JPH10216252A - ガン治療装置 - Google Patents

ガン治療装置

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Publication number
JPH10216252A
JPH10216252A JP9025435A JP2543597A JPH10216252A JP H10216252 A JPH10216252 A JP H10216252A JP 9025435 A JP9025435 A JP 9025435A JP 2543597 A JP2543597 A JP 2543597A JP H10216252 A JPH10216252 A JP H10216252A
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JP
Japan
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ray
cancer
cancer lesion
laser light
optical fiber
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Application number
JP9025435A
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English (en)
Inventor
Taiji Shimomoto
泰治 下元
Tatsu Hirano
達 平野
Tetsuro Endo
哲朗 遠藤
Koichiro Oba
弘一郎 大庭
Isao Sakata
功 阪田
Susumu Nakajima
進 中島
Takeshi Takemura
健 竹村
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内視鏡観察が困難な部位のガンに対して、治
療部位及び治療過程を確認しながら治療が行えるPDT
法のガン治療装置を提供する。 【解決手段】 被治療者5を挟んで設けられたマイクロ
フォーカス2重ビームX線源21とX線イメージインテ
ンシファイアカメラ22を用いて画像処理系20により
ガン病巣51の立体画像を表示する。この立体画像を基
にして制御CPU4の指示により、ファイバ駆動装置3
3が内部に摺動自在の光ファイバ34を納めた透明チュ
ーブ36をガン病巣51に挿入する。レーザ光源31か
ら射出されたレーザ光は光ファイバによりガン病巣に導
かれて、予め投与され、ガン病巣内のガン細胞に取り込
まれた薬剤に吸収され、活性酸素が発生して、ガン病巣
が選択的に破壊される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガン治療装置に関
し、特に、光線力学的療法(Photodynamic Therapy=P
DT)によるガン治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】PDT法によるガン治療は、予めガン病
巣に選択的に吸収され、かつ、特定波長のレーザ光照射
によって励起されて活性酸素を発生する薬剤を患者に投
与しておく。その上で、ガン病巣にこの特定波長のレー
ザ光を照射すると、ガン細胞中では、吸収されたこの薬
剤がレーザ光により励起され、この際に活性酸素が発生
してガン細胞は死滅する。一方、正常細胞中では、この
薬剤がほとんど吸収されないため、レーザ光を照射して
も活性酸素は発生せず、正常細胞は傷つかずにもとのま
ま残る。したがって、ガン病巣を選択的に破壊すること
ができる。また、放射線療法や抗ガン剤に比較して副作
用もほとんどない。このため、この療法は皮膚ガン等の
表在性のガンや消化器系等のガンの治療に広く用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PDT法は、
ガン病巣に直接レーザ光を照射する必要があり、通常
は、内視鏡を併用して照射するガン病巣の位置及び治療
効果を確認しながら治療が行われる。したがって、体表
面及び消化器系を除いた他の部位のガンについては、内
視鏡での観察を併用することが困難なために、PDT法
を適用することは難しかった。
