JPH10224241A

JPH10224241A - 無線通信装置

Info

Publication number: JPH10224241A
Application number: JP9018759A
Authority: JP
Inventors: Mitsuya Okazaki; 三也岡崎
Original assignee: IDOTAI TSUSHIN SENTAN GIJUTSU; IDOTAI TSUSHIN SENTAN GIJUTSU KENKYUSHO KK
Current assignee: IDOTAI TSUSHIN SENTAN GIJUTSU; IDOTAI TSUSHIN SENTAN GIJUTSU KENKYUSHO KK
Priority date: 1997-01-31
Filing date: 1997-01-31
Publication date: 1998-08-21

Abstract

(57)【要約】【課題】受信目的の信号波に対して妨害波となる他の
発信源からの高レベルの信号を受信した場合にも、受信
回路の機能を損なうことなく、所望の受信波を良好に受
信処理することができる無線通信装置を提供することを
課題とする。【解決手段】所望の受信信号以外の周波数帯域を制限
するフィルタ回路１と、受信信号を所定の利得で増幅す
る増幅回路２と、受信信号を所定の方式で復調する復調
回路３と、受信信号のレベルに対応する検出信号４ａと
予め設定されたしきい値とを比較し、異なる飽和特性を
有する複数の信号処理経路２ａ、２ｂ、・・・から最適
の信号増幅特性を有する信号処理経路を選択する選択信
号５ａを出力する信号判別手段４と、信号判別手段４か
らの選択信号５ａに基づいて複数の信号処理経路２ａ、
２ｂ、・・・の接続状態を制御する信号処理選択手段５
から構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、移動通信を前提と
した無線通信装置に関し、詳しくは近傍の妨害波発生源
からの信号レベルに関わらず、所望の信号を良好に受信
することができる無線通信装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年の携帯電話、ＰＨＳ（Personal Han
dyphon System：パーソナル・ハンディホン・システ
ム）、自動車電話等の携帯型通信機器の急激な普及に伴
い、種々の電波障害や妨害波の影響が問題となってきて
いる。その一例として、携帯型、すなわち移動型の通信
機器における受信波レベルは、基地局（発信源）からの
距離や受信環境等により大きく変化するため、仮に受信
波レベルが微弱で、かつ受信地周辺に出力レベルの高い
他の発信源が存在すると、他の発信源からの信号波によ
り、本来の受信波を良好に受信することができなくなる
問題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図４は、従来の移動型
の通信機器の受信回路部を示すブロック図であって、図
４において、アンテナ線７０には、所望の受信信号以外
の周波数帯域を制限する受信フィルタ１０、受信信号を
所定の利得で増幅する低雑音増幅回路２０及び受信信号
を所定の方式で復調する復調器３０とを有する受信回路
部１００が接続されている。

【０００４】このような通信機器において、例えば図５
に示すような赤道上空３万６０００ｋｍの静止位置にあ
る通信衛星１０２を利用した無線通信を行なう場合、そ
の送信レベルが数Ｗから数十Ｗにすぎず、地上の通信機
器１０１において受信できる信号レベルは極めて微弱と
なる。このような受信環境にあって、通信衛星１０２の
方向（日本においては一般に南方向）、あるいは通信機
器１０１の近傍に、タクシー用業務無線の基地局１０３
のような高レベルの信号発信源があると、通信衛星１０
２からの本来の信号波１０２ａに加え、基地局１０３か
らの妨害波１０３ａが受信されることとなる。そして、
図４に示した受信回路部１００において、受信フィルタ
１０により所定の周波数帯域外の信号が遮断され、次い
で低雑音増幅回路２０により低雑音を保ちつつ、所定の
利得で増幅処理が施された後、復調回路３０により所定
の方式で復調されることとなるが、基地局１０３からの
妨害波１０３ａのレベルが低雑音増幅回路２０の飽和レ
ベルを上回る場合には、低雑音増幅回路２０が飽和状態
となり、通信衛星１０２からの信号は１０２ａに対して
所定の増幅処理が行なわれず、通信機器としての信号処
理機能が損なわれることとなる。

【０００５】このような問題を解決するために、予め想
定される妨害波のレベルに耐え得る飽和特性を有する低
雑音増幅回路を受信回路部に使用することにより、高レ
ベルの妨害波の受信に際しても的確な増幅処理を行なう
ことができるが、飽和レベルの大きい低雑音増幅回路を
常に動作させることは消費電力の増大を招くこととなる
ため、移動型の通信機器における小型軽量化、かつ長時
間使用という社会的要望に逆行することとなる。

