JPH10225294A - 融合タンパク質、それをコードするdna、そのdnaを含む組換えベクター、その組換えベクターを含む形質転換体、融合タンパク質の製造法、抗トレポネーマ・パリダム抗体の測定法及び測定用試薬、梅毒感染診断薬並びに抗トレポネーマ・パリダム抗体の製造法 - Google Patents

融合タンパク質、それをコードするdna、そのdnaを含む組換えベクター、その組換えベクターを含む形質転換体、融合タンパク質の製造法、抗トレポネーマ・パリダム抗体の測定法及び測定用試薬、梅毒感染診断薬並びに抗トレポネーマ・パリダム抗体の製造法

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JPH10225294A
JPH10225294A JP9029878A JP2987897A JPH10225294A JP H10225294 A JPH10225294 A JP H10225294A JP 9029878 A JP9029878 A JP 9029878A JP 2987897 A JP2987897 A JP 2987897A JP H10225294 A JPH10225294 A JP H10225294A
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fusion protein
antigen
protein
dna
ala
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JP9029878A
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English (en)
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Yasuyuki Kuroiwa
保幸 黒岩
Atsushi Okazaki
敦之 岡崎
Hiromi Iijima
裕巳 飯島
Yoshiki Nakao
義喜 中尾
Takeshi Sawazaki
健 澤崎
Makoto Mizukami
誠 水上
Yukihiro Nishikawa
幸弘 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Higeta Shoyu Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Higeta Shoyu Co Ltd
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 各種微生物の抗原としての優れた抗原性を有
する融合タンパク質、その製造法及び用途の提供。 【解決手段】 微生物由来の抗原タンパク質を2個以上
連結させてなる融合タンパク質、この融合タンパク質を
コードするDNA若しくはそれに相補的なDNA、この
DNAを含む組換えベクター、この組換えベクターを含
む形質転換体、前記融合タンパク質をコードする遺伝子
を導入した形質転換体を培養し、培養物中に融合タンパ
ク質を生成蓄積させ、この培養物を取得する融合タンパ
ク質の製造法、前記融合タンパク質を抗原として用いる
抗トレポネーマ・パリダム抗体の測定法、前記融合タン
パク質を抗原として含有してなる抗トレポネーマ・パリ
ダム抗体の測定用試薬、前記融合タンパク質を有効成分
とする梅毒感染診断薬及び前記融合タンパク質を抗原と
して用いる抗トレポネーマ・パリダム抗体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、融合タンパク質、
それをコードするDNA、そのDNAを含む組換えベク
ター、その組換えベクターを含む形質転換体、融合タン
パク質の製造法、抗トレポネーマ・パリダム抗体の測定
法及び測定用試薬、梅毒感染診断薬並びに抗トレポネー
マ・パリダム抗体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体には、様々なタンパク質が含まれて
いる。中でも、脂質とタンパク質の複合体であるリポタ
ンパク質は、各種病原菌において、細胞膜に留まって抗
原タンパク質として機能することが知られており、これ
らの病原菌感染の検査や診断においては、これらの病原
菌由来のリポタンパク質を含有する画分を抗原とする抗
体測定法が広く利用されている。例えば、トレポネーマ
・パリダム菌は梅毒の原因菌として知られている。この
菌の感染の検査や診断においては、現在、トレポネーマ
・パリダム菌の菌体から得られた細胞膜画分を抗原とす
る抗体測定法が利用されている。
【0003】トレポネーマ・パリダム菌の細胞膜画分に
は、種々の抗原タンパク質が含まれており、これらはリ
ポタンパク質となっている。これまで、分子量約47K
ダルトン、約17Kダルトン及び約15Kダルトンの抗
原タンパク質が存在することが知られており、これらの
抗原タンパク質のアミノ酸配列やそれをコードする塩基
配列も既に報告されている(エル・エム・ウェイゲル
ら、インフェクション・アンド・イミュニティー、60
巻、1568-1576頁(1992年)(L.M.Weigel et al., Infec
t. Immun., Vol.60, p.1568-1576(1992))、ディ・アー
ル・エイキンスら、インフェクション・アンド・イミュ
ニティー、61巻、1202-1210頁(1993年)(D.R.Akins et
al., Infect. Immun., Vol.61, p.1202-1210(1993))、
ビー・ケイ・プレセルら、モレキュラー・ミクロバイオ
ロジー、4巻、1371-1379頁(1990年))(B.K.Purecell e
t al., Mol.Microbiol., Vol.4, p.1371-1379(199
0))。そして、これらの文献には、遺伝子組換え技術を
用いて、分子量約47Kダルトン、約17Kダルトン及
び約15Kダルトンの抗原タンパク質を、それぞれ、グ
ルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合タンパク
質として発現させたことが記載されている。
【0004】しかしながら、近年、これらの病原菌感染
に対する抗体測定法の感度の向上が強く望まれており、
抗原タンパク質を、単独で又はグルタチオン−S−トラ
ンスフェラーゼとの融合タンパク質として発現させただ
けであるこれらの技術は、このような要求を十分に満た
すものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、各種微生物の抗原としての優れた抗原性を有する融
合タンパク質を提供するものである。請求項2及び3記
載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、微生物
からの分泌が可能な融合タンパク質を提供するものであ
る。請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに
記載の発明の効果に加え、トレポネーマ・パリダム抗原
としての優れた抗原性を有する融合タンパク質を提供す
るものである。請求項5記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の発明の効果に加え、トレポネーマ・パ
リダム特異的抗原としての優れた抗原性を有する融合タ
ンパク質を提供するものである。請求項6記載の発明
は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明の効果に加
え、トレポネーマ・パリダム特異的抗原として極めて優
れた抗原性を有する融合タンパク質を提供するものであ
る。
【0006】請求項7記載の発明は、各種微生物の抗原
としての優れた抗原性を有する融合タンパク質の製造に
有用なDNAを提供するものである。請求項8記載の発
明は、請求項7記載の発明の効果に加え、トレポネーマ
・パリダム特異的抗原として極めて優れた抗原性を有す
る融合タンパク質の製造に有用なDNAを提供するもの
である。請求項9記載の発明は、各種微生物の抗原とし
ての優れた抗原性を有する融合タンパク質の製造に有用
な組換えベクターを提供するものである。請求項10記
載の発明は、各種微生物の抗原としての優れた抗原性を
有する融合タンパク質の製造に有用な形質転換体を提供
するものである。請求項11記載の発明は、請求項10
記載の発明の効果に加え、トレポネーマ・パリダム特異
的抗原として極めて優れた抗原性を有する融合タンパク
質の製造に有用な形質転換体を提供するものである。
【0007】請求項12及び13記載の発明は、各種微
生物の抗原としての優れた抗原性を有する融合タンパク
質の製造法を提供するものである。請求項14記載の発
明は、梅毒感染の診断に有用な抗トレポネーマ・パリダ
ム抗体の測定法を提供するものである。請求項15記載
の発明は、梅毒感染の診断に有用な抗トレポネーマ・パ
リダム抗体の測定用試薬を提供するものである。請求項
16記載の発明は、梅毒感染の診断に有用な梅毒感染の
診断薬を提供するものである。請求項17記載の発明
は、梅毒感染の診断に有用な抗トレポネーマ・パリダム
抗体の製造法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(17)に関する。 (1)微生物由来の抗原タンパク質を2個以上連結させ
てなる融合タンパク質。 (2)微生物由来の抗原タンパク質の少なくとも1個
が、天然タンパク質のシステイン残基が脂質非結合性ア
ミノ酸残基に変換されたアミノ酸配列を有するものであ
る前記(1)記載の融合タンパク質。 (3)微生物由来の抗原タンパク質のうちアミノ基末端
に位置する1個が、天然タンパク質のアミノ基末端に一
番近い位置のシステイン残基が脂質非結合性アミノ酸残
基に変換されたアミノ酸配列を有するものである前記
(2)記載の融合タンパク質。 (4)微生物由来の抗原タンパク質が、トレポネーマ・
パリダム菌由来の抗原タンパク質である前記(1)〜
(3)のいずれかに記載の融合タンパク質。 (5)トレポネーマ・パリダム菌由来の抗原タンパク質
が、分子量約47Kダルトン又は約17Kダルトンの抗
原タンパク質である前記(1)〜(4)のいずれかに記
載の融合タンパク質。 (6)配列番号1で示されるタンパク質である前記
(1)〜(5)のいずれかに記載の融合タンパク質
【0009】(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記
載の融合タンパク質をコードするDNA若しくはそれに
相補的なDNA。 (8)配列番号2で示される塩基配列を有する前記
(7)記載のDNA。 (9)前記(7)又は(8)に記載のDNAを含む組換
えベクター。 (10)前記(9)記載の組換えベクターを含む形質転
換体。 (11)FERM BP-5763 として寄託されている前
記(10)記載の形質転換体。
【0010】(12)前記(1)〜(6)のいずれかに
記載の融合タンパク質をコードする遺伝子を導入した形
質転換体を培養し、培養物中に融合タンパク質を生成蓄
積させ、この培養物を取得することを特徴とする融合タ
ンパク質の製造法。 (13)取得された培養物の培養上清に硫酸アンモニウ
ムを添加し、遠心分離して沈殿を取得し、この沈殿を界
面活性剤含有水溶液に溶解させることを特徴とする前記
(12)記載の融合タンパク質の製造法。 (14)前記(4)〜(6)のいずれかに記載の融合タ
ンパク質を抗原として用いることを特徴とする抗トレポ
ネーマ・パリダム抗体の測定法。 (15)前記(4)〜(6)のいずれかに記載の融合タ
ンパク質を抗原として含有してなる抗トレポネーマ・パ
リダム抗体の測定用試薬。 (16)前記(4)〜(6)のいずれかに記載の融合タ
ンパク質を有効成分とする梅毒感染診断薬。 (17)前記(4)〜(6)のいずれかに記載の融合タ
ンパク質を抗原として用いることを特徴とする抗トレポ
ネーマ・パリダム抗体の製造法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
なお、配列表において、アミノ酸配列は、アミノ基末端
のアミノ酸を1番とし、塩基配列は、5′末端の塩基を
1番としている。
【0012】本発明おいて、微生物由来の抗原タンパク
質としては、その感染の有無を抗体測定法により判定で
きるものであれば特に制限されるものではなく、例え
ば、トレポネーマ・パリダム、クラミジア属微生物、各
種肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、成人白血病ウ
イルス、ヘルペスウイルス、RSウイルス、風疹ウイル
ス、水痘ウイルス、マイコプラズマ、トキソプラズマ等
に由来する抗原タンパク質が挙げられ、これらの抗原タ
ンパク質は、これらの微生物が本来有する天然タンパク
質であってもよいし、そのアミノ酸配列が改変された改
変タンパク質であってもよい。また、抗原タンパク質と
しては、最初に、シグナルペプチドが成熟タンパク質の
アミノ基末端側に付加された前駆体タンパク質が産生さ
れ、続いて、シグナルペプチド部分が切断されて成熟タ
ンパク質が形成される形態を取るものも挙げられる。ト
レポネーマ・パリダム菌由来の抗原タンパク質として
は、例えば、分子量約47Kダルトン、約17Kダルト
ン及び約15Kダルトンの抗原タンパク質等が挙げら
れ、クラミジア属微生物由来の抗原タンパク質として
は、例えば、クラミジア・ニューモニエ菌由来の分子量
約39.5Kダルトン、約53Kダルトン及び約70K
ダルトンの抗原タンパク質、クラミジア・トラコマティ
ス菌由来の分子量約39.5Kダルトン、約59.5K
ダルトン及び約75Kダルトンの抗原タンパク質等が挙
げられる。
【0013】これらの微生物由来の抗原タンパク質の中
には、システイン残基を含み、かつ、そのシステイン残
基に脂質が結合してリポタンパク質となり、産生された
抗原タンパク質が細胞膜タンパク質となるものがある。
遺伝子組換え技術を用いてこれらの抗原タンパク質を生
