JPH10217266A - 熱可塑性樹脂複合体の成型方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂複合体の成型方法

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JPH10217266A
JPH10217266A JP9023735A JP2373597A JPH10217266A JP H10217266 A JPH10217266 A JP H10217266A JP 9023735 A JP9023735 A JP 9023735A JP 2373597 A JP2373597 A JP 2373597A JP H10217266 A JPH10217266 A JP H10217266A
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JP
Japan
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parts
mold
mixture
powder
resin
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JP9023735A
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English (en)
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Shigeji Kobori
茂次 小堀
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TOBU KAGAKU KK
Original Assignee
TOBU KAGAKU KK
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規樹脂、廃棄樹脂に関係なく、無機系又は
有機系増量剤を大量に配合でき、所望の機械的物性を有
する熱可塑性樹脂複合体成型品を効率よく得ることがで
きる成型方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂粉末と増量剤と溶融助剤を
混合し、少なくとも熱可塑性樹脂粉末を溶融助剤でコー
ティングした後、当該混合物を予熱した金型に充填し充
填物を加熱して熱可塑性樹脂粉末を溶融させた後、プレ
ス成型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂と無
機系又は有機系増量剤の複合体の成型方法に関する。更
に詳しくは、無機系又は有機系増量剤を比較的大量に含
有する熱可塑性樹脂複合体の成型品を効率よく得るため
の成型方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱可塑
性樹脂の粉末成型法としては、エンゲル法や回転成型法
など幾つかの方法が知られているが、これらの方法はあ
まり一般的ではない。その理由は成型サイクルと製品の
表面性が良好でないという欠点があるからである。これ
らの方法において、様々な加熱方法や加圧方法も提案さ
れているが、押出成型や射出成型による成型方法と比較
すると特殊な製品以外は競争力に欠ける成型方法であ
る。
【0003】一方、増量剤を多量含む熱可塑性樹脂成型
物を作るためには、従来の押出機や射出成型機では限界
があり、増量剤の粒径の大きさにも制約がある。これを
解決する手段として、加圧ニーダー又はアスファルトプ
ラントのような加熱混練方法もあるが、使用樹脂に制約
があり、特に廃棄プラスチックのような混合樹脂の処理
には適当でない場合が多い。
【0004】このように従来の熱可塑性樹脂成型方法の
制約と相俟って、バージン樹脂のみならず廃棄プラスチ
ックのリサイクル技術の一端としてポリマーアロイを応
用した技術や新たなケミカルリサイクル方法が提案され
ているが、成熟化していないのが現状である。
【0005】また、熱可塑性樹脂製品は、熱膨張係数が
コンクリートや金属と比較して非常に大きく、大型成型
物を製造する時には熱膨張率を下げるために増量剤(充
填剤や無機繊維等)をできるだけ多く添加してこの問題
を解決する方法が取られている。しかしながら、できる
だけ安価に大型成型物を得るためには、上記のように増
量剤を多量に添加する以外に、より粒径の大きな増量剤
を添加することが好ましいが、このような粒径の大きな
増量剤を使用する場合には、押出成型や射出成型では機
械的に困難が伴う。
【0006】以上のように、従来の粉末成型方法では、
樹脂の種類や、増量剤の粒径や量等により種々の制約を
受け、特に混合樹脂を原料とする場合には、十分な機械
強度を有する熱可塑性樹脂複合体の成型物を得ることが
困難であった。
【0007】そこで、本発明の目的は、従来の粉末成型
法を改良し、新規樹脂、廃棄樹脂を問わず、所望の機械
的物性を有する熱可塑性樹脂複合体成型物を効率良く成
型する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するべく種々検討の結果、従来の粉末成型方法が熱
可塑性樹脂粉末をドライな状態で溶融させるのに対し
て、熱可塑性樹脂粉末の表面を液状の溶融助剤でウエッ
トの状態で溶融させると非常に早く均一に樹脂の溶融が
起こることに注目し、この方法によれば、増量剤の粒径
や量の制約が解消され、より優れた熱可塑性樹脂複合体
