JPH10220175A - 超硬カッタービットの製造方法及びその超硬カッタービット - Google Patents

超硬カッタービットの製造方法及びその超硬カッタービット

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JPH10220175A
JPH10220175A JP2397297A JP2397297A JPH10220175A JP H10220175 A JPH10220175 A JP H10220175A JP 2397297 A JP2397297 A JP 2397297A JP 2397297 A JP2397297 A JP 2397297A JP H10220175 A JPH10220175 A JP H10220175A
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Kazuaki Mino
和明 美野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な超硬カッタービットの製造方法及びそ
の超硬カッタービットを提供するものである。 【解決手段】 高Cr鋳鉄からなるシャンクに超硬チッ
プ3をろう付け接合して形成する超硬カッタービットの
製造方法において、上記シャンクにおける上記超硬チッ
プ3のろう付け接合予定位置に、その超硬チップ3より
やや大きな形状で、かつ、熱緩衝材としてのダミー材2
を配置してシャンク1を鋳ぐるみ鋳造した後、上記超硬
チップ3をそのシャンク1に取り付けるべく上記ダミー
材2に対して機械加工を施して熱緩衝層2aとして形成
し、その後、その熱緩衝層2a上に上記超硬チップ3を
ろう付け接合するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超硬カッタービッ
トの製造方法及びその超硬カッタービットに係り、特
に、高Cr鋳鉄からなるシャンクを用いた超硬カッター
ビットの製造方法及びその超硬カッタービットに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】シールド掘削機の需要は年々増加し、そ
の使用条件も厳しくなる傾向にある。今後、大深度・長
距離対応シールド掘削機においては、カッタビットの交
換無しで、いかに長距離掘削できるかが重要となってく
る。
【0003】特に、カッタビットの掘削摺動距離が数百
kmに及ぶ状況下で、シルト〜粘土や砂礫等の混在した
土質を掘削するには、カッタビットの形状もさることな
がら、カッタビットの硬さおよびカッタビットの材質と
して靱性の高い材料の選定が必要となる。
【0004】従来のシールド掘削機用のカッタービット
は、超硬金属(WCなど)製チップを鍛造鋼(JIS規
格のSS400やSKC24など)製シャンクの先端
に、ろう付け接合して形成されるものである。
【0005】通常のカッタビットは、掘削時におけるシ
ャンクの背面摩耗及びすくい面摩耗が起こる部位を硬質
金属で溶接盛金している。
【0006】しかし、従来のシールド掘削機用のカッタ
ービットにおいては、硬質金属による盛金厚さが数mm
に制約されるため、その盛金部が損耗すると急激に摩耗
速度が上昇するという問題があったため、超硬金属粒子
を分散させた高Cr鋳鉄をシャンクに用いた超硬カッタ
ビットが開発された。
【0007】この超硬カッタビットは、従来のカッター
ビットと比較して、約4〜5倍の耐摩耗性を有してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この超
硬カッタビットは耐摩耗性に優れているものの、硬すぎ
るため、超硬チップをシャンクの先端に取り付けるべく
シャンクを精度良く機械加工することが困難であった。
【0009】また、この超硬カッタビットは大きな熱歪
みに耐えられない程に脆く、超硬チップをシャンクの先
端にろう付け接合する時において、通常の加熱・冷却
(例えば、850℃でろう付け後、放置冷却)を行って
も、シャンクにおける超硬チップ取付け部端および超硬
金属粒子にクラックが入るおそれがあった。
【0010】このため、ろう付け時は、徐々に加熱し、
徐々に冷却を行わなければならなかった。すなわち、工
