JP2004508034A - ツツガムシ病診断用遺伝子組み換え蛋白質 - Google Patents

ツツガムシ病診断用遺伝子組み換え蛋白質 Download PDF

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Abstract

本発明は、ツツガムシ病診断用遺伝子組み換え抗原蛋白質に関するもので、オリエンティアツツガムシの抗原決定基から由来した2種以上の蛋白の遺伝子を連結したDNAを含むベクトルで形質転換させた菌株を培養して得られる遺伝子組み換え蛋白質抗原を用いて、ツツガムシ病を診断する方法によれば、オリエンティアツツガムシ病源体を培養して診断用抗原として使用する間接免疫蛍光抗体法に相応する診断感応度及び特異性も有するので、これを利用する場合、ツツガムシ病診断の既存剤型が有している限界の病源体培養を必要としないだけでなく、単一遺伝子組み換え蛋白を使用する場合と比べて診断感応度が増加し、別途に生産された単一遺伝子組み換え蛋白を混合して使用することに比べて、生産費用を減少させることができる、優秀な診断用剤型を経済的に確保することができる。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、ツツガムシ病診断用遺伝子組み換え融合蛋白質抗原に関するもので、より詳しくは、オリエンティアツツガムシ(Orientia tsutsugamushi)の抗原決定基を構成する二つ以上の蛋白の遺伝子を連結し、タンデムキメラ(Tandem chimera)形態で融合させた遺伝子組み換え蛋白質抗原を用いて、ツツガムシ病を血清学的に診断する方法に関するものである。
【0002】
(背景技術)
【非特許文献1】Shirai, A., Robinson, D. M., Brown, G. W. 外2名: Characterization of Rickettsia tsutsugamushi strains in two species of naturally infected laboratory−reared chiggers. Am. J. Trop. Med. Hyg., 31(2): 395−402, 1982
【非特許文献2】Takahashi, K., Urakami, H. 及びA. Tamura.: Purification of cell envelopes of Rickettsia tsutsugamushi. Microbiol. Immunol. 29: 475, 1985
【非特許文献3】Tamura, A., Urakami, H., 及びTsurhara, T: Purification of Rickettsia tsutsugamushi by percol density gradient centrifugation. Microbiol. Immunol. 26:321, 1982
【非特許文献4】Weiss, E.: The biology of Rickettsiae. Ann. Rev.Microbial. 36: 345, 1982
【0003】
ツツガムシ病は、リケッチア属のスクラップチフス(Scrub typhus)群に属するオリエンティアツツガムシに因るもので、媒介体の毛ダニの幼虫が人の組織液を吸入する際、口腔部位に存在した菌体が人に直接感染されて発病するようになる。その症状には、潜伏期以後の突然の発熱、激しい頭痛、刺し口、発赤及び点状出血などがある。
【0004】
ツツガムシ病を媒介する毛ダニは、レプトトロンビディウム(Leptotrombidium)属に属する節足動物の一種で、自然系で自由生活をする。このような毛ダニの幼虫が変態をする時は、脊椎動物の組織液を必要とし、動物の体に一時寄生をするようになるが、人はこの時期の幼虫によって感染される。韓国で採集されるトロンビキュリド(trombiculid)ダニ類は、約20種で(Traub, R., M. L. Morrow及びL. J. Lipovsky: New species of chiggers from Korea. Proc. Ent. Soc. Wash. 60: 145−66, 1958)、このうち、オリエンティアツツガムシを媒介するものとしては、レプトトロンビディウムパーリドゥーム(Leptotrombidium pallidum)とレプトトロンビディウムスクテラン(Leptotrombidium scutellaris)などがある。
【0005】
オリエンティアツツガムシは、リケッチア属に属する細胞内絶対寄生細菌であって、大きさが0.3〜0.7μm程度の短い桿菌または桿球菌の形態をしている。リケッチア属は、チフス(typhus)群、発疹熱(spotted fever)群、スクラップチフス(scrub typhus)群に分類され、ここに塹壕熱(trench fever)を誘発する塹壕熱ロカリメア(Rochalimea quintana)と、Q熱(Q fever)を誘発するコクシエラバーネッティ(Coxiella burnetti)とが追加される。このような分類は、宿主動物、菌を伝播する媒介虫の種類、ワイル−フェリックス(Weil−Felix)検査及び補体結合反応の反応傾向によるもので、最近、抗原分析と分子生物学的な方法によって、これらの分類が確認されている。
【0006】
リケッチア属に属する菌は、全部ダニやシラミ、ノミなどの昆虫を媒介にして人に疾病を誘発するが、病気の症状や力学的な様相は、各群によって相違する。同じ群の菌相互間には、血清学的に関連があるが、他群の菌とは血清学的交差反応がない。スクラップチフス(scrub typhus)群に属するオリエンティアツツガムシは、一つの種に分類されているが、抗原構造が異なる血清型が多く、このような抗原の差異によって、ギリアム(Gilliam)、カーフ(Karp)、カトー(Kato)などの血清型に分類される(Traub, R. 及びC. L. Wisserma, Jr., 1974)。これら3種類の原型菌株の他、アジア地域では、TA678、TA686、TA716、TA763、TH1817などの新しい血清型が分離され(Shirai, A., Robinson, D. M., Brown, G. W. 外2名: Characterization of Rickettsia tsutsugamushi strains in two species of naturally infected laboratory−reared chiggers. Am. J. Trop. Med. Hyg., 31(2): 395−402, 1982)、韓国では、ギリアム、カーフ及びカトーの他、既存に知られた原型菌株と血清学的反応様相が異なるボリョン(boryong)株が分離されたことがある(Chang and Kang, 1987)。この報告によれば、地域的に北側に位置した京畿道で分離されるオリエンティアツツガムシの血清型と、忠清道の南側で分離されるオリエンティアツツガムシの血清型とは、血清的に異なり、忠清道地方で分離された血清型の菌株は、原型菌株と相違する血清学的特性を有するという。
