JPH10227885A - 可燃性ガス濃度制御系 - Google Patents

可燃性ガス濃度制御系

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JPH10227885A
JPH10227885A JP9031705A JP3170597A JPH10227885A JP H10227885 A JPH10227885 A JP H10227885A JP 9031705 A JP9031705 A JP 9031705A JP 3170597 A JP3170597 A JP 3170597A JP H10227885 A JPH10227885 A JP H10227885A
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chimney
catalyst
gas concentration
height
outlet
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JP9031705A
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Kiyoshi Fujimoto
清志 藤本
Tadashi Fujii
正 藤井
Yoshiyuki Kataoka
良之 片岡
Toshiji Hiratsuka
利治 平塚
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒式の可燃性ガス濃度制御系で、水素の反応
熱によって生じる原子炉格納容器内の循環流を促進し
て、可燃性ガスを効率的に処理する。 【解決手段】原子炉圧力容器11を収納するドライウエ
ル13と圧力抑制室を含む原子炉格納容器12内部に、
水素ガスと酸素ガスを反応させる触媒1と、触媒1を収
納するチムニ2からなる可燃性ガス濃度低減装置を多数
配置した可燃性ガス濃度制御系で、触媒1上端からチム
ニ出口部4までの高さを触媒1の高さの2倍以上とし、
チムニ出口部4の流路面積をチムニ入口部3の流路面積
の25%以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可燃性ガス濃度低減
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の沸騰水型原子炉における可燃性ガ
ス濃度制御系の系統図を図2に示す。系統構成は、ブロ
ア17,加熱器18,熱反応式再結合器19,冷却器2
0,セパレータ21,配管弁類及び計測制御装置からな
る。設計上想定している冷却材喪失事故が発生した場合
には、可搬式の再結合装置を原子炉建屋に運搬し、搬入
・据付を行う。事故時には、以下のような可燃性ガスの
発生を想定している。まず、原子炉圧力容器11内の燃
料温度が上昇することで、燃料被覆材のジルコニウムと
水が反応して水素ガスが発生する。また、配管破断部か
ら放出された放射性物質が圧力抑制プール15へ流入
し、水の放射線分解によって水素ガスと酸素ガスが発生
する。なお、沸騰水型原子炉では、通常運転中、原子炉
格納容器12内は窒素ガスで置換されているため、初期
酸素ガス濃度は3.5% 以下に抑制されている。
【0003】事故発生により、原子炉格納容器12内で
水素ガスと酸素ガスの濃度が上昇し、可燃限界(水素ガ
ス濃度4%以上かつ酸素ガス濃度5%以上)以上の濃度
に達すると、自然発火して原子炉格納容器12の健全性
が損なわれる可能性が大きくなる。このため、従来の可
燃性ガス濃度制御系では、ドライウエル13から原子炉
格納容器12内のガスをブロア17で吸引し、加熱器1
8を介して再結合器19で水素ガスと酸素ガスを熱反応
により再結合させる。再結合反応で生じた蒸気は、冷却
器20で凝縮された後、セパレータ21で水分を除去し
て、残りのガスは圧力抑制室の気相空間であるウェット
ウエル14に戻される。
【0004】この他、事故時の可燃性ガスの濃度を低減
する方法は、特開昭58−135991号公報に記載のように、