産する場合、微生物等の細胞内で産生された抗原タンパ
ク質が細胞膜内に留まり、抗原タンパク質の収率を損な
う傾向がある。そこで、微生物からの分泌が可能となる
点から、微生物由来の抗原タンパク質の少なくとも1個
は、天然タンパク質のシステイン残基が脂質非結合性ア
ミノ酸残基に変換されたアミノ酸配列を有するものであ
ることが好ましい。
【0014】さらに、脂質結合性の点から、微生物由来
の抗原タンパク質のうちアミノ基末端に位置する1個
が、天然タンパク質のアミノ基末端に一番近い位置のシ
ステイン残基が脂質非結合性アミノ酸残基に変換された
アミノ酸配列を有するものであることが好ましい。ま
た、システイン残基が変換されて得られるタンパク質
が、使用する微生物の抗原としての抗原性、例えば、ト
レポネーマ・パリダム抗原としての抗原性、を保持する
限り、変換されるシステイン残基の数は2個以上となっ
てもよい。前記脂質非結合性アミノ酸残基としては、脂
質との結合性がないか又は弱いものであれば特に制限さ
れるものではないが、シグナルペプチドの切断効率が高
く、分泌効率が高い点から、アラニン残基、グルタミン
酸残基又はセリン残基が好ましい。
【0015】また、得られる融合タンパク質が、使用す
る微生物の抗原としての抗原性、例えば、トレポネーマ
・パリダム抗原としての抗原性、を保持する限り、抗原
タンパク質の中(例えば、1〜50番目のアミノ酸まで
の領域)からアミノ酸残基(例えば、1〜20個)が欠
落したものであってもよい。さらに、得られる融合タン
パク質を、その融合タンパク質を生産させる微生物の培
養上清から精製することができる点から、融合タンパク
質のアミノ基末端側に、その融合タンパク質を生産させ
る微生物においてシグナルペプチドとして認識されるア
ミノ酸配列を付加することが好ましく、このようなアミ
ノ酸配列としては、例えば、バチルス・ブレビス(Bacil
lus brevis)においてシグナルペプチドとして認識され
るアミノ酸配列が挙げられる。
【0016】本発明の融合タンパク質は、これらの微生
物由来の抗原タンパク質の2個以上が、直接に、又は介
在アミノ酸配列を介して結合したものである。これらの
抗原タンパク質は同一であっても異なっていてもよい
が、得られる融合タンパク質が多様な抗原性を保持する
ことができる点から、結合する抗原タンパク質の中の少
なくとも1個は他の抗原タンパク質とは異なった抗原性
を有するものであることが好ましい。この融合タンパク
質を抗原として利用する場合、異なった抗原性を有する
個々の抗原タンパク質をそれぞれ調製し、混合して抗原
とする場合と比べ、その融合タンパク質を調製するだけ
で多様な抗原性を保持する抗原を得ることができるの
で、抗原の調製が容易となり、また、高い抗原性も期待
できる。結合する抗原タンパク質の個数は、得られる融
合タンパク質が、使用する微生物の抗原としての抗原性
を保持する限り、特に制限されるものではない。また、
2種類以上の微生物に由来する抗原タンパク質を用いて
得られた融合タンパク質を抗原として使用した場合、1
つの抗原によってスクリーニングできる微生物の種類を
多くすることができるので、被験者がどの微生物に感染
しているかの診断を、迅速に、また、容易に行うことが
できる。
【0017】介在アミノ酸配列の長さと構成アミノ酸の
種類は、得られる融合タンパク質が、使用する微生物の
抗原としての抗原性を保持する限り、特に制限されるも
のではないが、介在アミノ酸配列自体が抗原性を保持し
ないことが好ましく、このような介在アミノ酸配列とし
ては、例えば、イソロイシン残基やアミノ酸残基の数が
数個〜数十個であるポリグリシン残基が挙げられる。
【0018】本発明の融合タンパク質の具体例として
は、例えば、配列番号1で示されるタンパク質が挙げら
れる。配列番号1で示されるタンパク質は、トレポネー
マ・パリダム菌由来の分子量約47Kダルトンの抗原タ
ンパク質の1〜19番目のアミノ酸残基が欠落し、20
番目のアミノ酸残基であるシステイン残基がアラニン残
基に置換されたタンパク質のカルボキシル基末端側に、
イソロイシン残基を介し、トレポネーマ・パリダム菌由
来の分子量約17Kダルトンの抗原タンパク質の1〜2
1番目のアミノ酸残基が欠落し、22番目のアミノ酸残
基であるシステイン残基以後のタンパク質が結合した構
造を有するものである。このタンパク質は梅毒患者血清
との間で抗原抗体反応を生じることから、トレポネーマ
・パリダム特異的抗原として極めて優れた抗原性を有
し、さらに、トレポネーマ・パリダム菌由来の分子量約
47Kダルトンの抗原タンパク質としての抗原性と分子
量約17Kダルトンの抗原タンパク質としての抗原性の
2つの抗原性を保持するという多様な抗原性を有する。
【0019】融合タンパク質の製造法 本発明の融合タンパク質を製造する方法としては、化学
合成法や遺伝子組換え法がある。化学合成法としては、
例えば、マップ(Multiple Antigen Peptide、MAP)
法があり、30個以下のアミノ酸配列からなるタンパク
質の合成に適しており、市販のペプチド合成機を使用し
て合成することができる。タンパク質はマップ法により
繰り返す形で合成することができる。遺伝子組換え法と
しては、例えば、本発明の融合タンパク質をコードする
DNAをベクターに挿入して組換えベクターを作製し、
それを宿主に挿入して形質転換体を作製し、その形質転
換体を培養し、その形質転換体自体又は培養上清を利用
する方法が挙げられる。本発明の融合タンパク質をコー
ドするDNAについては後述する。ベクターとしては、
例えば、プラスミドベクター、ファージベクター等が挙
げられる。宿主としては、例えば、バチルス・ブレビス
(Bacillus brevis)菌、枯草菌、大腸菌、酵母菌等が挙
げられる。以下、組換えベクターの作製法、形質転換体
の作製法及びその形質転換体を用いた融合タンパク質の
製造法について詳しく説明する。
【0020】組換えベクターは、本発明の融合タンパク
質をコードするDNA(後述)を、常法に従って宿主細
胞の中で複製可能なプラスミドベクターやファージベク
ター等に挿入して作製することができる。その際、必要
に応じ、リンカーを使用する。プラスミドベクターとし
ては、作製する組換えベクターを保有する形質転換体を
容易にスクリーニングでき、また、宿主細胞の中で組換
えベクターを安定に保持させる点から、エリスロマイシ
ン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等の薬剤耐性遺
伝子を保有するものであることが好ましい。なお、後述
するように、本発明の融合タンパク質を製造するために
は、プラスミドベクターが、プロモーター配列、シャイ
ン−ダルガルノ配列(以下、SD配列という)及びター
ミネーター配列を保有することが必要である。
【0021】プラスミドベクターの具体例としては、例
えば、プラスミドpUC118、pUB110、pNU
200、pNU210、pHT926、pNH300、
pNH400等が挙げられる。pUC118、pUB1
10は宝酒造(株)から購入することができる。pNU2
00については、「鵜高重三、農芸化学会誌、61巻、66
9頁(1987年)」に詳細に記載されている。pNU210
については、「バイオインダストリー、9巻、100-107頁
(1992年)(BIOINDUSTRY, Vol.9, p.100-107(1992))」に
詳細に記載されている。pHT926については特開平
6−133782号公報に詳細に記載されている。pN
H300については後述の実施例で詳しく述べる。pN
H400については「ジャーナル・オブ・バクテリオロ
ジー、177巻、745-749頁(1995年)(J. Bacteriol., Vol.
177, p.745-749(1995))」に詳細に記載されている。ま
た、ファージベクターとしては、例えば、λgt11ファー
ジ、λgt10ファージ等を利用することができる。いずれ
も、用いた親ベクターに対応する組換えベクターが得ら
れる。
【0022】遺伝子組換え法を用いて本発明の融合タン
パク質を製造する場合、作製する組換えプラスミドは、
本発明の融合タンパク質をコードするDNAが発現可能
なプラスミドであることが必要である。このようなプラ
スミドを作製する方法としては、例えば、プロモーター
配列及びSD配列の近くであってそれらの下流に本発明
のDNAを挿入する方法、他のペプチドをコードするD
NAの下流に、読み取り枠を揃え(即ち、in frame
で)、本発明のDNAを挿入する方法(従って、宿主内
で得られる本発明の融合タンパク質は他のペプチドとさ
らに融合したタンパク質となる)等が挙げられる。前記
他のペプチドとしては、例えば、シグナルペプチド等が
挙げら、シグナルペプチドとしては、例えば、バチルス
・ブレビス菌由来のシグナルペプチド等が挙げられる。
本発明の組換えプラスミドであって、かつ、本発明の融
合タンパク質をコードするDNAが発現可能であるプラ
スミドの具体例としては、例えば、プラスミドpNH4
00TP47−17等が挙げられる。組換えプラスミド
作製の一般的手法は、「サムブロック他編集、モレキュ
ラー・クローニング 第2版(コールド・スプリング・
ハーバー・ラボラトリー)(1989年)」(J.Samblook et
al., Molecular Cloning 2nd ed., Cold Spring Harbor
Laboratory Press (1989)、以下、本文献を文献″モ
レキュラー・クローニング″という)に記載されてい
る。
【0023】本発明の形質転換体は、前記組換えプラス
ミドを宿主に挿入して作製することができる。宿主とし
ては、組換えプラスミド中の本発明のDNAが発現する
ものであれば特に限定されないが、形質転換体内で生産
された本発明の融合タンパク質が分解されにくい点か
ら、タンパク質分解酵素非生産株を使用することが好ま
しい。組換えプラスミドとして前記プラスミドpNH4
00TP47−17を使用する場合は、例えば、バチル
ス・ブレビス47株、バチルス・ブレビスH102株
(本菌株は、バチルス・ブレビスHPD31株と同一菌
株である)等を使用することができる。
【0024】組換えプラスミドを宿主に挿入する方法と
しては、例えば、電気パルス(Electroporation)法、プ
ロトプラスト(Protoplast)法、塩化カルシウム法、トリ
ス−PEG(Tris-PEG)法等が挙げられ、宿主の種類によ
って適宜選択されるが、宿主としてバチルス・ブレビス
を使用する場合は、効率及び簡便性の点から、電気パル
ス法を用いることが好ましい。組換えプラスミドを利用
して形質転換体を作製する一般的手法は、文献″モレキ
ュラー・クローニング″に記載されており、前記バチル
ス・ブレビス47及びバチルス・ブレビスH102を宿
主とした形質転換体の作製法は、例えば、「高橋ら、ジ
ャーナル・オブ・バクテリオロジー、156巻、1130-1134
頁、1983年(Takahashi et al., J. Bacteriol., Vol.15
6, p.1130-1134(1983))」、「高木ら、アグリカルチュ
ラル・バイオロジカル・ケミストリー、53巻、3099-310
0頁、1989年(Takagi et al., Agric. Biol. Chem., Vo
l.53, p.3099-3100(1989))」等に詳細に記載されてい
る。
【0025】本発明の形質転換体の具体例としては、例
えば、前記プラスミドpNH400TP47−17が挿
入されたバチルス・ブレビスHPD31株(Bacil
lus brevis HPD31/pNH400TP
47−17)等が挙げられ、この株は、受託番号FER
M BP−5763として工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託されている。
【0026】形質転換体の培養は、例えば、その形質転
換体が成長しうる培地に形質転換体を入れ、適温で振と
う又は静置する方法が使用できる。培地としては、炭素
源及び窒素源が含有されるものが使用できる。炭素源と
しては、例えば、糖、有機酸等が挙げられ、糖として
は、例えば、グルコース、グリセロール、澱粉、デキス
トラン、糖蜜等が挙げられる。窒素源としては、例え
ば、有機窒素源、無機窒素源等が挙げられ、有機窒素源
としては、例えば、カゼイン、ペプトン、肉エキス、酵
母エキス、カザミノ酸、グリシン等が挙げられ、無機窒
素源としては、例えば、硫酸アンモニウム、硝酸アンモ
ニウム等が挙げられる。また、形質転換体が栄養要求性
を示す場合は、その生育に必要な栄養物質を培地に添加
する。このような栄養物質としては、例えば、アミノ
酸、ビタミン類、核酸、塩類等が挙げられる。培地とし
ては、例えば、糖と無機窒素源を主体とする合成培地を
使用することができる。培地として固体培地を使用する
場合は、さらに寒天を添加する。
【0027】また、組換えプラスミドを安定に保持さ
せ、組換えプラスミドを保有しない株の成育を抑制する
点から、培地に抗生物質を添加することが好ましい。こ
のような抗生物質としては、例えば、ペニシリン、エリ
スロマイシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、
バシトラシン、D−サイクロセリン、アンピシリン等が
挙げられる。更に、必要により、消泡剤として、大豆
油、ラード油及び各種界面活性剤等を培地に添加しても
よい。培地のpHは、形質転換体が生育可能なpHの観点
から、通常、5〜9とされ、6.5〜7.5とすること
が好ましい。培地の具体例としては、例えば、TMB培
地(ペプトン 1%、肉エキス 0.5%、酵母エキス
0.2%、グルコース 1%、MgSO4 0.01
%、FeSO4 0.01%、MnSO4 0.001
%、ZnSO4 0.0001%及びエリスロマイシン
10μg/mlを含有、pH7.0)が挙げられる。
【0028】培養温度は、例えば、宿主としてバチルス
・ブレビスを使用する場合は、通常、15〜42℃であ
