JPH1021970A - 対張力電線の粉末冶金的爆発接合法 - Google Patents
対張力電線の粉末冶金的爆発接合法Info
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- JPH1021970A JPH1021970A JP21221996A JP21221996A JPH1021970A JP H1021970 A JPH1021970 A JP H1021970A JP 21221996 A JP21221996 A JP 21221996A JP 21221996 A JP21221996 A JP 21221996A JP H1021970 A JPH1021970 A JP H1021970A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 鋼芯線部分をかしめにより接合して、本来の
電線強度以上の強度を有する接合を得ることが出来る方
法を提供する。 【解決手段】 接合しようとする2本の電線の端面のア
ルミニウムの撚り線を一定長さほぐして鋼芯線をむきだ
し、略それぞれの鋼芯線をむき出した部分の長さに合わ
せた長さの鋼スリーブに挿し込み、一端ほぐしたアルミ
ニウム線で鋼スリーブの周囲を覆いつつアルミニウム線
の間及びアルミニウム線と鋼スリーブの間に形成された
空間にアルミニウム粉を充填し、その上からアルミニウ
ム粉を充填した長さに対応する長さのアルミニウム管を
被せ、アルミニウム管の周囲に爆薬を巻きつけ、爆薬を
爆発させることによってアルミニウム線同士が冶金的に
接合されると共に、鋼芯の周囲の鋼スリーブ内面が求心
的にかしめられて、鋼芯の周囲の凹みにはまり込んで両
方の鋼芯を機械的に強固に結合する。
電線強度以上の強度を有する接合を得ることが出来る方
法を提供する。 【解決手段】 接合しようとする2本の電線の端面のア
ルミニウムの撚り線を一定長さほぐして鋼芯線をむきだ
し、略それぞれの鋼芯線をむき出した部分の長さに合わ
せた長さの鋼スリーブに挿し込み、一端ほぐしたアルミ
ニウム線で鋼スリーブの周囲を覆いつつアルミニウム線
の間及びアルミニウム線と鋼スリーブの間に形成された
空間にアルミニウム粉を充填し、その上からアルミニウ
ム粉を充填した長さに対応する長さのアルミニウム管を
被せ、アルミニウム管の周囲に爆薬を巻きつけ、爆薬を
爆発させることによってアルミニウム線同士が冶金的に
接合されると共に、鋼芯の周囲の鋼スリーブ内面が求心
的にかしめられて、鋼芯の周囲の凹みにはまり込んで両
方の鋼芯を機械的に強固に結合する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重機械を要することな
く山間僻地でも容易に送配電線(以下電線)を接合する
ことが出来る、爆薬の爆発によって電線を突き合わせて
粉末冶金的に接合し、かつ電線本来の強度を維持するこ
とができる電線の接合法に関する。従来、電線を爆薬の
爆発圧力によって接合するには、電線を同材質の金属管
(以下スリーブ)で覆い、突き合せ部を略その中央に位
置させ、スリーブに捲きつけた導爆線等の爆薬を爆発さ
せて接合することが行なわれていた。また、そのような
方法、或いは機械的にプレスによって電線接合部に被せ
たアルミニウム管をかしめて接合する方法では、接合部
の強度は、接合していない電線本来の強度の30%強の
引張り強度しか得られず、更にアルミニウム線は機械的
接触によってのみ繋がり、冶金的接合を得られないた
め、長期使用によって接触不良を発生することが多く、
改善が要求されていた。
く山間僻地でも容易に送配電線(以下電線)を接合する
ことが出来る、爆薬の爆発によって電線を突き合わせて
粉末冶金的に接合し、かつ電線本来の強度を維持するこ
とができる電線の接合法に関する。従来、電線を爆薬の
爆発圧力によって接合するには、電線を同材質の金属管
(以下スリーブ)で覆い、突き合せ部を略その中央に位
置させ、スリーブに捲きつけた導爆線等の爆薬を爆発さ
せて接合することが行なわれていた。また、そのような
方法、或いは機械的にプレスによって電線接合部に被せ
たアルミニウム管をかしめて接合する方法では、接合部
の強度は、接合していない電線本来の強度の30%強の
引張り強度しか得られず、更にアルミニウム線は機械的
接触によってのみ繋がり、冶金的接合を得られないた
め、長期使用によって接触不良を発生することが多く、
改善が要求されていた。
【0002】本発明による電線の爆発による粉末冶金的
接合法は、それを粉末冶金的手法と組合わせ、更にアル
ミニウム線部分のみならず、アルミニウム線で覆われた
鋼芯線を鋼スリーブによってかしめ接合することによ
り、より確実に、少ない爆薬量で、従来多くは機械的な
かしめによって接合し、冶金的に接合する場合でも冶金
的な接合が得られる部分は極めて僅かであったものを、
接合部分の殆どの部分にわたって冶金的に接合すること
を可能とし、もって接合部の耐候性、径時性、強度等に
優れ、軽量の爆発消音装置によって爆発の大音響を消音
出来るため、山間僻地に限らず、市街地でも施工可能と
するものである。
接合法は、それを粉末冶金的手法と組合わせ、更にアル
ミニウム線部分のみならず、アルミニウム線で覆われた
鋼芯線を鋼スリーブによってかしめ接合することによ
り、より確実に、少ない爆薬量で、従来多くは機械的な
かしめによって接合し、冶金的に接合する場合でも冶金
的な接合が得られる部分は極めて僅かであったものを、
接合部分の殆どの部分にわたって冶金的に接合すること
を可能とし、もって接合部の耐候性、径時性、強度等に
優れ、軽量の爆発消音装置によって爆発の大音響を消音
出来るため、山間僻地に限らず、市街地でも施工可能と
するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の送配電線を爆薬の爆発圧力で接合
する方法に於いては、接合を要する電線の端をスリーブ
内で突き合せ、スリーブの外側を厚い(約10mm程
度)ゴムなどの弾性の保護体で覆った上に導爆線を巻き
付け、その導爆線を爆発させることによりスリーブを収
縮させて電線を機械的にかしめて電線を接合していた。
また、特殊な爆発速度の低い爆薬を使用して、スリーブ
内面と電線の外周及び電線を構成する個々の撚り線の間
の空間に面した部分の撚り線表面相互間を冶金的に接合
する試みも行なわれた。より一般的には、爆薬によら
ず、油圧プレスによって同様にスリーブをかしめて接合
することが行なわれていた。
する方法に於いては、接合を要する電線の端をスリーブ
内で突き合せ、スリーブの外側を厚い(約10mm程
度)ゴムなどの弾性の保護体で覆った上に導爆線を巻き
付け、その導爆線を爆発させることによりスリーブを収
縮させて電線を機械的にかしめて電線を接合していた。
また、特殊な爆発速度の低い爆薬を使用して、スリーブ
内面と電線の外周及び電線を構成する個々の撚り線の間
の空間に面した部分の撚り線表面相互間を冶金的に接合
する試みも行なわれた。より一般的には、爆薬によら
ず、油圧プレスによって同様にスリーブをかしめて接合
することが行なわれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】爆薬の爆発によって
