JPH10222716A - コイン認識装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産コストの増加を抑えつつ、識別率（認識
率）を向上させる。 【解決手段】 照明光をコイン３に照射し、このコイン
３からの反射光を撮像手段９により画像として取り込ん
で、撮像手段９からの画像データによりコイン３を認識
する。コイン通路４の両側にそれぞれ照明手段１，２
と、照明手段１，２による照明光の反射光を反射するミ
ラー５，６とを備え、２つのミラー５，６からの反射光
を一つのエリアＣＣＤ８に入力するようにした。エリア
ＣＣＤ８は、コイン３の表面と裏面との画像を並置して
取り込む。また、コイン３と各照明手段１，２との間に
それぞれ偏光板を配置し、対向側（反対側）の光をミラ
ー５，６へ透過させないようにしても良い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コイン認識装置に
関する。より詳しくは、コイン両面について撮影した画
像に基づいて当該コインの種類を認識するコイン認識装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、画像処理によってコインの種類を
認識（識別）するコイン認識装置は、コイン搬送路の途
中に撮像エリアを設定し、高速で移動するコインに照射
した照明光の反射光を撮像手段によって画像データとし
て取り込み、当該画像データに基づいてコインの種類を
認識していた。コインに照明光を照射する発光ダイオー
ド等の照明手段やＣＣＤカメラ等の撮像手段は、コイン
搬送路の一側に設置されており、当該コイン認識装置は
コインの片面の画像に基づいてコインの種類を識別して
いた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コイン
の片面の画像データにのみ基づいて当該コインの種類を
識別していたのでは、その識別率（コインの種類を正確
に識別する率）の向上には限界があり、識別率のさらな
る向上の要請に十分に対応することができなかった。

【０００４】一方、識別率を向上させるためには、コイ
ンの両面について画像データを取り込んで２種類の異な
ったデータに基づいてコインの種類の識別を行えば良い
が、この場合には、高価なＣＣＤカメラ等を含む撮像ユ
ニットをコイン搬送路の両側にそれぞれ設置する必要が
あり、大幅な生産コストの増加を招いてしまう。

【０００５】本発明は、生産コストの増加を抑えつつ、
識別率（認識率）を向上させることができるコイン認識
装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項１記載の発明は、照明手段からの照明光をコ
インに照射し、このコインからの反射光を撮像手段によ
り画像として取り込んで、撮像手段からの画像データに
よりコインを認識するように構成してなるコイン認識装
置において、コインが通過する通路の両側にそれぞれ照
明手段と、該照明手段による照明光の反射光を反射する
ミラーとを備え、通路の両側に設けた２つのミラーから
の反射光を一つの撮像手段に入力するように構成してい
る。

【０００７】したがって、通路の一側に設けられた照明
手段はコインの一側面を照らし、その反射光は通路の一
側に設けられたミラーによって撮像手段に向けて反射さ
れる。また、通路の他側に設けられた照明手段はコイン
の他側面を照らし、その反射光は通路の他側に設けられ
たミラーによって撮像手段に向けて反射される。即ち、
一側のミラーにはコインの一側面が写り、他側のミラー
にはコインの他側面が写る。撮像手段は両方のミラーを
同時に撮影し、コインの表裏両面についての画像を同時
に取り込む。

【０００８】また、請求項２記載のコイン認識装置で
は、撮像手段が、コインの表面と裏面とを並置して取り
込むことのできる受光部を有している。したがって、撮
像手段によって取り込まれた画像には、コインの表面に
ついてのものと裏面についてのものが並んでいる。

【０００９】また、請求項３記載のコイン認識装置は、
コインと照明手段との間に対向側の照明手段からの照明
光を透過させない偏光板を配置して構成されている。し
たがって、コインの一側の偏光板と他側の偏光板の各偏
光角度を互いに直交させることで、一側の偏光板を通過
した一側の照明手段の光は他側の偏光板によって遮ら
れ、他側のミラーには達しない。同様に、他側の偏光板
を通過した他側の照明手段の光は一側の偏光板によって
遮られ、一側のミラーには達しない。即ち、反対側の照
明手段による影響が防止される。

【００１０】さらに、請求項４記載のコイン認識装置
は、撮像手段を２つのミラーから等間隔の位置に配置し
て構成されている。したがって、ミラーの角度を対称に
設定すれば、コイン両面についての像が撮像手段に結ば
れる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
最良の形態に基づいて詳細に説明する。

