JP4088126B2 - 超音波治療装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を使用して被検体内の腫瘍等を治療する超音波治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、最少侵襲治療(MIT:Minitally Invasive Treatment)が医療の各分野で注目を集めている。一例としては、結石破砕装置の実用化が挙げられる。この結石破砕装置は、結石症の治療に体外から強力超音波を照射し、無侵襲的に結石を破砕治療するものであり、泌尿器系結石の治療法を大きく様変わりさせた。
【0003】
結石破砕装置に使用される強力超音波発生源としては、水中放電方式・電磁誘導方式・微小爆発方式・ピエゾ方式等がある。特にピエゾ方式では、強力超音波の圧力が小さいという短所があるが、小焦点であること、消耗品がないこと、強力超音波圧力を任意にコントロールできること、複数のピエゾ素子にかかる駆動電圧を位相制御することで焦点位置を任意にコントロールできること等、優れた長所がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭60−145131号公報
【0005】
【特許文献2】
USP−4526168号公報
一方、例えば悪性新生物、いわゆる癌の従来からの3大療法は、外科的手術・放射線療法・化学療法(抗癌剤)である。その中でも多くを外科的手術に頼っている現状である。外科的手術による治療は、本来その臓器が持つ機能や外見上の形態を大きく損なう場合が極めて多い。このため、生命を長らえたとしても、患者にとっては大きな負担が残ることになる。
【0006】
この問題を解決するため、近年、QOL(Quality of Life)を考慮したより低侵襲な治療法の開発が強く望まれている。その解決策の一つとして、上述したMITの観点による新しい癌治療技術である、熱を利用した治療法が注目を浴びるようになってきている。その著名な一例としては、ハイパーサーミア療法が挙げられる。これは、腫瘍組織と正常組織の熱感受性の違いを利用し、患部を42.5〜43℃以上に加温・維持することで癌細胞のみを選択的に死滅させる治療法である。加温の方法としては、マイクロ波等の電磁波を用いる方法が先行している。しかし、この方法では、被検体の電気的特性により深部の腫瘍を選択的に加温することは困難であり、深さ5cm以上の腫瘍に対しては良好な治療成績は望めない。
【0007】
また、近年、電磁波エネルギーの深達性の悪さを改善するための治療法として、「Microwave Coagulation Therapy(MCT)/Radio Frequency Ablation(RFA)」と呼ばれるものが脚光を浴びている(磯田他:Microwave Surgery他)。これは、マイクロ波/RF波アンテナを術中・腹腔鏡下もしくは経皮的に患部に刺入し、アンテナ周辺の温度を60℃以上に加熱することで局所的な治療効果を向上させた新しい治療法である。しかしながら、この治療法も臓器への穿刺を要するため、従来の手術療法よりは低侵襲であるが、穿刺に伴う出血や播種(転移)等の副作用があるといった問題点がある。
【0008】
さらに、先二つの治療法の問題点を上記MITの立場から解決すべく、エネルギーの集束性が良く、かつ、深達度が高い超音波エネルギーを利用して、深部腫瘍を体外から加熱治療する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0009】
【特許文献3】
特開昭61−13955号公報
また、上記加温治療法を更に進めて、ピエゾ素子より発生した超音波を患部に鋭く集束させて腫瘍部分を80℃以上に加熱し、腫瘍組織を瞬時に熱変性壊死させる治療法も考えられている(例えば、非特許文献1、特許文献4参照。)。
【0010】
【非特許文献1】
G. Vallancian et al著「Progress inUrol.」EDAP論文、 1991年1月p.84−88
【0011】
【特許文献4】
USP−5150711号公報
これらの治療法では、従来のハイパーサーミアとは異なり、焦点近傍の限局した領域に非常に強い強度(数百〜数千W/cm)の超音波を投入することで、焦点近傍の狭い領域のみ瞬時に熱変性壊死させ、かつ、その小さな焦点をスキャンしながら患部領域全体を焼灼する。従って、焦点の正確な位置決めは非常に重要である。この正確な位置決めを行うため、例えば、MRIの化学シフトを利用した体内非侵襲温度分布画像化により術中の発熱点を計測する技術(特許文献5参照)、超音波強度分布をイメージングする技術(特許文献6、特許文献7参照)、治療用超音波の照射領域からの反射波を検出し、超音波画像上に表示する技術が開示されている(特許文献8参照。)。
【0012】
【特許文献5】
特開平5−253192号公報
【0013】
【特許文献6】
特許第1851304号公報
【0014】
【特許文献7】