の成型物が得られることを見いだし、本発明を完成する
に至った。
【0009】即ち、本発明は、熱可塑性樹脂粉末と増量
剤と溶融助剤を混合し、少なくとも熱可塑性樹脂粉末を
溶融助剤でコーティングした後、当該混合物を予熱した
金型に充填し充填物を加熱して熱可塑性樹脂粉末を溶融
させた後、プレス成型することを特徴とする熱可塑性樹
脂複合体の成型方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明では、溶融助剤によるコーティング
を、液状の溶融助剤により行うことができる。また、本
発明では、溶融助剤によるコーティングを、樹脂粉末、
増量剤及び溶融助剤の混合時の機械力により溶融助剤を
溶融させることにより行うことができる。
【0012】また、本発明では増量剤は、予熱して添加
することができる。この場合、増量剤は、熱可塑性樹脂
の溶融温度よりも20〜30℃低い温度に予熱されているこ
とが好ましい。
【0013】本発明において、熱可塑性樹脂粉末100 重
量部に対する溶融助剤の割合は 0.1〜10重量部が
好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。また、
本発明において、熱可塑性樹脂粉末100 重量部に対する
増量剤の割合は50〜900 重量部が好ましい。
【0014】本発明に用いられる熱可塑性樹脂粉末とし
ては、PP(ポリプロピレン)及びそのコポリマー、P
E(ポリエチレン)及びそのコポリマー、PVC(ポリ
塩化ビニル)及びそのコポリマー、PS(ポリスチレ
ン)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン)、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、PE
T(ポリエチレンテレフタレート)、PB−1(ポリブ
タジエン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、
PMA(ポリメチルアクリレート)、PVA(ポリビニ
ルアルコール)、AS(アクリロニトリル−スチレン)
等が挙げられる。また、いわゆるエンジニアリング・プ
ラスチックを用いることもでき、例えばナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン12、PC(ポリカーボネート)、P
OM(ポリアセタール)、PPE(ポリフェニレンエー
テル)、PMP、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、P
VDF(ポリビニリデンジフロライド)等が挙げられ
る。また、これらを構成するモノマーとその他のモノマ
ーとからなるコポリマーも含まれ、更にこれらの廃棄プ
ラスチックを利用することができる。更に液晶樹脂を用
いることもできる。
【0015】これらの熱可塑性樹脂の粉末としては、最
大径が3m/m 以下のチップ状で最小径を特に規定しない
粉体が使用できる。しかし実用上は粒径の異なる熱可塑
性樹脂粉末が各種混合された最充填となるような粒径が
好ましい。
【0016】これらの樹脂を着色するには、均一な色調
を要求される場合は自ずから粒径を0.3m/m以下にする必
要があり、熱可塑性樹脂粉末 100重量部あたり無機顔料
もしくは有機顔料で 2.0重量部程度の使用量にて濃色な
調色が可能である。
【0017】本発明に用いられる溶融助剤とは、熱可塑
性樹脂組成物に配合し得るポリマーアロイ剤もしくは相
溶化剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、架橋剤、難
燃剤、溶剤であって、一種類もしくは二種類以上を混合
して使用することができる。
【0018】本発明の溶融助剤は室温又は該当する樹脂
の溶融点以下で液状であることが好ましく、粉末樹脂の
表面に付着して濡れ性と溶解性と相溶性を与えることを
目的とするため、対象樹脂の溶融点以下の溶液状態で使
用することが好ましい。
【0019】本発明の成型方法では、熱可塑性樹脂粉末
を溶融助剤でコーティングするが、本発明は、一般的に
用いられている2種類以上の異なった樹脂の相溶化を目
的とする改質的用途ではなく、廃樹脂、もしくは混合樹
脂の相溶化目的と単一樹脂の溶解速度改善を目的とした
溶融助剤の利用に関する技術である。
【0020】本発明において、溶融助剤は熱可塑性樹脂
に対して 0.1〜10.0重量部添加される。好ましくは1〜
5重量部であり、樹脂により適宜添加量を変えて対応す
る。
【0021】従来の粉末成型法に於いては使用樹脂の熱
溶解速度を早くすることが成型速度の効率に関係し射出
成型や押出成型に及ばない難点があった。この問題を解
決する手段として本発明では、従来のポリマーアロイ技
術を改良し、熱可塑性樹脂粉末を溶融助剤でコーティン
グして使用することにより、粉末成型法の成型速度改善
に成功し、より機械強度の優れた熱可塑性樹脂複合体の
成型物が得られるものである。
【0022】本発明に用いられる溶融助剤は使用する樹
脂の種類により異なる。以下に代表的な熱可塑性樹脂と
その溶融助剤の組み合わせの例を示すが、これに限定さ
れない。また、表1〜5において、混合樹脂とは主体と
なる樹脂に混合可能な異種の樹脂であり、混合比率は限
定されない。また、2種類以上の混合粉体又は溶液と
は、常温又は樹脂の溶融点以下の温度で液状化するよう
にした配合物であって、溶剤でカットバックして使用す
