JPH10217450A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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Publication number
JPH10217450A
JPH10217450A JP2551197A JP2551197A JPH10217450A JP H10217450 A JPH10217450 A JP H10217450A JP 2551197 A JP2551197 A JP 2551197A JP 2551197 A JP2551197 A JP 2551197A JP H10217450 A JPH10217450 A JP H10217450A
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JP
Japan
Prior art keywords
ink
piezoelectric element
ink jet
head
diameter
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Application number
JP2551197A
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English (en)
Inventor
Nan Touno
楠 東野
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より多階調の画像を記録することのできるイ
ンクジェット記録ヘッドを提供する。 【解決手段】 圧電素子102の厚みd方向の歪みによ
ってインク106が加圧される際には、インクインレッ
ト104からインク106が矢印D1方向とは逆の向き
に流れることは妨げられており、ノズルを有する面と対
向する面107を起点として、矢印D1方向に圧力波が
伝播する。この圧力波の伝播は、インク加圧後のインク
滴のノズルからの飛翔に影響を与える。本インクジェッ
トヘッドの圧電素子102では、この圧力波による影響
を考慮し、圧電素子の長さをLとして、L≧6・dとな
るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録ヘッドに関し、特に、圧電素子を用いてインク滴を飛
翔させることにより画像を記録するインクジェット記録
ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェットプリンタのプ
リンタヘッドに圧電素子を用いたものがある。このよう
なプリンタヘッドでは、電圧の印加によって駆動される
圧電素子の歪みによって、所定の閉じた空間(インクチ
ャンネル)内のインクが加圧される。加圧されたインク
は、所定の閉じた空間に設けられたノズルよりインクド
ロップとなって記録シートに向かって飛翔する。
【0003】このようにしてインク滴を吐出するプリン
タヘッドでは、d33モード(圧電素子に印加される電
圧の方向と圧電素子の歪みの方向とが一致する)で駆動
される、矩形状の圧電素子を用いるものが知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のプリンタヘッドでは、プリンタヘッドから吐出される
インク滴の径の大きさの幅には限度があり、画像品質を
高めるために十分な階調を得ることは困難である。特
に、インクジェットプリンタのプリンタヘッドにおい
て、小径のインク滴を得ることには、非常な困難を伴
う。
【0005】本発明は、これらのような問題点を解決す
るためになされたもので、その目的は、より多階調の画
像を記録することのできるインクジェット記録ヘッドを
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、電圧印加方向および圧電素子の歪みの方向が一致す
る矩形状の圧電素子と、圧電素子に沿って対向するイン
ク収容部と、インク収容部の端部に位置するインク吐出
口とを備えたインクジェット記録ヘッドである。
【0007】本インクジェット記録ヘッドでは、圧電素
子の長辺の長さをL、圧電素子の共振周期をTr、イン
ク収容部内のインクの圧力波の伝播速度をcとしたと
き、L≧2・Tr・cの関係を満たすことを特徴として
いる。
【0008】請求項1に記載の発明によると、L≧2・
Tr・cの関係が満たされ、圧電素子の歪みに伴う圧力
波の伝播がノズルからのインク滴の飛翔に与える影響を
抑えることができるので、ノズルから、より小径のイン
ク滴を安定させて飛翔させることができる。これによ
り、より多階調の画像を記録することができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、電圧印加方向お