【０００６】本発明の目的は、受信目的の信号波に対し
て妨害波となる他の発信源からの高レベルの信号を受信
した場合にも、受信回路の機能を損なうことなく、所望
の受信波を良好に受信処理することができる無線通信装
置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに、請求項１記載の発明は、所定の信号発信源から発
信された信号を受信し、該受信信号の周波数帯域を制限
するフィルタ回路と、該受信信号を増幅する増幅回路
と、該受信信号を所定の方式で復調する復調回路とを具
備する無線通信装置において、前記増幅回路が、異なる
信号増幅特性を有する複数の信号処理経路を備え、前記
受信信号のレベルに応じて、前記信号処理経路を切り換
えることを特徴としている。

【０００８】このような構成により、信号増幅特性、特
に飽和特性の異なる信号処理経路を複数を有し、受信信
号のレベルに応じて信号処理経路を適宜切り換えること
ができるため、受信信号のレベルが低い場合には飽和レ
ベルが低い信号処理経路を選択して低消費電力化を図る
ことができ、また受信信号のレベルが高い場合には飽和
レベルが高い信号処理経路を選択して飽和状態となるこ
とを回避し、所定の信号処理を良好に行うことができ
る。そのため、低消費電力化を図りつつ、高レベルの信
号波に対しても受信機能を損なうことなく良好に信号処
理を行なうことができる無線通信装置を実現することが
できる。

【０００９】また、請求項２記載の発明は、請求項１記
載の無線通信装置において、前記無線通信装置が、前記
受信信号のレベルを判別する信号判別手段と、前記複数
の信号処理経路から、前記信号判別手段により判別され
た前記受信信号のレベルに対応可能な信号増幅特性を有
する信号処理経路を選択する信号処理選択手段とを有す
ることを特徴としている。

【００１０】このような構成により、信号判別手段が受
信信号のレベルを判別し、その判別結果に基づいて信号
処理選択手段が受信信号のレベルよりも高い飽和レベル
を有する信号処理経路を選択することができるため、受
信信号のレベルに関わらず増幅処理機能を維持して、信
号増幅特性の飽和状態を回避することができ、受信信号
を良好に増幅処理することができる。

【００１１】さらに、請求項３記載の発明は、請求項１
又は２のいずれかに記載の無線通信装置において、前記
増幅回路が、少なくとも前記受信信号を所定の利得で増
幅する信号増幅特性を有する第１の信号処理経路と、前
記受信信号を前記所定の利得で増幅するとともに、前記
第１の信号処理経路よりも高い飽和特性を有する第２の
受信信号処理経路を有していることを特徴としている。

【００１２】このような構成により、受信波の受信状態
に応じて、所定の受信波のレベルに対応して所定の利得
で増幅処理する低飽和特性の第１の信号処理経路と、所
定の受信波に加え、高レベルの妨害波を受信した場合
に、妨害波によっても飽和状態とならない飽和レベルを
有し、かつ所定の受信波を所定の利得で増幅処理する高
飽和特性の第２の信号処理経路とのいずれか一方を選
択、切り換えすることができるため、受信環境が良好で
妨害波の影響が小さい場合には、第１の信号処理経路を
用いることにより、低消費電力で受信波の正常な増幅を
行なうことができるとともに、妨害波レベルが大きい場
合のみ飽和レベルの高い第２の信号処理経路を用いるこ
とにより、信号増幅特性の飽和状態を回避して、受信波
を良好に増幅処理することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】まず、本発明に係る無線通信装置
の基本概念について図１のブロック図を参照して説明す
る。図１において、１は所望の受信信号以外の周波数帯
域を制限するフィルタ回路、２はフィルタ回路１により
所定の周波数帯域に制限された受信信号を、所定の利得
で増幅する増幅回路、３は所定の利得で増幅された受信
信号を、所定の方式で復調する復調回路、４は受信信号
のレベルに対応する検出信号４ａと予め設定されたしき
い値とを比較し、複数の信号処理経路２ａ、２ｂ、・・
・から最適の信号増幅特性を有する信号処理経路を選択
するための選択信号５ａを出力する信号判別手段、５は
信号判別手段４からの選択信号５ａに基づいて複数の信
号処理経路２ａ、２ｂ、・・・の接続状態を制御する信
号処理選択手段である。ここで、増幅回路２は、例えば
同一の増幅利得を有するとともに、異なる飽和特性を有
する複数の信号処理経路２ａ、２ｂ、・・・から構成さ
れている。