るものも含まれる。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】本発明に用いられる増量剤とは、金属酸化
物又は水酸化物を含む有色鉱物又は人工骨材などで、充
填剤や砂の他にコンクリートに使用される砂利又は金属
粉もしくは金属切子、人工軽量骨材などの樹脂の融点以
上の耐熱性があるもので、好ましくは熱可塑性樹脂より
大きな熱容量の増量剤を使用する。
【0029】増量剤としては、例えば重質炭カルシウ
ム、硬質ゼオライト、タルク、シリカ、マイカ、硅砂、
砂利、砕石としてS−80〜S−5、クラッシャーランC
−40〜C−20相当砕石、エメリー、人工エメリー、セラ
ミック骨材、大理石砕石、ガラス、パーライト、G−ラ
イト、マイクロバルーン等の人工軽量骨材、鉄粉、ダラ
イ粉、アルミ粉又はこれらの切子、粉砕品が使用でき
る。ただし、増量剤の熱容量が小さい場合は、金属粉、
カーボン、硅酸、金属酸化物、水酸化物、炭酸化物など
の熱容量の大きな増量剤を併用することが望ましい。補
強材としては鉄筋、メタルラス、ガラス繊維、カーボン
繊維、ウイスカー類、金属繊維、ビニロン繊維、液晶繊
維、麻等が使用できる。また、これらは2種類以上を混
合して使用することができる。
【0030】また成型物に適度な空隙を得る目的で、増
量剤に水可溶性の塊状物質、例えば岩塩や芒硝のような
物質を混合し、成型後に水で抽出することもできる。
【0031】特に本発明ではこれらの増量剤の粒度を特
定しないが、好ましくはJIS Z 8801標準ふるい 101.6mm
〜1190μの粒径が使用できる。特に本発明では、比較的
大きな粒径の増量剤を使用した場合でも成型サイクルの
改善と成型物の熱変形を低く押さえることができる。具
体的には、粒径 0.1〜50m/m の増量剤を用いて成型物を
得た場合に比較して、50m/m 以上の粒径の増量剤を用い
た場合は、寸法安定性の改善が顕著なり、また成型物の
変形が非常に小さくなる。
【0032】本発明の実施にあたっては、上記熱可塑性
樹脂類と増量剤及び溶融助剤を高速ミキサーで混合しコ
ーティングを完了後に金型に充填して必要により補強材
も添加して予備プレスを行い、これを加熱炉に入れて樹
脂を溶融し、再度プレスして冷却後金型より取り出して
製品とする。
【0033】この際、成型サイクルを迅速にするため金
型及び増量剤の予備加熱を行うことができ、溶融助剤も
室温で固体のものは加熱して液状で使用することができ
る。
【0034】本発明の具体的な例を以下に示すが、本発
明の成型方法の対象となる配合組成は目的物により非常
に多種であり、下記の例は代表例である。
【0035】粉末HLDPE(高密度ポリエチレン樹
脂) 100重量部に対し、予め 100℃に予熱した5号硅砂
300重量部、ステアリン酸アミド 0.5重量部、ポリプロ
ピレンワックス 0.5重量部、酸化防止剤BHT0.01重量
部、紫外線吸収剤0.01重量部を添加してヘンシェルミキ
サーで3分間混合し、予め予熱した金型に充填して10kg
/cm2 の加重で予備プレスを行い、これを加熱炉に入れ
て 150℃になるまで加熱する。樹脂が溶融してから加熱
炉より取り出し本プレスを30kg/cm2 の加重で2分間行
い、金型を水冷して成型物を得る。
【0036】試験片は40×40×160mm としてセメントの
試験方法(JIS R 5201)で試験する。その結果、上記の
例で得られた成型物の曲げ強さは 167kg/cm2 、圧縮強
さは312kg/cm2 であった。また、アイゾット衝撃強さ
は、 18.2kgf・cm・cm-1、引張り強さは0.84kgf ・m
m-2、熱膨張率は43・10-6・℃-1であった。更に上記5
号硅砂の粒径を5mm以上にして再充填配合にしたものは
熱膨張率を19・10-6・℃-1にすることができた。
【0037】従来熱可塑性樹脂に増量剤を多量に充填配
合する試みは高比重、コスト低減、熱膨張率低減、耐熱
性の改善、耐磨耗性向上、硬度向上などの熱可塑性樹脂
の欠点を解消する目的で行われている。しかしながら成
型法が押出成型や射出成型では使用できる増量剤に制限
があり、本発明のような高充填の成型物を得ることは困
難である。即ち、本発明の成型方法では樹脂に対して容
積比で同容量程度の範囲(低充填)から、空隙率35%程
度の透水性を有する範囲(高充填)まで増量剤を配合す
ることが可能であり、例えば熱可塑性樹脂に対し増量剤
が容積換算で96%程度の高充填を行うことができる。こ
れは従来の押出成型法や射出成型法では不可能である。
近年高流動化樹脂が市場に出現して本発明のような高充
填配合が益々使用し易くなりつつあり、PP、PETの
高充填配合に次ぐものとして本発明は利用できる。
【0038】本発明の成型方法では、予め熱可塑性樹脂
粉末と増量剤の表面を溶融助剤でコーティングすること
が必要であり、このコーティング方法としては、これら
を混合する際、機械的に攪拌してこの摩擦熱で溶融助剤
を溶融させゲル化させてコーティングする方法と、液状
の溶融助剤をそのまま樹脂粉末と増量剤に添加し攪拌し
てコーティングする方法の2つの方法がある。前者は小
径の増量剤に適しており、大型の増量剤には後者が適し
ている。また、溶融助剤が室温で固型のものは予め溶融
させるか或いは適当な溶剤に溶解させて液状溶融助剤と
して使用する方法により適用できる。
【0039】例えば硬質PVC粉末樹脂に対して、分子
量 400〜1200の液状エポキシ樹脂にステアリン酸カルシ
ウムを分散混合させて使用する方法や、PE粉末に対し
