JPH10223967A - 分布帰還型半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents

分布帰還型半導体レーザ及びその製造方法

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JPH10223967A
JPH10223967A JP9019553A JP1955397A JPH10223967A JP H10223967 A JPH10223967 A JP H10223967A JP 9019553 A JP9019553 A JP 9019553A JP 1955397 A JP1955397 A JP 1955397A JP H10223967 A JPH10223967 A JP H10223967A
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layer
resonator
distributed feedback
guide layer
length direction
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JP9019553A
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Kimitaka Shibata
公隆 柴田
Takashi Nishimura
隆司 西村
Kimio Shigihara
君男 鴫原
Hitoshi Watanabe
斉 渡辺
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/10Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region
    • H01S5/12Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region the resonator having a periodic structure, e.g. in distributed feedback [DFB] lasers
    • H01S5/1228DFB lasers with a complex coupled grating, e.g. gain or loss coupling
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    • H01S5/34333Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising quantum well or superlattice structures, e.g. single quantum well [SQW] lasers, multiple quantum well [MQW] lasers or graded index separate confinement heterostructure [GRINSCH] lasers in AIIIBV compounds, e.g. AlGaAs-laser, InP-based laser with a well layer based on Ga(In)N or Ga(In)P, e.g. blue laser

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DFBレーザ101において、光導波領域で
の実効屈折率の変化により共振器の持つ結合定数κを変
化させて、SHB現象による光出力電流特性の線形性の
劣化を制御性よく抑制する。 【解決手段】 ガイド層51を構成する半導体結晶の組
成を、共振器長方向における結合係数の変化により該共
振器内での電界分布が均一化されるよう、該共振器長方
向にて変化させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は分布帰還型半導体
レーザ及びその製造方法に関し、特に光通信等に使用す
る分布帰還型半導体レーザにおける変調歪みを低減する
ための構造及びその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アナログ変調方式を用いた光通信システ
ムでは、その光源として分布帰還型半導体レーザ(以
下、DFBレーザともいう。)が用いられており、図2
2は従来のDFBレーザの構造を示す斜視図である。ま
た、図23(a) はその共振器長方向と平行な断面の構造
を示す図、図23(b) は該共振器長方向における結合定
数の分布状態を示す図である。
【0003】図において、200は従来のDFBレーザ
で、その基板1上には、レーザ光を発生させるための半
導体積層構造210が形成されており、該積層構造21
0は、厚さ1.5μmの下クラッド層2と厚さ0.15
〜0.2μm程度の上クラッド層4との間に、i−In
GaAsPからなる厚さ0.1μmの歪み多重量子井戸
活性層(i−InGaAsP系MQW活性層)3を挟み
込んで構成されている。該活性層3の層厚はその構成材
料等により異なり、0.05〜0.2μmの範囲の層厚
に設定される。ここで、上記基板1には、Znをドープ
したキャリア濃度1×1018cm-3のp−InP基板が
用いられており、上記下クラッド層2は、Znをドープ
したキャリア濃度1×1018cm-3のp−InP層か
ら、上クラッド層4は、Sをドープしたキャリア濃度5
×1017〜1×1018cm-3のn−InP層から構成さ
れている。
【0004】また、上記積層構造210は、上記基板1
上の所定方向に沿った帯状リッジ部220を構成してお
り、該基板1上の、リッジ部220の両側には、下側,
中間,及び上側の電流ブロック層7a,7b,7cが積
層されている。これらの電流ブロック層は、層厚方向の
電流の流れをブロックするとともに、上記活性層3を中
心とする光導波領域にレーザ光が集中するよう、レーザ
光の横方向閉込めを行う光閉じ込め構造210a,21
0bを構成している。また、上記上クラッド層4上に
は、上記リッジ部220を構成する厚さ0.04μmの
埋め込み格子構造のガイド層5が配置されている。この
ガイド層5は、該光導波領域での光導波方向にて周期構
造を持つよう,つまり平面形状がストライプ形状となる
よう形成されており、該光導波領域にてレーザ光の分布
帰還を発生させる共振器を構成するものとなっている。
【0005】ここで、上記ガイド層5は、Seをドープ
したキャリア濃度5×1017〜1×1018cm-3のn−
InGaAsPからなり、その周期構造におけるInG
aAsP領域の配置間隔は0.2μmとなっている。さ
らに、上記下側,上側電流ブロック層7a,7cは、Z
nをドープしたキャリア濃度1×1018cm-3のp−I
nP層からなり、中央電流ブロック層7bは、Sをドー
プしたキャリア濃度7×1017cm-3のn−InP層か
ら構成されている。
【0006】また、上記ガイド層5上には、Sをドープ
したキャリア濃度5×1017〜1×1018の低濃度のn
−InPコンタクト層6がそのInGaAsP領域間の
部分を埋め込むよう形成されており、このn−InPコ
ンタクト層6は、上記リッジ部220を構成している。
【0007】さらに上記リッジ部220及び光閉じ込め
構造210a,210b上には、高濃度コンタクト層9
が形成されており、このコンタクト層9は、Seをドー
プしたキャリア濃度は7×1018cm-3程度のn−In
P層から構成されている。ここでn−InP層の厚さ,
つまり上記ガイド層5の表面からコンタクト層9の表面
までの距離は、2μm程度となっている。
【0008】そして、上記コンタクト層6上には、絶縁
膜8を介してn電極10bが形成され、上記p−InP
基板1の裏面側にはp電極10aが形成されている。上
記n電極10bは、該絶縁膜8の、上記リッジ部220
に対応する部分に形成された絶縁膜開口8aを介して上
記コンタクト層9と電気的に接続されている。ここで、
n電極10bは下層のCr層と上層のAu層とからなる
積層構造となっており、上記p電極10aは、基板側の
AuZn合金層と表面側のAu層とからなる積層構造と
なっている。
【0009】次に製造方法について説明する。図24及
び図25は上記DFBレーザの製造方法を主要工程順に
説明するための断面図であり、図24(a) 〜(d) ,図2
5(a) 〜(e) は、該DFBレーザの低反射膜側端面の構
造を、図24(e) 〜(h) ,図25(f) 〜(j) は共振器長
方向と平行な断面の構造をそれぞれ工程順に示してい
る。
【0010】まず、p−InP基板1上に、厚さ1.5
μmのp−InP層2a,i−InGaAsPからなる
厚さ0.1μm程度の歪み多重量子井戸層3a,厚さ
0.15μmのn−InP層4a、及び厚さ0.04μ
mのn−InGaAsP層5aを、MOCVD法により
連続的に成長する(図24(a) ,(e) )。
【0011】続いて、干渉露光法を用いて写真製版を行
い、これにより形成されたフォトマスクを用いてSiO
2 膜のパターニングを行い、所定方向における周期構造
を有するSiO2 マスク20aを形成する(図24(b)
,(f) )。
【0012】さらに、該SiO2 マスク20aをエッチ
ングマスクとして、上記n−InGaAsP層5aをエ
ッチングして、InGaAsP領域とスペース領域とが
上記所定方向に交互に並ぶ周期構造を有するn−InG
aAsP層5bを形成する(図24(c) ,(g) )。
【0013】そして、SiO2 マスク20aを除去した
後、再びMOCVD法を用いてn−InP層6aを、該
n−InGaAsP層5aのスペース領域が埋め込まれ
るよう全面に成長する(図24(d) ,(h) )。
【0014】次に、上記所定方向に沿って所定の幅を有
する帯状SiO2 マスク20bを形成し(図25(a) ,
(f) )、これをエッチングマスクとして、基板上の各半
導体層を選択的にエッチングして、断面メサ形の帯状リ
ッジ部220を形成する(図25(b) ,(g) )。つま
り、該リッジ部220を構成する下クラッド層2,活性
層3,上クラッド層4,ガイド層5,及び低濃度コンタ
クト層6が形成される。
【0015】その後、上記帯状マスク20bを選択成長
マスクとして、MOCVD法によりp−InP下側電流
ブロック層7a,n−InP中央電流ブロック層7b,
及びp−InP上側電流ブロック層7cを、上記基板1
上の、リッジ部220の両側に順次成長する(図25
(c) ,(h) )。このとき該リッジ部220の両側の各電
流ブロック層7a〜7cにより、光閉じ込め構造210