り、24〜37℃とすることが好ましい。培養時間は、
宿主の種類、培地の物理的状態(固体又は液体)、培養
装置、培養温度等によって異なるが、宿主としてバチル
ス・ブレビスを、培地としてTMB液体培地を、それぞ
れ使用し、培養温度が15〜42℃である場合、培養時
間は、通常、16〜166時間であり、24〜96時間
とすることが好ましい。
【0029】形質転換体を培養して本発明の融合タンパ
ク質を製造する方法としては、例えば、培養した形質転
換体を破砕又は溶解して破砕液又は溶解液を取得し、そ
の破砕液又は溶解液から本発明の融合タンパク質を精製
する方法が挙げられる。また、宿主内で得られる本発明
の融合タンパク質が前述したシグナルペプチドを有する
場合は、形質転換体のシグナルペプチダーゼにより前駆
体タンパク質からこのシグナルペプチドが除去され、成
熟タンパク質である融合タンパク質が形質転換体から分
泌されるので、形質転換体の培養上清を取得し、その培
養上清から本発明の融合タンパク質を精製する方法を使
用することもできる。
【0030】形質転換体を破砕する方法としては、例え
ば、形質転換体を物理的に破砕する方法が挙げられ、例
えば、形質転換体を緩衝液に懸濁してこれに超音波を照
射する方法、形質転換体を石英砂と混練し、これを緩衝
液に懸濁する方法等挙げられる。一方、形質転換体を溶
解する方法としては、例えば、形質転換体の細胞壁を溶
解する酵素と界面活性剤等で形質転換体を溶解する方法
が挙げられ、形質転換体の宿主が大腸菌の場合は、この
酵素としてリゾチームを、界面活性剤としてドデシル硫
酸ナトリウム(SDS)を使用することができる。
【0031】得られた破砕液又は溶解液から本発明の融
合タンパク質を精製する方法としては、例えば、前記破
砕液又は溶解液を遠心分離して細胞残渣を除去し、上清
を取得し、ストレプトマイシン硫酸塩を添加して撹拌
し、遠心分離し、これにより核酸を沈殿物として除去
し、上清を取得し、この上清に硫酸アンモニウムを添加
して撹拌し、遠心分離して沈殿を取得する方法を使用す
ることができる。なお、最後の遠心分離においては、本
発明の融合タンパク質が上清に含まれていることもある
ので、サンプリングして、上清と沈殿の画分における本
発明の融合タンパク質の有無を確認しておくことが好ま
しい。一方、形質転換体の培養上清から本発明の融合タ
ンパク質を精製する方法としては、例えば、この培養上
清に硫酸アンモニウムを添加し(例えば、25%)、撹
拌し、遠心分離して沈殿を取得する方法を使用すること
ができる。その際、夾雑物を除去するため、最初に低濃
度の硫酸アンモニウムを添加し(例えば、10%)、撹
拌し、遠心分離して上清を取得し、この上清にさらに硫
酸アンモニウムを添加し(例えば、最終濃度25%)、
撹拌し、遠心分離して沈殿を取得することが好ましい。
【0032】取得された沈殿は、抗原性に優れる融合タ
ンパク質を取得することができる点から、界面活性剤含
有水溶液に溶解させることが好ましい。水溶液として
は、例えば、PBSやトリス−塩酸緩衝液等のタンパク
質の精製に通常使用される緩衝液を利用することができ
る。界面活性剤としては、例えば、SDS、Tween
20等が挙げられる。また、水溶液中の界面活性剤の濃
度は、0.05〜2%が好ましく、0.1〜1%がより
好ましく、0.5〜1%がさらに好ましい。この濃度が
0.05%未満であったり2%を超えると、得られた融
合タンパク質の抗原性が損なわれる傾向にある。特に、
タンパク質がトレポネーマ・パリダム菌に由来するもの
である場合、トレポネーマ・パリダム菌としての抗原性
に優れる融合タンパク質を取得することができる点か
ら、取得された沈殿を上記濃度の界面活性剤含有水溶液
に溶解させることが好ましい。また、本発明の融合タン
パク質は、形質転換体の培養上清を陽イオンカラムクロ
マトグラフィーで分画して精製することもできる。細胞
残渣の除去、ストレプトマイシン硫酸塩を添加する核酸
の除去及び硫酸アンモニウムを添加するタンパク質の取
得等の具体的方法は、文献″モレキュラー・クローニン
グ″に記載されている。
【0033】融合タンパク質をコードするDNA 本発明において、融合タンパク質をコードするDNAと
は、融合タンパク質のアミノ酸配列をトリプレット暗号
表(それぞれのアミノ酸に対して、1〜6通りのヌクレ
オチド配列が割り当てられている)に従ってヌクレオチ
ド配列に読み替えたときのDNA群から選ばれるDNA
をいう。本発明の融合タンパク質としては、前記融合タ
ンパク質の項で説明したものが挙げられ、融合タンパク
質をコードするDNAも、これらの融合タンパク質のア
ミノ酸配列に対応したヌクレオチド配列のものが挙げら
れる。融合タンパク質をコードするDNAの具体例とし
ては、例えば、配列番号2で示される塩基配列を有する
DNAが挙げられる。配列番号2で示される塩基配列を
有するDNAは、配列番号1で示されるタンパク質をコ
ードするDNAである。この塩基配列の中で、コード領
域は3〜1655番目の配列である。
【0034】融合タンパク質をコードするDNAは、化
学合成法か遺伝子組換え法で作製することができる。化
学合成法としては、例えば、ホスホアミダイト法があ
り、全長が100塩基以下の塩基配列からなるDNAの
合成に適しており、市販のDNA合成機で合成すること
ができる。全長が100塩基よりも長いDNAを作製す
るためには、後述の遺伝子組換え法を利用することもで
きるが、次のようにしても作製することができる。即
ち、塩基配列を100個未満の塩基に区切り、それぞれ
の塩基配列からなるDNA断片を上記のように化学合成
し、これらのDNA断片を混合し、T4−DNAリガー
ゼを用いてこれらのDNA断片を連結する。その際、相
補鎖のDNA断片も合成し、DNA断片同士を対合させ
たときに突出末端が生じるようにすると、突出末端が粘
着末端の役割を果たし、目的のDNAが得られやすい。
【0035】遺伝子組換え法としては、例えば、元のタ
ンパク質を産生する生物のゲノムDNA(生物が真核生
物である場合はcDNA)を鋳型として、元のタンパク
質の塩基配列を元にして設計され、作製されたプライマ
ーDNAを利用してポリメラーゼ・チェイン・リアクシ
ョン(PCR)法を行う方法を使用することができる。
元のタンパク質を産生する生物がトレポネーマ・パリダ
ム菌である場合、トレポネーマ・パリダム菌としては、
例えば、トレポネーマ・パリダム・ニコルス株(Trepone
ma pallidum Nichols strain)を使用することができ、
この株は、リー・ラボラトリーズ(Lee Laboratories)社
(米国)から購入することができる。元のタンパク質を産
生する生物のゲノムDNAやcDNAの取得法は、その
生物の種類によって適宜選択され、特に制限されるもの
ではなく、例えば、文献″モレキュラー・クローニン
グ″に記載されている方法に従うことができる。
【0036】トレポネーマ・パリダム菌のゲノムDNA
は、例えば、トレポネーマ・パリダム菌の菌体を1M
塩化ナトリウム、1N 水酸化ナトリウム及び2% S
DS含有水溶液に懸濁し、煮沸し、0.5M トリス
(pH7.0)を添加して中和し、フェノール抽出し、エ
タノール沈殿処理を行い、この沈殿を乾燥させて得るこ
とができる。このゲノムDNAの取得法は、「エム・ブ
イ・ノルガードら、ジャーナル・オブ・クリニカル・ミ
クロバイオロジー、29巻、62-69頁(1991年)」(M.V.Nor
gard et al., J. Clin. Microbiol., Vol.29, p.62-69
(1991))に詳細に記載されている。
【0037】トレポネーマ・パリダム菌由来の天然の抗
原タンパク質の塩基配列は前述したようにウェイゲルら
の文献、エイケンスらの文献、プレセルらの文献等に記
載されており、PCR法に使用されるプライマーDNA
の塩基配列はこれらの天然の抗原タンパク質の塩基配列
を元にして設計されるが、このプライマーDNAの塩基
配列は、天然の抗原タンパク質のアミノ酸配列に対応さ
せた塩基配列にするのではなく、天然の抗原タンパク質
のアミノ基末端領域にあるシステイン残基が脂質非結合
性アミノ酸残基(アラニン残基、グルタミン酸残基、セ
リン残基等)に変換されるように設計することが必要で
ある。このように設計されたプライマーDNAは市販の
DNA合成機を用いた化学合成法により製造することが
できる。なお、PCR法を用いてDNAを複製させる方
法の一般的手法は文献″モレキュラー・クローニング″
に記載されている。一旦、本発明の融合タンパク質をコ
ードするDNAが取得されると、遺伝子組換え法や前述
したPCR法を利用することによって、そのDNAを複
製させることができるので、元のタンパク質を産生する
生物のゲノムDNAやcDNAを再度取得する操作は不
要である。
【0038】本発明の融合タンパク質は、各種診断薬の
有効成分として利用することができ、特に、抗原タンパ
ク質がトレポネーマ・パリダム菌に由来するものである
場合、得られる融合タンパク質はトレポネーマ・パリダ
ム菌としての抗原性を有するので、梅毒感染診断薬の有
効成分として利用することができる。
【0039】融合タンパク質を抗原として用いる抗トレ
ポネーマ・パリダム抗体の測定法及び測定用試薬並びに
融合タンパク質を有効成分とする梅毒感染診断薬 抗トレポネーマ・パリダム抗体の測定法は、本発明の融
合タンパク質であって、トレポネーマ・パリダム菌に由
来する抗原タンパク質を用いて得られたものを抗原の一
部又は全部として用いる限り、特に制限されない。抗ト
レポネーマ・パリダム抗体の測定法としては、例えば、
各種標識物を利用した免疫測定法、ラテックス担体粒子
を用いたラテックス凝集法、免疫比濁法等を利用するこ
とができる。
【0040】以下、各種標識物を利用した免疫測定法に
ついて詳しく説明する。前記融合タンパク質を用い、各
種標識物を利用した免疫測定法を用いて抗トレポネーマ
・パリダム抗体を測定する方法としては、例えば、前記
融合タンパク質を物理的又は化学的に担体に固定化して
固定化抗原を作成し、この固定化抗原を検体試料と接触
させて一定時間保温し、これにより、検体試料中に抗ト
レポネーマ・パリダム抗体が存在する場合はその抗体が
前記固定化抗原と結合して抗原抗体複合体が担体上に形
成され、必要により一旦洗浄し、次いで検体試料中の前
記抗体に対する標識抗体を接触させる(場合により、検
体試料と標識抗体を同時に接触させても良い)方法を使
用することができる。前記抗原抗体複合体が形成されて
いると、これにさらに標識抗体が結合し、標識抗体も担
体上に固定化されることになる。その後、担体上に結合
した標識抗体又は結合しない標識抗体上の標識物量を標
識物に応じた測定方法により測定し、その値から検体試
料中における抗トレポネーマ・パリダム抗体の存在又は
その量を求めることができる。なお、本発明において、
「測定」は定量的又は半定量的な測定だけでなく、定性
的な測定(検出等)も意味する。
【0041】担体としては、抗原を固定することができ
るものであれば特に制限されるものではないが、例え
ば、ポリスチレン、塩化ビニール等のプラスチック材
料、セルロース、ニトロセルロース、ナイロン等の繊維
材料、ガラス、シリカゲル等の無機材料、赤血球、リポ
ソーム、ポリビニリデンジフルオライド(PDVF)な
どを用いることができ、その形状は、マイクロタイター
プレート、ビーズ、磁性ビーズ、ペーパーディスク、
膜、糸などのあらゆる形が可能であるが、簡便である点
からポリスチレン製のビーズ又はマイクロタイタープレ
ートを使用することが好ましく、ポリスチレン製のマイ
クロタイタープレートが特に好ましい。前記融合タンパ
ク質を物理的に担体に固定化する方法としては、例え
ば、前記融合タンパク質含有溶液(抗原液)を担体と接
触させ、低温(例えば、4℃)で一晩放置する方法を使
用することができる。また、前記融合タンパク質を化学
的に担体に固定する方法としては、例えば、前記融合タ
ンパク質、表面にカルボキシル基を有する担体及びカル
ボジイミドを混合して放置する方法等を利用することが
できる。
【0042】検体試料としては、例えば、ヒトの各種液
体成分が挙げられるが、検体提供者の臨床像が反映され
る点から、ヒト血液、ヒト涙、ヒト咽頭ぬぐい液又はヒ
ト尿等が好ましく、ヒト血液がより好ましく、その中で
もヒト血清がさらに好ましい。なお、検体試料中の他の
抗体等が担体に非特異的に結合するのを防止するため
に、検体試料の添加前に、牛血清アルブミン等で担体の
表面をブロッキングしておくことが好ましい。洗浄液と
しては、例えば、界面活性剤を含むトリス又はリン酸緩
衝液等を利用することができる。
【0043】標識抗体としては、検体試料中の抗体(例
えば、ヒト抗体)に対する抗体を各種標識物質で標識し
たものが挙げられる。標識される抗体としては、例え
ば、抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgA抗体、抗ヒトIg
M抗体等又はこれらの部分分解物(F(ab′)2、Fa
b等)等が挙げられ、これらは測定対象とする抗体の種
類に応じて適宜使い分けられる。検体提供者の臨床像が
反映される点から、前記検体試料中の抗体に対する標識
抗体を接触させる工程において、一つの検体試料に対し
て、抗体の種類が異なる標識抗体を別々に反応させて測
定することが好ましい。抗体の種類が異なる標識抗体と
しては、例えば、標識化抗ヒトIgG抗体、標識化抗ヒ
トIgA抗体、標識化抗ヒトIgM抗体等が挙げられ
る。
【0044】標識抗体に用いる標識物質としては、例え
ば、酵素、放射性同位元素、蛍光物質、発光物質等が利
用できる。酵素としては、例えば、マレートデヒドロゲ
ナーゼ(酵素番号1.1.1.37)、グルコース−6−リン酸
脱水素酵素(酵素番号1.1.1.49)、グルコースオキシダ
ーゼ(酵素番号1.1.3.4)、西洋ワサビパーオキシダー
ゼ(酵素番号1.11.1.7)、アセチルコリンエステラーゼ
(酵素番号3.1.1.7)、アルカリフォスファターゼ(酵
素番号3.1.3.1)、グルコアミラーゼ(酵素番号3.2.1.