程数の増加を招くと共に、製造に長時間を要するため、
この超硬カッタビットが非常に高価となる一因となって
いた。
【0011】さらに、この超硬カッタビットは、上述し
たように脆いため、通常、約3.0wt%である高Cr
鋳鉄のC量を、約2.5wt%に減らすことによって靱
性を確保しているが、これにより、高Cr鋳鉄の硬度が
低下するため、この硬度低下分を高Cr鋳鉄中に超硬金
属粒子を分散させることによって補っている。
【0012】このため、超硬金属粒子の高Cr鋳鉄中へ
の分散工程が余分に必要となって工程数の増加を招くと
共に、この超硬金属粒子分散工程が非常に手間のかかる
工程であるため、この超硬カッタビットが非常に高価と
なる一因となっていた。
【0013】そこで本発明は、上記課題を解決し、低製
造コストの超硬カッタービットの製造方法及びその超硬
カッタービットを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、高Cr鋳鉄からなるシャンクに超
硬チップをろう付け接合して形成する超硬カッタービッ
トの製造方法において、上記シャンクにおける上記超硬
チップのろう付け接合予定位置に、その超硬チップより
やや大きな形状で、かつ、熱緩衝材としてのダミー材を
配置してシャンクを鋳ぐるみ鋳造した後、上記超硬チッ
プをそのシャンクに取り付けるべく上記ダミー材に対し
て機械加工を施して熱緩衝層として形成し、その後、そ
の熱緩衝層上に上記超硬チップをろう付け接合するもの
である。
【0015】請求項2の発明は、高Cr鋳鉄からなるシ
ャンクに超硬チップをろう付け接合して形成する超硬カ
ッタービットの製造方法において、上記シャンクと上記
超硬チップが直接接することがないようにすべく、上記
超硬チップの一部周囲または全周囲にろう材層を介して
熱緩衝層を形成した超硬チップピースを形成し、上記シ
ャンクにおける上記超硬チップのろう付け接合予定位置
に、上記超硬チップピースを配置してシャンクを鋳ぐる
み鋳造すると同時に、ろう付け接合するものである。
【0016】請求項3の発明は、上記高Cr鋳鉄が、C
量が3wt%程度のFe−Cr−Mo系鋳鉄またはFe
−Cr−Mo−Co系鋳鉄である請求項1および請求項
2記載の超硬カッタービットの製造方法である。
【0017】請求項4の発明は、上記ダミー材および上
記熱緩衝層が、融点が約1,450℃以下で、かつ、機
械加工し易い金属または合金からなる請求項1および請
求項2記載の超硬カッタービットの製造方法である。
【0018】請求項5の発明は、上記ダミー材および上
記熱緩衝層が、炭素鋼、CuまたはCu合金、Niまた
はNi合金である請求項4記載の超硬カッタービットの
製造方法である。
【0019】請求項6の発明は、上記ろう付け接合温度
が800〜900℃である請求項1および請求項2記載
の超硬カッタービットの製造方法である。
【0020】請求項7の発明は、高Cr鋳鉄からなるシ
ャンクに超硬チップをろう付け接合して形成する超硬カ
ッタービットの製造方法において、上記シャンクにおけ
る上記超硬チップのろう付け接合予定位置に、その超硬
チップよりやや大きな形状で、かつ、熱緩衝材としての
ダミー材を配置してシャンクを鋳ぐるみ鋳造した後、上
記超硬チップをそのシャンクに取り付けるべく上記ダミ
ー材に対して機械加工を施して熱緩衝層として形成し、
その後、その熱緩衝層上に上記超硬チップをろう付け接
合してなるものである。
【0021】請求項8の発明は、高Cr鋳鉄からなるシ
ャンクに超硬チップをろう付け接合して形成する超硬カ
ッタービットの製造方法において、上記シャンクと上記
超硬チップが直接接することがないようにすべく、上記
超硬チップの一部周囲または全周囲にろう材層を介して
熱緩衝層を形成した超硬チップピースを形成し、上記シ
ャンクにおける上記超硬チップのろう付け接合予定位置
に、上記超硬チップピースを配置してシャンクを鋳ぐる
み鋳造すると同時に、ろう付け接合してなるものであ
る。
【0022】以上の構成によれば、高Cr鋳鉄からなる
シャンクに超硬チップをろう付け接合して形成する超硬
カッタービットの製造方法において、上記シャンクにお
ける上記超硬チップのろう付け接合予定位置に、その超
硬チップよりやや大きな形状で、かつ、熱緩衝材として