よび圧電素子の歪みの方向が一致する矩形状の圧電素子
と、圧電素子に沿って対向するインク収容部と、このイ
ンク収容部の端部に位置するインク吐出口とを備えたイ
ンクジェット記録ヘッドである。
【0010】本インクジェット記録ヘッドでは、圧電素
子の長辺の長さをL、圧電素子の歪み方向の長さをdと
したとき、L≧6・dの関係を満たすことを特徴として
いる。
【0011】請求項2に記載の発明によると、L≧6・
dの関係が満たされ、圧力素子の歪みに伴う圧力波の伝
播がノズルからのインク滴の飛翔に与える影響を抑える
ことができるので、ノズルから、より小径のインク滴を
安定させて飛翔させることができる。これにより、より
多階調の画像を記録することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、まず、
本発明における実施の形態の1つであるインクジェット
ヘッドを有するインクジェットプリンタについて説明
し、次に、本発明に関わる圧電素子の形状について説明
する。
【0013】図1は、本発明における実施の形態の1つ
であるインクジェットヘッド3を有する、インクジェッ
トプリンタ1の概略構成を示す斜視図である。
【0014】インクジェットプリンタ1は、用紙やOH
Pシートなどの記録媒体である記録シート2と、インク
ジェット方式のプリンタヘッドであるインクジェットヘ
ッド3と、インクジェットヘッド3を保持するキャリッ
ジ4と、キャリッジ4を記録シート2の記録面に平行に
往復移動させるための揺動軸5、6と、キャリッジ4を
揺動軸5、6に沿って往復駆動させる駆動モータ7と、
駆動モータ7の回転をキャリッジの往復運動に変えるた
めのタイミングベルト9、アイドルプーリ8とを含んで
いる。
【0015】また、インクジェットプリンタ1は、記録
シート2を搬送経路にそって案内するガイド板を兼ねる
プラテン10と、プラテン10との間の記録シート2を
押さえ浮きを防止する紙押さえ板11と、記録シート2
を排出するための排出ローラ12、拍車ローラ13と、
記録シート2を手動で搬送するための紙送りノブ14
と、インクジェットヘッド3のノズル部周辺に付着した
インク等の不用物をワイピングするワイピング装置15
と、これらの不用物を吸引により除去する吸引キャップ
16を含んでいる。
【0016】記録シート2は、手差しあるいはカットシ
ートフィーダ等の給紙装置によって、インクジェットヘ
ッド3とプラテン10とが対向する記録部へ送り込まれ
る。この際、図示しない紙送りローラの回転量が制御さ
れ、記録部への搬送が制御される。
【0017】インクジェットヘッド3には、インクを飛
翔させるエネルギ源として圧電素子(PZT)が用いら
れる。圧電素子には電圧が印加され、歪みが生じる。こ
の歪みは、インクで満たされたチャンネルの容積を変化
させる。この容積の変化により、チャンネルに設けられ
たノズルからインクが吐出され、記録シート2への記録
が行なわれる。
【0018】キャリッジ4は、駆動モータ7、アイドル
プーリ8、タイミングベルト9により、記録シート2の
桁方向(記録シート2を横切る方向)に主走査し、キャ
リッジ4に取り付けられたインクジェットヘッド3は1
ライン分の画像を記録する。1ラインの記録が終わる毎
に、記録シート2は縦方向に送られ副走査され、次のラ
インが記録される。
【0019】記録シート2にはこのように画像が記録さ
れ、記録部を通過した記録シート2は、その搬送方向下
流側に配置された排出ローラ12とこれに圧接される拍
車ローラ13とによって排出される。
【0020】図2〜図4は、インクジェットヘッド3の
構成を説明するための図である。図2はインクジェット
ヘッド3を示す上面図であり、図3は図2のIII−I
II線断面図であり、図4は図3のIV−IV線断面図
である。これらの図における圧電素子315の形状につ
いてはさらに後に説明する。
【0021】インクジェットヘッド3は、大径ヘッド部
301と小径ヘッド部302とからなる。これら大径ヘ
ッド部301と小径ヘッド部302とは、ノズルプレー
ト303、隔壁304、振動板305、基板306とを
一体に重ねた構成となっている。複数のドット径のイン
ク滴のうち、大径ヘッド部301からは大きなドット径
のインク滴が吐出され、小径ヘッド部302からは小さ
なドット径のインク滴が吐出される。
【0022】ノズルプレート303は、金属またはセラ
ミックなどからなり、表面320には撥水コート層を有
する。隔壁304との対向面はNi電鋳またはフォトレ
ジスト等により微細加工され、大径ヘッド部301と小
径ヘッド部302とにはそれぞれインク24を収容する
複数のインクチャンネル308と、各インクチャンネル
308をインク供給室310に連結するインクインレッ
ト311が形成されている。