3)、リゾチーム(酵素番号3.2.1.17)、β-ガラクトシ
ダーゼ(酵素番号3.2.1.23)などが挙げられる。蛍光物
質としては、例えば、フルオレセイン(Fluorescine)
等が利用できる。これらの標識物質の中では、感度、安
全性、簡便性等の点から、酵素を用いることが好まし
く、標識物質として酵素を使用する免疫測定法は、通
常、酵素免疫測定法(ELISA法)と呼ばれる。酵素
標識抗体としては、簡易で高感度な測定が可能であるこ
とから、アルカリフォスファターゼ標識抗体又は西洋ワ
サビパーオキシダーゼ標識抗体を用いることが好まし
く、これらの酵素標識抗体は市販されている。なお、抗
体と標識物を結合させるために、抗体と標識物の間にビ
オチン(Biotin)、アビジン(Avidin)、ストレプトア
ビジン(Streptoavidin)、ディゴキシゲニン(Digoxig
enin)等の化学物質を介在させてもよい。
【0045】また、前記融合タンパク質を用い、ラテッ
クス凝集法を利用して抗トレポネーマ・パリダム抗体を
測定する方法としては、例えば、前記融合タンパク質を
物理的又は化学的にラテックス粒子(担体)に固定化し
て固定化抗原を作成し、この固定化抗原を検体試料と接
触させて一定時間保温し、検体試料と固定化抗原の混合
溶液の濁度を測定する方法が挙げられる。固定化抗原を
検体試料と接触させることにより、検体試料中に抗トレ
ポネーマ・パリダム抗体が存在する場合はその抗体が前
記固定化抗原と結合して抗原抗体複合体が形成される。
その際、抗体には抗原と結合する部分が2箇所存在する
ため、抗原抗体複合体が互いに架橋する構造が形成さ
れ、凝集反応が発生する。この反応により、検体試料と
固定化抗原の混合溶液の濁度が増加するので、この濁度
を目視により又は吸収光度計を用いて測定する。なお、
ラテックス凝集法の変法として、ラテックス粒子の代わ
りに、赤血球やリポソーム等の他の各種微粒子を使用す
る方法も利用することができる。
【0046】本発明の融合タンパク質であって、トレポ
ネーマ・パリダム菌に由来する抗原タンパク質を用いて
得られたものは、抗原として、抗トレポネーマ・パリダ
ム抗体の測定用試薬に利用することができる。測定方法
により試薬の構成要素は異なるが、上記各種標識物を用
いた免疫測定法を利用した抗トレポネーマ・パリダム抗
体の測定用試薬としては、例えば、担体に固定された固
定化抗原と、測定しようとする抗体に反応する標識抗体
とが別々に含まれる試薬が挙げられ、また、前記ラテッ
クス凝集法を利用する抗トレポネーマ・パリダム抗体の
測定用試薬としては、例えば、ラテックス粒子(担体)
に固定された固定化抗原が挙げられる。担体や標識抗体
としては前記したものが挙げられる。標識抗体は緩衝液
等に分散させておくことができる。
【0047】前記試薬において、標識抗体としては標識
化抗ヒトIg抗体を使用することができる。標識化抗ヒ
トIg抗体としては、例えば、標識化抗ヒトIgG抗
体、標識化抗ヒトIgA抗体及び標識化抗ヒトIgM抗
体が挙げられる。使用する標識抗体は、一つの検体試料
に対して、これらの抗体のいずれか1種類のみであって
もよいが、検体提供者の臨床像が反映される点から、一
つの検体試料に対して、これらの3種類の標識抗体を使
用することが好ましい。これらの標識抗体は、別々に用
意されていても混合物となっていてもよい。前記試薬に
は、必要に応じてその他の成分が組み合わされる。例え
ば、上記各種標識物を利用した免疫測定法に用いられる
測定試薬の場合、その他の成分としては、例えば、陰性
対照試料、陽性対照試料、洗浄液、標識物質が酵素等の
場合における反応基質、希釈液、増感剤、反応停止液な
どが挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて用いら
れ、試薬の形態としては、例えば、上記成分が必要量同
封されたキット、これらの単品のバルクなどが挙げられ
る。
【0048】また、前記ラテックス凝集法に用いられる
測定試薬の場合、その他の成分としては、例えば、陰性
対照試料、陽性対照試料、洗浄液、増感剤などが挙げら
れる。なお、この増感剤としては、例えば、ウシ血清ア
ルブミンやポリエチレングリコール等が挙げられる。前
記抗トレポネーマ・パリダム抗体の測定用試薬は、梅毒
感染の診断に有効に利用される。また、上記融合タンパ
ク質を有効成分とする梅毒感染診断薬としては、例え
ば、上記試薬をそのまま利用することができる。
【0049】融合タンパク質を抗原として用いる抗トレ
ポネーマ・パリダム抗体の製造法抗トレポネーマ・パリ
ダム抗体は、本発明の融合タンパク質であって、トレポ
ネーマ・パリダム菌に由来する抗原タンパク質を用いて
得られたものを抗原とし、抗血清又は単離された抗トレ
ポネーマ・パリダム抗体として得ることができる。抗血
清を製造する方法としては、例えば、前記抗原でウサギ
やマウス等の動物を免疫し、その血清を取得する方法が
使用できる。また、抗トレポネーマ・パリダム抗体を単
離製造する方法としては、例えば、前記抗原でウサギや
マウス等を免疫し、その脾臓細胞を骨髄腫細胞と融合さ
せてハイブリドーマを作製し、その中から前記抗原を認
識するハイブリドーマを選択し、これを培養し、その培
養上清を取得する方法が使用できる。抗原性を高めるた
め、必要に応じ、前記抗原に適当なキャリアタンパク質
を結合させて免疫原としてもよい。
【0050】免疫時に使用するアジュバントは種々のも
のが利用できるが、フロイントの完全アジュバント(F
CA)やフロイントの不完全アジュバント(FIA)が
好ましい。骨髄腫細胞としては、例えば、P3X63A
g8.653(ATCC(American Type Culture Coll
ection) CRL−1580)やP3/NSI/1−A
g4−1(ATCC TIB−18)を使用することが
できる。また、抗原を免疫する動物としては、ウサギ、
マウス、ラット、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ等が使
用できるが、ここに例示された動物種に限定されるもの
ではない。抗原として本発明の融合タンパク質であっ
て、トレポネーマ・パリダム菌に由来する抗原タンパク
質を用いて得られたものを使用すること以外は、動物を
免疫して抗体を得る公知の一般的手法に従い、抗トレポ
ネーマ・パリダム抗体を製造することができる。抗体と
してはポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体があ
る。なお、これらの抗血清や単離製造された抗トレポネ
ーマ・パリダム抗体は、各種酵素、コロイド等で修飾さ
れてもよい。得られた抗血清や単離製造された抗トレポ
ネーマ・パリダム抗体は、梅毒感染の診断に有効に利用
される。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 トレポネーマ・パリダム菌由来の分子量約4
7Kダルトンの抗原タンパク質及び分子量約17Kダル
トンの抗原タンパク質の融合タンパク質の製造、ウェス
タンブロット法による融合タンパク質の抗原性の検討並
びにELISAによる抗トレポネーマ・パリダム抗体の
測定 (1)トレポネーマ・パリダム菌由来の分子量約47K
ダルトンの抗原タンパク質及び分子量約17Kダルトン
の抗原タンパク質の融合タンパク質を発現する組換えプ
ラスミドの作製 図1に示される手順で組換えプラスミドを作製した。ト
レポネーマ・パリダム菌として、トレポネーマ・パリダ
ム・ニコルス株(Treponema pallidum Nichols strain)
(リー・ラボラトリーズ(Lee Laboratories)社(米国)か
ら購入、商品コード:SPROJ−TPURE)を使用
した。
【0052】前述したエム・ブイ・ノルガードらの文献
に記載された方法に従い、次のようにしてトレポネーマ
・パリダム菌のゲノムDNAを取得した。トレポネーマ
・パリダム菌の菌体5×107個を、1M 塩化ナトリ
ウム、1N 水酸化ナトリウム及び2% SDSを含有
する水溶液に懸濁し、1分間煮沸した。次に、この水溶
液の4倍量の0.5M トリス(pH7.0)を添加して
中和した。さらに、フェノールを添加して水層を取得
し、この水層にエタノールを添加し、遠心分離して沈殿
を取得し、この沈殿を乾燥させた。最後にこの沈殿を滅
菌水に溶解し、トレポネーマ・パリダム菌のゲノムDN
A溶液とした。このゲノムDNA溶液は、後述するPC
R法において鋳型DNAとして使用される。前述したウ
ェイゲルらの文献には、トレポネーマ・パリダム菌由来
の分子量約47Kダルトンの天然の抗原タンパク質をコ
ードするDNAの塩基配列が記載される(配列番号3で
示される塩基配列)。
【0053】この分子量約47Kダルトンの天然の抗原
タンパク質は、トレポネーマ・パリダム菌において次の
ような機構で細胞膜タンパクになると考えられる。ま
ず、トレポネーマ・パリダム菌体内でシグナル配列を含
む前駆体タンパク質(配列番号3で示される塩基配列に
併記される1〜434番目のアミノ酸配列)として合成
され、続いて、菌体内に存在する脂肪酸がこの前駆体タ
ンパク質における20番目のシステイン残基とチオエス
テル結合する。そして、菌体内に存在するシグナルペプ
チダーゼによりこの前駆体タンパク質における1〜19
番目のアミノ酸配列がシグナル配列として除去され、さ
らに、結合した脂肪酸が細胞膜の脂質2分子層中に固定
され、これにより、前駆体タンパク質における20番目
以降のアミノ酸配列(成熟タンパク質)が細胞膜タンパ
ク質として固定される。
【0054】この脂肪酸が抗原タンパク質の分泌発現の
障害となると考えられることから、脂肪酸の結合を防ぐ
目的で、成熟タンパク質のアミノ基末端のシステイン残
基がアラニン残基になるように、アミノ基末端側のプラ
イマーDNAを設計した。このプライマーDNAの塩基
配列は配列番号4で示される。この配列番号4で示され
る塩基配列のうち、4〜9番目の配列は制限酵素Pst
Iの認識部位である。このプライマーDNAをDNA合
成機で化学合成した。これをプライマー47−17−1
とする。一方、配列番号5で示される塩基配列をカルボ
キシル基末端側のプライマーDNAとして設計した。こ
の配列番号5で示される塩基配列のうち、4〜9番目の
配列は制限酵素BglIIの認識部位である。このプライ
マーDNAをDNA合成機で化学合成した。これをプラ
イマー47−17−2とする。
【0055】そして、鋳型DNAとして前記トレポネー
マ・パリダム菌の染色体DNAを用い、水 62μl、
鋳型DNA 1μl、Taqポリメラーゼ緩衝液 10
μl、1.25mM dNTP(dATP、dCTP、
dGTP及びdTTPの等モル混合液) 16μl、2
0pmole/μl プライマー47−17−1の水溶
液 5μl、20pmole/μl プライマー47−
17−2の水溶液 5μl及びTaqポリメラーゼ 1
μl(5unit)を混合し、96℃で0.5分間の加
熱後、94℃で1分間の加熱、54℃で1分間の冷却及
び70℃で1分間の保温からなる工程を1サイクルとし
てこの工程を25サイクル繰返す条件でPCRの操作を
行った。得られた反応液の一部を制限酵素PstI及び
KpnIで消化し、残りを制限酵素KpnIとBglII
でそれぞれ消化し、PstI−KpnI断片(654b
p)とKpnI− BglII断片(593bp)を得
た。
【0056】一方、前述したエイキンスらの文献には、
トレポネーマ・パリダム菌由来の分子量約17Kダルト
ンの天然の抗原タンパク質をコードするDNAの塩基配
列が記載される(配列番号6で示される塩基配列)。そ
こで、配列番号7で示される塩基配列をアミノ基末端側
のプライマーDNAとして設計し、このプライマーDN
AをDNA合成機で化学合成した。これをプライマー4
7−17−3とする。また、配列番号8で示される塩基
配列をカルボキシル基末端側のプライマーDNAとして
設計した。この配列番号8で示される塩基配列のうち、
4〜9番目の配列は制限酵素XhoIの認識部位であ
る。このプライマーDNAをDNA合成機で化学合成し
た。これをプライマー47−17−4とする。そして、
前記鋳型DNA、プライマー47−17−3及びプライ
マー47−17−4を用い、前述した方法と同様にして
PCRの操作を行った。得られたPCR反応液を制限酵
素BglIIとXhoIで消化し、BglII−XhoI断
片(405bp)を得た。
【0057】プラスミドpNH400[ジャーナル・オ
ブ・バクテリオロジー、177巻、745-749頁(1995年)(J.
Bacteriol., Vol.177, p.745-749(1995))に記載]を制
限酵素PstI及びXhoIで消化し、この消化物と、
前記PstI−KpnI断片(654bp)、 Kpn
I− BglII断片(593bp)及びBglII−Xh
oI断片(405bp)を混合し、さらに、Takar
a DNAライゲーションキット(宝酒造(株)製)に含ま
れるA液20μl及びB液5μlを添加し、16℃で3
0分間保温してライゲーション反応を行い、大きさが約
5.8kbpのプラスミドpNH400TP47−17
を構築した。
【0058】(2)プラスミドpNH400TP47−
17を含む形質転換体の作製 電気パルス法を用い、構築したプラスミドをバチルス・
ブレビスHPD31株に導入し、形質転換体(プラスミ
ドpNH400TP47−17を保持するバチルス・ブ
レビスHPD31株)を得た。この形質転換体は、受託
番号FERMBP−5763として工業技術院生命工学
工業技術研究所に寄託されている。
【0059】(3)融合タンパク質の製造 121℃、5分間オートクレーブ滅菌したTMN寒天平
板培地(ペプトン 1%、肉エキス 0.5%、酵母エ
キス 0.2%、グルコース 1%、MgSO4 0.
01%、FeSO4 0.01%、MnSO4 0.00
1%、ZnSO40.0001%、寒天 1.5%、ネ
オマイシン 50μg/mlを含む、pH7.0の培地)に、
プラスミドpNH400TP47−17を保持するバチ
ルス・ブレビスHPD31株を塗抹し、30℃、48時
間培養し、コロニーを形成させた。生じたコロニーを、
TMN液体培地(前記TMN寒天平板培地から寒天を除
いた培地)100mlを入れた500ml容三角フラスコに
接種し、30℃、2日間振盪培養し、培養液を遠心分離
し、上清を取得し、融合タンパク質含有画分とした。
【0060】(4)融合タンパク質含有画分のSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動 前記(3)で得られた培養上清とサンプル処理液(0.
0625M トリス塩酸(pH6.8)、2% SDS、
10% グリセロール、5% 2−メルカプトエタノー
ル及び0.001% ブロモフェノールブルーの混合
液)を等容量でよく混合し、100℃で5分間加熱処理
し、これを検体とした。アクリルアミド濃度10%から
20%のポリアクリルアミドグラジェントゲル(第一化
学薬品社製、商品名:マルチゲル10/20)を用い、
検体10μlをゲルに添加し、泳動緩衝液(250mM
グリシン及び0.1% SDSを含む25mM トリ
ス緩衝液、pH8.3)を用い、電流40mAでSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。なお、試料
泳動レーンは2本使用し、また、分子量マーカーも同時
に泳動させた。
【0061】(5)融合タンパク質の確認 電気泳動終了後、分子量マーカーと試料泳動レーン1本
を含むゲルを切り出し、クーマシーブリリアントブルー
(CBB)で染色操作を行った。その結果、図2に示さ
れるように、分子量約64Kダルトンの位置に青色のバ
ンドが認められ(レーンC)、前記培養上清中に分子量
約64Kダルトンのタンパク質が含まれていることが確
認された。
【0062】(6)ウェスタンブロット法による融合タ
ンパク質の抗原性の検討 一方、残りのゲルを転写用緩衝液(0.02M トリ
ス、0.15M グリシン及び20%エタノールを含む
水溶液)に15分間浸し、平衡化させた。続いて、同様
にして平衡化したニトロセルロース膜(バイオラッド社
製)の上にゲルを載せ、平衡化した濾紙で両面を同じく
挟み、転写装置(バイオラッド社製)に設置し、100
Vの定電圧を1時間かけ、ゲル中に含まれるタンパク質
をニトロセルロース膜上に転写した。転写後、1%牛血
清アルブミン(以下、BSAと略す)溶液(KPL社
製、商品名:BSA希釈/ブロッキング用10倍濃縮
液)にニトロセルロース膜を浸し、4℃で1晩静置し
た。
【0063】得られたニトロセルロース膜を、洗浄用緩
衝液(0.015M トリス、0.2M NaCl、
0.05% Tween20)で10分間洗浄した。そ
の際、2分毎に洗浄用緩衝液を新しいものに取り替え
た。ニトロセルロース膜を各レーン毎に約5mm幅の册状
に切り、溝状の反応容器槽に入れた。血清希釈用緩衝液
(0.015M トリス、0.2M NaCl及び0.
2% BSAを含む水溶液)で100倍に希釈した梅毒
患者血清1mlを反応容器槽に入れ、振とう条件下で2時
間反応させた。反応後、洗浄用緩衝液を用い、ニトロセ
ルロース膜を振とう条件下で35分間洗浄した。その
際、この時洗浄用緩衝液を最初は15分後に1回、その
後は5分毎に3回新しいものに取り替えた。続いてニト
ロセルロース膜を溝状の反応容器槽に入れ、血清希釈用
緩衝液で500倍に希釈したペルオキシダーゼ標識抗ヒ
トIgG抗体(KPL社製)1mlと、振とう条件下で2
時間反応させた。反応後、洗浄用緩衝液を用い、ニトロ
セルロース膜を振とう条件下で35分間洗浄した。この
時洗浄用緩衝液を最初は15分後に1回、その後は5分
毎に3回新しいものに取り替えた。洗浄後、ニトロセル
ロース膜を用時調製したジアミノベンチジン溶液(0.