【0004】本発明は、内視鏡観察が困難な部位のガン
に対して、治療部位及び治療過程を確認しながら治療が
行えるPDT法のガン治療装置を提供することを課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザ光照射
によってガン病巣に選択的に吸収された薬剤を励起して
活性酸素を発生させ、このガン病巣を破壊するガン治療
装置において、(1)薬剤を励起して活性酸素を発生さ
せる所定波長のレーザ光を射出するレーザ光源と、
(2)先端が閉じており、側面にレーザ光を透過する部
分を有し、ガン病巣を貫通して差し込まれる中空のチュ
ーブと、(3)先端側がチューブ内に摺動自在に配置さ
れ、レーザ光源から射出されたレーザ光を伝送して先端
側から射出する光ファイバと、(4)チューブのガン病
巣への差し込み及び引き抜きが行われるようチューブを
駆動するとともに、光ファイバのチューブ内での長手方
向への往復運動及びこの方向を回転軸とする回転運動が
行われるよう光ファイバを駆動するファイバ駆動装置
と、(5)ガン病巣にX線を照射するX線源と、(6)
ガン病巣を挟んでX線源に対向して配置され、ガン病巣
を透過したX線による画像情報を検出するX線検出装置
と、(7)このX線による画像情報を表示する画像表示
装置と、を備えることを特徴とする。
【0006】これにより、レーザ光源から射出されたレ
ーザ光は、光ファイバに伝送される。この光ファイバの
先端は、ガン病巣に差し込まれた中空のチューブ内に配
置されており、レーザ光はこの光ファイバの先端からガ
ン病巣に照射される。光ファイバをファイバ駆動装置に
より中空のチューブ内で回転、往復運動させることで、
ガン病巣へのレーザ照射位置が調整される。X線源から
ガン病巣に照射されたX線の透過画像は、X線源に対向
して配置されたX線検出装置によって検出され、画像表
示装置によりこの透過画像が表示される。つまり、PD
T治療中のガン病巣のX線透過画像が表示される。
【0007】また、X線検出装置はX線イメージインテ
ンシファイアカメラ又はガンマ線カメラあるいは固体2
次元X線画像検出素子のいずれかであってもよい。これ
により、ガン病巣を透過したX線画像が2次元画像情報
として取得される。
【0008】また、本発明のガン治療装置は、(1)薬
剤を励起して活性酸素を発生させる所定波長のレーザ光
を射出するレーザ光源と、(2)先端が閉じており、側
面にレーザ光を透過する部分を有し、ガン病巣を貫通し
て差し込まれる中空のチューブと、(3)先端側がチュ
ーブ内に摺動自在に配置され、レーザ光源から射出され
たレーザ光を伝送して先端側から射出する光ファイバ
と、(4)チューブのガン病巣への差し込み及び引き抜
きが行われるよう前記チューブを駆動するとともに、光
ファイバのチューブ内での長手方向への往復運動及びこ
の長手方向を回転軸とする回転運動が行われるよう光フ
ァイバを駆動するファイバ駆動装置と、(5)ガン病巣
に2ヶ所のX線源からX線を交互に高速で切り替えて照
射するマイクロフォーカス2重ビーム型のX線源と、
(6)ガン病巣を挟んでX線源に対向して配置され、ガ
ン病巣を透過したX線による2次元の画像情報を検出す
るX線イメージインテンシファイアカメラ又はガンマ線
カメラあるいは固体2次元X線画像検出素子のいずれか
からなるX線画像検出装置と、(7)2ヶ所のX線源の
X線源の切り替えを制御するとともに、X線画像検出装
置の出力を画像処理してガン病巣の立体画像を表示する
画像処理系と、を備えることを特徴とするものでもよ
い。
【0009】これにより、ガン病巣にレーザ光が照射さ
れる。また、2つのX線源からX線を交互に高速で切り
替えてガン病巣に照射し、このX線による透過画像を2
次元のX線画像検出装置で検出して、その出力を画像処
理系で画像処理することによってPDT治療中のガン病
巣の立体画像が表示される。
【0010】一方、薬剤はヨウ素等の高X線吸収物質を
含んでいてもよい。これにより、薬剤はX線造影剤とし
ても作用する。
【0011】チューブは、両端が開いた管状の金属スリ
ーブと、金属スリーブ内に摺動自在に配置されており、
先端が閉じた中空部材と、を備えていてもよい。これに
より、内部に光ファイバが差し込まれた透明チューブの
