JPH1022640A - 多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板及びその製造方法

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JPH1022640A
JPH1022640A JP17357096A JP17357096A JPH1022640A JP H1022640 A JPH1022640 A JP H1022640A JP 17357096 A JP17357096 A JP 17357096A JP 17357096 A JP17357096 A JP 17357096A JP H1022640 A JPH1022640 A JP H1022640A
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正史 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層プリント配線板を薄型化し、さらに、外
層材として銅はくを用いたときでも表面凹凸が少ない多
層プリント配線板を提供する。 【解決手段】 耐熱性プラスチックフィルムの両面に、
2官能以上のエポキシ樹脂及びフィルム成形可能な高分
子量エポキシ重合体を必須成分とする接着剤を介して銅
はくを張り合わせ、前記接着剤をBステージまで硬化さ
せた後、銅はくをエッチングして回路を形成し、その表
面に外層材を張り合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板は、表面導体層を含
めて3層以上に導体パターンがあるプリント配線板であ
る。多層プリント配線板は、両面銅張積層板にエッチン
グその他の方法で回路を形成した内層材と外層材(内層
材と外層材とを総称して構成材という)とを重ねて接着
一体化(この工程を積層という)した多層プリント配線
板用積層板の外層材表面に回路を形成して得られる。外
層材としては、片面銅張積層板又は銅はくが用いられて
いる。内層材相互間及び内層材と外層材間の接着には、
ガラスクロスを基材とするエポキシ樹脂プリプレグが用
いられている。
【0003】最近の多層プリント配線板は、高密度配線
化し、一つの導体層と他の導体層とを電気的に接続する
箇所も多くなっている。導体層間の電気的接続は、配線
板を貫通するスルーホールを設け、このスルーホール内
壁に銅めっきをすることにより行われている。ところ
が、スルーホールによる電気的接続においては、電気的
接続に必要でない導体層にも穴を通すことになり、電気
的接続に必要でない導体層においては、その穴を避け
て、配線を行わなければならず、設計の自由度や配線の
高密度化の障害となる。そこで、配線板全体を貫通する
穴だけを使用するのではなく、電気的接続に必要な導体
層のみに穴を設ける、いわゆるインターステイシャルバ
イアホール(IVH)によるようになってきている。
【0004】表面導体層の回路と、隣接する内層導体層
の回路とをIVHで接続するとき、外層材にIVH用の
穴をあけ、この穴と内層材の導体ランドとの位置合わせ
を行って外層材と内層材とを重ね、IVH用の穴が接着
剤樹脂で埋まらないように積層一体化し、次に、得られ
た積層体全体を貫通するスルーホールを設け、スルーホ
ール内壁及びIVH用の穴内壁に銅めっきを行う。この
後、外層銅をエッチングしてIVH付多層プリント配線
板とする。このように、あらかじめ穴あけした構成材を
積層する方法を先穴あけ法という。穴あけの方法として
は、ドリル加工、パンチング加工、レーザー加工等があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子機器の小型
化、軽量化の要求とともに多層プリント配線板も、薄型
化が要求され、絶縁層の厚さが30〜100μmの配線
板も出現している。多層プリント配線板の構成材である
内層材と外層材との接着に用いられるガラスクロスを基
材とするプリプレグは、積層後に絶縁層を形成するが、
この絶縁層を薄くするために、ガラスクロスを含まない
接着剤フィルムを用いることも提案されている。しかし
ながら、従来の多層プリント配線板は、両面銅張積層板
を内層材としているので、薄型化に限度があった。さら
に、多層プリント配線板を薄型化するために、外層材と
して銅はくを用いて、あらかじめ回路を形成した内層材
と積層一体化すると、銅はく表面に内層材の凹凸があら
われてしまう。このような凹凸があると、外層材を回路
加工するときに、エッチングレジストの密着性を損ねる
ため、微細パターンを精度よく形成することができなく
なる。また、このようにして得られた多層プリント配線