【0023】図3に示すように、大径ヘッド部301と
小径ヘッド部302とのインクチャンネル308は、大
径ヘッド部301と小径ヘッド部302とが対向する方
向に向かって伸びる長溝状にかつ平行に形成されてい
る。また、インク供給室310とインクチャンネル30
8とは中央線312をはさんで対称に形成されており、
図示しないインクタンクに接続されている。
【0024】隔壁304には、薄肉フィルムが使用され
ており、ノズルプレート303と振動板305との間に
固定されている。なお、隔壁304は所定の張力が加わ
った状態で固定される。
【0025】振動板305はPZT315を含んでい
る。振動板305の加工はまず基板306に絶縁接着剤
で固定され、その後ダイサー加工によりセパレート溝3
18、319が形成され分断されることにより行なわれ
る。また、この分断によって、各インクチャンネル30
8に対応するPZT315と、隣接するPZT315の
間に位置するPZT柱部316と、これらを囲む周囲壁
317とが分離される。
【0026】以上のような構成のインクジェットヘッド
3では、インクカートリッジに接続された図示しないイ
ンクタンクからインク供給室310にインク307が供
給される。インク供給室310のインク307は、イン
クインレット311を介して各インクチャンネル308
に分配される。
【0027】後述するドライバ56からはPZT315
の両端に設けられた共通電極と個別電極との間に、印字
信号である所定の電圧が印加され、PZT315は隔壁
304を押す方向に変形する。PZT315の変形は隔
壁304に伝えられ、これによりインクチャンネル30
8内のインク307が加圧され、ノズル309を介して
インク滴が記録シート2に向かって飛翔する。
【0028】本実施の形態では、大径および小径のノズ
ルを持つインクジェットヘッドについて説明している
が、ノズルの径は同じ大きさであってもよい。
【0029】図5は、インクジェットプリンタ1の制御
部の構成を示すブロック図である。メインコントローラ
51は、コンピュータ等からの画像データを受け取り、
画像データを1フレーム単位でバッファ用のフレームメ
モリ52に格納する。記録シート2への印字の際には、
メインコントローラ51は、モータドライバ54、55
を通じて、キャリッジ4の駆動モータ7と紙送りモータ
とを駆動制御する。
【0030】これらの駆動制御とともに、メインコント
ローラ51は、フレームメモリ52から読み出した画像
データをもとに、ドライバコントローラ53、ヘッドド
ライバ56とを介して、記録ヘッド3の大径ヘッド部3
01、小径ヘッド部302の圧電素子315を駆動す
る。
【0031】次に、上述のようなインクジェットプリン
タ1のインクジェットヘッド3の圧電素子315の形状
について以下で説明する。
【0032】図6は、圧電素子の変位によるインクの飛
翔を説明するための図である。インクチャンネル101
内のインク106はインクインレット104から供給さ
れ、圧電素子102のインクとの接触面108が駆動電
圧に応じて矢印D2方向に変位しインク106に圧力を
加えることにより、ノズル105からインク滴が飛翔す
る。このインク滴の飛翔は、基板103上の配線部から
圧電素子102へ伝えられる駆動電圧によって制御され
る。圧電素子102への駆動電圧はd33モードで圧電
素子の長辺の長さL方向に平行に印加され、圧電素子1
02に印加される電圧の方向と圧電素子の歪みの方向と
は圧電素子の厚みd方向に一致する。
【0033】圧電素子102によってインク106が加
圧される際には、インクインレット104からインク1
06が矢印D1方向とは逆の向きに流れることは妨げら
れており、ノズルを有する面と対向する面107を起点
として、矢印D1方向に圧力波が伝播する。この圧力波
の伝播は、インク加圧後のインク滴のノズルからの飛翔
に影響を与えるものと思われる。
【0034】図7は、圧電素子に印加される電圧による
圧電素子の変位を説明するための図である。
【0035】圧電素子102への駆動電圧は、所定の振
幅V0を時刻t1から時刻t3までの時間Tw継続させ
た、方形パルス電圧である。圧電素子102のインクと
の接触面108の変位は、この方形パルス電圧の立ち上
がり時刻t1に対し、時間ΔTp遅延して時刻t2で最
大変位x1に達する。
【0036】駆動電圧が振幅V0を継続している時間T
wの間、接触面108は振幅x0を中心として圧電素子
102の共振周期Trで振動する。その後、方形パルス
電圧の立ち下がり時刻t3に対し、接触面108は時間
ΔTp遅延して時刻t4に最小変位x2に達する。時刻
t4の後、接触面108は、振幅を減衰させつつ、圧電
素子102の共振周期Trで振動する。
【0037】ここで、圧電素子102のインクとの接触
面108が駆動電圧に応じて変位し始める時刻t1か