外側に金属スリーブが配置され、それぞれが摺動自在に
配置される。
【0012】また、ガン病巣にレーザ光を照射すること
によって発生する蛍光の強度を検出する検出手段と、検
出された蛍光強度に応じてレーザ光の照射を制御する手
段とを、さらに備えてもよい。これにより、ガン病巣へ
のレーザ光照射量が蛍光強度に応じて自動制御される。
【0013】あるいは、レーザ光の照射中に光ファイバ
の先端部がガン病巣の範囲内に位置するようファイバ駆
動装置を制御する制御系をさらに備えてもよい。これに
より、レーザ光の照射範囲がガン病巣の範囲内に自動制
御される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明する。図1は、本実施形態の全体構成を示
すブロック図である。
【0015】まず、装置の構成を説明する。以下、主と
してレーザ照射時の構成を基に、説明する。本装置は、
被治療者5を乗せる治療台1と、X線を利用して被治療
者5のガン病巣51を撮影する撮像系2と、ガン病巣5
1にレーザ光を照射するレーザ照射系3と、装置全体を
制御する制御CPU4により構成されている。
【0016】このうち、治療台1は、被治療者5を乗せ
たまま互いに直交する3方向に独立して移動することが
でき、この3方向のそれぞれを回転軸として回転するこ
とができる。これにより、ガン病巣51のX線撮影及び
レーザ照射に適するように被治療者5の姿勢及び位置を
変えることができる。この移動・回転は、制御CPU4
により制御される。
【0017】次に、撮像系2の構成を説明する。この治
療台1を挟んで、異なる2つの位置からX線を照射する
マイクロフォーカス2重ビームX線源21と、2次元の
X線画像情報を取得するX線イメージインテンシファイ
アカメラ(以下X線IIカメラと呼ぶ)22が配置され
ている。
【0018】ここで、X線源21は、カソードから出た
熱電子を高電圧で加速してターゲットを衝撃することに
よりX線を発生するX線管であり、1本のX線管中に熱
電子源とカソードが2組設けられている。それぞれのカ
ソードから出た熱電子を交互にターゲットの数mm〜数
十mm離れた位置に衝突させて、X線を照射させる。つ
まり、X線源を2つ有することになる。熱電子をターゲ
ットの狭い範囲に絞り込んで衝突させるので、X線の発
生源がほぼ1点に集中して、鮮明な透過画像が得られ
る。X線IIカメラ22は、入射したX線画像を可視画
像に変換して増幅するX線イメージインテンシファイア
部と、この増幅した可視画像を対応する電気信号に変換
するCCD等を用いたカメラ部を組み合わせたものであ
る。
【0019】X線IIカメラ22の出力電気信号は、画
像処理系20に送られて処理される。この画像処理系2
0は、撮像系2全体を制御すると共にX線IIカメラ2
2の出力信号に対して所定の画像処理演算を行う画像処
理CPU201と、処理により得られた画像を表示する
高精細モニタ202と、表示された画像のうち必要な画
像を収録するイメージファイリングシステム203とか
ら構成されている。
【0020】続いて、図2を参照してレーザ照射系3の
構成を説明する。波長670nmのレーザを射出するレ
ーザ光源31にレーザ照射モニタ32が接続され、さら
にこのレーザ照射モニタ32に接続された光ファイバ3
4にレーザ光が導かれる。光ファイバ34の先端部は、
例えば、斜めに切断された形状をしており、レーザ光は
光ファイバ34の長手方向と略直交方向に照射される。
一方、レーザ光照射によってガン病巣51で発生した蛍
光は、その一部が光ファイバ34に達して、その先端部
からレーザ光源31に向かって送られる。
【0021】この光ファイバ34の先端部は、先端が閉
ざされた中空の透明チューブ36の中に配置されてお
り、この透明チューブ36はガン病巣51を貫通するよ
うに被治療者5の体内に差し込まれている。透明チュー
ブ36には、透過率が高く衛生的で安価に製作可能なテ
フロンやナイロン等のチューブが好ましい。光ファイバ
34は、透明チューブ36内で透明チューブ36の長手
方向に自在に往復運動することができ、この方向を回転
軸として回転することもできる構成になっている。した
がって、光ファイバ34は被治療者5のガン病巣51に
直接接触することはないため、治療の度に高価な光ファ