接合する方法では、導爆線を利用する場合、その爆発速
度は電線に使用される金属の音速より高速か略等しく、
金属を爆発圧力によって冶金的に接合することは出来な
いことが知られている。また、スリーブの外側を厚いゴ
ムなどの弾性の保護体で覆った上に導爆線を巻き付ける
ことにより、弾性の保護体がスリーブに伝わる爆発圧力
を減衰させるため、それを補うため大量の導爆線を使用
する必要が生じ、単にスリーブをかしめて接合するのに
必要な以上の爆薬を要する。
接合する方法では、導爆線を利用する場合、その爆発速
度は電線に使用される金属の音速より高速か略等しく、
金属を爆発圧力によって冶金的に接合することは出来な
いことが知られている。また、スリーブの外側を厚いゴ
ムなどの弾性の保護体で覆った上に導爆線を巻き付ける
ことにより、弾性の保護体がスリーブに伝わる爆発圧力
を減衰させるため、それを補うため大量の導爆線を使用
する必要が生じ、単にスリーブをかしめて接合するのに
必要な以上の爆薬を要する。
【0005】更に、油圧プレスを利用した機械的なかし
めによる接合は、冶金的な接合に較べて接合強度が低い
ために、電線の接合部分の長さを大きく取る必要があ
り、これも導爆線の使用量を多くする要因の一つであっ
た。加えて、単にスリーブを機械的に締め付けてかしめ
応力で接合することについては、信頼性が低いという問
題と、スリーブと電線、電線の撚り線間の空隙に雨水や
腐蝕性のガスが入り、この様な方法で接合された部分に
は、爆発の強大な圧力によって金属が強加工を受けたた
め、大きな残留応力が含まれ、他の部分より容易に浸蝕
されるという大きな問題があった。
めによる接合は、冶金的な接合に較べて接合強度が低い
ために、電線の接合部分の長さを大きく取る必要があ
り、これも導爆線の使用量を多くする要因の一つであっ
た。加えて、単にスリーブを機械的に締め付けてかしめ
応力で接合することについては、信頼性が低いという問
題と、スリーブと電線、電線の撚り線間の空隙に雨水や
腐蝕性のガスが入り、この様な方法で接合された部分に
は、爆発の強大な圧力によって金属が強加工を受けたた
め、大きな残留応力が含まれ、他の部分より容易に浸蝕
されるという大きな問題があった。
【0006】上記の問題を解決するため、爆発速度の低
い爆薬によって冶金的に電線を接合する方法も開発され
たが、電線を構成する撚り線相互が冶金的に接合する部
分は、接合する前に撚り線同士の間に隙間があった部分
の撚り線表面に限られ、従って接合強度も本来の電線強
度の40%前後でしかなかった。
い爆薬によって冶金的に電線を接合する方法も開発され
たが、電線を構成する撚り線相互が冶金的に接合する部
分は、接合する前に撚り線同士の間に隙間があった部分
の撚り線表面に限られ、従って接合強度も本来の電線強
度の40%前後でしかなかった。
【0007】爆発で金属板や金属線を冶金的に接合しよ
うとする場合、金属同士を爆発圧力によって衝突させ、
衝突点が移動する速度をその金属の音速以下であるよう
にすることが必要であり、その為、導爆線のように爆発
速度が5,800m/秒から6,400m/秒と金属の
音速より高いか略同等の爆薬を使用すると冶金的な接合
が出来ず、機械的なかしめによる接合となる。冶金的に
接合しようとする場合、実質的には例えばアルミニウム
電線の場合、その音速である6,420m/秒より充分
に低い速度の4,000m/秒未満、好ましくは3,0
00m/秒以下、銅電線の場合5,010m/秒より充
分に低い速度でアルミニウム電線の場合と同様に4,0
00m/秒未満、好ましくは3,000m/秒以下であ
る必要がある。
うとする場合、金属同士を爆発圧力によって衝突させ、
衝突点が移動する速度をその金属の音速以下であるよう
にすることが必要であり、その為、導爆線のように爆発
速度が5,800m/秒から6,400m/秒と金属の
音速より高いか略同等の爆薬を使用すると冶金的な接合
が出来ず、機械的なかしめによる接合となる。冶金的に
接合しようとする場合、実質的には例えばアルミニウム
電線の場合、その音速である6,420m/秒より充分
に低い速度の4,000m/秒未満、好ましくは3,0
00m/秒以下、銅電線の場合5,010m/秒より充
分に低い速度でアルミニウム電線の場合と同様に4,0
00m/秒未満、好ましくは3,000m/秒以下であ
る必要がある。
【0008】それに加えて、爆薬によって機械的にかし
めて接合する場合は必ずしも必要ではないが、冶金的に
接合する場合は、撚り線同士の間に隙間があった部分の
撚り線表面同士の衝突速度が、撚り線の表面に対する垂
直方向の成分で一定の速度以上で衝突することが必要で
あり、その条件を達成するために爆薬量の調整や衝撃方
法の選択、電線表面が爆薬の爆発圧力によって汚染され
たり疵を受けたりすることからの保護策を講ずるため
に、多くの技術的困難を克服する必要があった。
めて接合する場合は必ずしも必要ではないが、冶金的に
接合する場合は、撚り線同士の間に隙間があった部分の
撚り線表面同士の衝突速度が、撚り線の表面に対する垂
直方向の成分で一定の速度以上で衝突することが必要で
あり、その条件を達成するために爆薬量の調整や衝撃方
法の選択、電線表面が爆薬の爆発圧力によって汚染され
たり疵を受けたりすることからの保護策を講ずるため
に、多くの技術的困難を克服する必要があった。
【0009】また、何等かの方法で上記の問題を解決し
て、容易にアルミニウム線を高い接合率で冶金的に接合
できたとしても、強度を受け持つ鋼芯線部分は接合され
ていないという問題が残り、そのため接合強度は本来の
電線の強度を下回らざるを得ないと考えられる。
て、容易にアルミニウム線を高い接合率で冶金的に接合
できたとしても、強度を受け持つ鋼芯線部分は接合され
ていないという問題が残り、そのため接合強度は本来の
電線の強度を下回らざるを得ないと考えられる。
【0010】
【問題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ため、発明者らは理論的、実験的な検討を重ねた結果、
以下の結論に達した。 (1)溶接やロウ付けのような熱的手段を利用せずに、
電線を現場で冶金的に突き合わせ接合するには、現在知
られている方法では爆薬の爆発を利用するしかない。 (2)また、低爆速の爆薬を使用すれば、スリーブ内面
と電線の外周及び電線を構成する個々の撚り線の間の空
間に面した部分の撚り線表面相互間を冶金的に接合する
ことは可能であるが、撚り線同士が予め密接している部
分では冶金的な接合は達成できない。 (3)従って、従来知られている爆薬の爆発圧力を利用
する金属の接合方法では、電線を構成する撚り線同士を
冶金的に接合することは、最も良好な結果が得られた場
合でも、部分的にしか達成できない。
ため、発明者らは理論的、実験的な検討を重ねた結果、
以下の結論に達した。 (1)溶接やロウ付けのような熱的手段を利用せずに、
電線を現場で冶金的に突き合わせ接合するには、現在知
られている方法では爆薬の爆発を利用するしかない。 (2)また、低爆速の爆薬を使用すれば、スリーブ内面
と電線の外周及び電線を構成する個々の撚り線の間の空
間に面した部分の撚り線表面相互間を冶金的に接合する
ことは可能であるが、撚り線同士が予め密接している部
