JPH10219457A - 誘導結合型プラズマcvd装置 - Google Patents

誘導結合型プラズマcvd装置

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JPH10219457A
JPH10219457A JP9022703A JP2270397A JPH10219457A JP H10219457 A JPH10219457 A JP H10219457A JP 9022703 A JP9022703 A JP 9022703A JP 2270397 A JP2270397 A JP 2270397A JP H10219457 A JPH10219457 A JP H10219457A
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JP
Japan
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reaction chamber
sample stage
radio wave
inductively coupled
coupled plasma
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JP9022703A
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English (en)
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Satoshi Fukuyama
聡 福山
Yutaka Asanome
裕 浅野目
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Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素ガスプラズマ中で生成された活性種を、
効率良く被処理基板の表面近傍へ到達させることが可能
な誘導結合型プラズマCVD装置を提供する。 【解決手段】 本発明の誘導結合型プラズマCVD装置
は;反応室40と;反応室40の内部に設置され温度制
御可能な試料ステージ20と;反応室40の天井部に配
置され、中央部分が試料ステージ20の方向へ突き出た
形状を有する電波導入窓4と;電波導入窓4に隣接して
反応室40の外部に配置されたリング状アンテナ3と;
リング状アンテナ3にマッチングボックスユニット2を
介して接続された高周波電源1と;電波導入窓4の内側
の中心部に向けて周囲の複数箇所から酸素ガスを吐出す
る酸素ガス供給ノズル8と;試料ステージの表面20に
向けて原料ガスを吐出する原料ガス供給ノズル10と、
反応室40内を排気するための真空排気ライン18と;
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リング状アンテナ
を用いた誘導結合型プラズマCVD装置に係り、特に、
酸素ガスプラズマ中で形成された活性種の輸送を効率良
く行うための反応室の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2に従来の誘導結合型プラズマCVD
装置の一例を示す。この装置は平板型のリング状アンテ
ナを使用したものであり、図中、40は反応室、1は高
周波電源、2はマッチングボックスユニット、3aは平
板型のリング状アンテナ、4aは電波導入窓、20は試
料ステージ、8は酸素ガスを吐出する酸素ガス供給ノズ
ル、10は原料ガスを吐出する原料ガス供給ノズル、5
0はシリコンウエハ(被処理基板)、をそれぞれ表す。
【0003】反応室40は真空容器であり、円筒状の胴
部5、上部プレート6及び下部プレート7で構成されて
いる。下部プレート7には真空排気ライン18が接続さ
れ、真空排気ライン18は、粗引系及び本引系の二系統
からなり、前者はロータリーポンプ17等で構成され、
後者はターボ分子ポンプ16等から構成される。反応室
40の胴部5には、ピラニ真空計22、及び、高真空領
域を計測する電離真空計23が取り付けられている。
【0004】反応室40の内部には試料ステージ20が
設置される。試料ステージ20の下部にはヒータ19が
設置され、ヒータ19は、絶縁碍子27を介して、反応
室40の外部に配置されたヒータ電源14に接続されて
いる。被処理基板であるシリコンウエハ50は、試料ス
テージ20の上に固定される。
【0005】試料ステージ20の上方に当る上部プレー
