JPH10216142A - 超音波治療装置 - Google Patents

超音波治療装置

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JPH10216142A
JPH10216142A JP9020472A JP2047297A JPH10216142A JP H10216142 A JPH10216142 A JP H10216142A JP 9020472 A JP9020472 A JP 9020472A JP 2047297 A JP2047297 A JP 2047297A JP H10216142 A JPH10216142 A JP H10216142A
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Katsuhiko Fujimoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、肋骨などによる超音波の遮蔽に起因
する焦点への投入エネルギーの低下を抑制し得る超音波
治療装置を提供することを目的とする。 【解決手段】本発明による超音波治療装置は、患者3に
治療用超音波を集束的に照射するピエゾ素子群2と、治
療用超音波の伝搬経路の少なくとも一部を含む断層画像
を取得する超音波画像診断装置13と、断層画像上で確
認される治療用超音波の遮蔽物による遮蔽率を求め、こ
の遮蔽率に応じて治療用超音波の焦点への投入エネルギ
ーを決定し、この決定した投入エネルギーに従ってピエ
ゾ素子群2への駆動電力とその駆動時間の少なくとも一
方を制御するシステムコントローラ16とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を生体内の
腫瘍などに集束させ、それを変性させて治療する超音波
治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、術後の患者の生活の質(Qual
lty Of Life:QOL)向上が望まれるよう
になってきており、この流れの中で、最少侵襲治療(M
inimally Invasive Trcatme
nt:MIT)が医療の各分野で注目を集めている。
【0003】一例としては、体外から強力超音波を照射
し、無侵襲的に結石を破砕治療する結石破砕装置の実用
化が挙げられ、泌尿器結石症の治療法を大きく様変わり
させた。この結石破砕装置に使用される強力超音波発生
源としては、水中放電方式や電磁誘導方式や微小爆発方
式やピエゾ方式等があり、特にピエゾ方式では強力超音
波の圧力が小さいという短所があるが、小焦点や消耗品
がない、強力超音波圧力を任意にコントロールできる、
複数のピエゾ素子にかかる駆動電圧を位相制御すること
で焦点位置を任意にコントロールできる等、優れた長所
がある(特開昭60−145131号公報、米国特許
4,526,168)。
【0004】また、特に悪性新生物、いわゆる癌の場合
には、その治療の多くを外科的手術に頼っている現状か
ら、本来その臓器が持つ機能や外見上の形態を大きく損
なう場合が極めて多い。このため、生命を長らえたとし
ても患者にとって大きな負担が残ることから、QOLを
考慮したより低侵襲な治療法(装置)の開発が強く望ま
れている。
【0005】従来、手術や放射線療法や化学療法(抗が
ん剤)が癌の3大療法であるが、上述のような低侵襲治
療の流れの中で、新しい癌の治療技術の一つとして熱を
利用した治療法が注目を浴びるようになってきた。その
著名な例がハイパーサーミア療法である。これは、腫瘍
組織と正常組織の熱感受性の違いを利用して、患部を4
2.5〜43℃以上に加温や維持することで癌細胞のみ
を選択的に死滅させる治療法である。
【0006】加温の方法としてはマイク口波等の電磁波
を用いる方法が先行しているが、この方法では生体の電
気的特性により深部の腫瘍を選択的に加温することは困
難であり、深さ5cm以上の腫瘍に対しては良好な治療
成績は望めない。
【0007】また近年、電磁波エネルギーの深達性の悪
さを改善するためにマイクロ波/RF波のアンテナを腹
腔鏡下もしくは経皮的に患部に刺入し、アンテナ周辺の