分では冶金的な接合は達成できない。 (3)従って、従来知られている爆薬の爆発圧力を利用
する金属の接合方法では、電線を構成する撚り線同士を
冶金的に接合することは、最も良好な結果が得られた場
合でも、部分的にしか達成できない。
【0011】(4)爆薬の爆発圧力を利用して撚り線全
表面相互間を冶金的に接合するには、撚り線表面に爆発
圧力を受けた場合、衝撃のみによる冶金的接合でなく、
衝撃によって発熱し、その熱を利用して熱間圧接又は溶
接によって撚り線の全表面を相互に接合できる物質を介
在させることにより達成出来る。 (5)そのような物質として、金属粉末が好適であり、
粉体が爆薬の爆発による強い衝撃圧力を受けると、その
圧力が高ければ高いほど、粉体の充填密度が同体積の同
種の金属の理論密度に対して低ければ低いほど高い温度
を発生することが知られている。
表面相互間を冶金的に接合するには、撚り線表面に爆発
圧力を受けた場合、衝撃のみによる冶金的接合でなく、
衝撃によって発熱し、その熱を利用して熱間圧接又は溶
接によって撚り線の全表面を相互に接合できる物質を介
在させることにより達成出来る。 (5)そのような物質として、金属粉末が好適であり、
粉体が爆薬の爆発による強い衝撃圧力を受けると、その
圧力が高ければ高いほど、粉体の充填密度が同体積の同
種の金属の理論密度に対して低ければ低いほど高い温度
を発生することが知られている。
【0012】(6)即ち、スリーブ内面と電線の外周の
空間及び電線を構成する個々の撚り線の間の空間に、電
線と同種の金属の粉体を充填し、スリーブの外側から電
線の中心軸に向かって求心的に爆発圧力を負荷すると、
粉体は発熱すると同時に、圧縮されてスリーブ内面と電
線の外周及び電線を構成する撚り線の表面に押し付けら
れて、熱間圧接又は溶接される。 (7)この方法による場合、特別な例を除き、上記の爆
薬の爆発速度に関する制約を受けないので、各種の爆発
速度を有する爆薬を使用し得る。
空間及び電線を構成する個々の撚り線の間の空間に、電
線と同種の金属の粉体を充填し、スリーブの外側から電
線の中心軸に向かって求心的に爆発圧力を負荷すると、
粉体は発熱すると同時に、圧縮されてスリーブ内面と電
線の外周及び電線を構成する撚り線の表面に押し付けら
れて、熱間圧接又は溶接される。 (7)この方法による場合、特別な例を除き、上記の爆
薬の爆発速度に関する制約を受けないので、各種の爆発
速度を有する爆薬を使用し得る。
【0013】(8)しかし、(1)〜(7)の手段を講
じることによって、アルミニウム線についてはアルミニ
ウム線同士とアルミニウム管の間には良好な接合が得ら
れても、鋼芯線は機械的にも冶金的にも接合されてな
く、継目のない電線の耐えるべき引張強度には到底耐え
られない。よって何等かの手段で鋼芯線同士も接合する
必要がある。 (9)鋼芯線の場合は、アルミニウムと異なり融点、硬
度共高く、爆発圧力をもってしても冶金的に接合するこ
とは極めて困難であり、かつ電気伝導上の役割は期待さ
れてないので、機械的に引張強度に耐えるだけの強度が
維持できれば充分である。 (10)そのためには、鋼芯線をアルミニウムの場合と
同様に、鋼スリーブで覆い、アルミニウムを冶金的に接
合するために負荷する爆発圧力によって同時に鋼スリー
ブをかしめて鋼芯線の周囲の凹凸に鋼スリーブ内面がは
まり込むようにすれば、鋼芯線は鋼スリーブを介して機
械的に接合されるので、冶金的に接合したアルミニウム
部分の強度と共同して、充分な強度を発揮し、継ぎ目の
ない電線の引張強度を達成できることが期待できる。
じることによって、アルミニウム線についてはアルミニ
ウム線同士とアルミニウム管の間には良好な接合が得ら
れても、鋼芯線は機械的にも冶金的にも接合されてな
く、継目のない電線の耐えるべき引張強度には到底耐え
られない。よって何等かの手段で鋼芯線同士も接合する
必要がある。 (9)鋼芯線の場合は、アルミニウムと異なり融点、硬
度共高く、爆発圧力をもってしても冶金的に接合するこ
とは極めて困難であり、かつ電気伝導上の役割は期待さ
れてないので、機械的に引張強度に耐えるだけの強度が
維持できれば充分である。 (10)そのためには、鋼芯線をアルミニウムの場合と
同様に、鋼スリーブで覆い、アルミニウムを冶金的に接
合するために負荷する爆発圧力によって同時に鋼スリー
ブをかしめて鋼芯線の周囲の凹凸に鋼スリーブ内面がは
まり込むようにすれば、鋼芯線は鋼スリーブを介して機
械的に接合されるので、冶金的に接合したアルミニウム
部分の強度と共同して、充分な強度を発揮し、継ぎ目の
ない電線の引張強度を達成できることが期待できる。
【0014】以上の考察に基づいて、適切な爆発圧力の
負荷方法や粉体の充填方法並びに鋼芯線と鋼スリーブの
組み合わせ方を設定すれば、接合部のスリーブ内面と電
線の外周及び電線を構成する個々の撚り線の表面全面を
接合出来ると考えられる。
負荷方法や粉体の充填方法並びに鋼芯線と鋼スリーブの
組み合わせ方を設定すれば、接合部のスリーブ内面と電
線の外周及び電線を構成する個々の撚り線の表面全面を
接合出来ると考えられる。
【0015】物質に爆薬の爆発に伴って発生する衝撃高
圧を負荷した場合、その圧力に応じて物質は断熱的に圧
縮され、発熱する。その程度は、例えばアルミニウムの
場合10GPa(約10万気圧)の衝撃加圧で、衝撃前
に比べて58℃上昇する程度で、その温度では撚り線同
士を溶融させて溶接することは出来ない。
圧を負荷した場合、その圧力に応じて物質は断熱的に圧
縮され、発熱する。その程度は、例えばアルミニウムの
場合10GPa(約10万気圧)の衝撃加圧で、衝撃前
に比べて58℃上昇する程度で、その温度では撚り線同
士を溶融させて溶接することは出来ない。
【0016】処が、撚り線のような固体に加圧した場合
と違って、粉体に加圧した場合は様相が大きく異なって
くる。粉体の場合は、加圧前の比容積が大きいため、衝
撃加圧によって大きく変形し、従って投入されるエネル
ギも大きくなり、例えばアルミニウムの粉末に10GP
aの衝撃圧力を負荷した場合、溶融若しくはそれに近い
温度にまで加熱されることさえある。加熱の程度は、粉
体の粒度や材質、衝撃前の充填密度によって異なるので
一概には言えないが、この現象を利用して、電線の撚り
線の間に電線と同材質の金属粉を介在させて衝撃加圧す
ることにより、金属粉を高温に加熱し、溶融状態或いは
それに近い高温になった金属粉を介して、電線を冶金的
に接合することが出来る。
と違って、粉体に加圧した場合は様相が大きく異なって
くる。粉体の場合は、加圧前の比容積が大きいため、衝
撃加圧によって大きく変形し、従って投入されるエネル
ギも大きくなり、例えばアルミニウムの粉末に10GP
aの衝撃圧力を負荷した場合、溶融若しくはそれに近い
温度にまで加熱されることさえある。加熱の程度は、粉
体の粒度や材質、衝撃前の充填密度によって異なるので
一概には言えないが、この現象を利用して、電線の撚り
線の間に電線と同材質の金属粉を介在させて衝撃加圧す
ることにより、金属粉を高温に加熱し、溶融状態或いは
それに近い高温になった金属粉を介して、電線を冶金的
に接合することが出来る。
【0017】特に、衝撃によって加熱された金属粉は、
中心部ではそれほど高温にはならないが、表面では高温
