JPH10219028A - 樹脂充填用ガラスフィラー - Google Patents
樹脂充填用ガラスフィラーInfo
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- JPH10219028A JPH10219028A JP2537397A JP2537397A JPH10219028A JP H10219028 A JPH10219028 A JP H10219028A JP 2537397 A JP2537397 A JP 2537397A JP 2537397 A JP2537397 A JP 2537397A JP H10219028 A JPH10219028 A JP H10219028A
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Abstract
て、低温度でガラス化でき、耐熱水性の良好なガラスフ
ィラーを提供する。 【解決手段】平均粒径5〜35μmの粒子からなり、化
学組成において、SiO 2 を55〜80%(重量%)、
Al2 O3 を0〜25%含むとともに、その合量を67
〜83%とし、B2 O3 を0〜10%、CaOを0〜2
0%、R2 Oを0〜3%、フッ素を0.3〜7%含むと
ともに、その合量を13〜28%とし、ZnOを0〜3
%、Sb2 O3 を0〜3%、ZrOを0〜5%含むとと
もに、その合量を0〜5%とするガラスであって、15
00℃における溶融時の粘度が500Ps以下のもので
ある樹脂充填用ガラスフィラー。
Description
充填されて、人造大理石などの素材として使用されるガ
ラスフィラーの改良に関する。特に、屈折率nDが1.
465〜1.515の範囲にある合成樹脂の充填用に好
適な樹脂充填用ガラスフィラーに関する。
スフィラーを不飽和ポリエステルまたはビニルエステル
など合成樹脂中に分散、充填した複合材は、いわゆる人
造大理石の素材として好適に広く用いられている。これ
ら人造大理石は、家庭用あるいは業務用家具素材、例え
ば、浴槽本体、洗面化粧キャビネットの台板または洗面
シンクボール、システムキッチン用テーブル、化粧テー
ブルまたは壁材などに賞用されているが、従来のガラス
フィラーの特長は、フィラーと樹脂から複合、構成され
る複合材の寸法安定性、化学的耐久性、機械的強度など
を向上させる機能を持つ他、ガラスフィラーの持つ光の
屈折率が前記合成樹脂の屈折率nDである1.54〜
1.58に近似していることにより、複合材に好ましい
透明性をもたらすとともに、微妙な屈折光と反射光との
組合せが大理石類似の豊かな質感をもたらすところにあ
った。
ガラス素材としては、従来、例えば、特開平5−178
646号公報に開示されているような、酸化物組成で、
SiO2 :50〜65%(重量%、以下同じ)、Al2
O3 :10〜20%、CaO:20〜30%、B
2 O3 :0.1%以下、R2 O:3%以下(R:アルカ
リ金属であるK、NaおよびLiを表す)の成分組成の
ものが知られている。このガラスフィラーの特長は、温
水または熱水に溶出し易い硼酸成分とアルカリ成分の配
合割合を可能な限り減らして、温水などに対する耐久性
を向上させたところにある。
動温度調節機能を備えた濾過循環装置が開発され、24
時間入浴可能な風呂が普及するに従い、従来と異なり、
極めて長時間にわたって浴槽に温水が滞留することにな
るので、浴槽素材の温水に対する長期間にわたる耐久性
が必要となり、浴槽本体の素材である合成樹脂−ガラス
フィラー複合材の性能のさらなる向上が期待されるに至
った。
は、老化しにくく耐久性の高いアクリル樹脂あるいはポ
リプロピレン樹脂が新規に用いられるようになってき
た。ところが、これらの合成樹脂は、その屈折率nDが
1.50付近の値を持っていることから、従来の配合、
組成のガラスフィラーでは好ましい透明性と質感が得ら
れないという問題があった。なお、屈折率nDは、ナト
リウムD線(波長589.3nm)に対する屈折率を示
す。
して、屈折率を低下させてその適合性を改良するには、
SiO2 分を増量し、CaO分を減量する方法がある
が、この方法では、ガラスの溶融温度が2000℃程度
まで上昇するので、製造コストが著しく増大する不具合
が生じる。また、従来の溶融温度である1500℃程度
の温度で溶融するガラスとするには、B2 O3 分とアル
カリ金属酸化物を増量しなければならず、これでは、耐
熱水性が極端に劣化するので上記用途に実用できるガラ
ス組成が得られなかった。