のダミー材を配置してシャンクを鋳ぐるみ鋳造した後、
上記超硬チップをそのシャンクに取り付けるべく上記ダ
ミー材に対して機械加工を施して熱緩衝層として形成
し、その後、その熱緩衝層上に上記超硬チップをろう付
け接合するため、低製造コストの超硬カッタービットを
得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0024】本発明の超硬カッタービットの製造方法の
模式図を図1に示す。図1(a)はダミー材を鋳ぐるん
だ状態のシャンクを示し、図1(b)はダミー材に機械
加工を施して、その一部を切削した状態を示し、図1
(c)はシャンクに超硬ビットを取り付けた状態を示し
ている。
【0025】図1(a)〜(c)に示すように、所定の
形状を有したシャンク1を高Cr鋳鉄で鋳造する際に、
シャンク1における超硬チップ3のろう付け接合予定位
置に、その超硬チップ3よりやや大きな形状で、かつ、
熱緩衝材としてのダミー材2を予め配置してシャンク1
を鋳ぐるみ鋳造する。
【0026】その後、超硬チップ3をシャンク1に取り
付けるべく、ダミー材2に対して所定の機械加工を施
し、一部を切削除去して熱緩衝層2aとして形成する。
【0027】その後、ダミー材2の一部を切削除去して
なる熱緩衝層2a上に、ろう材(図示せず)を配置し、
そのろう材を通常に加熱・冷却することで、超硬チップ
3をシャンク1にろう付け接合し、超硬カッタービット
4を得る。
【0028】超硬カッタービットにおける超硬チップの
取付け例を図3に示す。図3(a)は超硬チップをシャ
ンクに嵌め込むタイプを示し、図3(b)は超硬チップ
をシャンク内に挿入するタイプを示している。尚、図1
と同様の部材には同じ符号を付している。
【0029】超硬カッタービットにおける超硬チップの
取付けは、図3(a)に示すように、ベースメタル5a
に固定されたシャンク1aに、熱緩衝層2aを介して超
硬チップ3aを嵌め込んだ超硬カッタービット24と、
図3(b)に示すように、ベースメタル5bに固定され
たシャンク1b内に、熱緩衝層2aを介して超硬チップ
3bを挿入した超硬カッタービット34の2種類が挙げ
られるが、特にどちらと限定するものではなく、そのい
ずれであってもよい。
【0030】高Cr鋳鉄は、C量が3wt%程度のFe
−Cr−Mo系鋳鉄またはFe−Cr−Mo−Co系鋳
鉄であり、例えば、化学組成がFe−20wt%Cr−
3wt%C−2wt%Moである鋳鉄などが挙げられ
る。
【0031】ダミー材2の材質は、融点が約1,450
℃以下で、かつ、機械加工し易い金属または合金が特に
望ましく、例えば、炭素鋼、CuまたはCu合金、Ni
またはNi合金などが挙げられる。
【0032】炭素鋼などを鋳ぐるみ鋳造する技術は、吊
り下げ用ねじ等で従来から用いられている技術であるた
め技術的には容易であるが、非常に脆い高Cr鋳鉄を用
いて鋳ぐるみ鋳造する際は、鋳ぐるまれるダミー材2と
して軟らかい材質の炭素鋼を選択すると共に、ダミー材
2の形状が角張ったものであれば角を落として丸みを持
たせておくのが望ましい。
【0033】また、高Cr鋳鉄凝固時の割れを防止する
ために、ダミー材2の形状およびシャンク1の硬度によ
っては、高Cr鋳鉄凝固時の熱歪みを十分に吸収する材
料として炭素鋼よりも軟らかい金属または合金(例え
ば、CuまたはCu合金、NiまたはNi合金)を用い
るのが望ましい。
【0034】ここで、CuまたはCu合金は非常に軟ら
かい材料であるため、ダミー材2として適しているが、
融点が1,083℃(純Cuの場合)と鋳造温度(1,
400〜1,500℃)と比べてかなり低いため、Cu
またはCu合金をダミー材2として用いる場合、Cuま
たはCu合金の溶融領域を少なくすべく、鋳型に熱が逃
げ易くしておくことが好ましい。
【0035】また、NiまたはNi合金もまた、軟らか
い材料であるため、ダミー材2として適しているが、融
点が1,455℃(純Niの場合)と鋳造温度(1,4
00〜1,500℃)とあまり変わらないため、Niま
たはNi合金をダミー材2として用いる場合、純Niよ
りもNiの融点を下げる作用を有する元素を添加したN
i合金の方がより好ましい。
【0036】ろう付けは800〜900℃の接合温度で