温度を60℃以上に加熱することで、局所的な治療効果
を向上させた新しい治療法が脚光を浴びている(礒田
他:J.Microwave Surgery)。
【0008】しかし、この治療法も穿刺を要するため、
従来の手術療法よりは低侵襲であるが、穿刺に伴う出血
や播種(転移)等の副作用があるといった問題点もあ
る。我々はこれら従来法の問題点を解決すぺく、エネル
ギーの集束性が良く、かつ深達度が高い超音波エネルギ
ーを利用して深部腫瘍を体外から加温治療する方法を提
案している(特開昭61−13955号公報)。
【0009】また、上記の超音波による加温治療法を更
に一歩進めて、超音波をより鋭く患部に集束させて腫瘍
部分を80℃以上に加熱し、腫瘍組織を瞬時に熱変性壊
死させるような治療法も報告されている(G.Vall
ancien et.al:Progress in
Uro.1991,1,84−88、米国特許5,15
0,711)。また、MRIとの組み合わせによって焦
点領域をモニタしながら加熱治療を行うシステムに関し
ても、米国特許5,247,935、特願平4−436
03号)に詳細に記載されている。
【0010】本治療法では、従来のハイパーサーミアと
は異なり、焦点近傍の限局した領域に非常に強い強度
(数百W/cm2 〜数十kW/cm2 )の超音波が
投入されるために、照射に伴って発生するキャビテーシ
ョン(気泡)や患部の熱変性による音響特性の変化が大
きな問題となると考えられる。特にキャビテーション
(気泡)が発生した領域では、超音波にとって空気は強
反射体であるため以降へ超音波エネルギーが透過しにく
くなる。同時にキャビテーション(気泡)が発生した領
域では超音波の散乱により見かけ上減衰が増加し、発熱
が起こり易くなる。
【0011】このため従来の方法のように、そのまま継
続して強力超音波の照射を行うと、発生したキャビテー
ション(気泡)によって予期しない部位に発熱が惹起さ
れ、時には副作用の原因となる可能性があった。更に、
特開昭60−145131号公報、米国特許4,65
8,828の様に単純なバースト駆動によっても、いっ
たん生成されたキャビテーション(気泡)の崩壊にはし
ばらく時間が必要であるため、ある領域をスキャンしな
がら照射するような場合には各照射間のインターバルを
大きく取る必要があり、全治療時間が長くなってしまう
という問題があった。また、このキャビテーション(気
泡)の発生によって焦点近傍の磁化率が変化し、MRI
による撮像の際に画像に悪影響を及ぼして焦点近傍の正
確な温度を測定できない虞もある。
【0012】この超音波照射に伴って発生するキャビテ
ーション(気泡)を照射制御によって強制的に消滅させ
る手法に関しては特願平6−248480号に幾つかの
方法を記載済みである。
【0013】しかし一方で、超音波は生体組織に於いて
減衰特性を有しており、また、骨や空気は超音波に対し
て強反射体なので殆どエネルギーを透過させないため、
超音波治療を行う際にはそのエネルギー減衰分や遮蔽に
よるエネルギー低下分を余分に補って投入する必要があ
ると考えられるが、従来の発明ではその制御に関して記
載した公知例や文献報告はなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の超
音波治療装置に於いては、超音波の生体減衰や肋骨等の
超音波強反射媒体の遮蔽によって焦点領域に予定したエ
ネルギーを投与できないという事態に対処していなかっ
た。
【0015】本発明は、肋骨などによる超音波の遮蔽に
起因する焦点への投入エネルギーの低下を抑制し得る超
音波治療装置を提供することを目的とする。また、他の
目的は、体表の熱変性を防止することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明による超音波治療
装置は、被検体内に治療用超音波を集束的に照射する超
音波照射手段と、前記治療用超音波の伝搬経路の少なく
とも一部を含む前記被検体の断層画像を取得する手段
と、前記断層画像上で確認される前記治療用超音波の遮
蔽物による遮蔽率を求め、この遮蔽率に応じて前記治療
用超音波の焦点への投入エネルギーを決定し、この決定
した投入エネルギーに従って前記超音波照射手段への駆