点を解決するためになされたものであり、屈折率nDが
1.465〜1.515の範囲にある合成樹脂に充填使
用して、透明性の良好な複合材の製作が可能となるガラ
スフィラーの提供を企図すると同時に、可及的低温度で
ガラス化することを可能としながら、耐熱水性の良好な
ガラスフィラーを提供する。
とができる樹脂充填用ガラスフィラーは、フッ素分を含
み、1.465〜1.515の範囲内の屈折率nDを備
え、ガラスと反応する官能基を持つ有機物で表面処理さ
れているガラス粒子からなることを特徴とするものであ
る。
は、前記ガラス粒子が、平均粒径5〜35μmの粒子か
らなり、化学組成において、SiO2 を55〜80%
(重量%、以下同様)、Al2 O3 を0〜25%含むと
ともに、そのSiO2 とAl2O3 の合量を67〜83
%の範囲内とし、B2 O3 を0〜10%、CaOを0〜
20%、R2 Oを0〜3%(Rはアルカリ金属を表
す)、フッ素を0.3〜7%含むとともに、そのB2 O
3 、CaO、R2 O、フッ素の合量を13〜28%の範
囲内とし、ZnOを0〜3%、Sb2 O3 を0〜3%、
ZrOを0〜5%含むとともに、そのZnO、Sb2 O
3 、ZrO2 の合量を0〜5%の範囲内とするガラスで
あって、1500℃における溶融時の粘度が500Ps
以下のものである態様に好適に具体化することができ
る。
説明する。本発明の樹脂充填用ガラスフィラーは、屈折
率nDが1.465〜1.515の範囲の値である合成
樹脂、例えば、アクリル樹脂あるいはポリプロピレン樹
脂のフィラーとして用いられるためにガラスフィラーで
あって、フッ素分を好ましくは0.3〜7%含み、1.
465〜1.515の範囲内の屈折率nDを備えたガラ
スからなるものであり、好ましくは、ガラスと反応する
官能基を持つ有機物で表面処理されているガラス粒子か
らなるものである。
5μmの範囲に調整されているのが好ましい。平均粒径
5μm未満の場合には樹脂との接触面積が大きくなり過
ぎて耐熱水性が低下する傾向が見られるうえ、特殊な粉
砕機を要するなど好ましくない。また、35μmを超え
る場合は、樹脂との混練機の混練ブレードを損耗し易く
なり、金属不純物が混入するという不具合が生じる。こ
のような観点から、平均粒径は15〜25μmの範囲が
最適である。
あるガラスの化学組成としては、必須成分とするフッ素
分を好ましくは0.3〜7%含むものであるが、全体の
ガラス形成成分としては、SiO2 を55〜80%(重
量%、以下同様)、Al2 O 3 を0〜25%、B2 O3
を0〜10%、CaOを0〜20%、R2 O(K2 O、
Na2 OおよびLi2 Oの合量)を0〜3%含有し、か
つ上記のようにフッ素分を0.3〜7%含有し、その他
ZnOを0〜3%、Sb2 O3 を0〜3%、ZrO2 を
0〜5%含有するものである。
としたのは、55%未満では目的とする屈折率を得るた
めにB2 O3 分を増やさなければならなくなり、その結
果ガラスの耐熱水性等耐久性が劣化する、また80%超
えでは溶融温度が高くなり過ぎる、例えば1500℃に
おいて粘度が500Ps以下のガラス融液が得られない
ので実用的でない。
は、Al2 O3 はガラスの耐久性を向上させる成分であ
るから、ある程度含まれることが好ましいが、25%を
超えると溶融温度が高くなり、例えば1500℃におい
て粘度が500Ps以下のガラス融液が得られない。よ
り好ましい範囲は、10〜25%であり、さらに13〜
20%が特に好適である。
で67〜83%含むのが適当であり、83%を超えると
溶融温度が高くなり、例えば1500℃のガラスの粘度
が高く、溶融作業が困難となり、また67%未満では溶
融作業は容易となるが耐熱水性が劣化するので実用的で
ない。
B2 O3 分に有する溶融温度を低減するメリットと耐熱
水性を劣化させるデメリットのバランスから選択された
ものであり、本発明では上限を10%とするのがよく、
好ましくは上限を5%、さらに上限を1%とするのが特
に好適である。
aO分が溶融温度をかなり低減させるメリットと耐熱水
性を若干劣化させるデメリットのバランスから選択され
たものであり、本発明では、20%を超えると目的の屈
折率が得られなくなることから、上限を20%とし、好
ましい範囲は、10〜20%であり、さらに13〜18
%が特に好適である。
のアルカリ金属酸化物R2 Oの合量を3%以下としたの
は、R2 Oが溶融温度を大きく低減させるメリットと耐
熱水性を顕著に劣化させるデメリットを持つからであ
り、本発明では上限を3%とするのがよく、さらに上限