ト6の中央付近には電波導入窓4aが取り付けられてい
る。平板型のリング状アンテナ3aは、電波導入窓4a
に隣接して反応室40の外部に配置され、マッチングボ
ックスユニット2を介して高周波電源1に接続されてい
る。
【0006】電波導入窓4aの直下には、電波導入窓4
aの中央付近に向けて酸素ガスを吐出する酸素ガス供給
ノズル8が配置されている。酸素ガス供給ノズル8は、
リング状の形状を備え、その内周側に酸素ガスを吹き出
すためのノズル穴が多数設けられており、酸素ガスの吹
き出し方向は、酸素ガスを効率良く放電部へ供給するた
め、電波導入窓4aの中央部に向けられている。
【0007】試料ステージ20の直上には、試料ステー
ジ20の表面に向けて『原料ガス』(この例ではジクロ
ールシラン)を吐出する原料ガス供給ノズル10が配置
されている。原料ガス供給ノズル10は、酸素ガス供給
ノズルと同様に、リング状の形状を備え、その内周側に
原料ガスをリングの中心へ向けて吹き出すためのノズル
穴が多数設けられている。
【0008】ここで、酸素ガス供給ノズル8と原料ガス
供給ノズル10とを上下方向に分離して配置し、且つ、
酸素ガス供給ノズル8をリング状アンテナ3aの近傍に
配置している理由は、酸素ガスが、例えばジクロールシ
ランガスの様な原料ガスと比較して、分解し難いガスで
あり、また、原料ガスとしてジクロールシランガスを使
用した場合、ジクロールシランガスは分解して、粉状の
Siを発生させることによる。
【0009】次に、図2に示した誘導結合型プラズマC
VD装置の運転の概要について、酸素ガスとジクロール
シランガスとを使用してシリコンウエハ上にSiO2
を堆積する場合を例に取って説明する。
【0010】先ず、シリコンウエハ50を試料ステージ
20の上に固定する。次に、反応室40の内部をロータ
リーポンプ17を用いて排気する。真空度をピラニ真空
計22で測定し、所定の真空度(10-3 Torr 程度)に
到達後、真空排気ライン18を本引系に切り換える、即
ちバルブ26を閉じ、バルブ25、バルブ24を開いて
ターボ分子ポンプ及びロータリーポンプ17により排気
する。この段階では、電離真空計23を用いて真空度を
測定する。
【0011】次に、所定の真空度(10-6 Torr 程度)
まで到達後、試料ステージ20の下部に設けられたヒー
タ19を用いて、シリコンウエハ50を加熱する。シリ
コンウエハ50が所定の温度まで到達した後、酸素ガス
を酸素ガス供給ノズル8から電波導入窓4aの中央部に
向けて吐出させるとともに、ジクロールシランガスを原
料ガス供給ノズル10から中心に向けて吐出させる。な
お、このとき、ピラニ真空計22を用いて、真空度をモ
ニタしながら、バルブ24の開度を調整して、反応室4
0内の真空度を所定の値に合わせる。
【0012】反応室40内の圧力が、所定の圧力に落ち
着いたことを確認した後、高周波電源1を起動して、マ
ッチングボックスユニット2を介して、リング状アンテ
ナ3aに高周波電圧を供給する。リング状アンテナ3a
に供給された高周波電圧は、電波導入窓4aを透過し
て、反応室40の内部、リング状アンテナ3aの直下に
高周波電場を形成する。電波導入窓4aの下面付近に供
給された酸素ガスは、この高周波電場によって解離さ
れ、電波導入窓4aの直下部に酸素ガスプラズマが形成
される。
【0013】酸素ガスプラズマ内では、中性のガスがプ
ラスイオンと電子に電離した状態となっており、更に、
電子のエネルギ(電子温度)が非常に高い状態が実現さ
れている。このエネルギが、衝突などの現象により、酸
素に伝わることで酸素が解離され、活性酸素が生成され
る。この様にして生成された活性酸素は、原料ガス供給
管10より放出されたジクロールシランガスと反応して
プレカーサを形成する。ここで、プレカーサとは、成膜
プロセスに最も寄与する反応生成物のことである。形成
されたプレカーサは、シリコンウエハ50の上に付着
し、ヒータ19からの熱エネルギによってシリコンウエ
ハ50表面のシリコン原子と反応し、その結果、シリコ
ンウエハ50上にSiO2 膜が堆積される。
【0014】ところで、この様にして形成されるSiO
2 膜の堆積速度及び膜質は、シリコンウエハの表面近傍
へ到達する活性酸素の量に大きく影響されることが知ら
れている。即ち、シリコンウエハ近傍へ到達する活性酸
素の量が多ければ多いほど、膜質が向上する。
【0015】本願発明者らの実験によれば、活性酸素は
プラズマ強度の高い領域でのみ生成し、且つ、その寿命
は非常に短い。ここで、プラズマ強度の高い領域とは、