てPPワックスをキシレンに溶解して使用する方法等が
あり、この場合は単なる混合のみで使用するが、ジゾル
バーのような機械力を使用する方法では、硬質PVC粉
末樹脂にステアリン酸カルシウムを直接粉末添加して摩
擦熱で80℃以上の温度でゲル化させることでコーティン
グすることができる。このような樹脂表面のコーティン
グにより樹脂の溶解温度と樹脂の溶解速度を早めること
が可能になり、成型性が向上する。
【0040】本発明に用いられる溶融助剤は可塑剤、酸
化防止剤、滑剤、安定剤、紫外線防止剤、ポリマーアロ
イ剤等の形で予め熱可塑性樹脂中に添加されている場合
が多く、従って、溶融助剤として添加する量は基本樹脂
物性を変化させないような添加量とする必要があり、一
般的には樹脂粉末100 重量部に対して 0.1〜10重量部、
特に1〜5重量部であるが、樹脂又は樹脂の粉末度によ
りかなり差があることに留意する必要がある。
【0041】本発明では、樹脂表面や増量剤表面を溶融
助剤でコーティングすることにより樹脂粉末や増量剤の
金型に対する馴染み易さが向上し、充填効果が改善され
るため、樹脂の溶融温度が溶融助剤を使用しないものに
対し平均15℃程度低下することができる。
【0042】更に溶融温度の低下には増量剤の熱容量に
比例して樹脂の溶融温度が影響され、特に加熱により遠
赤外線を放射するような増量剤は樹脂の溶融速度を早め
る作用が大きい。例えばG−ライト〔(株)サンライト
製廃ガラス発泡バルーン〕は熱伝導率が0.35で、熱伝導
率0.55のPE樹脂と比較して大きな差はないが、両者の
混合粉体を容積比で1:1に混合し、PPワックスをキ
シレンに溶解した液状溶融助剤2%添加の混合物(増量
剤有)と、同一のPE樹脂に同一の液状溶融助剤2%添
加の混合物(増量剤無)を加熱炉に入れて溶融させる
と、前者は 150℃で16分で溶融したのに対し後者は23分
を要した。このようにG−ライト入りの混合物が溶融速
度が早い原因は、G−ライトの熱容量が大きく更に加熱
により遠赤外線を放射するためであると考えられる。な
お、比較のため増量剤として同一の粒径の寒水砂を添加
した系では溶融時間は21分を要し、ブランクとあまり差
がなかった。
【0043】以上のように増量剤の熱的性質により樹脂
の溶融条件が異なることは本発明により確認されること
が多く、樹脂の充填剤として広く用いられている炭酸カ
ルシウム系の充填剤は本発明のような粉末成型法の改良
剤にはならない単なる増量剤に過ぎない。
【0044】以上の如く本発明では増量剤の選択も他の
成型法と同一でなく、熱容量などの熱的性質を加味した
増量剤の使用が効果的である。
【0045】本発明を実施するに当たり、適度な粒度分
布を有する熱可塑性樹脂粉末を得るための粉砕機は、例
えば(株)ホーライ製の微粉砕機とこれに連動する粗粉
砕機、分級機よりなる。熱可塑性樹脂粉末の粒度分布と
しては、0.08m/m 以上3m/m以下の範囲にあることが好
ましく、最も好ましくは篩目3m/m 通過品が85〜100
%、同 0.6m/m 通過品が25〜55%、同0.3m/m通過品が15
〜40%、同0.15m/m 通過品が7〜28%、同0.08m/m 通過
品が0〜20%である。
【0046】これらの熱可塑性樹脂粉末はジゾルバー又
はドラムミキサーのような混合機に増量剤と共に投入さ
れ、溶融助剤を添加してこれにより表面をコーティング
された後、金型に充填される。金型及び増量剤は予め予
熱しておくことが好ましく、増量剤の予熱温度は用いる
樹脂の溶融温度より20〜30℃低温が好ましい。金型温度
は対応する樹脂の溶融温度より20〜30℃高温であると成
型性は更に向上するが、金型の肉厚などによる寸法や形
状、熱容量により異なる。
【0047】以上の混合物は金型に直ちに充填され予備
プレスを行う。プレス圧は平均20〜30kg/cm2 でプレス
時間は2〜3分である。必要により振動プレスをかける
とプレス時間を30秒程度に短縮することが可能である。
予備プレス後加熱炉に入れて樹脂を溶融し本プレスを行
うプレス圧は平均25〜40kg/cm2 でプレス時間は3〜4
分である。このプレス工程はポットプレスよりコールド
プレスに利点があり、ポットプレスを使用する場合は表
面の光沢度を特に要求するものに限られる。
【0048】本プレス後金型を水冷又は空冷により冷却
して成型物を取り出し、金型は再び予熱されて次の工程
に入る。金型の加熱方法は加熱炉(熱風炉)もしくは熱
媒体金型、ヒーター加熱、誘導加熱、抵抗加熱などが用
いられるが加熱炉が最も簡便である。
【0049】成型物は後加工として表面のスタンピング
とアニリング処理が主体となる。二次加工としては板状
成型物を加熱しながら真空成型、プレス成型する方法が
採用される。
【0050】
【発明の効果】本発明の成型方法は、樹脂の種類や、増
量剤の粒径及び量の制約がなく、比重が 0.1〜7.0 まで
の広範囲な成型物を得ることができる。低比重の製品は
断熱材、吸音材としての用途が、高比重の製品は遮音
材、重しなどの用途がある。また成型物の空隙率も0〜
36%とすることができ、増量剤の充填率を最充填から空
隙充填まで調整すると高密度な成型物と低密度な成型物
の両極端の成型物が容易に製造可能である。本発明の成
型方法により得られた熱可塑性樹脂複合体の成型物はセ
メント製品と樹脂製品の中間に位置するため、コンクリ
ート代替品、金属板代替品として、又は有孔板としての
幅広い用途が期待される。
【0051】また、本発明では成型方法が粉末成型のた
