1は光学無限位置P∞から無
限側メカ終端S∞までの無限側空走領域、H2は最近接
位置PNから近接側メカ終端SNまでの近接側空走領域
を示している。前述したように、エンコーダーブラシ2
0が導電パターン21bに接触するとスイッチSW1が
ONになり(CPU11への入力LOW)、エンコーダー
ブラシ20が導電パターン21cに接触するとスイッチ
SW2がONになる(CPU11への入力LOW)ように
設定されている。したがって、上記メカ可動範囲HM
は、エッジ位置P1〜P4によって5つのゾーンZ0,
Z1,Z2,Z3,Z4に分けられ、そして、CPU1
1は、これらのゾーンZ0〜Z4のいずれにレンズ位置
が存在するかに応じて、以下に示す表2に従ったレンズ
駆動制御を行う。なお、図4においては、メカ可動範囲
HM内のある1点にレンズ位置が存在し、エンコーダー
ブラシ20とコード板21との接触位置がそのレンズ位
置に相当する。
【0019】
【表2】
【0020】図4(b)は、レンズ駆動系の駆動速度を、
図4(a)に示す各位置や領域と対応させて示している。
図4(b)において、ラインL1はレンズ駆動系を最高速
で無限方向に移動させたときの駆動速度の変化、ライン
L2はレンズ駆動系を最高速で近接方向に移動させたと
きの駆動速度の変化、ラインL3はレンズ駆動系を低速
で無限方向に移動させたときの駆動速度の変化、ライン
L4はレンズ駆動系を低速で近接方向に移動させたとき
の駆動速度の変化を示している。
【0021】表2に示すように、CPU11は、ゾーン
Z2では一切の制限なくレンズ駆動を行うよう制御する
が、ゾーンZ2からゾーンZ1又はゾーンZ3にレンズ
位置が移動したことを検出すると、ラインL1又はL2
で示す減速制御を行う。つまり、レンズ位置が、無限方
向駆動においてエッジ位置P2に到達するか、あるいは
近接方向駆動においてエッジ位置P3に到達すると、エ
ッジ位置P1(ゾーンZ0とZ1との境界)又はエッジ位
置P4(ゾーンZ3とZ4との境界)でレンズ駆動系が停
止しうるように、駆動速度を落とすように制御するので
ある。レンズ駆動速度には、上記境界の位置P1,P4
までの残駆動量に応じて速度制限がかかり、現在の駆動
速度が位置P1,P4で十分停止可能な程度に遅い場合
には、ラインL3やL4で示すように、更なるレンズ駆
動速度の低速化は行われない。
【0022】また、ゾーンZ0は無限方向へのレンズ駆
動が禁止されるゾーンであり、ゾーンZ4は近接方向へ
のレンズ駆動が禁止されるゾーンである。したがって、
CPU11は、レンズ位置がゾーンZ0にあれば無限側
メカ終端S∞方向へのレンズ駆動を行わず、レンズ位置
がゾーンZ4にあれば近接側メカ終端SN方向へのレン
ズ駆動を行わないように制御を行う。ただし、後述する
初期化駆動の際にはゾーン位置が不明なため、ゾーンZ
0であっても無限方向への駆動が行われる。
【0023】以上説明したように、この実施の形態での
レンズ駆動制御においては、前述した誤パルスの発生を
防止するために、以下の〜の順で無限側,近接側の
各配置が行われている。 減速開始を検出するエッジ位置P2,P3 光学無限位置P∞,最近接位置PN 制御可動範囲HCの限界を検出するエッジ位置P1,
P4 メカ終端S∞,SN
【0024】で減速開始が検出されるため、光学無限
位置P∞,最近接位置PNからメカ終端S∞,SNまで
の各空走領域H1,H2を小さくすることができ、レン
ズの小型化が可能である。そして、で減速開始を検出
した後、メカ終端S∞,SNに当たらないように制御し
ながら、制御可動範囲HCの限界位置(以下「駆動領域
限界位置」ともいう。)P1,P4の目一杯まで駆動可
能に構成されているため、レンズを大型化することなく
誤パルスの発生を防止して、位置P∞とP1との間や位
置PNとP4との間においても確実に駆動制御を行うこ
とができる。また、減速開始位置(以下「終端近傍位
置」ともいう。)P2,P3の検出と駆動領域限界位置
P1,P4の検出は、同じ導電パターン21b,21c
の両切り替えエッジを使い分ける構成となっているた
め、新たな部品を追加することなく確実な駆動制御が可
能である。
【0025】〈第1,第2比較例(図14,図15)〉次
に、第1,第2比較例のスイッチ構成とレンズ駆動制御
との関係を、図14,図15に基づいてそれぞれ説明す
る。図14,図15は、本実施の形態の特徴的構成を明
確にするために図4と同様に示したものであり、対応す
る部分には同じ符号が用いられている。
【0026】第1比較例に用いられている導電パターン
21b’,21c’では、前記ゾーンZ0及びZ4に相
当する部分がないため、レンズ駆動禁止ゾーンの絶対的
な検出は不可能である。そこで、第1比較例では、CP
U11によって以下のような制御が行われる。導電パタ
