JPH10220357A - 圧電ポンプ - Google Patents

圧電ポンプ

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Publication number
JPH10220357A
JPH10220357A JP2709097A JP2709097A JPH10220357A JP H10220357 A JPH10220357 A JP H10220357A JP 2709097 A JP2709097 A JP 2709097A JP 2709097 A JP2709097 A JP 2709097A JP H10220357 A JPH10220357 A JP H10220357A
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JP
Japan
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pump
piezoelectric
valve seat
unit
seat unit
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Withdrawn
Application number
JP2709097A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuhiko Nishimura
哲彦 西村
Tomonobu Tomita
知伸 冨田
Hitoshi Aihara
仁志 相原
Katsuhiro Mizuno
勝弘 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kasei Optonix Ltd
Original Assignee
Kasei Optonix Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーシングからの溶剤の溶出もなく、送液の
流量及び吐出圧の経時変化の少ない耐久性に優れた圧電
ポンプを提供する。 【解決手段】 円形状圧電体15の直径をAとし、ケ−
シング部材等、特にポンプ弁座ユニット2の最も厚みの
大なる部分の厚みをBとする時、B/Aの比(C)が1
/25より小さくなるように設計する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電体を用いた圧電
ポンプに関し、更に詳しくは、ケトン等の有機溶剤等を
圧送する圧電ポンプであって、圧電体及び弁座ユニット
の形状を改良して、ポンプ性能を向上させた圧電ポンプ
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の圧電ポンプは、例えば、
実開昭2−69080号記載のようなポンプがあった。従来
の圧電ポンプは、主に、ポンプ吸い込み・吐出用ユニッ
トと、ポンプ弁座ユニットと、ポンプアクチュエータユ
ニットとを備えて構成され、これらの材質としては、一
般にポリプロピレン(以下、PP)樹脂、ポリ弗化ビニ
リデン(以下、PVDF)系樹脂が主として用いられて
いた。
【0003】しかしながら、この種の圧電ポンプを、化
学分析用、バイオ化学や半導体の分野において使用する
場合、純度の高い有機溶剤等を圧送するようなときに
は、ポンプを構成するケーシングがPP、PVDFを使
用しているため、ケーシングの素材が被搬送体である有
機溶剤により侵蝕されることによる、被搬送体である有
機溶剤中への溶出が問題となっていた。
【0004】このため、ケーシングの材質をPP、PV
DF樹脂から、より耐薬品性の高いポリ四フッ化エチレ
ン系樹脂(PTFE)、ペルフルオロアルコキシフッ素
(PFA)等のフッ素樹脂に変更することが考えられる
が、これらのフッ素樹脂は材質が柔らかいため、100
0時間程度の長時間連続してポンプを使用すると、送液
の流量及び吐出圧が低下するという欠点があり、ポンプ
の耐久性に問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ケー
シング素材からの被搬送流体への溶出もなく、送液の流
量及び吐出圧の経時変化の少ない耐久性に優れた圧電ポ
ンプを提供することを目的としたものである。特に、送
液中への不純物の混入を嫌う分析、バイオ、医療等の分
野での使用や、ケトンのように極性の強い液体の搬送に
