JPH10222634A - 個人認証装置およびicカード - Google Patents

個人認証装置およびicカード

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Publication number
JPH10222634A
JPH10222634A JP9018638A JP1863897A JPH10222634A JP H10222634 A JPH10222634 A JP H10222634A JP 9018638 A JP9018638 A JP 9018638A JP 1863897 A JP1863897 A JP 1863897A JP H10222634 A JPH10222634 A JP H10222634A
Authority
JP
Japan
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finger
linear
person
linear electrode
verified
Prior art date
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Pending
Application number
JP9018638A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Ide
賢一 井手
Hideaki Hiraki
英朗 平木
Kazuhiro Henmi
和弘 逸見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP9018638A priority Critical patent/JPH10222634A/ja
Publication of JPH10222634A publication Critical patent/JPH10222634A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の線状電極からなる線状電極アレイを用い
て指の特徴情報を抽出して個人認証を行なう場合に、人
体に帯電した電荷による指先への電撃などを低減し得る
個人認証装置を提供する。 【解決手段】複数の線状電極を指の長手方向に一次元的
に配列してなる線状電極アレイ上に被認証者の照合すべ
き指を押し付けたときの各隣接線状電極間の抵抗値の分
布状態から指の特徴情報を抽出して個人認証を行なう個
人認証装置において、線状電極13の一端と接地点41との
間に放電用スイッチ42と電流制限抵抗43とを直列に接続
するとともに、線状電極13の信号出力側に電極接続用ス
イッチ44を接続し、通常は放電用スイッチ42をオンにし
て電極接続用スイッチ44をオフにしておき、この状態で
線状電極13に指12が接触して人体に帯電した電荷が放電
された後、放電用スイッチ42をオフにして電極接続用ス
イッチ44をオンにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、重要施
設への入退室管理を行なう入退室管理装置などにおい
て、個人の指の特徴情報を用いて本人であるか他人であ
るかの個人認証を行なう個人認証装置、および、この個
人認証装置を搭載したクレジットカードなどとして用い
られるICカードに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、重要な施設の入退室管理などを目
的として、被認証者があらかじめ登録されている個人か
どうかを識別して認証を行なう個人認証装置への関心が
高まってきている。
【0003】個人認証には様々な方式があるが、指全体
のパターンを用いて個人認証を行なう方式としては、た
とえば、特開平2−178777号公報に示されるよう
に、光学的に指全体の画像を取込み、その画像の画素値
を指の長手方向と直交する方向に加算して得られる加算
信号を指の特徴情報として用いて照合を行なう方法があ
る。しかし、この方法では、光学系が必要なために、装
置の小形化には限界があった。
【0004】そこで、このような問題を解決するものと
して、光学系を用いる代わりに、指の長手方向と直交す
る方向に長い複数の線状電極を指の長手方向に沿って所
定間隔で配列してなる線状電極アレイを用い、この線状
電極アレイ上に指を押しつけたときの隣り合う線状電極
間の抵抗値R(x) を指の長手方向に順次読取り合成した
信号を指の特徴情報として用いる方法が提案されている
(たとえば、特開平7−168930号公報参照)。
【0005】この際、上記抵抗値R(x) は、線状電極ア
レイに対して基準抵抗(抵抗値Rr)を直列に接続し、
電圧V(o) を加えたときの基準抵抗の両端の電位差V
(x) を計測することによって得られる。このときの上記
電位差V(x) は投影信号と呼ばれ、下記数1で与えられ
る。
【0006】
【数1】 この方法によれば、光学系が不要となり、装置の小形化
および低価格化が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の個人認証装置では、線状電極アレイを用いてい
るため、以下に述べるような問題があった。すなわち、
線状電極に指を接触させて使用するため、人体が帯電し
た状態で線状電極に触れると、静電気の放電が起こり、
線状電極に接続された電子回路を破壊したり、指先に電
撃を受ける恐れがあった。
【0008】また、構造上、金属で構成された線状電極
の間に電解質である汗が入り込む恐れがあり、もし線状
電極の間に汗が入り込んだ場合、線状電極が腐食し易い
という問題がある。
【0009】また、人体に誘導されている様々な雑音信
号、たとえば、商用電源周波数の雑音信号が線状電極か
ら侵入し易いという問題もあった。そこで、本発明は、
複数の線状電極からなる線状電極アレイを用いて指の特
徴情報を抽出して個人認証を行なう場合に、人体に帯電
した電荷による指先への電撃などを低減し得るととも
に、線状電極の腐食を防止して長寿命化が図れ、かつ、
線状電極からの雑音信号の侵入を低減できる個人認証装
置を提供することを目的とする。
【0010】また、本発明は、複数の線状電極からなる
線状電極アレイを用いて指の特徴情報を抽出して個人認
証を行なう個人認証装置を搭載したICカードにおい
て、線状電極アレイの寿命および信頼性を向上し得るI
Cカードを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の個人認証装置
は、複数の線状電極を指の長手方向に一次元的に配列し