原子炉格納容器内に水素ガスを酸化する触媒を設置する
例がある。また、Proceedings of ARS '94 Intern
ational Topical Meeting ondvanced Reactors Safety
Volume 1 Hyatt Regency Pittsburgh,PA April17
−21,1994のp326−333(以下ARSと称
する)に記載の例では、上下端が開放され原子炉格納容
器内の空間部と連通しているチムニの内部に触媒を収納
している。チムニは、触媒上で水素ガスと酸素ガスが反
応した際の反応熱によって誘起される循環流量を増大さ
せることで、原子炉格納容器のガスの混合を促進する。
また、通常運転中のごみやスプレ水のように触媒性能を
劣化させるような物質の触媒への付着防止も兼ねてい
る。さらに、電気出力60万kWの原子炉格納容器内に
触媒式の可燃性ガス低減装置を適用する場合の必要台
数,配置場所を検討した例も記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の可搬式の再結合
装置では、ブロアや加熱器,冷却器への冷却水の供給用
ポンプなどを作動させるのに、動力源を必要する。ま
た、再結合装置が原子炉格納容器の外部に設置されてい
るので、可燃性ガスを導くための配管や原子炉格納容器
貫通部での隔離弁が必要となるので、設備コストが増加
する。
【0006】一方、特開昭58−135991号公報やARSの
文献に記載のように、原子炉格納容器内に水素ガスの酸
化触媒を設置する場合には、触媒上で可燃性ガスが反応
するため、動力源を必要するブロア,加熱器,冷却器等
が不要となる。さらに、可燃性ガスを原子炉格納容器外
部に導くための配管や弁も削除できるので、設備の簡素
化や信頼性及び保守性の向上が期待できる。
【0007】特開昭58−135991号公報に記載の例では、
触媒を原子炉格納容器の内壁面,配管の外表面,原子炉
圧力容器の外面等に設置している。しかし、通常運転中
に触媒表面に付着するごみの影響を考慮していない。ま
た、設計上想定している事故時において、図2に示すよ
うに、ポンプ27を用いて圧力抑制プール15水を残留
熱除去系の熱交換器28で冷却後、原子炉格納容器12
外壁近くに設置されている格納容器冷却スプレヘッダ2
9,30から、ドライウエル13とウェットウエル14
にスプレする原子炉格納容器12の減圧手段がある。ス
プレ水が散布された場合には、水素ガスの反応効率が低
下する可能性があるが、上記公知例ではその影響を考慮
していない。
【0008】なお、ARSの文献に記載の例では電気出
力60万kW級プラントへの適用を想定している。しか
し、国内外ではスケールメリットを追及する観点から6
0万kWを上回る大出力プラントが指向されており、原
子炉出力の増大に伴い事故時における可燃性ガスの発生
量も増大すると考えられる。そこで、可燃性ガス発生量
の増大に対する濃度低減方法は、可燃性ガス濃度低減装
置の台数を増加させる方法と装置単体の処理流量つまり
循環流量を増大させる方法が考えられる。前者では、装
置台数を増加させることで設備コストが増大するが、後
者では、装置単体の循環流量を増大するため前者に比べ
装置台数の低減が可能となりコスト低減になる。前記循
環流量を増大させる方法は、触媒上端からチムニ出口ま
での高さを高くすることが考えられるが、設置場所とな
る原子炉格納容器内部には、多くの配管,スプレヘッダ
等があり配置上の制約がある。また、スプレ水の飛散防
止等のためには、チムニと格納容器冷却スプレヘッダと
の距離を離すとともに、チムニの出口部を絞ることが有
効であるが、出口部の絞りが大きい場合には圧力損失が
大きくなり循環流量に影響することが考えられる。しか
し、上記の文献では循環流量に対するチムニの形状依存
性や配置場所の影響については明確に記載されていなか
った。
【0009】本発明の目的は、可燃性ガスを効率的に処
理するとともに、触媒性能の劣化を防止する触媒式の可
燃性ガス濃度制御系を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、原子炉