適した、耐久性に優れた圧電ポンプを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するするための手段】上記目的を達成する
ために、本発明は、被搬送体の駆動源である圧電体(1
5)をケーシング内に装填してなり、該ケーシング内に
被搬送体の吸い込み及び吐出用逆止弁を有するポンプ弁
座ユニット(2)を備えた圧電ポンプであって、少なく
ともポンプ弁座ユニット(2)はPFA系樹脂、PTF
E系樹脂、FEP系樹脂もしくはETFE系樹脂からな
り、かつ、圧電体(15)は円形状であり、圧電体(1
5)の直径をAとし、ポンプ弁座ユニット(2)の最厚
部分の厚みをBとすると、B/Aの比(C)が C>1
/25 の関係にあることを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の圧電ポンプ
において、上記ケーシング内に、ポンプアクチュエータ
ユニット(3)と、ポンプアクチュエータユニット
(3)に着脱可能に取り付けられ、吸い込み口(8a)
及び吐出口(8b)を有するポンプ吸い込み・吐出用ユ
ニット(1)と、これらのポンプ吸い込み・吐出用ユニ
ットユニット及びポンプアクチュエータユニット(1、
3)間に設けられ、吸い込み側及び吐出側逆止弁(9
a、9b)を有するポンプ弁座ユニット(2)とを備
え、ポンプアクチュエータユニット(3)は、外囲器
(10)の内側に、圧電体(15)からなる圧電振動子
(12)の外周部を支持し、この圧電振動子(12)の
電極(13a、13b)に接続されたリード線(14
a、14b)を外囲器(10)より引き出してなること
を特徴とする。
【0008】かかる構成により、圧電ポンプを構成する
ポンプ吸い込み・吐出用ユニット(1)、ポンプアクチ
ュエータユニット(3)、ポンプ弁座ユニット(2)等
の圧電ポンプを構成するケーシングの材質は、耐有機溶
剤性の観点から、少なくともポンプ弁座ユニット(2)
をPFA系樹脂、PTFE系樹脂、FEP系樹脂もしく
はETFE系樹脂とすることにより、溶剤の溶出が防止
することができる。更に、圧電ポンプに使用される円形
状圧電体(15)の寸法との間の相関を実験により検証
することにより、円形状圧電体15の直径をAとし、上
記ポンプ弁座ユニット2の最厚部分の厚みをBとする
時、B/Aの比(C)が C>1/25の関係にあると
きに、送液の流量及び吐出圧の経時変化の少ない耐久性
に優れたものとなることが実証された。
【0009】なお、円形状圧電体(15)の直径Aと
は、円形状圧電体(15)の実際の外形直径ではなく、
ポンプアクチュエータユニット(3)の内側に固定支持
された円形状圧電体(15)の外周縁近傍の圧電体(1
5)の固定支持部分を除いた部分のことであり、ポンプ
作動中、円形状圧電体(15)が反復湾曲動作すること
により、実際に被搬送流体を押圧する部分の直径をいう
ものとする(図2参照)。本明細書では、円形状圧電体
(15)の直径Aとは、全て上述の部分をいうこととす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を、図面に基づいて説明する。各図面において、図1
は、本発明の圧電ポンプの縦断面図、図2は図1の分解
断面図である。まず、図1に示すように、本発明の圧電
ポンプは、基本的に、ポンプ吸い込み・吐出用ユニット
1と、ポンプ弁座ユニット2と、ポンプアクチュエータ
ユニット3と、圧電素子部18とを備えて構成される。
なお、圧電素子部18は、被覆材11、圧電振動子1
2、膜状電極13a,13b、リード線14a,14
b、圧電体15等により構成されるものである。また、
ポンプ室は、ポンプ弁座ユニット2と、ポンプアクチュ
エータユニット3と、圧電素子部18とから構成され
る。ポンプ吸い込み・吐出用ユニット1は、ポンプアク
チュエータユニット3に着脱可能に取付けられ、上面
に、吸い込み口8a及び吐出口8bを開口形成してな
る。
【0011】ポンプ弁座ユニット2は、ポンプ吸い込み
・吐出用ユニット1と、ポンプアクチュエータユニット
3との間に設けらられ、吸い込み側、吐出側に対応する
逆止弁9a、9bを有してなる。また、圧電ポンプ構成
部材の中、少なくともポンプ弁座ユニット2はペルフル
オロアルコキシフッ素(以下、PFA)系樹脂、ポリ四
フッ化エチレン(以下、PTFE)系樹脂、四フッ化エ
チレン六フッ化プロピレン共重合体(以下、FEP)系
樹脂もしくはエチレン四フッ化エチレン共重合体(以
下、ETFE)系樹脂製で構成されるのが、耐薬品性の