a,210bが形成される。
【0016】さらに、上記帯状マスク20bを除去した
後、上記リッジ部220及び電流ブロック層7c上に高
濃度コンタクト層9を形成し、その後上記リッジ部22
0に対応する部分に絶縁膜開口8aを有するSiO2
8を形成する(図25(d) ,(i) )。そして最後に、上
記SiO2 膜8上にオーミック性のn電極10bを形成
し、基板1の裏面側にオーミック性のp電極10aを形
成して、DFBレーザ200を完成する(図25(e) ,
(j) )。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アナログ変
調方式を用いた光通信システムでは、光源となるDFB
レーザには、光出力−電流特性(L−I特性)の線形性
が良く、変調歪が小さいことが求められるが、DFBレ
ーザでは、そのL−I特性の線形性を悪化させる要因と
して、横軸方向空間的ホールバーニング(Spatial Hole
Burning)と呼ばれる現象(以下、SHB現象とい
う。)がある。このSHB現象は、共振器内で電界が不
均一に分布する現象であり、この電界の不均一な分布に
よって共振器内での光利得が不均一なものとなり、注入
電流の増減に対する光出力の変化に非線形性が生じ、変
調歪による特性の悪化を招くこととなる。また、上記S
HB現象の抑圧には、共振器内にて結合定数κを変化さ
せることが効果的であることが知られているが、この共
振器内で結合定数を変化させるための有効な構造につい
ては、現在のところまだ実現されていない。
【0018】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、光導波領域での実効屈折率の変化
により共振器内の結合定数を制御性よく変化させるため
の構造を実現でき、これによりSHB現象による光出力
電流特性の線形性の劣化を効果的に抑制することができ
る分布帰還型半導体レーザ及びその製造方法を得ること
を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係る分布帰還型半導体レーザは、活性層を上下のクラッ
ド層により挟み込んでなり、該活性層にてレーザ光を発
生させるための半導体積層構造と、該半導体積層構造の
近傍に配置され、上記活性層を中心とする光導波領域に
レーザ光が集中するよう、該レーザ光の横方向閉込めを
行う光閉じ込め構造と、上記半導体積層構造の近傍に該
活性層からのレーザ光を吸収するよう配置され、該活性
層との間で光結合するガイド層と、該活性層とガイド層
との光結合強度の、上記光導波領域での光導波方向にお
ける周期的な変化により、該光導波領域にてレーザ光の
分布帰還を発生させる共振器構造とを備え、上記光結合
強度に対応する結合定数を変化させる要素である該活性
層の幅,該ガイド層の材料組成,及びガイド層と活性層
との距離のうちの少なくとも1つの要素が、共振器長方
向における変化を有するものである。
【0020】この発明(請求項2)は、上記請求項1記
載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記ガイド層を
構成する半導体結晶の組成を、上記結合定数の変化によ
り上記共振器内での電界分布が均一化されるよう、上記
共振器長方向における位置に応じて変化させたものであ
る。
【0021】この発明(請求項3)は、上記請求項1記
載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記ガイド層と
上記活性層との間の距離を、上記結合定数の変化により
上記共振器内での電界分布が均一化されるよう、上記共
振器長方向における位置に応じて変化させたものであ
る。
【0022】この発明(請求項4)は、上記請求項1記
載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記活性層の共
振器長方向と垂直な方向の幅を、上記結合定数の変化に
より該共振器内での電界分布が均一化されるよう、該共
振器長方向における位置に応じて変化させたものであ
る。
【0023】この発明(請求項5)は、上記請求項1記
載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記光導波領域
を、上記活性層,上下のクラッド層,及びガイド層から
なる光導波路とし、該光導波路の共振器長方向と垂直な
方向の幅を、上記結合定数の変化により上記共振器内で
の電界分布が均一化されるよう、該共振器長方向におけ
る位置に応じて変化させたものである。
【0024】この発明(請求項6)は、上記請求項1記
載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記ガイド層の
少なくとも一部を多層構造とするとともに、該ガイド層
における積層数を、上記結合定数の変化により上記共振
器内での電界分布が均一化されるよう、上記共振器長方
向における位置に応じて変化させたものである。
【0025】この発明(請求項7)は、上記請求項6記
載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記ガイド層の
多層構造部分を構成する各半導体層を、その結晶組成が
互いに異なるよう構成したものである。
【0026】この発明(請求項8)に係る分布帰還型半
導体レーザは、活性層を上下のクラッド層により挟み込
んでなり、該活性層にてレーザ光を発生させるための半
導体積層構造と、該半導体積層構造の近傍に配置され、
上記活性層を中心とする光導波領域にレーザ光が集中す
るよう、該レーザ光の横方向閉込めを行う光閉じ込め構
造と、該光導波領域での光導波方向に対する周期構造を
持つよう形成され、該光導波領域にて上記レーザ光の分
布帰還を発生させる共振器を構成するガイド層とを備
え、該ガイド層を、第1領域と第2領域とが共振器長方
向に交互に配列されたストライプ状平面パターンを有
し、隣接する第1及び第2領域間での層厚比が該共振器
長方向における位置に応じて変化した構造としたもので
ある。
【0027】この発明(請求項9)は、上記請求項8記
載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記隣接する第
1及び第2領域間での層厚比の共振器長方向における変
化を、高次関数に対応した変化としたものである。
【0028】この発明(請求項10)は、上記請求項8
記載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記ガイド層
を構成する半導体結晶の組成を、その層厚方向にて変化
させたものである。
【0029】この発明(請求項11)に係る分布帰還型
半導体レーザの製造方法は、第1導電型半導体基板上に
第1導電型下クラッド層,活性層,第2導電型上クラッ
ド層,及び第2導電型ガイド層を順次形成する工程と、
該第2導電型ガイド層上に第2導電型の第1の半導体層
を、所定方向における厚さの変化が生ずるよう形成する
工程と、上記第2導電型の第1の半導体層及び上記ガイ
ド層の選択的なエッチングにより、上記ガイド層を、第
1領域と第2領域とが上記所定方向に交互に配列された
ストライプ状平面パターンを有し、隣接する第1及び第
2領域間での層厚比が上記所定方向における位置に応じ
て変化した構造とする工程と、上記基板上の各層の選択
的なエッチング処理により、上記所定方向にてレーザ光
の分布帰還を発生させる共振器を構成する、光導波領域
となるリッジ部を形成する工程とを含むものである。
【0030】この発明(請求項12)は、上記請求項1
1記載の分布帰還型半導体レーザの製造方法において、
上記第2導電型の第1の半導体層及び上記ガイド層の選
択的なエッチング処理を、ドライエッチング処理により
行うものである。
【0031】
【発明の実施の形態】まず、本発明の基本原理について
説明する。一般にDFBレーザの結合定数κは次式
(1)のように表される。
【0032】 κ=(π・△nΓ/λo )+(△αΓ/2) ・・・(1) ここで、△nはガイド層とクラッド層の屈折率差(実効
屈折率)、Γはガイド層への光の浸み出し率、△αはガ
イド層とクラッド層の利得係数差、λo は周期構造を有
するガイド層のストライプのピッチで決まるブラック波
長である。
【0033】この結合定数の変化により、共振器内での
電界分布を変化させることができ、従って、この結合定
数の共振器長方向における分布により、SHB現象によ
り生じた共振器内での電界の不均一な分布を相殺するこ
とができる。
【0034】つまり、上記結合定数を共振器長方向に変
化させることにより、共振器内で結合定数κが一様であ
るDFBレーザよりもSHB現象による電界の不均一な
分布を抑圧でき、変調2次歪に換算して10dB以上の
改善効果を期待できる。以下、本発明の各実施の形態に
ついて説明する。
【0035】実施の形態1.図1は本発明の実施の形態
1によるDFBレーザを説明するための図であり、図1
(a) はその共振器長方向と平行な断面の構造を示し、図
1(b) はその結合定数の共振器長方向における分布を示
している。図1(c) は該DFBレーザの製造プロセスに
て用いる選択成長用マスクの形状を示す平面図である。
【0036】図において、図23と同一符号は従来のD
FBレーザ200と同一のものを示し、101は、レー
ザ光を発生するための半導体積層構造110を有する本
実施の形態1のDFBレーザである。この半導体積層構
造110は、従来のDFBレーザ200における半導体
積層構造210と同様、上下のクラッド層2,4の間に
活性層3を挟み込んでなる構造となっている。また、こ
の半導体積層構造110の一端側端面には低反射膜が、
他端側端面に高反射膜がコーティングされており、これ
により共振器が構成されており、低反射膜側端面からレ
ーザ光が出射方向Ldに沿って出射されるようになって
いる。
【0037】そしてこのDFBレーザ101では、共振
器にてレーザ光の分布帰還を発生させるための周期構造
を有する埋め込み格子構造のガイド層51を、その構成
材料であるn−Inx Ga1-x Asy 1-y の組成を共
振器長方向に沿って変化させた構造としている。これに
より上記(1)式のガイド層51と上クラッド4との間
での屈折率差△nが共振器長方向にて変化し、これに応
じて結合定数κの分布が、共振長方向における変化を有
するものとなる。その他の構成は従来のDFBレーザ2
00と同一である。
【0038】また、ここでは、上記ガイド層51を構成
するn−InGaAsPの材料組成の分布は、共振器の
低反射膜側端面から高反射膜側端面にかけて、バンドギ
ャップの波長換算値λgが、0.92μm付近から1.