動電力とその駆動時間の少なくとも一方を制御する制御
手段とを具備する。
【0017】また、本発明による超音波治療装置は、被
検体内に治療用超音波を集束的に照射する超音波照射手
段と、前記治療用超音波の焦点の深さに応じた前記被検
体の体表が熱変性を起こさない前記焦点への投入エネル
ギーの上限値と、前記焦点にある組織を変性させるのに
必要な投入エネルギーの下限値との差異が所定値より小
さくなったとき、前記治療用超音波の照射を強制的に停
止することと、警報を発することとの少なくとも一方を
行う手段とを具備する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。 (第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態によ
る超音波治療装置の構成を示すブロック図である。この
種の装置は、超音波を使って腫瘍等の被治療体にエネル
ギーを投入し、これによる熱等による変性を用いて治療
を行うとするものである。
【0019】アプリケータ1は強力超音波を発生するピ
エゾ素子群2、このピエゾ素子群2から発生した強力超
音波を患者3に導くカップリング液4、このカップリン
グ液4を収容するカップリング膜5から構成されてい
る。
【0020】ピエゾ素子群2は、治療用強力超音波を照
射する複数のピエゾ素子から成り、各位置から発生した
治療用超音波が一点に集束するように凹状に設けられて
いる。この集束点を焦点と称する。
【0021】患部7の治療時にはまず患者3を寝台(図
示せず)に乗せて所定位置に固定する。そしてメカニカ
ルアーム20を操作してアプリケータ1を患者3の体表
に載せて、カップリング膜5を図示しない超音波ゼリー
等を使用して皮膚に密着させる。
【0022】このような準備が整ったら、次に、システ
ムコントローラ16の制御によりピエゾ素子群2を駆動
して治療用超音波を被検体に照射するのであるが、これ
はシグナルジェネレータ9を起動して、ピエゾ素子群2
の共振周波数に等価な基本周波数foの駆動信号を発生
させ、その駆動信号を駆動回路(RFアンプ)10にて
増幅した後、インピーダンスマッチング回路11を介し
てピエゾ素子群2に投入することにより行われる。
【0023】ここで本実施形態では画像診断装置として
超音波診断装置を使用した。超音波診断装置は、体内モ
ニタリング用の超音波プローブ12を駆動して、焦点を
含む患者7の断面を超音波でスキャンする。このスキャ
ンにより得られた反射信号に基づいて、超音波画像診断
装置13によりBモード画像が再構築される。この画像
は、デジタルスキャンコンバータ14を介してCRT1
5上に表示される。また、術者はコンソール17より照
射(治療)の開始や終了等を指示する。
【0024】次に、本実施形態による投入エネルギーの
決定について説明する。ここで、投入エネルギーについ
て簡単に説明する。腫瘍が熱変性を起こすために必要な
エネルギー(要求エネルギーと称する)はその組織固有
に決まっている。ここで、治療用超音波がエネルギーロ
スなく腫瘍まで到達するのなら、その要求エネルギーの
みに従って治療用超音波を発生させればよい。しかし実
際には減衰等のエネルギーロスの要因がある。従ってこ
のロスを考慮して、つまり実際に焦点に到達するエネル
ギーが要求エネルギーに達するように、要求エネルギー
より高いエネルギーで超音波を照射しなければならな
い。この実際に照射するエネルギーを投入エネルギーと
定義する。
【0025】この投入エネルギーの決定に当たっては、
本実施形態では、治療用超音波の減衰だけでなく、骨等
の遮蔽物の遮蔽の影響をも考慮して決定することを特徴
としたものである。まず、減衰に関して説明する。一般
に遮蔽のない単純な媒体の場合、その超音波エネルギー
の伝搬特性は周波数もしくは周波数の2乗に比例して減
弱する減衰特性を示す。例えば、肝臓等の生体組織の場
合には超音波減衰定数は約−0.5dB/MHz/cm
となり、即ち、超音波の周波数がl.5MHzとすると
1cm伝搬する毎に、その約16%が失われていく。従
って、この時焦点深さ5cmと9cmでは4cmの伝搬
距離の違いがあるため、同じ投入エネルギーのままでは
焦点到達エネルギーは0.844の4乗、つまり略0.