ーン21b’,21c’のない領域(ゾーンZ2に相当
する。)からある領域(ゾーンZ1,Z3に相当する。)
にレンズ位置が移動すると、エッジ位置P2’又はP
3’でスイッチ変化があった時点から、パルス信号(フ
ォトインタラプタ13から出力される電気パルス信号)
のカウント及び減速制御が開始される。そして、パルス
数が所定量カウントされるまでの間、ラインL1〜L4
で示すように減速制御が行われる。このように、第1比
較例の特徴は、所定パルス数をカウントすることによっ
て、駆動領域限界位置P1’,P4’をソフト的に検出
する点にある。
【0027】第1比較例によると、高速駆動中であって
も、レンズ位置が駆動領域限界位置P1’,P4’を越
えないように制御される。また、光学無限位置P∞又は
最近接位置PNがエッジ位置P2’,P3’を越えてメ
カ終端S∞,SN側にあるため、エッジ位置P2’,P
3’が検出されても所定パルス数がカウントされるまで
はレンズ駆動可能に制御される。このように、光学無限
位置P∞,最近接位置PNに至る前から減速制御が行わ
れるため、光学無限位置P∞,最近接位置PNからメカ
終端S∞,SNまでの空走領域H1,H2を小さくし
て、レンズの小型化を図ることが可能となる。
【0028】図14中のラインL5は、レンズ駆動系を
極低速で無限方向に移動させたときの駆動速度の変化を
示している。このような極低速駆動においては、レンズ
駆動系のフリクション,剛性不足等によって、メカノイ
ズとしての誤パルス(揺り戻し)が、モーター通電のON
/OFFに同期して発生するおそれがある。第1比較例
では、エッジ位置P2’,P3’から所定パルスの発生
が検出される位置までは、レンズ駆動が可能になってい
る。したがって、レンズ駆動中に前記誤パルスが発生す
ると(ラインL5のΔ部分)、それをCPU11が誤カウ
ントして、駆動領域限界位置P1’,P4’に達する前
に所定パルス数をカウントしてしまうことになる。所定
パルス数がカウントされてしまえば、レンズ駆動系が駆
動領域限界位置P1’,P4’に達していなくても、レ
ンズ駆動が停止することになる。光学無限位置P∞及び
最近接位置PNは、導電パターン21b’21c’等か
ら成るスイッチがONする領域に位置しているので、発
生するノイズ量に応じては、最悪の場合、光学無限位置
P∞,最近接位置PNまでレンズ駆動が行われないこと
になる。
【0029】第2比較例は、前述した従来例に相当する
ものである。導電パターン21b”,21c”等から成
るスイッチがONする領域は、光学無限位置P∞,最近
接位置PNを無限側,近接側にそれぞれ越える領域に設
定されており、スイッチがOFFしている領域でのみレ
ンズ駆動が行われるように制御される。このため、前述
した誤パルスに起因する問題は生じないが、光学無限位
置P∞,最近接位置PNを越えた位置P2”,P3”で
スイッチがOFFからONに変化するため、レンズ駆動
系が高速で移動しているときには、スイッチが変化を検
出してレンズ駆動を止めにいっても、レンズ駆動系がメ
カ終端S∞,SNに当たるおそれがある。これを防止す
るためには、前述したようにレンズ駆動系の空走領域H
1,H2を大きくする必要があり、これがレンズの大型
化を招くことになる。
【0030】《レンズ駆動制御フロー(図6〜図13,
図16)》次に、本実施の形態におけるレンズ駆動制御
をフローチャートに基づいて説明する。レンズ駆動制御
フローは、メインフロー(図6),レンズ初期化フロー
(図7),レンズ初期化の下位サブルーチンフロー(図
8),レンズ駆動時のモーター制御フロー(図9),残駆
動量計算フロー(図10),レンズ制動フロー(図11),
無限側スイッチ変化検出フロー(図12),近接側スイッ
チ変化検出フロー(図13),及び限界位置確認フロー
(図16)から成っている。そこでまず、これらのレンズ
駆動制御フローで用いる変数等を表3に示し、それらの
詳しい内容を以下に説明する。
【0031】
【表3】
【0032】〈LMVEN〉LMVENは、レンズ駆動
の許可・禁止を表すフラグである。レンズ駆動を行う前
に許可状態(=1)に設定され、レンズ駆動中にレンズ駆
動系の終端近傍/駆動領域限界位置検出のルーチン(無
限側,近接側スイッチ変化検出ルーチン;図12,図1
3)内で、駆動領域限界位置P1,P4を検出した際に
駆動禁止(=0)に設定される(#1451,#155
1)。LMVENフラグは、モーター制御を行うルーチ
ン(図9)中で参照され(#1102)、設定状態に応じて
レンズ駆動/制動の制御の切り替えに使用される。
【0033】〈LDIR〉LDIRは、レンズ駆動系の
駆動方向を保持するフラグであり、近接方向へ駆動する
場合には0に設定され、無限方向に駆動する場合には1