てなる線状電極アレイからなり、この線状電極アレイの
各線状電極にその配列方向に沿って被認証者の照合すべ
き指が接触することによる前記各隣接線状電極間の電気
抵抗値の分布状態から被認証者の照合すべき指の特徴情
報を抽出し、あらかじめ記憶されている被照合用の特徴
情報と照合することにより前記被認証者が本人であるか
他人であるかを判定する判定手段と、人体に帯電した電
荷を前記線状電極アレイの線状電極あるいは放電用電極
を介して放電させる電荷放電手段とを具備している。
【0012】また、本発明の個人認証装置は、複数の線
状電極を指の長手方向に一次元的に配列してなる線状電
極アレイからなり、この線状電極アレイの各線状電極に
その配列方向に沿って被認証者の照合すべき指が接触す
ることによる前記各隣接線状電極間の電気抵抗値の分布
状態から被認証者の照合すべき指の特徴情報を抽出し、
あらかじめ記憶されている被照合用の特徴情報と照合す
ることにより前記被認証者が本人であるか他人であるか
を判定する判定手段と、前記複数の線状電極間に帯電し
た電荷を放電させる電荷放電手段とを具備している。
【0013】また、本発明の個人認証装置は、複数の線
状電極を指の長手方向に一次元的に配列してなる線状電
極アレイからなり、この線状電極アレイの各線状電極に
その配列方向に沿って被認証者の照合すべき指が接触す
ることによる前記各隣接線状電極間の電気抵抗値の分布
状態から被認証者の照合すべき指の特徴情報を抽出し、
あらかじめ記憶されている被照合用の特徴情報と照合す
ることにより前記被認証者が本人であるか他人であるか
を判定する判定手段と、前記線状電極アレイの近傍に設
けられ、被認証者の指を接地するための接地用電極とを
具備している。
【0014】また、本発明の個人認証装置は、複数の線
状電極を指の長手方向に一次元的に配列してなる線状電
極アレイからなり、この線状電極アレイの各線状電極に
その配列方向に沿って被認証者の照合すべき指が接触す
ることによる前記各隣接線状電極間の電気抵抗値の分布
状態から被認証者の照合すべき指の特徴情報を抽出する
特徴抽出手段と、あらかじめ被照合用の特徴情報を記憶
しておく記憶手段と、前記特徴抽出手段で抽出された特
徴情報と前記記憶手段内の被照合用の特徴情報とを照合
することにより前記被認証者が本人であるか他人である
かを判定する判定手段と、人体に帯電した電荷を前記線
状電極アレイの線状電極を介して接地点に放電させる第
1の電荷放電手段と、前記複数の線状電極間に帯電した
電荷を放電させる第2の電荷放電手段と、前記線状電極
アレイの近傍に設けられ、被認証者の指を接地するため
の接地用電極とを具備している。
【0015】さらに、本発明のICカードは、磁気記録
部およびICモジュールを内蔵したICカードにおい
て、指の長手方向に一次元的に配列された複数の線状電
極からなり、この複数の線状電極にその配列方向に沿っ
て被認証者の照合すべき指が接触さる線状電極アレイ
と、この線状電極アレイの各隣接線状電極間の電気抵抗
値の分布状態から被認証者の照合すべき指の特徴情報を
抽出する特徴抽出処理手段と、あらかじめ被照合用の特
徴情報を記憶しておく記憶手段と、前記特徴抽出処理手
段で抽出された特徴情報と前記記憶手段内の被照合用の
特徴情報とを照合することにより前記被認証者が本人で
あるか他人であるかを判定する判定手段とを具備し、前
記線状電極アレイは、前記磁気記録部の端部から1mm
以上20mm以内で、かつ、前記ICモジュールの端部
から1mm以上40mm以内離れた位置に配設されてい
ることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係
る個人認証装置の構成を概略的に示すものである。本装
置は、被認証者の指から得られる特徴情報と、被認証者
が保持しているICカードにあらかじめ記憶してある被
照合用の特徴情報との間の一致性を調べることによっ
て、被認証者がICカードの正当な保持者であるか否か
を判定するものである。判定結果は、本装置と組合わさ
れたホストマシンにおいて利用され、たとえば、ICカ
ードの正当な保持者であるか否かによって、各種サービ
スの利用許可/不許可の制御などを行なう。各種サービ
スには、たとえば、重要区域への入退出、計算機へのア
クセス、クレジットカードサービスなど、様々なものが
可能である。
【0017】図1において、特徴抽出手段としての特徴
抽出部1は、各個人ごとに異なる特徴情報として指の皺
に起因する特徴波形(特徴情報)を抽出する。特徴抽出
部1の構成としては様々な形態が可能であるが、ここで
示す方法は、後で詳細を説明するように、指の長手方向
に一次元的に配列されてなる3個以上の複数の線状電極
からなる線状電極アレイの電極配列方向に沿って被認証
者の指が接触することによる、各隣接線状電極間の抵抗
値の分布状態から指の特徴波形(特徴情報)を抽出する
方法である。
【0018】制御部2は、特徴抽出部1で抽出された被
認証者の指の特徴波形を後述するICカード4にあらか
じめ登録する登録処理や、特徴抽出部1で抽出された特
徴波形とICカード4に登録されている被認証者の特徴
波形(被照合用の特徴情報)とを照合して判定する照合
・判定処理、および、本装置を構成する各ユニットの制
御などを行なう。制御部2は、たとえば、汎用コンピュ
ータを用いて実現することが可能である。
【0019】読取書込部3は、特徴情報を始めとする各
種情報をICカード4へ書込んだり、あるいは、ICカ
ード4から特徴情報を始めとする各種情報を読出す機能
を有している。
【0020】ICカード4は、後述する登録処理におい
て、被認証者の指の特徴情報をあらかじめ記憶(登録)
するための記憶手段としての機能を有している。記憶手
段としては、他に半導体メモリ、磁気ディスク、磁気カ
ードなどで構成することが可能である。本実施の形態で
は、一例としてICカード4を記憶手段として用いた場
合を示す。
【0021】ホストマシン5は、制御部2から送られる
本人/他人の判定結果に応じて、様々なサービスの提供
を行なう。サービスとしては、たとえば、重要区域への
入退出、計算機へのアクセス、クレジットカードサービ
スなど様々なものが可能である。
【0022】特徴抽出部1は、たとえば、図2に示すよ
うに構成されている。すなわち、11は線状電極アレイ
で、被認証者の照合すべき指12の長手方向と直交する
方向に長い形状のn個(複数)の線状電極13,…を指
12の長手方向に沿って所定間隔で配列して構成され
る。各線状電極13の間隔は、たとえば、1/10mm