05M トリス、0.9% NaCl溶液 20ml、3
1% 過酸化水素液32μl、ジアミノベンチジン(溶
液)10mgを含む)に10分間浸した。そして、ニトロ
セルロース膜を蒸留水でよく洗浄し、乾燥させた。
【0064】その結果、図2に示されるように、分子量
約64Kダルトンの位置に褐色のバンドが認められ(レ
ーンW)、梅毒患者血清がトレポネーマ・パリダム菌由
来の分子量約47Kダルトンの抗原タンパク質及び分子
量約17Kダルトンの抗原タンパク質の融合タンパク質
と反応することが確認できた。なお、バンドの濃さから
判断して、融合タンパク質の生産量は約0.2g/(培
養液1リットル)であると考えられる。一方、梅毒患者
血清の代わりに健常人血清を使用して同様な操作を行っ
たが、バンドは認められず、前記融合タンパク質が健常
人血清とは反応しないことが確認できた。
【0065】以上から、本発明で得られたトレポネーマ
・パリダム菌由来の分子量約47Kダルトンの抗原タン
パク質及び分子量約17Kダルトンの抗原タンパク質の
融合タンパク質が梅毒患者血清と特異的に反応すること
が示された。
【0066】(7)ELISAによる抗トレポネーマ・
パリダム抗体の測定 前記(3)で得られた培養上清をゆるやかに撹拌しなが
ら、10%となるように硫酸アンモニウムを添加し、4
℃で一晩撹拌し、さらに37℃で1時間撹拌し、10,
000×gで30分間遠心分離して上清を取得した。得
られた上清に、さらに25%となるように硫酸アンモニ
ウムを添加し、4℃で一晩撹拌し、37℃で1時間撹拌
し、10,000×gで30分間遠心分離して沈殿を取
得した。得られた沈殿を、25%硫酸アンモニウムを含
む50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.6)に懸濁し
て前記条件で遠心分離して沈殿を洗浄し、この洗浄操作
を2回行った。得られた沈殿を少量の緩衝液(1%SD
Sを含む50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.6))
に溶解してタンパク質溶解液を得た。このタンパク質溶
解液を50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.6)で希
釈し、タンパク質濃度が1.25μg/mlでSDS濃度が
0.02%である抗原液を調製し、その100μlをマ
イクロタイタープレートのウェル(くぼみ)に注ぎ、4
℃で一晩静置した。
【0067】抗原液を吸引除去し、ウェルを250μl
の洗浄液(0.05%Tween20及び0.1%Na
3を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS))で2回洗
浄した。続いて、ブロッキング液(KPL(株)製10倍
濃縮ウシ血清アルブミン(BSA)溶液をPBSで2倍
に希釈して得られた溶液)250μlをウェルに注ぎ、
37℃で1時間静置した後、前記ブロッキング液を吸引
除去した。そして、前記洗浄液で200倍に希釈した梅
毒患者血清100μlをウェルに注ぎ、37℃で1時間
静置した後、前記血清を吸引除去し、ウェルを250μ
lの前記洗浄液で3回洗浄した。さらに、アルカリフォ
スファターゼで標識されたヤギ抗ヒトIgGモノクロー
ナル抗体(KPL(株)製)を希釈液(トリス 0.60
6g、MgCl2・H2O20.3mg、NaN3 0.1
g、BSA 5g、Tween20 50μl、ヤギ血
清 0.3ml及びグリセリン 10mlを含む全量10
0mlの水溶液、HClでpH8.0に調整)で1000倍
に希釈した溶液(二次抗体溶液)100μlをウェルに
注ぎ、37℃で1時間静置した後、この二次抗体溶液を
吸引除去し、ウェルを250μlの前記洗浄液で3回洗
浄した。
【0068】最後に、発色試薬(MgCl2・6H2
0.1374g及びジエタノールアミン 141.9ml
を含む全量270mlの水溶液1mlを蒸留水で5倍に希釈
し、基質錠剤(KPL(株)製、p−ニトロフェニルフォ
スフェート10mg含有)1錠を溶解して得られた溶液)
100μlをウェルに注ぎ、室温で10分間放置して発
色反応させた後、3N NaOH 25μlをウェルに
注いで発色反応を停止させ、マイクロプレートリーダー
((株)東ソー製)で405nmの吸光度を測定した。得ら
れた吸光度は2.107であった。これにより、本発明
で得られたトレポネーマ・パリダム菌由来の分子量約4
7Kダルトンの抗原タンパク質及び分子量約17Kダル
トンの抗原タンパク質の融合タンパク質を抗原として用
いたELISAにより、梅毒患者血清中の抗トレポネー
マ・パリダム抗体を測定できることが示された。
【0069】参考例1 トレポネーマ・パリダム菌由来
の分子量約47Kダルトンの抗原タンパク質の改変タン
パク質の製造及びウェスタンブロット法による改変タン
パク質の抗原性の検討 (1)トレポネーマ・パリダム菌由来の分子量約47K
ダルトンの抗原タンパク質の改変タンパク質を発現する
組換えプラスミドの作製 図3に示される手順で組換えプラスミドを作製した。ま
ず、成熟タンパク質のアミノ基末端のシステイン残基が
アラニン残基になるように、アミノ基末端側のプライマ
ーDNAを設計した。このプライマーDNAの塩基配列
は配列番号9で示される。この配列番号9で示される塩
基配列のうち、4〜9番目の配列は制限酵素PstIの
認識部位であり、6〜17番目の配列は、順にアラニ
ン、グリシン、セリン、セリンの各アミノ酸残基に対応
する塩基配列である。このプライマーDNAをDNA合
成機で化学合成した。これをプライマー47−1とす
る。配列番号9で示される塩基配列をアミノ基末端側の
プライマーDNAとして設計し、このプライマーDNA
をDNA合成機で化学合成した。これをプライマー47
−1とする。
【0070】一方、遺伝子中の翻訳終了の遺伝暗号を含
み、かつ、その直後に制限酵素BamHIの認識部位が
出来るように、カルボキシル基末端側のプライマーDN
Aを設計した。このプライマーDNAの塩基配列は配列
番号10で示される。この配列番号10で示される塩基
配列のうち、4〜9番目の配列は制限酵素BamHIの
認識部位であり、10〜12番目の配列は翻訳終了の遺
伝暗号である。このプライマーDNAをDNA合成機で
化学合成した。これをプライマー47−2とする。そし
て、前記鋳型DNA、プライマー47−1及びプライマ
ー47−2を用い、前述した方法と同様にしてPCRの
操作を行った。得られた反応液の一部を制限酵素Pst
I及びKpnIで消化し、残りを制限酵素KpnIとB
amHIでそれぞれ消化し、PstI−KpnI断片
(654bp)とKpnI−BamHI断片(624b
p)を得た。
【0071】実施例1(1)で使用されたプラスミドp
NH400を制限酵素PstI及びBamHIで消化
し、この消化物と、前記PstI−KpnI断片(65
4bp)及びKpnI−BamHI断片(624bp)
を混合し、さらに、Takara DNAライゲーショ
ンキット(宝酒造(株)製)に含まれるA液20μl及びB
液5μlを添加し、16℃で30分間保温してライゲー
ション反応を行い、大きさが約5.4kbpのプラスミ
ドpNH400TP47を構築した。
【0072】(2)プラスミドpNH400TP47を
含む形質転換体の作製 電気パルス法を用い、構築したプラスミドをバチルス・
ブレビスHPD31株に導入し、形質転換体(プラスミ
ドpNH400TP47を保持するバチルス・ブレビス
HPD31株)を得た。この形質転換体は、受託番号F
ERM BP−5642として工業技術院生命工学工業
技術研究所に寄託されている。
【0073】(3)改変タンパク質の製造 形質転換体として前記プラスミドpNH300TP17
を含むバチルス・ブレビスHPD31株を用いた以外は
実施例1(3)と同様の操作を行い、トレポネーマ・パ
リダム菌由来の分子量約47Kダルトンの抗原タンパク
質の改変タンパク質含有画分を取得した。
【0074】(4)改変タンパク質含有画分のSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動 培養上清として上記参考例1(2)で得られたものを使
用した以外は実施例1(4)と同様の操作を行った。
【0075】(5)改変タンパク質の確認 電気泳動終了後、実施例1(5)と同様にして、分子量
マーカーと試料泳動レーン1本を含むゲルを切り出し、
クーマシーブリリアントブルー(CBB)で染色操作を
行った。その結果、図4に示されるように、分子量約4
7Kダルトンの位置に青色のバンドが認められ(レーン
C)、前記培養上清中に分子量約47Kダルトンのタン
パク質が含まれていることが確認された。
【0076】(6)ウェスタンブロット法による改変タ
ンパク質の抗原性の検討 実施例1(6)と同様にしてウェスタンブロットを行っ
た。その結果、図4に示されるように、分子量約47K
ダルトンの位置に褐色のバンドが認められ(レーン
W)、梅毒患者血清がトレポネーマ・パリダム菌由来の
分子量約47Kダルトンの抗原タンパク質の改変タンパ
ク質と反応することが確認できた。なお、バンドの濃さ
から判断して、改変タンパク質の生産量は約1g/(培
養液1リットル)であると考えられる。一方、梅毒患者
血清の代わりに健常人血清を使用して同様な操作を行っ
たが、バンドは認められず、前記改変タンパク質が健常
人血清とは反応しないことが確認できた。これらの結果
は、参考例1(3)で得られたトレポネーマ・パリダム
菌由来の分子量約47Kダルトンの抗原タンパク質の改
変タンパク質が梅毒患者血清と特異的に反応することを
示すものである。
【0077】参考例2 トポネーマ・パリダム菌由来の
分子量約17Kダルトンの抗原タンパク質の改変タンパ
ク質の製造及びウェスタンブロット法による改変タンパ
ク質の抗原性の検討 (1)トレポネーマ・パリダム菌由来の分子量約17K
ダルトンの抗原タンパク質の改変タンパク質を発現する
組換えプラスミドの作製 図5に示される手順で組換えプラスミドを作製した。こ
の分子量約17Kダルトンの抗原タンパク質は、トレポ
ネーマ・パリダム菌において次のような機構で細胞膜タ
ンパクになると考えられる。まず、トレポネーマ・パリ
ダム菌体内でシグナル配列を含む前駆体タンパク質(配
列番号6で示される塩基配列に併記される1〜156番
目のアミノ酸配列)として合成され、続いて、菌体内に
存在する脂肪酸がこの前駆体タンパク質における22番
目のシステイン残基とチオエステル結合する。そして、
菌体内に存在するシグナルペプチダーゼによりこの前駆
体タンパク質における1〜21番目のアミノ酸配列がシ
グナル配列として除去され、さらに、結合した脂肪酸が
細胞膜の脂質2分子層中に固定され、これにより、前駆
体タンパク質における22番目以降のアミノ酸配列(成
熟タンパク質)が細胞膜タンパク質として固定される。
【0078】この脂肪酸が抗原タンパク質の分泌発現の
障害となると考えられることから、脂肪酸の結合を防ぐ
目的で、成熟タンパク質のアミノ基末端のシステイン残
基がアラニン残基になるように、アミノ基末端側のプラ
イマーDNAを設計した。このプライマーDNAの塩基
配列は配列番号13で示される。この配列番号13で示
される塩基配列のうち、4〜8番目の配列は制限酵素P
stIの認識部位であり、6〜14番目の配列は、順に
アラニン、バリン、セリンの各アミノ酸残基に対応する
塩基配列である。このプライマーDNAをDNA合成機
で化学合成した。これをプライマー17−1とする。一
方、遺伝子中の翻訳終了の遺伝暗号を含み、かつ、その
直後に制限酵素HindIIIの認識部位が出来るよう
に、カルボキシル基末端側のプライマーDNAを設計し
た。このプライマーDNAの塩基配列は配列番号14で
示される。この配列番号14で示される塩基配列のう
ち、4〜9番目の配列は制限酵素HindIIIの認識部
位であり、8〜10番目の配列は翻訳終了の遺伝暗号で
ある。このプライマーDNAをDNA合成機で化学合成
した。これをプライマー17−2とする。
【0079】鋳型DNAとして実施例1(1)で取得さ
れた染色体DNAを用い、プライマーDNAとしてプラ
イマー17−1及びプライマー17−2を用い、実施例
1(1)と同様にしてPCRの操作を行った。得られた
PCR反応液を制限酵素HindIIIとPstIで消化
し、HindIII−PstI断片(405bp)を得た
(この断片をH−P断片という)。
【0080】プラスミドpNU210[山形秀夫ら、蛋
白質核酸酵素、37巻、258-268頁(1992年)]10μgを
鋳型DNAとし、このプラスミドに存在するバチルス・
ブレビスの細胞壁タンパク質(MWP)の遺伝子[山形
ら、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー、169巻、124
5-1289頁(1987年)(Yamagata,H., et al, J. Bacterio
l., Vol. 169, p.1245-1289(1987))]のプロモーター
の一部、MWPのシグナル配列及びマルチクローニング
サイトが増幅されるように、配列番号15で示されるア
ミノ基末端側プライマーDNA及び配列番号16で示さ
れるカルボキシル基末端側プライマーDNAを設計し、
これらのプライマーDNAをDNA合成機で合成し、そ
れぞれ、プライマー17−3及びプライマー17−4と
した。次に、鋳型DNAとして前記プラスミドpNU2
10 1μl、水 62μl、Taqポリメラーゼ緩衝
液 10μl、1.25mM dNTP(dATP、d
CTP、dGTP及びdTTPの等モル混合液) 16
μl、20pmole/μl プライマー17−3の水
溶液 5μl、20pmole/μl プライマー17
−4の水溶液 5μl及びTaqポリメラーゼ 1μl
(5unit)を混合し、96℃で0.5分間の加熱
後、94℃で1分間の加熱、54℃で1分間の冷却及び
70℃で1分間の保温からなる工程を1サイクルとして
この工程を25サイクル繰返す条件でPCRの操作を行
い、得られたPCR反応液を制限酵素SmaIとEco
RIで消化した。
【0081】一方、プラスミドpUB110((株)宝酒
造製)を制限酵素EcoRIとPvuIIで消化し、この
消化物と前記制限酵素SmaIとEcoRIの消化物を
混合し、 Takara DNAライゲーションキット
(宝酒造(株)製)に含まれるA液20μl及びB液5μl
を添加し、16℃で30分間保温してライゲーション反
応を行ってプラスミドpNH300を取得し、さらに、
このプラスミドpNH300を制限酵素HindIIIと
PstIで消化した。この消化物を、前記H−P断片と
混合し、前記キットを用いて同様にライゲーション反応
を行い、大きさが約4.2kbpのプラスミドpNH3
00TP17を構築した。
【0082】(2)プラスミドpNH300TP17を
含む形質転換体の作製 電気パルス法を用い、構築したプラスミドをバチルス・
ブレビスHPD31株に導入し、形質転換体(プラスミ
ドpNH300TP17を含むバチルス・ブレビスHP
D31株)得た。この形質転換体は、受託番号FERM
BP−5641として工業技術院生命工学工業技術研
究所に寄託されている。
【0083】(3)改変タンパク質の製造 形質転換体として前記プラスミドpNH300TP17
を含むバチルス・ブレビスHPD31株を用いた以外は
実施例1(3)と同様の操作を行い、トレポネーマ・パ
リダム菌由来の分子量約17Kダルトンの抗原タンパク
質の改変タンパク質含有画分を取得した。
【0084】(4)改変タンパク質含有画分のSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動 培養上清として上記参考例2(2)で得られたものを使
用した以外は実施例1(4)と同様の操作を行った。
【0085】(5)改変タンパク質の確認 電気泳動終了後、実施例1(5)と同様にして、分子量
マーカーと試料泳動レーン1本を含むゲルを切り出し、
クーマシーブリリアントブルー(CBB)で染色操作を
行った。その結果、図6に示されるように、分子量約1
7Kダルトンの位置に青色のバンドが認められ(レーン
C)、前記培養上清中に分子量約17Kダルトンのタン
パク質が含まれていることが確認された。
【0086】(6)ウェスタンブロット法による改変タ
ンパク質の抗原性の検討 実施例1(6)と同様にしてウェスタンブロットを行っ
た。その結果、図6に示されるように、分子量約17K
ダルトンの位置に褐色のバンドが認められ(レーン
W)、梅毒患者血清がトレポネーマ・パリダム菌由来の
分子量約17Kダルトンの抗原タンパク質の改変タンパ
ク質と反応することが確認できた。なお、バンドの濃さ
から判断して、改変タンパク質の生産量は約1g/(培
養液1リットル)であると考えられる。一方、梅毒患者
血清の代わりに健常人血清を使用して同様な操作を行っ
たが、バンドは認められず、前記改変タンパク質が健常
人血清とは反応しないことが確認できた。
【0087】参考例3 トレポネーマ・パリダム菌由来
の分子量約47Kダルトンの抗原タンパク質の改変タン
パク質及び分子量約17Kダルトンの抗原タンパク質の
改変タンパク質の混合物を用いた、ELISAによる抗
トレポネーマ・パリダム抗体の測定 参考例1(3)で得られた培養上清をゆるやかに撹拌し
ながら、25%となるように硫酸アンモニウムを添加
し、4℃で一晩撹拌し、さらに37℃で1時間撹拌し、
10,000×gで30分間遠心分離して沈殿を取得し
た。得られた沈殿を、25%硫酸アンモニウムを含む5
0mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.6)に懸濁して前
記条件で遠心分離して沈殿を洗浄し、この洗浄操作を2
回行った。得られた沈殿を少量の緩衝液(1%SDSを
含む50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.6))に溶
解してタンパク質溶解液を得た。一方、参考例2(3)
で得られた培養上清を陽イオンカラムクロマトグラフィ
ーで分画し、前記ウェスタンブロットを用いて分子量約
17Kダルトンの抗原タンパク質の改変タンパク質含有
画分を取得した。
【0088】これらのタンパク質溶解液と改変タンパク
質含有画分を混合し、液中に含まれるタンパク質のモル
数を実施例1(7)で使用された抗原液の場合と合わ
せ、1%SDSを含む50mM トリス−塩酸緩衝液
(pH8.6)を用いてタンパク質濃度が1.25μg/ml
でSDS濃度が0.02%である抗原液を調製した。そ
して、実施例1(7)と同様の操作を行い、発色反応後
の反応液の405nmの吸光度を測定した。得られた吸光
度は0.925であった。
【0089】実施例1(7)及び参考例3の結果から明
らかなように、抗原として分子量約47Kダルトンの抗
原タンパク質の改変タンパク質及び分子量約17Kダル
トンの抗原タンパク質の改変タンパク質の混合物を用い
た場合のELISAの測定値が0.925であったのに
対し、抗原として分子量約47Kダルトンの抗原タンパ
ク質及び分子量約17Kダルトンの抗原タンパク質の融
合タンパク質を用いた場合のELISAの測定値は2.