行われるものであり、ろう材の材質としては、この接合
温度以下で溶融するろう材であれば特に限定するもので
はい。
【0037】超硬チップ3の材質としては特に限定する
ものではないが、WC基の合金が望ましく、例えば、化
学組成がWC−12wt%Coなどが挙げられる。
【0038】本発明の超硬カッタービットの製造方法に
よれば、シャンクにおける超硬チップのろう付け接合予
定位置に、その超硬チップよりやや大きな形状のダミー
材を予め配置してシャンクを鋳ぐるみ鋳造し、そのダミ
ー材に機械加工を施すため、超硬チップをシャンクの先
端に取り付けるべくシャンクを精度良く機械加工するこ
とが容易である。
【0039】また、本発明の超硬カッタービットの製造
方法によれば、ダミー材を融点が約1,450℃以下
で、かつ、機械加工し易い金属または合金で作製するこ
とにより、鋳ぐるみ性が良好となると共に、機械加工時
における切削性が更に良好となる。
【0040】また、従来の超硬カッタビットの製造方法
においては、高Cr鋳鉄からなるシャンクに、直接、超
硬チップをろう付け接合を行っていたため、通常の加熱
・冷却でも大きな熱歪みとなり、熱歪み割れを抑制でき
なかった。
【0041】本発明の超硬カッタービットの製造方法に
よれば、ダミー材に機械加工を施した後もシャンク上に
熱緩衝層として残存しているため、ろう付け接合時に、
通常の加熱・冷却を行っても、シャンクにおける超硬チ
ップ取付け部端にクラックが入るおそれがない。
【0042】さらに、従来の超硬カッタビットにおいて
は、通常、約3.0wt%である高Cr鋳鉄のC量を、
約2.5wt%に減らすことによって靱性を確保する
(脆性を低下させている)と共に、靱性が上昇すること
による硬度低下分を高Cr鋳鉄中に分散させた超硬金属
粒子で補っていた。
【0043】本発明の超硬カッタービットの製造方法に
よれば、シャンク上にダミー材の一部を切削除去してな
る熱緩衝層が存在し、この熱緩衝層がろう付け接合時に
おける熱歪み割れを抑制するため、高Cr鋳鉄の靱性を
考慮する必要がなく、C量が通常の約3.0wt%であ
る高Cr鋳鉄を用いることが可能となると共に、超硬金
属粒子を高Cr鋳鉄中に分散する必要もない。
【0044】すなわち、本発明の超硬カッタービットの
製造方法によれば、超硬カッタービットの製造工程にお
いて、製造の容易化、製造時間の短縮化、および材料コ
ストの低減を図ることができるため、低製造コストの超
硬カッタービットを製造することができる。
【0045】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。
【0046】他の実施の形態の超硬カッタービットの製
造方法を説明する。
【0047】シャンクを形成するための所定形状の鋳型
内部で、かつ、シャンクにおける超硬チップのろう付け
接合予定位置に、シャンクと超硬チップが直接接するこ
とがないようにすべく、超硬チップの一部周囲または全
周囲にろう材層を介して金属薄板からなる熱緩衝層を形
成した超硬チップピースを配置し、超硬カッタービット
鋳型を形成する。
【0048】この超硬カッタービット鋳型内部に高Cr
鋳鉄溶湯を流し込み、シャンクに超硬チップピースを鋳
ぐるませて鋳造を行う。
【0049】この鋳ぐるみ鋳造時の鋳造熱により、金属
薄板からなる熱緩衝層が高Cr鋳鉄と反応接合し、同時
に、ろう材層が加熱溶融されて熱緩衝層と超硬チップを
ろう付け接合する。これによって、超硬カッタービット
を得る。
【0050】ろう材層を構成するろう材及び熱緩衝層を
構成する金属薄板は、本発明の超硬カッタービットの製
造方法において用いたろう材及びダミー材と同じ材質の
ものである。
【0051】本実施の形態の超硬カッタービットの製造
方法においても、本発明と同様の効果を発揮することは
言うまでもなく、機械加工工程及びろう付け接合工程が
不要となるため、更に容易に、かつ、低製造コストの超
硬カッタービットを製造することが可能となる。
【0052】
【実施例】本実施例における超硬カッタービット鋳型の
組み立て斜視図を図2に示す。図2(a)はシャンク鋳
型の透視斜視図を示し、図2(b)は超硬チップピース
の斜視図を示し、図2(c)は超硬カッタービット鋳型
の部分破断斜視図を示している。