イバ34を交換あるいは再消毒する必要はなく、安価な
透明チューブ36のみを交換すればよいので経済的かつ
衛生的である。
【0022】さらに、この透明チューブ36の外側に
は、中空の金属スリーブ35が配されており、透明チュ
ーブ36は、金属スリーブ35内で長手方向に摺動自在
となっている。金属スリーブ35のガン病巣51に差し
込まれる側の先端は、差し込みが容易なように中心軸に
対して斜めに切断された形状となっていることが好まし
い。金属スリーブ35には強度と衛生面からステンレス
を用いるのが好ましい。光ファイバ34、金属スリーブ
35、透明チューブ36の移動及び互いの摺動並びに光
ファイバの長手方向を回転軸とした回転運動は、それぞ
れ独立に制御CPU4によって制御されたファイバ駆動
装置33によって行われる。
【0023】一方、レーザ照射モニタ32内部には、レ
ーザ光源31と光ファイバ34を結ぶ光路上にハーフミ
ラー321と、レンズ322が配置されている。レンズ
322によりレーザ光を光ファイバ34に効果的に導く
ことができる。ハーフミラー321は光ファイバ34か
ら戻ってきた蛍光を反射して、レーザ光源31から射出
されたレーザ光と直交する方向に導くためのものであ
る。
【0024】この蛍光の光路上には、さらに、蛍光と共
に含まれるレーザ光成分を除去するフィルタ323と、
蛍光の強度を検出する光検出器324が設置されてい
る。このフィルタ323は、ガン病巣51に吸収された
薬剤により得られる蛍光のみを透過するため、中心波長
700nmで半値幅15nmのバンドパスフィルタを用
いるのが好ましい。そして、光検出器324には、光検
出器324の出力を予め設定された強度と比較して、そ
の比較結果を制御CPU4へ送出する比較器325が接
続されている。
【0025】次に、本実施形態の動作について説明す
る。図1に示すように、被治療者5が治療台1に載せら
れる。この被治療者5には、予めガン病巣51に選択的
に吸収され、波長670nmのレーザ光照射によって活
性酸素を発生する薬剤、例えば、東洋薄荷工業(株)製
のATX−S10にX線吸収体であるヨウ素を結合させ
たI−ATX−S10が投与されている。ヨウ素を結合
させたことで、後に詳述するX線撮影時にガン病巣51
に吸収された薬剤がX線を吸収して造影剤として機能す
るので、ガン病巣51を容易に確認することができ、好
ましい。
【0026】まず、ガン病巣51部分のX線撮影につい
て説明する。X線源21の2つのX線源から被治療者5
の体に交互にX線が照射される。ガン病巣51には、X
線吸収体を含む薬剤が吸収されているため、ガン病巣5
1部分では、正常な臓器に比べてX線が吸収されやす
く、透過X線量は少なくなる。前述の2つのX線源のそ
れぞれから射出されたX線による透視画像は、X線II
カメラ22によってそれぞれの画像に対応した電気信号
に変換される。これらを画像処理CPU201によって
処理して、高精細モニタ202にガン病巣51部の立体
画像を表示する。
【0027】立体画像の表示装置としては、例えば、立
体視用眼鏡を利用する装置がある。この立体視用眼鏡
は、装着者の右目あるいは左目の視野のみを有効にする
ようにシャッター等で切り替える構造になっている。高
精細モニタ202には、右目と左目のそれぞれの視点か
ら見たX線透過画像が交互に高速で切り替え表示され
る。操作者が装着した立体視用眼鏡の視野の切り替えを
この画像切り替えに対応させて制御することにより、操
作者はガン病巣51の立体画像を観察することができ
る。あるいは、高精細モニタ202上に3次元イメージ
として投影できるよう画像処理CPU201により、X
線透過画像を画像処理しても良い。
【0028】続いて、PDT治療、すなわちガン病巣5
1へのレーザ光照射について説明する。まず、図3を用
いて光ファイバ34のガン病巣51への挿入動作を説明
する。以下に示す光ファイバ34、金属スリーブ35、
透明チューブ36の挿入、引き抜き動作は全て、制御C
PU4がファイバ駆動装置33を制御することにより行
われる。図1に示す高精細モニタ202上に立体画像表
示されたガン病巣51の映像を参照して、図3(a)に
示すように、金属スリーブ35がガン病巣51を貫通す
るように差し込まれる。この際に、金属スリーブ35と