【0007】
このような血清型の多様性を決定するオリエンティアツツガムシの細胞膜蛋白抗原には、種特異抗原と血清型特異抗原などが存在する。オリエンティアツツガムシを精製し、抗原をポリアクリルアミドゲル電気泳動とイムノブロッティング(immunoblotting)により分析した結果、70、60、54〜56、46〜47kDaの主要抗原が存在することが明らかになったが(Takahashi, K., Urakami, H. 及びA. Tamura.: Purification of cell envelopes of Rickettsia tsutsugamushi. Microbiol. Immunol. 29: 475, 1985)、このうち、46〜47kDa、54〜56kDa及び70kDaの蛋白質が抗原性を有し、70kDaと46〜47kDa蛋白質は、菌株特異抗原である(Tamura, A., Urakami, H., 及びTsurhara, T: Purification of Rickettsia tsutsugamushi by percol density gradient centrifugation. Microbiol. Immunol. 26:321, 1982)。
【0008】
一方、オリエンティアツツガムシをトリプシンで処理すれば、マウスL細胞に浸透する能力が消失されるが、これはオリエンティアツツガムシの膜蛋白質(membrane protein)と病原性との間に密接な関係があることを示唆することで(Weiss, E.: The biology of Rickettsiae. Ann. Rev.Microbial. 36: 345, 1982)、菌株血清型によって差異を示すオリエンティアツツガムシの病原性は、細胞表面に存在するこのような特異的細胞膜蛋白の構造上の差異に起因すると推測される(Tamuraなど, 1982)。
【0009】
オリエンティアツツガムシの病原性は、血管内皮細胞への浸透による全身微細血管炎に起因する。血中に浸透したオリエンティアツツガムシは、能動食菌作用によって血管細胞内に食菌されるが、ファゴソームから細胞質内に遊離したオリエンティアツツガムシは、二分裂で増殖するようになる(Tamuraなど, 1982)。このようなオリエンティアツツガムシの増殖によって、血管内皮細胞は破壊されるかまたは増殖が触発され、微細血栓と血管周囲炎症を誘発するようになる。
【0010】
オリエンティアツツガムシに対する防御免疫機転は、まだ完全に明らかになっていないが、体液性免疫機転と細胞性免疫機転とが、両方とも関与すると考えられる。オリエンティアツツガムシに感染されたヌードマウス(nude mouse)では、抗原に対する抗体は形成されたが、再感染に対する免疫的防御効果は誘導されなかった。また、免疫されたマウスから分離したTリンパ球の伝達によって、オリエンティアツツガムシの再感染に対する抵抗性を提供できるという報告と共に(Shiraiなど, 1982)、細胞性免疫機転が作用するとの証拠として、患者の臨床相とTリンパ球の数との連関性を挙げることができる。一方、免疫抗体がオリエンティアツツガムシの食細胞感染を50%抑制したという報告は、体液性免疫反応の関連性を示唆している。
【0011】
人におけるツツガムシ病に対する免疫は、1つの血清型に特異である。すなわち、病気にかかった後生じる防御免疫能力は、同じ血清型に対しては数年間持続されるが、他の血清型に対しては数ケ月しか持続されない。例えば、4ヶ月間観察した患者のうち、最初にギリアム血清型に感染され、2ヶ月後カーフ血清型に再感染された例が、血清学的検査によって証明されたことがある。
【0012】
ツツガムシ病の臨床症状としては、全身リンパ線腫脹、加被形成及び発疹などがある。一般に、ツツガムシ病は、臨床症状が軽くて、症状による臨床診断が容易な疾患と認識されているが、報告によれば、非典型的な臨床症状を示す例が多くて、全身リンパ線腫脹や加被形成などツツガムシ病の特徴的な症状がない場合には、レプトスピラ症、腸チフス及び腎症候群出血熱などとの鑑別診断が難しい。
【0013】
現在、ツツガムシ病の診断は、患者の血液からオリエンティアツツガムシを分離して確認する方法、患者の血清内でオリエンティアツツガムシに対する抗体を検出する方法、及びPCR(Polymerase Chain Reaction)を用いて患者の血液内でオリエンティアツツガムシのDNAを増幅して検査する方法がある。このうち、菌体を培養して疾病を診断する方法は、培養に4週以上の時間が必要なので、実際患者の診断目的としては適切でなく、PCRを利用する方法は、未だに開発段階にある。従って、現在、ツツガムシ病の診断には、ワイル−フェリックス法、補体結合反応法、間接免疫蛍光抗体法、免疫酵素測定法、及び免疫付着赤血球凝集法などの血清学的方法が使用されている。
【0014】
しかし、これら血清学的方法のうち、ワイル−フェリックス法は、ツツガムシ病だけでなく、レプトスピラ病、変形菌の尿道感染及びその他発熱疾患においても、偽陽性反応が高く現れ、感受性が非常に低いため、現在、ツツガムシ病の診断自体には使用されていない。
【0015】
また、補体結合反応は、技術的な面において検査方法が非常にややこしいという短所があり、再現性が低いだけでなく、精製されたオリエンティアツツガムシ抗原を必要とし、これによって抗体力価が低い場合には、偽陰性反応の可能性があって、ツツガムシ病診断に広く使用されていない。
【0016】
従って、現在は、間接免疫蛍光抗体法及び免疫酵素測定法が最も広く使用されているが、この2つの方法は、感受性及び特異性が高く、IgGとIgMとを鑑別して測定できるので、初期感染と再感染とを区別できるという長所があり、現在、WHOでも優先的に勧められている方法である。
【0017】
一方、間接免疫蛍光抗体法の検査は、必要な抗原を得るために組織培養やタマゴ孵化などのできる施設が要求され、蛍光顕微鏡を備えた検査室でのみ検査できるという短所を有し、血清を1:10または1:20程度低く希釈する場合、偽陽性反応が現れるという短所がある。
【0018】
これによって、オリエンティアツツガムシの主抗原の遺伝子を遺伝工学的方法により、大腸菌内で多量発現させて生産した組み換え抗原を使用し、ツツガムシ病を診断しようとする試みが進んでいる。
【0019】
(発明の開示)
本発明では、従来のツツガムシ病診断における難しさに鑑みてなされたもので、菌培養を必要としないだけでなく、単一遺伝子組み換え抗原を使用することより診断的感応度が増加し、別途に生産された単一遺伝子組み換え蛋白を混合して使用することに比べて、生産費用を減少させることができる、ツツガムシ病診断に利用し得る遺伝子組み換え融合蛋白質及びこれを製造する方法を提供することを目的とする。
【0020】
上記目的を達成するために、本発明は、ツツガムシ病を診断するための抗原として、オリエンティアツツガムシの抗原決定基から由来した2種以上の蛋白がタンデムキメラ(tandem−chimera)形態で融合された融合蛋白質を利用することを特徴とする。