程度とする。線状電極13の数、すなわち、線状電極ア
レイ11の指12の長手方向の長さは、通常、指12の
先端から第2関節を完全に含む長さとする。
【0023】線状電極アレイ11上に照合すべき指12
を電極配列方向に対して直交する方向に押し付けること
により、指紋を形成する凸部が線状電極13に接触す
る。その結果、隣接する線状電極13間の抵抗値R(x)
が接触する指12の凸部の量に応じて変化することにな
る。すなわち、接触する凸部の量が多ければ、それだけ
抵抗値は低くなる。
【0024】線状電極アレイ11の奇数番目の線状電極
13の各一端には、それぞれアナログスイッチ群14a
の各一端が接続され、偶数番目の線状電極13の各他端
には、それぞれアナログスイッチ群14bの各一端が接
続されている(図2では、nが奇数の場合を表示)。こ
れらアナログスイッチ群14a,14bは、タイミング
制御回路15から出力されるタイミング制御信号St が
印加されることによって、2つの線状電極13の組合わ
せを1番目と2番目、2番目と3番目、…というように
順次切換えるようになっている。
【0025】アナログスイッチ群14aの各他端は共通
接続され、この共通接続点と接地点との間に一定電圧電
源16(電圧Vo )が接続されている。また、アナログ
スイッチ群14bの各他端は共通接続され、この共通接
続点と接地点との間に基準抵抗17(抵抗値Rr )が接
続されている。ここに、基準抵抗17の両端の電位差V
(x) は前記数1で与えられる。
【0026】また、アナログスイッチ群14bの各他端
の共通接続点には、さらにサンプルホールド回路(S/
H)18が接続されている。サンプルホールド回路18
は、タイミング制御回路15から出力されるタイミング
制御信号St が印加されることによって、アナログスイ
ッチ群14a,14bと同期して動作する。
【0027】すなわち、アナログスイッチ群14a,1
4bは、抵抗値を検出すべき隣接する線状電極13の組
合わせを順次切換えて、隣接する線状電極13間の抵抗
と基準抵抗17との直列回路に電圧を印加することによ
り、サンプルホールド回路18は、基準抵抗17の両端
の電位差V(x) を指12の長さ方向に順次読取り、抵抗
値による電圧分布を得る。なお、基準抵抗17の値は、
得られる特徴パターン信号の大小により最適値を選べる
構成になっていてもよい。A/D変換器19は、この電
圧V(x) をデジタル信号に変換する。
【0028】このようにして、実際に得られる電位差V
(x) を時系列にプロットした一例を図3に示す。指12
の長手方向への多値射影信号と等価なパターンとなって
おり、横軸は線状電極13の位置を示し、縦軸は電位差
V(x) を示している。図3から明らかなように、指12
と線状電極13との接触面積が広い部分では、V(x)は
大きな値を持ち、指12の第1関節部分、第2関節部分
にある横皺では接触面積が狭くなるために、V(x) は小
さな値を持つ。このため、その部分でV(x) は急峻なデ
ィップを持つ。
【0029】この信号V(x) の類似性を調べることによ
って個人認証を行なっており、以下、この信号V(x) を
指12の投影信号(特徴情報)と呼ぶ。図4は、電極基
板20上に形成された線状電極アレイ11に指12を置
いている状態を示している。なお、線状電極13の材料
は、表面に指12が置かれるため、腐食されにくいAu
やPtなどが好ましく、下地には線状電極形成時の熱プ
ロセスで共晶を起こさないようにするためにNi層に入
れて、Cu/Ni/Auの3層構成が一例である。特
に、熱プロセスが必要ない場合には、Ti/AuやCr
/Auなどでもよい。
【0030】ICカード4は、たとえば、図5に示すよ
うに構成されている。すなわち、制御部としての制御素
子(たとえば、CPU)21、記憶内容が消去可能な不
揮発性のデータメモリ22、ワーキングメモリ23、プ
ログラムメモリ24、および、読取書込部3との電気的
接触を得るためのコンタクト部25によって構成されて
いる。これらのうち、破線内の部分(制御素子21、デ
ータメモリ22、ワーキングメモリ23、プログラムメ
モリ24)は、1つ(あるいは複数)のICチップで構
成されてICカード本体内に埋設されている。
【0031】データメモリ22は、各種データの記憶に
使用され、たとえば、EEPROMなどで構成されてい
る。ワーキングメモリ23は、制御素子21が処理を行
なう際の処理データを一時的に保持するためのメモリで
あり、たとえば、RAMなどで構成される。プログラム
メモリ24は、たとえば、マスクROMで構成されてお
り、制御素子21のプログラムなどを記憶するものであ
る。
【0032】データメモリ22は、たとえば、図6に示
すように、制御領域220、ディレクトリ221、空き
領域222、および、エリア群223に分割されてい
る。そして、それぞれのエリアは、ディレクトリ221
にて管理されている。
【0033】ディレクトリ221は、たとえば、図7に
示すように、各エリアのエリア番号31、エリアの先頭
アドレス32、サイズ33、チェックコード34からな
るエリア定義情報の集合体として構成される。たとえ
ば、エリア[01]の先頭アドレス32はaaa番地、
エリアのサイズはSaバイトであるといったように対応
する。
【0034】これらのエリアに対してのアクセスコマン
ドとして、以下の2種類が存在する。1つは、エリア内
のデータを読出すためのコマンドで、たとえば、図8に
示すように、読出しコマンドを示す機能コード、およ
び、アクセス対象となるエリアの番号で構成される。
【0035】もう1つは、エリア内にデータを書込むた
めのコマンドで、たとえば、図9に示すように、書込み
コマンドを示す機能コード、アクセス対象となるエリア
の番号、および、書込みデータで構成される。
【0036】ここで、図10に示すフローチャートによ
り、ICカード4の動作概念を説明する。図示するよう
に、ICカード4は電気的活性化後に、コマンド待ち状
態に移る。この時点でコマンドを待ち続け、入力される
と、コマンド内にあるエリア番号を抽出し、ディレクト
リ221内に該当するエリア番号が存在するか否かをチ
ェックする。もし、存在しなければ、該当エリア無しを
示す異常コードを出力し、コマンド待ち状態に戻る。も
し、存在すれば、この後、入力したコマンド中の機能コ
ードに該当する各コマンドルーチンにて処理を行ない、
この処理結果を出力後、命令データ待ち状態に戻る。
【0037】次に、上記のような構成において処理の流
れについて説明する。処理は、大きく分けて「登録」と
「照合」の2つがある。まず、登録の処理について、図