被治療者5の血管の接触を防止するため、血管造影剤を
被治療者5に投与しておくことが好ましい。高精細モニ
タ202上には、ガン病巣51に金属スリーブ35が差
し込まれていく様子が立体画像として表示されるため、
金属スリーブ35をガン病巣51の的確な位置に差し込
むことができる。
【0029】金属スリーブ35の挿入が完了すると、こ
の金属スリーブ35内部に透明チューブ36がガン病巣
51を貫通するように挿入される(図3(b)参照)。
続いて、この金属スリーブ35は、その一部が少なくと
もガン病巣51中に残らない位置まで引き抜かれる。金
属スリーブ35は、図3(c)に示すように、被治療者
5の体外まで引き抜かれても良いが、透明チューブ36
を保護するため、その先端が体内に残っていても良い。
最後に、透明チューブ36内に光ファイバ24が挿入さ
れ(図3(d)参照)、レーザ照射の準備が終了する。
【0030】次に、図4によりレーザ光の照射動作を説
明する。図4はレーザ光照射時のガン病巣51の断面概
略図である。以下、光ファイバ34がその被治療者5体
内への差し込み方向から見て、ガン病巣51の最も奥に
位置しているときを位置A、ガン病巣51の中間にある
ときを位置B、ガン病巣51の最も浅い場所に位置して
いるときを位置Cとそれぞれ呼ぶ。光ファイバ34の先
端よりガン病巣51にレーザ光を照射しつつ、光ファイ
バ34を透明チューブ36内で回転させながら、位置A
−位置C間を往復させる。この動作は、制御CPU4の
指示を受けたファイバ駆動装置33によって行われる。
これにより、ガン病巣51の範囲内に限定してレーザ光
を照射することができ、正常細胞を傷つける危険性をさ
らに軽減できる。また、光ファイバ34は透明チューブ
36内に収容されているため、光ファイバ34の移動に
際しての被治療者5の負担が軽減される。
【0031】照射されたレーザ光はガン病巣51に取り
込まれた薬剤に吸収され、この薬剤は励起されて活性酸
素を発生させる。この活性酸素により、ガン細胞が破壊
される。正常な細胞中には、薬剤がほとんど取り込まれ
ていないため、活性酸素は発生せず、細胞の破壊は起こ
らない。したがって、正常な細胞をほとんど傷つけるこ
となく、ガン細胞のみを選択的に破壊することができ
る。
【0032】レーザ光が薬剤等に吸収される際に、光励
起により波長700nmの蛍光が発生する。この蛍光の
一部は、図2に示す光ファイバ34の先端部から入射し
て、この光ファイバ34を逆行し、レンズ322を経由
して、ハーフミラー321で進路を直角に曲げられる。
その後、フィルタ323で蛍光以外の波長成分の光が除
去された後に、光検出器324により蛍光強度が検出さ
れる。
【0033】レーザ照射中の蛍光強度の検出例を図5に
示す。ガン病巣51のほぼ中央に当たる位置Bで蛍光強
度は最大になっている。これは、レーザ光が照射される
ガン病巣の体積が最大になり、照射される部分に含まれ
る薬剤量も最大となるため、結果的に蛍光光量も最大と
なるからである。一方、ガン病巣51の両端に当たる位
置A及び位置Cでは、レーザ光が照射されるガン病巣5
1の体積が0に近いため、蛍光強度は最小となる。レー
ザ光照射により、薬剤が分解されるため、レーザ光照射
を続けるに従って、ガン病巣51へのレーザ光吸収量も
減り、蛍光強度も小さくなる。
【0034】光検出器324の出力Iは、正常細胞中で
の蛍光強度の値であるI0と比較器325によって比較
され、その結果であるI−I0は制御CPU4で常時モ
ニターされている。比較結果が事前に設定した範囲内、
例えばIがI0×1.05以内に達した時点(図5に示
す時刻t1)で制御CPU4からレーザ光源31に制御
信号を送り、レーザ照射を自動停止する。
【0035】ここで、ガン病巣51中での蛍光強度I
は、レーザ照射により薬剤がすべて分解されると、I0
に等しくなる。しかし、蛍光強度が完全にI0と一致す
るまでレーザを照射すると照射時間が長くなって正常細
胞にもレーザ照射による温度上昇等により損傷を与える
ことになるので好ましくない。したがって、レーザ光を
自動停止するときの蛍光強度の設定値は、ガン病巣51
の部位や、被治療者5の状態等を考慮して設定すること
が好ましく、上述のI0×1.05は例示にすぎない。
また、I0の値は、被治療者5及びガン病巣51の部位
