JPH10218722A - 歯科用印象材 - Google Patents

歯科用印象材

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JPH10218722A
JPH10218722A JP9036891A JP3689197A JPH10218722A JP H10218722 A JPH10218722 A JP H10218722A JP 9036891 A JP9036891 A JP 9036891A JP 3689197 A JP3689197 A JP 3689197A JP H10218722 A JPH10218722 A JP H10218722A
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JP
Japan
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alginate
chitin
powder
dental impression
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JP9036891A
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English (en)
Inventor
Shinji Horie
真司 堀江
Kenji Mizuno
憲二 水野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】人体への影響が極めて少なく抗菌性に優れ、歯
科印象時において感染症の伝染を防止することの出来る
新規は歯科用印象材を提供する。 【解決手段】キトサン或いはキチンを含有してなる歯科
用印象材であり、好ましくは、そのキトサン或いはキチ
ンの含有量が、歯科用印象材用の固体成分100重量部
に対し、0.01〜10重量部である歯科用アルギン酸
塩印象材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯科用印象材に関す
るものである。詳しくは本発明は、感染症に対する抗菌
性を有する歯科用印象材に関するものである。
【0002】
【従来技術】歯科用印象材に殺菌剤、抗菌剤あるいは消
毒剤等の殺生物成分を加えて、歯科印象時における感染
症の伝染を防止することは公知である。例えば、特開昭
64−40410号公報には殺菌剤としてフェノール誘
導体、ハロゲン化フェノール誘導体、フェニルフェノー
ルもしくはその塩を含有させたアルジネート印象材が記
載され、また特開平1−100110号公報には、グル
タルアルデヒド、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素
水、グルコン酸クロルヘキシジン、ポピドンヨード、塩
化ベンザルコニウム等の消毒剤を含有させたアルギン酸
印象材が記載されている。更に、特開平4−27020
7号公報には、アクロモペプチターゼ、N−アセチルム
ラミダーゼ、リゾペプターゼ、リゾチーム等の細菌溶解
酵素を含有させたアルギン酸塩印象材も提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記で
使用されている殺菌剤、抗菌剤あるいは消毒剤等は、医
療施設や食品施設での環境殺菌剤として実際に使用され
ているものであるが、その殆どは化学的に合成して得ら
れるものであるので、場合によっては、人体に対しても
ある程度の作用を示し、化学品に対し敏感な皮膚の弱い
人や、アレルギー体質の人には、かぶれ等の悪影響を与
える恐れがある。また、酵素は人体に対する作用が殆ど
無いが、細菌等の微生物に対する作用は特異的であるの
で必ずしも充分とはいえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、印象材に
使用するための人体に対する影響が少なく安全な殺菌剤
や抗菌剤について種々検討した結果、天然のカニ、エ
ビ、シャコの殻からとれるキチン質から得られるキチン
及びキトサンが、人体への作用が殆ど無く、細菌等微生
物にのみ作用する事を見出し、この知見に基づいて本発
明を達成した。即ち、本発明は、人体への影響が極めて
少なく抗菌性に優れ、歯科印象時において感染症の伝染
を防止し、また、印象材への微生物の混入による不快な
臭気の発生を防止することの出来る新規は歯科用印象材
を提供するものであり、その要旨は、キトサン或いはキ
チンを含有してなる歯科用印象材であり、好ましくは、
そのキトサン或いはキチンの含有量が、歯科用印象材用
の固体成分100重量部に対し、0.01〜10重量部
である歯科用アルギン酸塩印象材に存する。
【0005】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される歯科用印象材は、一般に使用される
ものであれば特に制限されず、具体的には、アルギン酸
塩印象材、寒天印象材、及びラバー系印象材例えばシリ
コーン系印象材等が挙げられるが、なかでも好ましい印
象材はアルギン酸塩印象材である。歯科用アルギン酸塩
印象材は、通常アルギン酸塩、ゲル化反応剤、ゲル化調
節剤、充填剤、他の添加剤などを含有するものであり、
これらの各成分は特に限定されるものではなく、公知の
ものを適宜選択することが出来る。
【0006】例えば、アルギン酸塩としては特に限定さ
れるものではなく、アルギン酸のナトリウム、カリウ
ム、アンモニウムまたはトリエタノールアミン等の水溶
性の塩が挙げられる。これらは通常固体粉末で得られ、
その使用量としては印象材の粉末換算として3〜30重
量%、好ましくは5〜25重量%である。ゲル化反応剤
(固化剤)としては、例えば硫酸カルシウム2水塩、硫
酸カルシウム半水塩、硫酸カルシウム無水塩等の硫酸カ
ルシウムが挙げられる。これらは、通常微粉末で使用さ
れ、使用量としては印象材粉末換算として3〜40重量
%、好ましくは5〜30重量%である。
【0007】ゲル化調節剤(遅延剤)としては、ナトリ
ウム、カリウム等のアルカリ金属の第3リン酸塩、ピロ
リン酸塩、トリポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩等の
リン酸塩、珪酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩等が挙げられ
る。これらは通常微粉末で使用され、使用量としては印
象材粉末換算として0.1〜5重量%、好ましくは0.