圧力容器を収納するドライウエルと圧力抑制室を含む原
子炉格納容器内部に、水素ガスと酸素ガスを反応させる
触媒と、前記触媒を収納するチムニからなる可燃性ガス
濃度低減装置を多数配置した可燃性ガス濃度制御系で、
前記触媒上端から前記チムニ出口部までの高さを触媒の
高さの2倍以上とし、かつチムニ出口部の流路面積をチ
ムニ入口部の流路面積の25%以上とすることによって
達成される。
【0011】また、チムニ上部側面位置に1ヵ所以上又
は一方向以上の出口部を設け、触媒上端からチムニ出口
部までの高さを触媒の高さの2倍以上とし、かつチムニ
出口部の総和の流路面積をチムニ入口部の流路面積の2
5%以上とする。
【0012】また、チムニの下部側面位置に1ヵ所以上
又は一方向以上の入口部を設け、触媒上端からチムニ出
口部までの高さを触媒の高さの2倍以上とし、かつチム
ニ出口部の流路面積をチムニ入口部の総和の流路面積の
25%以上とする。
【0013】また、本発明の目的は、原子炉圧力容器を
収納するドライウエルと圧力抑制室を含む原子炉格納容
器内部に、水素ガスと酸素ガスを反応させる触媒と、前
記触媒を収納するチムニからなる可燃性ガス濃度低減装
置を多数配置した可燃性ガス濃度制御系で、前記チムニ
出口部の上方にカバーを設け、前記触媒上端から前記チ
ムニ出口部までの高さを触媒の高さの3倍以上とし、か
つ前記カバーとチムニ出口とのギャップ部における流路
面積とチムニ入口部の流路面積の比を60%以上とす
る。
【0014】また、チムニ出口部の上方に設けるカバー
の面積が、チムニ出口部の流路面積を上回る。
【0015】また、チムニの下方に床を設ける。
【0016】また、チムニの下方に設ける床の面積が、
チムニ下部の断面積を上回る。
【0017】さらに、可燃性ガス濃度低減装置を格納容
器冷却スプレヘッダからのスプレ水の飛散を低減できる
位置としてドライウエル内の生体しゃへい壁近く及び圧
力抑制室内の内壁近くに配置する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施例について、
図1,図3ないし図5により説明する。
【0019】図1は第1の実施例における可燃性ガス濃
度低減装置の概略図を示す。装置は、チムニ2内に触媒
1を収納している。チムニ入口部3とチムニ出口部4は
開放されており、原子炉格納容器12内の空間と連通す
る構造としている。触媒1の材質は、従来より知られて
いるように、白金やパラジウムを用いるものとする。本
実施例では、触媒1を複数のプレート状に成形し、各プ
レートの間隙をチムニ入口部3から上方に向かって可燃
性ガスが流れ、触媒1上で反応することで反応熱が生じ
る。この反応熱により、触媒1上端でのガス温度は約3
00℃程度まで上昇するため、チムニ2外部のガスとの
密度差が大きくなり、浮力によって原子炉格納容器12
内の循環流が形成される。
【0020】ここで、発明者らは、図1に示した可燃性
ガス濃度低減装置で、触媒1での反応熱で誘起される循
環流に対するチムニ2の形状依存性を明らかにするた
め、図3に示すような実験装置を用いて流動特性を調べ
た。この実験では、循環流量に対するチムニ形状の依存
性を明確にすることを主目的としたため、実際の触媒と
水素ガスは用いず、空気を作動流体とし、可燃限界に相
当する水素濃度4%の条件での反応熱量を、ヒータ加熱
量として与える模擬触媒41(高さはARSの文献と同
一)を用いた。チムニ42の内部には、3体の模擬触媒
41を一定の間隔で設置した。実験パラメータは、模擬
触媒41の高さH0と模擬触媒41上端からチムニ42
出口部までの高さH1(以下チムニ高さと称する)の比
及びチムニ42の出口部の流路面積A4とチムニ42の
入口部の流路面積A3の比として定義した開口率であ
る。また、チムニ42の入口部の下方には流速計43を
設置し、模擬触媒41の加熱により誘起される循環流量
を測定した。
【0021】図4に模擬触媒41の高さとチムニ42高
さの比H1/H0を変化させた場合の循環流量の測定結
果を示す。図4の縦軸は、チムニ42の高さが0の時の