67μm付近まで徐々に直線的に変化するような分布と
している。なお、ここでは共振器端面間の距離は300
μm程度としており、またその高反射膜側端面での結合
定数κは0、低反射膜側端面での結合定数は2〜3とし
ている。
【0039】次に製造方法について説明する。このよう
な構成のDFBレーザ101の製造方法は、従来のDF
Bレーザ200の製造方法とは、ガイド層51となるI
nGaAsP層51a(図2(b) ,(g) 参照) の成長
を、図1(c) に示す選択成長用マスク30を用いてバン
ドギャップ制御選択成長法により行う点のみ異なってい
る。このマスク30は、ガイド層となるInGaAsP
層を形成すべき領域R1の両側に相対向するよう配置さ
れ、その幅が、共振器の高反射膜側端面から低反射膜側
端面にかけて徐々に増大した絶縁膜30a,30bから
なる。
【0040】以下、簡単に説明する。図2及び図3は上
記DFBレーザの製造方法を主要工程順に説明するため
の側面図及び断面図であり、図2(a) 〜(e) ,図3(a)
〜(e) は、該DFBレーザの低反射膜側端面の構造を、
図2(f) 〜(j) ,図3(f) 〜(j) は、リッジ部分の、共
振器長方向と平行な断面の構造をそれぞれ工程順に示し
ている。
【0041】まず、p−InP基板1上に、厚さ1.5
μmのp−InP層2a,i−InGaAsPからなる
厚さ0.1μm程度の歪み多重量子井戸層3a,及び厚
さ0.15μmのn−InP層4aを、MOCVD法に
より順次成長し、その後、該n−InP層4a上に、図
1(c) に示すように選択成長用マスク30を形成する
(図2(a) ,(f) )。このマスク30は、所定間隔隔て
て相対向する一対の絶縁膜30a,30bからなり、各
絶縁膜30a,30bは、一端側から他端側にかけてそ
の幅が徐々に減少した平面形状を有している。
【0042】次に、上記マスク30を用いて、MOCV
D法によりn−InGaAsP層51aの選択成長を行
う(図2(b) ,(g) )。この成長時には、上記マスク3
0の平面形状に応じて成長種の分布に偏りが生じ、該成
長されたInGaAsP層5aの組成は、その一端側か
ら他端側にかけて直線的に変化したものとなっている。
【0043】その後は、従来のDFBレーザの製造方法
における、図24(b) ,(f) 及び24図(c) ,(g) に示
す工程と同様に処理を行って、上記n−InGaAsP
層51aを加工し、InGaAsP領域とスペース領域
とが上記所定方向に交互に並ぶ周期構造を有する、平面
ストライプ形状のn−InGaAsP層51bを形成す
る(図2(c) ,(h) 及び図2(d) ,(i) 参照)。さら
に、SiO2 マスク20aを除去した後、再びMOCV
D法を用いて低濃度コンタクト層としてのn−InP層
6aを、該InGaAsP層51aのスペース領域が埋
め込まれるよう全面に成長する(図2(e) ,(j) )。
【0044】次に、上記所定方向に沿って所定の幅を有
する帯状マスク20bを形成し(図3(a) ,(f) )、こ
れを用いた選択エッチングにより帯状リッジ部220を
形成し(図3(b) ,(g) )、さらに該マスク20bを用
いた選択成長により電流ブロック層7a〜7cを形成す
る(図3(c) ,(h) )。
【0045】その後は、図25(d) ,(i) に示す工程と
同様の処理を行って、高濃度コンタクト層9及び絶縁膜
8を形成し(図3(d) ,(i) )、さらに図25(e) ,
(j) に示す工程と同様の処理を行ってオーミック性のn
電極10b及びp電極10aを形成し(図3(e) ,(j)
)、これによりDFBレーザ101を完成する。
【0046】次に作用効果について説明する。本実施の
形態1では、光導波領域にて上記共振器長方向における
結合定数κを、該共振器内での電界分布が均一化される
よう、該共振器長方向にて変化させたので、SHB現象
による光出力電流特性の線形性の劣化を効果的に抑制す
ることができる。また、上記光導波領域にて上記共振器
長方向における実効屈折率を、上記ガイド層51を構成
する半導体結晶の組成を変えることにより変化させたの
で、上記光導波領域での実効屈折率の変化により共振器
内の結合定数を制御性よく変化させることができる。
【0047】また、ガイド層51となるInGaAsP
層の成長には、その幅が共振器長方向に沿って変化した
平面形状の選択成長用マスク30を用いるので、成長さ
れるInGaAsP層の組成を上記マスク30の幅によ
り簡単に調整することができる。また、この選択成長用
マスク30の形状を変化させることにより、様々な関数
に対応した結合定数κの分布を実現することも可能であ
る。
【0048】なお、実施の形態1では、分布帰還を発生
させるためのガイド層の構造として、埋め込み回折格子
構造を示したが、DFBレーザのガイド層の構造はこれ
に限るものではない。
【0049】図4(a) は、本実施の形態1の変形例1と
して、分布帰還を発生させるための波型ガイド層を有す
るDFBレーザを断面構造を示している。
【0050】図において、101aはこの変形例1によ
るDFBレーザである。このDFBレーザ101aは、
共振器にてレーザ光の分布帰還を発生させるための周期
構造を有する波型ガイド層511を有している。このガ
イド層511を構成するn−Inx Ga1-x Asy
1-y の組成は、共振器長方向に沿って変化したものとな
っており、これにより光導波領域にて上記共振器長方向
における結合定数が、該共振器内での電界分布が均一化
されるよう、該共振器長方向にて変化している。その他
の構成は上記実施の形態1のDFBレーザ101と同一
である。
【0051】なお、上記波型ガイド層511は、図2
(d) ,(i) に示す工程でのInGaAsP層の選択的な
エッチング処理を、InGaAsP層がその層厚方向に
完全にエッチングされるまでに停止することにより形成
することができる。
【0052】このような構成のDFBレーザ101aに
おいても上記実施の形態1と同様な効果が得られる。
【0053】また、図4(b) は、本実施の形態1の変形
例2として、活性層厚変調型DFBレーザの断面構造を
示している。
【0054】図において、101bはこの変形例2によ
るDFBレーザであり、このDFBレーザ101bで
は、レーザ光を発生するための半導体積層構造112
を、波型活性層31を上下のクラッド層2,4で挟み込
んでなる構造としている。この波型活性層31は、共振
器にてレーザ光の分布帰還を発生させるための周期構造
を持つよう、その層厚を共振器長方向にて一定周期で変
化させたものである。またこのDFBレーザ101bで
は、ガイド層512を、その組成が共振器長方向に沿っ
て変化した、均一な層厚のn−InGaAsP層から構
成している。その他の構成は実施の形態1のDFBレー
ザ101と同一である。
【0055】なお、上記波型活性層31は、図2(a) ,
(f) に示す工程にてi−InGaAsP層3aを形成し
た後、該i−InGaAsP層3aに対して、上記変形
例1のDFBレーザ101aのガイド層511のエッチ
ング処理と同様な処理を施すことにより形成することが
できる。
【0056】このような構成のDFBレーザ101bに
おいても上記実施の形態1と同様な効果が得られる。
【0057】実施の形態2.図5は本発明の実施の形態
2によるDFBレーザを説明するための図であり、図5
(a) は、そのリッジ部における共振器長方向と平行な断
面の構造を示している。
【0058】図において、図23と同一符号は従来のD
FBレーザ200と同一のものを示し、102は、レー
ザ光を発生するための半導体積層構造120を有する本
実施の形態2のDFBレーザである。この半導体積層構
造120は、活性層3を、上下のクラッド層2,42の
間に挟み込んで構成されている。この上クラッド層42
上には、光波の分布帰還のための周期構造を持つ埋め込
み格子構造のn−InGaAsPガイド層52が形成さ
れている。また、半導体積層構造120の一端側端面に
低反射膜が、他端側端面に高反射膜がコーティングされ
ており、これにより共振器が構成されている。
【0059】そして、この実施の形態2では、上クラッ
ド層42は、その層厚を、共振器の低反射膜側端面から
高反射膜側端面にかけて徐々に増大させた構造とし、共
振器長方向に沿って、活性層3からn−InGaAsP
ガイド層52までの距離が変化した構造としている。な
お、ここでは共振器端面間の距離は300μm程度とし
ており、またその高反射膜側端面での結合定数κは0、
低反射膜側面側での結合定数κは2〜3としている。
【0060】このような構成のDFBレーザ102の製
造方法は、従来のDFBレーザ200の製造方法とは、
上クラッド層となるn−InP層42aのエピタキシャ
ル成長の際、図5(c) に示す選択成長用マスク40を用
いてその層厚を制御する点のみ異なっている(図6(a)
,(f) 参照) 。このマスク40は、上クラッド層42
となるInP層を形成すべき領域R2の両側に相対向す
るよう配置され、その幅が、共振器の低反射膜側端面か
ら高反射膜側端面にかけて徐々に増大した一対の絶縁膜
40a,40bからなる。
【0061】以下、製造方法について簡単に説明する。
図6及び図7は上記DFBレーザの製造方法を主要工程
順に説明するための側面図及び断面図であり、図6(a)
〜(e) ,図7(a) ,(b) は、該DFBレーザの低反射膜
側端面の構造を、図6(f) 〜(j) ,図7(c) ,(d) はそ
のリッジ部における共振器長方向と平行な断面の構造を
それぞれ工程順に示している。
【0062】まず、p−InP基板1上に、厚さ1.5
μmのp−InP層2a,及びi−InGaAsPから
なる厚さ0.1μm程度の歪み多重量子井戸層3aを、
MOCVD法により順次成長し、その後、該歪み多重量
子井戸層3a上に、図5(c)に示すように選択成長用マ
スク40を形成する(図6(a) ,(f) )。
【0063】次に、上記マスク40を用いて、MOCV
D法によりn−InP層42aの選択成長を行う(図6
(a) ,(f) )。この成長時には、上記マスク40の平面
形状に応じて成長ガスの濃度分布に偏りが生じ、マスク
幅の広い側では、マスク幅の狭い側に比べてn−InP
層42aの層厚が厚くなる。
【0064】さらに、全面にn−InGaAsP層52
aを形成し(図6(b) ,(g) )、その後は、従来のDF
Bレーザの製造方法における、図24(b) ,(f) 及び図
24(c) ,(g) に示す工程と同様に処理を行って、上記
n−InGaAsP層52aを加工し、InGaAsP
領域とスペース領域とが上記所定方向に交互に並ぶ周期