107であり、著しく高かった。このことから、実施例
1で得られた本発明の融合タンパク質は、トレポネーマ
・パリダム菌由来のそれぞれの抗原タンパク質の混合物
と比べ、極めて高い抗原性を有することが示された。
【0090】実施例2 融合タンパク質を抗原として用
いる抗トレポネーマ・パリダム抗体の製造 抗トレポネーマ・パリダム抗体は、本発明の融合タンパ
ク質を抗原として用い、例えば、次のようにして製造さ
れる。 (A)骨髄腫細胞株の培養及び継代 骨髄腫細胞株はP3X63Ag8.653(ATCC
CRL−1580)を10%(v/v)牛胎児血清を含
むRPMI1640培地で培養し、37℃、5%(v/
v)CO2存在下で継代する。細胞融合に供する2週間
前に、0.13mMの8−アザグアニン、0.5μg/ml
のMC−210(マイコプラズマ除去剤、大日本製薬
(株)製)及び10%(v/v)牛胎児血清を含むRPM
I1640培地で1週間培養し、その後の1週間は通常
の培地で培養する。
【0091】(B)マウスの免疫 タンパク質の濃度が270μg/mlの本発明の融合タンパ
ク質の懸濁液200μlを、12000rpmで10分間
遠心分離し、沈殿に200μlのPBSを加え、再懸濁
する。これに200μlのフロイントコンプリートアジ
ュバントを加え、エマルジョンとし、その150μlを
マウスの背中の皮下に注射する(この日を0日目とす
る)。14日目、34日目及び49日目に、タンパク質
の濃度が270μg/mlの上記融合タンパク質の懸濁液1
00μlをマウスの腹腔内に注射し、更に、69日目に
タンパク質の濃度が800μg/mlの上記融合タンパク質
の懸濁液50μl、92日目に同懸濁液100μlをマ
ウスの腹腔内に注射し、95日目に脾臓を取り出し、細
胞融合に供する。
【0092】(C)細胞融合 上記脾臓から得られる脾細胞108個に対して骨髄腫細
胞107個を丸底ガラスチューブにとり、よく混合し、
1400rpmで5分間遠心分離し、上清を除去し、細胞
を更によく混合する。予め37℃に保温してある30%
(w/v)ポリエチレングリコールを含むRPMI16
40培地0.4mlを加え、30秒間放置する。700rp
mで6分間遠心分離した後、RPMI1640培地10m
lを加え、ポリエチレングリコールがよく混ざるように
ガラスチューブをゆっくり回転させ、1400rpmで5
分間遠心分離し、上清を完全に除去し、沈殿に5mlのH
AT培地を加え、5分間放置する。更に10〜20mlの
HAT培地を加え、30分間放置し、骨髄腫細胞濃度が
3.3×105/mlとなるようにHAT培地を加えて細胞
を懸濁させ、パスツールピペットを用い96ウェルプラ
スチック製培養容器のウェルに2滴ずつ分注する。5%
(v/v)炭酸ガス雰囲気下、36℃で培養し、1日
後、7日後及び14日後にウェルにHAT培地を1〜2
滴加える。
【0093】(D)抗体生産細胞のスクリーニング 上記融合タンパク質をタンパク質濃度が1〜10μg/ml
となるように0.02%(w/v)アジ化ソーダ含有
0.05M重炭酸ソーダ緩衝液(pH9.6)に懸濁し、
0.02%アジ化ソーダ含有0.05M重炭酸ソーダ緩
衝液(pH9.6)に対して透析し、その後、タンパク質
濃度が1〜10μg/mlとなるように希釈した液を、塩化
ビニル製96ウェルEIA用プレートのウェルに50μ
lとり、4℃で一晩放置し、抗原を吸着させる。上澄み
を除去し、ウェルに0.02%(w/v)ツィーン20
を含むPBS150μlを加え、3分間放置し、その後
除去・洗浄する。洗浄操作を更に1回行なった後、ウェ
ルに1%(v/v)牛血清アルブミンを含むPBS10
0μlを加え、4℃で一晩以上放置し、ブロッキングを
行なう。牛血清アルブミンを含むPBSを除いた後、
0.02%(w/v)ツィーン20を含むPBSで同様
に2回洗浄後、ウェルに融合細胞の培養上清を50μl
加え、室温で2時間放置する。0.02%(w/v)ツ
ィーン20を含むPBSで同様に3回洗浄後、ウェルに
25ng/mlのペルオキシダーゼ標識化ヤギ抗マウスIg
G抗体を50μl加え、室温で2時間放置する。0.0
2%(w/v)ツィーン20を含むPBSで同様に3回
洗浄後、ウェルにABTS溶液(KPL社製)を50μ
l加え、室温で15分〜1時間放置して発色反応させ、
96ウエルEIAプレート用光度計で405nmの吸光度
を測定する。そして陽性のウエル中の細胞をそれぞれパ
スツールピペットで回収し、24ウェルプラスチック製
培養容器に移し、HAT培地1〜2mlを加え、同様に培
養する。
【0094】(E)限界希釈法によるクローニング 24ウェルプラスチック製培養容器で増殖させた2株の
融合細胞の細胞濃度を測定し、細胞数が20個/mlとな
るようそれぞれをHT培地で希釈する。別にHT培地に
懸濁した4〜6週齢のマウス胸腺細胞を96ウェルプラ
スチック製培養容器に1〜2×105個/ウェルとり、こ
れに上記の融合細胞(細胞濃度が20個/ml)を50μl
/ウェルずつ加え、5%(v/v)炭酸ガス雰囲気下、
36℃で培養し、その1日後、7日後及び14日後にH
T培地を1〜2滴/ウェル加える。細胞の増殖が見られ
たウェルの培養上清を50μl回収し、上記(D)の
「抗体生産細胞のスクリーニング」と同様の方法で抗体
の生産を確認する。ウェル中に単一の細胞コロニーしか
存在せず、本発明の融合タンパク質と反応する抗体を生
産するもので、かつ増殖が早い細胞をウェルから回収
し、引き続き24ウェルプラスチック製培養容器で増殖
させる。更に、同様のクローニング操作を繰り返し、抗
トレポネーマ・パリダム抗体を産生するハイブリドーマ
を取得する。これを培養し、その培養上清から抗トレポ
ネーマ・パリダム抗体を製造する。
【0095】
【発明の効果】請求項1記載の融合タンパク質は、各種
微生物の抗原としての優れた抗原性を有する。請求項2
及び3記載の融合タンパク質は、請求項1記載の融合タ
ンパク質の効果を奏し、さらに、微生物からの分泌が可
能である。請求項4記載の融合タンパク質は、請求項1
〜3のいずれかに記載の融合タンパク質の効果を奏し、
さらに、トレポネーマ・パリダム抗原としての優れた抗
原性を有する。請求項5記載の融合タンパク質は、請求
項1〜4のいずれかに記載の融合タンパク質の効果を奏
し、さらに、トレポネーマ・パリダム特異的抗原として
の優れた抗原性を有する。請求項6記載の融合タンパク
質は、請求項1〜5のいずれかに記載の融合タンパク質
の効果を奏し、さらに、トレポネーマ・パリダム特異的
抗原として極めて優れた抗原性を有する。
【0096】請求項7記載のDNAは、各種微生物の抗
原としての優れた抗原性を有する融合タンパク質の製造
に有用である。請求項8記載のDNAは、請求項7記載
のDNAの効果を奏し、さらに、トレポネーマ・パリダ
ム特異的抗原として極めて優れた抗原性を有する融合タ
ンパク質の製造に有用である。請求項9記載の組換えベ
クターは、各種微生物の抗原としての優れた抗原性を有
する融合タンパク質の製造に有用である。請求項10記
載の形質転換体は、各種微生物の抗原としての優れた抗
原性を有する融合タンパク質の製造に有用である。請求
項11記載の形質転換体は、請求項10記載の形質転換
体の効果を奏し、さらに、トレポネーマ・パリダム特異
的抗原として極めて優れた抗原性を有する融合タンパク
質の製造に有用である。
【0097】請求項12及び13記載の融合タンパク質
の製造法は、各種微生物の抗原としての優れた抗原性を
有する融合タンパク質の製造に有用である。請求項14
記載の抗トレポネーマ・パリダム抗体の測定法は、梅毒
感染の診断に有用である。請求項15記載の抗トレポネ
ーマ・パリダム抗体の測定用試薬は、梅毒感染の診断に
有用である。請求項16記載の梅毒感染の診断薬は、梅
毒感染の診断に有用である。請求項17記載の抗トレポ
ネーマ・パリダム抗体の製造法は、梅毒感染の診断に有
用な抗トレポネーマ・パリダム抗体の製造に好適であ
る。
【0098】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:551 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Ala Gly Ser Ser His His Glu Thr His Tyr Gly Tyr Ala Thr Leu Ser 1 5 10 15 Tyr Ala Asp Tyr Trp Ala Gly Glu Leu Gly Gln Ser Arg Asp Val Leu 20 25 30 Leu Ala Gly Asn Ala Glu Ala Asp Arg Ala Gly Asp Leu Asp Ala Gly 35 40 45 Met Phe Asp Ala Val Ser Arg Ala Thr His Gly His Gly Ala Phe Arg 50 55 60 Gln Gln Phe Gln Tyr Ala Val Glu Val Leu Gly Glu Lys Val Leu Ser 65 70 75 80 Lys Gln Glu Thr Glu Asp Ser Arg Gly Arg Lys Lys Trp Glu Tyr Glu 85 90 95 Thr Asp Pro Ser Val Thr Lys Met Val Arg Ala Ser Ala Ser Phe Gln 100 105 110 Asp Leu Gly Glu Asp Gly Glu Ile Lys Phe Glu Ala Val Glu Gly Ala 115 120 125 Val Ala Leu Ala Asp Arg Ala Ser Ser Phe Met Val Asp Ser Glu Glu 130 135 140 Tyr Lys Ile Thr Asn Val Lys Val His Gly Met Lys Phe Val Pro Val 145 150 155 160 Ala Val Pro His Glu Leu Lys Gly Ile Ala Lys Glu Lys Phe His Phe 165 170 175 Val Glu Asp Ser Arg Val Thr Glu Asn Thr Asn Gly Leu Lys Thr Met 180 185 190 Leu Thr Glu Asp Ser Phe Ser Ala Arg Lys Val Ser Ser Met Glu Ser 195 200 205 Pro His Asp Leu Val Val Asp Thr Val Gly Thr Val Tyr His Ser Arg 210 215 220 Phe Gly Ser Asp Ala Glu Ala Ser Val Met Leu Lys Arg Ala Asp Gly 225 230 235 240 Ser Glu Leu Ser His Arg Glu Phe Ile Asp Tyr Val Met Asn Phe Asn 245 250 255 Thr Val Arg Tyr Asp Tyr Tyr Gly Asp Asp Ala Ser Tyr Thr Asn Leu 260 265 270 Met Ala Ser Tyr Gly Thr Lys His Ser Ala Asp Ser Trp Trp Lys Thr 275 280 285 Gly Arg Val Pro Arg Ile Ser Cys Gly Ile Asn Tyr Gly Phe Asp Arg 290 295 300 Phe Lys Gly Ser Gly Pro Gly Tyr Tyr Arg Leu Thr Leu Ile Ala Asn 305 310 315 320 Gly Tyr Arg Asp Val Val Ala Asp Val Arg Phe Leu Pro Lys Tyr Glu 325 330 335 Gly Asn Ile Asp Ile Gly Leu Lys Gly Lys Val Leu Thr Ile Gly Gly 340 345 350 Ala Asp Ala Glu Thr Leu Met Asp Ala Ala Val Asp Val Phe Ala Asp 355 360 365 Gly Gln Pro Lys Leu Val Ser Asp Gln Ala Val Ser Leu Gly Gln Asn 370 375 380 Val Leu Ser Ala Asp Phe Thr Pro Gly Thr Glu Tyr Thr Val Glu Val 385 390 395 400 Arg Phe Lys Glu Phe Gly Ser Val Arg Ala Lys Val Val Ala Gln Ile 405 410 415 Cys Val Ser Cys Thr Thr Val Cys Pro His Ala Gly Lys Ala Lys Ala 420 425 430 Glu Lys Val Glu Cys Ala Leu Lys Gly Gly Ile Phe Arg Gly Thr Leu 435 440 445 Pro Ala Ala Asp Cys Pro Gly Ile Asp Thr Thr Val Ser Ser Thr Arg 450 455 460 Met Ala Leu Arg Lys Arg Tyr Glu Leu Ala Leu Glu Lys Lys Ser Ala 465 470 475 480 Pro Ser Pro Leu Thr Tyr Arg Gly Thr Trp Met Val Arg Glu Asp Gly 485 490 495 Ile Val Glu Leu Ser Leu Val Ser Ser Glu Gln Ser Lys Ala Pro His 500 505 510 Glu Lys Glu Leu Tyr Glu Leu Ile Asp Ser Asn Ser Val Arg Tyr Met 515 520 525 Gly Ala Pro Gly Ala Gly Lys Pro Ser Lys Glu Met Ala Pro Phe Tyr 530 535 540 Val Leu Lys Lys Thr Lys Lys 545 550 551
【0099】配列番号:2 配列の長さ:1664 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTGCAGGCTC GTCTCATCAT GAGACGCACT ATGGCTATGC GACGCTAAGC TATGCGGACT 60 ACTGGGCCGG GGAGTTGGGG CAGAGTAGGG ACGTGCTTTT GGCGGGTAAT GCCGAGGCGG 120 ACCGCGCGGG GGATCTCGAC GCAGGCATGT TCGATGCAGT TTCTCGCGCA ACCCACGGGC 180 ATGGCGCGTT CCGTCAGCAA TTTCAGTACG CGGTTGAGGT ATTGGGCGAA AAGGTTCTCT 240 CGAAGCAGGA GACCGAAGAC AGCAGGGGAA GAAAAAAGTG GGAGTACGAG ACTGACCCAA 300 GCGTTACTAA GATGGTGCGT GCCTCTGCGT CATTTCAGGA TTTGGGAGAG GACGGGGAGA 360 TTAAGTTTGA AGCAGTCGAG GGTGCAGTAG CGTTGGCGGA TCGCGCGAGT TCCTTCATGG 420 TTGACAGCGA GGAATACAAG ATTACGAACG TAAAGGTTCA CGGTATGAAG TTTGTCCCAG 480 TTGCGGTTCC TCATGAATTA AAAGGGATTG CAAAGGAGAA GTTTCACTTC GTGGAAGACT 540 CCCGCGTTAC GGAGAATACC AACGGCCTTA AGACAATGCT CACTGAGGAT AGTTTTTCTG 600 CACGTAAGGT AAGCAGCATG GAGAGCCCGC ACGACCTTGT GGTAGACACG GTGGGTACCG 660 TCTACCACAG CCGTTTTGGT TCGGACGCAG AGGCTTCTGT GATGCTGAAA AGGGCTGATG 720 GCTCTGAGCT GTCGCACCGT GAGTTCATCG ACTATGTGAT GAACTTCAAC ACGGTCCGCT 780 ACGACTACTA CGGTGATGAC GCGAGCTACA CCAATCTGAT GGCGAGTTAT GGCACCAAGC 840 ACTCTGCTGA CTCCTGGTGG AAGACAGGAA GAGTGCCCCG CATTTCGTGT GGTATCAACT 900 ATGGGTTCGA TCGGTTTAAA GGTTCAGGGC CGGGATACTA CAGGCTGACT TTGATTGCGA 960 ACGGGTATAG GGACGTAGTT GCTGATGTGC GCTTCCTTCC CAAGTACGAG GGGAACATCG 1020 ATATTGGGTT GAAGGGGAAG GTGCTGACCA TAGGGGGCGC GGACGCGGAG ACTCTGATGG 1080 ATGCTGCAGT TGACGTGTTT GCCGATGGAC AGCCTAAGCT TGTCAGCGAT CAAGCGGTGA 1140 GCTTGGGGCA GAATGTCCTC TCTGCGGATT TCACTCCCGG CACTGAGTAC ACGGTTGAGG 1200 TTAGGTTCAA GGAATTCGGT TCTGTGCGTG CGAAGGTAGT GGCCCAGATC TGTGTCTCGT 1260 GCACAACCGT GTGTCCGCAC GCCGGGAAGG CCAAAGCGGA AAAGGTAGAG TGCGCGTTGA 1320 AGGGAGGTAT CTTTCGGGGT ACGCTACCTG CGGCCGATTG CCCGGGAATC GATACGACTG 1380 TGAGTTCAAC GCGGATGGCA CTGCGCAAAA GGTACGAGCT TGCCCTTGAG AAGAAGTCGG 1440 CACCTTCTCC TCTTACCTAT CGCGGTACGT GGATGGTACG TGAAGACGGA ATTGTCGAAC 1500 TCTCGCTTGT GTCCTCGGAG CAATCGAAGG CACCGCACGA GAAAGAGCTG TACGAGCTGA 1560 TAGACAGTAA CTCCGTTCGC TACATGGGCG CTCCCGGCGC AGGAAAGCCT TCAAAGGAGA 1620 TGGCGCCGTT TTACGTGCTC AAAAAAACAA AGAAATAGCT CGAG 1664