【0021】
ここで、上記ツツガムシ病の診断のための抗原は、オリエンティアツツガムシの56kDa蛋白から由来した蛋白断片が融合されたものが好ましく、ギリアム、カーフ及びカトーのようなオリエンティアツツガムシの多様な異種血清型菌株から選択された2種以上から由来した蛋白の融合蛋白がより好ましい。
【0022】
上記目的を達成するために、本発明では、ツツガムシ病を診断するための上記融合蛋白を製造する方法として、下記段階を含む方法を提供する。
1)オリエンティアツツガムシの抗原決定基から由来した2種以上の蛋白の遺伝子を有するDNA断片を含むことを特徴とする発現ベクトルであって、ツツガムシ病を診断するための上記融合蛋白の発現ベクトルを構築する段階、
2)上記発現ベクトルを宿主細胞に導入する段階、
3)上記導入された形質転換体を培養する段階、
4)上記形質転換体の培養培地及び/または上記形質転換体から上記融合蛋白を獲得する段階。
【0023】
本発明では、オリエンティアツツガムシの56kDa蛋白が、抗原性を有して診断的価値があるという既知の事実に基づき、オリエンティアツツガムシの56kDa蛋白を用いて、ツツガムシ病の診断を行うことを特徴とする。
【0024】
ツツガムシ病の診断のために、オリエンティアツツガムシの56kDa蛋白から由来した蛋白を含む融合蛋白は、下記段階を経て製造及び精製される。
a)オリエンティアツツガムシの標準血清型であるギリアム、カーフ及びカトー株の56kDa蛋白から由来する蛋白をコーディングする遺伝子断片を重合酵素連鎖反応(Polymerase Chain Reaction: PCR)により増幅する段階、
b)これら増幅されたDNA断片を直列連結した後、蛋白発現用ベクトルにクローニングする段階、
c)上記発現ベクトルを大腸菌に導入する段階、
d)形質転換された大腸菌を培養する段階、
e)組み換え融合蛋白をツツガムシ病を診断するための抗原として精製する段階。
【0025】
すなわち、上記方法は、上記56kDa蛋白から由来した蛋白の遺伝子断片をクローニングした後、オリエンティアツツガムシの56kDa蛋白から由来した蛋白を大量に生産することと要約される。上記方法によって得られた組み換え融合蛋白が、ツツガムシ病患者の血清に対して強い反応性を表すため、このように生産された遺伝子組み換え抗原蛋白を利用すれば、特別な検査機構や装備を必要としない受動血球凝集反応(PHA)キットのような診断キットを開発でき、大規模な検査物処理に要求される力価測定のための免疫酵素測定法(ELISA)にも有用に利用される。
【0026】
以下、本発明によるツツガムシ病診断用組み換え融合抗原蛋白質の製造方法及びツツガムシ病の診断方法を詳細に説明する。
【0027】
まず、オリエンティアツツガムシのギリアム、カーフ及びカトー株をマウスL−929細胞で培養した後、精製する。その後、それぞれの精製された菌株を酵素分解させた後、フェノール抽出とエタノール沈殿によりDNAを精製する。
【0028】
オリエンティアツツガムシ由来の56kDa蛋白遺伝子の配列を基にして、ボリョン(Boryong)、ギリアム、カーフ及びカトー株の血清型間アミノ酸配列が30%以上の相同性を表す領域を選択し、ボリョン、ギリアム、カーフ及びカトー株の領域を増幅するためのオリゴヌクレオシドプライマーを製作する。これらボリョン、ギリアム、カーフ及びカトー株由来の遺伝子断片を上記PCRプライマー対及び精製されたDNA鋳型を用いてPCR増幅させる。
【0029】
PCR産物を精製した後、pTYB12ベクトルの多重クローニング部位(MCS)に連結させる。まず、pTYB12ベクトルにギリアムのDNA断片を導入してベクトルpTG3を構築し、pTG3にカーフのDNA断片を導入してベクトルpTGP1を構築した後、pTGP1にカトーのDNA断片を導入してベクトルpTGPT2を製作する。また、ギリアム、カーフ及びカトーの遺伝子断片が直列連結したDNA断片を得た後、pET22b(+)ベクトルに導入してベクトルpETb7を構築する。
【0030】
上記製作された発現ベクトルで大腸菌を形質転換した後、融合蛋白質の発現のために、形質転換された大腸菌を培養する。融合蛋白質の発現を電気泳動及びウェスタンブロット法で確認した後、対応するクローンから融合蛋白抗原を分離精製する。分離精製された抗原を免疫学的定量及び定性分析に使用する。
【0031】
ここで、「免疫学的定量及び定性分析」とは、上記分離精製された蛋白を使用し、オリエンティアツツガムシに感染した既往歴(anamnesis)があるか否かを調べるために、人や動物の血清からオリエンティアツツガムシに対する抗体を定性及び定量分析する技術をいう。例えば、免疫学的定性及び定量分析は、ELISA及び受動血球凝集法のような抗原−抗体相互作用を利用した定量方法及び定性方法を含む。
【0032】
本発明による組み換え融合蛋白質を用いてツツガムシ病患者と正常人を診断した結果、93.6%の診断感応度(diagnostic sensitivity)と94.2%の診断特異性(diagnostic specificity)を得ることができた。
【0033】
(発明を実施するための最良の形態)
より詳しくは、本発明を好ましい具体例及び実施例により説明する。ただし、本発明がこれらの例のみに限定されるものではない。
【0034】
また、本発明は、オリエンティアツツガムシの他の血清型から由来した56kDa蛋白の遺伝子断片を用いて製造された組み換え融合蛋白抗原と関連した実施例を説明するが、本発明の範囲は、全世界に自然的に存在する約30余種以上のオリエンティアツツガムシの血清型から由来する22、47、56、58、60、110、115及び130kDa蛋白と、オリエンティアツツガムシから由来する他の血清型の抗原決定基から由来した蛋白とから、選択された2種以上の蛋白がタンデムキメラ形態に融合された抗原を含む。
【0035】
また、本実施例では、本発明による上記組み換え融合蛋白抗原を発現させるための宿主として、大腸菌を利用したが、酵母、その他真核細胞、動物または植物組織細胞、及びDNA組み換え哺乳類から分離された細胞を使用することも本発明の範囲に含まれる。
【0036】
実施例1:菌株、プラスミド及び培地
オリエンティアツツガムシの実験的血清型としては、ツツガムシ病患者から分離し、ソウル大学校医科大学微生物学教室で保管中のオリエンティアツツガムシのボリョン株と、ATCC(American Type Culture Collection, Manassas, VA 20110−2209)から得られたギリアム、カーフ及びカトー株を使用した。
【0037】
プラスミドpCYB1、pCYB2、pCYB3、pCYB4、pTYB12(NEB#6902)、pET(Novagen)とpBluescript(Stratagene)を下記実験に利用し、プラスミドの増幅及び蛋白質の発現のための宿主としては、大腸菌BL21(DE3)及びER2566株を使用した。