特許第1821772号公報
【0015】
【特許文献8】
特許第1765452号公報
ところで、上記集束強力超音波を応用した治療装置では、超音波ビームの焦点が非常に鋭く絞られ、超音波エネルギーが強く集中する。このため、体内深部の限局した領域を焼灼治療することが可能である。この集束強力超音波を体外から被検体に照射した場合、発明者らは、体表や異なる組織の境界面で単純な減衰値から計算した以上の発熱が生じることを確認している。
【0016】
このため、集束超音波の焦点位置が浅くなって体表に近くなる場合、例えば肝臓表面の様に体壁に接しているような領域を焼灼する場合には、超音波経路において組織等の変性が惹起され易い傾向となる。なぜなら、境界領域での超音波強度は、体表や臓器境界から焦点までの距離の2乗に概略反比例し、焦点が境界に近くなれば近くなるほど境界での平均超音波強度が上昇するからである。従って、焦点位置が浅くなる、もしくは境界領域に近付くと、強力超音波の照射に伴って境界領領域に熱的な副作用が発生し易くなってしまう。
【0017】
また、特に肝臓癌等の焼灼治療を想定した場合、常に肋弓下からの照射で全体をカバーするのは不可能であり、肋間からの照射を行う必要がある。しかしながら、肋間から超音波を照射すると、肋骨による超音波エネルギーの遮蔽のために、焦点と体表/肋骨と焦点との超音波強度差が小さくなる。このため、通常の照射では体表/肋骨表面にダメージを与えたり、焦点領域に十分な変性を惹起できない恐れがある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、治療患部が体表や臓器境界に近い場合、又は肋骨等の遮蔽があるような場合であっても、安全かつ確実な超音波照射が可能な超音波治療装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
【0020】
請求項1に記載の発明は、被検体の治療部位に向けて超音波を発生する複数の超音波発生素子を有する超音波発生手段と、前記複数の超音波発生素子に供給するための複数の波形信号を発生する波形信号発生手段と、前記複数の波形信号に基づいて、前記複数の超音波発生素子を駆動する駆動手段と、前記被検体の関心領域と超音波の焦点又は前記治療部位との間の距離を、第1の距離から第2の距離に切り換えて前記治療部位に超音波を照射する場合において、前記第2の距離が前記第1の距離に比して小さいときには、前記超音波の焦点のサイズがより小さくなるように、前記駆動手段の駆動位相を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする超音波治療装置である。
請求項9に記載の発明は、被検体の治療部位に向けて超音波を発生する複数の超音波発生素子を有する超音波発生手段と、前記複数の超音波発生素子に供給するための複数の波形信号を発生する波形信号発生手段と、前記複数の波形信号に基づいて、前記複数の超音波発生素子を駆動する駆動手段と、前記超音波発生手段から発せられる超音波の通過経路を、第1の経路と第2の経路とに切り換えて前記治療部位に超音波を照射する場合において、前記第2の経路における超音波の遮蔽率が前記第1の経路における超音波の遮蔽率に比して大きいときには、前記超音波の焦点のサイズがより小さくなるように、前記駆動手段の駆動位相を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする超音波治療装置である。
【0023】
このような構成によれば、治療患部が体表や臓器境界に近い場合、又は肋骨等の遮蔽があるような場合であっても、安全かつ確実な超音波照射が可能な超音波治療装置を実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0025】
まず、本実施形態に係る超音波治療装置10の構成を、図1を参照しながら説明する。図1は、本超音波治療装置10のブロック構成図を示している。同図に示すように、超音波治療装置10は、超音波アプリケータ11、マッチング回路23、RFアンプ25、位相調整部26、波形発生回路27、システムコントローラ29、メモリ31、DSC33、入力部35、表示装置37、超音波診断装置40を具備している。
【0026】
超音波アプリケータ11は、ピエゾ素子群12、カプラ13、超音波プローブ14を有している。
【0027】
ピエゾ素子群12は、2次元アレイ状に配列された複数個のピエゾ素子からなり、RFアンプ25からマッチング回路23を介して供給される電気エネルギにより、指定された周波数領域の超音波を被検体P内部に向けて放射する。
【0028】
カプラ13は、ピエゾ素子群12の表面に配置されており、超音波が被検体Pへ効率良く伝播していくように、ピエゾ素子群12と被検体Pとの音響インピーダンスを整合している。また、カプラ13は、ピエゾ素子群12で発生した熱を遮断し、被検体Pへ伝えないようにするための断熱効果も併せ持っている。
【0029】