2〜4重量%である。
【0008】充填材としては珪藻土、タルク、シリカ、
炭酸カルシウム、マイカ等が挙げられるが、好ましくは
珪藻土であり、通常微粉末であるが、円盤状と桿状の珪
藻土を組み合わせたものが好ましい。充填材の使用量
は、印象材粉末換算として30〜85重量%、好ましく
は40〜70重量%である。また、充填材として、珪藻
土とその他の充填材とを併用する場合には、珪素土以外
の充填材の使用量を、充填材全量の30重量%以下とす
るのが好ましい。
【0009】更に、本発明の印象材には上記成分以外に
も、例えば模型石膏との相性の改良剤としてヘキサフル
オロチタン酸ナトリウム、ヘキサフルオロジルコン酸カ
リウム等のフッ化物やケイフッ化物を配合することもで
きるし、界面活性剤、エチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、流動パラフ
ィン等の粉塵防止剤、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水
酸化アルミニウム等の金属酸化物、金属水酸化物、着色
剤、香料等の添加剤を必要に応じ配合することができ
る。これら添加剤の使用量は、印象材粉末換算として改
良剤及び粉塵防止剤では、各々通常0〜10重量%、好
ましくは0.5〜8重量%である。
【0010】本発明の印象材に使用されるキトサン及び
キチンは公知のものが使用でき、特に限定されるもので
はないが、好ましくは粉末状のものが使用される。キト
サン及びキチンのアルギン酸塩等に対する分散性の観点
から、その粒子の粒径は通常500μm以下、好ましく
は400μm以下、更に好ましくは150μm以下であ
る。このキトサン及びキチンの使用量は、印象材粉末換
算として、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.
1〜7重量%である。キトサン及びキチンは、アルギン
酸塩印象材等の印象材に抗菌性を付与するだけでなく、
その成分であるアルギン酸塩に対し分散性が良く、しか
も印象材の本来の目的である精密印象を採得するための
基本物性への影響も小さいので非常に有利である。
【0011】本発明の印象材の製造方法については特に
限定されずに公知の方法から適宜選択して使用すること
ができ、全ての原料成分を同時に混合機に投入、混合し
てもよいし、目的に応じて分割混合を実施することも出
来る。また、市販の歯科用アルギン酸塩印象材の如き市
販の印象材を適宜選び、これにキチン或いはキトサンを
混合しても良い。例えば、アルギン酸塩印象材では、ア
ルギン酸を、水と混合する前の粉末状態でキトサン及び
キチンの粉末と均一に混合し、その後で水を添加すれば
キトサン及びキチンをより均一に分散させることができ
る。
【0012】本発明印象材の具体的な使用の形態は、歯
科用印象材としての形態と同様で粉末あるいはペースト
状が一般的である。
【0013】本発明の印象材は、広い範囲の殺菌活性を
示し、例えば歯周病に関連性を有すると言われている病
原菌、Eikenella corrodenns(エイケネラ コロテ゛ンス)、Prev
otella mellaninogenica(和名:メラニノシ゛ェニカス菌(フ゜レホ゛
テラ メラニノシ゛ェニカ))、Fusobacteriumu nucleatum(和
名:紡錘菌、(フソ゛ハ゛クテリウム ヌクレアタム))、Peptostrepto
coccus micros(ヘ゜フ゜トストレフ゜トコッカス ミクロス)、Prevotella
intermedia(フ゜レホ゛テラ インターメテ゛ィア)、Porphyromonas gi
ngivalis(和名:シ゛ンシ゛ハ゛リス菌(ホ゜ルフィロモナス シ゛ンシ゛ハ゛リ
ス)、Peptostreptococcus anaerobius(ヘ゜フ゜トストレフ゜トコッカ
ス アナエロヒ゛ウス)、Capnocytophaga species(カフ゜ノサイトファカ゛
スヒ゜ーシース゛)、Streptococcus inntermedius(和名:アンキ゛
ノーサス菌(ストレフ゜トコッカス インターメテ゛ィウス)、Streptococcus con