循環流量に対する流量の相対値を示している。チムニ4
2の高さを増加させるにともなって循環流量が増加する
結果を示し、チムニ42高さを模擬触媒41の高さの1
倍から2倍に増加させた場合、循環流量の増加は約6%
であった。
【0022】図5は模擬触媒41の高さとチムニ42高
さの比及びチムニ42の開口率を変化させた場合の循環
流量の測定結果の一例を示す。図5の縦軸は、目標とし
た循環流量に対する相対値として示している。例えば、
設計基準を上回る炉心溶融を伴うシビアアクシデント発
生時には燃料被覆材のジルコニウムと水が激しく反応
し、事故後0.5時間〜2.5時間迄に水素ガスが多量に
発生し、原子炉格納容器内の急激な圧力上昇あるいは水
素ガスと酸素ガスとの急激な反応等により原子炉格納容
器の健全性が損なわれる可能性がある。しかし、事故後
2.5 時間以降は水素ガスの発生量は減少する。そのた
め、事故後2.5 時間迄に発生した水素ガスを触媒に付
着させる観点から目標の循環流量を定めた。また、図4
の測定結果と従来構造から推定した値を●印で示す。ま
ず、チムニ42の開口率については、100%から徐々
に出口部の流路面積を絞って25%まで開口率を減少さ
せた場合でも、循環流量はほとんど変化しない。しか
し、開口率が25%を下回ると、急激に流量が低下する
傾向を示した。また、チムニ42高さと模擬触媒41の
高さの比については、図4の結果と同様にチムニ42の
高さを増加させるにともなって循環流量が増加した。こ
の結果より、チムニ42高さについては模擬触媒41の
高さの2倍以上とし、かつ開口率を25%以上の範囲と
することで、循環流を疎外することのないチムニ形状が
得られた。
【0023】図6は本発明の第1の実施例の変形例にお
ける可燃性ガス濃度低減装置の概略図を示す。本実施例
を適用する可燃性ガス濃度制御系は図1を用いて説明し
た実施例と同様の構成で本実施例の特徴となる構成要素
は、チムニ2の上部側面位置に1ヵ所以上又は一方向以
上設けるチムニ出口部4である。
【0024】チムニ2の側方から反応後のガスが流れる
構造としているので、容易に原子炉格納容器12内の混
合促進を図ることができる。そのため、可燃性ガスの濃
度が局所的に可燃限界を上回るような状態を回避でき
る。さらに、支持部材によるカバーの固定がないこと、
かつチムニ出口部4を絞らない構造にしているため、構
造が容易であり、製作コストも低減できる。
【0025】図7は本発明の第1の実施例における可燃
性ガス濃度低減装置の概略図を示す。本実施例を適用す
る可燃性ガス濃度制御系は図1を用いて説明した実施例
と同様の構成で本実施例の特徴となる構成要素は、チム
ニ2の下方に床7を設け、チムニ2の下部側面位置に1
ヵ所又は一方向以上設けるチムニ入口部3である。
【0026】水平方向にチムニ入口部3を設けること
で、あらゆる方向からの水素ガス及び酸素ガスの流れに
対しても対応ができ、水素ガスの迅速な除去が可能とな
り、信頼性が向上する。
【0027】図8は本発明の第2の実施例における可燃
性ガス濃度低減装置の概略図を示す。本実施例を適用す
る可燃性ガス濃度制御系は図1を用いて説明した実施例
に格納容器冷却スプレヘッダ29,30を設けた構成で
本実施例の特徴となる構成要素は、チムニ出口部4の上
方に設けたカバー8である。なお、カバー8は支持部材
9によりチムニ出口部4に固定されている。
【0028】チムニ出口部4の上方にカバー8を設ける
ことで、原子炉格納容器12中のゴミの付着あるいは可
燃性ガス濃度低減装置の上方空間に設置される格納容器
冷却スプレヘッダ29,30からのスプレ水の飛散を低
減できる。また、チムニ出口部4におけるガス温度は、
触媒1出口部(約300℃)より低下するが、約150℃
程度の高温状態である。しかし、カバー8を設けること
で、反応後のガスが一旦カバー8にあたって周囲の低温
のガスと混合して上昇する。このため、チムニ出口部4
の温度が低下するので、反応後の高温ガスによる構造物
への影響を低減でき、配置上の自由度が向上する。
【0029】図9はチムニ出口部4の上方にカバー8を