観点より好ましい。特に、成形性の観点から、PFA,
FEP,ETFE系樹脂で構成されるのが好ましい。従
って、ポンプ弁座ユニット2の吸い込み側、吐出側に対
応する逆止弁9a、9bも、ケトン等の強有機溶媒にも
強い耐薬品性に優れたフッ素系の材質から構成されるこ
とになる。又、同様に、ポンプ吸い込み・吐出用ユニッ
ト1と、ポンプアクチュエータユニット3も、PFA、
PTFE、FEP、若しくは、ETFE系樹脂で構成さ
れるのが、耐薬品性の観点より好ましい。特に、成形性
の観点から、PFA,FEP,ETFE系樹脂で構成さ
れるのが好ましい。
【0012】ポンプアクチュエータユニット3は、外囲
器10の内側に、圧電体15、圧電振動子12、被覆材
11、膜状電極13a,13b等から構成される圧電素
子部18の外周部を支持し、この圧電振動子12の上に
形成された膜状電極13a、13bに接続されたリード
線14a、14bを外囲器10より引き出して構成され
る。
【0013】ここで、圧電素子部18は、円板状が好ま
しく、かつ圧電振動子12も、円板状の形状が好まし
い。圧電素子部18の中心と、圧電振動子12の中心
は、ほぼ合わされて、被覆材11によって被覆されてお
り、圧電振動子12の直径は、円柱状ポンプ室16の水
平断面である円面の直径と同じか若干大きいことが好ま
しい。
【0014】ここで、圧電振動子12は、弾性体エラス
トマモールドからなる被覆材11により被覆されてい
る。更に、好ましくは、搬送流体に接触する面には、フ
ッ素系の耐薬品性に優れたフィルム等によりラミネート
するのが良い。また、圧電振動子12は、円板状の1
枚、若しくは、複数枚の高分子系あるいは、セラミック
ス系の圧電体15の両面に、膜状電極13a,13b
を、蒸着、焼き付け等により電極を形成した後、分極を
行ったものを用いる。そして、リン青銅等の金属シム板
(図示せず)の両面に、上記の分極した圧電体15を貼
り合わせたバイモルフ素子とする。これらの貼り合わせ
面及び外面に膜状電極13a、13bを設けて、これら
の膜状電極13a、13bにそれぞれリード線14a、
14bを接続して構成される。なお、圧電振動子12
は、シム板に貼り合わせる圧電体15、1枚の膜状電極
にそれぞれリード線を接続してなる単層型のもの(ユニ
モルフ型)であっても良く、用途により使い分けるもの
とする。又、圧電体15は、圧電歪み定数の大きなPZ
T系の圧電セラミックスを用いるのが良い。
【0015】圧電体15は、その比誘電率が2000〜
5000程度のアクチュエータを用いると、変位が大き
くなるので、ポンプ使用時に、より大きい流量並びに吐
出圧が得られるため、より好ましい。さて、圧電体15
は円形状であり、圧電体15の直径をAとし、ポンプ弁
座ユニット2の最厚部分の厚みをBとする時、B/Aの
比(C)がC>1/25となるように設計されている。
なお、ポンプ弁座ユニット2は、ポンプアクチュエータ
ユニット3及び圧電素子部18とで、ポンプ室を構成す
る部品であるが、一般にこのような部材を樹脂で射出成
形する場合には、成形性等のため、リブ等が設けられて
おり、その薄板状の形状の厚みも一定でなく、部分的に
厚みが異なるというように、形状が複雑となっており、
部分的にその厚みが異なるが、ポンプ弁座ユニット2の
中の最も厚みの大なる部分をBとする。そして、円形状
の圧電体15の直径Aとの間にB/Aの比が、C>1/
25となるように設計するようにする。これは、このポ
ンプ弁座ユニット2は、圧電振動子12が振動し、送液
する液体の圧力を受け止めるため、曲げ応力を受けるよ
うになるが、曲げ応力を受け止める曲げ剛性は、ポンプ
弁座ユニット2の厚みに、強く影響するためである。従
って、上述のC>1/25となるように設計すること
が、送液する流体の流量及び吐出圧等のポンプ性能の経
時安定性を達成する上で、極めて重要となる。
【0016】本実施の形態では、少なくともポンプ弁座
ユニット2を、PFA系樹脂、PTFE系樹脂、FEP
系樹脂もしくはETFE系樹脂製としているが、他のポ
ンプ構成ユニット、ポンプ吸い込み・吐出用ユニット1
及びポンプアクチュエータユニット3も、PFA系樹
脂、PTFE系樹脂、FEP系樹脂もしくはETFE系
樹脂製としてもよい。本発明のケーシングに使用する材
質としては、PFA、PTFE、FEP、ETFE等が
ある。特に、ケーシングの素材としては、上述の樹脂の
中でも、PFA系樹脂、PTFE系樹脂、FEP系樹脂
及びETFE系樹脂のいずれかを用いたとき、種々の搬