49となり、深さ9cmの時の到達エネルギーは5cm
のときの約半分になる。このため、深さ9cmの患部7
を、深さ5cmのときと同じ駆動電力で照射しても所定
の加熱能力が得られない虞がある(図2参照)。
【0026】従って、患部7の深さ、つまり焦点の深さ
(体表から焦点までの最短距離)に応じた減衰率を鑑み
て、投入エネルギーを決定する必要がある。つまり、焦
点深さが4cm深くなると、浅いときの2倍の投入エネ
ルギーに従ってピエゾ素子群2を駆動する、つまり駆動
電力とその駆動時間を調整する必要がある。
【0027】具体的には、図3に示すように、ポインテ
ィングデバイス19の操作によりポインタ23を移動さ
せて、CRT15に描画された超音波画像上で体表24
の位置を指定し、その位置と焦点マーカ−21の位置ま
での距離を伝搬する間に受けるエネルギー減衰率を、図
2に示すように、システムコントローラ16にて算出
し、その減衰分を補うように投入エネルギーを決定す
る。
【0028】なお、体表や腫瘍など、極端に反射率が異
なる部位や周囲組織と特性の異なる部位では輪郭抽出等
の技術により自動的に検知できるため、この輪郭情報を
用いて体表の位置を得ることも可能である。
【0029】この減衰だけを考慮して決定した投入エネ
ルギーにしたがって実際にピエゾ素子群2を駆動するこ
とにより、治療用超音波の伝搬経路上に遮蔽物が存在し
ないケースという条件下においては、焦点の深さに関わ
りなく、焦点にある患部7に要求エネルギーを安定的に
供給し、常に変性状態(量)を均一に保ち、安定した治
療を実現することが出来る。
【0030】しかし、治療用超音波の伝搬経路上に遮蔽
物が存在しているケースでは、この減衰だけを考慮して
決定した投入エネルギーでは効果的な治療はできないの
で、これを補正しなければならない。
【0031】この遮蔽が問題になるのは、例えば肝臓腫
瘍をターゲットとしたケースが挙げられる。この場合、
図3に示すように超音波通過領域(治療用超音波のコー
ン状の伝搬経路)26内に肋骨等の遮蔽物25が掛か
る。図3では肋骨像25として音響陰影を引いた像とし
て示されている。この時、遮蔽によるエネルギーの低下
割合(遮蔽率)は、遮蔽物(肋骨)25と超音波焦点2
1との距離や、遮蔽物への入射角度等に依存する。
【0032】しかしながら、我々の行った検討では遮蔽
によりエネルギーをロスすると共に焦点サイズ(強度分
布)が拡大するが、熱伝導の効果により変性サイズは焦
点領域に到達したエネルギーに依存することが分かって
おり、従って、遮蔽時にもこの低下/変動分を補正して
エネルギーを上げるだけで焼灼サイズをコントロールで
きると考えられる。
【0033】この遮蔽率は、肋骨の太さ、肋間の間隔、
肋骨と焦点との距離、肋骨への治療用超音波の入射角度
を基にして計算で求めることが可能である。焦点から振
動子表面への遮蔽物の投影より、振動子の遮蔽面積を求
め、これにより遮蔽率を算出する。簡易的には、肋骨の
深さでの治療用超音波束の断面積に対するこの断面に肋
骨がオバーラップする部分の面積の割合(百分率)を、
すべての肋骨について求め、これらの合計値として遮蔽
率を求めることも可能である。
【0034】これら肋骨の太さ等の情報を得るために、
ポインティングデバイス19を操作して超音波画像上で
肋骨25の輪郭がトレースされる。なお、骨など、極端
に反射率が異なる部位や周囲組織と特性の異なる部位で
は輪郭抽出等の技術により自動的に検知できるため、こ
の技術により上記情報を自動的に得ることも可能であ
る。
【0035】このように求めた遮蔽率αを利用して、
(1−α)-1を、減衰だけを考慮して決定した投入エネ
ルギーに掛け合わせることにより、減衰だけでなく遮蔽
をも考慮した最終的な投入エネルギーを決定する。
【0036】この最終的に決定した投入エネルギーに従
って、ピエゾ素子群2への駆動電力やその駆動時間を制
御する。駆動電力の制御は、シグナルジェネレータ9の
出力信号の振幅変調と、RFアンプ10のゲイン調整と
の少なくとも一方により行われる。また、駆動時間の制
御は、シグナルジェネレータ9の出力信号の時間幅の調
整により行われる。
【0037】これにより、焦点にある患部7に要求エネ
ルギーを安定的に供給し、常に変性状態(量)を均一に