11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0038】まず、ステップS1にて、特徴抽出部1を
用いて被認証者の指12の皺に起因する特徴波形(特徴
情報)を抽出する。具体的には、前述したように、線状
電極13の各位置における指12の皺に起因して基準抵
抗17の両端に生じる電圧V(x) を読取り、これを特徴
波形A(x) とする。この場合、ノイズ除去などのための
フィルタリング処理などの信号処理を行なってもよい。
【0039】次に、ステップS2にて、ステップS1で
得た特徴波形A(x) を辞書波形としてICカード4のデ
ータメモリ22に記憶(登録)する。これで登録の処理
が終了する。
【0040】次に、照合の処理について、図12に示す
フローチャートを参照して説明する。まず、ステップS
3にて、特徴抽出部1を用いて被認証者の指12の皺に
起因する特徴波形A(x) を抽出する。特徴波形A(x) を
抽出する処理は、登録時におけるそれらと同様の処理で
ある。
【0041】次に、ステップS4にて、照合・判定処理
を行なう。照合・判定処理は、ステップS3で得た被認
証者の特徴波形A(x) である被照合波形とICカード4
に記憶されている辞書波形とを照合し、同一人物である
か否かを判定する。これで照合の処理が終了する。
【0042】以下、ステップS4の照合・判定処理の詳
細について説明する。照合・判定処理は、位置合わせ、
評価値算出、および、判定処理からなる。これらの処理
の流れを図13のフローチャートに示す。
【0043】まず、ステップS11にて、下記数2を用
いて特徴波形の位置合わせを行なう。すなわち、ICカ
ード4から読出した特徴波形を辞書波形Ad(i)、入力さ
れた指画像から求めた特徴波形を被照合波形A(i) とす
る。辞書波形Ad(i)とmだけずらした被照合波形A(i-
m) との2乗誤差をある範囲にわたって加算したものを
S(m) とする。
【0044】
【数2】
【0045】こうして求めたS(m) は、A(i-m) とAd
(i)との一致度を表わすパラメータであり、S(m) の値
が小さいほど一致していることを示す。位置合わせは、
mをある範囲で変化させ、最もS(m) の値が小さくなる
ときのMを位置ずれ量と呼び、このMのところで位置合
わせができたとする。次に、ステップS12にて、下記
数3を用いて評価値E1を算出する。
【0046】
【数3】
【0047】数3の評価値E1は、位置合わせされた被
照合波形A(i-M) と辞書波形Ad(i)との2乗誤差をある
範囲にわたって加算したものを同じ範囲の辞書波形Ad
(i)の2乗和で正規化したものである。評価値E1は、
位置合わせされた被照合波形A(i-M) と辞書波形Ad(i)
との相違度を表わしたもので、評価値E1の値が大きい
ほど両波形の違いが大きく、値が小さいほど両波形が似
ていることを示す。
【0048】次に、ステップS13にて、この評価値E
1をあらかじめ定めておいた閾値TH1と比較し、[E
1≦TH1]ならば、ステップS14に進んで、両波形
は一致していると考え、被認証者を本人と判定し、照合
の処理を終了する。また、[E1>TH1]ならば、ス
テップS15に進んで、両波形が一致していないと判断
して、被認証者を他人と判定し、照合の処理を終了す
る。
【0049】なお、閾値TH1は、被認証者や適用場面
に応じて、すなわち、高いセキュリティが要求されると
ころや、それほどでもないところなどに応じて値を変更
できるアルゴリズムにしてもよい。
【0050】以上の照合処理が終わった後、制御部2
は、この本人/他人の判定結果をホストマシン5に送出
する。ホストマシン5は、その判定結果に応じた処理、
たとえば、本人と判定された場合にはドアを解放するな
ど、また、他人と判定された場合には警報ブザーなどを
鳴らすなどの処理を行なう。これらの処理は、本装置と
組合わせるホストマシンによって異なる。
【0051】次に、本発明の特徴部分である特徴抽出部
1における線状電極アレイ11の部分に対する静電気対
策、腐食防止対策、雑音防止対策について詳細に説明す
る。まず、第1の実施の形態について説明する。
【0052】第1の実施の形態は、人体に帯電した電荷
による電撃を防止し、かつ、電子回路を保護することを
目的としており、以下、それについて具体的に説明す
る。図14は、第1の実施の形態に係る静電気対策回路
を示している。すなわち、線状電極13の一端と接地点
41との間には、放電用スイッチ42と電流制限抵抗4
3との直列回路が接続される。そして、線状電極13の
一端は、電極接続用スイッチ44を介して電気回路(図
2の回路)45に接続される。
【0053】このような構成において、図14の静電気
対策回路の動作を説明する。照合作業を行なっていない
とき、該回路は図14(a)の状態になっている。この
状態では、放電用スイッチ42がオンし、電極接続用ス
イッチ44はオフしており、線状電極13は電流制限抵
抗43を介して接地点41に接続されている。
【0054】図14(b)は、照合を行なうために、指
12を線状電極13に接触したときの状態である。この
とき、該回路は図14(a)の状態であるので、人体に
帯電した電荷は電流制限抵抗43を介して接地点41へ
放電される。
【0055】放電が終了した時点で、図14(c)に示
すように、放電用スイッチ42をオフにし、電極接続用
スイッチ44をオンにする。この状態で、特徴波形の取
込みを行なう。取込みが終了したら、再び図14(a)
の状態に各スイッチ42,44を切換える。
【0056】なお、放電終了後に各スイッチ42,44
を図14(c)の状態に切換えるタイミングは、たとえ
ば、光センサなど、非接触形の指検知手段を用いて、指
12が線状電極13上に置かれたことを検知し、その検
知時点から放電に要する時間よりも充分長い時間経過後
とする方法が考えられる。線状電極13上に指12を置
いた時点の検知は、たとえば、線状電極13の下部に感
圧センサなどを設けて行なうことが考えられる。
【0057】第1の実施の形態によれば、人体に帯電し
た電荷の放電は、電流制限抵抗43を通して緩やかに行
なわれるため、短時間に大きな放電電流が流れることに
起因する電撃を防止することができる。また、電気回路
45は、放電終了後に各線状電極13と接続されるの
で、放電電流が流れ込むことによる破壊を防止できる。
【0058】なお、上述した図14の回路を複数の線状
電極13の全てに対してそれぞれ設けてもよいが、その
場合、必要な部品点数が多くなる。そこで、必ず指が触