超音波プローブ14は、被検体Pに超音波画像を生成するための超音波を送信し、当該被検体Pから反射波を受信するための装置である。超音波プローブ14は、圧電振動子、音響レンズ、音響インピーダンス整合層、バッキング材等からなる。
【0030】
また、超音波アプリケータ11は、照射する超音波の通過経路に存在する皮膚・肋骨等の関心領域を指定するためのデバイスを有している。ここで、関心領域とは、超音波照射に際して発熱等を起こしやすい危険領域、例えば患者の体表面や臓器境界等を意味する。定量的には、超音波インピーダンスの差が所定の値以上の値を示す臓器等の境界面として把握することができる。
【0031】
図2は、超音波アプリケータ11の外観図を示している。超音波アプリケータ11は、関心領域を指定するデバイスとしてのカーソル移動スイッチ110及び選択決定スイッチ112を有している。カーソル移動スイッチ110は、十字スイッチ(ジョイパッド)やトラックボール等の操作デバイスであり、表示装置37の画面上の焦点マーカとしてのカーソルを移動させる。選択決定スイッチ112は、カーソル移動スイッチ110によって所望の位置に移動させたカーソルの位置を、例えば関心領域の中心として決定するためのデバイスである。これらのデバイスにより、術者はあたかもパーソナルコンピュータのマウス操作の要領で、焦点マーカの移動・設定・変更を行うことができる。
【0032】
また、二つ以上の選択決定スイッチ112を設け、そのうちの何れかに選択プルダウンメニューを割り当てる構成であってもよい。割り当てられたスイッチが押された場合には、表示装置37に焦点マーカ設定、体表選択設定、肋骨選択設定等の選択設定対象を決定するためのメニューが表示され、カーソル移動スイッチ110にて選択し、他の選択決定スイッチ112にて決定することで位置設定を行うことができる。
【0033】
マッチング回路23は、超音波発生素子毎に設けられており、RFアンプ25から入力した電気信号のインピーダンス整合を行う。
【0034】
RFアンプ25は、超音波発生素子毎に設けられており、波形発生回路27から入力した信号波形を増幅する。増幅された信号は、マッチング回路23によってインピーダンス整合され、所定の振幅、初期位相等にて各超音波発生素子に印加される。
【0035】
位相調整部26は、指定された位置に、後述する処理にて決定されたサイズにて焦点が形成されるように、波形発生回路27が発生する駆動信号の初期位相をチャンネル毎に調整し、当該信号を個々のRFアンプ25に出力する。
【0036】
波形発生回路27は、システムコントローラ29の制御のもと、入力部35からの入力に従って、ピエゾ素子群12に印加する駆動信号波形を所定の周波数、形状にて発生する。
【0037】
システムコントローラ29は、本超音波治療装置10の統括的な制御を行う。また、システムコントローラ29は、焦点サイズ決定部290、位相制御部291を有する。焦点サイズ決定部290は、操作者によって入力された焦点位置、関心領域、減衰率等に基づいて、関心領域における発熱を安全範囲とするための焦点サイズを決定する。位相制御部291は、この焦点サイズによって指定された焦点位置に治療用超音波を照射するため、位相調整部26を制御することにより波形発生回路27で発生された駆動信号の初期位相をチャンネル毎に調整する。
【0038】
メモリ31は、超音波減衰率毎、照射超音波の通過経路の遮蔽毎に用意され、関心領域と焦点Fとの距離と焦点サイズとを対応付ける焦点サイズ制御テーブル、各焦点サイズとそれぞれの焦点サイズを実現するための各ピエゾ素子毎の初期位相とを対応付ける位相テーブル、被検体の治療対象部位を含むボリュームデータを記憶している。焦点サイズ制御テーブルについては、後で詳しく説明する。
【0039】
入力部35は、オペレータからの各種指示・命令・情報を装置にとりこむためのマウスやトラックボール、モード切替スイッチ、TCS:Touch Command Screen、キーボード等を有している。
【0040】
表示装置37は、CRT等からなるモニタであり、超音波診断装置15によって生成された、被検体組織形状を表す超音波画像を表示する。
【0041】
超音波診断装置15は、超音波プローブ14から被検体Pに超音波を送信し、受信した反射波に基づいて当該被検体Pの体内組織の超音波画像を生成する。生成された超音波画像は表示装置37に表示され、超音波照射位置の特定、確認等に利用される。
【0042】
(焦点サイズの制御)
次に、本超音波治療装置10が有する焦点サイズの制御機能について説明する。この制御は、被検体の関心領域(体表面、臓器境界面等)と超音波焦点との距離、又は照射超音波の通過経路の遮蔽状況に応じて実行される。
【0043】
まず、本超音波治療装置10の焦点サイズ制御の基本的な考え方について、被検体の体表面(又は臓器境界面)と超音波焦点との距離を変更する場合を例に、図3、4,5を参照しながら説明する。
【0044】
