JPH10227032A - 冬季の自然冷熱を利用した粘性土の盛土施工法 - Google Patents
冬季の自然冷熱を利用した粘性土の盛土施工法Info
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- JPH10227032A JPH10227032A JP3216097A JP3216097A JPH10227032A JP H10227032 A JPH10227032 A JP H10227032A JP 3216097 A JP3216097 A JP 3216097A JP 3216097 A JP3216097 A JP 3216097A JP H10227032 A JPH10227032 A JP H10227032A
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- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
Abstract
では冬季には概念的に施工をあきらめられていた粘性土
を、冬季の自然冷熱による凍結現象の利用により、冬季
の盛土施工を可能とする。 【解決手段】 寒冷地域において、冬季に粘性土を用い
て盛土を行うにあたり、施工場所の気象条件と土質条件
から盛土の凍結速度を予想する。その予想から盛土地盤
が適切な厚さまで凍結する放置期間を考慮して、盛土の
施工間隔を決定する。通常の手段により所定厚さの盛土
を行った後、夜間の寒冷エネルギーにより盛土地盤の上
部を凍結させる。盛土材の保有熱を放出させないよう
に、切土、運搬、まき出しの施工管理を適切に行う。凍
結現象により盛土の先行荷重を増加させる。下降工程の
繰返しにより、所定の高さまで盛土を行う。
Description
熱される寒冷地域での冬季の粘性土の盛土施工を自然冷
熱と地山の保有熱を利用して地盤改良しながら行う工法
に関するものである。
施工は「盛土材の切り出し」−「運搬」−「まきだし」
−「敷きならし」の工程を盛土の上に繰返し重ねて行っ
ている。
域では、凍結地盤の締固めが困難であるという理由や、
盛土地盤の凍結に伴う凍上による地盤の乱れ、融解後の
泥濘化及び長期に及ぶ沈下が土構造物としての盛土等の
品質を著しく劣化させる、というこれまでの経験から、
盛土工事などの土工事は冬季には行われていない。この
結果、寒冷地域では冬季に消化できる工事量が限定され
て工事が延滞し、その反動として夏季に工事が集中し、
建設就労者の労働環境や施工効率を悪化させている。
合には、転圧管理が難しく、少しでも油断するとオーバ
ーコンパクション(過転圧)により逆に泥ねい化する場
合がある。このため高含水比の粘性土は、作業効率が低
くても接地圧の小さい重機(超湿地用ブルドーザーによ
るまき出し、転圧、クローラダンプによる土運搬等)を
使用したり、良質土や安定処理土をサンドイッチ状には
さんで盛土したり、あるいは間隙水圧消散のために排水
ドレーン材を敷設したり、寒冷地域では夏季の気温が上
がらないために大きな効果は期待できないものの、場合
によっては天日乾燥などにより含水比を低下させるなど
の対策がとれている。
難を伴い、運搬路の造成や補修に費用と時間を要してい
る。さらに、盛土敷幅が広い場合には、盛土上に数本の
運搬路が必要となり、盛土高が高くなるにつれて運搬路
造成を繰返さなければならないので、作業効率と経済性
においてかなりの低下を余儀なくされ、粘性土では降雨
による休止期間が長く、稼働率の低下が大きい。
い粘性土の課題を、冬季の寒冷エネルギーを利用するこ
とによって解決し、これにより施工用重機の運行に支障
なくこれまでの盛土の手法をそのまま採用して施工がで
き、また盛土地盤の凍結に伴う凍上による地盤の乱れや
融解後の泥濘化及び長期に及ぶ沈下も解決され、夏季に
は作業効率、稼働効率が低く、また高含水比対策として
各種の措置を施すために経済性が低かった粘性土の盛土
工事を冬季に容易に行って、寒冷地域における工事量の
消化と、夏季における建設就労者の労働環境や施工効率
を改善することが出来る新たな粘性土の盛土施工法を提
供することにある。
の1つは、寒冷地域において冬季に粘性土を用いて盛土
を行うにあたり、施工場所の気象条件と土質条件から盛
土の凍結速度を予想し、その予想から盛土地盤が適切な
厚さまで凍結する放置期間を考慮して、盛土の施工間隔
を決定する工程と、通常の手段により所定厚さの盛土を
行った後、夜間の寒冷エネルギーにより盛土地盤の上部
を凍結させて、凍結現象により、盛土地盤のトラフィカ
ビリティーを確保し、オーバーコンパクションを防止し
て盛土の安定化を図り、圧密先行荷重や強度を増加する