設け、ギャップ部の実効的な流路面積とチムニ入口部3
の流路面積の比を変化させた場合の循環流量の測定結果
の一例を示す。図5と同様、図9の縦軸は目標とした循
環流量に対する相対値として示している。カバー8がチ
ムニ出口部4の上方に設置されているので、装置全体の
圧力損失が増大し、図5の結果に比べると、同一の循環
流量を得るためには、チムニ2高さを触媒1の高さの3
倍以上に高くする必要がある。また、ギャップ部の流路
面積とチムニ入口部3の流路面積の比に関しては、約6
0%以上とすれば循環流量の増加傾向が飽和する傾向を
示した。この結果から、チムニ出口部4の上方にカバー
8を設置する場合には、チムニ2高さを触媒1の高さの
3倍以上としかつギャップ部の流路面積とチムニ入口部
3の流路面積の比を約60%以上とすれば、循環流を疎
外することのないチムニ形状が得られ、原子炉格納容器
12内の混合促進を図ることができる。
【0030】図10は本発明の第2の実施例の変形例に
おける可燃性ガス濃度低減装置の概略図を示す。本実施
例を適用する可燃性ガス濃度制御系は図8を用いて説明
した実施例と同様の構成で本実施例の特徴となる構成要
素は、チムニ出口部4の流路面積を上回る面積のチムニ
2上方のカバー8である。
【0031】カバー8の面積をチムニ出口部4の流路面
積より大きく設定することで図8を用いて説明した実施
例に比べて、チムニ2の上方からのスプレ水の飛散や通
常時のごみの付着を効果的に抑制できる。
【0032】図11は本発明の第2の実施例の別の変形
例における可燃性ガス濃度低減装置の概略図を示す。本
実施例を適用する可燃性ガス濃度制御系は図8を用いて
説明した実施例と同様の構成で本実施例の特徴となる構
成要素は、チムニ2下部の断面積を上回るチムニ2下方
の床7である。
【0033】冷却材喪失事故時の初期では、ドライウエ
ル13からベント管16を通して流入してくる蒸気と不
凝縮性気体により圧力抑制プール15水が持ち上げられ
るプールスウェル現象が生じる。この場合、圧力抑制プ
ール15水がチムニ2下方より飛散する可能性がある
が、チムニ2下方に床7を設置することによりプール水
の飛散を低減でき、触媒1性能の劣化を低減できる。
【0034】図12は本発明の第1の実施例の可燃性ガ
ス濃度低減装置を適用した原子炉プラントの概略図を示
す。可燃性ガス濃度低減装置は、図8の実施例と同様で
あり、本実施例の特徴となる構成は、ドライウエル13
内では原子炉圧力容器12を取り囲む生体しゃへい壁3
1近くと、また圧力抑制室内壁32近くに装置を配置す
ることである。装置は、支持部材5により固定される。
また、本実施例では、図1の実施例を組み合わせている
が、図6,図7,図8,図10あるいは図11の実施例
に、この構成要素を組み合わせても、以下の作用は同様
である。
【0035】上記の配置により、原子炉格納容器12壁
近くに配置される格納容器冷却スプレヘッダ29,30
との距離を離すことで、格納容器冷却スプレヘッダ2
9,30が作動した場合でも、スプレ水が触媒1に飛散
する可能性を低減し、触媒1の反応効率の低下を防止で
きるため、チムニ2から原子炉格納容器12壁に向かう
循環流の形成が容易になる。また、ウェットウエル14
内では圧力抑制室内壁32近くに装置を配置すること
で、プールスウェルによる圧力抑制プール15水の飛散
も低減でき、触媒1性能の劣化を防止できる。
【0036】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、可燃
性ガスが触媒上で反応する際の反応熱によって誘起され
る循環流を疎外しない最適なチムニ形状が得られ、原子
炉格納容器内の混合促進を図ることができるので、事故
時で効率良く可燃性ガスを処理できる。また、従来の可
燃性ガス濃度低減装置に対して循環流量を増加できるた
め大出力の沸騰水型原子炉に本発明の装置を適用する場
合、装置台数の低減により経済性を向上させることがで
きる。
【0037】請求項2に記載の本発明によれば、請求項
1に記載の発明の効果に加え、チムニの上部側面位置に
1ヵ所以上又は一方向以上の出口部を設けているので、