構造を有するn−InGaAsP層52bを形成する
(図6(c) ,(h) 及び図6(d) ,(i) 参照)。
【0065】そして、SiO2 マスク20aを除去した
後、再びMOCVD法を用いて低濃度コンタクト層とし
てのn−InP層6aを、該InGaAsP層52bの
スペース領域が埋め込まれるよう全面に成長する(図6
(e) ,(j) )。
【0066】その後は、上記実施の形態1のDFBレー
ザ101の製造方法と同様、帯状マスク20bの形成
(図7(a) ,(c) )、及びこれを用いた選択エッチング
(図7(b) ,(d) )を行って、帯状リッジ部220を形
成し、さらに図3(c) 〜(e) 及び図3(h) 〜(j) に示す
工程と同様の処理を行って、本実施の形態2のDFBレ
ーザ102を完成する。
【0067】次に作用効果について説明する。本実施の
形態2では、活性層3とガイド層52との距離を共振器
長方向にて変化させたので、上記(1)式におけるガイ
ド層への光の浸み出し率Γが変化することとなり、これ
により結合定数の共振器長方向における変化が生ずるこ
ととなる。また、結合定数は、該共振器内での電界分布
が均一化されるよう、共振器長方向にて変化しているの
で、SHB現象による光出力電流特性の線形性の劣化を
効果的に抑制することができる。
【0068】また、本実施の形態2では、n型InPク
ラッド層42の層厚により結合定数を変化させるように
しているので、該クラッド層42の層厚がエピタキシャ
ル成長時に制御できることから、結合定数κの制御性,
再現性を優れたものとできる。
【0069】なお、上記実施の形態2では、分布帰還を
発生させるためのガイド層の構造として、埋め込み回折
格子構造を示したが、DFBレーザのガイド層の構造は
上述したようにこれに限るものではない。
【0070】図5(b) は、本実施の形態2の変形例とし
て、分布帰還を発生させるための波型ガイド層を有する
DFBレーザを断面構造を示している。
【0071】図において、102aはこの変形例による
DFBレーザであり、このDFBレーザ102aは、上
記格子構造のガイド層52に代えて、共振器にてレーザ
光の分布帰還を発生させるための周期構造を有する波型
ガイド層521を有している。その他の構成は上記実施
の形態2のDFBレーザ102と同一である。
【0072】なお、上記波型ガイド層521は、図6
(d) ,(i) に示す工程でのInGaAsP層の選択的な
エッチング処理を、InGaAsP層がその層厚方向に
完全にエッチングされるまでに停止することにより形成
することができる。
【0073】このような構成のDFBレーザ102aに
おいても上記実施の形態2と同様な効果が得られる。
【0074】また、図示していないが、本実施の形態2
の変形例として、レーザ光を発生するための半導体積層
構造120を構成する活性層を、共振器にてレーザ光の
分布帰還を発生させるための周期構造を持つよう波型構
造とした利得結合型DFBレーザも考えられることは言
うまでもない。この場合、ガイド層は、その活性層との
距離が共振器長方向に沿って変化した、均一な層構造の
InGaAsP層から構成する。
【0075】実施の形態3.図8は本発明の実施の形態
3によるDFBレーザを説明するための図であり、図8
(a) はそのリッジ部における共振器長方向と平行な断面
の構造を示し、図8(b) は活性層とガイド層との位置関
係を示す平面図である。また、図8(c) は、該DFBレ
ーザの製造プロセスにて用いる選択処理用マスクの形状
を示す平面図である。
【0076】図において、図23と同一符号は従来のD
FBレーザ200と同一のものを示し、103は、レー
ザ光を発生するための半導体積層構造130を有する本
実施の形態3のDFBレーザである。この半導体積層構
造130は、i−InGaAsPからなる歪み多重量子
井戸活性層(i−InGaAsP系MQW活性層)33
を、p−InP下クラッド層23及びn−InP上クラ
ッド層43の間に挟み込んで構成されている。この半導
体積層構造130の一端側端面に低反射膜が、他端側端
面に高反射膜がコーティングされており、これにより共
振器が構成されている。
【0077】さらに、この実施の形態3では、上記半導
体積層構造130は、そのレーザ光出射方向と垂直な方
向の幅が、その低反射膜側端面から高反射膜側端面にか
けて徐々に狭くなる平面形状を有しており、これがリッ
ジ部223(図9(b) 参照)となっている。
【0078】該リッジ部223の両側の基板1上には、
電流ブロック層7a〜7cがそれぞれ積層されており、
該リッジ部の両側の電流ブロック7a〜7cにより光閉
じ込め構造113a,113bが構成されている。
【0079】そして、上記リッジ部223及びその両側
の電流ブロック層7c上には、共振器長方向における周
期構造を有する埋め込み格子構造のガイド層53が形成
されている。またこのガイド層53上には、隣接するI
nGaAsP領域の間のスペース部分を埋め込むよう全
面に低濃度のn−InPコンタクト層6が形成され、該
低濃度コンタクト層6上には高濃度のn−InPコンタ
クト層9が形成されている。
【0080】このような構成のDFBレーザ103で
は、ガイド層53の、活性層33と対向する領域の面積
が、共振器長方向に沿って、共振器の低反射膜側の端面
から高反射側の端面にかけて徐々に減少しており、これ
により、上記(1)式におけるガイド層への光の浸み出
し率Γが共振器長方向にて変化することとなり、結合定
数κの共振器長方向における変化が生ずることとなる。
また、結合定数は、該共振器内での電界分布が均一化さ
れるよう、共振器長方向にて変化している。
【0081】次に製造方法について説明する。図9及び
図10は上記DFBレーザの製造方法を主要工程順に説
明するための断面図であり、図9(a) 〜(d) ,図10
(a) ,(b) は、該DFBレーザの低反射膜側端面の構造
を、図9(e) 〜(h) ,図10(c) ,(d) は、そのリッジ
部における共振器長方向と平行な断面の構造をそれぞれ
工程順に示している。
【0082】まず、p−InP基板1上に、厚さ1.5
μmのp−InP層2a,i−InGaAsPからなる
厚さ0.1μm程度の歪み多重量子井戸層3a,及び厚
さ0.15μmのn−InP層4aを、MOCVD法に
より順次成長し、その後、該n−InP層4a上に、図
8(c) に示すように絶縁性マスク50を形成する(図9
(a) ,(e) )。このマスク50は、その一端側から他端
側にかけてその幅が徐々に減少した平面形状を有してい
る。
【0083】次に、上記マスク50を用いて、上記各層
4a,3a,2a及び基板1の上部を選択的にエッチン
グして、ストライプ状リッジ部223を形成する(図9
(b),(f) )。続いて、該マスク50を用いて、上記基
板1上の該リッジ部223の両側に選択的にp−InP
電流ブロック層7a,n−InP電流ブロック層7b,
p−InP電流ブロック層7cを順次成長し、これによ
り上記光閉じ込め構造113a,113bを形成する
(図9(c) ,(g) )。
【0084】その後、上記リッジ部223及び電流ブロ
ック層7c上にn−InGaAsP層53aを形成し
(図9(d) ,(h) )、さらに図24(b) ,(f) 及び24
図(c) ,(g) に示す工程と同様に処理を行って、上記n
−InGaAsP層53aを加工し、InGaAsP領
域とスペース領域とが上記所定方向に交互に並ぶ周期構
造を有するn−InGaAsPガイド層53を形成する
(図10(a) ,(c) )。
【0085】そして、SiO2 マスク20aを除去した
後、再びMOCVD法を用いて低濃度n−InPコンタ
クト層6を、該InGaAsP層53のスペース領域が
埋め込まれるよう全面に成長し、さらにその上に高濃度
n−InPコンタクト層9を成長する(図10(b) ,
(d) )。
【0086】その後は、上記図25(d) ,(i) 及び図2
5(e) ,(j) に示す工程と同様の処理により、p電極1
0a及びn電極10bを形成して、DFBレーザ103
を完成する。
【0087】次に作用効果について説明する。このよう
に本実施の形態3では、活性層33を、その幅が共振器
の低反射膜側端面から高反射膜側端面にかけて徐々に減
少した構造としたので、上記(1)式におけるガイド層
への光の浸み出し率Γが共振器長方向にて変化すること
となり、結合定数κの共振器長方向における変化が生ず
ることとなる。また、結合定数は、該共振器内での電界
分布が均一化されるよう、共振器長方向にて変化してい
るので、SHB現象による光出力電流特性の線形性の劣
化を効果的に抑制することができる。
【0088】さらに、本実施の形態3では、光導波路と
なる帯状リッジ部223のエッチング加工により、上記
結合定数が該共振器内での電界分布が均一化されるよ
う、共振器長方向にて変化した構造を実現できるので、
DFBレーザの形成プロセスにて選択成長処理を行う必
要がなく、このため上記実施の形態1,2よりもDFB
レーザの作製を容易に行うことができる効果もある。
【0089】なお、上記実施の形態3では、活性層33
の幅を共振器長方向にて変化させた構造を示したが、活
性層の幅だけでなくガイド層の幅も、共振器長方向に変
化させるようにしてもよく、このような構成のDFBレ
ーザを、実施の形態3の変形例として以下に説明する。
【0090】図11は本発明の実施の形態3の変形例に
よるDFBレーザを説明するための図であり、図11
(a) はそのリッジ部における共振器長方向と平行な断面
の構造を示し、図11(b) は活性層とガイド層との位置
関係を示す平面図である。また、図11(c) は、該DF
Bレーザの製造プロセスにて用いる選択処理用マスクの
形状を示す平面図である。
【0091】図において、103aはこの変形例による
DFBレーザであり、このDFBレーザ103aでは、
上記半導体積層構造130だけでなく、ガイド層531
も、その共振器長方向と垂直な方向の幅を共振器長方向
にて、上記積層構造130の幅と同様に変化させた構造
となっている。その他の構成は実施の形態3のDFBレ
ーザ103と同一である。
【0092】このような構成のDFBレーザ103aの
製造方法は、従来のDFBレーザ200の製造方法と
は、その図25(a) ,(f) に示す工程にて、選択エッチ
ング用マスクとして、図11(c) に示す平面パターンを
有するマスク60を用いる点のみ異なっている。
【0093】このような構造のDFBレーザ103aに
おいても、ガイド層531の、活性層33と対向する領
域の面積が、共振器長方向に沿って、共振器の低反射膜
側端面から高反射膜側端面にかけて徐々に減少してお