【0038】
オリエンティアツツガムシ由来の遺伝子断片が導入されたベクトルで大腸菌を形質転換した後、アンピシリン(Sigma A9518)が100μg/mlの濃度に含有されたLB(Luria−Bertani)液体培地(broth)またはLB寒天プレート培地で37℃で培養した。
【0039】
実施例2:オリエンティアツツガムシの培養及び精製
150cm細胞培養容器(Falcon 32025)において、約5×10個のマウスL−929細胞(American Type Culture Collection, Manassas, VA 20110−2209)を10%ウシ胎児血清(FBS; Gibco Lab. Grand island N. Y.)が含まれたEMEM−10 medium(Earles’ Minimum Essential Media, Gibco 410−1500 EG)を使用し、5%のCO存在下で37℃で培養した。細胞が増殖して培養容器の基底面を完全に覆った時、次の感染実験に使用した。
【0040】
培地の95%を除去した後、オリエンティアツツガムシのギリアム、カーフ、カトー及びボリョン株の浮遊液を、それぞれ上記培養培地に入れて、37℃の二酸化炭素培養器で90分間静置して培養した。ダウノマイシン(Daunomycin)0.4μg/mlと5%ウシ胎児血清が含有されたEMEM−5Dを添加した後、5%のCO存在下で34℃で培養した。80%以上の細胞が感染された時、細胞を収穫した。
【0041】
ゲノムDNA精製のためのオリエンティアツツガムシは、次の方法によって用意した。オリエンティアツツガムシに感染されたマウスL−929細胞を20枚の150cm細胞培養容器で培養した後、感染された細胞を4℃で8,000×gで15分間遠心分離(Sorval)し、沈殿させた後、上清を除去した。その次、ペレットを6.5mlのTS緩衝液(33mM トリス−HCL 7.4, 0.25M スクロース)により浮遊させた。浮遊液に含まれた細胞をホモジナイザー(Potter−Elvehjem homogenizer)で3分間破砕した後、400×gで10分間遠心分離して細胞を沈めた。上清に最終濃度が40%になるように濾過液(percol)を添加した後、60分間平均密度遠心分離(equilibrium density centrifugation)を行い、オリエンティアツツガムシを分離した。
【0042】
実施例3:オリエンティアツツガムシDNAの精製
精製されたオリエンティアツツガムシを、1%のSDS(sodium dodecyl sulfate)及び100μg/mlのプロテイナーゼKが含まれた緩衝液(10mM トリス−HCL pH8.0, 10mM EDTA pH8.0, 150mM NaCl)に入れて、その混合物を50℃で2時間反応させて上記菌株を融解させた。その後、同量のフェノールを添加して徐々に混合した後、12,000×gで5分間遠心分離して上清を回収し(以下、フェノール抽出と略称する)、同じ方法でフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)混合液を用いて、さらに2回蛋白質を抽出して除去した。最終濃度が0.3mMになるように3M酢酸ナトリウム(pH5.4)をDNA−溶解相(DNA−dissolved phase)に添加した後、DNA溶液の2倍体積の100%エタノールと混合し、−20℃で18時間放置した。4℃で12,000×gで15分間遠心分離し、DNAを沈殿させた。ペレットに100%エタノールと同じ体積に70%エタノールを添加し、4℃で12,000×gで5分間遠心分離してDNAを洗浄した。真空乾燥器(speed vacuum dryer; Savant SVC100−H)でDNAを10分間乾燥させた後、TE緩衝液(10mM トリス−HCl pH8.0, 1mM EDTA pH8.0)50μlに浮遊させた(以下、エタノール沈殿と略称する)。
【0043】
実施例4:マウス抗−オリエンティアツツガムシ血清の製作
クローンの検索とウェスタンブロット分析に使用するために、オリエンティアツツガムシのボリョン株に対するC3H/HeDubマウスの抗血清を次のように製作した。
【0044】
まず、上記マウスL−929細胞から分離し、マウスC3H/HeDubで測定したオリエンティアツツガムシボリョン株の1000×MLD50を、1次免疫として実験マウスに皮下注射した。その後、最初注射した日から2週間おきに総3回注射した。最終注射した2週後、マウスを犠牲させて血清を収穫した。間接免疫蛍光抗体法(IFA)によりボリョン株に対する抗体力価を測定し、力価が1:1280以上である血清を収集して使用した。
【0045】
上記収穫した血清から大腸菌に対する抗体は、次の方法により吸着除去した。pTYB12ベクトルで形質転換された大腸菌を100μg/mlのアンピシリンが含有されたLB液体培地1リットルで18時間振盪培養した後、この培養液をツイン−20が0.05%含まれたTBST(tris−buffered saline;50mM トリス−HCl, 300mM NaCl, pH7.4)で3回洗浄し、20mlTBSTで浮游させた。浮游液を100℃で加熱した後、浮游液の菌株を超音波粉砕器(sonicator、Quigley−Rochester Inc.)で最大出力値で3分間処理し、菌体を破砕させた。同じ体積の抗血清と混合して室温で4時間徐々に振りながら吸着させた後、20分間2,000×gで遠心分離し、細胞残渣を除去して上清を獲得した。
【0046】
この抗血清を利用したウェスタンブロット分析や免疫学的検索では、非特異反応性の有意な(significant)減少を確認した。
【0047】
実施例5:オリエンティアツツガムシから由来した56kDa蛋白質の大腸菌内発現、分離及び精製
(1)重合酵素連鎖反応(PCR)を利用した56kDa蛋白質遺伝子の増幅
オリエンティアツツガムシ56kDa蛋白質遺伝子配列(Genbank accession number: L04956)を基にして、オリエンティアツツガムシの血清型であるボリョン株、ギリアム、カーフ、カトー株間で測定された高順位保存相同性を示す部位を選択した後、ギリアム、カーフ、カトー株において、それぞれ一対ずつのオリゴヌクレオシドプライマーを製作した。すなわち、ギリアムでは、127〜1092塩基で構成される配列を有するDNA断片を増幅するために、127−140ヌクレオシドで構成されるDNA配列に相補的な前位プライマー(forward primer)、及び1069−1092ヌクレオシドで構成されるDNA配列に相補的な逆位プライマー(reverse primer)を製作した。同様に、カーフでは、118〜1013塩基で構成される配列を有するDNA断片を増幅するための、カトーでは、121〜957塩基で構成される配列を有するDNA断片を増幅するためのそれぞれの前位及び逆位プライマー対を注文製作した(Oligo. Etc. Co. Wilsonville, OR.).