【0053】先ず、図2(a)に示すように、鉄製の4
枚の側壁板9aと1枚の底板9bを組み合わせると共
に、内部に50mm×50mm×150mmの直方体を
形成して鋳型10を形成する。ここで、側壁板9aおよ
び底板9bの厚みは30mmであり、また、側壁板9a
および底板9bには、幅が約0.4〜0.5mm、深さ
が約2mmのスリットSが形成されている。
【0054】鋳型10は、鋳ぐるみ鋳造後に超硬カッタ
ービットを取り出し易いように分解できるものが望まし
い。
【0055】次に、図2(b)に示すように、化学組成
がWC−12wt%Coで、10mm×20mm×50
mmの超硬チップ13を、鋳型10内部に配置する際
に、超硬チップ13が露出しないようにすべく、先ず、
厚さ0.1mmの汎用銀ろう(融点:700〜850
℃)箔(ろう材層;図示せず)で覆う。その後、厚さ1
mmの純銅薄板(熱緩衝層;図示せず)で覆い、超硬チ
ップピース14を形成する。ここで、銀ろう箔および純
銅薄板を合わせて複合層12とし、複合層12は超硬チ
ップ13よりもやや大きめに形成する。
【0056】銀ろう箔は、予め、スポット溶接などによ
り超硬チップ13と密着させておくのが好ましく、ま
た、純銅薄板は、銀ろう箔と密着させておくことが必要
である。
【0057】次に、図2(c)に示すように、超硬チッ
プピース14における複合層12の端部12aを鋳型1
0におけるスリットSに嵌め込むことによって、鋳型1
0と超硬チップピース14を固定し、超硬カッタービッ
ト鋳型20を形成する。
【0058】スリットSは、鋳型10と超硬チップピー
ス14を固定すると共に、高Cr鋳鉄溶湯が鋳型10と
超硬チップピース14との間に入り込むのを防ぐ役割を
有している。
【0059】この超硬カッタービット鋳型20内部に、
化学組成がFe−20wt%Cr−3wt%C−2wt
%Moである高Cr鋳鉄の溶湯を1,450℃の溶湯温
度で流し込んだ後、そのまま暫時放置して冷却させ、そ
の後、側壁板9aおよび底板9bを分解することで、超
硬チップ13がシャンク(図示せず)にろう付け接合さ
れた超硬カッタービット(図示せず)を得る。
【0060】本実施例の超硬カッタービットにおいて、
シャンクに超硬チップ取り付け部を形成するための機械
加工工程、およびシャンクに超硬チップを取り付けるた
めのろう付け接合工程は不要であり、また、シャンクに
おいてクラックは観察されなかった。
【0061】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0062】(1) 高Cr鋳鉄からなるシャンクにお
ける超硬チップ取付け部に、ダミー材を配置すること
で、機械加工が容易となる。
【0063】(2) 高Cr鋳鉄からなるシャンクと、
超硬チップをろう材層を介して熱緩衝層で覆った超硬チ
ップピースを鋳ぐるみ鋳造することで、シャンクにおけ
る超硬チップ取付け部に対する機械加工工程が不要とな
る。
【0064】(3) 高Cr鋳鉄からなるシャンクと超
硬チップとの間に熱緩衝層が配置されているため、両者
をろう付け接合する際に、通常の加熱・冷却を行って
も、シャンクにクラックが入るおそれがない。
【0065】(4) 上述した(3)の結果、高Cr鋳
鉄の靱性を考慮する必要がなくなり、高Cr鋳鉄自体の
強度(硬度)を更に高くしてもよくなったことで、超硬
金属粒子を高Cr鋳鉄中に分散させる必要がない。
【0066】(5) 上述した(1)〜(4)の結果、
超硬カッタービットの製造工程において、製造の容易
化、製造時間の短縮化、および材料コストの低減を図る
ことで、低製造コストの超硬カッタービットを製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超硬カッタービットの製造方法の模式
図である。
【図2】本実施例における超硬カッタービット鋳型の組
み立て斜視図である。
【図3】超硬カッタービットにおける超硬チップの取付
け例を示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b シャンク 2 ダミー材 2a 熱緩衝層 3,3a,3b,13 超硬チップ 4,24,34 超硬カッタービット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高Cr鋳鉄からなるシャンクに超硬チッ
