JPH10226697A - 2’−o−シリル環状ケイ素化ヌクレオシド誘導体、その製造方法及びこれを用いた2’−o−シリルヌクレオシドの製造方法 - Google Patents

2’−o−シリル環状ケイ素化ヌクレオシド誘導体、その製造方法及びこれを用いた2’−o−シリルヌクレオシドの製造方法

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JPH10226697A
JPH10226697A JP3380897A JP3380897A JPH10226697A JP H10226697 A JPH10226697 A JP H10226697A JP 3380897 A JP3380897 A JP 3380897A JP 3380897 A JP3380897 A JP 3380897A JP H10226697 A JPH10226697 A JP H10226697A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2’−O−シリル環状ケイ素化ヌクレオシド
及びその製造方法を提供するとともに、その2’−O−
シリル環状ケイ素化ヌクレオシドを用いた2’−O−シ
リルヌクレオシドの製造方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Bは未保護又は保護された核酸塩基、R1及び
2は芳香族基又は炭素数3以上の分岐状脂肪族基、
3、R4及びR5は芳香族基又は脂肪族基である)で表
される2’−O−シリル環状ケイ素化ヌクレオシド誘導
体。前記一般式(1)で表される2’−O−シリル環状
ケイ素化ヌクレオシド誘導体を、脱環状ケイ素化処理す
ることを特徴とする下記一般式(5) 【化5】 (式中、B、R3、R4及びR5は前記と同じ意味を持
つ)で表される2’−O−シリルヌクレオシドの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な2’−O−
シリル環状ケイ素化ヌクレオシド誘導体とその製造方法
及びこれを用いた2’−O−シリルヌクレオシドの製造
方法に関するものであり、さらに詳しく言えば、本発明
は、遺伝子工学に関わるRNA関連化合物の合成あるい
はヌクレオシド関連の医薬品の合成等において重要な中
間体となる2’−O−シリル環状ケイ素化ヌクレオシド
誘導体とこれをヌクレオシドから環状ケイ素化ヌクレオ
シドを経て簡便に収率よく得る製造方法及びRNA合成
用のモノマーを調製するための出発物質として重要な
2’−O−シリル化ヌクレオシドを先の2’−O−シリ
ル環状ケイ素化ヌクレオシド誘導体から製造する方法に
関するものである。本発明により製造される2’−O−
シリル環状ケイ素化ヌクレオシド誘導体及び2’−O−
シリル化ヌクレオシドにおいては2’−位水酸基がシリ
ル基により保護されており、デオキシリボ核酸(DN
A)関連の分野で蓄積された技術をリボ核酸類の合成及
び修飾に適用する場合の重要な中間体となると考えられ
る。
【0002】
【従来の技術】近年の遺伝子工学の広範な展開により、
各種の核酸誘導体が機能性物質或いは医薬品として注目
を集め、これらの合成における出発物質あるいは中間体
として核酸の基本骨格を構成するヌクレオシドの誘導体
が盛んに研究されている。これまでの技術はデオキシリ
ボ核酸を中心としたものであり、デオキシリボヌクレオ
シドは分子内に第一級、第二級の水酸基を各1個含んで
いるのに対して、現在その用途を拡げつつあるリボ核酸
中のリボヌクレオシドは分子内に第一級1個、第二級2
個の計3個の水酸基を有している。このためRNA合成
の出発物質としてはデオキシリボヌクレオシドに似せる
ために2’−位水酸基をあらかじめ保護した化合物が好
適である。なかでも重要な2’−O−シリル化ヌクレオ
シドは、従来、あらかじめ反応性の高い第一級水酸基を
保護した化合物を調製し、残る2個の水酸基に対してシ