に設定される。LDIRフラグは、メインフロー(図6)
中のステップ#804で、カメラボディからの交信デー
タ受信時に、カメラボディからの駆動指示に従って適切
な値に設定される。また、LDIRフラグは、レンズ初
期化(図7)中での初期化駆動時に各シーケンスに応じて
必要な値に設定され、モーター制御ルーチン(図9)中で
ドライブIC12にモーター通電方向を指示する際等に
参照される。
【0034】〈ZONE〉ZONEは、レンズ駆動系が
現在存在するゾーンZ0〜Z4の位置を表す変数であ
り、終端近傍/駆動領域限界位置検出ルーチン(図1
2,図13)の検出結果に従って設定される。ZONE
の値は、通常、ゾーンZ0〜Z4に対応して0〜4の値
を採るが、電源ON直後のゾーン不定の場合には、レン
ズの初期化駆動時に不定(未初期化)状態を表すデータと
して5に初期化される(図7中の#901)。
【0035】〈DVP〉DVPは、レンズ駆動系の現在
位置を示すカウンタ変数である。レンズ駆動時に発生す
るフォトインタラプタ13のパルス信号とモーター駆動
方向とに応じて、インクリメント(近接方向に駆動した
場合)又はデクリメント(無限方向に駆動した場合)され
る。このカウンタは、スイッチSW1をOFF(=1)か
らON(=0)に変化させる無限方向のレンズ駆動終了
後、スイッチSW1がOFF(=1)からON(=0)に変
化した時点から停止に至るまでに発生したフォトインタ
ラプタ13のパルス信号量に応じて、光学無限位置P∞
が0(基準)になるようにカウンタリセットが行われる。
【0036】〈DVPT〉DVPTは、レンズ駆動系の
駆動目標パルス位置(駆動目標値)を保存する変数であ
り、カメラボディから送られてきた目標レンズ位置(駆
動目標位置)を保存する。また、レンズ初期化駆動の際
に、レンズ駆動を行う仮目標値が設定される。
【0037】〈DVPR〉DVPRは、目標レンズ位置
に対するレンズ残駆動パルス量である。目標レンズ位置
とパルス量との偏差がDVPRである。偏差計算は、残
駆動量計算ルーチン(図10のステップ#1211,#
1212,#1221,#1222)で行われ、DVP
Rの判定はステップ#1104(図9)で行われる。
【0038】〈DVP0LAT〉DVP0LATは、D
VPのカウンタリセットが必要(=1)か否(=0)かを表
す変数である。終端近傍/駆動領域限界位置検出ルーチ
ン(図12)中で、無限方向駆動中にスイッチSW1がO
FF(=1)からON(=0)に変化したときに1に設定さ
れ(#1462)、同時に(後述する)DVP0に現在のレ
ンズ位置DVPの値が記憶される。モーター制御ルーチ
ン(図9)中で、レンズ制動後、本フラグが1に設定され
ているか否かが検出されて(#1112)、DVPカウン
タの値をリセットし直すか否かを判定する。
【0039】〈DVP0〉DVP0は、無限方向駆動に
おいてスイッチSW1がOFF(=1)からON(=0)に
変化した時のレンズ位置を記憶する変数である。DVP
カウンタの値をリセットする際に、レンズ位置が光学無
限位置P∞からどれだけずれているかを計算するのに使
用される(図9中のステップ#1113,図12中のス
テップ#1462)。
【0040】〈DVPN,DVPI〉DVPN,DVP
Iは、それぞれ近接側,無限側の駆動領域限界位置を記
憶する変数である。終端近傍/駆動領域限界位置検出ル
ーチン(図12,図13)中で、スイッチSW1,SW2
がOFF(=1)からON(=0)に変化したときのDVP
の値に応じて計算され、変数の再設定が行われる(#1
461,#1561)。また、モーター制御ルーチン(図
9)から呼び出される残駆動量計算ルーチン(図10)で
参照され、レンズ駆動系が駆動領域限界位置P1,P4
を越えて移動しないように制御するために使用される
(#1212,#1221)。
【0041】〈#DVPN0,#DVPI0〉#DVP
N0,#DVPI0は、それぞれスイッチSW1,SW
2がOFF(=1)からON(=0)に変化してから、駆動
領域限界位置P1,P4に達するまでに発生する、フォ
トインタラプタ13からの駆動パルス量を表す定数であ
る。上記DVPN/DVPIの値を算出するのに使用さ
れる。
【0042】〈#DVPL〉#DVPLは、光学無限位
置P∞を基準(=0)としたときの、スイッチSW1がO
FF(=1)からON(=0)に変化するレンズ位置(エッ
ジ位置P2に相当する。)を表す定数である。DVPカ
ウンタのリセット値を計算する際に使用される(図9の
#1113)。
【0043】〈メインフロー(図6)〉カメラボディから
のLVCC供給が行われると、CPU11の作動が自動
的に開始され、図6のステップ#800から実行が開始
される。ステップ#801で各I/O,RAM14等の
初期化を行って、引き続きステップ#802でレンズの