送液に対して耐液侵食性が良好で、送液中に被搬送液の
汚染がなく、より好ましい。
【0017】上述したように、円形状圧電体15の直径
をAとし、ケーシング部材等、ポンプ弁座ユニット2の
最も厚みの大なる部分の厚みをBとする時、B/Aの比
(C)が1/25より大きくなるように設計することに
よって、特に、得られる圧電ポンプの温度特性が改善さ
れ、長時間、高温下でポンプを駆動させた時も性能の低
下が著しく改善されることが実験により確認された。こ
れにより、搬送流体の送液の流量及び吐出圧の経時不安
定性が改善され、経時変化の少ない耐久性に優れた圧電
ポンプが得られる。
【0018】更に、本実施例では、搬送流体の送液する
部分及び部品を、強有機溶媒に対して強い耐薬品性に優
れた材料で構成しているので、被搬送流体が有機溶媒で
あっても、その有機溶媒により侵食されることもなく、
被搬送流体が汚染される恐れもなくなる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)実施例1では、ポンプ弁座ユニット2及び
ポンプ吸い込み・吐出用ユニット1及びポンプアクチュ
エータユニット3からなる各ケーシングの素材としてペ
ルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)を用い、こ
れらのユニットの最も厚みの大なる部分が下表1に示さ
れた寸法のものを用い、図1に示した構造の圧電ポンプ
を製作した。
【0020】圧電振動子12は、直径52mmのリン青
銅シム板の両面に、厚みが0.67mmで直径52m
m、横の圧電歪定数300×10-12m/vのPZT系
セラミックスを2枚貼り合わせたバイモルフ型振動子で
あり、周囲を弾性体エラストマモールド加工し、被覆し
た後、更に、フッ素系のフィルムをポンプ室面に貼り合
わせ圧電素子部18とした。また、図1に示すように、
シール用Oリング17も、ケトン等の溶媒に強い耐薬品
性の高い材質とした。
【0021】ここで、ポンプ室は、直径50mmであ
り、圧電素子部18の中心と、円形状のポンプ室の中心
をほぼ合わせて、圧電素子部18をポンプアクチュエー
タユニット3内に設置している。圧電素子部18の内、
ポンプ室部分の円形部の直径Aは、50mmとなる。弁
座ユニットの厚みBは、3mmであり、B/Aは0.0
6であり、1/25(0.04)より大きくなるように
設計した。
【0022】かかる圧電ポンプを常温で、ケトンを被搬
送流体とし、200v及び50Hzの交流電源により1
000時間駆動させた後、そのポンプ性能を比較検討し
た。具体的には、駆動開始直後に対する各ポンプの吐出
圧変化率(%)及び流量の変化率(%)並びに1000
時間駆動後のポンプのケーシングの変形の度合いであ
る。
【0023】これらのポンプ性能のうち流量変化率及び
吐出圧変化率は、下記の式のように算出される。ここ
で、ケトンを搬送した場合、1分間に流れる流量を測定
したものを流量値とし、また、ポンプの出口を塞いで、
流量をゼロとした時の出口側の圧力を測定したものを吐
出圧とした。 ポンプの流量変化率={1−(1000時間駆動後の流量値
/駆動直後の流量値)}×100 ポンプの吐出圧変化率={1−(1000時間駆動後の吐出
圧/駆動直後の吐出圧)}×100 これらのポンプ性能を求めたものを表1に示した。劣化
のない理想的なポンプの場合には、上述の両変化率はゼ
ロであり、この値が小さい程、耐久性に優れたポンプで
ある。また、ケーシングの変形は、形状センサーによ
り、計測するものとする。
【0024】
【表1】
【0025】(実施例2)実施例2では、ポンプ弁座ユ
ニット2及びポンプ吸い込み・吐出用ユニット1及びポ
ンプアクチュエータユニット3からなる各ケーシングの
素材としてペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PF
A)を用い、実施例1と同様な構造の圧電ポンプを製作
した。
【0026】圧電振動子12は、直径32mmのリン青
銅シム板の両面に、厚みが0.67mmで直径32m
m、横の圧電歪み定数300×10-12m/vのPZT
系セラミックスを2枚貼り合わせたバイモルフ型振動子
であり、周囲を弾性体エラストマモールド加工し、被覆
した後、更に、フッ素系のフィルムをポンプ室面に貼り
合わせ圧電素子部18とした。また、図1に示すよう
に、シール用Oリング17も、ケトン等の溶媒に強い耐
薬品性の高い材質とした。