【0048】
ギリアム前位プライマー:5’ GGA CA’T ATG ATT ACT GGT GCA GAA 3’(配列1)
ギリアム逆位プライマー:5’ ATC G’TC GAC ATT TAA AAG CCT AAC 3’(配列2)
カーフ前位プライマー:5’ GTT G’TC GAC GGA ATG ATT ACT GGC 3’(配列3)
カーフ逆位プライマー:5’ GGC ATG ACA AAA TTG’ AAT TCT ATC 3’(配列4)
カトー前位プライマー:5’ GTC GTT GGA G’AA TTC ATT ACT GGC 3’(配列5)
カトー逆位プライマー:5’ TTG CTG CCC GGG’ CCC CTG CTG 3’(配列6)
【0049】
ここで、CA’TATGは制限酵素Nde Iの制限位置、G’TCGACはSa1 Iの制限位置、G’AATTCはEcoRIの制限位置、そしてGGG’CCCはSma Iの制限位置を示す。
【0050】
オリエンティアツツガムシに感染されないL929細胞から分離したDNAのPCRのために、プライマー対を利用した時、PCRによって増幅されたDNAバンドが発見されなかった。このような結果は、本発明によるプライマーが、オリエンティアツツガムシに対して特異的であることを意味する。一方、L929細胞からのDNA精製は、オリエンティアツツガムシからのDNA精製と同じ方法で実施した。
【0051】
上記プライマーとオリエンティアツツガムシのDNAを鋳型として用い、次の方法によりPCR反応を実施して、ギリアム、カーフ及びカトーのDNA断片を増幅させた。すなわち、オリエンティアツツガムシDNA100ngをPCR反応混合液(プライマー各々400nM, 50mM KCl, 10mM トリス pH9.0, 0.1%トリトンX−100, dNTP各々0.2mM, MgCl 1mM)に、最終50μlになるように混合した後、Taqポリメラーゼ(Promega Cat# M1861, Madison, WI)2.5Uを添加した。PCRは、熱循環システム(Thermal cycler system 9600, Perkin−Elmer Cetus, Norwalk, CT)を使用し、94℃で3分間予備変性(predenaturation)を1回実施した後、94℃で15秒間変性、60℃で1分間アニーリング/伸張(annealing/elongation)を35回繰り返し、最終伸張を72℃で2分間進んだ。
【0052】
増幅されたそれぞれのPCR産物は、エチジウムブロミド(ethidium bromide)が含有されたアガロースゲルに電気泳動した後、紫外線を照射して観察した。
【0053】
(2)PCR産物の精製及び発現ベクトルへのクローニング
それぞれのPCR産物をQIAEXゲル抽出キット(Qiagen Inc., Catsworth CA.)を用いて、アガロースゲルから分離精製した後、TE緩衝液20μlで再懸濁した。精製されたPCR産物400ngをクレーナウ(Klenow)緩衝液(20Mm トリス−HCl, 100mM MgCl, pH8.0)に混合した後、クレーナウ断片(Klenow fragment, Promega, M220, Madison, WI)2.5Uを添加した。37℃で3分間反応させた後、さらにdNTP混合物(各々0.125mM)を添加して37℃で1時間反応させた。上記フェノール抽出及びエタノール沈殿を行った後、10μlのTE浮遊液が得られた。
【0054】
pTYB12ベクトルを精製した後、該当制限酵素をベクトルに処理した後、上記得られたそれぞれのPCR産物をベクトルにクローニングした。まず、pTYB12ベクトルとギリアムのPCR産物を制限酵素Nde IとSac Iにより完全に切断した後、CIAP(Calf intestinal alkaline phosphatase)で脱リン酸化し、フェノール抽出及びエタノール沈殿して10μlのTE浮遊液が得られた。切断されたベクトル100ngと切断されたPCR産物100ngを混合し、最終濃度が3.5μlになるようにして、その混合物を45℃で15分間処理した後、氷に放置した。ここに、10×リガーゼ緩衝液(250mM トリス−HCl pH7.8, 100mM MgCl, 20mM DTT, 4mM ATP)0.5μlとリガーゼ2Uを混合し、4℃で18時間反応させた。ベクトルDNAの増幅のために、大腸菌ER2566を上記ライゲーションされたベクトル大腸菌で形質転換させた。このようにして構築されたベクトルをpTG3と称した。
【0055】
同様に、ベクトルpTG3とカーフ由来のPCR産物を制限酵素Sa1 IとEcoR Iで切断し、導入した後、ライゲーションして大腸菌ER2566にクローニングして増幅させた。このようにして構築されたベクトルをpTGP1と称した。
【0056】
同様に、pTGP1とカトー由来のPCR産物を制限酵素EcoR IとSma Iで切断し、導入した後、ライゲーションして大腸菌ER2566にクローニングして増幅させた。このようにして構築された断片が導入されたものをpTGPT2と称した。
【0057】
ギリアムから由来したDNA断片のベクトルpTGPT2における大きさは952bps、カーフ由来のDNA断片は873bps、カトー由来のDNA断片は915bpsで、全体導入されたDNA断片は2,640bps、蛋白質大きさは約97kDaになる。
【0058】
次に、構築されたpTGPT2ベクトルを制限酵素Nde IとSma Iで
切断し、ギリアム、カーフ及びカトーのDNA断片が直列に連結したDNA断片を得た。pET22b(+)ベクトルをXho Iで切断し、フェノール抽出及びエタノール沈殿処理した後、クレーナウ断片を入れてdTTP及びdCTPを加え、37℃で30分間反応させた。これをさらにフェノール抽出及びエタノール沈殿処理して得られたTE浮遊液をSIヌクレアーゼで処理し、23℃で15分間反応させた後、もう一度フェノール抽出及びエタノール沈殿処理した。pET22b(+)ベクトルを平滑末端(brunt−ended)で処理した後、このベクトルをNde Iにより切断してフェノール抽出及びエタノール沈殿処理した。その後、ギリアム、カーフ及びカトーから由来した遺伝子断片を有するDNA断片を、Xho I−Nde I処理したベクトルにライゲーション方法によって挿入した。上記得られたベクトルを大腸菌ER2566を使用して増幅させた。ギリアム、カーフ及びカトーから由来した遺伝子断片を有するDNA断片が含まれたpET22b(+)をpETb7と称した。
【0059】
それぞれの構築されたベクトルで大腸菌BL21(DE3)を形質転換させた後、免疫学的検索により陽性クローンが得られた。
【0060】
上記構築されたベクトルpETb7を特許手続のための微生物寄託の国際協力に係るブダペスト条約によって、大田に所在している韓国遺伝子銀行(Korea Collection of Type Cultures)に2000年8月25日付で寄託番号KCTC 18042Pとして寄託した。
【0061】
図1は、オリエンティアツツガムシの3つの血清型ギリアム、カーフ及びカトーから由来した56kDa蛋白遺伝子断片を直列結合させた例を示す模式図で、(A)はベクトルpTGPT2、(B)はベクトルpETb7の場合を示す。
【0062】
図2は、オリエンティアツツガムシから由来した56kDa蛋白遺伝子断片をpTYB12ベクトルに順次に導入し、pTG3、pTGP1、及びpTGPT2ベクトルを製作する過程を説明する模式図である。