初期化動作を行う(図7)。その後、ステップ#803〜
#805のメインループ(Main Loop)周回を行う。メイ
ンループ周回では、ステップ#804でカメラボディと
の交信を行って、カメラボディからのレンズ駆動指示等
を受信し、ステップ#805で所定のレンズ制御を実行
する。その後、ステップ#803に戻って、メインルー
プ周回を続ける。
【0044】〈レンズ初期化フロー(図7,図5)〉ステ
ップ#900から始まるレンズ初期化は、電源ON直後
のために不定となっているレンズ位置カウンタ(すなわ
ちDVP)を、正しい値に設定するために行うレンズ駆
動であり、電源ON直後に実行される初期化過程の一部
として実行される。図5に、レンズ初期化時のレンズ駆
動系の動きを示す。なお、図5において、○はレンズ初
期化開始時点でのレンズ位置、×はレンズ初期化終了時
点でのレンズ位置を示しており、矢印方向にレンズ駆動
系が移動する。
【0045】まず初めに、ステップ#901を実行す
る。この段階では、未だレンズ位置を確定できないの
で、仮置きとしてZONE=5,DVP=0を設定す
る。次に、ステップ#902で、レンズ位置が現在どの
位置にあるかをスイッチSW1によって判定する。
【0046】スイッチSW1がON(=0,LOW)であ
れば、レンズ位置はゾーンZ1(図5)にあるので、ステ
ップ#905に移行して、図5(d)に示すレンズ駆動を
行わせる処理に移行する。ステップ#905では、準備
としてLMVEN=1(レンズ駆動が可能な状態),LD
IR=0(近接方向駆動),DVPT=10000(近接
方向のレンズ駆動に必要な目標レンズ位置として十分な
近接側繰り出し目標)パルス位置に設定する。そして、
ステップ#906〜#912のループで制御を行う。ス
テップ#906の最初の実行では、ステップ#905で
LMVEN=1に設定されているため、ステップ#90
7に進んで残駆動量計算(図10)を行う。次にステップ
#908でDVPRの判定を行う。最初の実行ではDV
PRが1より大きく設定されるため、ステップ#910
で近接方向駆動を開始する。
【0047】モーター通電を開始した後に、ステップ#
911で変数ZONEの値を調べる。変数ZONEは、
無限側,近接側スイッチ変化検出フロー(図12,図1
3)によって検出されたレンズ位置によって値が設定さ
れる。駆動当初は、ZONE=5(#901)に設定され
ているので、ステップ#912に移行する。ステップ#
912は、レンズ駆動系が外力等によって強制的に停止
させられたか否かを判定する処理である。30ms間D
VPが変化しない場合には、レンズ駆動系が外力等によ
って強制的に止められたと判定して、ステップ#913
でレンズ制動(図11)を行う。通常は、外力等による強
制停止はないので、ステップ#906〜#912のステ
ップを繰り返し処理することになる。レンズ駆動が進ん
で、レンズ位置がゾーンZ2に入った場合は、無限側ス
イッチ変化検出フロー(図12)でZONE=2の設定が
行われるので、ステップ#911で分岐判定され、ステ
ップ#913のレンズ制動の処理(図11)に移行する。
【0048】ステップ#914では、初期化補助ルーチ
ン(図8)を実行する。無限方向のレンズ駆動を行って、
停止後制御が本ルーチンに戻ってくる。その後、ステッ
プ#915で変数ZONEの判定を行う。ZONEの値
が1以下であれば、レンズ初期化駆動の正常位置で初期
化処理が終了したことになるので、正常と判定して、レ
ンズ初期化処理のすべての実行を終える。ZONEの値
が2以上であれば、正しいレンズ位置まで駆動が行われ
ずに終了したことになるので、異常処理と判定して、エ
ラー処理に移行する(詳しい説明は省略)。
【0049】次に、ステップ#902でスイッチSW1
がOFF(=1,HIGH)と判定されたときの処理を説
明する。スイッチSW1がOFFのときは、レンズ位置
がゾーンZ0,Z2,Z3,Z4のいずれかにあるの
で、ステップ#903に進んで、とりあえず初期化補助
ルーチン(図8)により無限方向のレンズ駆動を行う。無
限方向へのレンズ駆動後、ステップ#904で変数ZO
NEの値を確認して、処理内容を変える。
【0050】ステップ#904で、変数ZONEが0又
は1の場合には、図5(b)に示すレンズ駆動が正常に行
えたものと判定して、レンズ初期化処理を終了する。変
数ZONEが2,3又は4の場合には、図5(b)に示す
レンズ駆動が途中で強制的に止められたものと判定し
て、ステップ#914で無限方向のレンズ駆動を再度試
みる。変数ZONEが5の場合は、図5(c)に示すゾー
ンZ0からのレンズ駆動によって、無限側メカ終端S∞
にレンズ駆動系が衝突・停止した場合である。したがっ
て、スイッチSW1,SW2の変化が起きないため、無