電子温度が高い領域を指す。誘導結合型プラズマは、高
周波により形成される誘導電場によって電子を加熱、生
成させるものであるので、誘導電場の強度が大きい領域
ほど、プラズマ強度が高い。誘導結合型プラズマCVD
装置において、誘導電場の強度は、アンテナからの距離
に反比例する。従って、アンテナに近い領域ほどプラズ
マ強度は高くなる。また、アンテナが平板型のリング状
アンテナである場合には、その内周部でプラズマ強度が
高くなることが知られている。これは、電流が、主に、
リング状アンテナの内周部を流れることによるものと考
えられている。
【0016】(従来の装置の問題点)平板型のリング状
アンテナを用いた場合、プラズマ強度の高い領域は、図
2中、28で示した領域に形成される。即ち、電波導入
窓4aの直下の領域で、その強度が非常に高くなる。こ
の時、酸素は、矢印29の方向に流れると考えられる。
このため、従来の誘導結合型プラズマCVD装置では、
次の様な問題点があった。
【0017】a.酸素の活性化領域のガス置換効率が悪
いこと:従来の誘導結合型プラズマCVD装置では、電
波導入窓4aは反応室40の上部プレート6の中央部に
設けられた開口部6aの上側に配置されているので、プ
ラズマ強度の高い領域、即ち酸素の活性化領域が、前記
開口部6aの中に収容されてしまう結果、積極的なガス
置換ができる構造とはなっていない。
【0018】b.酸素の供給量の増大が、活性酸素の輸
送量増加に直接、結び付かない構造であること:酸素の
流れが、電波導入窓4aの中央近傍で衝突する構造とな
っており、電波導入窓4aからシリコンウエハ50の表
面に向かう下向きの流れを積極的に形成していないの
で、酸素の供給量を増大しても、それが活性酸素の輸送
量にそのまま結び付かないこと。
【0019】c.活性酸素の輸送効率が低いこと:活性
酸素の輸送効率自体が低いので、所定量の活性酸素を得
るためには非常に多くの酸素を必要とする。酸素の供給
量の増大は、排気装置の容量の増大を伴う。これは、装
置の製造コストを増大させることにつながる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の様な
問題点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、酸素ガ
スプラズマ中で生成された活性種を、効率良くシリコン
ウエハの表面近傍へ到達させることが可能な誘導結合型
プラズマCVD装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の誘導結合型プラ
ズマCVD装置は、反応室と、反応室の内部に設置さ
れ、温度制御可能な試料ステージと、試料ステージの上
方に当る、反応室の天井部に配置された電波導入窓と、
電波導入窓に隣接して反応室の外部に配置されたリング
状アンテナと、リング状アンテナにマッチングボックス
ユニットを介して接続された高周波電源と、電波導入窓
の内側の中心部に向けて周囲の複数箇所から酸素ガスを
吐出する酸素ガス供給ノズルと、試料ステージの表面に
向けて原料ガスを吐出する原料ガス供給ノズルと、前記
反応室内を排気するための排気手段と、を備えた誘導結
合型プラズマCVD装置において、前記電波導入窓の中
央部分が、前記試料ステージの方向へ突き出た形状を有
することを特徴とする。
【0022】なお、好ましくは、前記試料ステージを2
000rpm以上の回転数で回転可能な様に構成する。
また、好ましくは、前記試料ステージを負のバイアス電
圧が印加可能である様に構成する。
【0023】(作用)誘導結合型プラズマCVD装置に
おいて、電波導入窓の中央部分が試料ステージの方向へ
突き出た形状とし、酸素ガスを酸素ガス供給ノズルから
この電波導入窓の中央部に向けて吐出させる。これによ
って、酸素ガスの流れは、電波導入窓に沿って電波導入
窓の中央部に導かれ、そこで合流した後、下方に向かう
収束した流れを形成する。この結果、酸素の様な活性種
の寿命が短いガスを用いても、効率良く活性酸素を輸送
することが可能になる。
【0024】更に、上記の様に酸素ガスの流れを収束さ
せることにより、ジクロールシランの様な分解し易い原
料ガスがプラズマ形成領域へ混入することを防止する。
また、前記試料ステージを高速で回転することにより、
被処理基板の表面に堆積しない反応生成物等を、速やか
に、被処理基板の表面近傍から排除することができる。
【0025】また、負のバイアス電圧の印加により、プ
ラズマ中で生成されたイオンを積極的に被処理基板の表