れるような部分、たとえば、少なくとも電極配列方向の
中央部に位置する1つの線状電極に対して設けることに
よって、帯電電荷の放電を実用的に行なうことが可能で
ある。
【0059】次に、第2の実施の形態について説明す
る。第2の実施の形態も、第1の実施の形態と同様、人
体に帯電した電荷による電撃を防止し、かつ、電子回路
を保護することを目的としており、以下、それについて
具体的に説明する。
【0060】図15は、第2の実施の形態に係る静電気
対策回路を示している。すなわち、放電用電極51は、
常に電流制限抵抗52を介して接地点53に接続されて
いる。放電用電極51は、たとえば、本個人認証装置を
ノート形パーソナルコンピュータにおける使用者確認に
適用した場合、図16に示すように、ノート形パーソナ
ルコンピュータ54のキーボード部55の手前に実装さ
れた線状電極アレイ11の近傍に配設されている。
【0061】このような構成において、被認証者は、ま
ず放電用電極51に接触して、帯電電荷を放電した後
に、線状電極アレイ11に指を触れるという手順を踏
む。第2の実施の形態によれば、人体に帯電した電荷の
放電は、電流制限抵抗52を介して緩やかに行なわれる
ため、短時間に大きな放電電流が流れることに起因する
電撃を防止することができる。
【0062】また、帯電電荷の放電後に特徴波形取込み
用の線状電極アレイ11に接触するため、線状電極アレ
イ11につながる電気回路の破壊も防ぐことができる。
さらに、第1の実施の形態に示した方法と違って、静電
気対策回路にスイッチ類が不要であるため、回路の実現
が容易であり、コストも少なくてすむ利点がある。
【0063】次に、第3の実施の形態について説明す
る。第3の実施の形態も、第1の実施の形態と同様、人
体に帯電した電荷による電撃を防止し、かつ、電子回路
を保護することを目的としており、以下、それについて
具体的に説明する。
【0064】図17は、第3の実施の形態に係る静電気
対策回路を付加した特徴抽出部1の構成を示している。
なお、図2と同一部分には同一符号を付して説明は省略
し、異なる部分についてだけ説明する。すなわち、一定
電圧電源16とアナログスイッチ群14aとの間に電極
接続用スイッチ61aが接続されるとともに、アナログ
スイッチ群14bと基準抵抗17とサンプルホールド回
路18との接続点との間に電極接続用スイッチ61bが
接続される。
【0065】また、電極接続用スイッチ61aとアナロ
グスイッチ群14aとの接続点に放電用スイッチ62a
の一端が接続されるとともに、アナログスイッチ群14
bと電極接続用スイッチ61bとの接続点に放電用スイ
ッチ62bの一端が接続される。放電用スイッチ62
a,62bの各他端は共通に接続され、この共通接続点
は放電用抵抗63を介して接地点に接続されている。
【0066】このような構成において、図17の静電気
の放電に関わる動作について説明する。指12を置く前
の各スイッチの状態は、アナログスイッチ群14a,1
4bが全てオン、電極接続用スイッチ61a,61bが
オフ、放電用スイッチ62a,62bがオンに設定され
る。この状態で、指12が線状電極13上に触れると、
人体の帯電電荷は線状電極13からアナログスイッチ群
14a,14bと放電用スイッチ62a,62bを経由
後、放電用抵抗63を介して緩やかに放電される。放電
に要する時間よりも充分長い時問経過後、放電用スイッ
チ62a,62bをオフ、電極接続用スイッチ61a,
61bをオンとして、アナログスイッチ群14a,14
bを用いて通常の特徴波形の取込みを行なう。特徴波形
の取込みが終了したら、前述の指12を置ぐ前の各スイ
ッチの状態に戻す。
【0067】第3の実施の形態によれば、人体に帯電し
た電荷の放電は、放電用抵抗63を通して緩やかに行な
われるため、短時間に大きな放電電流が流れることに起
因する電撃を防止することができる。また、電気回路
は、放電終了後に各線状電極13と接続されるので、放
電電流が流れ込むことによる破壊を防止できる。
【0068】さらに、各スイッチおよび放電用抵抗は各
線状電極13ごとに設けるものではないので、必要な部
品点数が少なくて済み、帯電電荷の放電を実用的に行な
うことが可能である。
【0069】次に、第4の実施の形態について説明す
る。本発明に係る個人認証装置では、線状電極アレイに
指を接触して、各隣接線状電極間に電流を流して指の特
徴波形を抽出するため、線状電極の腐食という問題が存
在する。電極が腐食する原因は様々なものがあるが、代
表的なものとして以下のような原因がある。
【0070】1つは金属と電解液とが接触した状態であ
ることによって、金属がイオンとなって電解液中に溶け
だし易いことである。また、本線状電極では、たとえ
ば、Cu(銅)の上をNi(ニッケル)とAu(金)で
鍍金した構成となっている。鍍金が完全であるときは、
電解液である汗に接触するのは表面のAu(金)だけで
あるが、使用とともに鍍金が剥げてくる。すると、線状
電極がイオン化し易い金属(Au)とイオン化しにくい
金属(Ni,Cu)で構成されているため、最上部のA
u(金)の一部が溶けてNi(ニッケル)あるいはCu
(銅)が露出する。一般に、異種の金属が電気的に接続
された状態で電解液に接触すると、電池が構成される
が、この場合も線状電極の内部で電池が形成され、その
電界により電気分解が起こり自己分解する。
【0071】また、図2に示したような線状電極アレイ
の構成で、通電して特徴抽出を行なった後に線状電極を
開放すると、通電時に電極周りの容量成分に充電された
電荷が残るが、電極解放後にこれらの電荷によって生じ
る電界により、電気分解が起こり、線状電極が腐食す
る。
【0072】そこで、第4の実施の形態では、上記の原
因のうち線状電極に残留した電荷に起因する腐食を減ら
すことを目的としており、以下、それについて具体的に
説明する。
【0073】図18は、第4の実施の形態に係る腐食防
止対策回路を付加した特徴抽出部1の構成を示してい
る。なお、図2と同一部分には同一符号を付して説明は
省略し、異なる部分についてだけ説明する。すなわち、
一定電圧電源16とアナログスイッチ群14aとの間に
通電用スイッチ65aが接続されるとともに、アナログ
スイッチ群14bと基準抵抗17とサンプルホールド回
路18との接続点との間に通電用スイッチ65bが接続
される。また、通電用スイッチ65aとアナログスイッ
チ群14aとの接続点と、アナログスイッチ群14bと
通電用スイッチ65bとの接続点との間に短絡用スイッ
チ66が接続されている。
【0074】このような構成において、図18の静電気