stellatus(和名:アンキ゛ノーサス菌(ストレフ゜トコッカス コンステラータス)
等に対し殺菌活性があるので、印象時の感染を防止する
のに有効である。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限りこれらに限定され
るものではない。
【0015】実施例1 (菌液の調製)歯周病と深く係わりがあるといわれてい
る下記の4菌種(臨床分離株)を用い、各菌種を107
CFU/mlとなるよう菌液を調製した。 (菌種) Eikenella corrodenns(エイケネラ コロテ゛ンス) Prevotella mellaninogenica(和名:メラニノシ゛ェニカス
菌(フ゜レホ゛テラ メラニノシ゛ェニカ) Fusobacteriumu nucleatum(和名:紡錘菌、(フソ゛
ハ゛クテリウム ヌクレアタム) Peptostreptococcus micros(ヘ゜フ゜トストレフ゜トコッカス ミ
クロス)
【0016】(印象材の調製及び抗菌試験)市販のアル
ギン酸塩印象材(商品名:アルフレックス(製造元:三
菱化学(株))サンプル8gを、練和用ラバーボールに
秤採り、市販のキトサン(商品名:キミツキトサン−F
(君津化学工業(株)))を、印象材100重量部に対
し、添加しない(比較例)、0.1重量部、0.5重量
部、1重量部の割合で添加した各サンプルを作製した。
次に、先に調製した4種の菌入りの水を各々の印象材サ
ンプルに、20cc加え、速やかにヘラで30秒間かき
混ぜ、練和し、素早く印象材を直径約2.5cm×約1
cmの円筒状にした。
【0017】作製した円筒状印象材を、経時的(0分、
15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、8
時間)に生菌数測定用の適当な培地に付着させて培養
し、希釈平板培養法により生菌数を測定した。その結果
から、下式により生菌減少率(%)を算出し、表−1に
示したが、印象材に含有されているキトサンの濃度が高
い程、生菌数が減少することが明らかである。
【0018】
【数1】 生菌減少率(%)=[(A−B)/A]×100 A:(経時前の生菌数) B:(経時後の生菌数)
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明の印象材は、一般的に使用されて
いる歯科用印象材に、天然物由来の安全な物質を加えて
調製され、優れた抗菌性を示すので極めて有用である。
また、従来の消毒剤等の殺菌効果が即効性であるのに比
べ、本発明の印象材は、その効果は持続性を有するの
で、印象採得時から石膏模型の採得時にいたる比較的長
い時間効果を発揮することが期待される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キトサン或いはキチンを含有してなる歯科
    用印象材。
  2. 【請求項2】キトサン或いはキチンの含有量は、歯科用
    印象材の固体成分100重量部に対し、0.01〜10
    重量部であることを特徴とする請求項1記載の歯科用印
    象材。
  3. 【請求項3】歯科用印象材がアルギン酸塩印象材である
    請求項1又は2のいずれかに記載の歯科用印象材。
JP9036891A 1997-02-06 1997-02-06 歯科用印象材 Pending JPH10218722A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002020654A (ja) * 2000-07-10 2002-01-23 Home Depot Kk 調湿材料
KR100497220B1 (ko) * 2002-07-09 2005-06-23 김철위 다기능형 치과용 알지네이트 인상재
JP2006273720A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Gc Corp ペースト状歯科用アルギン酸塩印象材組成物

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