【００１２】図１に、本発明に係るコイン認識装置の実
施形態の一例を概念的に示す。このコイン認識装置は、
照明手段１，２からの照明光をコイン３に照射し、この
コイン３からの反射光を撮像手段９により画像として取
り込んで、撮像手段９からの画像データによりコイン３
を認識するように構成され、コイン３が通過する通路４
の両側には、それぞれ照明手段１，２と該照明手段１，
２による照明光の反射光を反射するミラー５，６とを備
えると共に、上記通路４の両側に設けた２つのミラー
５，６からの反射光を一つの撮像手段９に入力するよう
に構成されている。

【００１３】このコイン認識装置は、コイン３が搬送さ
れる通路（以下、コイン通路という）４の途中に組み込
まれている。コイン通路４の両側、即ちコイン通路４に
沿って搬送されるコイン３の表面及び裏面に対向する位
置には、照明手段１，２及びミラー５，６が設置されて
いる。各照明手段１，２は、例えば赤色発光ダイオード
であり、コイン通路４の所定位置に設定された撮像エリ
ア７（図３）においてコイン３の表面又は裏面を照射す
る。また、各ミラー５，６は、コイン通路４内のコイン
３に対して所定の角度だけ傾斜するように設置され、コ
イン３からの反射光を撮像手段９に向けて反射させる。
なお、図１において、コイン通路４は、手前側から奥側
に向けて延びている。

【００１４】撮像手段９は、コイン通路４内のコイン３
の表面と裏面を並置して取り込むことのできる受光部８
を有している。受光部８は、例えばエリアＣＣＤであ
り、コイン通路４内のコイン３の周面に対向し且つ各ミ
ラー５，６から等間隔の位置に配置されている。また、
受光部（以下、エリアＣＣＤという）８とコイン通路４
の間には、レンズユニット１０が配置されている。レン
ズユニット１０にはミラー５を介してコイン３の一側面
の画像が、ミラー６を介してコイン３の他側面の画像が
入り、これら各画像はエリアＣＣＤ８上に結像する。こ
れによって、エリアＣＣＤ８は、各ミラー５，６に写っ
た像を同時に一の画像として撮ることができる。

【００１５】図２に、エリアＣＣＤ８で取り込んだ画像
の一例を示す。エリアＣＣＤ８は、コイン３に対して傾
けて、即ちコイン３の表裏面の映像が対角線上に配置さ
れるように視野の中央を中心にして所定角度だけ回転さ
せた状態で設置されている。このように、エリアＣＣＤ
８を傾けて設置することで、読み取りエリアを有効に利
用することができる。ただし、必ずしもエリアＣＣＤ８
を傾けて設置しなくても良いことは勿論である。

【００１６】各照明手段１，２は以下のタイミングで発
光し、エリアＣＣＤ８はコイン３の両面の画像を取り込
む。つまり、図３及び図４に示すように、エリアＣＣＤ
８の近傍には、コイン３を例えば光学的に検出する検出
部を１ないし複数有するコイン位置検出器１６が設置さ
れている。コイン位置検出器１６は、コイン通路４内を
搬送されてきたコイン３を検出した場合にコイン位置検
出信号をコイン検出回路１７を介して画像処理部１８及
びタイミング生成回路２０に供給する。画像処理部１８
は、フレームメモリ２３、画像処理用ＩＣからなる画像
処理回路２４、ＣＰＵ２５、テンプレート用ＲＯＭ２６
を有している。また、タイミング生成回路２０は、ＣＰ
Ｕ２５及び映像回路部１９によって構成されている。コ
イン位置検出信号の供給を受けたＣＰＵ２５は、ＳＨＵ
Ｔ信号を映像回路部１９を介して撮像手段９のドライバ
に出力する。即ち、タイミング生成回路２０がコイン検
出回路１７からのコイン位置検出信号に同期してＳＨＵ
Ｔ信号を撮像手段９のドライバに出力することになり、
これによって各照明手段１，２が発光する。

【００１７】各照明手段１，２から照射された光は、コ
イン３がコイン通路４の途中の撮像エリア７を通過する
タイミングで当該コイン３の表面及び裏面に当たる。そ
して、コイン３からの各反射光は各ミラー５，６によっ
てさらに反射され、レンズユニット１０を介してエリア
ＣＣＤ８に入射する。エリアＣＣＤ８への入射光はアナ
ログ画像信号ＶＩＤＥＯに変換され、これによってコイ
ン３の表裏両面の画像が瞬間的に２次元的に撮像され
る。このアナログ画像信号ＶＩＤＥＯは、映像回路部１
９によりＡ／Ｄ変換されてデジタル画像信号となり、画
像処理部内のフレームメモリ２３に格納される。