の放電に関わる動作について説明する。各スイッチを以
下の手順で切換えることによって、前述した残留電荷が
放電される。
【0075】まず、1番目と2番目の線状電極13に通
電する場合は、アナログスイッチ群14aを1番目の線
状電極13に、アナログスイッチ群14bを2番目の線
状電極13にそれぞれ接続し、通電用スイッチ65a,
65bをオンし、短絡用スイッチ66をオフにする。こ
の状態で、通常の特徴抽出を行なう。
【0076】次に、充電された電荷を放電するために、
通電用スイッチ65a,65bをオフし、1番目と2番
目の線状電極13に接続されたアナログスイッチ群14
a,14bはそのままで、短絡用スイッチ66をオンす
る。
【0077】以上の操作を2番目と3番目、3番目と4
番目の順に順次繰り返し行なう。この操作によって、通
電時に電極周辺の容量に充電された電荷を逐次、線状電
極13間を短絡させて放電するので、残留電荷によって
生じる電界による電気分解に起因する腐食を減らすこと
ができる。これは、すなわち線状電極の寿命を延ばすこ
とにつながる。
【0078】次に、第5の実施の形態について説明す
る。本発明に係る個人認証装置では、指の線状電極間に
接する部分に微弱な電流を流すことによって測定を行な
っている。この電流は非常に微弱であるため、良好な測
定を行なうためには雑音となる信号を極力減らす必要が
ある。雑音源としては、電気回路の内部で発生するもの
と外部から侵入するものとに分けられる。外部から侵入
する雑音は、人体に誘導されている各種の雑音信号が線
状電極を通して入ってくる。このうちで最も大きなもの
が、商用電源周波数(日本国内では、たとえば、50H
zまたは60Hz)の雑音である。
【0079】周囲で商用電源周波数の電気機器が使用さ
れている環境では、人体に商用電源周波数の雑音が誘導
されている。線状電極アレイに指を触れると、この部分
から電気回路に雑音電流が流れ込む。このため、測定し
ている指の特徴信号は雑音信号が重畳したものとなる。
この雑音成分は、測定環境によって大きく変わるが、測
定したい指の特徴成分に比べて無視できない位の大きさ
である場合も多い。
【0080】そこで、第5の実施の形態では、上記雑音
電流の電気回路への流入を低減することを目的としてお
り、以下、それについて具体的に説明する。図19
(a)は、雑音流入経路の一例を示している。経路68
を通って雑音電流が電気回路69に侵入する。指12の
測定対象である部分から充分に離れた部分、たとえば、
指12の付け根の部分を接地点70に接続することによ
って、雑音信号の主な経路は図19(b)に示す経路7
1のように変わり、電気回路69への流入が減る。この
ため、良好な測定(特徴抽出)が可能になる。
【0081】図20は、線状電極アレイ11の近傍に上
記接地点70へつながる接地用電極72を設けた場合の
説明図である。図示するように、特徴抽出時に線状電極
アレイ11と接地用電極72の双方に指12が触れるよ
うな位置、たとえば、線状電極アレイ11上に置かれた
指12の付け根の部分と対応する線状電極アレイ11の
近傍に接地用電極72を配設することによって、雑音信
号を低減することができる。
【0082】次に、第6の実施の形態について説明す
る。第6の実施の形態は、上記のように構成された個人
認証装置をICカードに搭載して、ICカードの利用者
を特定する場合に適用したものであり、以下、それにつ
いて具体的に説明する。
【0083】図21は、第6の実施の形態に係るクレジ
ットカードなどとして用いられるICカードの構成を示
すものである。図において、81はカード基体で、たと
えば、プラスチックにより、縦が54mm、横が86m
m、厚さが0.76mmの形状に形成されている。カー
ド基体81の表面には、カード基体81の長手方向に沿
って磁気記録部82がストライプ状に形成されている。
磁気記録部82は、従来のプラスチック製磁気カードと
の互換性を持たせるために、カード基体81の長手方向
の一端(図面に対して上端)から12.3mmの位置が
ストライプ下端(図面に対して)となるように配置する
のが一般的である。
【0084】カード基体81内には、ICモジュール8
3が埋設されている。ICモジュール83は、マイクロ
プロセッサとメモリ、および、周辺回路、外部装置ヘの
接続端子などがフィルム状に実装されたものである。こ
の場合、ICモジュール83の埋設位置は、カード基体
81の下端(図面に対して)から24mmの領域がエン
ボス領域として用いられることがあるため、この位置を
避け、通常は磁気記録部82の下端(図面に対して)か
ら17.7mmの間で、かつ、カード基体81の左端寄
り(図面に対して)に配設されるのが一般的である。
【0085】カード基体81の表面には、カード基体8
1の長手方向に沿って、前述したように複数の線状電極
13で構成された線状電極アレイ11が配設されてい
る。線状電極アレイ11は、たとえば、ポリイミドなど
のフイルム上に形成されており、その電極材料はCu/
Ni/Auなどで、通常、被認証者の指12と接触する
表面は耐腐食性を考慮してAuとしている。線状電極1
3の形状は、たとえば、幅がO.1mm、長さが20m
m、ピッチが0.2mmで、250〜300本配列して
いる。
【0086】線状電極アレイ11の設置位置は、被認証
者の指12の長手方向がカード基体81の長手方向と一
致するように配設する。この場合、線状電極アレイ11
とICモジユール83との間隔をa、線状電極アレイ1
1と磁気記録部82との間隔をbとして、線状電極アレ
イ11の位置は、1mm≦a≦40mm、1mm≦b≦
20mmとする。この位置とすることにより、磁気記録
部82の情報読取りの際に、擦れなどにより線状電極1
3が汚染、摩耗あるいは断線するなどの問題を回避する
ことができる。
【0087】なお、線状電極アレイ11の設置位置は、
磁気記録部82と同一面内だけでなく、カード基体81
の裏面の該位置にしてもよい。また、指12の長手方向
がカード基体81の長手方向と垂直になるように線状電
極アレイ11を配設してもよい。この場合、a=40m
m、b=1mmとすることが望ましい。ただし、線状電
極13の配列本数は面積の関係上、200本程度となる
が、照合精度に大きな影響はない。
【0088】線状電極アレイ11の各線状電極13は、
その配列方向に沿って被認証者の指が接触することによ
る各隣接線状電極13間の抵抗値の分布から指12の特
徴情報を抽出する特徴抽出処理回路に接続されている。
この特徴抽出処理回路を含む電気回路(図2の線状電極
