JP2014181943A - 触媒式可燃性ガス再結合装置 - Google Patents
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Abstract
触媒カートリッジを強固に固定したことで地震力に対して強くなり、触媒カートリッジからの粒子飛散や損傷を防止することが可能な触媒式可燃性ガス再結合装置を提供することにある。
【構成】
原子力発電設備の原子炉格納容器内に設置され、前記原子炉格納容器内の高濃度水素を通過させることによって濃度を低下させる可燃性ガス再結合装置において、ハウジング内に複数枚の触媒カートリッジを等間隔に収納するための支持部材と、前記触媒カートリッジの上部を拘束する固定具とを前記ハウジングの内部に取付けたことを特徴とする。
【選択図】図4
Description
(構成の説明)
図2において、触媒式可燃性ガス再結合装置1の主構造をなすハウジング2は地震力もしくはジェット力に耐える得る板厚の鋼板にて形成されている。このハウジング2の底面には据付板3がリブ4を介して接続されている。ハウジング2の前面には蓋9が着脱自在に取付られている。この蓋9にはハンドル10が取付られている。ハウジング2の内部には触媒カートリッジ6が等間隔に複数枚収納されている。支持部材7はハウジング2を等間隔に収納し支持するためのものである。矢印で示すように、高濃度の水素と酸素はハウジング2の底面に設けられた吸込み口2bから流入し、触媒カートリッジ6を通過した後、吐出口2aからハウジング2外に排出される。
(動作の説明)
格納容器内において、主蒸気配管の破断事故等によって格納容器内の水素濃度が上昇する事故が発生した場合、触媒カートリッジ6内に内包された触媒の作用により水素と酸素を再結合する。この水素と酸素の結合の際に発生する反応熱により周囲のガスが温められて自然対流が始まり、ある程度安定した上昇気流を生じハウジング2の内部を流れ、水素および酸素濃度が低減されたガスがハウジング2上部から排気される。
(実施例の効果)
本発明の実施例1においては、地震力や主蒸気配管破断事故で発生するジェット力に曝されても触媒カートリッジ6を損傷させることなくジェット後の水素濃度上昇に対応可能である。また、図2に示すように、ハンドル10を持って蓋9を開け、固定具8を取外すことで内部点検および触媒カートリッジ6の点検が容易に行える。
(構成の説明)
図5において、固定具11はハウジング2の内壁に対して取外し自在に取付られている。この固定具11は固定具ベース12と触媒カートリッジ押え板13との間にコイルスプリング14を備えている。このコイルスプリング14は触媒カートリッジ6を上から押し付ける方向のバネ性を備えている。矢印は地震やジェット力が発生した場合の触媒カートリッジ6に対する荷重19である。
(動作の説明)
地震やジェット力によって触媒カートリッジ6が荷重19を受けた場合、コイルスプリング14が均等に収縮し、受けた荷重とバランスすることで、触媒カートリッジ10を水平のまま支える。また、触媒カートリッジ6が水素、酸素と反応し発熱した作動状態では、荷重19の方向に生じる熱膨張をコイルスプリング14で吸収することができる。
(実施例の効果)
事故前後の地震やジェット力などの過渡的荷重に対して、触媒カートリッジ6を均等に固定することで局所的な高応力発生を防止し、触媒カートリッジ6の破損を防止できる。また、コイルスプリング14のばね定数を適切に選定し、初期荷重をかけて装着することにより、地震力に対して触媒カートリッジ6が移動しないように固定することが可能であり、触媒カートリッジ6の破損防止および耐震性評価の容易化が可能になる。
(構成の説明)
図6において、固定具15はハウジング2の内壁に対して取外し自在に取付られている。この固定具15は固定具ベース16と触媒カートリッジ押え板17との間にプレートスプリング18を備えている。このプレートスプリング18は触媒カートリッジ6を上から押し付ける方向のバネ性を備えている。矢印は地震やジェット力が発生した場合の触媒カートリッジ6に対する荷重19である。