め、異なる種類の熱可塑性樹脂が混入している可能性の
高い廃棄プラスチックのリサイクルに適した方法であ
り、最大25%程度の混合樹脂も成型の対象になる。但し
溶融温度の近い樹脂が好ましく、溶融温度に差のある樹
脂については相互の相溶性が高いほど成型性が良くな
る。本発明ではポリマーアロイの方法を用いて相溶性を
高め混合樹脂の再利用を可能にした。
【0052】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例及び比較例
を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。下記例中「部」は全て「重量部」を表す。
【0053】実施例1 HLDPE粉末〔三井石油化学工業(株)製〕100 部
と、6号硅砂 300部と、メルセンM〔東ソー(株)製、
M−5001〕2部とキシレン2部とステアリン酸アミド3
部とを混合した溶液の4部を、ケイキミキサーで混合
し、この混合物を予め 150℃に熱風炉で予熱した金型に
充填し、充填物を20kg/cm2 で2分間プレスし、金型を
再び熱風炉に入れて 150℃で15分間を要してHLDPE
粉末を溶融させる。溶融させた混合物をプレスで30kg/
cm2 で3分間プレスし、金型ごと水冷して成型物を取り
出す。この成型物の物性をJIS R 5201セメントの物理試
験方法で試験したところ、曲げ強さ 16.3N/mm2、圧縮強
さ 40.2N/mm2、引張り強さ15.8N/mm2 であった。
【0054】比較例1 HLDPE粉末〔三井石油化学工業(株)製〕 100部と
6号硅砂 300部を混合し、これを金型に充填して実施例
1と同一条件で加熱する。HLDPE粉末の溶融時間は
25分を要し、成型物の物性を実施例1と同様に試験した
ところ、曲げ強さ12.5N/mm2 、圧縮強さ36.8N/mm2 、引
張り強さ13.3N/mm2 であった。
【0055】実施例2 HLDPE粉末〔三井石油化学工業(株)製〕 100部と
1号G−ライト〔(株)サンライト製廃ガラスバルー
ン、粒径0.2m/m〜1.2m/m〕 300部と、メルセンM〔東ソ
ー(株)製M−5001〕2部をキシレン2部とステアリン
酸アミド3部に混合した溶液の4部とをケイキミキサー
で混合し、この混合物を予め 150℃に熱風炉で予熱した
金型に充填し、充填物を20kg/cm2 で2分間プレスし、
金型を再び熱風炉に入れて 150℃で12分間を要してHL
DPE粉末を溶融させる。溶融させた混合物をプレスで
25kg/cm2 で3分間プレスし、金型ごと水冷して成型物
を取り出す。この成型物の物性をJIS R 5201セメントの
物理試験方法で試験したところ、曲げ強さ 8.3N/mm2
圧縮強さ17.8N/mm2 、引張り強さ6.9N/mm2であった。
尚、この成型物の比重は0.83である。
【0056】実施例3 HLDPE粉末〔三井石油化学工業(株)製〕80部とP
P粉末〔三井石油化学工業(株)製〕20部と、6号硅砂
300部と、メルセンM〔東ソー(株)製M−5001〕2部
をキシレン2部と混合した溶液の4部とをケイキミキサ
ーで混合し、この混合物を予め 150℃に熱風炉で予熱し
た金型に充填し、充填物を20kg/cm2 で2分間プレス
し、金型を再び熱風炉に入れて 160℃で18分間を要して
HLDPE粉末とPP粉末の混合物を溶融させる。溶融
させた混合物をプレスで30kg/cm2で3分間プレスし、
金型ごと水冷して成型物を取り出す。この成型物の物性
をJIS R 5201セメントの物理試験方法で試験したとこ
ろ、曲げ強さ 16.6N/mm2、圧縮強さ 41.3N/mm3、引張り
強さ 14.5N/mm2であった。
【0057】実施例4 LDPE粉末(レジ袋シュレッダー粉砕品) 100部と、
1号G−ライト〔(株)サンライト製廃ガラスバルー
ン〕 300部と、ステアリルアルコール2部及びメルセン
M〔東ソー(株)製M−5001〕2部をキシレン2部と混
合した溶液の4部とをケイキミキサーで混合し、この混
合物を予め 150℃に熱風炉で予熱した金型に充填し、充
填物を20kg/cm2 で2分間プレスし、金型を再び熱風炉
に入れて 145℃で12分間を要してLDPE粉末を溶融さ
せる。溶融させた混合物をプレスで25kg/cm2 で3分間
プレスし、金型ごと水冷して成型物を取り出す。この成
型物の物性をJIS R 5201セメントの物理試験方法で試験
したところ、曲げ強さ6.9N/mm2、圧縮強さ 14.3N/mm2
引張り強さ5.7N/mm2であった。尚、この成型物の比重は
0.83である。
【0058】実施例5 PP粉末〔(株)トクヤマ製ME140 を 100メッシュア
ンダーに粉砕したもの〕100 部と、予め 180℃に予熱し
た廃ガラス粉砕品(3メッシュアンダー70%、10メッシ
ュアンダー30%) 300部と、酸化防止剤BHT〔2,6 −
ジ−ターシャリーブチル−p−クレゾール(3,5 −ジ−
第3ブチル−4−ヒドロキシ−トルエン〕3部とを低速
のヘンシェルミキサーで混合し、この混合物を予め 180
℃に予熱した金型に充填して10kg/cm2 で2分間予備プ
レスを行い、充填した金型を熱風炉に入れて 245℃で12
分間を要してPP粉末を溶融させる。溶融させた混合物
をプレスで15kg/cm2 で3分間プレスし、金型ごと水冷
して成型物を取り出す。この成型物の物性をJIS R 5201
セメントの物理試験方法で試験したところ、曲げ強さ9.