リル化を行い、生成物をクロマトグラフィー等で分別す
ることによりこれを製造していた。この方法では選択性
を高くすることは困難であり、煩雑な処理なしに目的化
合物を得ることは出来なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、2’−O−
シリル環状ケイ素化ヌクレオシド及びその製造方法を提
供するとともに、その2’−O−シリル環状ケイ素化ヌ
クレオシドを用いた2’−O−シリルヌクレオシドの製
造方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、簡便に2’
−O−シリル化ヌクレオシドを製造することを可能とす
るために3’−位及び5’−位の各水酸基の保護基につ
いて鋭意研究を行い、二官能性ケイ素化合物を用いて環
状ケイ素基が3’−位及び5’−位の各水酸基に位置選
択的に導入できること、生成物は各種合成条件に対して
安定であること、連続したシリル化反応によりさらに
2’−位水酸基をシリル基で保護した新規なヌクレオシ
ド誘導体が得られることを見出した。また、この新規な
ヌクレオシド誘導体からその環状ケイ素化基を選択性よ
く脱離させることが出来ることを見いだした。これらの
知見に基づいて本発明を完成させるに至った。すなわ
ち、本発明によれば、下記一般式(1)
【化1】 (式中、Bは未保護又は保護された核酸塩基、R1及び
2は芳香族基又は炭素数3以上の分岐状脂肪族基、
3、R4及びR5は芳香族基又は脂肪族基である)で表
される2’−O−シリル環状ケイ素化ヌクレオシド誘導
体が提供される。また、本発明によれば、前記一般式
(1)で表される2’−O−シリル環状ケイ素化ヌクレ
オシド誘導体を製造するために、下記一般式(2)
【化2】 (式中、Bは未保護又は保護された核酸塩基である)で
表されるヌクレオシドを、下記一般式(3)
【化3】 R12SiX1 2 (3) (式中、R1及びR2は芳香族基又は炭素数3以上の分岐
状脂肪族基、X1は酸の残基である)で表される二官能
性ケイ素化合物を用いて環状にシリル化した後、残され
た2’−位水酸基を、下記一般式(4)
【化4】 R345SiX2 (4) (式中、R3、R4及びR5は芳香族基又は脂肪族基、X2
は脱離基である)で表される一官能性ケイ素化合物を用
いてシリル化することを特徴とする方法が提供される。
さらに、本発明によれば、前記一般式(1)で表される
2’−O−シリル環状ケイ素化ヌクレオシド誘導体を、
脱環状ケイ素化処理することを特徴とする下記一般式
(5)
【化5】 (式中、B、R3、R4及びR5は前記と同じ意味を持
つ)で表される2’−O−シリルヌクレオシドの製造方
法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の2’−O−シリル環状ケ
イ素化ヌクレオシド誘導体を表わす前記一般式(1)に
おいて、そのR1及びR2は芳香族基又は炭素数3以上の
分岐状脂肪族基を示す。芳香族基としては、フェニル、
トリル、ナフチル等のアリール基や、ベンジル、フェネ
チル等のアリールアルキル基が挙げられる。炭素数3以
上の分岐状脂肪族基には、iso−体、sec−体及び
tert−体が包含され、その炭素数は3〜8、好まし
くは3〜4である。このような分岐状脂肪族基として
は、iso−プロピル、iso−ブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、iso−ペンチル、ネオペンチ
ル、tert−ペンチル、iso−ヘキシル、tert
−ヘキシル、iso−オクチル、tert−オクチル、
2,3−ジメチル−−2−ブチル(別名、テキシル)、
シクロヘキシル等が挙げられる。好ましい分岐状脂肪族
基は、tert−ブチルである。R3、R4及びR5は、
芳香族基又は脂肪族基を示す。芳香族基としては、フェ
ニル、トリル、ナフチル、ベンジル、フェネチル等が挙
げられる。脂肪族基には、鎖状及び環状のものが包含さ