面へ引き込むことができ、その結果、膜質の向上や埋込
性の向上を図ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に基く誘導結合型
プラズマCVD装置の概要を示す。図中、40は反応
室、1は高周波電源、2はマッチングボックスユニッ
ト、3はリング状アンテナ、4は電波導入窓、20は試
料ステージ、8は酸素供給ノズル、10は原料ガス供給
ノズル、16はターボ分子ポンプ、50は被処理基板を
表す。
【0027】反応室40は真空容器であり、円筒状の胴
部5、上部プレート6及び下部プレート7で構成されて
いる。下部プレート7には真空排気ライン18が接続さ
れている。真空排気ライン18は粗引系及び本引系の二
系統からなり、前者はバルブ26及びロータリーポンプ
17から構成され、後者はバルブ24、ターボ分子ポン
プ16、及びバルブ25から構成される。また、反応室
40の胴部5には、ピラニ真空計22、及び高真空領域
を計測する電離真空計23が取り付けられている。
【0028】反応室40の内部には試料ステージ20が
設置される。被処理基板であるシリコンウエハ50は、
試料ステージ20の上に固定される。試料ステージ20
は、下部プレート7を上下に貫通する回転軸31の上端
部に固定される。なお、回転軸31が下部プレート7を
貫通する部分にはOリング、磁性流体シールユニット、
磁気軸受などのシール35が配置され、反応室40内の
気密性が維持される。回転軸31は、下部プレート7の
下側に配置された軸受ユニット34により支持されてい
る。回転軸31の下端部は、歯車32を介して、モータ
33に連結されている。試料ステージ20はモータ33
により回転数10,000rpmで駆動される。
【0029】試料ステージ20の下部には、ヒータ19
が設置され、ヒータ19の配線は、回転軸31の内部を
通って反応室40の外部へ引き出され、ヒータ電源14
に接続されている。試料ステージ20の温度は、試料ス
テージ20に取り付けられた熱電対や試料ステージ20
の裏面に向けられた放射温度計など(図示せず)により
検出され、この検出温度に基いてヒータ電源14が制御
され、シリコンウエハ50の温度調整が行われる。な
お、このとき、シリコンウエハ50は裏面全体が試料ス
テージ20に密着するように置いてもよいし、外周部の
みで支えるようにしてもよい。
【0030】試料ステージ20の上方に当る上部プレー
ト6の中央部には、開口部6aが設けられ、この開口部
6aの下端まで嵌合する様に電波導入窓4が取り付けら
れている。電波導入窓4は、窓押え4bにより上部プレ
ート6に固定されている。
【0031】電波導入窓4は、開口部6aから反応室4
0に露出する部分の内側表面周縁部が上部プレート6の
下面とほぼ一致する様に形成され、その中央部が反応室
40の内部側に突出た形状となっている。この突出た部
分は、後述する様に酸素供給ノズル8からの酸素ガスを
下向きの流れに変化させ易いように、円錐形などの凸部
形状となっている。一方、電波導入窓4の裏面側(反応
室の外部側)は、製作の都合上、中央が窪んだ形状とな
っている。その中には、リング状アンテナ3が設置され
ている。リング状アンテナ3は、マッチングボックスユ
ニット2を介して高周波電源1に接続されている。
【0032】電波導入窓4の周縁部の直下には、酸素ガ
スを吐出する酸素ガス供給ノズル8が配置されている。
酸素ガス供給ノズル8は、リング状の形状を備え、その
内周側に酸素ガスを吹き出すためのノズル穴が多数設け
られている。これらのノズル穴は、酸素ガスを、電波導
入窓4の傾斜した内側表面に沿って中心に向けて吹き出
す様に、その位置が調整されている。
【0033】試料ステージ20の直上には、試料ステー
ジ20の表面に向けて原料ガス(この例ではジクロール
シラン)を吐出する原料ガス供給ノズル10が配置され
ている。原料ガス供給ノズル10は、試料ステージ20
の中心直上に伸び、シリコンウエハ50の中心に向け
て、原料ガスを吹き出すためのノズル穴が設けられてい
る。原料ガス供給ノズル10には、これに反応室40の
外部から原料ガスを供給する原料ガス配管11が接続さ
れ、原料ガス配管11は、下部プレート7を貫通して反
応室40内に導入されている。なお、この貫通部は、O
リング12及び押え板13によって構成されている。
【0034】次に、この誘導結合型プラズマCVD装置
の運転について、酸素ガスとジクロールシランガスとを
用いてシリコンウエハ上にSiO2 膜を堆積するプロセ