ら、接触面108が駆動電圧に応じて最小変位x2に達
する時刻t4までを、時間Tmとする。以下では、この
時間Tmを圧電素子立ち下がり終了時間とすることがあ
る。
【0038】当然のことながら、時間Tm(時刻t1か
ら時刻t4)の違いにより、圧電素子102によって飛
翔するインク滴の形状は変化することが推察される。こ
のインク滴を記録シート等へ付着させると付着後のイン
クはドットとなるが、時間Tmを変化させつつ、ドット
径、ドット面積を計測する実験を行なった。
【0039】図8、図9は、この実験結果である、時間
Tmに対するインクのドット径の変化を示す図である。
図8(a)、(b)はTmを変化させることによって得
たインクのドット径の実験結果を示し、図9(a)、
(b)はそれぞれ図8(a)、(b)の実験結果をグラ
フ化したものである。以下、図8(a)、図9(a)に
示される結果を得る実験を実験1とし、図8(b)、図
9(b)に示される結果を得る実験を実験2とする。
【0040】これらの実験においては、圧電素子は、一
層の厚み35μmで17層積層したものを用いた(厚み
d≒600[μm])。また、圧電素子のインピーダン
ス測定をすることにより圧電素子の共振周期Trを求め
たが、Tr=1.20[μm]であった。さらに、実験
1では、圧電素子の長さL=9[mm]、印加電圧の振
幅V0=15[V]であり、実験2では、圧電素子の長
さL=5[mm]、印加電圧の振幅V0=30[V]で
あった。
【0041】先述のようにノズルを有する面に対向する
面から発生する圧力波はインク滴の飛翔に影響を与える
ものと思われるが、この圧力波に対する条件をL/dで
代表させる。実験1においてはL/d=15、実験2に
おいてはL/d=8.3であった。また、圧力波のイン
ク中を伝播する速度c=1500[m/s]であり、圧
力波が、圧力波の発生面からノズルを有する面までの距
離である、圧電素子の接触面の長辺の長さLを横切るの
に必要な時間Tiは、実験1においてはTi=L/c=
0.009/1500=6[μs]、実験2においては
Ti=L/c=0.005/1500=3.3[μs]
であった。
【0042】このTiを考慮して実験結果である図9
(a)、(b)を参照すると、次のようなことがわか
る。時間Tmが圧力波の伝播時間であるTiより大きい
とき、ドット面積Sはほぼ一定となるが、TmをTiよ
り徐々に減少させて行くとドット面積Sはこれに従い減
少して行く。さらに、1/2Ti前後となるTmに対し
て、ドット面積Sは、Tiに対するドット面積Sの1/
2程となる。
【0043】上のような実験結果によって得られた、小
径のドットを吐出するための条件である第(1)式(以
下、数式については下記の[数1]を参照)と、圧力素
子の変位、インク滴の飛翔とを支配する関係とを用いる
ことによって、L≧6・d(圧電素子長辺の長さが歪み
方向の長さの6倍以上である)が得られることを以下に
示す。
【0044】図7を再び参照すると、第(2)式が成り
立つことがわかり、また、第(3)式が成り立つ必要が
あることがわかる。さらに、第(2)式、第(3)式よ
り、第(4)式が導かれる。
【0045】ところで、圧電素子の応答時間ΔTpと圧
電素子の共振周期Trには、第(5)式なる関係があ
り、圧電素子の応答時間ΔTpは、圧電素子の共振周期
の1/2に等しい。
【0046】また、片面を基板に貼り付けた圧電素子の
共振周期は、圧電素子の厚みに比例し、定数をkとして
第(6)式が成り立つ。第(5)式、第(6)式からT
rを消去すると、第(7)式を得る。したがって、第
(1)式、第(4)式より、小径のドットを吐出するた
めの条件は第(8)式が成り立つことであることがわか
る。
【0047】先述のように、インク内の圧力波の伝播速
度Tiについては、第(9)式が成り立ち、この第
(9)式と第(7)式とを第(8)式に代入すると、第
(10)式が得られる。これより、第(11)式が成り
立つことがわかる。ここで、第(6)式によりTrを消
去しなければ第(12)式が得られる。
【0048】ある圧電素子、インクについて各値を代入
し、この第(11)式の変数をさらに減らすことができ
る。
【0049】実験1、2で用いた圧電素子は、厚みd=
600[μm]、Tr=1.20[μs]であった。第
(6)式を用いてkを求めると、k=0.0020[s
/m]となった。また、インク内を圧力波が伝播する速
度cは、c≒1500[m/s]である。これらのk、
cを第(11)式に代入すると、第(13)式を得て、
以上のことから、圧電素子の長さLが厚みdの6倍以上
であることが、小径のドットを印字するために有効であ
ることがわかる。
【0050】
【数1】
【0051】なお、圧電素子の長さLは上限値を持つ。
圧電素子が変位する際のこの上限を与える要素は、次の
3つであると思われる。(a)圧電素子と接合している