れ、鎖状のものには直鎖状のもの及び分岐状のものが包
含される。その脂肪族基の炭素数は1〜8、好ましくは
1〜6である。このような脂肪族基には、メチル、エチ
ル、ビニル、プロピル、イソプロピル、プロペニル、ブ
チル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、iso−ヘキ
シル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、オクチル、
iso−オクチル、シクロオクチル、2,3−ジメチル
−2−ブチル等が挙げられる。
【0006】本発明で反応原料として用いるヌクレオシ
ドを表わす前記一般式(2)において、その糖はリボー
ス以外にアラビノース、キシロース、リキソースであっ
てもよい。Bは、未保護又は保護された核酸塩基を示
し、ピリミジン塩基やプリン塩基を包含する。Bが糖と
結合するグリコシド結合はβ型でもα型であってもよ
い。また、保護基は、その核酸塩基に含まれているアミ
ノ基やアミド基、水酸基等の官能基を保護するもので、
それらの官能基の保護に慣用されているものを用いるこ
とができる。例えば、アミノ基やアミド基の保護には、
ベンゾイル基やイソブチリル基、フェノキシアセチル基
等のアシル基を用いることができ、水酸基の保護には、
ベンジル基や、フェネチル基等のアリールアルキル基を
用いることができる。核酸塩基Bの具体例としては、例
えば、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミ
ン、ヒポキサンチン、キサンチン、プソイドウラシル等
が挙げられる。前記一般式(2)のヌクレオシドの具体
例としては、例えば、ウリジン、アデノシン、シチジ
ン、グアノシンイノシン、キサントシン、プソイドウリ
ジン及びそれらのN−ベンゾイル化物やN−イソブチリ
ル化物、フェノキシアセチル化物等が挙げられる。
【0007】本発明で反応原料として用いる二官能性ケ
イ素化合物を示す前記一般式(3)において、R1及び
2は前記と同じ意味を有する。X1は酸の残基を示す
が、この場合の酸には無機酸及び有機酸が包含され、硝
酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を好ま
しく用いることができる。本発明で反応原料として用い
る一官能性ケイ素化合物を示す前記一般式(4)におい
て、R3、R4及びR5は前記と同じ意味を有する。X2
酸の残基等の脱離基を示し、その具体例としては、X1
に関して示したものの他、イミダゾール、N−メチルト
リフルオロアセトアミド、3−ペンテン−2−オン等を
挙げることができる。
【0008】前記一般式(1)で表される2’−O−シ
リル環状ケイ素化ヌクレオシドを製造するには、前記一
般式(2)で表されるヌクレオシドに、前記一般式
(3)で表される二官能性ケイ素化合物を反応させて環
状にシリル化し、下記一般式(6)で表されるシリル化
物を得る。
【化6】 (前記式中、R1、R2及びBは前記と同じ意味を有す
る) 次に、このシリル化物に、前記一般式(4)で表される
一官能性ケイ素化合物を反応させて、そのシリル化物に
残存する−OHを、−OSiR345に変換させる。
これにより前記一般式(1)の2’−O−シリル環状ケ
イ素化ヌクレオシド誘導体を得る。前記反応において、
その反応温度は−10〜50℃、好ましくは10〜30
℃であり、その反応圧力は、0.5〜2気圧、好ましく
は常圧である。前記反応は有機溶媒中で好ましく実施さ
れる。有機溶媒としては、原料ヌクレオシドを溶解ない
し分散し得るものであればよく、任意のものが使用可能
であるが、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の極性有機溶媒
の使用が好ましい。前記一般式(3)の二官能性ケイ素
化合物の使用割合は、前記一般式(2)のヌクレオシド
1モル当り、0.9〜2モル、好ましくは1.0〜1.
