JPH10223290A - 接続用端子 - Google Patents

接続用端子

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JPH10223290A
JPH10223290A JP2508197A JP2508197A JPH10223290A JP H10223290 A JPH10223290 A JP H10223290A JP 2508197 A JP2508197 A JP 2508197A JP 2508197 A JP2508197 A JP 2508197A JP H10223290 A JPH10223290 A JP H10223290A
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plating
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JP2508197A
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Atsushi Nakamura
篤 中村
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触抵抗を低くし且つ耐磨耗性を上げる。 【解決手段】 第1の接点部材1の接触子12について
硬質ニッケルを用いた第1のめっき層13で覆い、耐磨
耗性を増す。これに接続する第2の接点部材2の電気的
接続のための所定位置には、ニッケルまたはニッケル合
金に対してフッ素樹脂微粒子が共析された複合めっき層
22を形成し、接触抵抗を低くし且つ耐磨耗性を上げ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車、産業機
器等の電気配線に用いられる電線同士または電線と各種
機器とを接続するための接続用端子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近の
エレクトロニクス技術の進歩は、自動車や産業機器等に
搭載される電子機器やCPUの数を飛躍的に増大させ、
これに伴ってワイヤハーネス等の電線本数も増加する一
方となっている。
【0003】ところで、これらの電線同士または電線と
各種機器とを接続するための接続用端子においては、端
子表面の耐磨耗性や耐食性などの向上のため、端子表面
をめっきで被覆することが多い。かかるめっきとして
は、一般に錫めっき、銀めっき、金めっき及び光沢ニッ
ケルめっき等が採用されている。
【0004】信号回路等の接続端子では、安価である等
の理由から通常は錫めっきが使用されることが多い。し
かしながら、接続端子について多数回の挿抜がある場
合、錫めっきでは摩耗が著しく、すぐに母材が露出・酸
化して接触抵抗が増大してしまう。また、錫めっき接点
では、端子の嵌合時に新鮮な金属面での凝着(ガスタイ
ト接点の形成)が不可欠で挿入力が高くならざるを得な
い。特に、1つのコネクタで多数の電線を一度に接続さ
せたい場合、一般にコネクタの多極化が図られるが、こ
のような多極コネクタについては嵌合にボルトやてこ等
の補助機構が必要で、いくら接続端子を小型化してもコ
ネクタの小型・軽量化は困難であった。
【0005】また、銀めっきの場合、硬質めっきを用い
ても膜厚を大きくしなければならず、高コストになる
上、銀は酸化しやすいため端子挿入時の接圧を大きくし
てめっき表面を削り込む必要があり、挿入力が著しく増
大すると共に、耐摩耗性にも悪影響を与えていた。
【0006】さらに、電気伝導度の高い金めっきを使用
すれば、端子の接触圧力(雄雌嵌合部で接点に与える押
しつけ力)が低くても低い接触抵抗が得られるため、バ
ネを弱くして端子の挿入力を低減することは可能にな
る。しかしながら、端子コストが錫めっきの数倍〜十数
倍になるため、上述した多極コネクタでは特に使用が困
難であった。
【0007】さらにまた、光沢ニッケルめっきは、耐食
性、耐摩耗性に優れ安価な材料であるが、硬度が高いこ
とに起因して接触抵抗が大きくなり、接点での発熱が無
視できなくなるという欠点があった。
【0008】そこで、この発明の課題は、接触抵抗が低
く且つ耐磨耗性の高い接続用端子を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
この発明は、接触子を有する第1の接点部材と、前記第
1の接点部材の前記接触子に電気的に接続する第2の接
点部材とを備え、前記接触子を前記第2の接点部材に対
して摺動させて電気的接続のための所定位置への進退移
動を成す接続用端子であって、少なくとも前記第2の接
点部材の前記電気的接続のための所定位置に、ニッケル
またはニッケル合金に対してフッ素樹脂微粒子が共析さ