スを例に取って、説明する。
【0035】先ず、シリコンウエハ50を試料ステージ
20の上に固定する。次に、バルブ24、バルブ25を
閉じたままバルブ26を開き、反応室40の内部をロー
タリーポンプ17により粗引きする。真空度をピラニ真
空計22で測定し、所定の真空度(10-3 Torr 程度)
に到達後、真空排気ラインを本引系に切り換える。即ち
バルブ26を閉じ、バルブ25、バルブ24を開き、タ
ーボ分子ポンプ16及びロータリーポンプ17を用いて
反応室40の内部を排気する。この段階では、反応室4
0内の真空度は電離真空計23を用いて測定される。
【0036】次に、所定の真空度(10-6 Torr 程度)
まで到達後、ヒータ電源14を起動し、試料ステージ2
0の下部に設けられたヒータ19を用いて、試料ステー
ジ20及びその上のシリコンウエハ50を加熱する。試
料ステージ20の温度は、熱電対(図示せず)で測定さ
れる。ヒータ19の出力を、この温度に基いて制御し
て、シリコンウエハ50を所定の昇温パターンに従って
所定の温度まで昇温する。なお、シリコンウエハ50の
温度も、放射温度計(図示せず)でモニタされる。
【0037】シリコンウエハ50が所定の温度まで到達
した後、モータ33を起動し、試料ステージ20を所定
の回転数で回転させる。なお、回転軸31は中空であ
り、ヒータ19は回転しない。
【0038】所定の回転数に到達後、酸素ガスを酸素ガ
ス供給ノズル8から電波導入窓4の中央部に向けて吐出
させるとともに、ジクロールシランガスを原料ガス供給
ノズル10からシリコンウエハ50の表面に向けて吐出
させる。なお、酸素ガスとジクロールシランガスの構成
比及び供給量は、予め最適化しておく。また、このと
き、ピラニ真空計22により、反応室40内の真空度を
モニタして、バルブ24の開度を調整して、反応室40
内の圧力を所定の圧力に合わせる。
【0039】反応室40内の圧力が、所定の圧力に落ち
着いたことを確認の後、高周波電源1を起動して、マッ
チングボックスユニット2を介して、リング状アンテナ
3に高周波電圧を供給する。なお、この例では、13.
56MHzの高周波が用いられる。また、マッチングボ
ックスユニット2は、最大限の高周波電力が反応室40
内に供給される様に、そのインピーダンスが調整され
る。
【0040】リング状アンテナ3に供給された高周波電
力は、電波導入窓4を透過して、反応室40の内部、リ
ング状アンテナ3の直下に高周波電場を形成する。その
強度は、リング状アンテナ3の内周部に対応する箇所で
最も強い。この装置では、リング状アンテナ3の内周部
に対応する箇所に酸素ガスが供給され、電波導入窓4の
下面部分に供給された酸素ガスは、この高周波電場によ
って解離され、電波導入窓4の直下部に酸素ガスプラズ
マが形成される。
【0041】この様にして生成された活性酸素は、中央
が突出た電波導入窓4の内面に沿って合流して下向きの
流れを形成し、シリコンウエハ50の表面近傍へ輸送さ
れる。この活性酸素は、シリコンウエハ50近傍に設け
られた原料ガス供給管10より放出されたジクロールシ
ランガスと反応してプレカーサを形成する。形成された
プレカーサは、シリコンウエハ50上に付着し、ヒータ
19からの熱エネルギによってシリコンウエハ50表面
のシリコン原子と反応し、その結果、シリコンウエハ5
0の上にSiO2 膜が堆積される。酸素の供給量を大き
くすればするほど、活性酸素の輸送効率は向上し、良質
のSiO2 膜が高速で得られる。
【0042】なお、試料ステージ20が高速で回転して
いるので、シリコンウエハ50と反応しなかったプレカ
ーサは、シリコンウエハ50の外周方向へ弾き飛ばさ
れ、排気装置(ターボ分子ポンプ16及びロータリーポ
ンプ17)を介して排気される。
【0043】所定の膜厚が堆積された後、高周波電力の
供給、酸素ガス、ジクロールシランガスの供給を止め、
バルブ24を全開にして反応室40内の排気を行う。更
に、ヒータ電源14を停止し、所定の温度まで冷却す
る。この時、モータ33への電力供給も停止する。
【0044】シリコンウエハ50の温度が所定の値まで
低下し、更に、試料ステージ20の回転が停止したこと
を確認の後、シリコンウエハ50を反応室40の外部へ
取り出す。以上で、プラズマCVDプロセスが完了す
る。
【0045】
【発明の効果】本発明の誘導結合型プラズマCVD装置
では、中央が突出た電波導入窓の下部に酸素ガスプラズ
マが形成され、酸素ガスプラズマ内で生成された活性酸
素は、電波導入窓の内面に沿って電波導入窓の中心部へ