1モルの割合である。本発明の方法を実施する場合、二
官能性ケイ素化合物としては、あらかじめ反応系外で合
成したものを用いることができる他、反応系内で生成さ
せたものを用いることもできる。反応系内で生成させる
には、酸の銀塩とジアルキルジクロルシランとを反応さ
せればよい。
【0009】前記一般式(4)で表される2’−O−シ
リルヌクレオシドは、前記一般式(1)の2’−O−シ
リル環状ケイ素化ヌクレオシド誘導体を脱環状ケイ素化
処理することにより製造される。この場合の脱環状ケイ
素化処理は、前記一般式(1)のヌクレオシド誘導体の
3’−位と5’−位の水酸基に結合している二官能性ケ
イ素化合物を脱離させ、それらの置換水酸基を遊離水酸
基に変換させる処理である。この場合の反応は次式で表
される。
【化7】 (前記式中、R1、R2、R3、R4、R5及びBは前記と
同じ意味を有する) 前記脱環状ケイ素化処理に用いる処理剤は、一般式
(1)のタクレオシド誘導体の3’−位と5’−位の置
換水酸基を分解して遊離水酸基に変換する活性水素を有
するか、又は水素イオンを放出する反応成分と、それら
の置換水酸基の分解により生成するケイ素化合物成分と
反応する反応成分とからなるものである。これらの両反
応成分は、1つの化合物に含まれていてもよいし、それ
ぞれ別々の化合物に含まれていてもよい。このような、
処理の具体例示すと、例えば、以下のものを挙げること
ができる。 (1)活性水素を有する化合物とテトラアルキルアンモ
ニウムフルオライドとの組合せ。この場合の活性水素を
有する化合物としては、メタノールや、エタノール等の
アルコールが用いられる。 (2)活性水素を有する化合物と高活性フッ素化合物と
の組合せ。この場合の活性水素を有する化合物として
は、酢酸やプロピオン酸等の有機カルボン酸が好ましく
用いられる。高活性フッ素化合物としては、極性有機溶
媒に溶解したテトラブチルアンモニウムフルオライドや
無機フッ化物の塩等が好ましく用いられる。 (3)担体に担持されたフッ素化合物。この場合の担体
としては、シリカゲル、アルミナ、ジルコニア、チタニ
ア、活性炭、イオン交換樹脂、ポリマー(例えば、ポリ
ビニルピリジン)等の多孔性物質やフッ化ナトリウムな
どの無機フッ化物の塩等が挙げられる。フッ素化合物と
しては、フッ化水素やその多量体等が挙げられる。 (4)塩基とフッ化水素酸との組合せ。塩基としては、
トリブチルアミンやトリエチルアミン等が挙げられる。 (5)ビフルオリド化合物。ビフルオリド化合物として
は、下記一般式(8)で表されるものが挙げられる。
【化8】 (Yはイオン性塩基性物質を示す) イオン性塩基性物質としては、テトラブチルアンモニウ
ム等が挙げられる。
【0010】本発明においては、処理剤としては、待
に、第3級アミンとフッ化水素酸との組合わせが好まし
く用いられる。フッ化水素酸の使用割合は、第3級アミ
ン1モル当たり、HF換算量で、0.5〜2モル、好ま
しくは、0.8〜1.2モルの割合である。第3級アミ
ンとしては、トリブチルアミン、トリエチルアミン等の
鎖状アミンの他、ピリジン等の環状アミンが挙げられ
る。前記、一般式(1)のタクレオシド誘導体の脱環状
ケイ素化反応は、−10〜50℃、好ましくは10〜3
0℃の温度で実施される。反応圧力は特に制約されず、
一般的には常圧が採用される。
【0011】
【発明の効果】本発明の2’−O−シリル環状ケイ素化
ヌクレオシド誘導体は、文献未載の新規化合物であっ
て、その製造において中間物質の煩雑な単離操作を含ま
ず、また核酸類の良好な溶媒であるジメチルホルムアミ
ド(DMF)を反応に使用できるため、原料ヌクレオシ
ドから一挙に合成することが可能であり、遺伝子工学に
係わるRNA関連化合物の合成あるいはヌクレオシドを
含む医薬品の合成等においてそれ自身が合成素材となる
とともに、RNAの合成において重要な中間体である
2’−O−tert−ブチルジメチルシリルヌクレオシ
ド等の2’−O−シリル化ヌクレオシドの簡便且つ効率
的な製造に利用することができる。
【0012】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限
定されるものではない。
【0013】実施例1 無水条件下、ウリジン0.4mmolをN,N−ジメチ
ルホルムアミド2mlに溶解し、反応容器の空間は乾燥
窒素で置換した。1.1倍モルのジ−tert−ブチル
シリル ビス(トリフルオロメタンスルホナート)を加
え、室温で4分反応させた後、1.1倍モルのtert
−ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホナ
ートを加えてさらに10分間処理した。トリエチルアミ
ンを加えた後減圧下に溶媒と過剰の試薬を除き、ヘキサ
ン−酢酸エチルを溶出液としたシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにより主生成物174mgを得た。この物
質の赤外線吸収スペクトルでは3400cm-1付近の水
酸基の特性吸収が消失し、二重収束質量分析では予想さ
れる構造に一致する分子式(C234226Si2、m
/z=499.2628)が得られた。また、1H N
MRスペクトルの各ピークは化学シフト及びピーク面積
について想定された構造に合致するものであった。以上
の分析結果から、この物質は、2’−O−tert−ブ
チルジメチルシリル−3’,5’−O−(ジ−tert
−ブチルシランジイル)ウリジンであることが確認され
た。
【0014】実施例2 無水条件下、アデノシン0.4mmolをN,N−ジメ
チルホルムアミド2mlに溶解し、反応容器の空間は乾
燥窒素で置換した。1.1倍モルのジ−tert−ブチ
ルシリル ビス(トリフルオロメタンスルホナート)を
加え、室温で4分反応させた後、1.1倍モルのter
t−ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホ
ナートを加えてさらに10分間処理した。トリエチルア
ミンを加えた後減圧下に溶媒と過剰の試薬を除き、ヘキ
サン−クロロホルムを溶出液としたシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにより主生成物166mgを得た。こ
の物質の赤外線吸収スペクトルでは3400cm-1付近
の水酸基の特性吸収が消失し、二重収束質量分析では予
想される構造に一致する分子式(C244354
2、m/z=522.2901)が得られた。また、1
H NMRスペクトルの各ピークは化学シフト及びピー
ク面積について想定された構造に合致するものであっ
た。以上の分析結果から、この物質は、2’−O−te
rt−ブチルジメチルシリル−3’,5−O−(ジ−t
ert−ブチルシランジイル)アデノシンであることが
確認された。
【0015】実施例3 無水条件下、ウリジン0.4mmolをN,N−ジメチ
ルホルムアミド2mlに溶解し、反応容器の空間は乾燥
窒素で置換した。1.1倍モルのジ−tert−ブチル
シリル ビス(トリフルオロメタンスルホナート)を加
え、室温で4分反応させた後、1.1倍モルのジメチル
セキシルシリル トリフルオロメタンスルホナートを加
えてさらに2時間処理した。トリエチルアミンを加えた
後減圧下に溶媒と過剰の試薬を除き、クロロホルムを溶
出液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
主生成物188mgを得た。この物質の赤外線吸収スペ
クトルでは3400cm-1付近の水酸基の特性吸収が消
失し、1H NMRスペクトルの各ピークは化学シフト
及びピーク面積について想定された構造に合致するもの
であった。以上の分析結果から、この物質は、2’−O
−ジメチルセキシルシリル−3’,5’−O−(ジ−t
ert−ブチルシランジイル)ウリジンであることが確
認された。
【0016】実施例4 無水条件下、ウリジン0.4mmolをN,N−ジメチ
ルホルムアミド2mlに溶解し、反応容器の空間は乾燥
窒素で置換した。1.1倍モルのジ−tert−ブチル
シリル ビス(トリフルオロメタンスルホナート)を加
え、室温で4分反応させた後、1.1倍モルのトリエチ
ルアミンを加え、次に2.2倍モルのトリイソプロピル
シリル トリフルオロメタンスルホナートを加えてさら
に48時間処理した。減圧下に溶媒と過剰の試薬を除
き、クロロホルムを溶出液としたシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより主生成物194mgを得た。この
物質の赤外線吸収スペクトルでは3400cm-1付近の
水酸基の特性吸収が消失し、1H NMRスペクトルの
各ピークは化学シフト及びピーク面積について想定され
た構造に合致するものであった。以上の分析結果から、
この物質は、2’−O−トリイソプロピルシリル−
3’,5’−O−(ジ−tert−ブチルシランジイ
ル)ウリジンであることが確認された。
【0017】実施例5 2’−O−tert−ブチルジメチルシリル−3’,
5’−O−(ジ−tert−ブチルシランジイル)ウリ
ジンに2倍モルのトリブチルアミンとフッ化水素酸の混
合物(モル比=1:1)のテトラヒドロフラン溶液
(0.1モル濃度)を加えて1時間脱環状ケイ素化処理