アレイ11を除いた部分)は、たとえば、電極基材のフ
ィルム上に一体的に形成されて、電気回路モジユール8
4が形成されており、この電気回路モジユール84がカ
ード基体81内に埋設されている。
【0089】電気回路モジユール84の埋設位置は、I
Cモジュール83の埋設位置と対称となる位置、すなわ
ち、カード基体81の中央を対称中心として反対となる
右端部(図面に対して)に設定してある。このように配
設することにより、カードの曲げによる電気回路モジユ
ール84ヘの応力の影響を最も少なくすることができ、
信頼性および寿命を向上させることができる。
【0090】なお、第6の実施の形態の場合、特徴抽出
部1以外の部分、すなわち、図1の制御部2および読取
書込部3は、ICモジュール83内のマイクロプロセッ
サを用い、また、記憶手段としてのICカード4は、I
Cモジュール83内のメモリを用いるようにする。
【0091】以上説明したように、上記実施の形態によ
れば、線状電極アレイの周辺部に静電気対策、腐食防止
対策、雑音防止対策を付加することにより、以下のよう
な作用効果が期待できる。すなわち、静電気対策では、
電流制限抵抗を用いて人体に帯電した電荷を緩やかに放
電することによって、使用時の指先への電撃による不快
感を低減することができる。また、上記帯電電荷の放電
後に、線状電極を電気回路に接続するようにすることに
よって、電気回路の破壊を防止することができる。
【0092】また、腐食防止対策では、特徴抽出時の通
電によって線状電極の周辺の容量成分に充電された電荷
を、直ぐに放電することによって、線状電極の電気分解
を低減して腐食を防止し、線状電極の寿命を延長するこ
とができる。
【0093】また、雑音防止対策では、線状電極アレイ
の近傍に接地用電極を設け、特徴抽出時に指が接地用電
極にも触れるようにしたことによって、電気回路へ侵入
する雑音信号を低減し、良好な特徴抽出が行えるように
なる。
【0094】このように、本発明による利便性の向上は
計り知れないものがある。さらに、磁気記録部を有する
とともにICモジュールを内蔵し、上記したような個人
認証装置を搭載したICカードにおいて、線状電極アレ
イを、磁気記録部の端部から1mm以上20mm以内
で、かつ、ICモジュールの端部から1mm以上40m
m以内離れた位置に配設することにより、磁気記録部の
情報読取りの際に擦れなどにより線状電極が汚染、摩耗
あるいは断線するなどの問題を回避することができるの
で、線状電極アレイの寿命および信頼性を向上し得る。
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、複
数の線状電極からなる線状電極アレイを用いて指の特徴
情報を抽出して個人認証を行なう場合に、人体に帯電し
た電荷による指先への電撃などを低減し得るとともに、
線状電極の腐食を防止して長寿命化が図れ、かつ、線状
電極からの雑音信号の侵入を低減できる個人認証装置を
提供できる。
【0096】また、本発明によれば、複数の線状電極か
らなる線状電極アレイを用いて指の特徴情報を抽出して
個人認証を行なう個人認証装置を搭載したICカードに
おいて、線状電極アレイの寿命および信頼性を向上し得
るICカードを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る個人認証装置の構成
を概略的に示すブロック図。
【図2】特徴抽出部の構成を概略的に示す構成図。
【図3】得られる特徴波形と指との関係を示す図。
【図4】線状電極アレイ上に指を置いた状態を示すもの
で、(a)図は側面図、(b)図は平面図。
【図5】ICカードの構成例を示すブロック図。
【図6】データメモリの構成例を示すメモリマップ図。
【図7】データメモリ内に設定されるディレクトリの構
成例を示す図。
【図8】データ読出しコマンドのフォーマット例を示す
図。
【図9】データ書込みコマンドのフォーマット例を示す
図。
【図10】ICカードの初期動作を説明するフローチャ
ート。
【図11】登録処理の流れを説明するフローチャート。
【図12】照合処理の流れを説明するフローチャート。
【図13】照合・判定処理の流れを説明するフローチャ
ート。
【図14】第1の実施の形態に係る静電気対策回路を示
す構成図。
【図15】第2の実施の形態に係る静電気対策回路を示
す構成図。
【図16】第2の実施の形態における放電用電極の配設
例を説明する図。
【図17】第3の実施の形態に係る静電気対策回路を付
加した特徴抽出部の構成を概略的に示す構成図。
【図18】第4の実施の形態に係る腐食防止対策回路を
付加した特徴抽出部の構成を概略的に示す構成図。
【図19】第5の実施の形態に係る雑音防止対策回路を
説明する図。
【図20】第5の実施の形態における接地用電極の配設
例を説明する図。
【図21】第6の実施の形態に係るICカードの構成を
示す平面図。
【符号の説明】
1……特徴抽出部(特徴抽出手段)、2……制御部、3
……読取書込部、4……ICカード(記憶手段)、5…
…ホストマシン、11……線状電極アレイ、12……
指、13……線状電極、14a,14b……アナログス
イッチ群(切換手段)、15……タイミング制御回路、
16……電圧電源、17……基準抵抗、18……サンプ
ルホールド回路、19……A/D変換器、20……電極
基板、21……制御素子、22……データメモリ、23
……ワーキングメモリ、24……プログラムメモリ、4
1……接地点、42……放電用スイッチ、43……電流
制限抵抗、44……電極接続用スイッチ、45……電気
回路、51……放電用電極、52……電流制限抵抗、5
3……接地点、61a,61b……電極接続用スイッ
チ、62a,62b……放電用スイッチ、63……放電
用抵抗、65a,65b……通電用スイッチ、66……
短絡用スイッチ、69……電気回路、70……接地点、
72……接地用電極、81……カード基体、82……磁
気記録部、83……ICモジュール、84……電気回路
モジュール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G06K 19/077 G06K 19/00 K

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の線状電極を指の長手方向に一次元
    的に配列してなる線状電極アレイからなり、この線状電
    極アレイの各線状電極にその配列方向に沿って被認証者
    の照合すべき指が接触することによる前記各隣接線状電
    極間の電気抵抗値の分布状態から被認証者の照合すべき