限側,近接側スイッチ変化検出フロー(図12,図13)
でZONEの再設定が行われていないと判定する。この
場合には、前述したステップ#905以降のステップ
で、近接方向の繰り出しを行い、ついでスイッチSW1
がOFF(=1)となったら無限方向のレンズ駆動を行っ
て、初期化処理を終了する。
【0051】〈初期化補助(レンズ初期化の下位サブル
ーチン)フロー(図8)〉初期化補助フローは、レンズ駆
動系を無限方向の駆動領域限界位置P1一杯まで駆動さ
せるルーチンである。ステップ#1001で、レンズ駆
動方向を無限駆動方向(LDIR=1)に、レンズ駆動系
の駆動目標位置を−20000(十分に大きなオーバー
無限レンズ位置を表す値)に設定する。このような準備
をした上で、モーター制御ルーチン(図9)を呼び出す
(#1002)。実際のレンズ駆動は、モーター制御ルー
チン(図9)で行われ、本ルーチンはその初期設定のみを
行う。モーター制御ルーチンからは、レンズ駆動終了後
に制御が戻るので、その後、本ルーチンも実行を終了す
る。
【0052】〈レンズ駆動時のモーター制御フロー(図
9)〉このモーター制御フローは、レンズ駆動のモータ
ー制御を行うサブルーチンである。ここで、呼び出され
た目標レンズ位置にレンズ駆動系を移動させる制御を行
う。まず最初に、ステップ#1101で、準備としてL
MVENフラグをレンズ駆動可能状態(=1)に設定す
る。そして、ステップ#1102で、LMVENフラグ
の判定を行う。ステップ#1101でLMVEN=1と
設定されたばかりなので、ステップ#1103に進んで
残駆動量計算のサブルーチン(図10)をコールする。
【0053】ステップ#1103の残駆動量計算サブル
ーチンでは、目標値に対して残り駆動量(DVPR)を算
出して返す。ステップ#1104で、算出された残り駆
動量(DVPR)が1より大きいと判定した場合、レンズ
駆動を行って目標値に近づくようモーター通電を行う。
モーター通電では、まずステップ#1105の駆動速度
設定ルーチン(詳しい説明は省略)で制御速度を設定す
る。そして、ステップ#1106で通電すべき方向(L
DIR)を判定する。判定結果に応じて、ステップ#1
107に進んでモーター無限方向通電サブルーチン(説
明省略)を実行するか、あるいはステップ#1108に
進んでモーター近接方向通電サブルーチン(説明省略)を
実行する。これらのサブルーチンでは、それぞれ表1の
設定に従ってIN1/IN2の設定を行う。
【0054】モーター通電が終わると、過去30ms間
にDVP変化があったか否かを判定する(#1109)。
DVPの変化があれば、レンズ駆動系が正常に駆動され
ていると判定して、ステップ#1102〜#1109を
繰り返し実行する。以下の3条件が成立したときに、ス
テップ#1102〜#1109の実行ループから抜け
て、レンズ制動(#1110)以降の処理を実行する。 (1)レンズ位置が駆動領域限界位置P1,P4に達した
とき。 (2)レンズ駆動系の駆動目標位置に達したとき。 (3)外力等でレンズ駆動が強制的に停止させられたと
き。
【0055】上記条件(1)〜(3)が成立したときの処理を
説明する。レンズ位置が駆動領域限界位置P1,P4に
達したときには、後述する無限側,近接側スイッチ変化
検出ルーチン(図12,図13)でLMVENが0に設定
されるので、その場合には、ステップ#1102からス
テップ#1110のレンズ制動に制御を移行する。レン
ズ駆動系が駆動目標位置に達した場合、目標を越えた領
域まで行き過ぎた場合、あるいは終端近傍が検出された
場合には、ステップ#1103の残駆動量計算のルーチ
ン(図10)で、0以下のDVPRの値が返されるので、
その場合には、ステップ#1104からステップ#11
10のレンズ制動(図11)に制御を移行する。
【0056】レンズ駆動が外力等で強制的に駆動停止さ
せられたときは、フォトインタラプタ13によるレンズ
駆動パルスの発生が停止するので、レンズ駆動系の現在
位置を表すDVPカウンタの値が変化しなくなる。した
がって、ステップ#1109で、30ms間DVPの変
化がないと判定される。この場合、外力等で強制的に停
止させられたとして、ステップ#1110のレンズ制動
の処理へ移行する。ステップ#1110でレンズ制動処
理サブルーチン(図11)を呼び出してレンズ停止を待
ち、レンズ駆動モーター10への通電を停止(OFF)す
る。その後、ステップ#1111,#1112で、無限
方向駆動(LDIR=1)及びスイッチSW1のOFF→
ONを検出(DVP0LAT=1)した場合には、現在レ
ンズ位置DVPカウンタのリセットが必要となるので、
ステップ#1113でリセット行う。
【0057】〈残駆動量計算フロー(図10)〉この残駆
動量計算フローは、レンズ駆動系の現在位置DVPと駆