【００１８】映像回路部１９は１個のコイン３に対する
デジタル画像信号をフレームメモリ２３に格納し終わっ
た時にＴＡＩＬ信号をＣＰＵ２５へ出力する。

【００１９】ここに、コイン３の特徴としては、外径、
材質、孔の有無、模様があり、この例ではコイン３の外
径及び模様からコイン３の種類を識別する。図５は、こ
の例のコイン識別フローを示す。ＣＰＵ２５は、映像回
路部１９からＴＡＩＬ信号の供給を受けると、フレーム
メモリ２３内のデジタル画像信号について２つの交差す
るＸ方向，Ｙ方向のヒストグラムをそれぞれ求め、これ
らのヒストグラムをしきい値と比較することにより外径
計測を行い、コイン表面側の画像及びコイン裏面側の画
像の各々について、コイン３のＸ方向、Ｙ方向の外径値
を算出すると共に、当該Ｘ方向，Ｙ方向の外径値よりコ
イン画像の中心位置を算出する。

【００２０】次に、画像処理回路２４は、ＣＰＵ２５で
算出したコイン３のＸ方向，Ｙ方向の外径値及び中心位
置に基づきいわゆるリング切り出しを行う。即ち、フレ
ームメモリ２３内のコイン３のデジタル画像信号のう
ち、コイン３の中心位置Ｏを中心とする円環状領域Ｒの
デジタル画像信号を読み出してリング切り出しを行う
（図６）。尚、実際には撮像画像は楕円になるため、あ
らかじめ切り出し領域を補正した上で切り出しを行う。
そして、切り出したデジタル画像信号の特徴を強調し、
当該特徴を強調したデジタル画像信号をテンプレート用
ＲＯＭ２６内の複数のテンプレートデータと順次比較す
る。即ち、コイン３の特徴を強調したデジタル画像信号
と各テンプレートデータとのマッチング演算を行ってコ
イン３の特徴を強調したデジタル画像信号と複数のテン
プレートデータとの類似度を求める。類似度は、コイン
３の表裏両面についてそれぞれ求められる。

【００２１】ここに、テンプレート用ＲＯＭ２６内の複
数のテンプレートデータは、予め標準的な複数種類のコ
イン３の画像を読み取ってアナログ画像信号として得た
ものをデジタル信号に変換してその特徴を強調する処理
を行った複数のパターンデータである。ＣＰＵ２５は、
コイン３の表面側と裏面側についてれぞれ求めた各類似
度に加え、先に求めた外径値に基づいてコイン３の種類
を判別する。

【００２２】このように、本発明を適用したコイン認識
装置では、比較的安価な照明手段１，２及びミラー５，
６の数を増やすだけで、高価なエリアＣＣＤ８等を含む
撮像ユニットやレンズユニット１０の設置台数を増加さ
せることなく、コイン３の両面について撮像を行うこと
ができる。このため、生産コストの増加を抑えつつ、コ
イン３の種類の識別率を向上させることができる。

【００２３】また、エリアＣＣＤ８の焦点の合わせ方に
よっては、コイン３の周面の模様も画像として取り込む
ことができ、コイン３の表面，裏面及び周面の画像に基
づいてコイン３の種類を識別することができる。この場
合には、コイン３の種類の識別率をより一層向上させる
ことができる。

【００２４】さらに、片面の画像のみでは識別が困難な
場合であっても、コイン３の両面の画像を合わせて識別
することにより、その識別を確実に行うことができる。

【００２５】なお、上述の形態は本発明の好適な形態の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、上述の説明では、エリアＣＣＤ８を使用し
ていたが、エリアＣＣＤ８に代えてラインＣＣＤを使用
しても良い。ラインＣＣＤを使用する場合には、その読
み取り部をコイン面と垂直方向に設置する。ラインＣＣ
Ｄにより取り込んだ画像の例を、図７に示す。