図3は、被検体内深部の腫瘍に対して焦点を設定した場合の模式図である。図4は、図3の焦点Fと同一サイズのまま、焦点の深度を小さく設定した場合の模式図である。図5は、図4の焦点Fと同一の深度で、焦点サイズを小さくした場合の模式図である。
【0045】
一般に、焦点Fの設定位置と強力超音波通過領域内の関心領域との相対的位置関係、及び焦点サイズ情報、照射条件から、ある投入電力値Pを設定したときの平均焦点強度I、関心領域での平均超音波強度Iを算出することができる。
【0046】
また、発熱は超音波減衰と超音波エネルギー密度によって決定される。ここでは話を分かりやすくするため、超音波減衰及び照射時間が同一と仮定すると、発熱は、各部位での超音波強度Iに依存し、従って関心領域での発熱は、平均超音波強度Iに依存する。
【0047】
いま、被検体内での減衰をα[dB/(MHz・cm)]、使用する超音波周波数をf[MHz]、図3、図4でのそれぞれの焦点の深さをD、Dとする。このとき、D>Dであるから、図3の方が図4よりも投入電力を大きくする必要がある。具体的には、図3、図4でのそれぞれの投入電力をP、Pとすれば、PとPの間に次の式(1)が成り立つとき、IF1=IF2となる。
【0048】
=P・exp[−α・f・(D−D)/10] (1)
通常、肝臓等の臓器では超音波減衰αはおよそ0.5[dB/(MHz・cm)]程度である。また、集束超音波治療に使用される周波数帯の1〜2MHz近辺での減衰を計算すると、約4cm程度の深さの違いで超音波強度は半分程度に減衰する。従って、例えば、D=8cm、D=4cmとした場合、焦点での超音波強度(すなわち、加熱能力)を同じにするためには、投入電力比はおよそP≒P×2に設定する必要が有る。
【0049】
さらに、曲率(超音波集束度)が図3と図4とで同じだとする。このとき、D=2×Dであるため、図3の場合の患者体表における超音波エネルギー通過断面積は、単純な相似計算で、図4の場合の4倍となる。フェーズドアレイでは曲率が可変の音源と同じであるから、ここまで差は付かないが、それでも図3の場合と図4の場合との超音波通過経路面積比は、2倍〜3倍となる。
【0050】
例えば、図3の場合と図4の場合との超音波通過経路面積比を3倍(S:S=3:1)とし、投入電力比を2倍(P:P=2:1)とすると、図3の関心領域における超音波強度IS3と図4の関心領域における超音波強度IS4との比は、次のようになる。
【0051】
S3:IS4=P/S:P/S=2:3
すなわち、被検体体表での超音波強度は、焦点設定が浅い図3の方が図4の1.5倍となり、従って、焦点設定が浅い図3の方が1.5倍発熱し易いということになる。この値は、減衰や集束度の状況によって異なる。しかしながら、経路安全照射条件としては焦点サイズが同一の場合には、設定深さが浅いほど通過経路に対する影響は一般的には大きくなると言える。
【0052】
従って、超音波経路に対する影響を図3と図4とで同等レベルの安全範囲に設定するためには、焦点が浅い場合(図4の場合)には、図5に示すように、焦点の集束度を上げて焦点サイズをより小さくし、体表平均超音波強度Iと平均焦点強度Iとの比率を大きくする必要がある。また、照射超音波の通過経路に肋骨等による超音波エネルギーが遮断される場合にも、焦点と体表又は肋骨等との超音波強度差が小さくなる、従って、この場合においても、焦点の集束度を上げて焦点サイズをより小さくし、体表平均超音波強度Iと平均焦点強度Iとの比率を大きくする必要がある。
【0053】
本超音波治療装置では、この事情に鑑み、この制御は、関心領域(被検体の体表面又は臓器境界面)と超音波焦点との距離、又は照射超音波の通過経路の遮蔽状況に応じて超音波焦点サイズを制御する。この制御は、メモリ31が記憶する焦点サイズ制御テーブルセットに従って、システムコントローラ29により実行される。
【0054】
図6は、メモリ31が記憶する、所定の遮蔽率における焦点サイズ制御テーブルの一例を示した図である。同図に示すように、焦点サイズ制御テーブルには、焦点サイズSが安全範囲である場合には超音波照射許可を示すフラッグ「Y」が、安全でない場合には超音波照射不許可を示すフラッグ「N」が、関心領域と焦点との距離毎に立てられている。このテーブルは、図6に示すように、超音波の減衰率毎に複数作成される(以下、所定の遮蔽率における、超音波減衰率毎の複数の焦点サイズ制御テーブルを「焦点サイズ制御テーブル群」と呼ぶ。)。また、超音波減衰率毎の焦点サイズ制御テーブル群は、図7に示すように、超音波経路の遮蔽率毎に作成され、焦点サイズ制御テーブルセットを構成する。
【0055】
システムコントローラ29は、入力部35からの焦点位置が入力されると、メモリ31が記憶するボリュームデータを参照して、超音波経路に存在する遮蔽物を抽出し、同経路における遮蔽率を計算する。この遮蔽物の抽出には、例えば骨と軟組織等とのCT値等の違いを利用すればよい。ここで、遮蔽率とは、超音波アプリケータ11の治療用超音波照射面の全面積Sと、焦点を光源として肋骨等の遮蔽物を治療用超音波照射面に投影した場合の面積Suとの比率である。また、他の具体例として、上記遮蔽物を治療用超音波照射面に投影した領域に対応するピエゾ素子の数と、ピエゾ素子群12を構成する素子の総数との比率としても把握することができる。なお、1から遮蔽率を減算したものは、超音波経路の非遮蔽率を表す。
