JPH10220203A - ガスタービン冷却静翼 - Google Patents

ガスタービン冷却静翼

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JPH10220203A
JPH10220203A JP9021341A JP2134197A JPH10220203A JP H10220203 A JPH10220203 A JP H10220203A JP 9021341 A JP9021341 A JP 9021341A JP 2134197 A JP2134197 A JP 2134197A JP H10220203 A JPH10220203 A JP H10220203A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気冷却で対応可能な部分は空気冷却で対応
し、空気冷却による対応が困難な部分は蒸気冷却で対応
することによって、高温化に対応可能なガスタービン冷
却静翼を提供する。 【解決手段】 静翼１の内部には冷却用の蒸気が流され
るサーペンタイン流路３と、後縁部に隣接しサーペンタ
イン流路３と切り離された空気流路１０が形成されてい
る。また、外側シュラウド４には、外縁部の空気冷却流
路１６と、その内側に蒸気インピンジメント冷却部１７
及び空気インピンジメント冷却部１８とが形成されてい
る。内側シュラウド１１には、外縁部の空気冷却流路１
９と、その内側にシェイプト穴２０とが設けられてい
る。シェイプト穴２０から出る空気はフィルム冷却の作
用を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービン冷却静
翼に関し、特に冷却媒体として蒸気及び空気を用いて冷
却する静翼の冷却構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】高温ガスタービン静翼は翼材料が許容す
る温度以下に翼メタル温度を保つために圧縮空気の一部
を用いて冷却されている。静翼の冷却は翼入口ガス温度
に応じて一般にインピンジメント冷却、フィルム冷却、
シャワーヘッド冷却、ピンフィン冷却といった冷却技術
が単独に或いは組合せて用いられている。
【０００３】図４及び図５は、それぞれ、現状の空気冷
却静翼の一例の平面断面図及び斜視図である。図４にお
いて、冷却静翼の内部には翼のプロフィル５１に添って
インサート５３が取り付けられている。インサート５３
には静翼の前縁部分に切欠５２が設けてある。
【０００４】静翼の前縁には、インサート５３に設けら
れた切欠５２の部位からシャワーヘッド冷却５４がされ
る。インサート５３に対し翼前縁部のみに切欠５２を設
けてあるのは、前縁部は圧力が高い領域となっていてこ
の部位への空気の吹出しはインピンジメント冷却後の低
い圧力では不可能となるためインサート５３を通さず空
気の吹出しを直接行なうためである。
【０００５】翼頭背部、翼背部及び翼腹部に対しては図
４に示すようにインサート５３を通してインピンジメン
ト冷却５５とフィルム冷却５６がされる。フィルム冷却
５６を行なう部位は冷却空気を強く吹出しすぎると冷却
空気が主ガス流れと混合してしまいフィルム冷却の本来
の効果を損うので吹き出し強さの適正化が必要となる。
【０００６】また、翼後縁はピンフィン穴５７を通して
ピンフィン冷却５８を行い冷却後の空気は主ガス流れに
合流する。このようにガスタービン冷却静翼は幾つもの
冷却技術が組合せられて行なわれている。
【０００７】図５の冷却静翼の斜視図に示すように、外
側シュラウド５９及び内側シュラウド６０には冷却空気
の流入口６１があり両シュラウド５９，６０の間に静翼
５１がある。静翼５１の表面には翼前縁から翼後縁にわ
たってシャワーヘッド冷却、フィルム冷却及びピンフィ
ン冷却の穴が穿設されている。また、両シュラウド５
９，６０にもシュラウド冷却穴６２が穿設されている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】ガスタービン効率向上
に伴う入口温度の高温化によって、熱容量が小さく多く
の量を必要とする空気冷却のみでは１５００℃級の入口
温度に対応出来ない状況にある。そこで冷却媒体として
熱容量が空気より大きく量的にも少くてすむ蒸気が利用
され始めている。
【０００９】そのため空気冷却で対応可能な静翼部位は
空気冷却で対応し空気冷却での対応が困難な静翼部位で
は蒸気で対応するように構成する。但し、蒸気冷却の場
合、蒸気はコンバインドサイクルを構成する蒸気タービ
ンの抽気蒸気が使用されるのでガスタービン内への蒸気
の洩れは皆無にすることが蒸気側サイクル上の理由から