り、これにより、上記(1)式におけるガイド層への光
の浸み出し率Γが共振器長方向にて変化することとな
り、結合定数κの共振器長方向における変化が生ずるこ
ととなる。また、結合定数は、該共振器内での電界分布
が均一化されるよう、共振器長方向にて変化しているの
で、SHB現象による光出力電流特性の線形性の劣化を
効果的に抑制することができる。
【0094】さらに、このDFBレーザ103aでは、
従来のDFBレーザ200の製造プロセスにおけるメサ
エッチングの際のエッチングマスクの形状を変えるだけ
で、SHB現象による電界の不均一な分布を均一化する
ための構造を簡単に実現できるという効果もある。
【0095】実施の形態4.図12は本発明の実施の形
態4によるDFBレーザを説明するための図であり、図
12(a) はそのリッジ部における共振器長方向と平行な
断面の構造を示し、図12(b) はその結合定数の共振器
長方向における分布を示している。
【0096】図において、図23と同一符号は従来のD
FBレーザ200と同一のものを示し、104は、レー
ザ光を発生するための半導体積層構造110を有する本
実施の形態4のDFBレーザである。この半導体積層構
造110は、従来のDFBレーザ200における半導体
積層構造210と同様、上下のクラッド層2,4の間に
活性層3を挟み込んで構成されている。また、半導体積
層構造110の一端側側面に低反射膜が、他端側側面に
高反射膜がコーティングされており、これにより共振器
が構成されている。また、上記半導体積層構造110上
には、共振器にてレーザ光の分布帰還を発生させるため
の周期構造を有する埋め込み格子構造の多層光ガイド層
54が形成されている。
【0097】そしてこのDFBレーザ104では、多層
光ガイド層54は部分的に多層構造となっており、この
多層構造では、上記共振器長方向に沿って積層数が変化
している。また、該ガイド層54における積層数は、上
記光導波領域にて該共振器長方向における実効屈折率の
変化が生ずるよう変化させている。
【0098】具体的には、上記ガイド層54は、その高
反射膜側部分G1を1層構造とし、その低反射膜側部分
G3を3層構造とし、さらにその中間部分G2を2層構
造としたものである。つまり、上記高反射膜側部分G1
は、第1のn−InGaAsPガイド層54aからな
り、上記中間部分G2は、第1,第2のn−InGaA
sPガイド層54a,54bからなり、上記低反射膜側
部分G3は、第1,第2,第3のn−InGaAsPガ
イド層54a,54b,54cからなる。ここで、各ガ
イド層の組成はそれぞれ異なるものとしている。ここ
で、上記第1〜第3のn−InGaAsPガイド層54
a〜54cはそれぞれ、層厚が20nm,Sのドープに
よるキャリア濃度が5×1017〜1×1018cm-3程度
となっており、各ガイド層のバンドギャップエネルギー
は、波長換算値で表すと、1.3〜0.9μmの範囲内
で適宜設定されている。この場合、下側のガイド層では
上側のガイド層に比べて、そのバンドギャップエネルギ
ーの波長換算値を大きく設定するのが好ましい。
【0099】そして、この実施の形態4のDFBレーザ
104では、多層光ガイド層54の積層数の変化によ
り、上記(1)式における屈折率差△nとガイド層への
浸み出し率Γが階段状に変化しており、これによって、
結合定数κの分布は、図12(b) に示すように、該共振
器内での電界分布を均一化するものとなっている。
【0100】このような構成のDFBレーザ104にお
ける多層光ガイド層54は、上記第1〜第3のn−In
GaAsP層54a〜54cを順次積層した後、各層を
選択的に除去することにより形成することができる。
【0101】次に製造方法について説明する。図13及
び図14は上記DFBレーザの製造方法を主要工程順に
説明するための側面図及び断面図であり、図13(a) 〜
(c) ,図14(a) 〜(c) は、その低反射膜側端面の構造
を、図13(d) 〜(f) ,図14(d) 〜(f) は、そのリッ
ジ部における共振器長方向と平行な断面の構造をそれぞ
れ工程順に示している。
【0102】まず、p−InP基板1上に、厚さ1.5
μmのp−InP層2a,i−InGaAsPからなる
厚さ0.1μm程度の歪み多重量子井戸層3a,及び厚
さ0.15μmのn−InP層4aをMOCVD法によ
り順次成長し、さらに、該n−InP層4上に第1〜第
3のn−InGaAsP層54a〜54cを順次成長す
る。その後、高反射膜側部分G1及び中間部分G2に対
する選択的なエッチング処理により、これらの部分の第
3のn−InGaAsP層54cを選択的に除去し、さ
らに上記高反射膜側部分G1に対する選択的なエッチン
グ処理により、この部分の第2のn−InGaAsP層
54bを選択的に除去する(図13(a),(d) )。
【0103】続いて、干渉露光法を用いて写真製版を行
い、これにより形成されたフォトマスクを用いてSiO
2 膜のパターニングを行い、所定方向における周期構造
を有するSiO2 マスク40aを形成する(図13(b)
,(e) )。
【0104】さらに、該SiO2 マスク40aをエッチ
ングマスクとして、上記第1〜第3のn−InGaAs
P層54a〜54cをエッチングして、共振器長方向に
沿って、InGaAsP領域とスペース領域とが交互に
並ぶ周期構造を有する多層構造のInGaAsP層54
1を形成する(図13(c) ,(f) )。
【0105】次に、SiO2 マスク40aを除去した
後、再びMOCVD法を用いてn−InP層6aを、該
InGaAsP層541のスペース領域が埋め込まれる
よう全面に成長する(図14(a) ,(d) )。
【0106】その後、上記所定方向に沿って所定の幅を
有する帯状マスク20bを形成し(図14(b) ,(e)
)、これをエッチングマスクとして、基板上の各半導
体層を選択的にエッチングして、断面メサ形の帯状リッ
ジ部224を形成する(図14(c) ,(f) )。これによ
り、つまり、上記リッジ部224を構成する下クラッド
層2,活性層3,上クラッド層4,多層光ガイド層5
4,及び低濃度コンタクト層6が形成される。
【0107】そして、従来のDFBレーザの製造方法に
おける図25(c) ,(h) に示すように、上記マスク20
bを用いた選択成長を行って、帯状リッジ部224の両
側に電流ブロック層7a〜7cを形成し、さらに、図2
5(d) ,(i) に示す工程と同様に処理を行って、高濃度
コンタクト層9を形成し、最後に図25(e) ,(j) に示
す工程と同様に処理を行ってオーミック性のn電極10
b及びp電極10aを形成する。これによりDFBレー
ザ104を完成する。
【0108】次に作用効果について説明する。このよう
な構成のDFBレーザ104では、レーザ光の分布帰還
のための周期構造をもつ多層光ガイド層54を、その低
反射膜側部分G3,中間部分G2,及び高反射膜側部分
G1にて、これを構成する半導体層の積層数を変化させ
た構造としたので、上記(1)式における屈折率差△n
とガイド層への浸み出し率Γが階段状に変化し、図12
(b) に示すような結合定数κの分布が実現できる。ま
た、結合定数は、該共振器内での電界分布が均一化され
るよう、共振器長方向にて変化しているので、SHB現
象による光出力電流特性の線形性の劣化を効果的に抑制
することができる。
【0109】また、この実施の形態4では、ガイド層を
多層構造としているので、選択成長法で単層構造のガイ
ド層の組成を徐々に変化させる方法に比べると、大きく
組成の異なる材料を積層することができ、このため共振
器両端面間での屈折率差△nの変化を大きくすることが
でき、これにより結合定数κの変化量を大きくすること
ができる。
【0110】実施の形態5.図15は本発明の実施の形
態5によるDFBレーザを説明するための図であり、図
15(a) はそのリッジ部における共振器長方向と平行な
断面の構造を示し、図15(b) はその結合係数の共振器
長方向における分布を示している。
【0111】図において、図23と同一符号は従来のD
FBレーザ200と同一のものを示し、105は、レー
ザ光を発生するための半導体積層構造110を有する本
実施の形態5のDFBレーザである。この半導体積層構
造110は、従来のDFBレーザ200における半導体
積層構造210と同様、上下のクラッド層2,4の間に
活性層3を挟み込んでなる構造となっている。また、こ
の半導体積層構造110の一端側端面には低反射膜が、
他端側端面に高反射膜がコーティングされており、これ
により共振器が構成されている。
【0112】そしてこのDFBレーザ105は、共振器
にてレーザ光の分布帰還を発生させるための周期構造を
有する埋め込み格子構造のガイド層55を有している。
このガイド層55は、第1領域と第2領域とが共振器長
方向に交互に配列されたストライプ状平面パターンを有
し、隣接する第1及び第2領域間での層厚比が、該共振
器内での電界分布が均一化されるよう、該共振器長方向
に変化した構造となっている。具体的には、上記ガイド
層55を構成するn−InGaAsP層は、共振器長方
向に一定ピッチで凹状溝550aを複数形成した構造と
なっており、該凹状溝550aの深さは、高反射膜側端
面に近いものほど浅くなるようになっている。なお、上
記n−InGaAsP層の凹状溝550aの形成部分は
ガイド層55の第2領域に、また該n−InGaAsP
層の、凹状溝550a間の部分は、ガイド層55の第1
領域に対応している。
【0113】次に製造方法について説明する。図16は
上記DFBレーザの製造方法を主要工程順に説明するた
めの図であり、図16(a) 〜(f) は、その低反射膜側端
面の構造を、図16(g) 〜(l) は、そのリッジ部におけ
る共振器長方向と平行な断面の構造をそれぞれ工程順に
示している。また、図17(a) 〜(d) は、上記図16
(g) 〜(j) の要部を拡大して示す図である。
【0114】まず、p−InP基板上に、厚さ1.5μ
mのp−InP下クラッド層2a、厚さ0.1μmのi
−InGaAsP歪み多重量子井戸層3a、厚さ0.1
5μmのn−InPクラッド層4a、及び厚さ0.04
μmのn−InGaAsPガイド層55aをMOCVD
法により連続的に成長する。その後、図5(c) に示す選
択成長用マスク40と同様な平面パターンを有する選択
成長用マスク60を、上記ガイド層55a上に形成し、
これをマスクとして、MOCVDによる選択成長を行っ
て、共振器長方向にて厚さが変化した低濃度のn−In
Pコンタクト層66aを成長する(図16(a) ,(g) 及
び図17(a) )。このときコンタクト層66aの最も層
厚が薄い部分を0.02μm,その最も厚い部分を0.