【0056】
焦点サイズ決定部290は、計算した遮蔽率、及び事前のスキャンにより得られた超音波減衰率により、該当する焦点サイズ制御テーブルを選択する。焦点サイズ決定部290は、選択した焦点サイズ制御テーブルを参照して、入力された焦点位置で安全な焦点サイズ(すなわち、フラッグ「Y」が立てられている焦点サイズ)の中から最大のものを選択し、例えば自動的に設定、或いは表示装置37を介して操作者に提示する。これにより、操作者は、安全かつ効率的に超音波治療を行うことができる。
【0057】
図6に示すテーブルは、離散的な距離X1、X2、・・・Xn毎にフラッグが立てられている。例えば、X1とX2との間の距離Xiに焦点を設定した場合には、距離Xiに近い深さのフラッグにて焦点サイズが安全か否かを判別することが可能である。また、連続的な距離毎のテーブルを望む場合には、離散的な距離に関する情報から推定(補間)してもよい。さらに、所定の計算に従って距離、焦点サイズから体表平均超音波強度Iと平均焦点強度Iとを求め、それが安全範囲の閾値を越えないか否かを判別することで、焦点サイズが安全か否かを判別することができる。
【0058】
このように本実施形態では、上記焦点サイズ制御テーブルを利用して、被検体の関心領域
と超音波焦点との距離、又は照射超音波の通過経路の遮蔽状況に応じて焦点サイズを制御する。しかしながら、所定の計算により、入力された焦点位置に応じた最適な焦点サイズを求める構成であってもよい。すなわち、平均焦点強度Iと体表平均超音波強度Iとの相互の関係は、音源の集束度と周波数、焦点と関心領域との相対位置、及び減衰との関係により決定され、ある関数で示すことができる。この関数を予めメモリ31に格納しておき、システムコントローラ29が当該関数に基づいて計算を行うことで、最適な照射条件や焦点サイズを決定する構成であってもよい。
【0059】
なお、操作者自身が、焦点位置と共に焦点サイズを入力する場合には、上記焦点サイズ制御テーブルを利用して、入力された焦点サイズが安全か安全でないかを判別し、その結果を提示する構成とすることができる。
【0060】
(動作)
次に、超音波治療を行う場合の本超音波治療装置10の動作について、図6を参照しながら説明する。図6は、本超音波治療装置10により超音波治療を行う場合の処理の流れを示したフローチャートである。
【0061】
図8において、まず、患者を寝台に配置し、所定の位置で固定する(ステップS1)。次に、超音波ゼリーを患者の体表面に塗布し、アプリケータを所定の位置で接触させる(ステップS2)。
【0062】
続いて、超音波プローブ14から画像取得用の超音波を照射し、患部を含む所定領域の超音波断層像を生成し、表示装置37に表示する(ステップS3)。表示された超音波断層像上に、ピエゾ素子群12から照射される超音波の焦点Fの位置を、DSC33を介し重畳させて表示する。操作者は、表示された焦点Fの位置と、超音波断層像上の患部(腫瘍)6の位置とを一致させるように、手動もしくは図示しない移動アームを用いてアプリケータ11を移動させ、位置決めする(ステップS4)。また、入力部35から焦点Fの位置決め情報を入力し、当該情報に基づくシステムコントローラ29からの信号により、各波形発生回路27の駆動位相を制御することで、電子的に焦点Fの位置を患部6に一致させて位置決めを行う。さらに、位置決めの粗調整を手動もしくは移動アームにて、微調整を焦点電子走査にて行うよう構成としてもよい。
【0063】
上記位置決め完了後、入力部35上で超音波アプリケータ11の配置位置や臓器境界等の関心領域の位置等を指定する(ステップS5)。焦点サイズ決定部290は、入力された超音波アプリケータ11の配置位置、関心領域の位置と焦点Fの位置との相対的位置関係、及び予めメモリ31に記憶するボリュームデータとから、超音波の減衰率及び超音波経路の遮蔽率を計算する。また、焦点サイズ決定部290は、計算された減衰率及び遮蔽率に基づいて、メモリ31から対応する焦点サイズ制御テーブルを選択し、関心領域の位置と焦点Fの位置との相対的位置関係から、最適かつ安全な焦点サイズを決定する。さらに、位相制御部291は、上記焦点位置Fに決定された焦点サイズで超音波を安全に照射するための照射条件((駆動初期位相、駆動強度等)を、メモリ31が記憶する位相テーブル等に基づいて決定する(ステップS7)。なお、超音波経路の遮蔽率については、操作者が入力部35から入力する形態であってもよい。
【0064】