7N/mm2、圧縮強さ34.6N/mm2 、引張り強さ9.3N/mm2であ
った。尚この成型物の比重は 1.6である。
【0059】実施例6 PP粉末〔(株)トクヤマ製ME140 を 100メッシュア
ンダーに粉砕したもの〕100 部、予め 180℃に予熱した
2号G−ライト〔(株)サンライト製廃ガラスバルー
ン、粒径1.2m/m〜2.5m/m〕 300部、酸化防止剤BHT
〔2,6 −ジ−ターシャリーブチル−p−クレゾール(3,
5 −ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシ−トルエン〕3部
及びステアリン酸アミド3部を低速のヘンシェルミキサ
ーで混合し、この混合物を予め 180℃に予熱した金型に
充填して20kg/cm2 で2分間予備プレスを行い、充填し
た金型を熱風炉に入れて 245℃で12分間を要してPP粉
末を溶融させる。溶融させた混合物をプレスで25kg/cm
2 で3分間プレスし、金型ごと水冷して成型物を取り出
す。この成型物の物性をJIS R 5201セメントの物理試験
方法で試験したところ、曲げ強さ8.1N/mm2、圧縮強さ 1
2.3N/mm2、引張り強さ7.3N/mm2であった。尚、この成型
物の比重は0.73である。
【0060】実施例7 PVC粉末TH−700 〔共同塩ビ販売(株)製〕 100部
と、アデカスタブBT−11〔旭電化工業(株)製ジブチ
ル錫ジラウリレート〕2部及びステアリン酸カルシウム
2部及び 828エポキシ樹脂2部の混合液と、予め 150℃
に予熱した寒水砂(粒径2分5厘)400 部とをドラムミ
キサーで混合し、この混合物を予め 150℃に予熱した金
型に充填して20kg/cm2 で2分間予備プレスを行い、充
填した金型を熱風炉に入れて 160℃で13分間を要してP
VC粉末を溶融させる。溶融させた混合物をプレスで35
kg/cm2 で3分間プレスし、金型ごと水冷して成型物を
取り出す。この成型物の物性をJIS R 5201セメントの物
理試験方法で試験したところ、曲げ強さ 18.4N/mm2、圧
縮強さ 40.6N/mm2、引張り強さ 17.5N/mm2であった。尚
この成型物の比重は 2.0である。
【0061】実施例8 PVC粉末TH−700 〔共同塩ビ販売(株)製〕80部
と、HLDPE粉末〔三井石油化学工業(株)製〕20部
と、アデカスタブBT−11〔旭電化工業(株)製ジブチ
ル錫ジラウリレート〕2部及びステアリン酸カルシウム
2部及びPEO−3〔ポリエチレンオキサイド住友精化
(株)製〕2部の80℃加熱混合液と、予め150℃に予熱
した寒水砂(粒径2分5厘) 400部とをドラムミキサー
で混合し、この混合物を予め 150℃に予熱した金型に充
填して20kg/cm2 で2分間予備プレスを行い、充填した
金型を熱風炉に入れて 160℃で13分間を要してPVC粉
末を溶融させる。溶融させた混合物をプレスで35kg/cm
2 で3分間プレスし、金型ごと水冷して成型物を取り出
す。
【0062】この成型物の物性をJIS R 5201セメントの
物理試験方法で試験したところ、曲げ強さ 17.7N/mm2
圧縮強さ 40.1N/mm2、引張り強さ 17.2N/mm2であった。
尚、この成型物の比重は 1.9である。
【0063】実施例9 PVC粉末TH−700 〔共同塩ビ販売(株)製〕 100
部、コバソール〔(株)コバヤシ製ポリ塩化ビニルゾ
ル〕3部、アデカスタブBT−11〔旭電化工業(株)製
ジブチル錫ジラウリレート〕2部、ステアリン酸カルシ
ウム2部及び予め 150℃に予熱したマイクロセル〔SL
G1P/G、秩父小野田(株)製〕350 部をドラムミキ
サーで混合し、この混合物を予め 150℃に予熱した金型
に充填して20kg/cm2 で2分間予備プレスを行い、充填
した金型を熱風炉に入れて 160℃で15分間を要してPV
C粉末を溶融させる。溶融させた混合物をプレスで35kg
/cm2で3分間プレスし、金型ごと水冷して成型物を取
り出す。この成型物の物性をJIS R 5201セメントの物理
試験方法で試験したところ、曲げ強さ 10.2N/mm2、圧縮
強さ24.6N/mm2 、引張り強さ 10.0N/mm2であった。尚、
この成型物の比重は 0.8である。
【0064】実施例10 廃農ビ粉末80部、廃農ポリ粉末20部、ユメックス1001
〔三洋化成(株)製低分子量PP誘導体〕5部をTHF
5部に溶解したもの10部、アデカスタブBT−1〔旭電
化工業(株)製ジブチル錫ジラウリレート〕2部、ステ
アリン酸カルシウム2部及び予め 140℃に予熱したマイ
クロセル〔SLG1P/G、秩父小野田(株)〕400 部
をドラムミキサーで混合し、この混合物を予め 140℃に
予熱した金型に充填して20kg/cm2 で2分間予備プレス
を行い、充填した金型を熱風炉に入れて 150℃で15分間
を要して廃農ビ粉末、廃農ポリ粉末を溶融させる。溶融
させた混合物をプレスで30kg/cm2 で3分間プレスし、
金型ごと水冷して成型物を取り出す。この成型物の物性
をJIS R 5201セメントの物理試験方法で試験したとこ
ろ、曲げ強さ0.2N/mm2、圧縮強さ 0.5N/mm2 、引張り強
さ 0.9N/mm2 であった。尚、この成型物の比重は 0.6で
ある。
【0065】実施例11 デンカスチロールGP−2粉砕品〔電気化学工業(株)
製PS樹脂、汎用グレード、50メッシュ以下全通〕 100