基板ごとそらないこと、(b)圧電素子との接合部が変
位の際に生じる応力によって剥離しないこと、(c)圧
電素子全体が均一に時間的遅れがなく変位すること。
【0052】これらのうち、(a)と(c)とを満たす
ためには、剛性の高い基板に、弾性材料を介さずに圧電
素子を貼り付ける必要がある。セラミック基板にエポキ
シ形接着剤を薄層塗布(厚み約10μm)し圧電素子を
貼り付けることは、これら(a)、(c)を満たすため
の1つの方策である。
【0053】(b)に関して、厚みdが0.6mmの圧
電素子の長さLを長くしていくと、L≧15[mm]の
とき接着層の剥離が起こることがわかった。この結果か
ら、L<25dの範囲でL、dが設定される必要がある
ことが判断される。
【0054】以上のような形状の圧電素子315を有す
るインクジェットヘッド3からは、より小径のインク滴
が安定して飛翔し、より多階調の画像を記録することが
できる。
【0055】また、上述の説明では、第(6)式からk
=2.0×10-3[s/m]としたが、密度をρ[kg
/m3 ]、弾性定数をS33 E [m2 /N]とすると、T
rとdとの理論的関係はTr=2×2×(ρ×S33 E
1/2 ×dであり、k=4×(ρ×S33 E 1/2 となる。
【0056】ここで、ρについては一般的な圧電素子で
は材料による差はほとんどなく、ρ=8.0×10
3 [kg/m3 ]が成り立ち、一方、S33E について
は材料による差があり、S33 E =5×10-12 〜20×
10-12 [m2 /N]となる。したがって、理論上はこ
のようなS33 E に対して、Tr=0.48〜0.98
[μs]となる。
【0057】ところで、実験に用いた圧電素子について
はS33 E =20×10-12 [m2 /N]であり、実際に
は、このときのTrは上述のようにTr=1.20[μ
s]となっている。このように理論値よりもやや大きめ
な値になるのは、基板の剛性や接着剤の影響によるもの
である。
【0058】すなわち、材料によって5×10-12 〜2
0×10-12 [m2 /N]の範囲を持つS33 E に対し
て、理論上kの取り得る範囲は、0.8×10-3〜1.
6×10-3となるが、基板の剛性や接着剤の影響を考慮
して、k=2.0×10-3[s/m]としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施の形態の1つであるインク
ジェットヘッド3を有する、インクジェットプリンタ1
の概略構成を示す斜視図である。
【図2】インクジェットヘッド3を示す上面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】インクジェットプリンタ1の制御部の構成を示
すブロック図である。
【図6】圧電素子の変位によるインクの飛翔を説明する
ための図である。
【図7】圧電素子に印加される電圧による圧電素子の変
位を説明するための図である。
【図8】時間Tmに対するインクのドット径の変化を示
す第1の図である。
【図9】時間Tmに対するインクのドット径の変化を示
す第2の図である。
【符号の説明】
101 インクチャンネル 102 圧電素子 103 基板 104 インクインレット 105 ノズル 106 インク 107 ノズルを有する面と対向する面 108 インクとの接触面 d 圧電素子の厚み L 圧電素子の長さ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧印加方向および圧電素子の歪みの方
    向が一致する矩形状の圧電素子と、前記圧電素子に沿っ
    て対向するインク収容部と、前記インク収容部の端部に
    位置するインク吐出口とを備え、前記圧電素子の長辺の
    長さをL、前記圧電素子の共振周期をTr、前記インク
    収容部内のインクの圧力波の伝播速度をcとしたとき、
    L≧2・Tr・cの関係を満たすことを特徴とする、イ
    ンクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 電圧印加方向および圧電素子の歪みの方
    向が一致する矩形状の圧電素子と、前記圧電素子に沿っ
    て対向するインク収容部と、このインク収容部の端部に
    位置するインク吐出口とを備え、前記圧電素子の長辺の
    長さをL、前記圧電素子の歪み方向の長さをdとしたと
    き、L≧6・dの関係を満たすことを特徴とする、イン
    クジェット記録ヘッド。
JP2551197A 1997-02-07 1997-02-07 インクジェット記録ヘッド Pending JPH10217450A (ja)

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