JPH10218696A - 多成分系セラミックス材料およびペロブスカイト型pzt結晶 - Google Patents

多成分系セラミックス材料およびペロブスカイト型pzt結晶

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JPH10218696A
JPH10218696A JP9021848A JP2184897A JPH10218696A JP H10218696 A JPH10218696 A JP H10218696A JP 9021848 A JP9021848 A JP 9021848A JP 2184897 A JP2184897 A JP 2184897A JP H10218696 A JPH10218696 A JP H10218696A
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JP
Japan
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crystal
pzt
ceramic material
perovskite
isotope
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JP9021848A
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Hiroshi Aoyama
拓 青山
Satoru Miyashita
悟 宮下
Tadaaki Kuno
忠昭 久野
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術による同位体制御セラミックス材料
では、構造材としての性質、つまり材料の硬度が異なる
点にのみしか言及しておらず、誘電率、その他の電気機
械的性質等に与える同位体効果については検討されてい
ないのが課題であった。 【解決手段】 多成分系セラミックス材料の構成元素の
うち、少なくとも1元素については、該元素の安定同位
体のうち特定の質量数をもつ同位体が90パーセント以
上含有されることとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶セラミック
ス材料で、その発現機能を最大限引き出すべく組成制
御、とりわけ構成元素の同位体比制御がなされた多結晶
セラミックス材料に関わる。
【0002】
【従来の技術】セラミックス材料の有する機能性を最大
限に発揮させるためには、その組成制御や不純物制御が
必要であることは言うまでもないことである。一般にこ
こでいう組成制御とは、着目しているセラミックス材料
を構成する成分の存在割合を意味し、その最小単位は元
素である。ところで、近年、材料の物性や発現機能はこ
れらの元素を更に同位体レベルの組成の違いで、制御で
きることが明らかに成りつつある。例えば、特開平05
−194089に示されているように、ダイヤモンドを
構成する炭素同位体比を制御し、質量数が13であるC
-13のみからなる人工的に製造されたダイヤモンドは、
天然に存在するC-12を同位体主成分とするものと比べ
硬度や熱伝導率が異なる。これはセラミックスではなく
単一元素からなる結晶例、即ち単結晶であるが、多成分
系セラミックスに関するものでは、例えば、特開昭02
−160670に示されたものがある。これは対象材料
としてはホウ素系セラミックスに限定されたもので、ホ
ウ素同位体比の制御でやはり材料硬度を改善しようとい
うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術による同位体制御セラミックス材料では、構造
材としての性質、つまり材料の硬度が異なる点にのみし
か言及してない。即ち、対象としている材料、とりわけ
セラミックスにおける他の性質(熱(電気)伝導、誘電
率、その他の電気機械的性質等)に与える同位体効果に
ついては、全く検討されていないという問題点があっ
た。このような同位体効果について鋭意研究を行ったと
ころ、多成分系セラミックスにおいて、その同位体含有
率を制御すると、それまでの天然同位体比で構成された
ものに比べ、いろいろな性質が大きく異なるといった現
象が見いだされのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の多成分系セラミ
ックス材料は、その構成元素のうち、少なくとも1元素
については、該元素の安定同位体のうち特定の質量数を
もつ同位体が90パーセント以上含有されることを特徴
とする。また本発明の多成分系セラミックス材料は、任
意の元素A、B及び酸素(O)から成り、一般式ABO
3で表される多成分系セラミックス材料において、A、
B、及びOのそれぞれが、単一の安定同位体を90パー
セント以上含有していることを特徴とする。また本発明
のペロブスカイト型チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)結
晶は、構成元素である鉛(Pb)、ジルコニウム(Z
r)、チタン(Ti)、及び酸素(O)の全ての元素に
対して、それぞれの元素が単一の安定同位体を90パー
セント以上含有することを特徴とする。また本発明のP
ZT結晶は、前記記載のPZT結晶において、マグネシ
ウム(Mg)、ニオブ(Nb)の両方若しくはいずれか
一方を添加し、該PZT結晶のTi(Zr)サイト置換