部、DMFA3部及びグリセリンステアレート3部の混
合物を予め 120℃に予熱した廃ガラス粉砕品(3メッシ
ュアンダー70%、10メッシュアンダー30%)300 部とド
ラムミキサーで混合し、混合物を予め140 ℃に予熱した
金型に充填して25kg/cm2 で2分間予備プレスを行い、
充填した金型を熱風炉に入れて 150℃で16分間を要して
PS粉末を溶融させる。溶融させた混合物をプレスで30
kg/cm2 で3分間プレスし、金型ごと水冷して成型物を
取り出す。この成型物の物性をJIS R 5201セメントの物
理試験方法で試験したところ、曲げ強さ 18.6N/mm2、圧
縮強さ 34.8N/mm2、引張り強さ 17.3N/mm2であった。
尚、この成型物の比重は 1.7である。
【0066】実施例12 デンカスチロールGP−2粉砕品〔電気化学工業(株)
製PS樹脂、汎用グレード、50メッシュ以下全通〕70部
と、PMMA30部と、グリセリンステアレート3部及び
Zerlon( DowChem.Co.製、PS−PMMAコポリマー)
3部をDMFA3部に溶解した溶液6部の混合物を、予
め 120℃に予熱した廃ガラス粉砕品(3メッシュアンダ
ー70%、10メッシュアンダー30%)300 部とドラムミキ
サーで混合し、混合物を予め 140℃に予熱した金型に充
填して25kg/cm2 で2分間予備プレスを行い、充填した
金型を熱風炉に入れて 150℃で16分間を要してPS粉末
を溶融させる。溶融させた混合物をプレスで30kg/cm2
で3分間プレスし、金型ごと水冷して成型物を取り出
す。この成型物の物性をJIS R 5201セメントの物理試験
方法で試験したところ、曲げ強さ 18.9N/mm2、圧縮強さ
35.3N/mm2、引張り強さ 16.4N/mm2であった。尚、この
成型物の比重は 1.7である。
【0067】実施例13 デンカABS粉末〔電気化学工業(株)製汎用グレー
ド、50メッシュ以下全通粉砕品〕100 部、グリセリンス
テアレート3部、ベンガラ2部、アデカサイザーE−50
0 〔旭電化工業(株)製塩化パラフィン〕3部及び予め
170℃に予熱した寒水砂(粒径2分5厘)400 部をドラ
ムミキサーで混合し、この混合物を予め 170℃に予熱し
た金型に充填して20kg/cm2 で2分間予備プレスを行
い、充填した金型を熱風炉に入れて 220℃で24分間を要
してABS粉末を溶融させる。溶融させた混合物をプレ
スで35kg/cm2 で3分間プレスし、金型ごと水冷して成
型物を取り出す。この成型物の物性をJIS R 5201セメン
トの物理試験方法で試験したところ、曲げ強さ 18.3N/m
m2、圧縮強さ 42.6N/mm2、引張り強さ 17.9N/mm2であっ
た。尚、この成型物の比重は 1.9である。
【0068】実施例14 SKYPET粉末(SUNKYONG INDUSTRIES 製PET樹脂、BL
グレード、50メッシュ以下全通粉砕品)100 部、アジピ
ン酸/1,4 ブタンジオール系ポリエステル〔三洋化成
(株)製〕5部、グリセリンステアレート3部、カーボ
ンブラック3部及び予め 200℃に予熱した砕岩砕石(ア
スファルト骨材S−5)800 部をドラムミキサーで混合
し、この混合物を予め 200℃に予熱した金型に充填して
25kg/cm2で2分間予備プレスを行い、充填した金型を
熱風炉に入れて250 ℃で24分間を要してPET粉末を溶
融させる。溶融させた混合物をプレスで45kg/cm2 で3
分間プレスし、金型ごと水冷して成型物を取り出す。こ
の成型物の物性をJIS R 5201セメントの物理試験方法で
試験したところ、曲げ強さ 12.5N/mm2、圧縮強さ 45.8N
/mm2、引張り強さ 10.2N/mm2であった。尚この成型物の
比重は 2.3である。
【0069】実施例15 PET粉末(PETボトル粉砕品、50メッシュ以下全通
粉砕品、王冠部PEを含む)100 部、アジピン酸/1,4
ブタンジオール系ポリエステル〔三洋化成(株)製〕5
部、ポリエチレンワックス3部、黄鉄2部及び予め 200
℃に予熱した砕岩砕石(アスファルト骨材S−5)800
部をドラムミキサーで混合し、この混合物を予め 200℃
に予熱した金型に充填して25kg/cm2 で2分間予備プレ
スを行い、充填した金型を熱風炉に入れて 250℃で24分
間を要してPET粉末を溶融させる。溶融させた混合物
をプレスで45kg/cm2 で3分間プレスし、金型ごと水冷
して成型物を取り出す。この成型物の物性をJIS R 5201
セメントの物理試験方法で試験したところ、曲げ強さ 1
1.3N/mm2、圧縮強さ 44.7N/mm2、引張り強さ9.6N/mm2
あった。尚、この成型物の比重は 2.3である。
【0070】実施例16 PET粉末(PETボトル粉砕品、50メッシュ以下全通
粉砕品、王冠部PEを含む)100 部、アジピン酸/1,4
ブタンジオール系ポリエステル〔三洋化成(株)製〕5
部、ポリエチレンワックス3部、黄鉄2部及び予め 200
℃に予熱した砂岩砕石(アスハルト骨材S−5)800 部
をドラムミキサーで混合し、この混合物の1/2量を予
め 200℃に予熱した金型に充填し、これに補強材として
目開25×25 m/mのメタルラスを置き、次いで1/2量
(残部)の上記混合物を充填する。25kg/cm2 で2分間
予備プレスを行い、充填した金型を熱風炉に入れて 250