になると言う特性があり、全体としての平均温度はそれ
ほど高くなくても、高温が金属粉の表面に集まるため、
金属粉同士や金属粉に接する電線の撚り線を接合するの
に適している。更に、同時に衝撃圧力によって金属粉同
士や電線の撚り線が密接に押し付けられるので、接合の
形式が金属粉の表面が溶融して溶接になるにせよ、溶融
はしなくても充分に高温になって熱間圧接になるにせ
よ、強固で密な接合が得られるに充分な条件を作ること
が出来る。
中心部ではそれほど高温にはならないが、表面では高温
になると言う特性があり、全体としての平均温度はそれ
ほど高くなくても、高温が金属粉の表面に集まるため、
金属粉同士や金属粉に接する電線の撚り線を接合するの
に適している。更に、同時に衝撃圧力によって金属粉同
士や電線の撚り線が密接に押し付けられるので、接合の
形式が金属粉の表面が溶融して溶接になるにせよ、溶融
はしなくても充分に高温になって熱間圧接になるにせ
よ、強固で密な接合が得られるに充分な条件を作ること
が出来る。
【0018】次に、爆薬の爆発による衝撃圧力の電線接
合部への2種類の負荷方法について説明する。衝撃圧力
を電線の外周に被せた接合の為のスリーブに直接密接し
て装着し、爆発させることによってスリーブを求心的に
電線の中心方向へ押しやって圧縮する方法を直接負荷法
又は直接法と称する。この場合、スリーブの表面が爆発
の衝撃や高温によって損傷することを防ぐため、爆薬と
スリーブ表面の間にプラスチック膜やゴム膜或いは塗料
層のような保護層を介在させても直接法と称する。
合部への2種類の負荷方法について説明する。衝撃圧力
を電線の外周に被せた接合の為のスリーブに直接密接し
て装着し、爆発させることによってスリーブを求心的に
電線の中心方向へ押しやって圧縮する方法を直接負荷法
又は直接法と称する。この場合、スリーブの表面が爆発
の衝撃や高温によって損傷することを防ぐため、爆薬と
スリーブ表面の間にプラスチック膜やゴム膜或いは塗料
層のような保護層を介在させても直接法と称する。
【0019】それに対して、電線の外周に被せた接合の
為のスリーブの更に外側に、一定の距離を置いて別のス
リーブを位置させ、そのスリーブの外周に爆薬を装着し
て爆発させ、爆発圧力によって外側のスリーブが高速で
空間を飛翔して、電線に被せたスリーブに衝突し、求心
的に電線の中心方向へ押しやって圧縮する方法を間接負
荷法又は間接法と称する。この方法を利用する場合、爆
薬の種類や外側のスリーブと電線に被せたスリーブの距
離によって異なるが、一般的には直接法より少ない爆薬
で同等の効果を上げることが出来、爆薬を減らすことに
よって資源の節約や爆発音の低減、大量の爆薬を使用す
ることによる危険を減少させる等の点で有利である。た
だし、直接法と間接法の使い分け方については、爆薬の
使用に関して知識を有する当業者に取っては常識的なこ
とであり、本発明明細書の説明や実施例を見ることによ
って、容易に設定できる程度のことである。
為のスリーブの更に外側に、一定の距離を置いて別のス
リーブを位置させ、そのスリーブの外周に爆薬を装着し
て爆発させ、爆発圧力によって外側のスリーブが高速で
空間を飛翔して、電線に被せたスリーブに衝突し、求心
的に電線の中心方向へ押しやって圧縮する方法を間接負
荷法又は間接法と称する。この方法を利用する場合、爆
薬の種類や外側のスリーブと電線に被せたスリーブの距
離によって異なるが、一般的には直接法より少ない爆薬
で同等の効果を上げることが出来、爆薬を減らすことに
よって資源の節約や爆発音の低減、大量の爆薬を使用す
ることによる危険を減少させる等の点で有利である。た
だし、直接法と間接法の使い分け方については、爆薬の
使用に関して知識を有する当業者に取っては常識的なこ
とであり、本発明明細書の説明や実施例を見ることによ
って、容易に設定できる程度のことである。
【0020】また、考察及び実験の結果、上記のように
してアルミニウム管とアルミニウム線、アルミニウム粉
が冶金的に一体に接合されるに足りる爆発圧力を負荷し
た場合、その更に内側にあるスリーブは、鋼芯線の断面
積の3倍程度の断面積迄であれば変形して鋼芯線の周囲
の凹凸に鋼スリーブ内面がはまり込み、機械的な引張強
度を受け持つことが分った。
してアルミニウム管とアルミニウム線、アルミニウム粉
が冶金的に一体に接合されるに足りる爆発圧力を負荷し
た場合、その更に内側にあるスリーブは、鋼芯線の断面
積の3倍程度の断面積迄であれば変形して鋼芯線の周囲
の凹凸に鋼スリーブ内面がはまり込み、機械的な引張強
度を受け持つことが分った。
【0021】以下図によって本発明の構成を説明する。
図1は本発明による電線の粉末冶金的爆発接合法におい
て、電線のアルミニウム部分1、電線の鋼芯線部分2、
アルミニウム粉末3、アルミニウムスリーブ4、鋼スリ
ーブ5、爆薬6等を配置し、組合わせ体を電線に直角な
面で切った状態を示す断面図である。図の方法は、直接
法を示している。電線のアルミニウム部分1は、工業用
アルミニウムの純金属や電気用の合金の単線を撚り合わ
せたもので、電線の鋼芯線部分2は高張力鋼線である。
図1は本発明による電線の粉末冶金的爆発接合法におい
て、電線のアルミニウム部分1、電線の鋼芯線部分2、
アルミニウム粉末3、アルミニウムスリーブ4、鋼スリ
ーブ5、爆薬6等を配置し、組合わせ体を電線に直角な
面で切った状態を示す断面図である。図の方法は、直接
法を示している。電線のアルミニウム部分1は、工業用
アルミニウムの純金属や電気用の合金の単線を撚り合わ
せたもので、電線の鋼芯線部分2は高張力鋼線である。
【0022】図から明らかなように、アルミニウム粉末
3は、電線のアルミニウム部分1を構成する撚り線同士
の間と、電線のアルミニウム部分1の外周の撚り線とア
ルミニウムスリーブ4の内周の間に充填される。充填す
るアルミニウム粉末4の粒度は、最低でも平均粒径が1
μm以上、最大でも平均粒径1mm以下とするべきであ
る。それらの理由は、平均粒径が小さすぎる場合、充填
に際して乾燥状態で充填しようとすると狭い空間では流
れが悪く、所謂ブリッジと称する部分的に密に詰った状
態と、疎に詰った状態が混在して接合が均一でなくなる
恐れがあることと、表面積が大きいため、表面の酸化金
属が相対的に多くなり、良好な接合を妨げる恐れがある
ためである。平均粒径が大きすぎると不適である理由
は、細かい場合に比べて表面積が大きいため、衝撃加圧
されても表面の高温部が相対的に少なくなり、冶金的接
合を達成できなくなる恐れと、大きすぎるために流れが
悪くなり、同様にブリッジを起こして均一な接合を妨げ
る恐れがあるためである。
3は、電線のアルミニウム部分1を構成する撚り線同士
の間と、電線のアルミニウム部分1の外周の撚り線とア
ルミニウムスリーブ4の内周の間に充填される。充填す
るアルミニウム粉末4の粒度は、最低でも平均粒径が1
μm以上、最大でも平均粒径1mm以下とするべきであ
る。それらの理由は、平均粒径が小さすぎる場合、充填
に際して乾燥状態で充填しようとすると狭い空間では流
れが悪く、所謂ブリッジと称する部分的に密に詰った状
態と、疎に詰った状態が混在して接合が均一でなくなる
恐れがあることと、表面積が大きいため、表面の酸化金
属が相対的に多くなり、良好な接合を妨げる恐れがある