より効率的に原子炉格納容器内の混合促進を図ることが
でき、可燃性ガスの濃度が局所的に可燃限界を上回るよ
うな状態を回避できるため、原子炉の信頼性が向上す
る。
【0038】請求項3に記載の本発明によれば、請求項
1あるいは請求項2に記載の発明の効果に加え、チムニ
の下部側面位置に1ヵ所以上又は一方向以上の入口部を
設けることで、チムニ周囲の気体を吸入しやすくなり、
可燃性ガスの処理を素早く行うことが可能となる。
【0039】請求項4に記載の本発明によれば、請求項
1に記載の発明の効果に加え、チムニ上方にカバーを設
ける場合においても、反応熱によって誘起される循環流
を疎外しない最適なチムニ形状が得られ、原子炉格納容
器内の混合促進を図ることができるので、事故時で効率
良く可燃性ガスを処理できる。また、チムニの上方に設
置される格納容器冷却スプレヘッダからのスプレ水の飛
散や通常運転時のごみの付着を効果的に抑制し、触媒性
能の劣化が防止できるため、装置の信頼性が向上する。
さらに、チムニ出口部における反応後のガス温度が低下
するので、チムニ周囲の構造物への影響を低減でき、配
置上の自由度が向上する。
【0040】請求項5に記載の本発明によれば、請求項
2あるいは請求項4に記載の発明の効果に加え、チムニ
の出口部の上方に設けるカバーの面積が、チムニ出口部
の流路面積を上回ることにより、スプレ水の飛散や通常
時のごみの付着をより効果的に抑制できるため、原子炉
の信頼性がさらに向上する。
【0041】請求項6に記載の本発明によれば、請求項
1,請求項2,請求項3,請求項4あるいは請求項5に
記載の発明の効果に加え、チムニ下方に床を設けること
により、事故時初期のプールスウェルによる可燃性ガス
濃度低減装置下方からのプール水の飛散を低減するた
め、触媒性能の劣化を防止できる。
【0042】請求項7に記載の本発明によれば、請求項
6に記載の発明の効果に加え、チムニ下方に設ける床面
積が、チムニ下部の断面積を上回ることにより、さらに
事故時初期のプールスウェルによる可燃性ガス濃度低減
装置下方からのプール水の飛散を低減でき触媒の性能向
上を図ることができる。
【0043】請求項8に記載の本発明によれば、請求項
1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請求項
6あるいは請求項7に記載の発明の効果に加え、可燃性
ガス濃度低減装置を格納容器冷却スプレヘッダからのス
プレ水の飛散を低減できる位置に配置することにより、
設計上想定している冷却材喪失事故時の格納容器冷却ス
プレヘッダからのスプレ水の飛散による触媒の劣化を防
止でき、長期的に可燃性ガスを効率的に処理することが
できるため、さらに信頼性を向上させることができる。
【0044】請求項9に記載の本発明によれば、請求項
1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請求項
6,請求項7あるいは請求項8に記載の発明の効果に加
え、可燃性ガス濃度低減装置を前記圧力抑制室内壁近く
に配置することにより、事故時のプールスウェルによる
可燃性ガス濃度低減装置下方からのプール水の飛散によ
る触媒の劣化を確実に防止でき、効率良く可燃性ガスを
処理できるため原子炉の信頼性及び保守性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明明第1の実施例における可燃性ガス濃度
低減装置の説明図。
【図2】従来の可燃性ガス濃度制御系の系統図。
【図3】循環流量に対するチムニ形状依存性確認用の実
験装置の説明図。
【図4】チムニの高さと循環流量の関係を示すグラフ。
【図5】チムニの開口率,高さと循環流量の関係を示す
グラフ。
【図6】本発明の第1の実施例の変形例における可燃性
ガス濃度低減装置の説明図。
【図7】本発明の第1の実施例の別の変形例における可
燃性ガス濃度低減装置の説明図。
【図8】本発明の第2の実施例における可燃性ガス濃度
低減装置の説明図。
【図9】ギャップ部とチムニ入口部の面積比と循環流量
の関係を示すグラフ。