保ち、安定した治療を実現することが出来る。なおこの
エネルギーの制御はRFアンプ10の能力が許す限りは
出力パワーの調整によって行うことが望ましいが、必要
な出力パワーがアンプ10の能力を超えてしまった場合
には、駆動時間の制御によっても行うことが可能であ
る。
【0038】なお、焦点の大きさや形状に対して腫瘍の
大きさや形状は様々であり、このようなとき、メカニカ
ルアーム20を制御して順次焦点を移動させるような治
療が行われる。このような場合には、ポインティングデ
バイス19にてCRT15上に表示された超音波画像上
の腫瘍像22の範囲を含む治療領域27をポインタ23
で指定しておき、焦点の移動順序(走査手順)を予め決
定しておくことで、事前に各点での投入エネルギーを算
出してメモリ18に記億しておき、そのデータを次々と
読み出しながら、投入エネルギーを変えていくような制
御を行う。
【0039】これまで示した実施形態では、算出された
超音波減衰及び遮蔽率に基づいて超音波投入エネルギー
を制御する方法と取ったが、特願平8−70206号に
記載の超音波強度分布画像化技術を併用することで、術
前に取得した焦点領域からの減衰や遮蔽を含めた反射強
度情報から焦点での強度(エネルギー)が一定になるよ
うに制御しても良い。 (第2の実施形態)第2の実施形態の特徴は、焦点加熱
能力の安定化技術と体表変性の抑制技術とを組み合わせ
た点にある。本実施形態の超音波治療装置の構成として
は、図1と同様であり、相違としてはシステムコントロ
ーラ16での投入エネルギーの決定処理において、減衰
パラメータの他に体表変性抑制のためのパラメータが加
わっていることである。従って、構成の説明は省略し、
この相違する処理の部分について説明するものとする。
【0040】我々の検討に依れば、図4に示す領域IIの
条件下で生体に対して強力な超音波を照射した場合に音
響特性の違いにより、体表面で特異的に発熱が惹起され
る現象が観察されている。即ち、体表に対してある一定
以上のエネルギーを投入した場合には体表に火傷や熱変
性が惹起され、その程度は体表に投入されたエネルギー
(=超音波強度×照射時間)に依存する。
【0041】従って、集束タイプのアプリケータでは体
表面での治療用超音波束の断面積(通過面積)に反比例
して体表での超音波強度が低下するが、第1の実施形態
の安定化により焦点位置が深くなればなるほど投入エネ
ルギーが高くなっていくので、焦点深さの2乗に比例し
て体表変性閾値29が上がっていくことになる。
【0042】なお、体表変性閾値29とは、被検体の体
表が火傷等の熱変性を起こさない投入エネルギーの上限
値として定義される。また、後述する焦点変性閾値28
とは、焦点にある組織を変性させるのに必要な投入エネ
ルギーの下限値と定義される。
【0043】また、焦点変性閾値28も体表からの焦点
深さと超音波減衰、遮蔽状態、エネルギー入射角度等に
より様々に変動する。この2つの閾値曲線に囲まれた領
域Iが体表が変性せずに焦点領域のみ変性させることの
出来る照射条件となる。
【0044】体表変性閾値29も治療深さだけではなく
他のパラメータに依存して変化する。例えば、実際の治
療ではエネルギーが斜めに入射する場合も多く、体表と
焦点の距離のアンバランスが生じる。
【0045】当然浅い部位ほど体表での治療用超音波の
集束度が高くなってくるのでその体表の超音波強度が上
がって変性しやすくなる。従って、実際の治療では最も
浅い場合の深さで体表変性の見積もりを行う必要があ
る。このため、考えられるパラメータに対する図4に対
応したデータテーブルをメモリ18に予め記億してお
き、そのデータを基に照射の制御をすることが可能とな
る。
【0046】尚、当然の事ながら、これらのパラメータ
による各閾値を逐次コントローラ16にて算出し、制御
を行うことも可能である。なお、ある一定以上焦点位置
が浅くなると、焦点変性閾値28と体表変性閾値29が
近くなってしまう領域が出来る、つまり両値の差異が所
定値より小さくなることに言及していないが、焦点位置
がある一定以上浅くなった場合には治療不可能として警
報を発すること、もしくは強制的に照射をストップする
等の操作を行う。
【0047】本発明は上述した実施形態に限定されるこ