してなる結晶構造であることを特徴とする。また本発明
のPZT結晶は、前記記載のPZT結晶において、前記
Mg、Nbそれぞれの元素について単一の安定同位体を
90パーセント以上含有することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を実施例に
て説明する。
【0006】(実施例1)シリコンウエハー(直径4イ
ンチ、厚み250ミクロン)上にスパッタによりPtを
厚み0.2ミクロン形成させたものを用意し、これを後
に使用する基板とした。次に、異なる同位体比に制御さ
れたPb及びTiに対して、これらを所定濃度含有する
ゾル溶液を調整した。このゾル溶液を先に用意した基板
上にスピンコートし、180℃オーブンで10分間乾燥
後、400℃オーブンで30分間脱脂を行った。さらに
電気炉内で大気中450℃で30分間焼成を行い結晶化
した。基板上に得られた膜状のチタン酸鉛、PbTiO
3(PT)の厚みを測定したところ、膜厚は1ミクロン
であった。X線回折により結晶性を調べたところ、ペロ
ブスカイト型結晶であることが判明した。
【0007】PT薄膜の電気特性を評価するため、得ら
れたPT薄膜の上部に0.1ミクロンのPt電極をスパ
ッタにより形成した。
【0008】表1には、今回作製した同位体比の異なる
試料に対して得られた特性評価結果を示す。
【0009】これより、セラミックス(PT)を構成す
る元素の同位体比で、特性が大きく異なることが明かと
なった。PTは圧電体であり、その特性を示す圧電定数
(d31)が大きな値をとることが必要とされる。表1よ
り、Pb及びTiの両者がそれぞれの同位体比におい
て、単一同位体比が90パーセント以上(酸素(O)は
天然同位体比でO-16が99.76パーセント)のと
き、d31の値が大きく、PTの圧電体としての性質が優
れていることが明かとなった。
【0010】
【表1】
【0011】(実施例2)シリコンウエハー(直径4イ
ンチ、厚み250ミクロン)上にスパッタによりPtを
厚み0.2ミクロン形成させたものを用意し、これを後
に使用する基板とした。次に、異なる同位体比に制御さ
れたPb、Ti及びZrに対して、これらを所定濃度含
有するゾル溶液を調整した。このゾル溶液を先に用意し
た基板上にスピンコートし、180℃オーブンで10分
間乾燥後、400℃オーブンで30分間脱脂を行った。
さらに電気炉内で大気中500℃で30分間焼成を行い
結晶化した。基板上に得られた膜状のチタン酸ジルコン
酸鉛、Pb(ZrxTi(1-x))O3(PZT)の厚みを
測定したところ、膜厚は1ミクロンであった。X線回折
により結晶性を調べたところ、ペロブスカイト型結晶で
あることが判明した。
【0012】PZT薄膜の電気特性を評価するため、得
られたPZT薄膜の上部に0.1ミクロンのPt電極を
スパッタにより形成した。
【0013】表2には、今回作製した同位体比の異なる
試料に対して得られた特性評価結果を示す。
【0014】これより、セラミックス(PZT)を構成
する元素の同位体比で、特性が大きく異なることが明か
となった。PZTは圧電体であり、その特性を示す圧電
定数(d31)が大きな値をとることが必要とされる。表
2より、Pb、TiおよびZrの全てがそれぞれの同位
体比において、単一同位体比が90パーセント以上(酸
素(O)は天然同位体比でO-16が99.76パーセン
ト)のとき、d31の値が大きく、PZTの圧電体として
の性質が優れていることが明かとなった。
【0015】
【表2】
【0016】(実施例3)シリコンウエハー(直径4イ
ンチ、厚み250ミクロン)上にスパッタによりPtを
厚み0.2ミクロン形成させたものを用意し、これを後
に使用する基板とした。次に、異なる同位体比に制御さ
れたPb、Ti及びZrに対して、これらを所定濃度含
有する溶液を調整し、更に所定量のMg、Nb(Nb/
Mg=2、モル比)を添加しゾル溶液とした。このゾル
溶液を先に用意した基板上にスピンコートし、180℃
オーブンで10分間乾燥後、400℃オーブンで30分
間脱脂を行った。さらに電気炉内で大気中550℃で3
0分間焼成を行い結晶化した。基板上に得られた膜状の
三成分系セラミックス、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-P
bZrO3-PbTiO3(PMN:PZ:PT=10:
50:40、モル比)の厚みを測定したところ、膜厚は
1ミクロンであった。X線回折により結晶性を調べたと
ころ、ペロブスカイト型結晶であることが判明した。
【0017】このPMN-PZ-PT薄膜の電気特性を評
価するため、得られた薄膜の上部に0.1ミクロンのP
t電極をスパッタにより形成した。
【0018】表3には、今回作製した同位体比の異なる
試料に対して得られた特性評価結果を示す。
【0019】これより、セラミックスを構成する元素の
同位体比で、特性が大きく異なることが明かとなった。
本実施例で作製したセラミックスは圧電体であり、その
特性を示す圧電定数(d31)が大きな値をとることが必
要とされる。表3より、Pb、TiおよびZrの全てが
それぞれの同位体比において、単一同位体比が90パー
セント以上(酸素(O)は天然同位体比でO-16が9
9.76パーセント)のとき、d31の値が大きく、従っ
て圧電体としての性質が優れていることが明かとなっ
た。
【0020】
【表3】