動目標位置DVPTとに基づいて、レンズ駆動系の残駆
動量を算出するルーチンである。さらに、レンズ駆動系
のゾーン位置の条件(駆動領域限界)に応じて、レンズ駆
動系の残駆動パルス量を補正計算し、駆動領域限界位置
P1,P4を越えてレンズ駆動が行われないように、目
標レンズ位置をレンズ内でリミットする操作も行う。
【0058】判定は表2に従い、ステップ#1201,
#1210,#1220で条件分岐を行う。レンズ初期
化ルーチン(図7)から最初に呼び出された場合には、Z
ONE=5が仮設定されている。この場合のレンズ駆動
は、DVPの値がまだ仮設定が行われただけであるた
め、正しい値には設定されていない。そこで、この場合
には、レンズ残駆動パルス量DVPR=200として
(#1223)、後の駆動速度設定で十分に速いレンズ駆
動がなされるような値設定を行う。
【0059】ZONE=0かつ無限方向駆動の場合、Z
ONE=4かつ近接方向駆動の場合には、駆動領域限界
位置P1,P4を越えて更にその方向にレンズ駆動を行
おうとしている状態にあるため、残駆動パルス量DVP
R=0を設定する(#1213)。ZONE=2〜4かつ
無限方向駆動の場合、ZONE=0〜2かつ近接方向駆
動の場合には、それぞれ正規の駆動可能範囲なので、D
VPTとDVPとの差を求めてDVPRに設定する(そ
れぞれステップ#1222,#1211)。
【0060】ZONE=1かつ無限方向駆動の場合、Z
ONE=3かつ近接方向駆動の場合には、それぞれ無限
側又は近接側の駆動領域限界位置P1,P4の近傍位置
P2,P3を検出したことになるので、無限側,近接側
スイッチ変化検出フロー(図12,図13)で検出し記憶
した駆動領域限界のパルス位置(DVPI/DVPN)と
本来の目標レンズパルス位置DVPTとを比較し、本来
の目標パルス位置が制御可動範囲HC内であればその値
を、本来の目標パルス位置が駆動領域限界のパルス位置
を越えていれば駆動領域限界のパルス位置(DVPI/
DVPN)を、目標のレンズ位置とする。そして、その
値と現在のレンズ位置DVPとの差をもって、レンズの
残駆動量とする(それぞれステップ#1221,#12
12でDVPRに設定)。その後、ステップ#1230
で、誤パルスによる誤動作防止のための限界位置確認の
処理を行う。
【0061】〈限界位置確認フロー(図16)〉本ルーチ
ンは、レンズがゾーンZ1に位置するときの無限方向駆
動、あるいはゾーンZ3に位置するときの近接方向駆動
において、それぞれ無限側又は近接側の駆動領域限界位
置P1,P4を越えたレンズ駆動目標位置に駆動する際
に、誤パルスの発生によって現在のレンズ位置DVPが
狂ってしまい、駆動領域限界位置P1,P4に達しない
うちに駆動停止してしまうのを防止するための処理を行
う。ステップ#1601で残駆動量(DVPR)が1を越
えているかを判定し、越えていれば処理を終了する。ス
テップ#1610〜#1612の組み合わせで、残駆動
量(DVPR)が1以下のときに、無限方向駆動かつ記憶
している駆動領域限界のパルス位置(DVPI)より目標
パルス位置(DVPT)が小さいと判定されたとき、ある
いは近接方向駆動かつ記憶している駆動領域限界のパル
ス位置(DVPN)より目標パルス位置(DVPT)が大き
いと判定されたときはステップ#1613でDVPR=
2と設定する。残駆動量DVPRを2パルスと設定し直
すことにより、以後の処理(本ルーチンの上位にある残
駆動量計算ルーチンの呼び出し元であるMOTOR制御
ルーチンに制御が戻って図9のステップ#1104)で
低速度で駆動し続けるようになる。以上により、本来駆
動領域内であるゾーンZ1あるいはZ3であるにも関わ
らず、誤パルス発生によってレンズの位置DVPが狂っ
て、駆動領域限界位置P1,P4に達しない前にレンズ
駆動停止してしまうのを防止することができる。
【0062】〈レンズ制動フロー(図11)〉このレンズ
制動フローは、レンズ駆動を停止させるルーチンであ
り、レンズ駆動の停止確認後、本ルーチンから呼び出し
元に制御が戻されるようになっている。ステップ#13
01で呼び出すサブルーチンMOTOR制動(詳しい説
明は省略)でモーター制動を行うように、表1に示す値
に従ってドライブIC12のIN1,IN2が設定され
る(IN1=IN2=1)。その後、ステップ#1302
でDVPの変化が起きなくなる(フォトインタラプタ1
3からのレンズ駆動パルス信号の発生が停止する)のを
待ち、パルス発生がなくなったら、ステップ#1303
のMOTOR通電OFF(=1)ルーチン(詳しい説明は
省略)で、表1のMOTOR通電OFF(=1)の状態(I
N1=IN2=0)になるように、CPU11のポート
の状態を設定し、本ルーチンを終了する。