板を内層材として用い、これに外層材をさらに積層して
高多層化するときには、凹凸の個所がさらに増えたり、
また、凹凸の程度も増大してしまう。本発明は、多層プ
リント配線板を薄型化し、さらに、外層材として銅はく
を用いてたときでも表面凹凸が少なく、微細パターンを
精度よく形成できる多層プリント配線板及びその製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐熱性プラス
チックフィルムの両面に、2官能以上のエポキシ樹脂及
びフィルム成形可能な高分子量エポキシ重合体を必須成
分として含む接着剤を介して銅はくを張り合わせた両面
銅張りフィルムを内層材としてなる多層プリント配線板
である。
【0007】また、本発明は、耐熱性プラスチックフィ
ルムの両面に、2官能以上のエポキシ樹脂及びフィルム
成形可能な高分子量エポキシ重合体を必須成分として含
む接着剤を介して銅はくを張り合わせ、前記接着剤をB
ステージまで硬化させた後、銅はくをエッチングして回
路を形成し、その表面に外層材を張り合わせることを特
徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
【0008】本発明で、耐熱性プラスチックフィルムと
は、融点やガラス転移温度の高いプラスチックフィルム
をいう。熱可塑性樹脂で、非晶質のプラスチックについ
ては、ガラス転移温度が90℃より高いもの、結晶質の
プラスチックでは融点が200℃より高いものが好まし
い。
【0009】耐熱性プラスチックフィルムと内層材用の
銅はくとを接着する接着剤には、積層時に、内層材表面
の凹凸を吸収するとともに、外層材に設けたIVH用の
穴内に過度に流入にしないこと、及び、積層後は配線板
として必要な耐熱性を有することが要求される。したが
って、この接着剤は、2官能以上のエポキシ樹脂を接着
主成分とし、さらに、フィルム成形可能な高分子量エポ
キシ重合体を必須成分として含む必要がある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳述する。本
発明で用いられる耐熱性プラスチックフィルムとして
は、芳香環又は複素環を主鎖中に有するポリエステル、
ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリエー
テルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエ
ーテルイミド、ポリサルホン、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリフェニレンエーテル、芳香環又は複素環を主
鎖中に有するポリアミド、ポリアミドエポキシ、アラミ
ド、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリカーボネート、液晶
ポリマーなどのフィルムが挙げられる。
【0011】本発明で用いる接着剤における、2官能以
上のエポキシ樹脂(以下エポキシ樹脂という)とフィル
ム成形可能な高分子量エポキシ重合体(以下高分子量エ
ポキシ重合体という)との配合比は、接着性と樹脂流れ
性から、高分子量エポキシ重合体100重量部に対し
て、エポキシ樹脂を5〜200重量部、好ましくは、1
0〜50重量部とされる。また、エポキシ樹脂と高分子
量エポキシ重合体との合計量は、全接着剤成分の30重
量%以上であることが好ましい。30重量%未満である
と、銅はくに対する接着性が低下する傾向がある。
【0012】耐熱性プラスチックフィルムと内層材用の
銅はくとを接着する接着剤に用いるエポキシ樹脂として
は、分子内に2個以上のエポキシ基を持つ化合物であれ
ば制限はなく、例えば、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾー
ル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂など
のフェノール類のグリシジルエーテルであるエポキシ樹
脂(以下、これらを総称してフェノール型エポキシ樹脂
という)、脂環式エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジ
エン、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジル
アミン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹
脂などが挙げられる。これらに可とう性を付与したエポ
キシ樹脂も使用できる。これらのエポキシ樹脂は、単独
で又は組み合わせて使用することもできる。プリント配