【００１４】このように本発明の特徴は、飽和特性の異
なる複数の信号処理経路を有し、受信信号のレベルに応
じて適宜信号処理経路を切り換えることができるため、
受信信号のレベルが高い場合にのみ飽和レベルが高い信
号処理経路を選択して、増幅利得を一定に保ったまま、
飽和レベルのみを変化させて増幅回路本来の機能を維持
して通信機器が通信不能状態に陥ることを回避しつつ、
通常の受信状態においては飽和レベルの低い信号処理経
路を選択して消費電力の低減を図るものである。

【００１５】次に本発明の実施例について説明する。図
２は、請求項１乃至３に係る無線通信装置の一実施例を
示す概略構成図である。図２において、アンテナ線７０
には、所望の受信信号以外の周波数帯域を制限する受信
フィルタ（フィルタ回路）１０と、低雑音増幅回路を構
成する初段の増幅器２１と、低雑音増幅回路の次段の増
幅器に相当し、受信信号を所定の利得で増幅するととも
に、各々異なる飽和特性を有する増幅器（第１の信号処
理経路）２２及び増幅器（第２の信号処理経路）２３か
らなる並列回路と、増幅器２２及び２３からなる並列回
路の前段及び後段に設けられ、増幅器２２あるいは増幅
器２３のいずれかの極を同期して選択するスイッチ（信
号処理選択手段）５１及び５２と、スイッチ５１及び５
２により選択された信号処理経路により増幅処理された
信号を所定の方式により復調する復調回路３０と、復調
回路３０により復調された信号レベルを検出信号４０ａ
として入力し、増幅器２２及び２３の飽和レベルに基づ
いて予め設定されたしきい値と検出信号４０ａとを比
較、判別し、その判別結果に基づいて増幅器２２及び２
３のいずれかを選択するスイッチ５１及び５２の切換え
を制御する選択信号５１ａ及び５２ａを出力する回路構
成を有する信号判別手段４０とを有している。ここで、
説明の都合上、増幅器２２及び２３、信号判別手段４
０、スイッチ５１及び５２を便宜的に信号処理機構６０
という。

【００１６】このような構成において、例えば増幅器２
２の飽和レベルをＡ、増幅器２３の飽和レベルをＢ（＞
Ａ）とすると、信号判別手段４０にはしきい値としてＡ
が設定され、復調回路３９における復調信号、すなわち
検出信号４０ａがしきい値Ａ以下の場合には飽和レベル
の低い増幅器２２であっても、飽和状態となって信号増
幅動作が損なわれることはないため、増幅器２２が選択
される。また、検出信号４０ａがしきい値Ａ以上の場合
には飽和レベルの低い増幅器２２では飽和状態となって
信号増幅動作が正常に行なわれないため、より飽和レベ
ルの高い増幅器２３が選択される。

【００１７】このようにして、受信信号のレベルに応じ
て最適な飽和特性を有する増幅器が選択されることにな
り、本来対象としている通信衛星からの微弱な受信信号
よりも高レベルの妨害波が受信された場合には、高い飽
和レベルを有する増幅器に切り換わるため、増幅器の飽
和状態が的確に回避され、かつ所定の利得での増幅動作
が維持されるとともに、妨害波の影響の少ない通常の受
信状態においては飽和レベルが低く、消費電力の少ない
増幅器を選択することができるため、消費電力の低減を
図ることができる。

【００１８】なお、本実施例においては、低雑音増幅回
路を一般的に用いられる多段増幅器として示したが、近
年フィルタ回路を超伝導デバイスにより構成する超伝導
フィルタ回路（ＨＴＳＦ：High Temparature Supercond
ucting Filter）の研究、開発が行なわれており、その
構成を本実施例に適用することもできる。その場合、フ
ィルタ回路１０はＨＴＳＦにて構成されるため、例えば
低雑音増幅回路の初段の増幅器２１とともに低温保持体
内に配置され、低温保持体外の次段以降の増幅器２２及
び２３について図２同様に切り換え可能に構成される。
このような構成により、フィルタ回路１０は超伝導特性
を示し、低損失性及びシャープカット特性の向上を図る
ことができるとともに、増幅器２１においては低温効果
に伴う低雑音特性の向上を図ることができる。

【００１９】次に、本発明の特徴である信号処理機構６
０の他の実施例について図３を参照して説明する。図３
（ａ）に示した実施例においては、増幅器２２及び２３
が直列に接続され、増幅器２２及び２３に並列にスイッ
チ５３及び５４が接続されている。受信信号のレベルに
対応する検出信号４０ａが信号識別手段４０に入力さ
れ、その検出信号４０ａに基づいて信号識別手段４０か
ら各々のスイッチ５３及び５４に選択信号５３ａ及び５
４ａが出力される構成は、上述した実施例と同等であ
る。