(動作の説明)
本実施例は実施例2と同様に、地震やジェット力を荷重19の方向に受けた場合、プレートスプリング17が均等に収縮し、受けた荷重とバランスすることで、触媒カートリッジ6を水平のまま支える。また、触媒カートリッジ6が水素、酸素と反応し発熱した作動状態では、荷重19の方向に生じる熱膨張をプレートスプリング18で吸収する。
(実施例の効果)
実施例2と同様に、事故前後の地震やジェット力などの過渡的荷重に対して、触媒カートリッジ6を均等に固定することで局所的な高応力発生を防止し、触媒カートリッジ6の破損を防止できる。また、プレートスプリング18のばね定数を適切に選定し、初期荷重をかけて装着することにより、地震力に対して触媒カートリッジ6が移動しないように固定することが可能であり、触媒カートリッジ6の破損防止および耐震性評価の容易化が可能になる。
(構成の説明)
図7において、支持部材20はハウジング2の内壁に対して取外し自在に取付られている。この支持部材20は支持部材ベース21に複数本の波状プレートスプリング22が等間隔に取付られている。この波状プレートスプリング22は触媒カートリッジ6の両端を両隣りの波状プレートスプリング22で挟み込む方向のバネ性を備えている。このバネ性は波状のスプリングによって形成されている。
(動作の説明)
触媒カートリッジ6をハウジング2に装填する際、波状プレートスプリング22が収縮し触媒カートリッジ6の厚み方向の個体差を吸収する。また、水平の地震力が加わった際に触媒カートリッジ6を隙間なく保持し、触媒カートリッジ6が支持部材20の隙間を摺動することを防止する。また、触媒カートリッジ6が水素、酸素と反応し発熱した作動状態では、熱膨張を波状プレートスプリング22で吸収することができる。
(実施例の効果)
水平の地震力が加わった際に触媒カートリッジ6を隙間なく保持し、触媒カートリッジ6が支持部材20の隙間を摺動することを防止することで、触媒カートリッジ6への衝撃防止および耐震性評価の容易化が可能になる。
(構成の説明)
図8において、蓋9の表面には2個のハンドル10が取付られている。この表面の裏側にはコの字状に折り曲げて形成した固定具8a、8bが取付られている。固定具8aは触媒カートリッジ6の奥側を押える角度となっている蓋9に取付られている。固定具8bは触媒カートリッジ6の手前側を押える角度で蓋9に取付られている。
(動作の説明)
図9において、2個のハンドル10を持って蓋9でハウジング2の開口を閉塞すると、触媒カートリッジ6の奥側と手前側を固定具8aと8bが押し付けることになる。
(実施例の効果)
このように、本実施例によれば蓋9を閉めるだけで簡単に触媒カートリッジ6を押え付けることができ、極めて簡単に地震力やジェット力などの過渡的な変動応力を受けても触媒カートリッジ6を損傷させることなく機能を果たすことが可能となる。
(構成の説明)
図10において、スライド式免震架台23は触媒式可燃性ガス再結合装置1の据付に必要な架台で、レールベース24および直交した4本のスライドレール25から構成されている。スライドレール25は、触媒式可燃性ガス再結合装置1をスライド式免震架台23に取り付けた場合に、想定する地震動の主要な周波数帯と共振しないような低い固有値になるように、スムースな摺動機構を有する。
(動作の説明)
水平の地震を受けた場合に、直交した4本のスライドレール25が水平方向に摺動する。
(実施例の効果)
スライドレール25が水平方向に摺動することで、地震力を逃がし触媒式可燃性ガス再結合装置1に大きい加速度が加わらないようにでき、触媒式可燃性ガス再結合装置1の構造を簡素化することができる。
(構成の説明)
図11において、積層ゴム免震架台26は、触媒式可燃性ガス再結合装置1の据付に必要な架台で、ベース27および積層ゴム28から構成されている。