を1%とするのが特に好適である。
強力な溶融剤として機能するとともに、屈折率を低下さ
せる効用があることを見出して応用したところに特長が
あり、その好ましい含有量の範囲は0.3〜7%であ
る。含有量が0.3%未満では前記の溶融作用あるいは
屈折率への効果が得られない。また、7%を超過する
と、溶融時に融液から蒸発して外部に飛散する割合が大
きくなって効果的でないうえ、耐酸・アルカリ性の劣化
傾向が見られるのでその必要がない。そして、前記のB
2 O3 、CaO、R2 Oおよびフッ素は、その合量で1
3〜28%が適当であり、13%未満では溶融温度が上
昇して溶融作業が困難となり、28%を超えると顕著に
耐熱水性が劣化するので好ましくない。
〜3%、ZrO2 を0〜5%としたのは、これら成分の
適量の存在は耐熱水性、屈折率、溶融温度のバランスを
調節するなどガラスを安定にする効果が認められるもの
の、所定量を超過すると、屈折率が目標値から外れた
り、ガラスが乳白化して透明性のある複合材が得られに
くくなるからその合量の上限は5%が好ましい。
製作するに際しては、混合原料を高温度で溶融し、ガラ
ス融液を形成した段階で、溶融炉外に流出させる必要が
あることから、溶融温度は低く、ガラス融液の粘度も低
い方が好ましい。従って、実用されているガラス溶融炉
の長期使用温度またはガラス融液の取扱の難易の観点か
ら、少なくとも1500℃において、500Ps以下の
粘度を持っているガラスであるのが好適である。なお、
このような高温度でのガラスの粘度は、対象ガラスを所
定の温度で溶融状態に維持しながら白金球を通過させる
ときの流動抵抗を測定する、いわゆる白金球引き上げ法
により測定することができる。
有量にて含むものであるが、本発明の作用、効果を損な
わない範囲で上記以外の金属酸化物を含み得るものであ
り、例えば、Ti、Ba、S、Fe、Mo、Mn、C
r、Ni、Co、Cuなどの着色顔料または不可避的不
純物がそれに該当するのである。
基を持つ有機物で表面処理されている態様に具体化する
ことができるが、そのような有機物として、テトラメト
キシシラン、メチルトリメトキシシランなどのアルコキ
シシラン類、あるいはテトライソプロキシチタン、テト
ライソプロポキシ亜鉛等の金属アルコキシド類、また
は、ガラスと樹脂の双方に対して反応する官能基を持っ
た有機物、例えば、ガンマ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシランのようなシランカップリング剤と総称さ
れる有機物が適当であり、それらの1種を、またはそれ
ら複数種類を混合あるいは層状に付着させ表面処理する
のが適当である。
較例に基づいて本発明を詳細に説明する。
れるよう、珪砂、水酸化アルミニウム、硼酸、石灰、亜
鉛華、酸化アンチモン、ジルコニア、フッ化アルミニウ
ムまたはフッ化カルシウムなどを原料として配合し、1
500℃の溶融炉で溶融し、冷却した後、体積平均径で
10μmになるよう粉砕した。比較例についても同様で
ある。なお、これらのガラスの屈折率、および1500
℃における粘度について、通常の方法で測定し、表1、
2の屈折率(nD)、粘度(Ps)の欄に記載した。
対して、1重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランにより表面処理してガラスフィラーとし
た。ついで、これらガラスフィラー200gとアクリル
シラップ100g、硬化剤1gを混練し、真空下で脱泡
してコンパウンドを得た。このコンパウンド200g
を、鏡面仕上げしたステンレス板と厚さ10mmのポリ
ウレタンフォームテープから製作された120×120
×10mmの内容積を持つ注入型に流し込み、鉄板で蓋
をして0.05N/cm2 の加圧下で50℃2時間硬化
させ、さらに圧力0.3N/cm2 温度80℃で2時間
硬化を続けた。
クリル樹脂との複合材について、80℃の加熱水に10
00時間浸漬して白く変色するかどうかの白化の程度を
目視で比較し、その結果を表1、2に示した。また、表
1、2の透明性については、エチルアルコールとケイ皮
酸エチルを混合し、屈折率nDを1.49、1.50、
1.51になるよう調整した基準屈折率混合液100重
量部に前記ガラス粉末10重量部を分散させ、その混濁
程度をもって示してある。
ば、実施例1〜9では、耐熱水性に優れており、ガラス
の屈折率が1.465〜1.515の範囲内の値を持つ
ものであるから、1.49、1.50、1.51に屈折
率nDを調整した分散媒体において良好な透明性が得ら