位相制御部291は、予め設定された投入電力、照射時間、インターバル設定、及び決定された照射条件等に基づき、位相調整部26をチャンネル毎に位相差駆動する。これにより所定の初期位相を与えられた信号は、RFアンプ25にて増幅され、マッチング回路23を介してピエゾ素子群12を励振する。ピエゾ素子群12は、実際に上記焦点サイズ、焦点Fの位置による超音波照射を行う(ステップS7)。
【0065】
続いて、焦点Fの位置の変更等を行うか否かを判別し(ステップS8)、変更を行う場合には、再びステップS5〜ステップS7までの処理を繰り返す。一方、変更を行わない場合には、処理を終了する。
【0066】
なお、ステップS5において、超音波通過経路の関心領域の指定を入力部35からの入力によって行った。これに対し、例えば、通過領域の一'定輝度以上のハイエコー領域を画像処理・自動抽出することで、体表等の位置を自動的に指定する構成であってもよい。また、フェーズドアレイやアニュラアレイ音源の様に焦点深さの変更を電子的に行うシステムでは、超音波プローブ14の音響レンズ表面からカプラ13表面までの距離は常にほぼ一定である。これより、カプラ13に接する患者体表の位置を一意に決定することが出来るため、体表位置を予め固定値に設定しておくことも可能である。
【0067】
また、全超音波経路が発熱等の許容範囲を超えない安全域になるように、投入電力を自動的に低減させる構成であってもよい。このように投入電力を低減させた場合には、焦点での平均強度が所定の照射時間で確実な変性を惹起できる強度になるように、焦点サイズ/集束度を自動的に算出・決定し、焦点サイズを変更することが好ましい。
【0068】
本超音波治療装置は、超音波照射時における安全を確保するため、関心領域での温度に関する情報を求め、これを操作者に提示する機能を有する。この機能について、以下図9〜図14を参照しながら説明する。なお、関心領域での温度に関する情報とは、関心領域における超音波強度と照射時間との積、あるいは超音波照射に際して投入される電力と照射時間との積等、関心領域での温度を直接的又は間接的に知ることが出来る指標である。これらの指標は、超音波照射における設定に基づいて、システムコントローラ29によって求められる。
【0069】
図9は、操作者に注意を促すために、本超音波治療装置が有する表示機能を説明するための図であり、超音波断層像に重畳して表示される焦点マーカFM、関心領域マーカ41の一例を示している。焦点マーカFMは、焦点深さや遮蔽度、又は操作者の設定に応じてサイズ可変に表示される。また、関心領域マーカ41は、システムコントローラ29によって計算された当該関心領域(体表や肋骨表面など)における超音波強度値や上昇温度等が一目でわかるように、安全度(例えば照射される超音波強度値、発熱による温度)色彩表示される。例えば、関心領域の超音波強度値が安全範囲の閾値を越えた場合には設定の変更を要求する赤、当該閾値に近い場合には注意を促す黄色、安全である場合にはその旨を意味する青、といった形態にて色分けし、現在行っている超音波照射が安全か否かが一目で判断できるように表示される。特に、図10に示すように、焦点Fの位置を浅く変更し、焦点サイズが大きく、経路への影響が心配される場合には、前述の関心領域の色による表示だけではなく、「設定変更要」、「焦点サイズを縮小してください」等の操作者に注意を喚起する表示を行う構成であることが好ましい。なお、これら操作者に注意を喚起するための情報は、鳴音・音声等により提供してもよい。
【0070】
また、入力部35を操作することで画面上のカーソルを焦点マーカFMや関心領域41に合わせてクリックすることで、図11に示すように、照射強度情報、照射可能時間、予測温度上昇、必要冷却期間等の情報が二次元又は三次元的に表示される構成であってもよい。これらの情報が提示されることで、操作者の注意を促すことができる。
【0071】
図12は、操作者に注意を促すために、本超音波治療装置が有する表示機能の他の例を説明するための図である。一般に、経路領域の温度は、照射超音波強度だけではなく照射時間に依存している。この点に着目し、図12の例では、関心領域マーカ41を、照射時間の経過と共に徐々に安全色(青)から注意色(黄色)、設定の変更を要求する色(赤)に変化させて表示する。また、図13の例では、関心領域マーカ41は一定の色で表示し、別途照射の進行状況を表す時間バー43を準備して、照射時間の経過と共に関心領域の状況・安全度を色によって表示している。
【0072】
図14は、操作者に注意を促すための情報を三次元的に表示する場合の一例である。この図では、体表での安全度分布を二次元的に色分け表示している。特に、経路上に存在する肋骨表面では、より発熱が起こり易いため赤色表示となっている。この状態で、赤色分布が無くなるように焦点サイズを自動的に、または術者が手動にて縮小するように制御・操作することも可能である。
【0073】
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波治療装置では、被検体の体表面(又は臓器境界面)と超音波焦点との距離、又は照射超音波の通過経路の遮蔽状況に応じて、安全かつ適切な超音波照射が実行できるように、焦点サイズや駆動電力等を制御する。従って、常に安全且つ正確に治療用超音波を照射することができ、治療行為の質を向上させることができる。