【００２０】このような構成において、例えば復調回路
３０において復調された信号のレベルが検出信号４０ａ
として信号判別手段４０に入力されると、信号判別手段
４０は予め設定されているしきい値と検出信号４０ａと
を比較する。ここで、増幅器２２の飽和レベルをＡ、増
幅器２３の飽和レベルをＢ（＞Ａ）とすると、しきい値
としてＡが設定され、検出信号４０ａがしきい値Ａ以下
の場合には増幅器２２が選択されるように、また検出信
号４０ａがしきい値Ａ以上の場合には増幅器２３が選択
されるように、信号判別手段４０からスイッチ５３及び
５４の各々に選択信号５３ａ及び５４ａが出力される。

【００２１】このようにして、受信信号のレベルに応じ
て最適な飽和特性を有する増幅器を選択することによ
り、本来対象としている受信信号よりも高レベルの妨害
波を受信した場合にのみ、高い飽和レベルを有する増幅
器に切り換えることができるため、増幅器の飽和状態を
回避しつつ、所定の利得での増幅動作を行なうことがで
きるとともに、通常の受信状態においては消費電力の少
ない増幅器を選択して消費電力の低減を図ることができ
る。なお、本実施例の構成においては、増幅器２２及び
２３の選択組み合わせとして、増幅器２２単独、増幅器
２３単独の他、スイッチ５３及び５４をいずれもＯＦＦ
として増幅器２２及び２３双方による直列接続を選択す
ることもできるため、増幅利得を切り換え制御すること
もできる。

【００２２】また、図３（ｂ）に示した実施例において
は、増幅器２２及び２３が並列に接続され、増幅器２２
及び２３の選択を各々への動作電源を供給、遮断するス
イッチ５５により制御している。すなわち、受信信号の
レベルに対応する検出信号４０ａが信号識別手段４０に
入力され、その検出信号４０ａに基づいて信号識別手段
４０からスイッチ５５に選択信号５５ａが出力されて、
スイッチ５５の切り換えにより増幅器２２及び２３と電
源電位Ｖ_DDとの接続が制御されている。

【００２３】このような構成において、例えば復調回路
３０において復調された信号のレベルが検出信号４０ａ
として信号判別手段４０に入力されると、信号判別手段
４０は予め設定されているしきい値と検出信号４０ａと
を比較する。ここで、増幅器２２の飽和レベルをＡ、増
幅器２３の飽和レベルをＢ（＞Ａ）とすると、しきい値
としてＡが設定され、検出信号４０ａがしきい値Ａ以下
の場合には増幅器２２に電源電位Ｖ_DDが供給されるよう
に、また検出信号４０ａがしきい値Ａ以上の場合には増
幅器２３に電源電位Ｖ_DDが供給されるように、信号判別
手段４０からスイッチ５５に選択信号５５ａが出力され
る。

【００２４】このようにして、受信信号のレベルに応じ
て最適な飽和特性を有する増幅器のみに電源電位Ｖ_DDを
供給すること、本来対象としている受信信号よりも高レ
ベルの妨害波を受信した場合にのみ、高い飽和レベルを
有する増幅器を選択して動作させることができるため、
増幅器の飽和状態を回避しつつ、所定の利得での増幅動
作を行なうことができるとともに、通常の受信状態にお
いては消費電力の少ない増幅器を選択して動作させるこ
とができるため、消費電力の低減を図ることができる。
なお、本実施例の構成においては、増幅器２２及び２３
の選択方法として、各々の増幅器２２及び２３への電源
電位Ｖ_DDを供給、遮断する方法の他、接地電位Ｖ_SSとの
接続、遮断を制御する方法であっても良く、増幅器２２
及び２３の動作を制御できる方法であればよいことは言
うまでもない。

【００２５】以上、本発明の無線通信装置を受信回路部
の増幅回路に適用した実施例を示したが、本発明は増幅
回路に限定されるものではなく、異なる信号通過特性を
有する複数の受信フィルタ回路を備え、受信信号に応じ
て切り換える構成であっても良い。ここで、異なる信号
通過特性を実現する方法としては、通常のフィルタ回路
と、低損失性及びシャープカット特性を良好に実現でき
る超伝導フィルタ回路とを用いることができる。また、
フィルタ回路の切り換えに際し、フィルタ回路からの出
力における漏れ通過成分を検出することにより受信信号
の判別を行なうことができる。さらに、異なる信号通過
特性を有する受信フィルタ回路と異なる飽和特性を有す
る増幅回路と用いて複数の信号処理経路を構成すること
もできる。加えて、上記実施例においては複数の信号処
理経路を切り換えるスイッチについて特に言及しなかっ
たが、スイッチの種類としては、接点を機械的に切り換
えるメカニカルスイッチであっても良いし、電解効果ト
ランジスタからなる半導体スイッチにより導通状態を切
り換える構成であっても良い。