【0063】〈無限側スイッチ変化検出フロー(INT
SW1,図12)〉このフローは、近接側スイッチ変化
検出フロー(図13)と協働して、レンズ位置のゾーンを
検出し、そのゾーンに対応する値を変数ZONEに設定
するルーチンである。スイッチSW1が、ON(=0)→
OFF(=1)又はOFF(=1)→ON(=0)と変化した
場合に、CPU11の割り込み機構によって、自動的に
本ルーチンが割り込んで実行される。
【0064】ステップ#1401,#1410,#14
40の各条件判定{レンズ駆動方向とスイッチSW1の
OFF(=1)→ON(=0)又はON(=0)→OFF(=
1)の変化の組み合わせ}に応じて、判定されるゾーンに
応じた変数ZONEを設定し直す(#1420,#14
30,#1450,#1460)。さらに、レンズ駆動
方向が無限方向で、かつ、スイッチSW1がOFF(=
1)→ON(=0)の変化であれば、無限側終端近傍(エッ
ジ位置P2)の検出となるので、無限側駆動領域限界位
置(エッジ位置P1)で停止可能となるように、レンズ駆
動制御を切り替える元となる駆動領域限界値を計算し、
DVPIに記憶する(ステップ#1461)。DVPカウ
ンタの検出基準位置(エッジ位置P2)を跨いで駆動した
ことになるので、レンズ駆動終了後、DVPカウンタの
リセット動作を行えるようにレンズ位置(DVP)の値を
DVP0に記憶し、また、記憶したことが後で分かるよ
うに、DVP0LATフラグを1に設定する(#146
2)。レンズ駆動方向が無限方向で、かつ、スイッチS
W1がON(=0)→OFF(=1)の変化であれば、レン
ズ位置が駆動領域限界に突入したことになるので、レン
ズ駆動を禁止する設定(LMVEN=0)にする(#14
51)。
【0065】〈近接側スイッチ変化検出フロー(INT
SW2,図13)〉このフローは、無限側スイッチ変化
検出フロー(図12)と協働して、レンズ位置のゾーンを
検出し、そのゾーンに対応する値を変数ZONEに設定
するルーチンである。スイッチSW2が、ON(=0)→
OFF(=1)又はOFF(=1)→ON(=0)と変化した
場合に、CPU11の割り込み機構によって、自動的に
本ルーチンが割り込んで実行される。
【0066】ステップ#1501,#1510,#15
40の各条件判定{レンズ駆動方向とスイッチSW2の
OFF(=1)→ON(=0)又はON(=0)→OFF(=
1)の変化の組み合わせ}に応じて、判定されるゾーンに
応じた変数ZONEを設定し直す(#1520,#15
30,#1550,#1560)。さらに、レンズ駆動
方向が近接方向で、かつ、スイッチSW2がOFF(=
1)→ON(=0)の変化であれば、近接側終端近傍(エッ
ジ位置P3)の検出となるので、近接側駆動領域限界位
置(エッジ位置P4)で停止可能となるように、レンズ駆
動制御を切り替える元となる駆動領域限界値を計算し、
DVPNに記憶する(ステップ#1561)。レンズ駆動
方向が近接方向で、かつ、スイッチSW2がON(=0)
→OFF(=1)の変化であれば、レンズ位置が駆動領域
限界に突入したことになるので、レンズ駆動を禁止する
設定(LMVEN=0)にする。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように第1〜第4の発明に
よれば、制御可動範囲の限界位置の近傍位置にレンズが
到達したことを検出する第2検出手段が設けられている
ため、光学無限位置又は最近接位置からメカ終端までの
空走領域を小さくしても、メカ終端での誤パルスの発生
を防止することができる。これにより、レンズの小型化
を達成することができる。また、制御可動範囲の限界位
置にレンズが到達したことを検出する第1検出手段が設
けられているため、光学無限位置又は最近接位置と制御
可動範囲の限界位置との間でも、確実な駆動を行うこと
ができる。さらに、第3の発明によれば、第1,第2検
出手段による検出に1つの導電パターンの両エッジ位置
を用いているため、新たな部品等を追加しなくても確実
な駆動を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】鏡胴メカの基本構成部分を模式的に示す説明
図。
【図2】エンコーダーブラシとコード板との配置状態を
拡大して示す斜視図。
【図3】電気回路構成を示すブロック図。
【図4】スイッチ構成とレンズ駆動制御との関係を示す
説明図。
【図5】レンズ初期化時のレンズ駆動系の動きを示す説
明図。
【図6】メインフローを示すフローチャート。
【図7】レンズ初期化フローを示すフローチャート。
【図8】レンズ初期化の下位サブルーチンフローを示す
フローチャート。
【図9】レンズ駆動時のMOTOR制御フローを示すフ
ローチャート。
【図10】残駆動量計算フローを示すフローチャート。