06μmとする。これは層厚比として1:3に相当する
が、この層厚比は通常の選択成長技術により十分実現可
能である。
【0115】続いて、干渉露光法を用いて写真製版を行
い、これにより形成されたフォトマスクを用いてSiO
2 膜のパターニングを行い、上記共振器長方向における
周期構造を有するSiO2 マスク70を形成する(図1
6(b) ,(h) 及び図17(b))。
【0116】次に、メタン系ドライエッチング法を用い
て、上記マスク70をエッチングマスクとして基板に対
して垂直方向にエッチングを行う(図16(c) ,(i) 及
び図17(c) )。このときエッチング深さを0.06μ
mとすると、n−InPコンタクト層66の層厚が0.
02μmの部分ではエッチングはガイド層55bの底面
まで進むが、その層厚が0.06μmの領域ではガイド
層55bの上面まででエッチングは停止する。この結
果、ガイド層55bとして、その溝形成部分とこれに隣
接する平坦部分とでの断面積の比率が、50%から10
0%まで共振器長方向に沿って徐々に変化したものが得
られる。これにより相対的な結合定数は、共振器長方向
に沿って1.0から0まで変化する。
【0117】次に、SiO2 マスク70を除去した後、
再びMOCVD法を用いて低濃度のn−InP層を、上
記ガイド層55bの凹状溝を埋め込むよう形成する。こ
れにより、低濃度n−InPコンタクト層6aが形成さ
れる(図16(d) ,(j) 及び図17(d) )。このコンタ
クト層6aは、ガイド層55bの平坦部分での厚さが約
1.5μmとなっている。
【0118】その後、所定の幅を有する帯状マスク20
bを上記共振器長方向に沿って形成し(図16(e) ,
(k) )、これをエッチングマスクとして、基板上の各半
導体層を選択的にエッチングして、断面メサ形の帯状リ
ッジ部225を形成する(図16(f) ,(l) )。つま
り、上記リッジ部225を構成する、下クラッド層2,
活性層3,上クラッド層4,ガイド層55,及び低濃度
コンタクト層6を形成する。
【0119】その後、上記帯状マスク20bを選択成長
用マスクとして、該リッジ部225の両側に電流ブロッ
ク層7a〜7cを形成し、さらに図25(d) ,(i) に示
す工程と同様の処理を行って高濃度n−InPコンタク
ト層9を形成し、最後に図25(e) ,(j) に示す工程と
同様の処理を行ってオーミック性のn電極10b及びp
電極10aを形成する。これによりDFBレーザ105
を完成する。
【0120】次に作用効果について説明する。上記DF
Bレーザ105のガイド層55では、共振器長方向と平
行な断面における、隣接する第1領域(平坦部分)と第
2領域(溝形成部分)とでの断面積の比率(以下、デュ
ーティ比ともいう。)を、該共振器長方向にて変化させ
ているので、共振器内の相対的な結合定数を0から1.
0まで変化させることができる。
【0121】すなわち、例えば、選択成長を用いて、ガ
イド層の厚みを変えて結合定数を変化させる方法では、
共振器の一端側と他端側との間での結合定数比を1対3
までしかとれないが、上記実施の形態5のようにガイド
層55の断面積のデューティ比を変える方法では、共振
器内にて結合定数比は1から無限大まで変えることがで
きる。
【0122】通常のDFBレーザにおいては、回折格子
を構成するInGaAsPガイド層は、隣接する第1領
域と第2領域との合計断面積に対する第1領域の断面積
の比率が50%となるよう形成される。この場合、回折
格子による結合定数kは、設計されたガイド層の厚さお
よびn−InPクラッド層の厚さに対して最大値とな
る。
【0123】これを図18を用いて説明すると、図に示
すようにマーク部分の面積率(つまり隣接する第1及び
第2領域におけるInGaAsP部分の占める割合)が
50%のとき、相対的な結合定数は最大(1.0)とな
るが、マーク部分の面積率が50%から増えると相対的
な結合定数は線型的に減少する。例えば、マーク部分の
面積率が75%になると、相対的な結合定数は、マーク
部分の面積率が50%の場合の1/2となり、さらにマ
ーク部分の面積率が100%になると、相対的な結合定
数は0になる。なお、上記マーク部分の面積率が50%
から減少する場合も同様に相対的な結合定数は線型的に
減少し、マーク部分の面積率が0%になると結合定数も
0となる。
【0124】このようなことから、図15に示すよう
に、ガイド層の隣接する第1及び第2領域における断面
積を共振器長方向に沿って徐々にかつ線型的に変化させ
ることにより、共振器内の共振器長方向における各部位
が異なる結合定数を有することになる。例えば、図15
(b) に示すガイド層55の構造に対応した共振器内での
結合定数の分布は、図15(b) に示すように低反射膜側
端面L0 から高反射膜側端面L1 にかけて線型的に変化
したものとなる。
【0125】この結果、空間的ホールバーニングによる
共振器内の光子分布の不均一性が、共振器長方向におけ
る結合定数の線型的な変化により補償されることとな
り、光子分布の平坦化が図られる。
【0126】なお、ガイド層が均一な周期の回折格子構
造を有し、かつ共振器の両端面に低反射膜,及び高反射
膜のコーティング処理を施したDFBレーザでは、回折
格子の共振器端面における位相によって光子分布は様々
な関数に対応したものとなるため、共振器がこの光子分
布をうまく補償できる結合定数分布を持つ場合にのみS
HB現象の抑制効果が得られることに留意すべきであ
る。
【0127】次に本実施の形態5の変形例について説明
する。図19はこの変形例によるDFBレーザを説明す
るための図であり、図19(a) はそのリッジ部における
共振器長方向と平行な断面の構造を示し、図19(b)は
その結合係数の共振器長方向における分布を示してい
る。
【0128】図において、図15と同一符号は実施の形
態5のDFBレーザ105と同一のものを示し、105
aは、実施の形態5の変形例によるλ/4シフト型DF
Bレーザである。このDFBレーザ105aでは、ガイ
ド層551により構成される回折格子は、その位相が共
振器の中央で半波長だけ変化しており、共振器の両端面
には無反射コーティングが施されている。
【0129】このような構成のDFBレーザ105aで
は、光子分布は回折格子の共振器端面での位相に依らな
いため、結合定数の共振器長方向に傾斜した分布は、常
に空間的ホールバーニングを抑圧する効果を持つ。
【0130】例えば、上記DFBレーザ105aでは、
光子の分布は、その密度が図19(b) に点線で示すよう
に、共振器長方向における共振器中央部分で最大とな
り、共振器両端面側に近づくにつれて小さくなる分布と
なっており、この場合には、図19(b) に示すように、
共振器中央の位相シフト位置に対して対称であり、しか
もその値が該位相シフト位置において極小値を持ち、か
つ共振器端面に近づくにつれて増加する結合定数の分布
が有効である。
【0131】なお、本実施の形態5では、結合定数が共
振器長方向にて線型的(1次関数的)に変化するように
した場合を示したが、結合定数の分布はこれに限るもの
ではない。
【0132】実施の形態6.図20は本発明の実施の形
態6によるDFBレーザを説明するための図であり、結
合定数の分布を示している。
【0133】この実施の形態6のDFBレーザは、ガイ
ド層を、その隣接する第1及び第2領域における断面積
を共振器長方向に沿って徐々にかつ2次関数的に変化さ
せている点が上記実施の形態5のDFBレーザと異なっ
ている。
【0134】このような構成では、例えば、ガイド層の
構造に対応した共振器内での結合定数の分布は、図20
に示すように低反射膜側端面から高反射膜側端面にかけ
て2次関数的に変化したものとなる。
【0135】空間的ホールバーニングによる共振器内の
光子分布は、一般的に、図20に点線で示すように、共
振器長方向にて2次関数的に変化したものとなってお
り、理論計算上は、結合定数の共振器長方向における変
化が2次関数的なものである場合、より効果的に空間的
ホールバーニングが抑えられることとなる。
【0136】実施の形態7.図21は本発明の実施の形
態7によるDFBレーザを説明するための図であり、図
21(a) は、そのリッジ部における共振器長方向に平行
な断面の構造を示し、図21(b) は、該DFBレーザを
構成する半導体層の、共振器長方向の所定の位置での層
厚方向における組成の分布を示している。
【0137】図において、図15と同一符号は実施の形
態5のDFBレーザ105と同一のものを示し、107
は、共振器長方向に一定ピッチで凹状溝551を複数形
成した構造のガイド層57を有する本実施の形態7のD
FBレーザである。このガイド層57は、上記実施の形
態5と同様、第1領域と第2領域とが共振器長方向に交
互に配列されたストライプ状平面パターンを有し、隣接
する第1及び第2領域間での層厚比が、該共振器内での
電界分布が均一化されるよう、該共振器長方向に変化し
た構造となっている。具体的には、上記ガイド層57を
構成するn−InGaAsP層は、共振器長方向に一定
ピッチで凹状溝550aを複数形成した構造となってお
り、該凹状溝550aの深さは、高反射膜側端面に近い
ものほど浅くなるようになっている。
【0138】そしてこの実施の形態7では、上記ガイド
層57を構成するInGaAsP層は、層厚方向に組成
が連続的に変化させた構造としている。
【0139】このDFBレーザ107の製造方法は、ガ
イド層57としてのInGaAsP層の成長工程にて、
成膜用ガスの流量比を変化させる点でのみ、上記実施の
形態5の上記DFBレーザ105の製造方法と異なって
いる。なお、InGaAsP層の組成は、例えば、その
バンドギャップエネルギーの波長換算値で表すと、その
成長中にガス流量比の制御により、1.00μmから
1.18μmまで連続的に変えることができる。
【0140】この実施の形態7では、ガイド層57をそ
の組成が層厚方向に連続的に変化し、かつ共振器長方向
に一定ピッチで形成した複数の凹状溝を有する構造とし
ているので、その製造プロセスで用いられるn−InP
層66a(図17(a) 参照)の層厚の変化が1次関数に
対応したものであっても、共振器長方向での結合定数の
変化は、高次関数となる。従って、層厚が共振器長方向
にて変化したn−InP層66aの選択成長を、その層
厚の変化が高次関数に対応したものとなるように制御し
なくても、空間的なホールバーニングの抑圧に有利な関
数形状に対応した結合係数の分布を容易に実現できる効
果がある。
【0141】
【発明の効果】以上のようにこの発明(請求項1)に係
る分布帰還型半導体レーザによれば、活性層とガイド層
との光結合強度の、光導波領域での光導波方向における