【0063】
図3は、pTGPT2ベクトルから由来した直列結合させた56kDa蛋白遺伝子断片をpET22b(+)ベクトルに導入し、pETb7ベクトルを製作する過程を説明する模式図である。
【0064】
図4は、クローニングされたベクトルの電気泳動写真であり、MはλHindIIIサイズマーカ、VはpTYB12ベクトル、GはpTG3ベクトル、PはpTGP1ベクトル、及びTはpTGPT2ベクトルを示す。
【0065】
図5は、クローニングされたベクトルpETb7の電気泳動写真で、MはλHindIIIサイズマーカ、1はpET22b(+)ベクトル(5493bps)、及び2はpETb7ベクトル(8004bps)を示す。
【0066】
(3)コンピテント細胞(competent cell)の製作。
LB培地で振盪培養した大腸菌BL21(DE3)を同じ培地で100倍希釈し、600nmでの吸光度が0.3に達する時まで再培養した。氷中で上記培養液を放置した後、4℃で20分間400×gで遠心分離し、氷中で保管していた0.1M CaClで洗浄した後、上清を捨てた。培養した培地の1/2体積の0.1M CaClを添加し、大腸菌を再浮遊させた。氷中で1時間放置した後、4℃で20分間4,000×gで遠心分離して上清を捨てた後、培養した培地の1/10体積の0.1M CaClで浮游し、これを形質転換のためのコンピテント細胞として使用した。
【0067】
(4)形質転換
上記において製作したライゲーションベクトル1μlと上記得られたコンピテント細胞100μlとを混合し、氷中で1時間放置した後、42℃で180秒間熱衝撃を与えた。LB培地500μlを添加した後、37℃で1時間培養した。8,000×gで1分間遠心分離し、上清を捨てた後、ペレットを200μlのLBで浮遊し、形質転換細胞を含む浮遊液をLB寒天プレート培地に広げて接種した後、37℃で18時間培養した。
【0068】
(5)形質転換された大腸菌コロニーの免疫学的検索
LB寒天培地上に位置したNC紙上に、形質転換された大腸菌を接種し、37℃で18時間培養した。3MMワットマン紙(whatman paper)3枚を重なった上に、コロニーが形成されたNC紙を載置し、新しいNC紙をその上に重なって置いた。3MMワットマン紙3枚をさらに重なって置いた後、圧力を加えて複製NC紙を製作した。各NC紙をアンピシリン(100μl/ml)が含まれたLB培地上に載置し、37℃で4時間培養した。複製NC紙を0.1mM IPTGとアンピシリン(100μl/ml)が含まれたLB寒天プレート培地上に移した後、さらに3時間培養して蛋白質発現を誘導した。
【0069】
培養済みNC紙をクロロホルムが充填された密封ガラス内に入れ、10分間露出させた後、リゾチーム緩衝液(500mM トリス−HCl pH8.0, 150mM NaCl, 5mM MgCl, 3%ウシ血清アルブミン(w/v)、リゾチーム400μg/ml、DNAase 1U/ml)に浸漬して1時間ゆっくり振りながら融解させた。NC紙表面を柔らかく拭いた後、新しいリゾチーム緩衝液に浸漬して同じ方法で1時間反応させた。TBST緩衝液(20mM トリス−HCl pH8.0, 150mM NaCl, 0.05%ツイン20)で10分ずつ2回洗浄した後、抗血清により検索を実施した。
【0070】
NC紙をTBST(10mM トリス−HCl pH8.0, 150mM NaCl, 0.05%ツイン20)で3回洗浄した後、3%ウシ血清アルブミンにより室温で30分間反応させて余白部位を遮断した。オリエンティアツツガムシのボリョン株に対する血清をTBSTで1/40希釈し、NC紙と30分間室温で反応させた後、TBSTで10分ずつ3回洗浄した。TBSTで10,000倍希釈した2次抗体(アルカリホスファターゼ共有結合された抗マウスIgG(alkaline phosphatase conjugated anti−mouse IgG, Promega S3721))を、NC紙と室温で30分間反応させた後、TBSTで10分ずつ3回洗浄した。3MMペーパーで濾過した発色基質溶液(100mM トリス−HCl pH9.5, 100mM NaCl, 5mM MgCl, ニトロブルーテトラゾリウム(nitroblue tetrazolium)0.3mg/ml, 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸0.15mg/ml)を入れ、光を遮断して5分間反応させ、陽性クローンを得た。
【0071】
(6)ポリアクリルアミドゲル電気泳動とウェスタンブロット分析
Laemmli(Laemmli, 1970)の方法を変形してポリアクリルアミドゲル電気泳動及びウェスタンブロット分析を次のように施行した。
【0072】
0.1%SDSが含有された0.37Mトリス−HCl(pH8.8)溶液に、アクリルアミドとビスアクリルアミド(30:0.8)の混合液を添加した後、陰圧により空気を除去し、過硫酸アンモニウムとN,N,N,N−テトラメチレンジアミンを、それぞれ0.03%(w/v)と0.066%(w/v)になるように入れて、重合反応を起こし分離用ゲル(resolving gel)を製作した。
【0073】
0.1%SDSが含有された0.125Mトリス−HCl(pH6.8)溶液に、アクリルアミドとビスアクリルアミド(30:0.8)の混合液を最終濃度が5%になるように添加し、積層用ゲル(stacking gel)を製作した後、これを分離用ゲル上に載置した。
【0074】
電気泳動する大腸菌の蛋白質は、次の方法により用意した。
形質転換された大腸菌を一晩培養した後、培地により100倍希釈し、600nmにおける吸光度が0.5に達する時まで培養した後、0.1mM IPTGを添加して3時間培養した。4℃で20分間4,000×gで遠心分離した後、上清を捨ててペレットを50mMトリス−HCl(pH7.4)で1回洗浄した。遠心分離後、上清を捨てて大腸菌を含むペレットをサンプル緩衝液(2%SDS, 5%メルカプトエタノール, 20%グリセロール、0.001%ブロモフェノールブルー(w/v), 0.1Mトリス−HCl pH6.8)で浮遊させた後、100℃で5分間加熱した。室温で10分間10,000gで遠心分離した後、上清を回収してウェル当たり10μlずつ電気泳動した。
【0075】
電気泳動が終わったゲルは、染色またはイムノブロッティングをして蛋白質を確認した。
染色のために、ゲルを染色液(水:メタノール:酢酸(5:5:2)及び0.1%(w/v)クマシーブリリアントブルー(Coomassie Brilliant Blue)R250)に浸漬し、1時間染色した後、脱色液(25%メタノール, 10%酢酸)で2時間脱色した。
イムノブロッティングのために、ゲルとNC紙を重なった後、90Vで1時間転写した。転写が終わったNC紙は、免疫学的検索方法により蛋白質を検出した。
【0076】
図6は、pTYB12ベクトルにクローニングされたオリエンティアツツガムシの3つの血清型ギリアム、カーフ及びカトーから由来した56kDa蛋白遺伝子発現を示す電気泳動写真で、ここで、VはpTYB12ベクトルで形質転換された大腸菌ER2566で発現された蛋白質断片、GはpTG3ベクトルで形質転換された大腸菌ER2566で発現されたギリアム由来の56kDa蛋白断片の融合蛋白質、PはpTGP1ベクトルで形質転換された大腸菌ER2566で発現されたギリアム由来の56kDa蛋白断片と、カーフ由来の56kDa蛋白断片の融合蛋白質、TはpTGPT2ベクトルで形質転換された大腸菌ER2566で発現されたギリアム由来の56kDa蛋白断片、カーフ由来の56kDa蛋白断片及びカトー由来の56kDa蛋白断片の融合蛋白質を示す。