【0074】
また、安全かつ適切な超音波照射を実行するための焦点サイズや駆動電力等は、本超音波治療装置によって自動的に計算、提示される。従って、操作者の負担を軽減させることができる。
【0075】
本超音波治療装置では、超音波治療の安全のために、操作者に注意を促す情報を所定の形態にて表示する。従って、操作者は、これから行う、或いは現在行っている超音波照射が安全か否かを容易に知ることが出来る。また、本超音波治療装置によれば、超音波照射時間の経過に従って安全度を表す情報を提示できるので、操作者は、治療中に発生する不具合を迅速に把握し対応することが可能である。その結果、治療行為の安全性を向上させることができる。
【0076】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば以下に示すように、その要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0077】
上記実施形態においては、主に焦点サイズや超音波経路の強度に注目して、安全な超音波照射を実行した。これに対し、超音波エネルギーの照射時間を制御することで、安全性を向上させる構成であってもよい。
【0078】
すなわち、本来発熱は強度×時間に依存する量である。この点に注目し、焦点サイズ等を制御する代わりに、或いは焦点サイズ等の制御と組み合わせて照射時間を短くすれば、経路組織への悪影響は防止できる。なお、この様な照射では焦点での発熱が不足する場合がある。この場合には、インターバルを取って同一ポイントに複数回の照射を行い、経路発熱を冷却しつつ焦点を加熱すればよい。
【0079】
また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0080】
【発明の効果】
以上本発明によれば、治療患部が体表や臓器境界に近い場合、又は肋骨等の遮蔽があるような場合であっても、安全かつ確実な超音波照射が可能な超音波治療装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本超音波治療装置10のブロック構成図を示している。
【図2】図2は、超音波アプリケータ11の外観図を示している。
【図3】図3は、被検体内深部の腫瘍に対して焦点を設定した場合の模式図である。
【図4】図4は、図3の焦点Fと同一サイズのまま、焦点の深度を小さく設定した場合の模式図である。
【図5】図5は、図4の焦点Fと同一の深度で、焦点サイズを小さくした場合の模式図である。
【図6】図6は、メモリ31が記憶する、所定の遮蔽率における焦点サイズ制御テーブルの一例を示した図である。
【図7】図7は、メモリ31が記憶する焦点サイズ制御テーブルセットを示した図である。
【図8】図8は、本超音波治療装置10により超音波治療を行う場合の処理の流れを示したフローチャートである。
【図9】図9は、操作者に注意を促すために、本超音波治療装置が有する表示機能を説明するための図である。
【図10】図10は、操作者に注意を促すために、本超音波治療装置が有する表示機能を説明するための図である。
【図11】図11は、操作者に注意を促すために、本超音波治療装置が有する表示機能を説明するための図である。
【図12】図12は、操作者に注意を促すために、本超音波治療装置が有する表示機能の他の例を説明するための図である。
【図13】図13は、操作者に注意を促すために、本超音波治療装置が有する表示機能の他の例を説明するための図である。
【図14】図14は、操作者に注意を促すための情報を三次元的に表示する場合の一例である。
【符号の説明】
10…超音波治療装置
11…超音波アプリケータ
12…ピエゾ素子群
13…カプラ
14…超音波プローブ
15…超音波診断装置
23…マッチング回路
25…RFアンプ
26…位相調整部
27…波形発生回路
29…システムコントローラ
31…メモリ
33…DSC
35…入力部
37…表示装置
40…超音波診断装置
41…関心領域
43…時間バー
110…カーソル移動スイッチ
112…選択決定スイッチ
290…焦点サイズ決定部
291…位相制御部

Claims (13)

  1. 被検体の治療部位に向けて超音波を発生する複数の超音波発生素子を有する超音波発生手段と、
    前記複数の超音波発生素子に供給するための複数の波形信号を発生する波形信号発生手段と、
    前記複数の波形信号に基づいて、前記複数の超音波発生素子を駆動する駆動手段と、
    前記被検体の関心領域と超音波の焦点又は前記治療部位との間の距離を、第1の距離から第2の距離に切り換えて前記治療部位に超音波を照射する場合において、前記第2の距離が前記第1の距離に比して小さいときには、前記超音波の焦点のサイズがより小さくなるように、前記駆動手段の駆動位相を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする超音波治療装置。