要求される。
【００１０】従って蒸気を流す冷却媒体通路は外部に対
し閉じ蒸気供給口と回収口とを具えたものであることが
要求される。尚、冷却媒体として空気と蒸気の二種類を
用いたガスタービン静翼の例として特願平８−１９０７
１７号「ガスタービン静翼」がある。
【００１１】本発明は、静翼とこの静翼を挟む外側シュ
ラウド及び内側シュラウドで構成されたガスタービン冷
却静翼において、空気冷却で対応可能な部分は空気冷却
で対応し、空気冷却による対応が困難な部分は蒸気冷却
で対応することによって、高温化に対応可能なガスター
ビン冷却静翼を提供することを課題としている。
【００１２】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次の構成のガスタービン冷却静翼を提供す
る。即ち、まず静翼に対しては、その内部に直線及び斜
めのタービュレータを有する複数に反転するサーペンタ
イン流路を設けてありそのサーペンタイン流路は外側シ
ュラウドに設けられた蒸気冷却インピンジメント板及び
フィン付の蒸気入口室及び蒸気出口に連通させる。
【００１３】また、静翼の後縁部には、スロット穴を設
けると共に翼後縁部に隣接し、前記サーペンタイン流路
とは連通せず前記外側シュラウド又は内側シュラウドに
設けられて空気冷却インピンジメント板及びフィン付き
の空気入口室に連通された空気流路を設ける。
【００１４】一方、外側シュラウドは、その外縁部に、
空気出口を有する空気冷却流路を設けて空気冷却し、か
つ、その空気冷却流路の内側の翼プロフィル以外の部分
には蒸気インピンジメント冷却部及び一部を空気インピ
ンジメント冷却部を形成する。
【００１５】また、内側シュラウドは、その外縁部に空
気出口を有する空気冷却流路を設けて空気冷却し、か
つ、その空気冷却流路の内側の翼プロフィル以外の部分
は空気によるインピンジメント冷却及びシェイプト穴よ
り出る空気によってフィルム冷却されるように構成す
る。
【００１６】本発明によるガスタービン冷却静翼は以上
説明した構成とすることによって蒸気・空気の二種類の
冷却媒体を使って冷却するので次のような作用効果を生
ずる。
【００１７】（１） 冷却用の蒸気が流れる流路は冷却
用の空気が流される流路から切り離されて閉じられてい
て冷却に用いた蒸気を回収することが出来るので、翼冷
却によって高温になった蒸気を再活用できる。
【００１８】（２） 冷却媒体として空気と蒸気を併用
することにより冷却空気量を低減できるうえ、蒸気の方
が熱容量が大きいので蒸気・空気を合せた全流量を従来
より少くすることが出来る。
【００１９】（３） 冷却媒体として空気と蒸気を併用
することによって冷却空気量を低減し、ガスタービンの
効率を向上させることが出来る。
【００２０】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるガスタービン
冷却静翼を図１〜図３に示した実施の一形態に基づいて
具体的に説明する。図１はガスタービン冷却静翼の翼内
断面図で、その上部の外側シュラウド４、及び下部の内
側シュラウド１１の平面図がそれぞれ図２及び図３に示
してある。
【００２１】図１に見られるように、静翼１の内部に
は、直線及び斜めのタービュレータ２を有する複数に反
転するサーペンタイン流路３が設けられている。サーペ
ンタイン流路３は、冷却用蒸気入口側を外側シュラウド
４に設けられた蒸気冷却インピンジメント板５及びシュ
ラウド内面フィン６付の蒸気入口室７に連通され、出口
側を蒸気出口８に連通されている。
【００２２】静翼１の後縁部には、スロット穴９が穿設
されていると共に後縁部に隣接して空気流路１０が形成
されていて、この空気流路１０はサーペンタイン流路３
とは連通させず内側シュラウド１１に設けられた空気冷
却インピンジメント板１２及びシュラウド内面フィン１
３付の空気入口室１４に連通されている。
【００２３】図２に示すように外側シュラウド４の外縁
部には複数の空気出口１５を有する空気冷却流路１６が
設けられていて更に空気冷却流路１６の内側の翼プロフ
ィル以外の部分は蒸気によるインピンジメント冷却部１
７及び一部空気によるインピンジメント冷却部１８が形
成された構造となっている。
【００２４】一方、図３に示すように内側シュラウド１
１の外縁部は空気冷却流路１９が設けられて空気冷却さ
れ、内側の翼プロフィル以外の部分はシェイプト穴２０
から流出する空気によりフィルム冷却されるように構成
されている。
【００２５】本実施形態によるガスタービン冷却静翼は
以上の構成を有していて、静翼１の内部は蒸気入口室７
から流入して蒸気出口８から流出する冷却用蒸気が内部