℃で24分間を要してPET粉末を溶融させる。溶融させ
た混合物をプレスで45kg/cm2 で3分間プレスし、金型
ごと水冷して成型物を取り出す。この成型物の物性をJI
S R 5201セメントの物理試験方法で試験したところ、曲
げ強さ 18.5N/mm2、圧縮強さ 44.7N/mm2、引張り強さ 1
9.3N/mm2であった。尚、この成型物の比重は 2.4であ
る。
【0071】実施例17 ウルトラセン 510F粉末〔東ソー(株)製EVA、50メ
ッシュ以下全通粉砕品〕100 部、グリセリンステアレー
ト3部、ベンガラ2部、アデカサイザーE−450 〔旭電
化工業(株)製塩化パラフィン〕3部及び予め70℃に予
熱した寒水粉(粒径70メッシュ以下全通)400 部をドラ
ムミキサーで混合し、この混合物を予め70℃に予熱した
金型に充填して20kg/cm2 で2分間予備プレスを行い、
充填した金型を熱風炉に入れて 120℃で14分間を要して
EVA粉末を溶融させる。溶融させた混合物をプレスで
35kg/cm2 で3分間プレスし、金型ごと水冷して成型物
を取り出す。この成型物の物性をJIS R 5201セメントの
物理試験方法で試験したところ、曲げ強さ 10.2N/mm2
圧縮強さ 24.3N/mm2、引張り強さ 10.4N/mm2であった。
尚この成型物の比重は 1.9である。
【0072】実施例18 ポリ塩化ビニルナゲット粉末(電線被覆ポリ塩化ビニ
ル、30メッシュ以下全通粉砕品)100 部、ステアリン酸
カルシウム3部、カーボンブラック2部、アデカサイザ
ーE−450 〔旭電化工業(株)製塩化パラフィン〕3部
及び予め80℃に予熱した寒水粉(粒径70メッシュ以下全
通)400 部をドラムミキサーで混合し、この混合物を予
め80℃に予熱した金型に充填して20kg/cm2 で2分間予
備プレスを行い、充填した金型を熱風炉に入れて 140℃
で15分間を要してポリ塩化ビニルナゲット粉末を溶融さ
せる。溶融させた混合物をプレスで35kg/cm2 で3分間
プレスし、金型ごと水冷して成型物を取り出す。この成
型物の物性をJIS R 5201セメントの物理試験方法で試験
したところ、曲げ強さ 0.13N/mm2、圧縮強さ 0.68N/m
m2、引張り強さ 0.43N/mm2であった。尚この成型物の比
重は 1.9である。
【0073】実施例19 乗用車シュレッダーダスト〔ポリ塩化ビニル粉末67%、
残部はPP、ABS、ウレタン、ポリエステル繊維、ア
クリル繊維を含む夾雑物、30メッシュ以下全通粉砕品〕
100 部、ステアリン酸カルシウム3部、カーボンブラッ
ク1部、コバゾール3部及び予め80℃に予熱した寒水粉
(粒径70メッシュ以下全通)200 部をドラムミキサーで
混合し、この混合物を予め80℃に予熱した金型に充填し
て20kg/cm2 で2分間予備プレスを行い、充填した金型
を熱風炉に入れて 140℃で15分間を要してシュレッダー
ダスト粉末を溶融させる。溶融させた混合物をプレスで
35kg/cm2 で3分間プレスし、金型ごと水冷して成型物
を取り出す。この成型物の物性をJIS R 5201セメントの
物理試験方法で試験したところ、曲げ強さ0.413N/mm2
圧縮強さ 1.03N/mm2、引張り強さ 0.40N/mm2であった。
尚、この成型物の比重は1.6 である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂粉末と増量剤と溶融助剤を
    混合し、少なくとも熱可塑性樹脂粉末を溶融助剤でコー
    ティングした後、当該混合物を予熱した金型に充填し充
    填物を加熱して熱可塑性樹脂粉末を溶融させた後、プレ
    ス成型することを特徴とする熱可塑性樹脂複合体の成型
    方法。
  2. 【請求項2】 溶融助剤によるコーティングを、液状の
    溶融助剤により行う請求項1記載の成型方法。
  3. 【請求項3】 溶融助剤によるコーティングを、混合時
    の機械力により溶融助剤を溶融させることにより行う請
    求項1記載の成型方法。
  4. 【請求項4】 増量剤が予熱されている請求項1〜3の
    何れか1項記載の成型方法。
  5. 【請求項5】 増量剤が熱可塑性樹脂の溶融温度よりも
    20〜30℃低い温度に予熱されている請求項4記載の成型
    方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂粉末100 重量部に対する溶
    融助剤の割合が 0.1〜10重量部である請求項1〜5の何
    れか1項記載の成型方法。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂粉末100 重量部に対する増
    量剤の割合が50〜 900重量部である請求項1〜6の何れ
    か1項記載の成型方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019181857A (ja) * 2018-04-13 2019-10-24 帝人株式会社 成形体の製造方法
CN111517901A (zh) * 2020-04-28 2020-08-11 湖北航天化学技术研究所 一种高活性多层复合微球及其制备方法

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