【図11】レンズ制動フローを示すフローチャート。
【図12】無限側スイッチ変化検出フローを示すフロー
チャート。
【図13】近接側スイッチ変化検出フローを示すフロー
チャート。
【図14】第1比較例のスイッチ構成とレンズ駆動制御
との関係を示す説明図。
【図15】第2比較例のスイッチ構成とレンズ駆動制御
との関係を示す説明図。
【図16】限界位置確認フローを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 …レンズ 2 …レンズ移動枠 3〜8…ギア列 9 …スリット羽根車 10 …モーター 11 …CPU 12 …ドライブIC 13 …フォトインタラプタ 14 …RAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03B 13/34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズを移動させるためのレンズ駆動を
    行うレンズ駆動手段と、前記レンズ駆動を制御する制御
    手段と、レンズの駆動目標位置に対応する駆動目標値を
    出力する目標値出力手段と、前記レンズ駆動に伴ってパ
    ルスを発生するパルス発生手段と、前記パルスをカウン
    トしてカウント値を出力するカウント手段と、前記レン
    ズ駆動がメカ的に制限されるメカ可動範囲内において、
    前記制御手段によって制御上制限される制御可動範囲の
    限界位置にレンズが到達したことを検出する第1検出手
    段と、前記制御可動範囲内において、前記限界位置の近
    傍位置にレンズが到達したことを検出する第2検出手段
    と、を備えたレンズ駆動装置であって、 前記制御手段は、前記駆動目標値と前記カウント値との
    偏差に基づいて前記レンズ駆動を制御すると共に、前記
    第1検出手段が前記限界位置にレンズが到達したことを
    検出した場合には、前記制御可動範囲外へのレンズ駆動
    を禁止し、前記第2検出手段が前記近傍位置にレンズが
    到達したことを検出した場合には、前記制御可動範囲内
    でレンズが停止しうるように前記レンズ駆動を制御する
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記レンズ駆動を無限側又は近接側に行
    うことによりフォーカシングを行うレンズ駆動装置であ
    って、前記無限側と近接側との両方に、それぞれ前記第
    1検出手段及び前記第2検出手段が設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記レンズ駆動を無限側又は近接側に行
    うことによりフォーカシングを行うレンズ駆動装置であ
    って、前記無限側と近接側とのそれぞれにおいて、1つ
    の導電パターンの一方のエッジ位置を検出することによ
    って前記第1検出手段による検出が行われ、前記導電パ
    ターンの他方のエッジ位置を検出することによって前記
    第2検出手段による検出が行われることを特徴とする請
    求項1に記載のレンズ駆動装置。
  4. 【請求項4】 さらに、前記近傍位置にレンズが到達し
    たことを前記第2検出手段が検出した時点でのカウント
    値に、前記近傍位置から前記限界位置までのレンズ駆動
    によって発生する所定のパルス数を加算する加算手段
    と、この加算手段による加算結果を記憶する記憶手段
    と、この記憶手段に記憶されている加算結果と前記駆動
    目標値のうち、前記近傍位置にレンズが到達したことを
    前記第2検出手段が検出した時点でのカウント値に近い
    方の値を出力する比較選択手段と、を備え、 前記制御手段は、前記近傍位置にレンズが到達したこと
    を前記第2検出手段が検出しない場合には、前記駆動目
    標値に基づいてレンズ駆動を制御し、前記近傍位置にレ
    ンズが到達したことを前記第2検出手段が検出し、か
    つ、前記駆動目標位置が前記制御可動範囲内にあった場
    合には、前記比較選択手段からの出力結果に基づいてレ
    ンズ駆動を制御し、前記近傍位置にレンズが到達したこ
    とを前記第2検出手段が検出し、かつ、前記駆動目標位
    置が前記制御可動範囲外にある場合には、前記制御可動
    範囲の限界位置までレンズ駆動を行うようにレンズ駆動
    を制御することを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆
    動装置。
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