【0100】配列番号:3 配列の長さ:1332 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列 GTG AAA GTG AAA TAC GCA CTA CTT TCT GCC GGA GCG CTG CAG TTG TTG 48 Val Lys Val Lys Tyr Ala Leu Leu Ser Ala Gly Ala Leu Gln Leu Leu 1 5 10 15 GTT GTA GGC TGT GGC TCG TCT CAT CAT GAG ACG CAC TAT GGC TAT GCG 96 Val Val Gly Cys Gly Ser Ser His His Glu Thr His Tyr Gly Tyr Ala 20 25 30 ACG CTA AGC TAT GCG GAC TAC TGG GCC GGG GAG TTG GGG CAG AGT AGG 144 Thr Leu Ser Tyr Ala Asp Tyr Trp Ala Gly Glu Leu Gly Gln Ser Arg 35 40 45 GAC GTG CTT TTG GCG GGT AAT GCC GAG GCG GAC CGC GCG GGG GAT CTC 192 Asp Val Leu Leu Ala Gly Asn Ala Glu Ala Asp Arg Ala Gly Asp Leu 50 55 60 GAC GCA GGC ATG TTC GAT GCA GTT TCT CGC GCA ACC CAC GGG CAT GGC 240 Asp Ala Gly Met Phe Asp Ala Val Ser Arg Ala Thr His Gly His Gly 65 70 75 80 GCG TTC CGT CAG CAA TTT CAG TAC GCG GTT GAG GTA TTG GGC GAA AAG 288 Ala Phe Arg Gln Gln Phe Gln Tyr Ala Val Glu Val Leu Gly Glu Lys 85 90 95 GTT CTC TCG AAG CAG GAG ACC GAA GAC AGC AGG GGA AGA AAA AAG TGG 336 Val Leu Ser Lys Gln Glu Thr Glu Asp Ser Arg Gly Arg Lys Lys Trp 100 105 110 GAG TAC GAG ACT GAC CCA AGC GTT ACT AAG ATG GTG CGT GCC TCT GCG 384 Glu Tyr Glu Thr Asp Pro Ser Val Thr Lys Met Val Arg Ala Ser Ala 115 120 125 TCA TTT CAG GAT TTG GGA GAG GAC GGG GAG ATT AAG TTT GAA GCA GTC 432 Ser Phe Gln Asp Leu Gly Glu Asp Gly Glu Ile Lys Phe Glu Ala Val 130 135 140 GAG GGT GCA GTA GCG TTG GCG GAT CGC GCG AGT TCC TTC ATG GTT GAC 480 Glu Gly Ala Val Ala Leu Ala Asp Arg Ala Ser Ser Phe Met Val Asp 145 150 155 160 AGC GAG GAA TAC AAG ATT ACG AAC GTA AAG GTT CAC GGT ATG AAG TTT 528 Ser Glu Glu Tyr Lys Ile Thr Asn Val Lys Val His Gly Met Lys Phe 165 170 175 GTC CCA GTT GCG GTT CCT CAT GAA TTA AAA GGG ATT GCA AAG GAG AAG 576 Val Pro Val Ala Val Pro His Glu Leu Lys Gly Ile Ala Lys Glu Lys 180 185 190 TTT CAC TTC GTG GAA GAC TCC CGC GTT ACG GAG AAT ACC AAC GGC CTT 624 Phe His Phe Val Glu Asp Ser Arg Val Thr Glu Asn Thr Asn Gly Leu 195 200 205 AAG ACA ATG CTC ACT GAG GAT AGT TTT TCT GCA CGT AAG GTA AGC AGC 672 Lys Thr Met Leu Thr Glu Asp Ser Phe Ser Ala Arg Lys Val Ser Ser 210 215 220 ATG GAG AGC CCG CAC GAC CTT GTG GTA GAC ACG GTG GGT ACC GTC TAC 720 Met Glu Ser Pro His Asp Leu Val Val Asp Thr Val Gly Thr Val Tyr 225 230 235 240 CAC AGC CGT TTT GGT TCG GAC GCA GAG GCT TCT GTG ATG CTG AAA AGG 768 His Ser Arg Phe Gly Ser Asp Ala Glu Ala Ser Val Met Leu Lys Arg 245 250 255 GCT GAT GGC TCT GAG CTG TCG CAC CGT GAG TTC ATC GAC TAT GTG ATG 816 Ala Asp Gly Ser Glu Leu Ser His Arg Glu Phe Ile Asp Tyr Val Met 260 265 270 AAC TTC AAC ACG GTC CGC TAC GAC TAC TAC GGT GAT GAC GCG AGC TAC 864 Asn Phe Asn Thr Val Arg Tyr Asp Tyr Tyr Gly Asp Asp Ala Ser Tyr 275 280 285 ACC AAT CTG ATG GCG AGT TAT GGC ACC AAG CAC TCT GCT GAC TCC TGG 912 Thr Asn Leu Met Ala Ser Tyr Gly Thr Lys His Ser Ala Asp Ser Trp 290 295 300 TGG AAG ACA GGA AGA GTG CCC CGC ATT TCG TGT GGT ATC AAC TAT GGG 960 Trp Lys Thr Gly Arg Val Pro Arg Ile Ser Cys Gly Ile Asn Tyr Gly 305 310 315 320 TTC GAT CGG TTT AAA GGT TCA GGG CCG GGA TAC TAC AGG CTG ACT TTG 1008 Phe Asp Arg Phe Lys Gly Ser Gly Pro Gly Tyr Tyr Arg Leu Thr Leu 325 330 335 ATT GCG AAC GGG TAT AGG GAC GTA GTT GCT GAT GTG CGC TTC CTT CCC 1056 Ile Ala Asn Gly Tyr Arg Asp Val Val Ala Asp Val Arg Phe Leu Pro 340 345 350 AAG TAC GAG GGG AAC ATC GAT ATT GGG TTG AAG GGG AAG GTG CTG ACC 1104 Lys Tyr Glu Gly Asn Ile Asp Ile Gly Leu Lys Gly Lys Val Leu Thr 355 360 365 ATA GGG GGC GCG GAC GCG GAG ACT CTG ATG GAT GCT GCA GTT GAC GTG 1152 Ile Gly Gly Ala Asp Ala Glu Thr Leu Met Asp Ala Ala Val Asp Val 370 375 380 TTT GCC GAT GGA CAG CCT AAG CTT GTC AGC GAT CAA GCG GTG AGC TTG 1200 Phe Ala Asp Gly Gln Pro Lys Leu Val Ser Asp Gln Ala Val Ser Leu 385 390 395 400 GGG CAG AAT GTC CTC TCT GCG GAT TTC ACT CCC GGC ACT GAG TAC ACG 1248 Gly Gln Asn Val Leu Ser Ala Asp Phe Thr Pro Gly Thr Glu Tyr Thr 405 410 415 GTT GAG GTT AGG TTC AAG GAA TTC GGT TCT GTG CGT GCG AAG GTA GTG 1296 Val Glu Val Arg Phe Lys Glu Phe Gly Ser Val Arg Ala Lys Val Val 420 425 430 GCC CAG TAG AAG AGG GGT GTC CTA TCC CGT GTG TCT 1332 Ala Gln End Lys Arg Gly Val Leu Ser Arg Val Ser 435 440 444
【0101】配列番号:4 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TAGCTGCAGG CTCGTCTCAT CATGAGACGC ACTATG 36
【0102】配列番号:5 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAAAGATCTT TAAGACACAC GGGATAGGAC ACCCCT 36
【0103】配列番号:6 配列の長さ:468 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列 ATG AAA GGA TCT GTC CGC GCG CTG TGC GCG TTC CTT GGT GTT GGA GCG 48 Met Lys Gly Ser Val Arg Ala Leu Cys Ala Phe Leu Gly Val Gly Ala 1 5 10 15 CTC GGT AGC GCT TTG TGT GTC TCG TGC ACA ACC GTG TGT CCG CAC GCC 96 Leu Gly Ser Ala Leu Cys Val Ser Cys Thr Thr Val Cys Pro His Ala 20 25 30 GGG AAG GCC AAA GCG GAA AAG GTA GAG TGC GCG TTG AAG GGA GGT ATC 144 Gly Lys Ala Lys Ala Glu Lys Val Glu Cys Ala Leu Lys Gly Gly Ile 35 40 45 TTT CGG GGT ACG CTA CCT GCG GCC GAT TGC CCG GGA ATC GAT ACG ACT 192 Phe Arg Gly Thr Leu Pro Ala Ala Asp Cys Pro Gly Ile Asp Thr Thr 50 55 60 GTG ACG TTC AAC GCG GAT GGC ACT GCG CAA AAG GTA GAG CTT GCC CTT 240 Val Thr Phe Asn Ala Asp Gly Thr Ala Gln Lys Val Glu Leu Ala Leu 65 70 75 80 GAG AAG AAG TCG GCA CCT TCT CCT CTT ACC TAT CGC GGT ACG TGG ATG 288 Glu Lys Lys Ser Ala Pro Ser Pro Leu Thr Tyr Arg Gly Thr Trp Met 85 90 95 GTA CGT GAA GAC GGA ATT GTC GAA CTC TCG CTT GTG TCC TCG GAG CAA 336 Val Arg Glu Asp Gly Ile Val Glu Leu Ser Leu Val Ser Ser Glu Gln 100 105 110 TCG AAG GCA CCG CAC GAG AAA GAG CTG TAC GAG CTG ATA GAC AGT AAC 384 Ser Lys Ala Pro His Glu Lys Glu Leu Tyr Glu Leu Ile Asp Ser Asn 115 120 125 TCC GTT CGC TAC ATG GGC GCT CCC GGC GCA GGA AAG CCT TCA AAG GAG 432 Ser Val Arg Tyr Met Gly Ala Pro Gly Ala Gly Lys Pro Ser Lys Glu 130 135 140 ATG GCG CCG TTT TAC GTG CTC AAA AAA ACA AAG AAA 468 Met Ala Pro Phe Tyr Val Leu Lys Lys Thr Lys Lys 145 150 155 156
【0104】配列番号:7 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAAAGATCTG TGTCTTCGTG CACAACCGTG 30
【0105】配列番号:8 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAACTCGAGC TATTTCTTTG TTTTTTTGAG CAC 33
【0106】配列番号:9 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TAGCTGCAGG CTCGTCTCAT CATGAGACGC ACTATG 36
【0107】配列番号:10 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAAGGATCCT TAAGACACAC GGGATAGGAC ACCCCT 36