工程と、切土部から切出した盛土材の保有熱の放出を防
いで、これを凍土の融解促進に利用して解凍沈下の収束
を早める工程とからなり、かかる工程の繰返しにより所
定の高さまで盛土を行い、盛土完成後にも盛土体の品質
を向上させる、というものである。
暇のように長い放置期間をはさむ場合には、放置中の凍
結深さに相当する部分を、凍結融解の悪影響の少ない砂
質土等で盛土するか、施工再開時に天端の凍土を撤去し
て、解凍沈下の長期継続を防止する、というものであ
る。
順に示すもので、先ず施工場所の気象条件と土質条件か
ら盛土の凍結速度を予想し、その予想から盛土地盤が適
切な厚さまで凍結する放置期間を考慮して、盛土の施工
間隔(△t)を決定する。この凍結速度の予想は、土質
定数とその地域の気温を用いて、熱伝導解析により行う
が、その際には、盛土材として切り出した土の保有熱容
量(盛土材のまき出し時の平均温度と凍結潜熱)を加味
して行う。
フィカビリティーを得るための最小値と、解凍沈下を早
期に、少なくとも工期内に終了させるための許容を決定
する最大値の範囲内で設定し、重機構施と施工土量を勘
案して決定する。含水比53%の粘性土試験工事で確認
した限りにおいては、トラフィカビリティーを得るため
の凍結厚さ(h)の最小値は4cm、解凍沈下を早期に
終了させるための許容最大値は12cmであった。そし
て、最小値4cmの凍土厚さは一夜の放置で確保され、
最大値12cmは3日の放置で構築された。
1に運搬して、盛土厚さ(H)の新規まき出しを行い、
ブルドーザ等により転圧して、盛土地盤2とする(A
図)。
放置して、盛土表面を夜間の冷気に曝す。一夜の曝気に
より、盛土上部は深さ(h1 )まで凍結し、盛土地盤2
は未凍結部2aと凍結部2bとなる。この際、凍結部2
bは凍上するので、盛土地盤2は若干隆起する(B
図)。
向けて、進行して行くと、それに伴って未凍土内に含ま
れる間隙水は凍結面へ向けて移動する。水が凍結面へ移
動する現象は、図3の模式図に示すように、凍結面でサ
クション(吸水力)Sfが発生することにより生じる。
間隙水が凍結面に吸水されることにより未凍土2aの含
水比と転圧により発生した間隙水圧は低下するととも
に、未凍土は脱水圧密作用を受け、有効応力が増加す
る。その結果、未凍結部2aは盛土時に比べて過圧密状
態となり、大きな先行荷重Pcを有することになる(図
4)。
て、未凍土は剪断強度が増加するとともに圧縮される。
すなわち、凍結時のサクションはプレロード荷重の働き
をして、未凍結部を脱水圧密して地盤改良することにな
る。その効果は、試験工事によれば約30mのプレロー
ド盛土による改良と同程度である。なお、凍結部2bも
ミクロ的に見れば順次未凍結部2aと同じ作用を受けて
成長したものであり、未凍結部と同程度かそれ以上に改
良される。
さ(H)が、通常30cmと薄く、排水距離は20〜2
5cmと、自然地盤の圧密排水距離に比べて極端に小さ
いので、寒冷度にもよるが凍結1〜2日で終了する。
(h)になったら、盛土地盤2の凍結部2bの上に、盛
土厚さ(H)の新規まき出しを行い、転圧して盛土地盤
3とする(C図)。この際、盛土材の保有熱をできるだ
け下げる事のないように、切土部は盛土の都度、表土は
ぎを行い、必要量だけを切出し、運搬、まき出しを速や
かに実施する。運搬距離が長い場合には、運搬重機上の
土に断熱シートを被せて、熱の放出を押さえる。
れ、融解沈下の元凶となる凍上は停止する。また盛土地
盤3の盛土材の保有熱は、凍結部2bに伝わり、凍結部
2bはわずかではあるが融解するとともに、盛土地盤3
の荷重の影響も受けて、少なくとも1週間以内には凍上
量に見合う沈下が発生し、粘性土で典型的な解凍沈下問
題が解消される。
まり、前記と同様に凍結部3bが形成されて、未凍結部
に含まれる間隙水が凍結面へ向けて移動する。このため
未凍結部3aでは有効応力が増加して、盛土地盤2、未
凍結部2aと同様に過圧密状態となり、大きな先行荷重
Pcを有することになる。
要高さの盛土地盤10を完成する。このように、盛土間
隔を適切に設定し、また地山熱を有効に利用する施工管
理法により、重機のトラフィカビリティーが確保され、
また凍結時の影響サクションにより、凍土、未凍土とも
に強度が増加し、これらにより盛土施工時にはオーバー
コンパクションや盛土の不安定化が抑制され、盛土完成
後には盛土体としての強度や安定度が夏季盛土に比べて
増加する。
盛土材に覆われた時点で成長が停止し、凍上も停止す
る。そして盛土材の保有熱により融解が促進され、さら
に、未凍結部は凍結時に圧縮されているので上位盛土に
よる沈下増が少なく、盛土全体としての沈下は早期に完
了する。