線板として必要なはんだ耐熱性及び引き剥がし強さを有
するためには、フェノール型エポキシ樹脂、又はフェノ
ール型エポキシ樹脂と多官能エポキシ樹脂との混合物が
好ましい。
【0013】前記接着剤には、エポキシ樹脂の硬化剤及
び硬化促進剤を使用することが好ましい。硬化剤及び硬
化促進剤としては、ノボラック型フェノール樹脂、ジシ
アンジアミド、酸無水物、アミン類、イミダゾール、フ
ォスフィン類などが挙げられ、これらを単独で又は組み
合わせて使用することができる。
【0014】高分子量エポキシ重合体は、二官能性エポ
キシ樹脂と二官能性フェノール類とを、二官能性エポキ
シ樹脂と二官能性フェノール類の配合当量比をエポキシ
基1に対してフェノール水酸基0.9〜1.1の範囲
で、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、イ
ミダゾール類、有機リン化合物、アミン類などを触媒と
して、沸点が130℃以上のアミド系又はケトン系溶媒
中で反応固形分濃度50重量%以下で加熱して重合させ
て得ることができる。このようにして得られた高分子量
エポキシ重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィーによっ
て測定した重量平均分子量(以下単に重量平均分子量と
する)が100,000以上であれば、単独でもフィル
ム成形可能であり、常温でのフィルム強度、貯蔵弾性率
の低下又は成形段階での貯蔵弾性率の低下がない。それ
ゆえ、高分子量エポキシ重合体としては、重量平均分子
量が100,000以上のものを用いるのが好ましい。
【0015】高分子量エポキシ重合体の重量平均分子量
が100,000未満であると、常温でのフィルム強
度、貯蔵弾性率の低下または成形段階での貯蔵弾性率の
低下が発生しやすく、良好な取扱性または良好な先穴明
け方式IVH付多層プリント配線板を得ることが困難と
なる。したがって、重量平均分子量が100,000未
満の高分子量エポキシ重合体を用いる場合には、高分子
量エポキシ重合体との相溶性を有し、しかも高分子量エ
ポキシ重合体との共通溶剤に可溶でフィルム形成性を有
するポリマーであるアクリルゴム、ニトリルゴム、ブチ
ラール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリオレフィ
ンまたはこれらの変性品等を組み合わせて用いることが
好ましい。かかるポリマーと重量平均分子量が100,
000以上の高分子量エポキシ重合体を併せ用いてもよ
いことはもちろんである。高分子量エポキシ重合体と前
記ポリマーとを併用するとき、耐熱性、接着性、樹脂流
れ性等を必要な特性を得るためには、高分子量エポキシ
重合体と前記ポリマーとは、高分子量エポキシ重合体1
00重量部に対し、前記ポリマーを2〜100重量部、
好ましくは、10〜30重量部の範囲で配合される。
【0016】耐熱性プラスチックフィルムと内層材用の
銅はくとを接着する接着剤は、積層成形時の昇温によ
り、軟化して流動するが、過度に流動しないように硬化
反応を進行させる必要がある。過度に流動しないように
するには、接着剤の樹脂流れを0.1〜3.0%、好ま
しくは0.5〜1.5%に調整する必要がある。樹脂流
れが3.0%を超える場合は、積層成形段階でIVH用
の穴に接着剤の樹脂が浸出し、IVHの導通不良を発生
しやすいうえに、接着剤層が脆くなり、取扱性が悪くな
る。また、接着剤の樹脂流れが0.1%未満では、内層
回路面を平坦にすることができず、ボイドが発生しやす
くなる。接着剤の樹脂流れは、硬化反応制御、組成によ
り制御できる。すなわち、構成成分の分子量、硬化促進
剤又は硬化剤の種類、配合量又は塗工条件等を適宜の条
件とすることにより必要な樹脂流れの接着剤を得ること
ができる。なお、ここで、接着剤の樹脂流れとは、縦横
とも100mmの両面銅張りフィルム(Bステージまで
硬化させた接着剤を介して両面に銅はくを張り合わせた
両面銅張りフィルムの外側に耐熱性プラスチックフィル
ムを介在させて)を、油圧プレスで、温度170℃、圧
力14.7MPaで10分間加熱加圧した後、縦及び横
の長さをそれぞれ10か所測定し、縦の長さの測定値の
平均をa、横の長さの測定値の平均をbとするとき、次
の数1によって求められる値である。
【0017】
【数1】 接着剤の樹脂流れ(%)=(a×b/100)−100
【0018】また、高分子量エポキシ重合体を、架橋剤
を用いて適度に架橋させて三次元網目構造とすることを
塗工工程中に実施すると、製造工程を増やすことなく多
層プリント配線板の耐熱性、耐溶剤性、吸水性及び絶縁
信頼性を向上させることができる。架橋剤としては、ポ