周期的な変化により、該光導波領域にてレーザ光の分布
帰還を発生させる共振器構造を備え、上記光結合強度に
対応する結合係数を変化させる要素である該活性層の
幅,該ガイド層の材料組成,及びガイド層と活性層との
距離のうちの少なくとも1つの要素を共振器長方向にて
変化させたので、結合定数の共振器長方向における分布
により、SHB現象による光出力電流特性の線形性の劣
化を抑制可能な構造を実現できる。
【0142】この発明(請求項2)によれば、上記請求
項1記載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記ガイ
ド層を構成する半導体結晶の組成を、上記共振器長方向
における結合係数の変化により該共振器内での電界分布
が均一化されるよう、該共振器長方向における位置に応
じて変化させたので、上記光導波領域での実効屈折率の
変化により共振器の持つ結合定数を変化させて、SHB
現象による光出力電流特性の線形性の劣化を制御性よく
抑制することができる。
【0143】この発明(請求項3)によれば、上記請求
項1記載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記ガイ
ド層と上記活性層との間の距離を、上記共振器長方向に
おける結合係数の変化により該共振器内での電界分布が
均一化されるよう、該共振器長方向における位置に応じ
て変化させたので、上記活性層からガイド層への光のし
み出し率により共振器の持つ結合定数を変化させて、S
HB現象による光出力電流特性の線形性の劣化を抑制す
ることができる。
【0144】また、ガイド層と上記活性層との間の距離
により、上記共振器長方向における結合定数を変化させ
ているので、DFBレーザの製造プロセスにおける半導
体層の成長処理により結合定数を変化させることがで
き、結合定数の制御性及び再現性を優れたものとでき
る。
【0145】この発明(請求項4)によれば、上記請求
項1記載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記活性
層の共振器長方向と垂直な方向の幅を、上記光導波領域
にて該共振器長方向における結合係数の変化が生ずるよ
う、該共振器長方向における位置に応じて変化させたの
で、上記活性層からガイド層への光のしみ出し率により
共振器の持つ結合定数を変化させて、SHB現象による
光出力電流特性の線形性の劣化を抑制することができ
る。
【0146】また、活性層の幅により上記共振器長方向
における結合定数を変化させているので、結合定数が変
化した構造のDFBレーザを、活性層のエッチング処理
により簡単に製造できる効果もある。
【0147】この発明(請求項5)によれば、上記請求
項1記載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記光導
波領域を、上記活性層,上下のクラッド層,及びガイド
層にからなる光導波路とし、該光導波路の共振器長方向
と垂直な方向の幅を、上記共振器長方向における結合係
数の変化により該共振器内での電界分布が均一化される
よう、該共振器長方向における位置に応じて変化させた
ので、上記活性層からガイド層への光のしみ出し率によ
り共振器の持つ結合定数を変化させて、SHB現象によ
る光出力電流特性の線形性の劣化を抑制することができ
る。
【0148】また、上記活性層,上下のクラッド層,及
びガイド層にからなる光導波路の幅により上記共振器長
方向における結合定数を変化させているので、結合定数
が変化した構造のDFBレーザを、通常のメサエッチン
グ処理におけるマスク形状を変えるだけで、簡単に製造
できる効果もある。
【0149】この発明(請求項6)によれば、上記請求
項1記載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記ガイ
ド層の少なくとも一部を多層構造とするとともに、該ガ
イド層における積層数を、上記共振器長方向における結
合係数の変化により該共振器内での電界分布が均一化さ
れるよう、上記共振器長方向にて変化させたので、上記
光導波領域での実効屈折率、及び上記活性層からガイド
層への光のしみ出し率により、共振器の持つ結合定数を
変化させて、SHB現象による光出力電流特性の線形性
の劣化を抑制することができる。
【0150】また、ガイド層を多層構造としているの
で、単層構造のガイド層に比べてガイド層の組成の変化
を大きくすることができ、このため実効屈折率の変化を
大きくすることができ、これにより結合定数の大きな変
化により、SHB現象による光出力電流特性の大きな線
形歪を補償することもできる。
【0151】この発明(請求項7)によれば、上記請求
項6記載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記ガイ
ド層の多層構造部分を構成する各半導体層を、その結晶
組成が互いに異なるよう構成したので、各半導体層の組
成が同一である場合に比べて、ガイド層の組成の変化を
大きくすることができ、このため実効屈折率の変化をよ
り大きなものとすることができ、これによりSHB現象
による光出力電流特性の著しい線形性の劣化を効果的に
抑制することができる。
【0152】この発明(請求項8)に係る分布帰還型半
導体レーザによれば、光導波領域での光導波方向に対す
る周期構造を持つよう形成され、該光導波領域にて上記
レーザ光の分布帰還を発生させる共振器を構成するガイ
ド層を備え、該ガイド層を、第1領域と第2領域とが共
振器長方向に交互に配列されたストライプ状平面パター
ンを有し、隣接する第1及び第2領域間での層厚比が該
共振器長方向における位置に応じて変化した構造とした
ので、結合定数の共振器長方向における分布により該共
振器内での電界分布が均一化して、SHB現象による光
出力電流特性の線形性の劣化を抑制可能な構造を実現で
きる。
【0153】また、該ストライプ状平面パターンを有す
るガイド層における、隣接する第1及び第2領域間での
層厚比により結合定数を変化させるようにしたので、共
振器の一端側端面と他端側端面とでの結合定数の比率
を、1から無限大まで変化させることができ、SHB現
象による光出力電流特性の線形性の劣化を、その程度が
非常に大きなものまで広い範囲に渡って抑制することが
できる効果がある。
【0154】この発明(請求項9)によれば、上記請求
項8記載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記隣接
する第1及び第2領域間での層厚比の共振器長方向にお
ける変化を、高次関数に対応した変化としたので、SH
B現象による共振器内での光子分布が2次関数的なもの
であることから、より効果的にSHB現象による光出力
電流特性の線形性の劣化を抑制することができる効果が
ある。
【0155】この発明(請求項10)によれば、上記請
求項8記載の分布帰還型半導体レーザにおいて、上記ガ
イド層を構成する半導体結晶の組成を、その層厚方向に
て変化させたので、結合定数の共振器長方向における変
化が、ガイド層の隣接する第1及び第2領域間での層厚
比の該共振器長方向における変化と、ガイド層の組成の
共振器長方向における変化とが合成されたものとなる。
このためガイド層の隣接する第1及び第2領域間での層
厚比が1次関数に対応したものであっても、結合定数の
共振器長方向における変化を、高次関数に対応した、S
HB現象による共振器内での電界の不均一性の抑制に有
利なものとできる効果がある。
【0156】この発明(請求項11)に係る分布帰還型
半導体レーザの製造方法によれば、上クラッド層上にガ
イド層を形成した後、ガイド層上に半導体層を、その厚
さの変化が所定方向にて生ずるよう形成し、該半導体層
上に該所定方向における周期構造を有するエッチングマ
スクを形成し、その後、上記膜厚が変化した半導体層及
び上記ガイド層を選択的にエッチングするので、第1領
域と第2領域とが上記所定方向に交互に配列されたスト
ライプ状平面パターンを有し、隣接する第1及び第2領
域間での層厚比が上記所定方向に沿って変化した構造の
ガイド層を簡単に形成することができる。
【0157】この発明(請求項12)によれば、上記請
求項11記載の分布帰還型半導体レーザの製造方法にお
いて、上記膜厚が変化した半導体層及びガイド層のエッ
チング処理を、ドライエッチングにより行うので、上記
ガイド層を精度よく形成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるDFBレーザの
断面構造(a) 、その結合係数の共振器長方向における分
布(b) 、その製造プロセスで用いるマスクの形状(c) を
示す図である。
【図2】 上記実施の形態1によるDFBレーザの製造
方法のメサエッチング処理までの各主要工程における、
低反射膜側端面の構造(a) 〜(e) 及びそのリッジ部の断
面構造(f) 〜(j) を示す図である。
【図3】 上記実施の形態1によるDFBレーザの製造
方法のメサエッチング処理以降の各主要工程における、
低反射膜側端面の構造(a) 〜(e) 及びそのリッジ部の断
面構造(f) 〜(j) を示す図である。
【図4】 上記実施の形態1の変形例1によるDFBレ
ーザの断面構造(a)及びその変形例2によるDFBレー
ザの断面構造(b) を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態2によるDFBレーザの
断面構造(a) 、その変形例によるDFBレーザ(b) の断
面構造、及び実施の形態2の製造プロセスで用いるマス
クの形状(c) を示す図である。
【図6】 上記実施の形態2によるDFBレーザの製造
方法のメサエッチング処理までの各主要工程における、
低反射膜側端面の構造(a) 〜(e) 及びそのリッジ部の断
面構造(f) 〜(j) を示す図である。
【図7】 上記実施の形態2によるDFBレーザの製造
方法のメサエッチング処理以降の各主要工程における、
低反射膜側端面の構造(a) ,(b) 及びそのリッジ部の断
面構造(c) ,(d) を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態3によるDFBレーザを
断面構造(a) 、その活性層とガイド層との位置関係(b)
、及びその製造方法に用いるエッチングマクスの平面
形状(c) を示す図である。
【図9】 上記実施の形態3によるDFBレーザの製造
方法のガイド層形成処理までの各主要工程における、低
反射膜側端面の構造(a) 〜(d) 及びそのリッジ部の断面
構造(e) 〜(h) を示す図である。
【図10】 上記実施の形態3によるDFBレーザの製
造方法のガイド層の加工工程及びコンタクト層の形成工