【図10】本発明の第2の実施例の変形例における可燃
性ガス濃度低減装置の説明図。
【図11】本発明の第2の実施例の別の変形例における
可燃性ガス濃度低減装置の説明図。
【図12】本発明の第1の実施例の可燃性ガス濃度低減
装置を適用した原子炉プラントの説明図。
【符号の説明】
1…触媒、2…チムニ、3…チムニ入口部、4…チムニ
出口部、5…支持部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平塚 利治 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉圧力容器を収納するドライウエルと
    圧力抑制室を含む原子炉格納容器内部に、水素ガスと酸
    素ガスを反応させる触媒と、前記触媒を収納するチムニ
    からなる可燃性ガス濃度低減装置を多数配置した可燃性
    ガス濃度制御系において、前記触媒の上端から前記チム
    ニ出口部までの高さを前記触媒の高さの2倍以上とし、
    前記チムニ出口部の流路面積を前記チムニ入口部の流路
    面積の25%以上とすることを特徴とする可燃性ガス濃
    度制御系。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記チムニ上部側面位
    置に1ヵ所以上又は一方向以上の出口部を設け、前記触
    媒の上端から前記チムニ出口部までの高さを前記触媒の
    高さの2倍以上とし、前記チムニ出口部の総和の流路面
    積を前記チムニ入口部の流路面積の25%以上とする可
    燃性ガス濃度制御系。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記チ
    ムニの下部側面位置に1ヵ所以上又は一方向以上の入口
    部を設け、前記触媒上端から前記チムニ出口部までの高
    さを前記触媒の高さの2倍以上とし、前記チムニ出口部
    の流路面積を前記チムニ入口部の総和の流路面積の25
    %以上とする可燃性ガス濃度制御系。
  4. 【請求項4】原子炉圧力容器を収納するドライウエルと
    圧力抑制室を含む原子炉格納容器内部に、水素ガスと酸
    素ガスを反応させる触媒と、前記触媒を収納するチムニ
    からなる可燃性ガス濃度低減装置を多数配置した可燃性
    ガス濃度制御系において、前記チムニ出口部の上方にカ
    バーを設け、前記触媒上端から前記チムニ出口部までの
    高さを前記触媒の高さの3倍以上とし、前記カバーと前
    記チムニ出口とのギャップ部における流路面積を前記チ
    ムニ入口部の流路面積の60%以上とすることを特徴と
    する可燃性ガス濃度制御系。
  5. 【請求項5】請求項2または請求項4において、前記チ
    ムニ出口部の上方に設ける前記カバーの面積が、前記チ
    ムニ出口部の流路面積を上回る可燃性ガス濃度制御系。
  6. 【請求項6】請求項1,請求項2,請求項3,請求項4
    または請求項5において、前記チムニの下方に床を設け
    る可燃性ガス濃度制御系。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記チムニの下方に設
    ける前記床の面積が、前記チムニ下部の断面積を上回る
    可燃性ガス濃度制御系。
  8. 【請求項8】請求項1,請求項2,請求項3,請求項
    4,請求項5,請求項6または請求項7において、前記
    可燃性ガス濃度低減装置を格納容器冷却スプレヘッダか
    らのスプレ水の飛散を低減できる位置に配置する可燃性
    ガス濃度制御系。
  9. 【請求項9】請求項1,請求項2,請求項3,請求項
    4,請求項5,請求項6,請求項7または請求項8にお
    いて、前記可燃性ガス濃度低減装置を前記ドライウエル
    内の生体しゃへい壁近く及び前記圧力抑制室内の内壁近
    くに配置する可燃性ガス濃度制御系。
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