リイソシアネート、活性水素を有する化合物をマスク剤
としてイソシアネート基をブロックしたブロック型ポリ
イソシアネート、エポキシ樹脂、シラノール化合物、金
属酸化物、酸無水物等が挙げられる。
【0019】この中で、架橋剤の反応性制御が容易で接
着剤ワニスの保存安定性を確保しやすく、両面銅張りフ
ィルム及び多層プリント配線板の特性低下を誘発しない
ことから、ブロック型ポリイソシアネートを用いること
が望ましい。ブロック型ポリイソシアネートとしては、
フェノール系、オキシム系、アルコール系、マスク剤等
でブロックされたトリレンジイソシアネート(TD
I)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。多
層プリント配線板の耐熱性を向上させるためには、フェ
ノールノボラック系マスク剤でブロックされたTDIが
好ましいが、これらのマスク剤、イソシアネート類を組
み合わせて用いても差し支えない。
【0020】難燃性を付与するためには、ハロゲン化さ
れている、特に臭素化されている、高分子量エポキシ重
合体を用いるか又は反応型難燃剤を、必要により、耐熱
性プラスチックフィルムと内層材用の銅はくとを接着す
る接着剤に配合する。難燃化するために添加型難燃剤と
して知られる、燐系難燃剤、チッ素系難燃剤、無機物系
難燃剤等を配合することも考えられるが、添加型難燃剤
を配合すると、耐溶剤性等の特性が悪いので、反応型難
燃剤の配合が望ましい。反応型難燃剤としては、ハロゲ
ン化エポキシ樹脂、特に、臭素化エポキシ樹脂が難燃効
果の高さ及び接着剤層が均一となり、多層プリント配線
板の特性を考慮した場合最適である。また、多官能ハロ
ゲン化フェノール類、特に、多官能臭素化フェノール類
は、エポキシ樹脂の硬化剤としても作用して、良好な多
層プリント配線板特性を与えるので好ましい。いずれの
場合でも、ハロゲン含有率は、10〜40重量%である
のが好ましく、15〜25重量%であるのがより好まし
い。反応型難燃剤として2官能以上のエポキシ樹脂を用
いるときには、接着剤の接着性成分であるエポキシ樹脂
の一部を構成することになる。
【0021】耐熱性プラスチックフィルムと内層材用の
銅はくとを接着する接着剤には、さらに、シランカップ
リング剤を添加することが好ましい。接着剤と銅はくと
の接着力を向上させるためである。添加するシランカッ
プリング剤としては、エポキシシラン、アミノシラン、
尿素シラン等が好ましい。
【0022】両面銅張りフィルムは、耐熱性プラスチッ
クフィルムの両面に接着剤を塗布乾燥し、銅はくを両面
に重ねて加熱接着する方法、銅はくの片面に接着剤を塗
布乾燥し、耐熱性プラスチックフィルムを挟んでプレス
などで一体化する方法などによって製造される。もちろ
ん、他の適宜の方法によっても差し支えない。この際に
接着剤はBステージまで硬化させておく。
【0023】両面銅張りフィルムに回路形成したのち、
外層材と重ね、加熱加圧して、多層プリント配線板とす
る。外層材としては銅はくを用いるのが好ましい。内層
材と外層材との接着手段には特に制限がないが、薄型化
するためには、耐熱性プラスチックフィルムと内層材の
銅はくとを接着する接着剤を、あらかじめフィルム状に
して用いる方法、外層材とする銅はく面に塗布してBス
テージまで硬化させて用いる方法によるのが好ましい。
内層材と外層材との張り合わせは、内層材、外層材等を
クッション材を介して鏡板の間に挟んで加熱加圧する
が、このとき、鏡板との間に置くクッション材として
は、成形温度で流動する性質を有するクッション材が好
ましい。このようなクッション材としては、膜厚40〜
100μmのポリエチレンシート、ポリ塩化ビニルシー
トなどがある。また、このクッション材と成形温度で流
動しないクッション材、離型シートを組み合わせて用い
ることが好ましい。成形温度で流動しないクッション材
としては、例えば、クラフト紙等が挙げられる。
【0024】
【実施例】
実施例1 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:171.5)171.5g、二官
能フェノール類としてテトラブロモビスフェノールA
(水酸基当量:271.9)271.9g、エーテル化
触媒として水酸化リチウム0.66gを、アミド系溶媒
であるN,N−ジメチルアセトアミド1037.4gに
溶解させた(固形分濃度:30重量%)。これを機械的
に撹拌しながら、温度を120℃に保ち(オイルバス使
用)そのまま6時間反応させ、固形分濃度が30重量%
の、臭素化した高分子量エポキシ重合体のN,N−ジメ
チルアセトアミド溶液(この溶液を溶液Aとする)を得
た。溶液A中に含まれる高分子量エポキシ重合体につい