【0021】(実施例4)シリコンウエハー(直径4イ
ンチ、厚み250ミクロン)上にスパッタによりPtを
厚み0.2ミクロン形成させたものを用意し、これを後
に使用する基板とした。次に、異なる同位体比に制御さ
れたPb、Ti、Zr、Mg及びNbに対して、これら
を所定濃度含有するゾル溶液を調整した。このゾル溶液
を先に用意した基板上にスピンコートし、180℃オー
ブンで10分間乾燥後、400℃オーブンで30分間脱
脂を行った。さらに電気炉内で大気中550℃で30分
間焼成を行い結晶化した。基板上に得られた膜状の三成
分系セラミックス、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbZ
rO3-PbTiO3(PMN:PZ:PT=10:5
0:40、モル比)の厚みを測定したところ、膜厚は1
ミクロンであった。X線回折により結晶性を調べたとこ
ろ、ペロブスカイト型結晶であることが判明した。この
PMN-PZ-PT薄膜の電気特性を評価するため、得ら
れた薄膜の上部に0.1ミクロンのPt電極をスパッタ
により形成した。
【0022】表4には、今回作製した同位体比の異なる
試料に対して得られた特性評価結果を示す。
【0023】これより、セラミックスを構成する元素の
同位体比で、特性が大きく異なることが明かとなった。
本実施例で作製したセラミックスは圧電体であり、その
特性を示す圧電定数(d31)が大きな値をとることが必
要とされる。表4より、Pb、Ti、Zr、Mg及びN
bの全てがそれぞれの同位体比において、単一同位体比
が90パーセント以上(酸素(O)は天然同位体比でO
-16が99.76パーセント)のとき、d31の値が大き
く、従って圧電体としての性質が優れていることが明か
となった。
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、多成
分系セラミックスの構成元素の同位体比を制御すること
によって、これまでの天然同位体比とは性質の異なるセ
ラミックスが得られることが明かとなった。PZTをは
じめとする多成分セラミックス系圧電材料の構成元素の
同位体比を制御し、特に各構成元素の同位体に占める特
定の同位体比を著しく大きくした場合、圧電特性を大幅
に向上させることが可能となった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多成分系セラミックス材料において、そ
    の構成元素のうち、少なくとも1元素については、該元
    素の安定同位体のうち特定の質量数をもつ同位体が90
    パーセント以上含有されることを特徴とする多成分系セ
    ラミックス材料。
  2. 【請求項2】 任意の元素A、B及び酸素(O)から成
    り、一般式ABO3で表される多成分系セラミックス材
    料において、A、B、及びOのそれぞれが、単一の安定
    同位体を90パーセント以上含有していることを特徴と
    する多成分系セラミックス材料。
  3. 【請求項3】 ペロブスカイト型チタン酸ジルコン酸鉛
    (PZT)結晶において、構成元素である鉛(Pb)、
    ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、及び酸素
    (O)の全ての元素に対して、それぞれの元素が単一の
    安定同位体を90パーセント以上含有することを特徴と
    するペロブスカイト型PZT結晶。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のペロブスカイト型PZT
    結晶において、マグネシウム(Mg)、ニオブ(Nb)
    の両方若しくはいずれか一方を添加し、該PZT結晶の
    Ti(Zr)サイト置換してなる結晶構造であることを
    特徴とするペロブスカイト型PZT結晶。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のペロブスカイト型PZT
    結晶において、前記Mg、Nbそれぞれの元素について
    単一の安定同位体を90パーセント以上含有することを
    特徴とするペロブスカイト型PZT結晶。
JP9021848A 1997-02-04 1997-02-04 多成分系セラミックス材料およびペロブスカイト型pzt結晶 Withdrawn JPH10218696A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004051761A3 (en) * 2002-12-02 2004-11-25 Inst Scient Res Inc Isotopically enriched piezoelectric devices and method for making the same

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WO2004051761A3 (en) * 2002-12-02 2004-11-25 Inst Scient Res Inc Isotopically enriched piezoelectric devices and method for making the same

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