となく種々変形して実施可能である。例えば、上述の説
明では、画像診断装置として超音波診断装置を使用した
が、これに限らず、MRI装置やX線CT装置等の2
D,3D画像診断装置を使用しても良い。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
超音波の生体減衰や肋骨遮蔽によるエネルギーの低下を
考慮して、患部に常に安定したエネルギーを照射して確
実な治療を実現することができる。また、本発明によれ
ば、体表の熱変性を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による超音波治療装置
の構成を示すブロック図。
【図2】減衰による超音波エネルギーの低下を説明する
図。
【図3】図1のCRTの表示画面例とポインティングデ
バイスによる指定操作の説明図。
【図4】第2の実施形態による体表変性閾値や焦点変性
閾値の焦点深度等に対する依存性を示す図。
【符号の説明】
1…アプリケータ、 2…ピエゾ素子群、 3…患者、 4…カップリング液、 5…カップリング膜、 6…強力超音波焦点、 7…患部(腫瘍)、 8…遮蔽物、 9…シグナルジェネレータ、 10…RFアンプ、 11…マッチング回路、 12…超音波プローブ、 13…超音波画像診断装置、 14…デジタルスキャンコンバータ(DSC)、 15…CRT、 16…システムコントローラ、 17…コンソール、 18…メモリ、 19…ポインティングデバイス、 20…メカニカルアーム、 21…焦点マーカー、 22…腫瘍像、 23…ポインタ、 24…体表像、 25…肋骨像、 26…超音波通過領域、 27…治療領域、 28…焦点変性閾値、 29…体表変性閾値。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体内に治療用超音波を集束的に照射
    する超音波照射手段と、 前記治療用超音波の伝搬経路の少なくとも一部を含む前
    記被検体の断層画像を取得する手段と、 前記断層画像上で確認される前記治療用超音波の遮蔽物
    による遮蔽率を求め、この遮蔽率に応じて前記治療用超
    音波の焦点への投入エネルギーを決定し、この決定した
    投入エネルギーに従って前記超音波照射手段への駆動電
    力とその駆動時間の少なくとも一方を制御する制御手段
    とを具備することを特徴とする超音波治療装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、複数の焦点位置各々に
    関して決定した投入エネルギーのデータを記憶する手段
    を有することを特徴とする請求項1記載の超音波治療装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記焦点の深さに基づ
    いて前記被検体の体表が熱変性を起こさない投入エネル
    ギーの上限値を求め、投入エネルギーがこの上限値以下
    になるように前記超音波照射手段への駆動電力とその駆
    動時間の少なくとも一方を調整する手段を有することを
    特徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  4. 【請求項4】 被検体内に治療用超音波を集束的に照射
    する超音波照射手段と、 前記治療用超音波の焦点の深さに応じた前記被検体の体
    表が熱変性を起こさない前記焦点への投入エネルギーの
    上限値と、前記焦点にある組織を変性させるのに必要な
    投入エネルギーの下限値との差異が所定値より小さくな
    ったとき、前記治療用超音波の照射を強制的に停止する
    ことと、警報を発することとの少なくとも一方を行う手
    段とを具備することを特徴とする超音波治療装置。
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JP2015217247A (ja) * 2014-05-21 2015-12-07 株式会社日立メディコ 超音波治療装置及び超音波治療システム

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