を行った。塩化カルシウムを加え静置後ろ過し、減圧下
に溶媒を除き、クロロホルム−メタノールを溶出液とし
たシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより主生成物
を得た。この物質の各種クロマトグラフィー上の挙動
は、別途既知の方法によって合成された2’−O−te
rt−ブチルジメチルシリルウリジンと一致した。さら
に、1H NMR、IR、二重収束質量分析等を用いた
機器分析の検討結果は想定された構造(C152626
Si、m/z=359.1642)に合致した。以上の
分析結果から、この物質が2’−O−tert−ブチル
ジメチルシリルウリジンであることが確認された。
【0018】実施例6 2’−O−tert−ブチルジメチルシリル−3’,
5’−O−(ジ−tert−ブチルシランジイル)ウリ
ジンに4倍モルのピリジンとフッ化水素酸の混合物(モ
ル比=1:1)のテトラヒドロフラン溶液(0.4モル
濃度)を加えて30分脱環状ケイ素化処理を行った。次
に、塩化カルシウムを加え静置後ろ過し、減圧下に溶媒
を除き、クロロホルム−メタノールを溶出液としたシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより主生成物を得
た。この物質の各種クロマトグラフィー上の挙動及び機
器分析の検討結果は実施例5の場合と同じく2’−O−
tert−ブチルジメチルシリルウリジンと一致した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Bは未保護又は保護された核酸塩基、R1及び
    2は芳香族基又は炭素数3以上の分岐状脂肪族基、
    3、R4及びR5は芳香族基又は脂肪族基である)で表
    される2’−O−シリル環状ケイ素化ヌクレオシド誘導
    体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、Bは、未保護又は保護された核酸塩基である)
    で表されるヌクレオシドを、下記一般式(3) 【化3】 R12SiX1 2 (3) (式中、R1及びR2は芳香族基又は炭素数3以上の分岐
    状脂肪族基、X1は酸の残基である)で表される二官能
    性ケイ素化合物を用いて環状にシリル化した後、残され
    た2’−位水酸基を、下記一般式(4) 【化4】 R345SiX2 (4) (式中、R3、R4及びR5は芳香族基又は脂肪族基、X2
    は脱離基である)で表される一官能性ケイ素化合物を用
    いてシリル化することを特徴とする下記一般式(1) 【化1】 (式中、B、R1、R2、R3、R4及びR5は前記と同じ
    意味を持つ)で表される2’−O−シリル環状ケイ素化
    ヌクレオシド誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Bは未保護又は保護された核酸塩基、R1及び
    2は芳香族基又は炭素数3以上の分岐状脂肪族基、
    3、R4及びR5は芳香族基又は脂肪族基である)で表
    される2’−O−シリル環状ケイ素化ヌクレオシド誘導
    体を、脱環状ケイ素化処理することを特徴とする下記一
    般式(5) 【化5】 (式中、B、R3、R4及びR5は前記と同じ意味を持
    つ)で表される2’−O−シリルヌクレオシドの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001042501A1 (en) * 1999-12-09 2001-06-14 Karolinska Innovations Ab Method for immobilisation
US6686463B2 (en) 2000-09-01 2004-02-03 Sirna Therapeutics, Inc. Methods for synthesizing nucleosides, nucleoside derivatives and non-nucleoside derivatives
AT500070A1 (de) * 2003-01-24 2005-10-15 Clearjet Gmbh Vorrichtung zur bearbeitung blattförmiger informationsträger sowie reinigungsmedium und betriebsverfahren für eine derartige vorrichtung

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