【００２６】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、信号増幅
特性、特に飽和特性の異なる信号処理経路を複数を有
し、受信信号のレベルに応じて信号処理経路を適宜切り
換えることができるため、受信信号のレベルが低い場合
には飽和レベルが低い信号処理経路を選択して低消費電
力化を図ることができ、また受信信号のレベルが高い場
合には飽和レベルが高い信号処理経路を選択して飽和状
態となることを回避し、所定の信号処理を良好に行うこ
とができる。そのため、低消費電力化を図りつつ、高レ
ベルの信号波に対しても受信機能を損なうことなく良好
に信号処理を行なうことができる無線通信装置を実現す
ることができる。

【００２７】また、請求項２記載の発明によれば、信号
判別手段が受信信号のレベルを判別し、その判別結果に
基づいて信号処理選択手段が受信信号のレベルよりも高
い飽和レベルを有する信号処理経路を選択することがで
きるため、受信信号のレベルに関わらず増幅処理機能を
維持して、信号増幅特性の飽和状態を回避することがで
き、受信信号を良好に増幅処理することができる。

【００２８】さらに、請求項３記載の発明によれば、受
信波の受信状態に応じて、所定の受信波のレベルに対応
して所定の利得で増幅処理する低飽和特性の第１の信号
処理経路と、所定の受信波に加え、高レベルの妨害波を
受信した場合に、妨害波によっても飽和状態とならない
飽和レベルを有し、かつ所定の受信波を所定の利得で増
幅処理する高飽和特性の第２の信号処理経路とのいずれ
か一方を選択、切り換えすることができるため、受信環
境が良好で妨害波の影響が小さい場合には、第１の信号
処理経路を用いることにより、低消費電力で受信波の正
常な増幅を行なうことができるとともに、妨害波レベル
が大きい場合のみ飽和レベルの高い第２の信号処理経路
を用いることにより、信号増幅特性の飽和状態を回避し
て、受信波を良好に増幅処理することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る無線通信装置の基本概念を示すブ
ロック図である。

【図２】本発明の請求項１乃至３に係る無線通信装置の
一実施例を示す概略構成図である。

【図３】本発明の請求項１乃至３に係る無線通信装置の
他の実施例を示す概略構成図である。

【図４】従来の通信機器の受信回路部を示すブロック図
である。

【図５】従来の移動型の通信機器の問題点を説明する図
である。

【符号の説明】

１、１０フィルタ回路２増幅回路２ａ、２ｂ、・・・信号処理経路３、３０復調回路４、４０信号判別手段４ａ、４０ａ検出信号５信号処理選択手段５ａ、５１ａ〜５５ａ選択信号２０低雑音増幅回路２１〜２３増幅器５１〜５５スイッチ６０信号処理機構７０アンテナ線１００受信回路部１０１通信機器１０２通信衛星１０２ａ信号波１０３基地局１０３ａ妨害波

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】所定の信号発信源から発信された信号を受
信し、該受信信号の周波数帯域を制限するフィルタ回路
と、該受信信号を増幅する増幅回路と、該受信信号を所
定の方式で復調する復調回路とを具備する無線通信装置
において、前記増幅回路が、異なる信号増幅特性を有する複数の信
号処理経路を備え、前記受信信号のレベルに応じて、前
記信号処理経路を切り換えることを特徴とする無線通信
装置。
【請求項２】前記無線通信装置が、前記受信信号のレベ
ルを判別する信号判別手段と、前記複数の信号処理経路
から、前記信号判別手段により判別された前記受信信号
のレベルに対応可能な信号増幅特性を有する信号処理経
路を選択する信号処理選択手段とを有することを特徴と
する請求項１記載の無線通信装置。
【請求項３】前記増幅回路が、少なくとも前記受信信号
を所定の利得で増幅する信号増幅特性を有する第１の信
号処理経路と、前記受信信号を前記所定の利得で増幅す
るとともに、前記第１の信号処理経路よりも高い飽和特
性を有する第２の受信信号処理経路を有していることを
特徴とする請求項１又は２のいずれかに記載の無線通信
装置。