て、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定から得られ
た重量平均分子量は500,000であり、また、光散
乱法による測定から得られた重量平均分子量は180,
000であった。溶液Aの粘度は18,000mPa・
sであり、N,N−ジメチルアセトアミドの希薄溶液の
還元粘度は1.36dl/gであった。固形分が100
重量部となる量の溶液A、溶液A中に含まれる高分子量
エポキシ重合体の架橋剤として作用する、フェノールノ
ボラックでブロックしたトリレンジイソシアネート(T
DI)20重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(エポキシ当量:171.5)30重量部、その硬化剤
として作用するフェノールノボラック(軟化点70℃)
をビスフェノールA型エポキシ樹脂と当量になるように
配合し、尿素シランカップリング剤0.5重量部を加
え、固形分40重量%のワニスを得た。
【0025】このワニスを、あらかじめマット処理した
厚さ25μmのポリイミドフィルム(MCF−5000
I、日立化成工業株式会社商品名)の両面に塗布し、1
00℃で1分間、その後150℃で1分間乾燥してBス
テージまで硬化させた接着剤付きポリイミドフィルムを
得た。接着剤層の厚さは、片面50μmで、臭素含有率
は25重量%であった。また、接着剤の樹脂流れは、
0.6%であった。得られた接着剤付きポリイミドフィ
ルムの両面に厚さ18μmの銅はくを重ね、150℃、
10MPaで10分間プレスして両面銅張りポリイミド
フィルムを得た。この、両面銅張りポリイミドフィルム
の銅はくをエッチングして、両面に、ランドを有する配
線パターン(ライン幅0.2mm、ライン間隔0.1m
m)を形成した。別に、厚さ18μmの銅はくの片面
に、前記と同じワニスを塗布し、100℃で1分間、そ
の後150℃で1分間乾燥してBステージまで硬化させ
接着剤付き銅はくを得た。この接着剤付き銅はく5枚を
重ねて、NCドリルマシンで直径0.3mmの穴をあけ
た。接着剤付き銅はくにあけた穴と、両面銅張りポリイ
ミドフィルムの配線パターンのランドとが重なるように
して位置合わせして、両面銅張りポリイミドフィルムの
上下に接着剤付き銅はくの接着剤面側が両面銅張りポリ
イミドフィルム側に向くようにして重ね、厚さ40μm
のポリエチレンシートとクラフト紙3枚を介して鏡板で
挟み、真空プレスを用いて加熱加圧した。引き続き、得
られた積層板の表面に配線パターンを形成し、先に穴あ
け加工した部分と内層回路板の導体ランド部分とをめっ
きで導通させることによりIVH付4層プリント配線板
を得た。
【0026】実施例2 N,N−ジメチルアセトアミドに代えて、N−メチル−
2−ピロリドンを用いたほか実施例1と同様にして、固
形分濃度が30重量%の臭素化した高分子量エポキシ重
合体のN−メチル−2−ピロリドン溶液(この溶液を溶
液Bとする)を得た。溶液B中に含まれる高分子量エポ
キシ重合体について、ゲル浸透クロマトグラフィーによ
る測定から得られた重量平均分子量は150,000で
あり、また、光散乱法による測定から得られた重量平均
分子量は90,000であった。溶液Bの粘度は8,0
00mPa・sであり、N−メチル−2−ピロリドンの
希薄溶液の還元粘度は0.90dl/gであった。溶液
Aに代えて固形分が80重量部となる量の溶液Bを用
い、変性アクリルゴム20重量部を配合したほかは、実
施例1と同様にしてIVH付4層プリント配線板を得
た。なお、接着剤の樹脂流れは0.8%であった。ここ
で用いた変性アクリルゴムは、帝国化学産業株式会社製
のエポキシ基含有アクリルゴム、HTR−860P−3
(商品名)であり、重量平均分子量100万、エポキシ
基をグリシジルメタアクリレートとして3重量%含むエ
ポキシ基含有アクリルゴムである。
【0027】実施例3 重量平均分子量500,000の臭素化した高分子量エ
ポキシ重合体100重量部に代えて重量平均分子量50
0,000の臭素化した高分子量エポキシ重合体50重
量部と重量平均分子量500,000の臭素化していな
い高分子量エポキシ重合体50重量部を配合し、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂30重量部に代えてビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂15重量部と臭素化したビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂15重量部を配合する以外は
実施例1と同様にしてIVH付4層プリント配線板を得