によっても異なるため、例えば光ファイバ34のガン病
巣51への差し込みの際に、その近傍の正常細胞中での
蛍光出力を測定し、その値を用いることが好ましい。
【0036】本実施形態のX線検出装置には、ガンマ線
カメラや固体2次元X線画像検出素子あるいは他のX線
検出装置を用いることができる。また、レーザ光を吸収
し、活性酸素を発生する薬剤とX線造影剤は同一の薬剤
でなくとも良い。また、X線源はマイクロフォーカス2
重ビーム型でなくとも良い。この場合は、立体画像を表
示するためには、複数のX線源が必要となる。さらに、
金属スリーブ35を省略することもできる。この場合
は、チューブは透明チューブ36と金属スリーブ35の
機能を併せ持つものであることが好ましい。また、レー
ザ光の照射時間や照射範囲は、操作者が設定してもよ
い。
【0037】以上の説明では、ファイバ34は、先端を
斜めに切断した形状としたが、先端部を散乱面としてレ
ーザ光を側方に射出するものでもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガン病巣のX線画像表示とPDT治療を同時に行えるた
め、X線画像表示でガン病巣の位置を確認しながら、P
DT治療を行うことができる。特に、これまで、内視鏡
の併用が困難なために、PDT治療が適用できなかった
部位のガンに対してPDT治療の適用が可能になる。ま
た、光ファイバはガン病巣内に差し込まれたチューブ内
を移動し、被治療者の体に接触しないため、光ファイバ
を治療の度に交換したり、消毒する必要がなくなるほ
か、ファイバ移動に伴う被治療者の負担も軽減される。
【0039】さらに、X線検出装置にX線IIカメラ等
を用いれば、X線透過画像の検出が容易になる。
【0040】一方、ガン病巣の立体画像表示を行えば、
ガン病巣の位置や治療効果の確認がさらに容易になる。
【0041】また、薬剤にヨウ素等の高X線吸収物質を
含む薬剤を用いれば、別に造影剤を用いなくともガン病
巣を明確に確認できる。
【0042】ファイバを病巣に挿入するためのガイドと
なるチューブを金属スリーブと透明チューブから構成す
れば、病巣へのチューブ等の差し込みは、固い金属スリ
ーブによって行うことができ、レーザ照射時には柔軟性
がある透明チューブを用いることができるため、被治療
者の負担が軽減される。また、透明チューブは安価に製
造することができるため、治療の度に新しいチューブを
用いることができ、衛生的かつ経済的である。
【0043】さらに、レーザ光の照射時間及び範囲を自
動的に制御することができるため、正常な細胞を傷つけ
る危険性をさらに軽減して、より効果的なPDT治療を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態の全体構成を示すブロック
図である。
【図2】図1に示す装置のレーザ照射系のブロック図で
ある。
【図3】図1に示す装置の光ファイバ部のガン病巣への
挿入動作を示す摸式図である。
【図4】図3に示すガン病巣に挿入された光ファイバの
拡大図である。
【図5】図2に示す光検出器の出力を示す図である。
【符号の説明】
1…治療台、2…撮像系、3…レーザ照射系、4…制御
CPU、5…被治療者、20…画像処理系、21…マイ
クロフォーカス2重ビームX線源、22…X線イメージ
インテンシファイアカメラ、31…レーザ光源、32…
レーザ照射モニタ、33…ファイバ駆動装置、34…光
ファイバ、35…金属スリーブ、36…透明チューブ、
51…ガン病巣、201…画像処理CPU、202…高
精細モニタ、203…イメージファイリングシステム、
321…ハーフミラー、322…レンズ、323…フィ
ルタ、324…光検出器、325…比較器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大庭 弘一郎 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 阪田 功 岡山県笠岡市小平井1766−4 (72)発明者 中島 進 北海道旭川市緑が丘5条4丁目4−34 (72)発明者 竹村 健 北海道札幌市東区北45条東9丁目1−17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光照射によってガン病巣に選択的