【0077】
図7は、pET22b(+)ベクトルにクローニングされたオリエンティアツツガムシの3つの血清型ギリアム、カーフ及びカトーから由来した56kDa蛋白遺伝子の発現を示す電気泳動写真である。
【0078】
ここで、レーン1はpTGPT2ベクトルで形質転換された大腸菌ER2566で発現されたギリアム、カーフ及びカトー由来の56kDa蛋白断片の融合蛋白を示し、レーン2はpET22b(+)ベクトルで形質転換された大腸菌ER2566の場合、レーン3はpETb7ベクトルで形質転換された大腸菌ER2566が発現するギリアム、カーフ及びカトー由来の56kDa蛋白断片の融合蛋白質を示す。
【0079】
(7)組み換え抗原の分離及び精製
▲1▼ pTGPT2で形質転換された大腸菌を37℃で培養した後、培地で100倍希釈して再培養し、600nmにおける吸光度が0.5に到達すれば、0.3mM IPTGを添加して4〜37℃で18〜72時間培養した。上記培地を4℃で15分間4,000×gで遠心分離した後、融解緩衝液(50mM トリス−HCl, 30mM NaCl, 0.2%ツイン−20, 10mM−メルカプトエタノール, 10mM EDTA, 10mM EGTA pH7.0)で浮游した。リゾチーム(1mg/ml)を混合した後、氷中で30分間放置し、大腸菌を融解させた。超音波粉砕器により最大出力の50%で1分間粉砕した後、4℃で30分間9,000×gで遠心分離し、上清を回収した。上記のような方法で、ペレットから蛋白質を3回溶出して得られた上清を混合した。その後、0.05%ツイン−20が含まれたコラム緩衝液を同量添加した後、NaCl濃度とpHをそれぞれ0.5Mと7.0に調整して分離精製に使用した。
【0080】
親和クロマトグラフィ樹脂(chitin等)2gを60mlのコラム緩衝液(20mM トリス−HCl, 0.5M NaCl, 1mM EDTA, 1mM アジ化ナトリウム)に混合し、室温で30分間再水和(rehydration)した。2.5×50cmコラムに、上記再水和された樹脂を満たした後、コラム体積の3倍容量のコラム緩衝液で洗浄した。大腸菌融解液を1ml/分の速度で通過させた後、0.05%ツイン−20が含まれたコラム緩衝液2体積で洗浄し、さらにコラム緩衝液2体積のみで洗浄した。
【0081】
280nmで溶出液の吸光度を測定しながら、分画当たり溶出液2mlを収集した。最高吸光度を有する分画10個を収集した後、蛋白質の濃度を定量するために、280nmと260nmで吸光度をそれぞれ測定した。蛋白質濃度は、次の一般式(1)で計算した。
蛋白質濃度(ml/ml)=1.55×OD280nm−0.77×OD260nm  ………………(1)
【0082】
図8は、オリエンティアツツガムシのギリアム、カーフ、カトーから由来した56kDa蛋白遺伝子の直列結合体を含むpETb7ベクトルで形質転換された大腸菌由来の融合蛋白を精製する過程を示すもので、ここで番号は分画順序を表し、溶出された各分画はドットブロットした後、マウス抗血清で免疫酵素染色したのである。
【0083】
▲2▼ pETb7ベクトルで形質転換された大腸菌の場合、組み換え融合蛋白質は、次のような方法によって精製した。
pETb7で形質転換された大腸菌BL21(DE3)を、アンピシリンが含有されたLB培地で37℃条件下で培養した後、同じLB培地で100倍希釈して再培養した。600nmにおける吸光度が0.6になる時まで培養し、最終濃度が0.3mMになるようにIPTGを添加し、さらに37℃で3時間培養した。培養された菌を5,000×gで30分間遠心分離した後、上清を捨ててペレットを結合緩衝液(5mM イミダゾール, 0.5M NaCl, 20mM トリス−HCl, pH7.9)で再懸濁した。再懸濁液を超音波処理(sonification)して蛋白を抽出した後、12,000×gで30分間遠心分離し、含有体(inclusion bodies)としての蛋白質を獲得した。このような含有体を4Mウレア(urea)が含有された結合緩衝液と混合した後、1時間氷に放置し培養することによって変成させた。16,000×gで30分間遠心分離した後、上清をHis−樹脂に添加した。
【0084】
精製に必要なHis−樹脂(His−resin)の量は、上清100ml当たり約2.5ml程度で、適量の樹脂をコラムに満たした後、平衡になるように放置した。ここに滅菌された蒸溜水を樹脂体積の3倍以上流した後、電荷緩衝液(50mM NiSO)を樹脂体積の5倍以上流し、樹脂が電荷を有するようにした。次に、4Mウレアを含有した十分な量の結合緩衝液を添加し、コラムが平衡に到達するようにした。
【0085】
その次、上記においてコラムを通過した蛋白質上清を用意した後、4Mウレアを含有した樹脂体積の10倍以上の結合緩衝液を流し、非特異的結合蛋白質を除去した。次いで、樹脂体積の6倍程度の4Mウレアを含有した洗浄緩衝液(60mMイミダゾール, 0.5M NaCl, 20mM トリス−HCl, pH7.9)を流し、残りの非特異的結合蛋白質を除去した。4Mウレアを含有した洗浄緩衝液をほとんど流した後、溶出分画を収集した。溶出された蛋白質分画を炭酸塩緩衝液を用いて、連続的にウレアの濃度を縮めながら透析した。最後に、ウレアが除去された蛋白質をELISAを行うのに利用した。
【0086】
溶出が終わった樹脂は、樹脂体積の3倍以上のストリップ緩衝液(100mM EDTA, 0.5M NaCl, 20mM トリス−HCl, pH7.9)を流し、Niによって誘導された電荷を除去した後、再使用できる。
【0087】
実施例6:酵素免疫測定法(ELISA)
上記で用意した組み換え融合蛋白抗原を0.05M炭酸塩緩衝液(pH9.6)により、濃度が1.25μg/mlになるように希釈した後、EIA用ポリ塩化ビニルプレート(TiterTek, flat bottom, softplate)96ウェルに200μlずつ分注した後、4℃で18時間反応させて抗原を貼付けた。ツイン−20が0.05%含有されたリン酸緩衝液(以下、PBSTと記す)で3回洗浄し、5%脱脂乳により室温で1時間予期されぬ反応を遮断した。
【0088】
上記用意した血清を1:100に希釈し、室温で30分間反応させた後、PBSTで6回洗浄した。2次抗体(ホースラディシュペルオキシダーゼ−共有結合された抗−マウスIgG、ホースラディシュペルオキシダーゼ−共有結合された抗−マウスIgM: Jackson 109−035−003)をPBSTで10,000倍希釈し、室温で30分間反応させた後、PBSTで6回洗浄した。
【0089】
発色基質溶液(クエン酸リン酸緩衝液、H 0.4μl/ml、o−フェニレンジアミン 0.4mg/ml)を添加し、15分間発色させて、2M HSOを添加して発色反応を停止した後、ELISA(enzyme−linked immunosorbent assay)読取機(Dynatech MR 700)を用いて、波長492nmにおいて吸光度を測定した。
【0090】
図9は、オリエンティアツツガムシから由来した56kDa蛋白遺伝子の直列結合体により発現された組み換え融合蛋白抗原と、ツツガムシ病患者及び正常人の各血清との反応性をELISAで評価したのを示すものである。図9において、横軸は間接免疫蛍光抗体法(IFA)によって測定した血清の抗体力価であり、縦軸は酵素免疫測定法の吸光度を示す。
【0091】