【0108】配列番号:11 配列の長さ:415 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Ala Gly Ser Ser His His Glu Thr His Tyr Gly Tyr Ala Thr Leu Ser 1 5 10 15 Tyr Ala Asp Tyr Trp Ala Gly Glu Leu Gly Gln Ser Arg Asp Val Leu 20 25 30 Leu Ala Gly Asn Ala Glu Ala Asp Arg Ala Gly Asp Leu Asp Ala Gly 35 40 45 Met Phe Asp Ala Val Ser Arg Ala Thr His Gly His Gly Ala Phe Arg 50 55 60 Gln Gln Phe Gln Tyr Ala Val Glu Val Leu Gly Glu Lys Val Leu Ser 65 70 75 80 Lys Gln Glu Thr Glu Asp Ser Arg Gly Arg Lys Lys Trp Glu Tyr Glu 85 90 95 Thr Asp Pro Ser Val Thr Lys Met Val Arg Ala Ser Ala Ser Phe Gln 100 105 110 Asp Leu Gly Glu Asp Gly Glu Ile Lys Phe Glu Ala Val Glu Gly Ala 115 120 125 Val Ala Leu Ala Asp Arg Ala Ser Ser Phe Met Val Asp Ser Glu Glu 130 135 140 Tyr Lys Ile Thr Asn Val Lys Val His Gly Met Lys Phe Val Pro Val 145 150 155 160 Ala Val Pro His Glu Leu Lys Gly Ile Ala Lys Glu Lys Phe His Phe 165 170 175 Val Glu Asp Ser Arg Val Thr Glu Asn Thr Asn Gly Leu Lys Thr Met 180 185 190 Leu Thr Glu Asp Ser Phe Ser Ala Arg Lys Val Ser Ser Met Glu Ser 195 200 205 Pro His Asp Leu Val Val Asp Thr Val Gly Thr Val Tyr His Ser Arg 210 215 220 Phe Gly Ser Asp Ala Glu Ala Ser Val Met Leu Lys Arg Ala Asp Gly 225 230 235 240 Ser Glu Leu Ser His Arg Glu Phe Ile Asp Tyr Val Met Asn Phe Asn 245 250 255 Thr Val Arg Tyr Asp Tyr Tyr Gly Asp Asp Ala Ser Tyr Thr Asn Leu 260 265 270 Met Ala Ser Tyr Gly Thr Lys His Ser Ala Asp Ser Trp Trp Lys Thr 275 280 285 Gly Arg Val Pro Arg Ile Ser Cys Gly Ile Asn Tyr Gly Phe Asp Arg 290 295 300 Phe Lys Gly Ser Gly Pro Gly Tyr Tyr Arg Leu Thr Leu Ile Ala Asn 305 310 315 320 Gly Tyr Arg Asp Val Val Ala Asp Val Arg Phe Leu Pro Lys Tyr Glu 325 330 335 Gly Asn Ile Asp Ile Gly Leu Lys Gly Lys Val Leu Thr Ile Gly Gly 340 345 350 Ala Asp Ala Glu Thr Leu Met Asp Ala Ala Val Asp Val Phe Ala Asp 355 360 365 Gly Gln Pro Lys Leu Val Ser Asp Gln Ala Val Ser Leu Gly Gln Asn 370 375 380 Val Leu Ser Ala Asp Phe Thr Pro Gly Thr Glu Tyr Thr Val Glu Val 385 390 395 400 Arg Phe Lys Glu Phe Gly Ser Val Arg Ala Lys Val Val Ala Gln 405 410 415
【0109】配列番号:12 配列の長さ:1286 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTGCAGGCTC GTCTCATCAT GAGACGCACT ATGGCTATGC GACGCTAAGC TATGCGGACT 60 ACTGGGCCGG GGAGTTGGGG CAGAGTAGGG ACGTGCTTTT GGCGGGTAAT GCCGAGGCGG 120 ACCGCGCGGG GGATCTCGAC GCAGGCATGT TCGATGCAGT TTCTCGCGCA ACCCACGGGC 180 ATGGCGCGTT CCGTCAGCAA TTTCAGTACG CGGTTGAGGT ATTGGGCGAA AAGGTTCTCT 240 CGAAGCAGGA GACCGAAGAC AGCAGGGGAA GAAAAAAGTG GGAGTACGAG ACTGACCCAA 300 GCGTTACTAA GATGGTGCGT GCCTCTGCGT CATTTCAGGA TTTGGGAGAG GACGGGGAGA 360 TTAAGTTTGA AGCAGTCGAG GGTGCAGTAG CGTTGGCGGA TCGCGCGAGT TCCTTCATGG 420 TTGACAGCGA GGAATACAAG ATTACGAACG TAAAGGTTCA CGGTATGAAG TTTGTCCCAG 480 TTGCGGTTCC TCATGAATTA AAAGGGATTG CAAAGGAGAA GTTTCACTTC GTGGAAGACT 540 CCCGCGTTAC GGAGAATACC AACGGCCTTA AGACAATGCT CACTGAGGAT AGTTTTTCTG 600 CACGTAAGGT AAGCAGCATG GAGAGCCCGC ACGACCTTGT GGTAGACACG GTGGGTACCG 660 TCTACCACAG CCGTTTTGGT TCGGACGCAG AGGCTTCTGT GATGCTGAAA AGGGCTGATG 720 GCTCTGAGCT GTCGCACCGT GAGTTCATCG ACTATGTGAT GAACTTCAAC ACGGTCCGCT 780 ACGACTACTA CGGTGATGAC GCGAGCTACA CCAATCTGAT GGCGAGTTAT GGCACCAAGC 840 ACTCTGCTGA CTCCTGGTGG AAGACAGGAA GAGTGCCCCG CATTTCGTGT GGTATCAACT 900 ATGGGTTCGA TCGGTTTAAA GGTTCAGGGC CGGGATACTA CAGGCTGACT TTGATTGCGA 960 ACGGGTATAG GGACGTAGTT GCTGATGTGC GCTTCCTTCC CAAGTACGAG GGGAACATCG 1020 ATATTGGGTT GAAGGGGAAG GTGCTGACCA TAGGGGGCGC GGACGCGGAG ACTCTGATGG 1080 ATGCTGCAGT TGACGTGTTT GCCGATGGAC AGCCTAAGCT TGTCAGCGAT CAAGCGGTGA 1140 GCTTGGGGCA GAATGTCCTC TCTGCGGATT TCACTCCCGG CACTGAGTAC ACGGTTGAGG 1200 TTAGGTTCAA GGAATTCGGT TCTGTGCGTG CGAAGGTAGT GGCCCAGTAG AAGAGGGGTG 1260 TCCTATCCCG TGTGTCTTAA GGATCC 1286
【0110】配列番号:13 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAACTGCAGT CTCGTGCACA ACCGTGTGTC CG 32
【0111】配列番号:14 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAAAAGCTTA TTTCTTTGTT TTTTTGAGCA CG 32
【0112】配列番号:15 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAACCCGGGA ATATACTAGA GATTTTTAAC 30
【0113】配列番号:16 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AAAGAATTCA AGCTTGAGCT CCTCGAG 27
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpNH400TP47−17の構築
図である。
【図2】実施例1で取得した融合タンパク質についての
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動図及びウェスタンブロットの図である。
【図3】プラスミドpNH400TP47の構築図であ
る。
【図4】参考例1で取得した改変タンパク質についての
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動図及びウェスタンブロットの図である。
【図5】プラスミドpNH300TP17の構築図であ
る。
【図6】参考例2で取得した改変タンパク質についての
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動図及びウェスタンブロットの図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 16/12 C07K 16/12 16/46 16/46 C12N 1/21 C12N 1/21 C12P 21/00 C12P 21/00 B 21/02 21/02 C 21/08 21/08 G01N 33/53 G01N 33/53 D 33/571 33/571 33/577 33/577 B //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:01) (C12N 1/21 C12R 1:08) (C12P 21/02 C12R 1:08) (72)発明者 飯島 裕巳 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社医薬品研究所内 (72)発明者 中尾 義喜 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社医薬品研究所内 (72)発明者 澤崎 健 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社医薬品研究所内 (72)発明者 水上 誠 千葉県銚子市中央町2番地8 ヒゲタ醤油 株式会社研究所内 (72)発明者 西川 幸弘 千葉県銚子市中央町2番地8 ヒゲタ醤油 株式会社研究所内 (54)【発明の名称】 融合タンパク質、それをコードするDNA、そのDNAを含む組換えベクター、その組換えベク ターを含む形質転換体、融合タンパク質の製造法、抗トレポネーマ・パリダム抗体の測定法及び 測定用試薬、梅毒感染診断薬並びに抗トレポネーマ・パリダム抗体の製造法

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物由来の抗原タンパク質を2個以上
    連結させてなる融合タンパク質。
  2. 【請求項2】 微生物由来の抗原タンパク質の少なくと
    も1個が、天然タンパク質のシステイン残基が脂質非結
    合性アミノ酸残基に変換されたアミノ酸配列を有するも
    のである請求項1記載の融合タンパク質。
  3. 【請求項3】 微生物由来の抗原タンパク質のうちアミ
    ノ基末端に位置する1個が、天然タンパク質のアミノ基
    末端に一番近い位置のシステイン残基が脂質非結合性ア
    ミノ酸残基に変換されたアミノ酸配列を有するものであ
    る請求項2記載の融合タンパク質。
  4. 【請求項4】 微生物由来の抗原タンパク質が、トレポ
    ネーマ・パリダム菌由来の抗原タンパク質である請求項
    1〜3のいずれかに記載の融合タンパク質。
  5. 【請求項5】 トレポネーマ・パリダム菌由来の抗原タ
    ンパク質が、分子量約47Kダルトン又は約17Kダル
    トンの抗原タンパク質である請求項1〜4のいずれかに
    記載の融合タンパク質。
  6. 【請求項6】 配列番号1で示されるタンパク質である
    請求項1〜5のいずれかに記載の融合タンパク質
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の融合タ
    ンパク質をコードするDNA若しくはそれに相補的なD
    NA。
  8. 【請求項8】 配列番号2で示される塩基配列を有する
    請求項7記載のDNA。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載のDNAを含む組
    換えベクター。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の組換えベクターを含む
    形質転換体。
  11. 【請求項11】 FERM BP-5763 として寄託され
    ている請求項10記載の形質転換体。
  12. 【請求項12】 請求項1〜6のいずれかに記載の融合
    タンパク質をコードする遺伝子を導入した形質転換体を
    培養し、培養物中に融合タンパク質を生成蓄積させ、こ
    の培養物を取得することを特徴とする融合タンパク質の
    製造法。
  13. 【請求項13】 取得された培養物の培養上清に硫酸ア
    ンモニウムを添加し、遠心分離して沈殿を取得し、この
    沈殿を界面活性剤含有水溶液に溶解させることを特徴と
    する請求項12記載の融合タンパク質の製造法。
  14. 【請求項14】 請求項4〜6のいずれかに記載の融合
    タンパク質を抗原として用いることを特徴とする抗トレ
    ポネーマ・パリダム抗体の測定法。
  15. 【請求項15】 請求項4〜6のいずれかに記載の融合
    タンパク質を抗原として含有してなる抗トレポネーマ・
    パリダム抗体の測定用試薬。
  16. 【請求項16】 請求項4〜6のいずれかに記載の融合
    タンパク質を有効成分とする梅毒感染診断薬。
  17. 【請求項17】 請求項4〜6のいずれかに記載の融合
    タンパク質を抗原として用いることを特徴とする抗トレ
    ポネーマ・パリダム抗体の製造法。
JP9029878A 1997-02-14 1997-02-14 融合タンパク質、それをコードするdna、そのdnaを含む組換えベクター、その組換えベクターを含む形質転換体、融合タンパク質の製造法、抗トレポネーマ・パリダム抗体の測定法及び測定用試薬、梅毒感染診断薬並びに抗トレポネーマ・パリダム抗体の製造法 Pending JPH10225294A (ja)

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AU59564/98A AU722630B2 (en) 1997-02-14 1998-02-13 Modified Treponema pallidum-derived antigen protein
EP98902762A EP0984065A4 (en) 1997-02-14 1998-02-13 MODIFIED PROTEINANTIGENT FROM TREPONEMA PALLADIUM.

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103298941A (zh) * 2011-01-13 2013-09-11 奥索临床诊断有限公司 苍白密螺旋体三联抗原
US8597908B2 (en) 2004-07-06 2013-12-03 Kaneka Corporation Process for producing protein A-like protein with use of Brevibacillus genus bacterium

Cited By (3)

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US8597908B2 (en) 2004-07-06 2013-12-03 Kaneka Corporation Process for producing protein A-like protein with use of Brevibacillus genus bacterium
US8889389B2 (en) 2004-07-06 2014-11-18 Kaneka Corporation Process for producing protein A-like protein with use of Brevibacillus genus bacterium
CN103298941A (zh) * 2011-01-13 2013-09-11 奥索临床诊断有限公司 苍白密螺旋体三联抗原

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