れた複合めっき層が形成されたものである。
【0010】なお、前記第1の接点部材の接触子には、
従来と同様のニッケルまたはニッケル合金を用いためっ
き層を形成してもよいが、望ましくは、ニッケルまたは
ニッケル合金に対してフッ素樹脂微粒子が共析された複
合めっき層を形成する。
【0011】さらに望ましくは、前記複合めっき層を、
フッ素樹脂微粒子5vol%以上且つ30vol%以下
に設定しておく。
【0012】また、前記第1の接点部材及び前記第2の
接点部材において圧着、圧接または溶接によって外部電
線に接続される外部接続部が形成され、該外部接続部
が、めっき層が省略されて露出され、または錫めっき層
もしくははんだめっき層が表面に被覆形成されるもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】
{第1実施形態} <構成>図1はこの発明の第1実施形態の接続用端子を
示す図である。この接続用端子は、図1の如く、第1の
接点部材1を第2の接点部材2に対してその表面に平行
な摺動方向Rに摺動させ、これらが互いに電気的に接続
するように構成されたものである。
【0014】第1の接点部材1は、所望の電線(図示せ
ず)等が圧着、圧接または溶接等によって接続される第
1の母材11と、この第1の母材11の一部が略椀状に
湾曲されることで第2の接点部材2に対して摺動可能に
接触するよう突出形成された接触子12と備えている。
【0015】ここで、第1の母材11及び接触子12
は、Ni−SiやFe−Tiを添加した高銅合金等の導
電率の高い端子用銅合金の他、ニッケル合金、アルミ及
びアルミ合金の略条材または略棒材が使用され、その全
表面は、硬質性、耐食性及び耐摩耗性に優れ且つ安価な
既知の硬質ニッケルめっき層13(第1のめっき層)が
電解によって付着被覆されている。なお、この第1のめ
っき層13の厚さは、めっき形成後に母材の曲げ加工を
行う場合等を考慮して2μm以下にとどめるとが望まし
く、故に厚さ1〜2μm程度に設定される。
【0016】第2の接点部材2は、所望の電線(図示せ
ず)等が圧着、圧接または溶接等によって接続され且つ
第1の接点部材1の接触子12が摺接移動される第2の
母材21と、第1の接点部材1の接触子12が電気的に
導通するよう第2の母材21の表面の一部領域に形成さ
れた被接触部22とを備えている。
【0017】ここで、第2の母材21は、第1の接点部
材1と同様に、Ni−SiやFe−Tiを添加した高銅
合金等の導電率の高い端子用銅合金の他、ニッケル合
金、アルミ及びアルミ合金の条材または棒材が使用さ
れ、また全表面は既知の硬質ニッケルめっき層23(第
2のめっき層)が電解によって厚さ1〜2μm程度に付
着被覆されている。
【0018】そして、被接触部22は、第2の母材21
の第2のめっき層23のさらに表面上において、第1の
接点部材1の接触子12が電気的接続状態において接触
する接触点に形成されるものであって、硬質のニッケル
またはニッケル−リン合金に対して、潤滑性に優れ柔軟
なフッ素樹脂微粒子が共析された厚さ1〜10μm程度
の複合めっき層(第3のめっき層)として形成すること
で、通常のニッケルめっきに比べて接触抵抗が飛躍的に
小さいめっき層が形成される。このフッ素樹脂微粒子と
しては、特に摩擦係数が小さく非粘着であり且つ耐熱性
に優れたPTFE(ポリテトラフロロエチレン)または
PFA(四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合樹脂)が使用される。このフッ素樹脂
微粒子は、5vol%以下の組成では膜の柔軟性が不足
するため接触抵抗の低減効果が少なくなってしまう。ま
た、本来絶縁体であるフッ素樹脂微粒子が20vol%
以上になると膜自体の電気抵抗が徐々に高くなり、30
vol%程度になると接触抵抗が大幅に上昇してしま
う。したがって、フッ素樹脂微粒子の被接触部22内で
の組成は5vol%以上且つ30vol%以下に設定し
ておく。
【0019】なお、各母材11,21において外部の電
線(図示せず)が接続される部分においては、圧着また
は圧接等によって接続をなす場合、各接点部材1,2と
電線導体間に大きな摩擦力が働いて表面を破壊させて、
接続面では新鮮な金属面での接合を形成することが必要
なため、先に述べた潤滑性に優れ柔軟な複合めっきをこ
の部分に施すことは適当でない。また電線と各接点部材
1,2とを溶接する場合においても、比較的融点の高い
ニッケルとフッ素樹脂微粒子の混合体である第3のめっ
き層(被接触部22)は、各母材11,21と電線導体
の金属接合を阻害するため適当ではない。このため、各
母材11,21において、各接点部材1,2と電線との
接続に用いられる部分(領域)については、複合めっき
を用いず、電線導体の摩擦力が大きい錫めっきやはんだ