程における、低反射膜側端面の構造(a) ,(b) 及びその
リッジ部の断面構造(c) ,(d) を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態3の変形例によるDF
Bレーザを断面構造(a) 、その活性層とガイド層との位
置関係(b) 、及びその製造方法に用いるエッチングマク
スの平面形状(c) を示す図である。
【図12】 本発明の実施の形態4によるDFBレーザ
の断面構造(a) 、及びその結合係数の共振器長方向にお
ける分布(b) を示す図である。
【図13】 上記実施の形態4によるDFBレーザの製
造方法のガイド層の加工工程における、低反射膜側端面
の構造(a) 〜(c) 及びそのリッジ部の断面構造(d) 〜
(f) を示す図である。
【図14】 上記実施の形態4によるDFBレーザの製
造方法における低濃度コンタクト層の形成工程及びメサ
エッチング工程における、低反射膜側端面の構造(a) 〜
(c) 及びそのリッジ部の断面構造(d) 〜(f) を示す図で
ある。
【図15】 本発明の実施の形態5によるDFBレーザ
の断面構造(a) 、及び結合係数の分布(b) を示す図であ
る。
【図16】 上記実施の形態5によるDFBレーザの製
造方法の主要工程における、低反射膜側端面の構造(a)
〜(f) 及びそのリッジ部の断面構造(g) 〜(l) を示す図
である。
【図17】 図16(g) 〜(j) に示す断面構造を拡大し
て示す図(a) 〜(d)である。
【図18】 上記実施の形態5におけるガイド層の隣接
する第1領域(平坦部分)及び第2領域(溝形成部分)
にてガイド層構成材料が占める断面積の割合と、結合定
数との関係を示す図である。
【図19】 上記実施の形態5の変形例によるDFBレ
ーザの断面構造(a)、及び結合係数の分布(b) を示す図
である。
【図20】 本発明の実施の形態6によるDFBレーザ
の結合係数の分布を示す図である。
【図21】 本発明の実施の形態7によるDFBレーザ
の断面構造(a) 、及び共振器長方向の所定の位置での層
厚方向における組成の分布(b) を示す図である。
【図22】 従来のDFBレーザの構造を示す斜視図で
ある。
【図23】 従来のDFBレーザの断面構造(a) 、及び
該共振器長方向における結合定数の分布(b) を示す図で
ある。
【図24】 従来のDFBレーザの製造方法のメサエッ
チング処理までの主要工程における、低反射膜側端面の
構造(a) 〜(d) 及びそのリッジ部の断面構造(e) 〜(h)
を示す図である。
【図25】 従来のDFBレーザの製造方法のメサエッ
チング処理以降の主要工程における、低反射膜側端面の
構造(a) 〜(e) 及びそのリッジ部の断面構造(f) 〜(j)
を示す図である。
【符号の説明】
1 p−InP基板、2,23 p−InP下クラッド
層、3,33 i−InGaAsP系MQW活性層、
4,42,43 n−InP上クラッド層、6 低濃度
n−InPコンタクト層、7a p−InP下側電流ブ
ロック層、7b n−InP中央電流ブロック層、7c
p−InP上側電流ブロック層、9 高濃度n−In
Pコンタクト層、10a p電極、10b n電極、2
0a,20b,50,60 エッチング用マスク、3
0,40 選択成長用マスク、31 波型活性層、5
1,55,57,551 格子型ガイド層、53,51
2,531 ガイド層、54 多層光ガイド層、54
a,54b,54c 第1,第2,第3ガイド層、10
1,101a,101b,102,102a,103,
103a,104,105,105a,107 DFB
レーザ、110,110b,112,120,130,
130a 半導体積層構造、113a,113b,21
0a,210b 光閉じ込め構造、220,223,2
24,225 帯状リッジ部、511,521 波型ガ
イド層、Ld 光出射方向。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 斉 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層を上下のクラッド層により挟み込
    んでなり、該活性層にてレーザ光を発生させるための半
    導体積層構造と、 該半導体積層構造の近傍に配置され、上記活性層を中心
    とする光導波領域にレーザ光が集中するよう、該レーザ
    光の横方向閉込めを行う光閉じ込め構造と、 上記半導体積層構造の近傍に該活性層からのレーザ光を
    吸収するよう配置され、該活性層との間で光結合するガ
    イド層と、 該活性層とガイド層との光結合強度の、上記光導波領域
    での光導波方向における周期的な変化により、該光導波
    領域にてレーザ光の分布帰還を発生させる共振器構造と
    を備え、 上記光結合強度に対応する結合定数を変化させる要素で
    ある該活性層の幅,該ガイド層の材料組成,及びガイド
    層と活性層との距離のうちの少なくとも1つの要素は、
    共振器長方向における変化を有することを特徴とする分
    布帰還型半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 上記請求項1記載の分布帰還型半導体レ
    ーザにおいて、 上記ガイド層は、これを構成する半導体結晶の組成を、
    上記結合定数の変化により上記共振器内での電界分布が
    均一化されるよう、上記共振器長方向における位置に応
    じて変化させたものであることを特徴とする分布帰還型
    半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 上記請求項1記載の分布帰還型半導体レ
    ーザにおいて、 上記ガイド層は、該ガイド層と上記活性層との間の距離
    を、上記結合定数の変化により上記共振器内での電界分
    布が均一化されるよう、上記共振器長方向における位置
    に応じて変化させたものであることを特徴とする分布帰
    還型半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 上記請求項1記載の分布帰還型半導体レ
    ーザにおいて、 上記活性層は、その共振器長方向と垂直な方向の幅を、
    上記結合定数の変化により該共振器内での電界分布が均
    一化されるよう、該共振器長方向における位置に応じて
    変化させたものであることを特徴とする分布帰還型半導
    体レーザ。
  5. 【請求項5】 上記請求項1記載の分布帰還型半導体レ
    ーザにおいて、 上記光導波領域は、上記活性層,上下のクラッド層,及
    びガイド層からなる光導波路であり、 該光導波路は、その共振器長方向と垂直な方向の幅を、
    上記結合定数の変化により上記共振器内での電界分布が
    均一化されるよう、該共振器長方向における位置に応じ
    て変化させたものであることを特徴とする分布帰還型半
    導体レーザ。
  6. 【請求項6】 上記請求項1記載の分布帰還型半導体レ
    ーザにおいて、 上記ガイド層の少なくとも一部を多層構造とするととも
    に、 該ガイド層における積層数を、上記結合定数の変化によ
    り上記共振器内での電界分布が均一化されるよう、上記
    共振器長方向における位置に応じて変化させたことを特
    徴とする分布帰還型半導体レーザ。
  7. 【請求項7】 上記請求項6記載の分布帰還型半導体レ
    ーザにおいて、 上記ガイド層の多層構造部分を構成する各半導体層は、
    その結晶組成が異なったものとなっていることを特徴と
    する分布帰還型半導体レーザ。
  8. 【請求項8】 活性層を上下のクラッド層により挟み込
    んでなり、該活性層にてレーザ光を発生させるための半
    導体積層構造と、 該半導体積層構造の近傍に配置され、上記活性層を中心
    とする光導波領域にレーザ光が集中するよう、該レーザ
    光の横方向閉込めを行う光閉じ込め構造と、 該光導波領域での光導波方向に対する周期構造を持つよ
    う形成され、該光導波領域にて上記レーザ光の分布帰還
    を発生させる共振器を構成するガイド層とを備え、 該ガイド層は、第1領域と第2領域とが共振器長方向に
    交互に配列されたストライプ状平面パターンを有し、隣
    接する第1及び第2領域間での層厚比が該共振器長方向
    における位置に応じて変化したものであることを特徴と
    する分布帰還型半導体レーザ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の分布帰還型半導体レーザ
    において、 上記隣接する第1及び第2領域間での層厚比の共振器長
    方向における変化は、高次関数に対応したものであるこ
    とを特徴とする分布帰還型半導体レーザ。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の分布帰還型半導体レー
    ザにおいて、 上記ガイド層は、これを構成する半導体結晶の組成を、
    その層厚方向にて変化させたものであることを特徴とす
    る分布帰還型半導体レーザ。
  11. 【請求項11】 第1導電型半導体基板上に第1導電型
    下クラッド層,活性層,第2導電型上クラッド層,及び
    第2導電型ガイド層を順次形成する工程と、該第2導電
    型ガイド層上に第2導電型の第1の半導体層を、所定方
    向における厚さの変化が生ずるよう形成する工程と、 上記第2導電型の第1の半導体層及び上記ガイド層の選
    択的なエッチングにより、上記ガイド層を、第1領域と
    第2領域とが上記所定方向に交互に配列されたストライ
    プ状平面パターンを有し、隣接する第1及び第2領域間
    での層厚比が上記所定方向における位置に応じて変化し
    た構造とする工程と、 上記基板上の各層の選択的なエッチング処理により、上
    記所定方向にてレーザ光の分布帰還を発生させる共振器
    を構成する、光導波領域となるリッジ部を形成する工程
    とを含むことを特徴とする分布帰還型半導体レーザの製
    造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の分布帰還型半導体レ
    ーザの製造方法において、 上記第2導電型の第1の半導体層及び上記ガイド層の選
    択的なエッチング処理を、ドライエッチング処理により
    行うことを特徴とする分布帰還型半導体レーザの製造方
    法。
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