    に吸収された薬剤を励起して活性酸素を発生させ、前記
    ガン病巣を破壊するガン治療装置において、 前記薬剤を励起して活性酸素を発生させる所定波長のレ
    ーザ光を射出するレーザ光源と、 先端が閉じており、側面に前記レーザ光を透過する部分
    を有し、前記ガン病巣を貫通して差し込まれる中空のチ
    ューブと、 先端側が前記チューブ内に摺動自在に配置され、前記レ
    ーザ光源から射出されたレーザ光を伝送して先端側から
    射出する光ファイバと、 前記チューブの前記ガン病巣への差し込み及び引き抜き
    が行われるよう前記チューブを駆動するとともに、前記
    光ファイバの前記チューブ内での長手方向への往復運動
    及び前記長手方向を回転軸とする回転運動が行われるよ
    う前記光ファイバを駆動するファイバ駆動装置と、 前記ガン病巣にX線を照射するX線源と、 前記ガン病巣を挟んで前記X線源に対向して配置され、
    前記ガン病巣を透過した前記X線による画像情報を検出
    するX線検出装置と、 前記X線による画像情報を表示する画像表示装置と、 を備えることを特徴とするガン治療装置。
  2. 【請求項2】 前記X線検出装置は、X線イメージイン
    テンシファイアカメラ又はガンマ線カメラあるいは固体
    2次元X線画像検出素子のいずれかであることを特徴と
    する請求項1記載のガン治療装置。
  3. 【請求項3】 レーザ光照射によってガン病巣に選択的
    に吸収された薬剤を励起して活性酸素を発生させ、前記
    ガン病巣を破壊するガン治療装置において、 前記薬剤を励起して活性酸素を発生させる所定波長のレ
    ーザ光を射出するレーザ光源と、 先端が閉じており、側面に前記レーザ光を透過する部分
    を有し、前記ガン病巣を貫通して差し込まれる中空のチ
    ューブと、 先端側が前記チューブ内に摺動自在に配置され、前記レ
    ーザ光源から射出されたレーザ光を伝送して先端側から
    射出する光ファイバと、 前記チューブの前記ガン病巣への差し込み及び引き抜き
    が行われるよう前記チューブを駆動するとともに、前記
    光ファイバの前記チューブ内での長手方向への往復運動
    及び前記長手方向を回転軸とする回転運動が行われるよ
    う前記光ファイバを駆動するファイバ駆動装置と、 前記ガン病巣に2ヶ所のX線源からX線を交互に高速で
    切り替えて照射するマイクロフォーカス2重ビーム型の
    X線源と、 前記ガン病巣を挟んで前記X線源に対向して配置され、
    前記ガン病巣を透過した前記X線による2次元の画像情
    報を検出するX線イメージインテンシファイアカメラ又
    はガンマ線カメラあるいは固体2次元X線画像検出素子
    のいずれかからなるX線検出装置と、 前記2ヶ所のX線源のX線源の切り替えを制御するとと
    もに、前記X線検出装置の出力を画像処理して前記ガン
    病巣の立体画像を表示する画像処理系と、 を備えることを特徴とするガン治療装置。
  4. 【請求項4】 前記薬剤は、ヨウ素等の高X線吸収物質
    を含んでいることを特徴とする請求項1又は3記載のガ
    ン治療装置。
  5. 【請求項5】 前記チューブは、両端が開いた中空管状
    の金属スリーブと、前記金属スリーブ内に摺動自在に配
    置され、先端が閉じた中空部材と、を備えていることを
    特徴とする請求項1又は3記載のガン治療装置。
  6. 【請求項6】 前記ガン病巣に前記レーザ光を照射する
    ことによって発生する蛍光の強度を検出する検出手段
    と、前記検出手段により検出された蛍光強度に応じて前
    記レーザ光の照射を制御する手段とを、さらに備えるこ
    とを特徴とする請求項1又は3記載のガン治療装置。
  7. 【請求項7】 前記レーザ光の照射中に前記光ファイバ
    の先端部が前記ガン病巣の範囲内に位置するよう前記フ
    ァイバ駆動装置を制御する制御系をさらに備えることを
    特徴とする請求項1又は3記載のガン治療装置。
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