導かれ、中心部で合流して下向きの流れを形成して、シ
リコンウエハ50の表面近傍へ輸送されるので、活性酸
素の輸送効率が非常に良い。従って、活性酸素の基板近
傍への到達量が増大し、反応室内に供給された酸素ガス
が効率的に利用される。
【0046】従来の誘導結合型プラズマCVD装置で
は、酸素ガスとジクロールシランガスとの流量比(酸素
ガス流量/ジクロールシランガス流量)が、5以上でな
いと良質な膜が形成できなかった。即ち、5以下では、
クラックの多い膜が形成されていた。また、成膜速度
は、せいぜい2μm/min程度であった。これに対し
て、本発明の誘導結合型プラズマCVD装置では、流量
比(酸素流量/ジクロールシラン流量)を2以上にすれ
ば、良質なSiO2 膜を形成することができた。即ち、
比較的少ない酸素ガス流量で良質な膜が得られる様にな
った。
【0047】排気装置として、従来と同じものを使用し
たので、ジクロールシラン(原料ガス)の流量を増やす
ことができ、その結果、成膜速度を4μm/minまで
向上させることができた。
【0048】本発明の誘導結合型プラズマCVD装置を
使用すれば、ガスの使用効率が向上し、酸素ガスの消費
量を減少させることができる。これに伴い、排気装置の
容量を縮小して、装置コストを低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基く誘導結合型プラズマCVD装置の
構成の概要を示す図。
【図2】従来の誘導結合型プラズマCVD装置の構成の
概要を示す図。
【符号の説明】
1・・・高周波電源、 2・・・マッチンボックスユニット、 3・・・平板リング状アンテナ、 3、3a・・・リング状アンテナ、 4、4a・・・電波導入窓、 5・・・胴部、 6・・・上部プレート、 7・・・下部プレート 8・・・酸素ガス供給ノズル、 9・・・酸素ガス配管、 10・・・原料ガス供給ノズル、 11・・・原料ガス配管、 14・・・ヒータ電源、 16・・・ターボ分子ポンプ、 17・・・ロータリーポンプ、 18・・・真空排気ライン、 19・・・ヒータ、 20・・・試料ステージ、 22・・・ピラニ真空計、 23・・・電離真空計、 24、25、26・・・バルブ、 27・・・絶縁碍子、 28・・・酸素ガスプラズマ、 31・・・回転軸、 32・・・歯車、 33・・・モータ、 34・・・軸受ユニット、 35・・・シール、 40・・・反応室、 50・・・シリコンウエハ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応室と、反応室の内部に設置され、温
    度制御可能な試料ステージと、 試料ステージの上方に当る、反応室の天井部に配置され
    た電波導入窓と、 電波導入窓に隣接して反応室の外部に配置されたリング
    状アンテナと、 リング状アンテナにマッチングボックスユニットを介し
    て接続された高周波電源と、 電波導入窓の内側の中心部に向けて周囲の複数箇所から
    酸素ガスを吐出する酸素ガス供給ノズルと、 試料ステージの表面に向けて原料ガスを吐出する原料ガ
    ス供給ノズルと、 前記反応室内を排気するための排気手段と、 を備えた誘導結合型プラズマCVD装置において、 前記電波導入窓の中央部分が、前記試料ステージの方向
    へ突き出た形状を有することを特徴とする誘導結合型プ
    ラズマCVD装置。
  2. 【請求項2】 前記試料ステージは、回転可能であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の誘導結合型プラズマC
    VD装置。
  3. 【請求項3】 前記試料ステージは、2000rpm以
    上の回転数で回転可能であることを特徴とする請求項2
    に記載の誘導結合型プラズマCVD装置。
  4. 【請求項4】 前記試料ステージは、負のバイアス電圧
    が印加可能であることを特徴とする請求項1から請求項
    3のいずれかに記載の誘導結合型プラズマCVD装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022059163A1 (ja) * 2020-09-18 2022-03-24 株式会社Kokusai Electric 基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラム

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