めっきを施すか、めっき無しのままとしてもよい。
【0020】なお、第1の接点部材1は、第2の接点部
材2に対して位置固定された所定の案内溝または案内孔
(図示せず)等によって摺動方向Rに案内されるものと
する。
【0021】<動作>上記構成の接続用端子の動作を説
明する。第1の接点部材1を移動させる際、これを所定
の案内溝または案内孔(図示せず)等によって摺動方向
Rに案内して移動する。そうすると、第1の母材11か
ら突出形成された接触子12は第2の接点部材2の第2
の母材21の表面を摺動する。この摺動により、第1の
接点部材1の接触子12及び第2の接点部材2の第2の
母材21は接続用端子内にあって最も磨耗しやすい部分
になるが、接触子12及び第2の母材21の表面には、
耐摩耗性の高い硬質の第1及び第2のめっき層13,2
3が付着被覆されているので、錫めっき及び銀めっきに
比べて、摺動時の摩擦力を大幅に低減でき、故に摺動時
の労力を軽減できると同時に摺動部分のめっき膜磨耗を
著しく低減させることができる。また、金めっきを使用
する場合に比べると、めっき部分にかかる製造コストを
低減できる。
【0022】また、特に第1の接点部材1と第2の接点
部材2との接触点に、接触抵抗の低い被接触部22を形
成しているので、硬質ニッケルめっきに直接接触する場
合に比べて、接触抵抗を低く抑制することで電気的伝導
度を飛躍的に高めることができる。
【0023】ここで、第3のめっき層の材料として、こ
の実施形態に係るニッケル−PTFE複合めっき(d)
と、錫:Sn(a)、銀:Ag(b)及びニッケル:N
i(c)とをそれぞれ使用して被接触部22を構成した
場合においてそれぞれの接触抵抗を測定する比較実験を
行った結果を図2に示す。ここでは、各材料を製造して
最初に使用したときの初期測定結果と、その後1000
0回挿抜を繰返し行った後の測定結果とをそれぞれ測定
して比較した。図2を見れば理解できるように、(a)
の錫を使用した場合は初期状態では接触抵抗が低いのに
対し10000回挿抜した後は極端に接触抵抗が増大し
ている。また、(c)のニッケルを使用した場合は、初
期状態及び10000回挿抜した後の両方とも接触抵抗
が高い。これに対し、この実施形態に係るニッケル−P
TFE複合めっき(d)では、初期状態及び10000
回挿抜した後の両方とも(b)の銀を使用した場合に近
似する程度に接触抵抗は低い。ニッケル−PTFE複合
めっき(d)は銀に比べてコストが非常に低くて済むの
で、実使用に非常に適したものとして活用できる。
【0024】{第2実施形態} <構成>図3及び図5はこの発明の第2実施形態の接続
用端子を示す図である。図3及び図5の如く、この実施
形態の接続用端子は、雄型接点部材31(第1の接点部
材)を雌型接点部材32(第2の接点部材)の挿入孔に
挿入し、雌型接点部材32内の板ばね状の被接触片52
に摺動自在可能に接触するように構成されたものであ
る。
【0025】ここで、雄型接点部材31は、母材とし
て、黄銅、燐青銅やNi−Si入り銅合金等の一般的な
端子用銅合金の他、SUSニッケル合金、アルミ及びア
ルミ合金の条材または棒材が使用されており、図3の側
面図及び図4の展開図の如く、一端部に雌型接点部材3
2と電気的に接続するための略平板状の接触子41(図
3及び図4中の網掛ハッチング部分)を有し、また他端
部には図示しない外部の電線が巻付けられて圧着、圧接
または溶接等によって接続される矩形ボビン状の外部接
続部42(図3及び図4中の斜線ハッチング部分)を有
している。
【0026】接触子41は、最終的に雌型接点部材32
に接触して電気的接続を成すことから、第1実施形態の
被接触部22と同様、当該接触子41の表面には、通常
のニッケルめっきに比べて接触抵抗の小さいニッケル−
PTFE複合めっき層43が形成されている。このPT
FEの被接触部22内での組成は、接触抵抗の低減効果
を向上するため、第1実施形態と同様に5vol%以上
且つ30vol%以下に設定される。
【0027】一方、外部接続部42についてニッケル−
PTFE複合めっきを適用すると、外部電線との間の金
属接合を阻害することから、この外部接続部42につい
ては複合めっきを用いず、電線導体の摩擦力が大きい錫
めっきやはんだめっきを施すか、めっき無しのままとし
ておく。
【0028】雌型接点部材32は、母材として、黄銅、
燐青銅やNi−Si入り銅合金等の一般的な端子用銅合
金の他、SUSニッケル合金、アルミ及びアルミ合金の
条材または棒材が使用されている。そして、雌型接点部
材32は、図5の如く、一端面に挿入孔51が開口され
ており、当該挿入孔51内には略楕円状に湾曲された板
ばねとしての機能を有して雄型接点部材31の接触子4
1に圧着接続するための被接触片52と、被接触片52
の対辺側で内側に突設されて雄型接点部材31の接触子