含水比及び先行荷重Pcの推移を示すものである。
53%に対して、1〜3日の放置凍結で、1月の凍土の
含水比は66%となり13%増加している一方で、未凍
土の含水比は48%と、5%低下している。このことは
凍結により、未凍結部の間隙水が凍結部に吸水されてい
ることを示している。融解後の含水比は凍土、未凍土と
もほぼ初期値に戻っており、凍結部に吸水された未凍結
部の間隙水は融解により元の未凍結部に戻っていくこと
を示している。これは冬期盛土では凍土が盛土の中に封
じ込められるので、水の逃げ場所は法面近傍を除けば、
どこにもないからである。
間前後盛土工事を中断する場合の工程を示すもので、中
断直前の盛土をn+1とすると、n+1盛土地盤は日常
の盛土と異なり、放置期間が長いために解凍沈下の収束
を遅らせる比較的厚い凍土(凍土厚さh2 )が構築され
る。実施例では、10月から翌年1月9日までの放置で
35cmの凍土が構築された。
期間に構築される凍土厚さ(h2 )を予測し、これより
若干厚い砂質土等の難凍上性材料で盛土厚さh1 のn+
1層を盛土する。難凍上性材料であれば凍結しても凍上
量が小さく、解凍沈下問題が無視できるからである(A
図)。
h1 のn+1層を、それまで用いていた材料と同じ粘性
土で盛土するかわりに、盛土再開時に構築された厚さh
2 の凍土を撤去するものである(B図)。撤去した凍土
は仮置きして融解後に曝気乾燥あるいは安定処理するか
して、次年度の冬期盛土時に再利用する。
想された深さh1 あたり凍結する。これにより盛土地盤
3は未凍結部3aと凍結部3bとなり、未凍結部3aは
未凍結部2aと同様に圧縮されて過圧密状態となる(D
図)。
的に所要高さの盛土地盤を完成する。またこのような場
合においても、必要に応じて、最終の盛土表面に凍結深
度が入らないように余盛をして、盛土表面の凍結を防止
する。
盛土の上部を凍結し、凍結時のサクションにより盛土の
先行荷重を増加すると、表1にみられるように、凍結の
影響を受けない盛土直後の土の先行荷重が2.2kgf
/cm2 であるのに対し、凍結の影響を受けた土では、
先行荷重が未凍土で7.1kg/cm2 、凍土で9.1
kgf/cm2 、平均で8.1kgf/cm2 となり、
先行荷重は約6kgf/cm2 の増加となる。これは約
30mの盛土をした荷重と同等で、寒冷エネルギーによ
る凍結現象を利用することにより、プレロード盛土など
による先行荷重で地盤改良を行う必要もなくなる。
ばかりか、盛土地盤の凍結により路盤としての運行性も
よくなり、夏季には盛土材として扱いにくい粘性土であ
っても、砂質土と同様の施工用重機を使用して施工を行
うことができ、盛土地盤の凍結に伴う凍上による地盤の
乱れや融解後の泥濘化及び長期に及ぶ沈下も解決される
などの効果をも発揮し、夏季に限られがちな盛土工事を
冬季にも行って、寒冷地域における工事量の消化するこ
とが可能となる。
説明図である。
る。
る。
ある。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 寒冷地域において冬季に粘性土を用いて
盛土を行うにあたり、施工場所の気象条件と土質条件か
ら盛土の凍結速度を予想し、その予想から盛土地盤が適
切な厚さまで凍結する放置期間を考慮して、盛土の施工
間隔を決定する工程と、通常の手段により所定厚さの盛
土を行った後、夜間の寒冷エネルギーにより盛土地盤の
上部を凍結させて、凍結現象により、盛土地盤のトラフ
ィカビリティーを確保し、オーバーコンパクションを防
止して盛土の安定化を図り、圧密先行荷重や強度を増加
する工程と、切土部から切出した盛土材の保有熱の放出
を防いで、これを凍土の融解促進に利用して解凍沈下の
収束を早める工程とからなり、かかる工程の繰返しによ
り所定の高さまで盛土を行い、盛土完成後にも盛土体の
品質を向上させることを特徴とする冬季の自然冷熱を利
用した粘性土の盛土施工法。 - 【請求項2】 年末年始休暇のように長い放置期間をは
さむ場合には、放置中の凍結深さに相当する部分を、凍
結融解の悪影響の少ない砂質土等で盛土するか、施工再
開時に天端の凍土を撤去して、解凍沈下の長期継続を防
止する請求項1記載の冬季の自然冷熱を利用した粘性土
の盛土施工法。
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-
1997
- 1997-02-17 JP JP03216097A patent/JP3648656B2/ja not_active Expired - Fee Related
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