図10は、オリエンティアツツガムシから由来した56kDa蛋白遺伝子の直列結合体により発現された組み換え融合蛋白抗原を使用した酵素免疫測定法の感応度(sensitivity)及び特異性(specificity)を示すもので、93.6%の診断感応度と、94.2%の診断特異性を得ることができることが分かる。
【0092】
(産業上の利用の可能性)
以上で説明したように、本発明による組み換え遺伝子蛋白質抗原を用いてツツガムシ病を診断する方法は、オリエンティアツツガムシ病源体を培養し、診断用抗原として使用する間接免疫蛍光抗体法に相応する診断感応度と特異性を有する。従って、本発明では、病源体培養を必要としないだけでなく、単一遺伝子組み換え蛋白を使用する場合に比べて、診断感応度が増加し、多くの単一遺伝子組み換え蛋白混合物を使用する診断法に比べて、費用が低減される優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、オリエンティアツツガムシの3つの血清型ギリアム、カーフ、カトーから由来した56kDa蛋白の遺伝子断片を、直列結合させた例を示す模式図で、(A)はベクトルpTGPT2、(B)はベクトルpETb7の場合を示す。
【図2】図2は、オリエンティアツツガムシの3つの血清型ギリアム、カーフ、カトーから由来した56kDa蛋白の遺伝子断片を、pTYB12ベクトルに順次に導入し、pTG3、pTGP1及びpTGPT2ベクトルを製作する過程を説明する模式図である。
【図3】図3は、56kDa蛋白の遺伝子断片が直列に連結したものを、pTGPT2ベクトルからpET22b(+)ベクトルに導入し、pETb7ベクトルを製作する過程を説明する模式図である。
【図4】図4は、クローニングされたベクトルの電気泳動の結果で、MはλHindIIIサイズマーカー、VはpTY12ベクトル、GはpTG3ベクトル、PはpTGP1ベクトル、及びTはpTGPT2ベクトルである。
【図5】図5は、クローニングされたベクトルpETb7の電気泳動の結果で、MはλHindIIIサイズマーカー、レーン1はpET22b(+)ベクトル(5493bps)、及びレーン2はpETb7ベクトル(8004bps)である。
【図6】図6は、pTYB12ベクトルにクローニングされたオリエンティアツツガムシの3つの血清型ギリアム、カーフ及びカトーから由来した56kDa蛋白の遺伝子発現を示す電気泳動写真で、VはpTYB12で形質転換された大腸菌ER2566由来の蛋白質を示し、GはpTG3で形質転換された大腸菌ER2566で発現されたギリアム由来の56kDa蛋白質を示し、PはpTGPで形質転換された大腸菌ER2566で発現されたギリアム及びカーフ由来の蛋白質断片の融合蛋白質を示し、TはpTGPT2で形質転換された大腸菌ER2566で発現されたギリアム、カーフ及びカトー由来の56kDa蛋白質断片の融合蛋白質を示す。
【図7】図7は、pET22b(+)ベクトルにクローニングされたオリエンティアツツガムシの3つの血清型ギリアム、カーフ及びカトーから由来した56kDa蛋白遺伝子の発現を示す電気泳動写真で、レーン1はpTGPT2で形質転換された大腸菌ER2566で発現されたギリアム、カーフ及びカトー由来の56kDa蛋白質断片の融合蛋白質を示し、レーン2はpET22b(+)で形質転換された大腸菌ER2566を示し、レーン3はpETb7で形質転換された大腸菌ER2566で発現されたギリアム、カーフ及びカトー由来の56kDa蛋白質断片の融合蛋白質を示す。
【図8】図8は、オリエンティアツツガムシのギリアム、カーフ、カトーから由来した56kDa蛋白遺伝子の直列結合体を含むpETb7ベクトルで形質転換された大腸菌由来の融合蛋白を精製する過程を示したもので、ここで番号は分画順序を表し、溶出された各分画はドットブロットした後、マウス抗血清で免疫酵素染色したのである。
【図9】図9は、オリエンティアツツガムシの56kDa蛋白の遺伝子の直列結合体により発現された組み換え融合蛋白抗原と、ツツガムシ病患者及び正常人の各血清との反応性をELISAで評価したことを示すもので、ツツガムシ病患者が間接免疫蛍光抗体法(IFA)によって診断されたのである。図9において、横軸はIFAによって分析された血清の抗体力価を、縦軸はELISAによって分析された吸光度を示す。
【図10】図10は、オリエンティアツツガムシの56kDa蛋白の遺伝子の直列結合体により発現された組み換え融合蛋白抗原を使用したELISAの感応度(sensitivity)及び特異性(specificity)を示すもので、ツツガムシ病の診断のための感応度は93.6%で、特異性は94.2%である。

Claims (16)

  1. オリエンティアツツガムシの抗原決定基から由来した2種以上の蛋白質が融合されたことを特徴とするツツガムシ病診断用融合蛋白質。
  2. 上記2種以上の蛋白質は、オリエンティアツツガムシの56kDa蛋白質から由来したものであることを特徴とする請求項1に記載のツツガムシ病診断用融合蛋白質。
  3. 上記2種以上の蛋白質は、オリエンティアツツガムシの異種血清型菌株から由来したものであることを特徴とする請求項1または2に記載のツツガムシ病診断用融合蛋白質。
  4. 上記2種以上の蛋白質は、オリエンティアツツガムシのギリアム、カーフ及びカトーから由来したものであることを特徴とする請求項3に記載のツツガムシ病診断用融合蛋白質。
  5. オリエンティアツツガムシの抗原決定基から由来した2種以上の蛋白質の遺伝子を有するDNA断片を含むことを特徴とするベクトルDNA。
  6. 上記ベクトルは、オリエンティアツツガムシの56kDa蛋白質から由来した遺伝子を有するDNA断片を含むことを特徴とする請求項5に記載のベクトルDNA。
  7. 上記ベクトルは、オリエンティアツツガムシの異種血清型菌株から由来した2種以上の蛋白質の遺伝子を有するDNA断片を含むことを特徴とする請求項5または6に記載のベクトルDNA。
  8. 上記ベクトルは、オリエンティアツツガムシのギリアム、カーフ及びカトーから由来した少なくとも2種以上の蛋白質の遺伝子を有するDNA断片を含むことを特徴とする請求項7に記載のベクトルDNA。
  9. 請求項8に記載のベクトルであって、上記ベクトルはpTGP1であることを特徴とするベクトル。
  10. 請求項8に記載のベクトルであって、上記ベクトルはpTGPT2であることを特徴とするベクトル。
  11. 請求項8に記載のベクトルであって、上記ベクトルは寄託番号10065BPとして寄託されたpETb7であることを特徴とするベクトル。
  12. 請求項5乃至8のいずれかに記載のベクトルで形質転換された宿主細胞。
  13. 請求項1乃至4のいずれかに記載のツツガムシ病診断用融合蛋白質を製造する方法であって、請求項5乃至8のいずれかに記載のベクトルで形質転換された細胞を培養する段階を含むことを特徴とするツツガムシ病診断用融合蛋白質の製造方法。
  14. 上記形質転換された細胞は、大腸菌、酵母、真核細胞、動物組織細胞及び植物組織細胞で構成された群のうち選択された少なくとも一つ以上の細胞であることを特徴とする請求項12に記載のツツガムシ病診断用融合蛋白質の製造方法。
  15. 請求項1乃至4のいずれかに記載の融合蛋白質を使用することを特徴とするツツガムシ病の診断方法。
  16. 請求項1乃至4のいずれかに記載の融合蛋白質を含むことを特徴とするツツガムシ病診断用組成物。
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