ためである。平均粒径が大きすぎると不適である理由
は、細かい場合に比べて表面積が大きいため、衝撃加圧
されても表面の高温部が相対的に少なくなり、冶金的接
合を達成できなくなる恐れと、大きすぎるために流れが
悪くなり、同様にブリッジを起こして均一な接合を妨げ
る恐れがあるためである。
【0023】7はアルミニウムスリーブの表面が爆発の
衝撃や高温によって損傷することを防ぐため、爆薬とア
ルミニウム表面の間に設けたプラスチック膜やゴム膜或
いは塗料層のような保護層で、必要に応じてその種類や
厚さ、場合によっては保護膜を使用しないことも含めて
設定し得る。これも、爆薬の使用に関して知識を有する
当業者に取っては常識的なことであり、本発明明細書の
説明や実施例を見ることによって、容易に設定できる程
度のことである。8は爆薬を包囲して、形状を保つため
のケースを示し、爆薬が粉状や液状で形状を自己保持で
きない場合に使用する。
衝撃や高温によって損傷することを防ぐため、爆薬とア
ルミニウム表面の間に設けたプラスチック膜やゴム膜或
いは塗料層のような保護層で、必要に応じてその種類や
厚さ、場合によっては保護膜を使用しないことも含めて
設定し得る。これも、爆薬の使用に関して知識を有する
当業者に取っては常識的なことであり、本発明明細書の
説明や実施例を見ることによって、容易に設定できる程
度のことである。8は爆薬を包囲して、形状を保つため
のケースを示し、爆薬が粉状や液状で形状を自己保持で
きない場合に使用する。
【0024】図2は図1に示した本発明による耐張力電
線の粉末冶金的爆発接合法の例を、電線の軸に平行な断
面で示した例である。共通の部品は、図1の部品番号に
「’」を付けてある。図1に出ていない部品として、導
爆線9’と雷管10’があるが、当然雷管10’は爆薬
6’を起爆するためのものであり、導爆線9’は雷管1
0’の爆発を早急に爆薬6’の一端全周に行き渡らせる
ためのもので、爆薬6’の爆発速度が低いものである場
合に使用する。一般的には、爆薬6’の爆発速度が4,
000m/秒未満の場合に使用することが多いが、これ
も爆薬の使用に関して知識を有する当業者に取っては常
識的なことで、容易に設定できる程度のことである。ま
た、接合部分の長さについても、当然のことながらある
一定長さまでは長ければ長いほど接合強度が増すことは
当然であるが、長すぎれば接合強度が増すこともなく、
単に資材の使用量を増すのみであるし、短かすぎれば当
然接合強度も低下することになるが、これについても本
発明明細書を参考にすれば、どの程度が適切であるかは
電線の種類や接合の要件に関して知識のある当業者であ
れば、容易に判断できる程度のことである。
線の粉末冶金的爆発接合法の例を、電線の軸に平行な断
面で示した例である。共通の部品は、図1の部品番号に
「’」を付けてある。図1に出ていない部品として、導
爆線9’と雷管10’があるが、当然雷管10’は爆薬
6’を起爆するためのものであり、導爆線9’は雷管1
0’の爆発を早急に爆薬6’の一端全周に行き渡らせる
ためのもので、爆薬6’の爆発速度が低いものである場
合に使用する。一般的には、爆薬6’の爆発速度が4,
000m/秒未満の場合に使用することが多いが、これ
も爆薬の使用に関して知識を有する当業者に取っては常
識的なことで、容易に設定できる程度のことである。ま
た、接合部分の長さについても、当然のことながらある
一定長さまでは長ければ長いほど接合強度が増すことは
当然であるが、長すぎれば接合強度が増すこともなく、
単に資材の使用量を増すのみであるし、短かすぎれば当
然接合強度も低下することになるが、これについても本
発明明細書を参考にすれば、どの程度が適切であるかは
電線の種類や接合の要件に関して知識のある当業者であ
れば、容易に判断できる程度のことである。
【0025】図3は、間接法による電線の粉末冶金的爆
発接合法を示す、電線に平行な断面で切った断面図であ
る。各部品番号は、図2の共通な部品に「”」を付けて
あるが、異なった点は飛翔管11”が付け加えられてい
ることである。電線と同種の金属製の飛翔管11”は、
電線のアルミニウム部分1”にアルミニウム粉末3”を
介して密接して置かれたアルミニウムスリーブ4”から
一定の距離を置いてスペーサ12”を介して設置されて
いる。このように、金属が爆薬に接して置かれ、爆薬の
爆発によって空間を飛翔すると、ある程度の距離を飛翔
する間は、飛翔距離が増すにつれてその速度が増加する
ことが知られている。従って、電線のアルミニウム部分
1”に接して置かれたアルミニウムスリーブ4”の外周
に接した爆薬6”を爆発させる場合より、このような配
置を取ることによって同量の爆薬であればより大きなエ
ネルギを電線のアルミニウム部分1”とアルミニウム粉
末2”、ひいては鋼スリーブ5”に投入でき、同じエネ
ルギを投入するには、より少ない量の爆薬で済む。どの
程度の量の爆薬6”を用いて、どの程度の距離をアルミ
ニウムスリーブ3”と飛翔管11”の間に置くべきか
は、当業者であれば、本発明明細書を参考にして容易に
設定することが出来る。
発接合法を示す、電線に平行な断面で切った断面図であ
る。各部品番号は、図2の共通な部品に「”」を付けて
あるが、異なった点は飛翔管11”が付け加えられてい
ることである。電線と同種の金属製の飛翔管11”は、
電線のアルミニウム部分1”にアルミニウム粉末3”を
介して密接して置かれたアルミニウムスリーブ4”から
一定の距離を置いてスペーサ12”を介して設置されて
いる。このように、金属が爆薬に接して置かれ、爆薬の
爆発によって空間を飛翔すると、ある程度の距離を飛翔
する間は、飛翔距離が増すにつれてその速度が増加する
ことが知られている。従って、電線のアルミニウム部分
1”に接して置かれたアルミニウムスリーブ4”の外周
に接した爆薬6”を爆発させる場合より、このような配
置を取ることによって同量の爆薬であればより大きなエ
ネルギを電線のアルミニウム部分1”とアルミニウム粉
末2”、ひいては鋼スリーブ5”に投入でき、同じエネ
ルギを投入するには、より少ない量の爆薬で済む。どの
程度の量の爆薬6”を用いて、どの程度の距離をアルミ
ニウムスリーブ3”と飛翔管11”の間に置くべきか
は、当業者であれば、本発明明細書を参考にして容易に
設定することが出来る。
【0026】直接法の場合は、電線のアルミニウム部分
とアルミニウムスリーブ及び鋼スリーブの間に充填した
アルミニウム粉末の表面が溶融または熱間圧接出来るま
でに圧縮加熱されれば、前述のように自動的に鋼スリー
ブ接合の為の要件をも満たすが、この間接法の場合は、
飛翔管11”とアルミニウムスリーブ4”を接合させる
か否かの要件が加わる。飛翔管11”とアルミニウムス
リーブ4”が冶金的に接合されれば、左右の電線のアル
ミニウム部分1”を繋ぐものはアルミニウムスリーブ
4”に飛翔管11”が加わるため、接合強度が高くなる
が、そうでない場合、飛翔管11”は単にアルミニウム
スリーブ4”の表面に機械的に固定されているだけで、
電線のアルミニウム部分1”の接合強度を増す効果は殆
どない。飛翔管11”とアルミニウムスリーブ4”を冶
金的に接合させるには、爆薬6”に爆発速度が4,00
0m/秒好ましくは3,000m/秒未満で1,900
m/秒以上のものを使うことが必要である。爆薬6”の