れることが分かる。また、この実施例においては、15
00℃における粘度はいずれも500Ps以下であっ
て、好ましい溶融状態を示すので、実用的にガラスを製
作することができるのである。
が高すぎて1500℃の溶融温度ではガラスが得られな
い。比較例12、13、17はB2 O3 が多量であり、
比較例17はさらにアルカリ分も多いため、透明性は適
当であるが耐熱水性が著しく劣ることが分かる。比較例
15は屈折率が高すぎて透明性に問題があり、また、比
較例16は白濁化しており同様に透明性が劣るものであ
る。
以上に説明したように構成されているので、耐久性の高
いアクリル樹脂などに分散、充填することにより、優れ
た大理石調の透明性、質感が得られるとともに、良好な
耐熱水性を備えた樹脂−ガラス複合材が得られる。ま
た、本発明の樹脂充填用ガラスフィラー用ガラスは比較
的低い温度で製造できるので、製造コストを抑えること
ができるという優れた効果がある。よって本発明は従来
の問題点を解消した樹脂充填用ガラスフィラーとして、
その工業的価値は極めて大なるものがある。
Claims (2)
- 【請求項1】 フッ素分を含み、1.465〜1.51
5の範囲内の屈折率nDを備え、ガラスと反応する官能
基を持つ有機物で表面処理されているガラス粒子からな
ることを特徴とする樹脂充填用ガラスフィラー。 - 【請求項2】前記ガラス粒子が、平均粒径5〜35μm
の粒子からなり、化学組成において、SiO2 を55〜
80%(重量%、以下同様)、Al2 O3 を0〜25%
含むとともに、そのSiO2 とAl2 O3 の合量を67
〜83%の範囲内とし、B2 O3 を0〜10%、CaO
を0〜20%、R2 Oを0〜3%(Rはアルカリ金属を
表す)、フッ素を0.3〜7%含むとともに、そのB2
O3 、CaO、R2 O、フッ素の合量を13〜28%の
範囲内とし、ZnOを0〜3%、Sb2 O3 を0〜3
%、ZrOを0〜5%含むとともに、そのZnO、Sb
2 O 3 、ZrO2 の合量を0〜5%の範囲内とするガラ
スであって、1500℃における溶融時の粘度が500
Ps以下のものである請求項1に記載の樹脂充填用ガラ
スフィラー。
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---|---|---|---|
JP2537397A JP3979546B2 (ja) | 1997-02-07 | 1997-02-07 | 樹脂充填用ガラスフィラー |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10219028A true JPH10219028A (ja) | 1998-08-18 |
JP3979546B2 JP3979546B2 (ja) | 2007-09-19 |
Family
ID=12164048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2537397A Expired - Fee Related JP3979546B2 (ja) | 1997-02-07 | 1997-02-07 | 樹脂充填用ガラスフィラー |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3979546B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104031460A (zh) * | 2014-06-27 | 2014-09-10 | 威远县大禾陶瓷原料有限公司 | 透明漆用无机材料填料及其制备方法 |
JP2016215379A (ja) * | 2015-05-14 | 2016-12-22 | 株式会社トッパン・コスモ | 化粧シート |
-
1997
- 1997-02-07 JP JP2537397A patent/JP3979546B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104031460B (zh) * | 2014-06-27 | 2015-07-22 | 威远县大禾陶瓷原料有限公司 | 透明漆用无机材料填料及其制备方法 |
JP2016215379A (ja) * | 2015-05-14 | 2016-12-22 | 株式会社トッパン・コスモ | 化粧シート |
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