【0027】ここで、ポンプ室は、直径30mmであ
り、圧電素子部18の中心と、円形状のポンプ室の中心
をほぼ合わせて、圧電素子部18をポンプアクチュエー
タユニット3内に設置している。圧電素子部18の内、
ポンプ室部分の円形部の直径Aは、30mmとなる。弁
座ユニットの最大厚みBは、2mmであり、B/Aは
0.067であり、実施例1よりも更に大きく、1/2
5(0.04)より大きくなるように設計した。
【0028】かかる圧電ポンプを常温で、ケトンを被搬
送流体とし、200v及び50Hzの交流電源により1
000時間駆動させた後、実施例1と同様に、そのポン
プ性能を求めた。 (比較例1)ポンプ弁座ユニット2及びポンプ吸い込み
・吐出用ユニット1及びポンプアクチュエータユニット
3からなる各ケーシングの素材としてペルフルオロアル
コキシフッ素樹脂(PFA)を用い、実施例1と同様な
構造の圧電ポンプを製作した。
【0029】圧電振動子12は、直径52mmのリン青
銅シム板の両面に、厚みが0.67mmで直径52m
m、横の圧電歪み定数300×10-12m/vのPZT
系セラミックスを2枚貼り合わせたバイモルフ型振動子
であり、周囲を弾性体エラストマモールド加工し、被覆
した後、更に、フッ素系のフィルムをポンプ室面に貼り
合わせ圧電素子部18とした。また、図1に示すよう
に、シール用Oリング17も、ケトン等の溶媒に強い耐
薬品性の高い材質とした。
【0030】ここで、ポンプ室は、直径50mmであ
り、圧電素子部18の中心と、円形状のポンプ室の中心
をほぼ合わせて、圧電素子部18をポンプアクチュエー
タユニット3内に設置している。圧電素子部18の内、
ポンプ室部分の円形部の直径Aは、50mmとなる。弁
座ユニットの最大厚み(B)は、1.5mmであり、B
/Aは0.03であり、実施例1よりも更に大きく、1
/25(0.04)より小さくなるように設計した。
【0031】かかる圧電ポンプを常温で、ケトンを被搬
送流体とし、200v及び50Hzの交流電源により1
000時間駆動させた後、実施例1と同様に、そのポン
プ性能を求めた。 (比較例2)ポンプ弁座ユニット2及びポンプ吸い込み
・吐出用ユニット1及びポンプアクチュエータユニット
3からなる各ケーシングの素材としてペルフルオロアル
コキシフッ素樹脂(PFA)を用い、実施例1と同様な
構造の圧電ポンプを製作した。
【0032】圧電振動子12は、直径32mmのリン青
銅シム板の両面に、厚みが0.67mmで直径32m
m、横の圧電歪み定数300×10-12m/vのPZT
系セラミックスを2枚貼り合わせたバイモルフ型振動子
であり、周囲を弾性体エラストマモールド加工し、被覆
した後、更に、フッ素系のフィルムをポンプ室面に貼り
合わせ圧電素子部18とした。また、図1に示すよう
に、シール用Oリング17も、ケトン等の溶媒に強い耐
薬品性の高い材質とした。
【0033】ここで、ポンプ室は、直径30mmであ
り、圧電素子部18の中心と、円形状のポンプ室の中心
をほぼ合わせて、圧電素子部18をポンプアクチュエー
タユニット3内に設置している。圧電素子部18の内、
ポンプ室部分の円形部の直径Aは、30mmとなる。弁
座ユニットの最大厚み(B)は、1.0mmであり、B
/Aは0.033であり、1/25(0.04)より小
さくなるように設計した。
【0034】かかる圧電ポンプを常温で、ケトンを被搬
送流体とし、200v及び50Hzの交流電源により2
000時間駆動させた後、実施例1と同様に、そのポン
プ性能を求めた。 (結果)表1に示すように、圧電ポンプのポンプ弁座ユ
ニット2の厚み(B)と圧電振動子12の直径(A)と
の比(C=B/A)を1/25より大きく設計してな
る、実施例1及び2の圧電ポンプは、この比(C)を1
/25より小さく設計してなる、従来の各比較例1及び
2の圧電ポンプに比べて、ポンプの吐出圧の変化率並び
に流量の変化率が、いずれも少なく、ポンプ性能が格段
に優れていることがわかった。
【0035】また、比較例1及び2では、ケーシングの
変形が観測されたのに対し、実施例1及び2では、ケー
シングの変形も観測されないことが実証された。これ
は、比較例1、2では、ポンプ室部分の曲げ剛性が十分
ではなく、用いられる円形圧電体の直径に対し、ポンプ
室を構成する素材の厚みが相対的に小さいために、ケー
シングの変形が生じることによるものである。
【0036】このように、ポンプ弁座ユニット2は、リ
ブ等があり部分的にその厚みが異なるが、この部分的厚