量については、電線のアルミニウム部分1”とアルミニ
ウムスリーブ4”の間に充填したアルミニウム粉末3”
の表面が溶融または熱間圧接出来るまでに圧縮加熱され
るだけの量を使用すれば充分であり、爆薬の取扱いに関
する知識を有する当業者であれば、本発明明細書を参考
にして、数回の実験で容易に適量を設定できる。
とアルミニウムスリーブ及び鋼スリーブの間に充填した
アルミニウム粉末の表面が溶融または熱間圧接出来るま
でに圧縮加熱されれば、前述のように自動的に鋼スリー
ブ接合の為の要件をも満たすが、この間接法の場合は、
飛翔管11”とアルミニウムスリーブ4”を接合させる
か否かの要件が加わる。飛翔管11”とアルミニウムス
リーブ4”が冶金的に接合されれば、左右の電線のアル
ミニウム部分1”を繋ぐものはアルミニウムスリーブ
4”に飛翔管11”が加わるため、接合強度が高くなる
が、そうでない場合、飛翔管11”は単にアルミニウム
スリーブ4”の表面に機械的に固定されているだけで、
電線のアルミニウム部分1”の接合強度を増す効果は殆
どない。飛翔管11”とアルミニウムスリーブ4”を冶
金的に接合させるには、爆薬6”に爆発速度が4,00
0m/秒好ましくは3,000m/秒未満で1,900
m/秒以上のものを使うことが必要である。爆薬6”の
量については、電線のアルミニウム部分1”とアルミニ
ウムスリーブ4”の間に充填したアルミニウム粉末3”
の表面が溶融または熱間圧接出来るまでに圧縮加熱され
るだけの量を使用すれば充分であり、爆薬の取扱いに関
する知識を有する当業者であれば、本発明明細書を参考
にして、数回の実験で容易に適量を設定できる。
【0027】
【作用】本発明による耐張力電線の粉末冶金的爆発接合
法は、送電線、配電線等のアルミニウムやその合金の撚
り線で、より合わせた鋼芯線被覆した電線を突き合せ
て、爆薬の爆発圧力を利用して結合する場合、接合しよ
うとする2本の電線の端面を突き合わせ、突き合わせた
部分を中心として、鋼芯線部分の一定の長さを鋼スリー
ブで覆い、更にアルミニウム線の周囲を覆うアルミニウ
ムスリーブとアルミニウム線及び鋼スリーブの外周が形
成する空間にアルミニウム粉末を充填し、電線を覆った
アルミニウムスリーブの外周から直接、又は間接的に求
心的な爆発衝撃を電線とアルミニウム粉末に加えて、ア
ルミニウム粉末を加えられた衝撃によって圧縮加熱する
と共に鋼スリーブを収縮させて鋼芯線の外周をかしめて
機械的に接合することにより、電線のアルミニウム部分
とアルミニウム粉末及びアルミニウムスリーブを一体か
つ冶金的に接合し、かつ冶金的に接合したアルミニウム
部分と機械的に接合した鋼の部分とで、接合部の引張強
度を、接合していない本来の電線の強度以上として接合
出来る優れた発明である。
法は、送電線、配電線等のアルミニウムやその合金の撚
り線で、より合わせた鋼芯線被覆した電線を突き合せ
て、爆薬の爆発圧力を利用して結合する場合、接合しよ
うとする2本の電線の端面を突き合わせ、突き合わせた
部分を中心として、鋼芯線部分の一定の長さを鋼スリー
ブで覆い、更にアルミニウム線の周囲を覆うアルミニウ
ムスリーブとアルミニウム線及び鋼スリーブの外周が形
成する空間にアルミニウム粉末を充填し、電線を覆った
アルミニウムスリーブの外周から直接、又は間接的に求
心的な爆発衝撃を電線とアルミニウム粉末に加えて、ア
ルミニウム粉末を加えられた衝撃によって圧縮加熱する
と共に鋼スリーブを収縮させて鋼芯線の外周をかしめて
機械的に接合することにより、電線のアルミニウム部分
とアルミニウム粉末及びアルミニウムスリーブを一体か
つ冶金的に接合し、かつ冶金的に接合したアルミニウム
部分と機械的に接合した鋼の部分とで、接合部の引張強
度を、接合していない本来の電線の強度以上として接合
出来る優れた発明である。
【0028】次に実施例について説明する。 <実施例1> 長さ30cmの2本のACSR160と
呼ばれる7本のφ2.6mmの撚り合わせた鋼芯線を3
0本のφ2.6mmのアルミニウム撚り線で包んだ公称
外径φ18.2mmの電線の端部のアルミニウム撚り線
の部分を、各々約80mmの長さにわたってほぐし、長
さ150mmで外径13.8mm、内径9.6mmの圧
力配管用鋼管に亜鉛メッキを施したものの中に、各75
mmづつ挿し込んだ。一旦ほぐしたアルミニウム線を鋼
管の外側に添わせて巻きつけ、長さ160mm、外径2
8mm、内径24mmの工業用純アルミニウムの管に挿
し込み、管中央部で密接に突き合わせた。その際、各々
の電線のアルミニウムの撚り線同士とアルミニウムスリ
ーブ及び鋼スリーブの間に形成される空間に、各70m
m長さにわたって撚り線の間に100メッシュの篩を通
過した工業用純アルミニウム粉18gを充填した。この
充填量は、充填した空間に対する理論充填量の約35%
に相当する。
呼ばれる7本のφ2.6mmの撚り合わせた鋼芯線を3
0本のφ2.6mmのアルミニウム撚り線で包んだ公称
外径φ18.2mmの電線の端部のアルミニウム撚り線
の部分を、各々約80mmの長さにわたってほぐし、長
さ150mmで外径13.8mm、内径9.6mmの圧
力配管用鋼管に亜鉛メッキを施したものの中に、各75
mmづつ挿し込んだ。一旦ほぐしたアルミニウム線を鋼
管の外側に添わせて巻きつけ、長さ160mm、外径2
8mm、内径24mmの工業用純アルミニウムの管に挿
し込み、管中央部で密接に突き合わせた。その際、各々
の電線のアルミニウムの撚り線同士とアルミニウムスリ
ーブ及び鋼スリーブの間に形成される空間に、各70m
m長さにわたって撚り線の間に100メッシュの篩を通
過した工業用純アルミニウム粉18gを充填した。この
充填量は、充填した空間に対する理論充填量の約35%
に相当する。
【0029】アルミニウムスリーブの左右端の10mm
の間には、厚さ10μmのアルミニウム箔を押し込ん
で、アルミニウム粉の脱落を防いだ。尚、アルミニウム
粉の一部をサンプリングして、光学顕微鏡によって粉体
の最少寸法を測定したところ、最も小さいもので、縦横
の粒径の平均が3.5μmであった。
の間には、厚さ10μmのアルミニウム箔を押し込ん
で、アルミニウム粉の脱落を防いだ。尚、アルミニウム
粉の一部をサンプリングして、光学顕微鏡によって粉体
の最少寸法を測定したところ、最も小さいもので、縦横
の粒径の平均が3.5μmであった。
【0030】次にアルミニウムスリーブの表面に、塩化
ビニールの絶縁用粘着テープを一層巻き、保護層とし
て、その外側に厚さ15mm、長さ160mm、密度
0.6g/mlで、爆発速度2,700m/秒の爆薬2
54gを巻きつけた。更に爆薬の一端に、外周径を56
mmに巻き、一端を環状にした部分から突き出させた長
さ300mmの導爆線の環状の部分を密着して取り付
け、突き出した部分に電気雷管を紙製粘着テープで取り
付けた。そのように組み合わせたものを、盛り上げた砂
の上に置き、電気雷管に通電して爆薬を爆発させた。
ビニールの絶縁用粘着テープを一層巻き、保護層とし
て、その外側に厚さ15mm、長さ160mm、密度
0.6g/mlで、爆発速度2,700m/秒の爆薬2
54gを巻きつけた。更に爆薬の一端に、外周径を56
mmに巻き、一端を環状にした部分から突き出させた長
さ300mmの導爆線の環状の部分を密着して取り付