のサーペンタイン流路３を流されることにより冷却され
る。また、静翼１の後縁部は空気入口室１４から流入し
スロット穴９から流出する空気が流れる空気流路１０に
よって冷却される。
【００２６】また、外側シュラウド４は、その外縁部を
空気冷却流路１６を流れる空気によって冷却されると共
に、空気冷却流路１６の内側の翼プロフィル以外の部分
は蒸気インピンジメント冷却部１７と空気インピンジメ
ント冷却部１８によって冷却される。
【００２７】また、内側シュラウド１１は、外縁部を空
気冷却流路１９を流れる空気により冷却され、その空気
冷却流路１９の内側で翼プロフィル以外の部分はシェイ
プト穴２０から流出する空気によりフィルム冷却され
る。
【００２８】以上、本発明を図示した実施形態に基づい
て具体的に説明したが、本発明がこれらの実施形態に限
定されず特許請求の範囲に示す本発明の範囲内で、その
具体的構造、構成に種々の変更を加えてよいことはいう
までもない。
【００２９】例えば、上記実施形態では静翼１の後縁部
を冷却するための空気通路１０に対して、内側シュラウ
ド１１に設けた空気入口室１４から冷却用の空気を供給
するよう構成しているが、この冷却用空気は外側シュラ
ウド４から供給するようにしてもよいし、内側シュラウ
ド１１と外側シュラウド４の両方から供給するように構
成してもよい。
【００３０】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
るガスタービン冷却静翼では、静翼がサーペンタイン流
路を流れる蒸気と、後縁部の空気流路を流れる空気によ
って冷却されるようにし、また、その外側シュラウドは
外縁部の空気冷却流路を流れる空気と、内側の蒸気イン
ピンジメント冷却部及び空気インピンジメント冷却部と
によって冷却されるようにし、更に、その内側シュラウ
ドは外縁部の空気冷却流路と、内側を空気のフィルム冷
却とによって冷却されるようにし、蒸気と空気とによっ
て効果的に冷却するようにしている。
【００３１】このように、本発明のガスタービン冷却静
翼によれば、二種類の冷却媒体の使用を可能にした構造
によって効率的な冷却効果を生じガスタービン入口温度
の高温化に対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態に係るガスタービン冷却
静翼々内の断面図。
【図２】図１に示した静翼における外側シュラウドの平
面図。
【図３】図１に示した静翼における内側シュラウドの平
面図。
【図４】従来の空冷静翼の平面断面図。
【図５】従来の空冷静翼の斜視図。
【符号の説明】
１ 静翼 ２ タービュレータ ３ サーペンタイン流路 ４ 外側シュラウド ５ 蒸気冷却インピンジメント板 ６ シュラウド内面フィン ７ 蒸気入口室 ８ 蒸気出口 ９ スロット穴 １０ 空気流路 １１ 内側シュラウド １２ 空気冷却インピンジメント板 １３ シュラウド内面フィン １４ 空気入口室 １５ 空気出口 １６ 空気冷却流路 １７ 蒸気インピンジメント冷却部 １８ 空気インピンジメント冷却部 １９ 空気冷却流路 ２０ シェイプト穴

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 静翼、同静翼を挟む外側シュラウド及び
    内側シュラウドで構成されたガスタービン冷却静翼であ
    って；前記静翼の内部には直線及び斜めのタービュレー
    タを有し複数に反転するサーペンタイン流路を設けてあ
    り、同サーペンタイン流路は前記外側シュラウドに設け
    られた蒸気冷却インピンジメント板とフィン付の蒸気入
    口室及び蒸気出口に連通されており、かつ、前記静翼の
    後縁部にはスロット穴を設け、かつ、同後縁部に隣接
    し、前記サーペンタイン流路と連通せず前記外側シュラ
    ウド又は内側シュラウドに設けられて空気冷却インピン
    ジメント板及びフィン付きの空気入口室に連通された空
    気流路を設け；前記外側シュラウドは、その外縁部に、
    空気出口をもつ空気冷却流路を有し、かつ、同空気冷却
    流路の内側の翼プロフィル以外の部分に蒸気インピンジ
    メント冷却部と空気インピンジメント冷却部を有し；前
    記内側シュラウドは、その外縁部に空気出口をもつ空気
    冷却流路を有し、かつ、同空気冷却流路の内側の翼プロ
    フィル以外の部分はシェイプト穴から出る空気によりフ
    ィルム冷却されるように構成したことを特徴とするガス
    タービン冷却静翼。
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