みが異なる形状を有するポンプ弁座ユニット2の中の最
も厚みの大なる部分をBとし、円形状の圧電体の直径A
との間にB/Aの比(C)がC>1/25となるように
設計した時、得られるポンプの性能の経時的変化が最も
良好となることが確認された。なお、1000時間駆動
後の搬送流体である液体であるケトンからは、ケーシン
グからの不純物の溶出は観測されなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明の圧電ポンプは、被搬送体の駆動
源である圧電体(15)をケーシング内に装填してな
り、該ケーシング内に被搬送体の吸い込み及び吐出を用
逆止弁を有するポンプ弁座ユニット(2)を備えた圧電
ポンプであって、少なくともポンプ弁座ユニット(2)
は、ペルフルオロアルコキシフッ素(PFA)系樹脂、
ポリ四フッ化エチレン(PTFE)系樹脂、四フッ化エ
チレン六フッ化プロピレン共重合体(FEP)系樹脂も
しくはエチレン四フッ化エチレン共重合体(ETFE)
系樹脂からなり、かつ、圧電体(15)は円形状であ
り、圧電体(15)の直径をAとし、ポンプ弁座ユニッ
ト(2)の最厚部分の厚みをBとすると、B/Aの比
(C)が C>1/25の関係にある構成としたので、
従来のPPやPVDFを使用したポンプに比較して、ケ
トン等の強有機溶剤に対しても、耐薬品性に優れ、か
つ、流量や吐出圧の経時安定性に優れ、更に、ケーシン
グの変形もなく耐久性に優れた圧電ポンプが得られると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電ポンプの一実施形態を示す縦断面
図である。
【図2】図1の分解断面図である。
【符号の説明】
1 ポンプ吸い込み・吐出ユニット 2 ポンプ弁座ユニット 3 ポンプアクチュエータユニット 8a 吸い込み口 8b 吐出口 9a 吸い込み側逆止弁 9b 吐出側逆止弁 10 外囲器 11 被覆材 12 圧電振動子 13a、13b 膜状電極 14a、14b リード線 15 圧電体 16 ポンプ室 17 シール用Oリング 18 圧電素子部 (被覆材11、圧電振動子12、膜
状電極13a,13b、リード線14a,14b、圧電
体15)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 勝弘 神奈川県小田原市成田1060番地 化成オプ トニクス株式会社小田原工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被搬送体の駆動源である圧電体(15)
    をケーシング内に装填してなり、該ケーシング内に被搬
    送体の吸い込み及び吐出用逆止弁を有するポンプ弁座ユ
    ニット(2)を備えた圧電ポンプであって、 少なくともポンプ弁座ユニット(2)は、ペルフルオロ
    アルコキシフッ素(PFA)系樹脂、ポリ四フッ化エチ
    レン(PTFE)系樹脂、四フッ化エチレン六フッ化プ
    ロピレン共重合体(FEP)系樹脂もしくはエチレン四
    フッ化エチレン共重合体(ETFE)系樹脂からなり、
    かつ、圧電体(15)は円形状であり、圧電体(15)
    の直径をAとし、ポンプ弁座ユニット(2)の最厚部分
    の厚みをBとすると、B/Aの比(C)が C>1/2
    5 の関係にあることを特徴とする圧電ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1の圧電ポンプにおいて、 上記ケーシング内に、ポンプアクチュエータユニット
    (3)と、ポンプアクチュエータユニット(3)に着脱
    可能に取り付けられ、吸い込み口(8a)及び吐出口
    (8b)を有するポンプ吸い込み・吐出用ユニット
    (1)と、これらのポンプ吸い込み・吐出用ユニットユ
    ニット及びポンプアクチュエータユニット(1、3)間
    に設けられ、吸い込み側及び吐出側逆止弁(9a、9
    b)を有するポンプ弁座ユニット(2)とを備え、 ポンプアクチュエータユニット(3)は、外囲器(1
    0)の内側に、圧電体(15)からなる圧電振動子(1
    2)の外周部を支持し、この圧電振動子(12)の電極
    (13a、13b)に接続されたリード線(14a、1
    4b)を外囲器(10)より引き出してなることを特徴
    とする圧電ポンプ。
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