け、突き出した部分に電気雷管を紙製粘着テープで取り
付けた。そのように組み合わせたものを、盛り上げた砂
の上に置き、電気雷管に通電して爆薬を爆発させた。
【0031】その結果、左右の電線とアルミニウム管は
一体に接合され、引張試験機で接合強度を測定したとこ
ろ、電線の接合部分の強度規格の2,094kgfを越
え、更に接合部のない電線の強度規格である6,980
kgfをも越える7,110kgfで破断した。破断部
分を光学顕微鏡で検査したところ、スリーブと電線のア
ルミニウム部分及び鋼線の外周はアルミニウム粉を介し
て冶金的に接合されており、アルミニウム粉は、処理前
の粉体の外周部に相当する部分で、部分によっては熱間
圧接の結果による再結晶を示し、ある部分では溶融によ
ると思われる複数の粉が一体となって新しい結晶粒を作
成したと思われる、粉の最大直径より大きな結晶粒が認
められた。また、冶金的な接合が得られた部分の面積
は、アルミニウム撚り線の各単線について調べたとこ
ろ、その外周でアルミニウム粉末が介在した部分のほぼ
90%の面積が、アルミニウム粉末を介して他の部分に
冶金的に接合していた。
一体に接合され、引張試験機で接合強度を測定したとこ
ろ、電線の接合部分の強度規格の2,094kgfを越
え、更に接合部のない電線の強度規格である6,980
kgfをも越える7,110kgfで破断した。破断部
分を光学顕微鏡で検査したところ、スリーブと電線のア
ルミニウム部分及び鋼線の外周はアルミニウム粉を介し
て冶金的に接合されており、アルミニウム粉は、処理前
の粉体の外周部に相当する部分で、部分によっては熱間
圧接の結果による再結晶を示し、ある部分では溶融によ
ると思われる複数の粉が一体となって新しい結晶粒を作
成したと思われる、粉の最大直径より大きな結晶粒が認
められた。また、冶金的な接合が得られた部分の面積
は、アルミニウム撚り線の各単線について調べたとこ
ろ、その外周でアルミニウム粉末が介在した部分のほぼ
90%の面積が、アルミニウム粉末を介して他の部分に
冶金的に接合していた。
【0032】更に、鋼芯線に被せた鋼スリーブは、爆発
圧力によって内面が鋼芯線の外周に密着し、機械的にで
はあるが、強固に鋼芯線を保持して接合した電線の強度
を維持し、破断部は鋼スリーブで接合した以外の鋼芯線
の部分であった。
圧力によって内面が鋼芯線の外周に密着し、機械的にで
はあるが、強固に鋼芯線を保持して接合した電線の強度
を維持し、破断部は鋼スリーブで接合した以外の鋼芯線
の部分であった。
【0033】<実施例2> 実施例1の実験を繰り返し
た。ただし、爆薬として、厚さ3mm、長さ160m
m、密度1.6g/mlで、爆発速度6,000m/秒
の爆薬75gを使用し、雷管は導爆線を使用せずに直接
爆薬の一端に接して紙製粘着テープで取り付けた。実施
例1と同様にして爆薬を爆発させたところ、左右の電線
とアルミニウムスリーブは一体に接合され、引張試験機
で接合強度を測定したところ、電線の強度規格の6,9
80kgfの荷重を越える7,080kgfで破断し
た。破断部分を光学顕微鏡で検査したところ、実施例1
と同様な接合状態が確認された。
た。ただし、爆薬として、厚さ3mm、長さ160m
m、密度1.6g/mlで、爆発速度6,000m/秒
の爆薬75gを使用し、雷管は導爆線を使用せずに直接
爆薬の一端に接して紙製粘着テープで取り付けた。実施
例1と同様にして爆薬を爆発させたところ、左右の電線
とアルミニウムスリーブは一体に接合され、引張試験機
で接合強度を測定したところ、電線の強度規格の6,9
80kgfの荷重を越える7,080kgfで破断し
た。破断部分を光学顕微鏡で検査したところ、実施例1
と同様な接合状態が確認された。
【0034】<実施例3> 実施例1の実験を繰り返し
た。ただし、電線に接したスリーブは、内径と長さは実
施例1に等しく、外径のみ27mmとし、爆薬はそのス
リーブには直接取り付けず、外径39mm、内径35m
m長さ160mmの同材質のアルミニウム管を、飛翔管
として電線に接したスリーブの長さ方向の中央部に同心
円状に、厚さ0.2mm、一端の高さが3mm、他端の
高さが5mm、長さが10mmの台形のアルミニウム片
を、片側について3枚づつ飛翔管と電線に接したスリー
ブの間に挿し込んで固定し、実施例1と同種の爆薬を厚
さ10mmとして、飛翔管の外周全周を覆い、塩化ビニ
ールの絶縁粘着テープ一層を介して密着して取り付け
た。その結果、爆薬の量は148gで、実施例1の場合
の約58%であった。爆薬を起爆するための導爆線と雷
管の取付法は実施例1の方法に準じた。
た。ただし、電線に接したスリーブは、内径と長さは実
施例1に等しく、外径のみ27mmとし、爆薬はそのス
リーブには直接取り付けず、外径39mm、内径35m
m長さ160mmの同材質のアルミニウム管を、飛翔管
として電線に接したスリーブの長さ方向の中央部に同心
円状に、厚さ0.2mm、一端の高さが3mm、他端の
高さが5mm、長さが10mmの台形のアルミニウム片
を、片側について3枚づつ飛翔管と電線に接したスリー
ブの間に挿し込んで固定し、実施例1と同種の爆薬を厚
さ10mmとして、飛翔管の外周全周を覆い、塩化ビニ
ールの絶縁粘着テープ一層を介して密着して取り付け
た。その結果、爆薬の量は148gで、実施例1の場合
の約58%であった。爆薬を起爆するための導爆線と雷
管の取付法は実施例1の方法に準じた。
【0035】以上のようにして組み合わせたものを、実
施例1と同様にして爆発処理したところ、左右の電線と
電線に接したアルミニウムスリーブ及び飛翔管は一体に
接合され、引張試験機で接合強度を測定したところ、電
線の強度規格の荷重を越える7,200kgfで破断し
た。破断部分を光学顕微鏡で検査したところ、実施例1
と同様な接合状態が確認された。冶金的な接合が得られ
た部分の面積は、アルミニウム撚り線の各単線について
調べたところ、その外周でアルミニウム粉末が介在した
部分のほぼ95%の面積が、アルミニウム粉末を介して
他の部分に冶金的に接合していた。爆薬量が実施例1よ
り少ないにもかかわらず、良好な接合が得られた理由
は、飛翔管を利用したために爆薬のエネルギを有効に接
合に使用でき、金属粉末の接合媒体としての効果を充分
に発揮できたことと、飛翔管も電線に接するスリーブの
外側に冶金的に接合し、電線の強度を担う一部分となっ
て加わったことによると考えられる。
施例1と同様にして爆発処理したところ、左右の電線と
電線に接したアルミニウムスリーブ及び飛翔管は一体に
接合され、引張試験機で接合強度を測定したところ、電
線の強度規格の荷重を越える7,200kgfで破断し
た。破断部分を光学顕微鏡で検査したところ、実施例1
と同様な接合状態が確認された。冶金的な接合が得られ
た部分の面積は、アルミニウム撚り線の各単線について
調べたところ、その外周でアルミニウム粉末が介在した
部分のほぼ95%の面積が、アルミニウム粉末を介して
他の部分に冶金的に接合していた。爆薬量が実施例1よ
り少ないにもかかわらず、良好な接合が得られた理由
は、飛翔管を利用したために爆薬のエネルギを有効に接
合に使用でき、金属粉末の接合媒体としての効果を充分
に発揮できたことと、飛翔管も電線に接するスリーブの