た。なお、接着剤の樹脂流れは0.3%であった。
【0028】実施例4 銅はく厚さを12μmとし、厚さ10μmのポリイミド
フィルムを用い、接着剤の厚みが片面25μmとなるよ
うにした以外は実施例1と同様にしてIVH付4層プリ
ント配線板を得た。
【0029】実施例5 ポリイミドフィルムに代えて厚さ50μmのポリエーテ
ルサルフォンフィルム(住友化学工業株式会社製、商品
名VICTREX)を用い、それ以外は実施例1と同様
にしてIVH付4層プリント配線板を得た。
【0030】実施例6 ポリイミドフィルムに代えて厚さ50μmのポリエーテ
ルイミドフィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名スペリ
オ)を用い、それ以外は実施例1と同様にしてIVH付
4層プリント配線板を得た。
【0031】実施例7 ポリイミドフィルムに代えてポリフェニレンサルファイ
ドフィルム(東レ株式会社製、商品名トレリナ)を用
い、それ以外は実施例1と同様にしてIVH付4層プリ
ント配線板を得た。
【0032】比較例 基材厚さ0.1mm、銅はく厚さ35μmのガラス布基
材エポキシ樹脂両面銅張積層板の銅はくをエッチングし
て、両面に配線パターンを形成した。以下実施例1と同
様にしてIVH付4層プリント配線板を得た。
【0033】得られたIVH付4層プリント配線板につ
いて、外層回路の表面段差、はんだ耐熱性、熱膨張係数
を測定した。また、積層体に設けた穴内への積層成形後
の樹脂流れ込み量(穴内壁から穴内に流れ込んだ樹脂先
端までの距離)を調べた。その結果を表1に示す。な
お、はんだ耐熱性は、4層プリント配線板を260℃の
はんだ浴に浸漬してふくれ・はがれを生ずるまでの秒数
を測定したもの、表面段差は表面粗さ計で測定したも
の、熱膨張係数はTMAを用いて測定したものである。
【0034】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 項 目 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 ────────────────────────────────── 表面段差(μm) 5以下 5以下 5以下 5以下 はんだ耐熱性(秒) 180以上 120 150 180以上 熱膨張特性(ppm/℃) 35 45 35 30 樹脂流れ込み量(μm) 25 50 50 0 ────────────────────────────────── 項 目 実施例5 実施例6 実施例7 比較例 ────────────────────────────────── 表面段差(μm) 5以下 5以下 5以下 15〜25 はんだ耐熱性(秒) 120 120 90 180以上 熱膨張特性(ppm/℃) 50 50 45 30 樹脂流れ込み量(μm) 25 25 25 25 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0035】
【発明の効果】本発明によって、内層材の凹凸が、外層
材表面に現れないようにでき、薄型化できる多層プリン
ト配線板及びその製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田邊 貴弘 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性プラスチックフィルムの両面に、
    2官能以上のエポキシ樹脂及びフィルム成形可能な高分
    子量エポキシ重合体を必須成分として含む接着剤を介し
    て銅はくを張り合わせた両面銅張りフィルムを内層材と
    してなる多層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 耐熱性プラスチックフィルムの両面に、
    2官能以上のエポキシ樹脂及びフィルム成形可能な高分
    子量エポキシ重合体を必須成分として含む接着剤を介し
    て銅はくを張り合わせ、前記接着剤をBステージまで硬
    化させた後、銅はくをエッチングして回路を形成し、そ
    の表面に外層材を張り合わせることを特徴とする多層プ
    リント配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010010329A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Kyocer Slc Technologies Corp 配線基板およびその製造方法

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