(動作の説明)
水平の地震を受けた場合に、積層ゴム28が変形し水平方向の地震動を吸収する。
(実施例の効果)
積層ゴム28が変形し水平方向の地震動を吸収することで、地震力を逃がし触媒式可燃性ガス再結合装置1に大きい加速度が加わらないようにでき、触媒式可燃性ガス再結合装置1の構造を簡素化することができる。
(構成の説明)
図12において、触媒式可燃性ガス再結合装置1の主構造となす下部ハウジング29は下部ハウジング取付フランジ30を備えている。上部ハウジング31はハウジング取付フランジ32を備えている。
(動作の説明)
主蒸気配管破断事故時等の格納容器内の水素濃度が上昇する事故が発生する前後に、地震力やジェット力によって損傷もしくは二次飛来物やデブリにならずに実施例1〜4と同様に作動する。
(実施例の効果)
本発明の実施例8においては、地震力やジェット力に曝されても損傷せず水素濃度上昇に対応可能である。
さらに本発明は、以上の設備構成とすることで、従来技術と同等の性能を確保することができる。
2a…吐出口、 2b…吸込み口、
2c…フランジ、 2d…ボルト用穴、
3…取付板、 4…リブ、
5…ボルト用穴、 6…触媒カートリッジ、
7…支持部材、 8…固定具、
8a、8b…固定具、 9…蓋、
9a…ボルト用穴、 10…ハンドル、
11…固定具、 12…固定ベース、
13…触媒カートリッジ押え板、 14…コイルスプリング、
15…固定具、 16…固定具ベース、
17…荷重、 18…プレートスプリング、
19…荷重、 20…支持部材、
21…支持部材ベース、 22…波状プレートスプリング、
23…スライド式免震架台、 24…レールベース、
25…スライドレール、 26…積層ゴム免震架台、
27…ベース、 28…積層ゴム、
29…下部ハウジング、 30…下部ハウジング取付フランジ、
31…上部ハウジング、 32…上部ハウジング取付フランジ。
Claims (7)
- 原子力発電設備の原子炉格納容器内に設置され、前記原子炉格納容器内の高濃度水素を通過させることによって濃度を低下させる触媒式可燃性ガス再結合装置において、
ハウジング内に複数枚の触媒カートリッジを等間隔に収納するための支持部材と、前記触媒カートリッジの上部を拘束する固定具とを前記ハウジングの内部に取付けたことを特徴とする触媒式可燃性ガス再結合装置。 - 請求項1記載の触媒式可燃性ガス再結合装置において、
前記固定具は固定ベースと押え板との間に介在されたコイルスプリングとから構成されていることを特徴とする触媒式可燃性ガス再結合装置。 - 請求項1記載の触媒式可燃性ガス再結合装置において、
前記固定具は固定ベースと押え板との間に介在されたプレートスプリングとから構成されていることを特徴とする触媒式可燃性ガス再結合装置。 - 請求項1記載の触媒式可燃性ガス再結合装置において、
前記ハウジングの前面を開閉可能に設けられた蓋と、この蓋の内壁面で、かつ前記蓋を閉塞することで前記触媒カートリッジの上部を拘束することが可能な前記固定具を設けたことを特徴とする触媒式可燃性ガス再結合装置。 - 請求項1記載の触媒式可燃性ガス再結合装置において、
前記ハウジングはレールベース及び直交する4本のスライドレールから構成されたスライド式免震架台上に搭載されていることを特徴とする触媒式可燃性ガス再結合装置。 - 請求項1記載の触媒式可燃性ガス再結合装置において、
前記ハウジングはベースと積層ゴムから構成された積層ゴム免震架台上に搭載されていることを特徴とする触媒式可燃性ガス再結合装置。 - 請求項1記載の触媒式可燃性ガス再結合装置において、
前記ハウジングを上下に分割するとともに、分割された前記ハウジングは着脱自在としたことを特徴とした触媒式可燃性ガス再結合装置。
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