外側に冶金的に接合し、電線の強度を担う一部分となっ
て加わったことによると考えられる。
【0036】<比較例1> 実施例1と同様の実験を行
なった。ただし、実施例1においてスリーブ内に充填し
た金属粉末は全く用いず、また鋼芯線に被せた鋼スリー
ブは用いなかった。そのため、アルミニウムスリーブに
は長さ160mm、外径26mm、内径20mmのもの
を用い、爆薬の厚さを15mmとした結果、109gの
爆薬量となった。実施例1と同様にして爆薬を爆発させ
たところ、アルミニウムスリーブは電線に見掛上強固に
接合したかに見えたが、引張試験機で接合強度を測定し
たところ、電線の接合部分の強度規格の2,094kg
fの荷重に満たない783kgfで破断した。破断部の
電線とスリーブの界面を光学顕微鏡で検査したところ、
極めて僅かな部分で長さ3mm、幅0.5mm程度冶金
的に界面が接合したような状況も認められたが、殆どの
部分で、スリーブは電線に機械的に押しつけられ状況を
示していた。従って、厳密には、破断というよりは、機
械的にかしめられたスリーブの中から、電線が引き抜か
れた状態であった。
なった。ただし、実施例1においてスリーブ内に充填し
た金属粉末は全く用いず、また鋼芯線に被せた鋼スリー
ブは用いなかった。そのため、アルミニウムスリーブに
は長さ160mm、外径26mm、内径20mmのもの
を用い、爆薬の厚さを15mmとした結果、109gの
爆薬量となった。実施例1と同様にして爆薬を爆発させ
たところ、アルミニウムスリーブは電線に見掛上強固に
接合したかに見えたが、引張試験機で接合強度を測定し
たところ、電線の接合部分の強度規格の2,094kg
fの荷重に満たない783kgfで破断した。破断部の
電線とスリーブの界面を光学顕微鏡で検査したところ、
極めて僅かな部分で長さ3mm、幅0.5mm程度冶金
的に界面が接合したような状況も認められたが、殆どの
部分で、スリーブは電線に機械的に押しつけられ状況を
示していた。従って、厳密には、破断というよりは、機
械的にかしめられたスリーブの中から、電線が引き抜か
れた状態であった。
【0037】
【発明の効果】中心部に鋼芯線を備えたアルミニウム電
線を、爆薬の爆発によって冶金的に接合する場合、従来
冶金的に接合される部分は、電線を構成する撚り線の谷
間の一部分に限られ、従ってその接合強度も充分ではな
かった。また、接合部に金属粉末を介在させることによ
り、金属粉末が爆薬の爆発圧力によって圧縮発熱する現
象を利用して、溶融接合または熱間圧接される現象を生
起し、より広い部分で冶金的接合を達成し、高い強度の
接合が得られるが、鋼芯線は接合されないため、本来の
電線強度は得られなかった。本発明は、アルミニウム線
部分はアルミニウム粉末を介在させて冶金的に接合する
と共に、鋼芯線部分は鋼スリーブを被せて機械的にかし
めて接合することにより強度を確保するため、本来の電
線強度以上の強度が得られる優れた方法である。
線を、爆薬の爆発によって冶金的に接合する場合、従来
冶金的に接合される部分は、電線を構成する撚り線の谷
間の一部分に限られ、従ってその接合強度も充分ではな
かった。また、接合部に金属粉末を介在させることによ
り、金属粉末が爆薬の爆発圧力によって圧縮発熱する現
象を利用して、溶融接合または熱間圧接される現象を生
起し、より広い部分で冶金的接合を達成し、高い強度の
接合が得られるが、鋼芯線は接合されないため、本来の
電線強度は得られなかった。本発明は、アルミニウム線
部分はアルミニウム粉末を介在させて冶金的に接合する
と共に、鋼芯線部分は鋼スリーブを被せて機械的にかし
めて接合することにより強度を確保するため、本来の電
線強度以上の強度が得られる優れた方法である。
【図1】本発明を実施するための部材の組み合わせ方の
1例を示す電線に直角な面の断面図である。
1例を示す電線に直角な面の断面図である。
【図2】図1の部材の組合わせを電線に平行な断面で切
った断面図である。
った断面図である。
【図3】本発明を実施するための他の実施態様を示す部
材の組合わせを電線に平行な断面で切った断面図であ
る。
材の組合わせを電線に平行な断面で切った断面図であ
る。
1、1’、1” 電線のアルミニウム部分 2、2’、2” 電線の鋼芯線部分 3、3’、3” アルミニウム粉末 4、4’、4” アルミニウムスリーブ 5、5’、5” 鋼スリーブ 6、6” 爆薬 7、7’、7” 保護層 8、8’、8” 爆薬ケース 9’、9” 導爆線 10’、10” 雷管 11” 飛翔管 12” スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 正任 愛知県半田市岩滑西町2丁目31番地31 株 式会社スターシップ内
Claims (1)
- 【請求項1】 接合しようとする2本の電線の端面のア
ルミニウムの撚り線を一定長さほぐして鋼芯線をむきだ
し、略それぞれの鋼芯線をむき出した部分の長さに合わ
せた長さの鋼スリーブに挿し込み、一端ほぐしたアルミ
ニウム線で鋼スリーブの周囲を覆いつつアルミニウム線
の間及びアルミニウム線と鋼スリーブの間に形成された
空間にアルミニウム粉を充填し、その上からアルミニウ
ム粉を充填した長さに対応する長さのアルミニウム管を
被せ、アルミニウム管の周囲に爆薬を巻きつけ、爆薬を
爆発させることによってアルミニウム管の周囲から中心
に向かう求心的な爆発圧力を負荷して、アルミニウム粉
を溶融又は溶融に近い温度にまで温度上昇させてアルミ
ニウム粉を介してアルミニウム線同士が冶金的に接合さ
れると共に、鋼芯の周囲の鋼スリーブ内面が求心的にか
しめられて、鋼芯の周囲の凹みにはまり込んで両方の鋼
芯を機械的に強固に結合する耐張力電線の粉末冶金的爆
発接合法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21221996A JPH1021970A (ja) | 1996-07-04 | 1996-07-04 | 対張力電線の粉末冶金的爆発接合法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21221996A JPH1021970A (ja) | 1996-07-04 | 1996-07-04 | 対張力電線の粉末冶金的爆発接合法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1021970A true JPH1021970A (ja) | 1998-01-23 |
Family
ID=16618923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21221996A Pending JPH1021970A (ja) | 1996-07-04 | 1996-07-04 | 対張力電線の粉末冶金的爆発接合法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1021970A (ja) |
-
1996
- 1996-07-04 JP JP21221996A patent/JPH1021970A/ja active Pending
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