41に接続するための突条53が形成されている。ま
た、雌型接点部材32の挿入孔51と逆側の他端には、
図示しない外部の電線が巻付けられて圧着、圧接または
溶接等によって接続される矩形ボビン状の外部接続部5
4が形成されている。
【0029】ここで、図6は雌型接点部材32の展開図
である。すなわち、雌型接点部材32は金属板を図6に
示したような形状にカッティングして折曲形成してなる
ものであって、特に図6中の網掛ハッチング部分は、雄
型接点部材31の接触子41と同様ニッケル−PTFE
複合めっき層55が形成された部分、図6中の斜線ハッ
チング部分は、雄型接点部材31の外部接続部42と同
様に、複合めっきを用いず、電線導体の摩擦力が大きい
錫めっきやはんだめっきを施すか、めっき無しのままと
しておく部分である。
【0030】<動作>上記構成の接続用端子の動作を説
明する。この実施形態において、雄型接点部材31と雌
型接点部材32とを電気的に接続したい場合、雄型接点
部材31の接触子41を雌型接点部材32の挿入孔51
に挿入する。このとき、接触子41は被接触片52に当
接するが、作業者は接触子41を被接触片52に当てた
状態のままこれを被接触片52の弾性復元力に抗して挿
入孔51の奥の方へ押込む。そうすると、接触子41
は、被接触片52の弾性復元力により被接触片52と突
条53との間に挟持されることになる。
【0031】このように、接触子41は挿入孔51内で
被接触片52及び突条53に対して摺動することになる
が、接触子41、被接触片52及び突条53には、接触
抵抗の低いニッケル−PTFE複合めっき層43,55
が形成されているので、接触面同士の摩擦力を大幅に低
減でき、必要な挿入力を著しく低減させることができ
る。したがって、例えば多極コネクタについて上記構成
の接続用端子を適用する場合、軽微な力でも挿入を確実
に行うことができる。
【0032】また、本来硬質で接触抵抗の高いニッケル
被膜を軟らかくして錫めっきに近い低い接触抵抗が得ら
れる。したがって、被接触片52の弾性力を所望の程度
に保持して上述の挿入力を適度に確保した上で、接触面
間の電気的接続において電気的伝導度を飛躍的に高める
ことができる。
【0033】なお、図7は接触荷重を100gだけ与え
たときの錫(Sn)めっき、ニッケル(Ni)めっき及
びニッケル−PTFE複合めっきの接触抵抗(Ω)を測
定比較した実験の結果を示す図、図8は雄型接点部材3
1及び雌型接点部材32の表面に錫(Sn)めっき、ニ
ッケル(Ni)めっき及びニッケル−PTFE複合めっ
きを形成した場合において接触子41を挿入孔51に挿
入する際の挿入力を測定比較した実験の結果を示す図で
ある。これらの図を見れば理解できるように、この実施
形態で使用されたニッケル−PTFE複合めっきでは、
錫(Sn)めっきとほぼ同程度の接触抵抗を有し且つニ
ッケル(Ni)めっきと同等の挿入力で済むことにな
る。したがって、第1実施形態と同様に、接触抵抗が低
く且つ耐磨耗性の高い接続用端子を実現できる。
【0034】なお、接続用端子の両接点部材の形状は、
上述した2つの実施形態に限るものではない。
【0035】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、第2の
接点部材の電気的接続のための所定位置に、ニッケルま
たはニッケル合金に対してフッ素樹脂微粒子が共析され
た複合めっき層を形成しているので、フッ素樹脂微粒子
の高柔軟性により錫めっきに近い低い接触抵抗が得られ
ることから、電気的接続のための所定位置において電気
的伝導度を飛躍的に高めることができる。
【0036】請求項2に記載の発明によれば、第1の接
点部材の接触子にニッケルまたはニッケル合金を用いた
めっき層を形成しているので、錫めっき及び銀めっきを
使用する場合に比べて、ニッケルまたはニッケル合金の
硬質性により接続用端子内にあって最も磨耗しやすい接
触子について耐摩耗性を向上でき、故に摺動時の労力を
軽減できると同時に摺動部分のめっき膜磨耗を著しく低
減させることができる。また、金めっきを使用する場合
に比ると、めっき部分にかかる製造コストを低減でき
る。
【0037】請求項3に記載の発明によれば、前記第1
の接点部材の接触子に、ニッケルまたはニッケル合金に
対してフッ素樹脂微粒子が共析された複合めっき層を形
成しているので、フッ素樹脂微粒子の高潤滑性及び高柔
軟性により接触面同士の摩擦力を大幅に低減でき、必要
な挿入力を著しく低減させることができる。したがっ
て、例えば多極コネクタについて上記構成の接続用端子
を適用する場合、軽微な力でも挿入を確実に行うことが
できる。また、本来硬質で接触抵抗の高いニッケル被膜
を軟らかくして錫めっきに近い低い接触抵抗が得られる
ことから、接触子において電気的伝導度を飛躍的に高め