    指の特徴情報を抽出し、あらかじめ記憶されている被照
    合用の特徴情報と照合することにより前記被認証者が本
    人であるか他人であるかを判定する判定手段と、 人体に帯電した電荷を前記線状電極アレイの線状電極あ
    るいは放電用電極を介して放電させる電荷放電手段と、 を具備したことを特徴とする個人認証装置。
  2. 【請求項2】 前記電荷放電手段は、前記線状電極の一
    端と接地点との間に放電用スイッチと電流制限抵抗との
    直列回路を接続するとともに、前記線状電極の信号出力
    側に電極接続用スイッチを接続してなり、通常は前記放
    電用スイッチをオンにして前記電極接続用スイッチをオ
    フにしておき、この状態で前記線状電極に指が接触して
    人体に帯電した電荷が放電された後、前記放電用スイッ
    チをオフにして前記電極接続用スイッチをオンにするこ
    とを特徴とする請求項1記載の個人認証装置。
  3. 【請求項3】 前記電荷放電手段は、前記複数の線状電
    極の全てに対してそれぞれ設けられていることを特徴と
    する請求項1記載の個人認証装置。
  4. 【請求項4】 前記電荷放電手段は、前記複数の線状電
    極のうち少なくとも配列方向の中央部に位置する1つの
    線状電極に対して設けられていることを特徴とする請求
    項1記載の個人認証装置。
  5. 【請求項5】 前記電荷放電手段は、前記線状電極アレ
    イの近傍に設けられ、被認証者の指が前記線状電極に接
    触する前に接触される放電用電極と、この放電用電極と
    接地点との間に接続された電流制限抵抗とから構成され
    ることを特徴とする請求項1記載の個人認証装置。
  6. 【請求項6】 前記電荷放電手段は、前記複数の線状電
    極を共通接続する接続手段と、この接続手段で接続され
    た共通接続点と接地点との間に接続される放電用抵抗と
    から構成されることを特徴とする請求項1記載の個人認
    証装置。
  7. 【請求項7】 複数の線状電極を指の長手方向に一次元
    的に配列してなる線状電極アレイからなり、この線状電
    極アレイの各線状電極にその配列方向に沿って被認証者
    の照合すべき指が接触することによる前記各隣接線状電
    極間の電気抵抗値の分布状態から被認証者の照合すべき
    指の特徴情報を抽出し、あらかじめ記憶されている被照
    合用の特徴情報と照合することにより前記被認証者が本
    人であるか他人であるかを判定する判定手段と、 前記複数の線状電極間に帯電した電荷を放電させる電荷
    放電手段と、 を具備したことを特徴とする個人認証装置。
  8. 【請求項8】 前記電荷放電手段は、前記複数の線状電
    極の各隣接線状電極の各一端を順次短絡する短絡スイッ
    チ手段からなることを特徴とする請求項7記載の個人認
    証装置。
  9. 【請求項9】 複数の線状電極を指の長手方向に一次元
    的に配列してなる線状電極アレイからなり、この線状電
    極アレイの各線状電極にその配列方向に沿って被認証者
    の照合すべき指が接触することによる前記各隣接線状電
    極間の電気抵抗値の分布状態から被認証者の照合すべき
    指の特徴情報を抽出し、あらかじめ記憶されている被照
    合用の特徴情報と照合することにより前記被認証者が本
    人であるか他人であるかを判定する判定手段と、 前記線状電極アレイの近傍に設けられ、被認証者の指を
    接地するための接地用電極と、 を具備したことを特徴とする個人認証装置。
  10. 【請求項10】 複数の線状電極を指の長手方向に一次
    元的に配列してなる線状電極アレイからなり、この線状
    電極アレイの各線状電極にその配列方向に沿って被認証
    者の照合すべき指が接触することによる前記各隣接線状
    電極間の電気抵抗値の分布状態から被認証者の照合すべ
    き指の特徴情報を抽出する特徴抽出手段と、 あらかじめ被照合用の特徴情報を記憶しておく記憶手段
    と、 前記特徴抽出手段で抽出された特徴情報と前記記憶手段
    内の被照合用の特徴情報とを照合することにより前記被
    認証者が本人であるか他人であるかを判定する判定手段
    と、 人体に帯電した電荷を前記線状電極アレイの線状電極を
    介して接地点に放電させる第1の電荷放電手段と、 前記複数の線状電極間に帯電した電荷を放電させる第2
    の電荷放電手段と、 前記線状電極アレイの近傍に設けられ、被認証者の指を
    接地するための接地用電極と、 を具備したことを特徴とする個人認証装置。
  11. 【請求項11】 磁気記録部およびICモジュールを内
    蔵したICカードにおいて、 指の長手方向に一次元的に配列された複数の線状電極か
    らなり、この複数の線状電極にその配列方向に沿って被
    認証者の照合すべき指が接触さる線状電極アレイと、 この線状電極アレイの各隣接線状電極間の電気抵抗値の
    分布状態から被認証者の照合すべき指の特徴情報を抽出
    する特徴抽出処理手段と、 あらかじめ被照合用の特徴情報を記憶しておく記憶手段
    と、 前記特徴抽出処理手段で抽出された特徴情報と前記記憶
    手段内の被照合用の特徴情報とを照合することにより前
    記被認証者が本人であるか他人であるかを判定する判定
    手段とを具備し、 前記線状電極アレイは、前記磁気記録部の端部から1m
    m以上20mm以内で、かつ、前記ICモジュールの端
    部から1mm以上40mm以内離れた位置に配設されて
    いることを特徴とするICカード。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005521860A (ja) * 2001-12-06 2005-07-21 モトローラ・インコーポレイテッド 凹凸を感知および記憶するための方法および装置
US7267069B2 (en) 2005-03-18 2007-09-11 Yamaha Marine Kabushiki Kaisha Steering control system for boat
JP2011178298A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Honda Motor Co Ltd 車両制御装置
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