  2. 前記関心領域は、前記被検体の体表面、前記被検体の肋骨表面又は臓器境界面であることを特徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  3. 前記治療部位を含む前記被検体の超音波断層像を表示する表示手段と、
    前記表示手段に表示された前記超音波画像に対して、前記関心領域と前記超音波の焦点又は前記治療部位とを指定するための指定手段と、
    をさらに具備し、
    前記制御手段は、前記指定手段によって指定された前記関心領域と前記超音波の焦点又は前記治療部位とに基づいて前記第2の距離を計算し、前記制御を実行すること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の超音波治療装置。
  4. 前記関心領域と前記焦点又は前記治療部位との複数の距離と複数の焦点サイズとを対応付けた第1のテーブルを記憶する記憶手段をさらに具備し、
    前記制御手段は、前記第1テーブルを参照することで前記焦点のサイズを決定し、前記制御を実行すること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の超音波治療装置。
  5. 前記記憶手段は、前記第1のテーブルの前記各焦点サイズと前記駆動手段の駆動位相とを対応付けた第2のテーブルをさらに有し、
    前記制御手段は、前記第2のテーブルを参照することで前記駆動手段の駆動位相を決定し、前記制御を実行すること、
    を特徴とする請求項4記載の超音波治療装置。
  6. 前記制御手段は、前記被検体の関心領域と超音波の焦点又は前記治療部位との間の距離を次第に小さくしながら前記治療部位に超音波を照射する場合には、当該距離が小さくなるに従って前記焦点のサイズが小さくなるように前記制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項記載の超音波治療装置。
  7. 前記制御手段は、前記第2の距離が所定の閾値以下になった場合に、前記制御を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項記載の超音波治療装置。
  8. 前記焦点サイズ決定手段は、前記第2の距離に基づく所定の計算によって前記焦点のサイズを決定し、前記制御を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項記載の超音波治療装置。
  9. 被検体の治療部位に向けて超音波を発生する複数の超音波発生素子を有する超音波発生手段と、
    前記複数の超音波発生素子に供給するための複数の波形信号を発生する波形信号発生手段と、
    前記複数の波形信号に基づいて、前記複数の超音波発生素子を駆動する駆動手段と、
    前記超音波発生手段から発せられる超音波の通過経路を、第1の経路と第2の経路とに切り換えて前記治療部位に超音波を照射する場合において、前記第2の経路における超音波の遮蔽率が前記第1の経路における超音波の遮蔽率に比して大きいときには、前記超音波の焦点のサイズがより小さくなるように、前記駆動手段の駆動位相を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする超音波治療装置。
  10. 前記超音波の通過経路に関する情報は、前記被検体の肋骨による超音波の遮断率又は肺による超音波の遮蔽率の少なくとも一方であることを特徴とする請求項9記載の超音波治療装置。
  11. 前記被検体の治療対象部位を含む領域に関するボリュームデータと、前記超音波の通過経路の複数の遮蔽率と複数の焦点サイズとを対応付けた第1のテーブルと、を記憶する記憶手段をさらに具備し、
    前記制御手段は、前記ボリュームデータに基づいて前記超音波の通過経路の遮蔽率を計算し、前記制御を実行すること、
    を特徴とする請求項9又は10記載の超音波治療装置。
  12. 前記超音波の通過経路の複数の遮蔽率と推奨する複数の焦点サイズとを対応付けた第1のテーブルを記憶する記憶手段をさらに具備し、
    前記制御手段は、入力された前記超音波の通過経路の遮蔽状況に基づいて前記焦点のサイズを決定し前記制御を実行すること、
    を特徴とする請求項9又は10記載の超音波治療装置。
  13. 前記記憶手段は、前記第1のテーブルの前記各焦点サイズと前記駆動手段の駆動位相とを対応付けた第2のテーブルをさらに有し、
    前記制御手段は、前記第2のテーブルを参照することで、前記駆動手段の駆動位相を決定すること、
    を特徴とする請求項11又は12記載の超音波治療装置。
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