ることができる。
【0038】請求項4に記載の発明によれば、5vol
%以上の組成とすることで膜の柔軟性を確保して接触抵
抗の低減効果を確保でき、また、本来絶縁体であるフッ
素樹脂微粒子を30vol%以下に抑えることで接触抵
抗の上昇を防止できる。
【0039】請求項5に記載の発明によれば、圧着また
は圧接によって外部電線と接続をなす部分については、
電線導体の摩擦力が大きい錫めっきやはんだめっきによ
り確実に電気的接続を図り得る。また、電線を溶接によ
り接続する場合においても、ニッケルまたはニッケル合
金に対してフッ素樹脂微粒子が共析された複合めっきだ
と比較的融点の高いことから金属接合を阻害するため適
当ではない。したがって、これらの複合めっきを用いな
いことにより外部電線と接点部材との接続を確実に行う
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態の接続用端子を示す断
面図である。
【図2】様々な材料を使用して接触抵抗を測定した実験
の結果を示す図である。
【図3】この発明の第2実施形態における雄型接点部材
を示す側面図である。
【図4】この発明の第2実施形態における雄型接点部材
を示す展開図である。
【図5】この発明の第2実施形態における雌型接点部材
を示す側面図である。
【図6】この発明の第2実施形態における雌型接点部材
を示す展開図である。
【図7】様々な材料を使用して接触抵抗を測定した実験
の結果を示す図である。
【図8】様々な材料を使用した場合に雄型接点部材を雌
型接点部材に挿入する際の挿入力を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の接点部材 2 第2の接点部材 11 第1の母材 12 接触子 13 層 21 第2の母材 22 被接触部 23 層 31 雄型接点部材 32 雌型接点部材 41 接触子 42 外部接続部 43 複合めっき層 51 挿入孔 52 被接触片 53 突条 54 外部接続部 55 複合めっき層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接触子を有する第1の接点部材と、 前記第1の接点部材の前記接触子に電気的に接続する第
    2の接点部材とを備え、 前記接触子を前記第2の接点部材に対して摺動させて電
    気的接続のための所定位置への進退移動を成す接続用端
    子であって、 少なくとも前記第2の接点部材の前記電気的接続のため
    の所定位置に、ニッケルまたはニッケル合金に対してフ
    ッ素樹脂微粒子が共析された複合めっき層が形成された
    ことを特徴とする接続用端子。
  2. 【請求項2】 ニッケルまたはニッケル合金からなるめ
    っき層が形成された接触子を有する第1の接点部材と、 前記第1の接点部材の前記接触子に電気的に接続する第
    2の接点部材とを備え、 前記接触子を前記第2の接点部材に対して摺動させて電
    気的接続のための所定位置への進退移動を成す接続用端
    子であって、 前記第2の接点部材の前記電気的接続のための所定位置
    に、ニッケルまたはニッケル合金に対してフッ素樹脂微
    粒子が共析された複合めっき層が形成されたことを特徴
    とする接続用端子。
  3. 【請求項3】 接触子を有する第1の接点部材と、 前記第1の接点部材の前記接触子に電気的に接続する第
    2の接点部材とを備え、 前記接触子を前記第2の接点部材に対して摺動させて電
    気的接続のための所定位置への進退移動を成す接続用端
    子であって、 前記第1の接点部材の前記接触子及び前記第2の接点部
    材の前記電気的接続のための所定位置に、ニッケルまた
    はニッケル合金に対してフッ素樹脂微粒子が共析された
    複合めっき層がそれぞれ形成されたことを特徴とする接
    続用端子。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の接続用端子であって、前記複合めっき層は、フッ素
    樹脂微粒子5vol%以上且つ30vol%以下に設定
    されたことを特徴とする接続用端子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の接続用端子であって、前記第1の接点部材及び前記
    第2の接点部材において圧着、圧接または溶接によって
    外部電線に接続される外部接続部が形成され、該外部接
    続部は、めっき層が省略されて露出され、または錫めっ
    き層もしくははんだめっき層が表面に被覆形成されるこ
    とを特徴とする接続用端子。
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