    プをろう付け接合して形成する超硬カッタービットの製
    造方法において、上記シャンクにおける上記超硬チップ
    のろう付け接合予定位置に、その超硬チップよりやや大
    きな形状で、かつ、熱緩衝材としてのダミー材を配置し
    てシャンクを鋳ぐるみ鋳造した後、上記超硬チップをそ
    のシャンクに取り付けるべく上記ダミー材に対して機械
    加工を施して熱緩衝層として形成し、その後、その熱緩
    衝層上に上記超硬チップをろう付け接合することを特徴
    とする超硬カッタービットの製造方法。
  2. 【請求項2】 高Cr鋳鉄からなるシャンクに超硬チッ
    プをろう付け接合して形成する超硬カッタービットの製
    造方法において、上記シャンクと上記超硬チップが直接
    接することがないようにすべく、上記超硬チップの一部
    周囲または全周囲にろう材層を介して熱緩衝層を形成し
    た超硬チップピースを形成し、上記シャンクにおける上
    記超硬チップのろう付け接合予定位置に、上記超硬チッ
    プピースを配置してシャンクを鋳ぐるみ鋳造すると同時
    に、ろう付け接合することを特徴とする超硬カッタービ
    ットの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記高Cr鋳鉄が、C量が約3.0wt
    %のFe−Cr−Mo系鋳鉄またはFe−Cr−Mo−
    Co系鋳鉄である請求項1および請求項2記載の超硬カ
    ッタービットの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記ダミー材および上記熱緩衝層が、融
    点が約1,450℃以下で、かつ、機械加工し易い金属
    または合金からなる請求項1および請求項2記載の超硬
    カッタービットの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記ダミー材および上記熱緩衝層が、炭
    素鋼、CuまたはCu合金、NiまたはNi合金である
    請求項4記載の超硬カッタービットの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記ろう付け接合温度が800〜900
    ℃である請求項1および請求項2記載の超硬カッタービ
    ットの製造方法。
  7. 【請求項7】 高Cr鋳鉄からなるシャンクに超硬チッ
    プをろう付け接合して形成する超硬カッタービットの製
    造方法において、上記シャンクにおける上記超硬チップ
    のろう付け接合予定位置に、その超硬チップよりやや大
    きな形状で、かつ、熱緩衝材としてのダミー材を配置し
    てシャンクを鋳ぐるみ鋳造した後、上記超硬チップをそ
    のシャンクに取り付けるべく上記ダミー材に対して機械
    加工を施して熱緩衝層として形成し、その後、その熱緩
    衝層上に上記超硬チップをろう付け接合してなることを
    特徴とする超硬カッタービット。
  8. 【請求項8】 高Cr鋳鉄からなるシャンクに超硬チッ
    プをろう付け接合して形成する超硬カッタービットの製
    造方法において、上記シャンクと上記超硬チップが直接
    接することがないようにすべく、上記超硬チップの一部
    周囲または全周囲にろう材層を介して熱緩衝層を形成し
    た超硬チップピースを形成し、上記シャンクにおける上
    記超硬チップのろう付け接合予定位置に、上記超硬チッ
    プピースを配置してシャンクを鋳ぐるみ鋳造すると同時
    に、ろう付け接合してなることを特徴とする超硬カッタ
    ービット。
JP2397297A 1997-02-06 1997-02-06 超硬カッタービットの製造方法及びその超硬カッタービット Pending JPH10220175A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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