【００２６】また、コイン３と照明手段１，２との間に
対向側（反対側）の照明手段１，２からの照明光を透過
させない偏光板１１，１２を配置しても良い。即ち、図
８のように、２枚の偏光板１１，１２を使用すること
で、対向側の照明手段１，２の影響を防ぐことができ
る。各偏光板１１，１２は、偏光角度を互いに直交させ
て配置されている。一側の偏光板１１を通過した一側の
照明手段１の光は、コイン３の一側面で反射して同一の
偏光板１１を通過することはできるが、コイン３の周囲
を通り抜けても偏光角度が直交する他側の偏光板１２を
通過することはできない。したがって、一側の照明手段
１の光は、他側のミラー６に達することはない。同様
に、他側の偏光板１２を通過した他側の照明手段２の光
は、コイン３の他側面で反射して同一の偏光板１２を通
過することはできるが、コイン３の周囲を通り抜けても
偏光角度が直交する一側の偏光板１１を通過することは
できない。したがって、他側の照明手段２の光は、一側
のミラー５に達することはない。これらのため、撮像時
において、反対側の照明手段１，２による影響を防止す
ることができる。

【００２７】さらに、上述の説明では、コイン３の種類
を認識するコイン認識装置に適用した場合について説明
したが、コイン３以外の紙幣などの有価証券やワークの
種類を識別する認識装置に適用しても良いことは勿論で
ある。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載のコ
イン認識装置は、コインが通過する通路の両側にそれぞ
れ照明手段と、該照明手段による照明光の反射光を反射
するミラーとを備え、通路の両側に設けた２つのミラー
からの反射光を一つの撮像手段に入力するように構成し
たので、コインの表裏両面を同時に写して一の画像とし
て取り込むことがことができる。このため、高価な撮像
手段や信号処理部等の設置数を増やすこと無く、コイン
の両面を撮像して認識を行うコイン認識装置を構成する
ことができ、生産コストの増加を抑えつつ、コインの種
類の識別率（認識率）を向上させることができる。

【００２９】また、請求項２記載のコイン認識装置は、
撮像手段が、コインの表面と裏面とを並置して取り込む
ことのできる受光部を有している。このため、コインの
表裏両面が並んだ状態で一の画像となり、当該一の画像
を処理することで、コインの表裏両面についての画像に
基づいた識別処理を行うことができる。

【００３０】また、請求項３記載のコイン認識装置は、
コインと照明手段との間に対向側の照明手段からの照明
光を透過させない偏光板を配置しているので、撮像時に
おいて、対向側（反対側）の照明手段による影響を防ぐ
ことができる。

【００３１】さらに、請求項４記載のコイン認識装置
は、撮像手段を２つのミラーから等間隔の位置に配置し
ているので、これら２つのミラーの角度を対称に設定す
れば、コイン両面についての像を並べて同時に写すこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用したコイン認識装置の実施形態の
一例を示す概略構成図である。

【図２】図１のエリアＣＣＤの画像の一例を示す図であ
る。

【図３】図１のコイン認識装置の照明手段を発光させる
回路のブロック図である。

【図４】図１のコイン認識装置のエリアＣＣＤが取り込
んだ画像データを処理する回路のブロック図である。

【図５】図１のコイン識別装置のコイン識別フローを示
すフローチャートである。

【図６】図５のリング切り出しの概念を説明するための
図である。

【図７】図１の受光部としてラインＣＣＤを使用した場
合の取り込み画像の一例を示す図である。

【図８】本発明を適用したコイン認識装置の他の実施形
態を示す概略構成図である。

【符号の説明】

１，２ 照明手段 ３ コイン ４ コイン通路 ５，６ ミラー ８ 受光部（エリアＣＣＤ） ９ 撮像手段 １１，１２ 偏光板

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 照明手段からの照明光をコインに照射
   し、このコインからの反射光を撮像手段により画像とし
   て取り込んで、上記撮像手段からの画像データによりコ
   インを認識するように構成してなるコイン認識装置にお
   いて、コインが通過する通路の両側にそれぞれ照明手段
   と、該照明手段による照明光の反射光を反射するミラー
   とを備え、上記通路の両側に設けた２つのミラーからの
   反射光を一つの撮像手段に入力するように構成したこと
   を特徴とするコイン認識装置。
2. 【請求項２】 上記撮像手段は、コインの表面と裏面と
   を並置して取り込むことのできる受光部を有することを
   特徴とする請求項１記載のコイン認識装置。
3. 【請求項３】 上記コインと照明手段との間に対向側の
   照明手段からの照明光を透過させない偏光板を配置した
   ことを特徴とする請求項１又は２記載のコイン認識装
   置。
4. 【請求項４】 上記撮像手段を上記２つのミラーから等
   間隔の位置に配置してなることを特徴とする請求項１か
   ら３のいずれか記載のコイン認識装置。